JPH07106370B2 - 圧延用ダルロールの製造方法 - Google Patents

圧延用ダルロールの製造方法

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JPH07106370B2
JPH07106370B2 JP3248503A JP24850391A JPH07106370B2 JP H07106370 B2 JPH07106370 B2 JP H07106370B2 JP 3248503 A JP3248503 A JP 3248503A JP 24850391 A JP24850391 A JP 24850391A JP H07106370 B2 JPH07106370 B2 JP H07106370B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロール表面に所定の粗
度を付与した圧延用ロール及び、その製造方法に関する
ものであり、鋼板表面粗度パターンを規制する事によ
り、塗装鮮映性、及びプレス成形性を著しく向上させた
鋼板(冷延鋼板、表面処理鋼板、アルミ合金鋼板、熱延
鋼板)を製造するための冷間圧延、調質圧延、熱間圧延
用ロール及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、加工用冷間圧延鋼板は、プレス
加工し易くするため、鋼板表面をダル仕上げする。即
ち、プレス加工時、鋼板表面に形成された凹凸に、加工
用潤滑油が貯留され、金型と鋼板の摩擦を少なくし、か
つ焼付けを防止する作用をするからである。また、プレ
ス成形性に関する研究は、素材である鉄板側と、成形技
術の両面から行われてきているが、製品の高精度化と複
雑化に伴い、鋼板に対する要求特性がより高級化、多様
化しつつある。このため、現状としては、鋼板粗度を最
終的に調整する調質圧延において、鋼板表面にショット
ブラスト、放電、あるいはレーザー等でダル加工したワ
ークロールを使用し、鋼板表面に粗さを転写している。
また、実際のプレス成形における評価基準は、従来用い
られてきた鋼板の機械的特性(r値、El値等)だけで
は不十分であり、鋼板表面粗度潤滑油等もプレス成形性
に大きな影響を及ぼす。自動車ボディや家電製品などの
外装鋼板は、塗装仕上げをして、美観を付与するが、こ
の際、塗装面の乱反射によって美観を損なわれないよう
にすることいわゆる、鮮映性に優れていることが要求さ
れる。
【0003】図1は、従来技術によるロール製造法につ
いての説明図である。まず、図1−(1)に示す様に、
ロール1表面に約5〜50μmの樹脂3を被覆する。被
覆する樹脂は、耐アルカリ性・耐クロム酸性・絶縁性等
の性質を有し、後工程で除去が容易である様にアルカリ
系樹脂、及びメッキシール用樹脂等が好ましく、例え
ば、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、メタアクリル酸
エステルポリオレフィン樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、ポリアミド系樹脂等がある。これらの樹脂を
ロール表面に5〜50μmの厚さとなる様に被覆する。
被覆の方法としては、ロール非回転によるロール引き抜
き法、電着塗装法、及びロール回転によるロールコータ
ー、スプレーによる吹きつけ、カーテンコーター、粉体
塗装法、フィルム状樹脂等を巻きつける、等の手段でロ
ール表面に均一に付着させ乾燥させる。
【0004】次いで、図1−(2)に示す様に、樹脂を
被覆したロール1は高密度エネルギー、例えばレーザー
ビーム5により加工を受ける。即ち、レーザービーム5
を被覆した樹脂3の表面から照射して、その部分の樹脂
を溶解除去する。樹脂が溶解除去された後の凹部径は、
レーザー照射条件、特にレーザー出力、集光レンズ〜ロ
ール間ギャップ(焦点ずれ)等により制御することがで
きる。また、樹脂が溶解除去された後の凹部径は、ロー
ル表面に被覆された樹脂の膜厚によっても大きく左右さ
れ、例えばレーザー照射条件一定の場合、樹脂の膜厚が
厚いと樹脂が溶解除去された後の凹部径は小さく、逆に
膜厚が薄いと凹部径は大きくなる。このため、本発明に
おいては、樹脂が溶解除去された後の凹部径が所定の範
囲になるように、レーザー照射中に、加工ヘッド近傍の
樹脂膜厚を膜厚計(例えば電磁膜厚計)にて測定する。
そして樹脂被覆したロールを回転させながら、レーザー
加工ヘッドを移動させ、樹脂膜厚に応じた条件に、レー
ザー照射条件を補正後、あらかじめ設定されたピッチ間
隔Pにもとずく加工周波数、ロール回転数にてレーザー
を照射して行う。
【0005】レーザー加工後、図1−(3)に示す様
に、本発明ロールをクロムメッキ溶液中でクロムメッキ
を施す。メッキ条件は、クロムメッキ酸溶液中で20〜
50A/dm2の電流密度、及び樹脂が溶解除去された
後の凹部径D50〜200μmなる径、即ちクロムメッ
キ部有効面積比に応じた投入電流1000A〜2000
A、等の条件で電解メッキを行うことにより、前記でレ
ーザー加工によって形成された穴径にて、1〜20μm
の厚みでクロム突起を付着することができる。この際、
樹脂が絶縁物質であるため、クロムその表面に付着する
ことなく、設定したメッキ条件により、樹脂の厚さとほ
ぼ同等、またはそれ以下の厚さにて、穴の部分だけにメ
ッキされる。図1−(4)は、クロムメッキ後の表面状
態を示すもので、樹脂3及びロール1表面によって形成
された穴6は、電解メッキされた曲面状のクロム突起7
が付着している。次いで、クロム突起7を有するロール
は、溶剤を溶かした溶媒中に浸漬するか、溶剤でブラッ
シングするなどして、表面の樹脂を除去する。そして、
図1−(4)に示すごとく、樹脂を除去したロール1の
表面には、クロム突起7が表出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
圧延用ロール表面に、Crを主成分とした突起を、所定
間隔に連続して設けることにより、クロム突起部形状の
制御によるロール寿命の飛躍的向上、及び本ロールによ
り圧延された鋼板表面に形成された凹部のプレス用潤滑
油の貯蔵増加によるプレス成形性大幅向上、等の点で優
れる。しかし、ロール地鉄表面に直接Crメッキ加工を
施すと、Cr突起部の外径が50〜200μmと微小で
あるためCr突起とロールとの接着面積は、非常に小さ
くなる。そして、このロールを圧延に使用すると、Cr
突起部の密着強度不足によって、圧延中にCr突起部が
受ける局部的な集中荷重のためCr突起部がロール表面
から脱落し、鋼板へ十分な粗度を転写することができな
い。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の課
題を有利に解決するものであって、その特徴とするもの
は、ロール表面にCrメッキの薄膜を被覆し、その上に
絶縁性樹脂の薄膜を被覆し、被膜樹脂膜厚に応じて高密
度エネルギーの照射条件を補正する事により被膜を貫通
し、所定の穴を連続的に形成させ、このように加工した
ロールをクロム酸溶液中に浸漬させ、再度Crメッキ処
理をし、その後、被覆した樹脂を除去することにより、
Crを主成分とし、ロール表面に均一な突起を設けた事
を特徴とする圧延用ダルロールの製造方法にある。
【0008】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明によるロール製造法についての説明図で
ある。まず、図2−(a)に示す様に、ロール1表面に
予めCrメッキ2を施す。メッキ条件は、電流密度20
〜50A/dm2、投入電流1000A〜2000Aに
て実施しCrメッキ膜厚は、2〜10μmとする。その
後、図2−(b)に示す様に、更にロール表面へ約5〜
50μmの樹脂3を被覆する。被覆する樹脂は、耐アル
カリ性・耐クロム酸性・絶縁性等の性質を有し、後工程
で除去が容易である様にアルカリ系樹脂、及びメッキシ
ール用樹脂等が好ましく、例えば、アクリル樹脂、メタ
アクリル樹脂、メタアクリル酸エステル、ポリオレフィ
ン樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリアミ
ド系樹脂等がある。これらの樹脂をロール表面に5〜5
0μmの厚さとなる様に被覆する。被覆の方法として
は、ロール非回転によるロール引き抜き法、電着塗装
法、及びロール回転によるロールコーター、スプレーに
よる吹きつけ、カーテンコーター、粉体塗装法、フィル
ム状樹脂等を巻きつける、等の手段でロール表面に均一
に付着させ乾燥させる。
【0009】次いで、図2−(c)に示す様に、樹脂を
被覆したロール1は高密度エネルギー、例えば、集光レ
ンズ4によって集光したレーザービーム5により加工を
受ける。即ち、レーザービーム5を被覆した樹脂3の表
面から照射して、その部分の樹脂を溶解除去する。この
時、2本のレーザービームをごく微小時間遅らせて1つ
の穴に重ね打ちすることにより、1発目で樹脂を溶融、
除去し、2発目で穴凹部に付着した不純物を完全に揮
散、除去する。樹脂が溶解除去された後の穴凹部6の径
は、レーザー照射条件、特にレーザー出力集光レンズ〜
ロール間ギャップ(焦点ずれ)等により制御することが
できる。また、樹脂が溶解除去された後の凹部径は、ロ
ール表面に被覆された樹脂の膜厚によっても大きく左右
され、例えばレーザー照射条件一定の場合、樹脂の膜厚
が厚いと樹脂が溶解除去された後の凹部径は小さく、逆
に膜厚が薄いと凹部径は大きくなる。このため、本発明
においては、樹脂が溶解除去された後の凹部径が所定の
範囲になるように、レーザー照射中に、加工ヘツド近傍
の樹脂膜厚を膜厚計(例えば電磁膜厚計)にて測定す
る。そして樹脂被覆したロールを回転させながら、レー
ザー加工ヘッドを移動させ、樹脂膜厚に応じた条件に、
レーザー照射条件を補正後、あらかじめ設定されたピッ
チ間隔Pにもとずく加工周波数、ロール回転数にてレー
ザーを照射して行う。
【0010】レーザー加工後、図2−(d)に示す様
に、本発明ロールをクロムメッキ溶液中でクロムメッキ
2を施す。メッキ条件は、クロムメツキ酸溶液中で20
〜50A/dm2の電流密度、及び樹脂が溶解除去され
た後の凹部径D50〜200μmなる径、即ちクロムメ
ッキ部有効面積比に応じた投入電流1000A〜200
0A、等の条件で電解メッキを行うことにより、前記で
レーザー加工によって形成された穴径に1〜20μmの
厚みでクロム突起を付着することができる。この際、樹
脂が絶縁物質であるため、クロムその表面に付着するこ
となく、設定したメッキ条件により、樹脂の厚さとほぼ
同等、またはそれ以下の厚さにて、穴の部分だけにメッ
キされる。図2−(e)は、クロムメッキ後の表面状態
を示すもので、樹脂3及びロール表面クロムメッキ部2
によって形成された穴凹部6には、電解メッキされた曲
面状のクロム突起7が付着している。次いで、クロム突
起7を有するロールは、溶剤を溶かした溶媒中に浸漬す
るか、溶剤でブラッシングするなどして、表面の樹脂を
除去する。そして、図1−(4)に示すごとく、樹脂を
除去したロール表面クロムメッキ部上には、クロム突起
7が表出する。以上の工程によって、本発明はロール表
面にクロム突起を所定のピッチで連続的に、かつロール
内において均一な形状を設けたロールを製造することが
できる。
【0011】図3は、本発明によるロール断面形状を模
式的に示したもので、ロールの表面にレーザーを照射し
て所定のパターンで配設された、クロムを主成分とする
突起であり、圧延方向、及び圧延方向と垂直方向におい
て、本発明のように均一な形状が形成されている。
【0012】図4は、本発明におけるロール表面のクロ
ムを主成分とする突起部形状を均一に加工するための装
置構成を示す図である。ロール表面のCrメッキ2の上
に被覆された樹脂3上から例えばレーザー照射を行い、
樹脂が溶解除去する工程において、レーザービーム5
は、レーザー発信器8から光学系を介して集光レンズ4
へと伝送される。この集光レンズ4は、ロール1と垂直
方向に移動可能な加工ヘッド10内に固定されている。
この加工ヘッド10の近傍には、2つのセンサーが設置
されており、1つはギャップセンサー11で、レーザー
照射中の集光レンズ〜ロール間ギャップ(焦点位置)を
測定するためのものである。またもう一つは、やはりこ
の加工ヘッド10の近傍に設置されている膜厚計12
(例えば電磁膜厚計)である。これは、レーザー照射中
に、加工ヘッドの近傍における、ロール表面に被覆され
た樹脂の膜厚を測定するためのものである。レーザー照
射により樹脂が溶解除去された後の凹部径は、ロール表
面に被覆された樹脂の膜厚とレーザー照射条件(レーザ
ー出力、集光レンズ〜ロール間ギャップ(焦点位置)等
により大きく左右される。
【0013】これらのうち、レーザー出力については、
所定の条件に設定後、ほぼ一定のレーザー出力を維持す
ることができる。しかし、加工するロール表面のクラウ
ン等により、レーザー照射中に集光レンズ〜ロール間ギ
ャップが変化しこれにより、レーザー焦点位置がずれる
場合、あるいは、ロール表面に被覆された樹脂の膜厚
が、ロール内で部分的にバラツキが生じている場合、等
において、なにも対策を実施しなければ、レーザー照射
により溶解除去された後の凹部径は、大きなバラツキが
発生し、ロール内における粗度のバラツキとなる。集光
レンズ〜ロール間ギャップ(焦点位置)が、焦点距離よ
り±側どちらかにずれている場合(ディフォーカス)、
及びロール表面に被覆された樹脂の膜厚が厚い場合は、
樹脂が溶解除去された後の凹部径は小さく、ロール表面
に設けたクロムを主成分とする突起部径も小さくなる。
また、集光レンズ〜ロール間ギャップ(焦点位置)が、
焦点距離の±0μmの場合(ジャストフォーカス)、及
びロール表面に被覆された樹脂の膜厚が薄い場合は、樹
脂が溶解除去された後の凹部径は大きく、ロール表面に
設けたクロムを主成分とする突起部径も大きくなる。
【0014】このように、樹脂が溶解除去された後の凹
部径、ひいてはロール表面に設けたクロムを主成分とす
る突起部径のバラツキを左右する要因として、レーザ
ー出力条件、集光レンズ〜ロール間ギャップ(焦点位
置)、ロール表面に被覆された樹脂の膜厚等があり、
従来技術はこのうち、、の条件のみを考慮してレー
ザー照射を実施しており、樹脂の膜厚分布のバラツキを
考慮していなかった。本発明は、この樹脂の膜厚分布の
バラツキの影響を補正し、ロール内における均一な粗度
を得るためのものである。そのために、図4に示すよう
に、レーザー加工ヘッド10の近傍に膜厚計12(例え
ば電磁膜厚計)を設置し、レーザー照射中にロール表面
に被覆された樹脂の膜厚を測定後、その結果を演算器1
3にてレーザー加工出力に補正する。そしてそのデータ
をレーザー加工装置のコントローラ9へ送り、レーザー
発信器8の出力条件を制御する。樹脂の膜厚条件により
補正されたレーザービーム5は、レーザー発信器8から
光学系を伝送された後、集光レンズ4へと導かれ、集光
後、ロール表面に被覆された樹脂表面へ所定のピッチに
て連続的に照射される。この時、樹脂が溶解除去された
後の凹部径、つまりロール表面に設けたクロムを主成分
とする突起部径は、本発明において、樹脂の膜厚分布の
バラツキ影響を補正しているため、ロール内における均
一な粗度を得ることが可能となる。
【0015】
【実施例】直径610mmφの5%Cr鍛鋼調質圧延ロ
ール用ワークロールの表面に、Crメッキ厚み2〜10
μmにてメッキ加工を施し、更にその上からアクリル樹
脂をローラー塗布にて厚さ5〜50μmに塗布した後乾
燥した。その後、該膜厚を被覆したロール表面に、8〜
20Wのレーザービームを照射し、膜厚表面を貫通する
ことにより、円形凹部を形成した。すなわち、一定の照
射条件(ピーク値とパルス幅)有するパルスレーザー光
を、集光レンズにより集光後、樹脂表面に照射する。こ
の時、レーザー加工ヘッドの近傍に設置された電磁膜厚
計により、測定した樹脂の膜厚バラツキをレーザー加工
出力に補正し、樹脂が溶解除去された後の凹部径が均一
になるように、レーザー発信器の出力条件を制御させ
た。そして、ロール表面に被覆された樹脂表面へ所定の
ピッチにて連続的に照射するように、ロールを回転し、
レーザー加工ヘッドを移動させながら、ロール表面にレ
ーザービームを照射し、被覆した樹脂を貫通し、ロール
表面に円形凹部を形成する。レーザー加工後ロールをア
ルカリ液温50℃、脱脂時間120secで電解脱脂
し、クロム酸溶液にてクロムメッキを行った。すなわ
ち、クロム酸溶液中で電解メッキをし、ほぼ5μmの厚
さのクロムを、ロール表面に形成した凹部に密着させ
た。この際、ロール表面を被覆したアクリル樹脂は、絶
縁性を有することから、樹脂被覆した面はクロムメッキ
はなく、穴部のみにクロムメッキが施された。メッキ後
は、表面被覆している樹脂を、溶剤でブラッシングにて
除去した。その結果、ロール表面には、ほぼ5μm厚さ
のクロム突起が均一な形状で形成されていた。
【0016】本発明による圧延用ダルロールの製造方法
による圧延でのクロム突起部耐久性についての調査結果
を従来技術の場合と比較して表1に示す。従来の技術
(〜)では、ロール地鉄表面へ直接アクリル樹脂を
塗布し、レーザー照射によって貫通除去した樹脂面上穴
凹部のロール地鉄面にクロムメッキの突起を形成してい
たが、この場合、圧延中クロム突起部に加わる局部的な
集中応力によって、圧延開始後の圧延長さ10km以内
でクロム突起部の剥離が発生し、クロム突起高さが20
μm以上の場合では、この現象が顕著に現れ、圧延開
始直後に剥離した。そこで本発明(〜)では、アク
リル樹脂塗布前にロール地鉄表面へクロムメッキ加工を
施すことによって、後工程における樹脂面上穴凹部への
クロムメッキ加工の際に、同一成分元素によるロールと
クロム突起との密着性向上を図った。圧延によるクロム
突起の耐久性調査の結果、クロム突起高さ20μm以上
の場合では、圧延中クロム突起部に加わる局部的な集
中応力によって、圧延開始後の圧延長さ10km以内で
クロム突起部の剥離が発生したが、クロム突起高さが2
0μm以下の場合は、剥離の発生は無く、圧延によるク
ロム突起の摩耗進展によって、鋼板表面の目標粗度が得
られなくなるまで圧延することができる。クロム突起の
摩耗によるロール組替までの寿命は、初期突起高さに依
存し圧延中の剥離等を考慮した場合、クロム突起高さ
は、1〜20μm程度が好ましい。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、ロール
表面へのアクリル樹脂塗布前に事前にクロムメッキ加工
を施し、樹脂塗布後レーザー照射によって貫通除去した
樹脂面上穴凹部のクロムメッキ面に再度クロムメッキ処
理を行うことによって、同一成分元素によるクロム突起
部とロール表面クロムメッキとの密着性向上により圧延
中、突起部の脱落、剥離を防止しロール寿命の飛躍的向
上を図ることができ、圧延された鋼板についても、圧延
長さにおける均一な粗度を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるロール製造方法の1例を示す
図、
【図2】本発明によるロール製造方法の1例を示す図、
【図3】本発明ロールの断面図、
【図4】本発明ロール製造のための装置構成を示した図
である。
【符号の説明】
1 ロ−ル 2 クロムメッキ 3 樹脂 4 集光レンズ 5 レ−ザ−ビ−ム 6 穴凹部 7 クロム突起 8 レ−ザ−発信器 9 コントロ−ラ 10 加工ヘッド 11 ギャップセンサ− 12 膜厚計 13 演算機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 隆治 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社 君津製鐵所内 (72)発明者 塩沢 修一 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭62−168602(JP,A) 特開 平3−204107(JP,A) 特開 昭61−201800(JP,A) 特開 昭62−158591(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール表面にCrメッキの薄膜を被覆
    し、その上に絶縁性樹脂の薄膜を被覆し、被膜樹脂膜厚
    に応じて高密度エネルギーの照射条件を補正する事によ
    り被膜を貫通し、所定の穴を連続的に形成させ、このよ
    うに加工したロールをクロム酸溶液中に浸漬させ、再度
    Crメッキ処理をし、その後、被覆した樹脂を除去する
    ことにより、Crを主成分とし、ロール表面に均一な突
    起を設けた事を特徴とする圧延用ダルロールの製造方
    法。
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