JPH0710630Y2 - 先導ランナの開閉操作紐取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この考案は、例えばカーテンレールの内部に張架した開
閉操作紐を正逆回動してカーテンを開閉するスライド式
カーテンに関し、さらに詳しくは、カーテンを吊設した
先導ランナと開閉操作紐との取付けに利用される先導ラ
ンナの開閉操作紐取付け構造に関する。

（ロ）従来の技術 例えば、駆動モータ等の駆動力で開閉されるスライド式
カーテンを窓枠上部に取付ける場合、予めカーテンレー
ルの内部に開閉操作紐を挿通し、この開閉操作紐をカー
テンレールの両端部に固定した各プーリに架設した後、
紐両端部をカーテンレールに挿入した先導ランナの紐掛
止部に仮止した状態で、カーテンレールを窓枠上部に取
り付けた後、先導ランナの紐掛止部に仮止された開閉操
作紐の両端部の固定を解除し、改めて開閉操作紐の張り
具合を調整して再固定する。

（ハ）考案が解決しようとする課題 上述の先行技術で述べたスライド式カーテンは、細長い
カーテンレールの内部に開閉操作紐を挿通するので、挿
通の途中で開閉操作紐の端部が引っ掛かったり、或い
は、開閉操作紐の端部と端部とが絡み付いたりして、開
閉操作紐をスムーズに挿通することができない。

また、カーテンレール組付け後に開閉操作紐の張り具合
を調整する場合、カーテンレールの下面に形成された狭
い軌条間からしか内部を臨むことができず、指先やドラ
イバ等をカーテンレール内に差し入れて、開閉操作紐と
先導ランナとの固定及び固定解除することは技術的に困
難であり、開閉操作紐の張り具合を調整することができ
ないという問題点を有している。

この考案は、先導ランナの一部を利用することで、カー
テンレールに対する開閉操作紐の挿通が簡単に行うこと
ができ、その後、先導ランナに対する開閉操作紐の連結
も簡単、容易に行えると共に、カーテンレールの外部か
ら開閉操作紐と先導ランナとを固定及び固定解除して開
閉操作紐の張り具合の調整作業も容易にできる先導ラン
ナの開閉操作紐取付け構造の提供を目的とする。

（ニ）課題を解決するための手段 上述の問題を解決する為に、この先導ランナの開閉操作
紐取付け構造は、カーテンレールの内部に張架した開閉
操作紐の両端部を当該先導ランナを構成するランナ本体
の紐掛止部に固定し、駆動手段により開閉操作紐を正逆
回動して、ランナ本体に吊設したカーテンを開閉するス
ライド式カーテンの先導ランナであって、上記紐掛止部
を対称形状に形成された一対の各紐掛止体で構成し、該
各紐掛止体の一部をカーテンレールの左右軌条間より外
部に突出して、該各紐掛止体のカーテンレールの内部と
対応する内面側より、カーテンレールの外部と対応する
外面側に接続される各紐掛止溝を夫々形成し、前記開閉
操作紐の両端部を上記各紐掛止体の外面側に各紐掛止溝
を介して夫々固定し、該各紐掛止体をカーテンレールの
内部に挿入すると共に、該各紐掛止体の相互を連結して
ランナ本体と固定する構成としている。

（ホ）作用 この考案は、開閉操作紐の両端部を、紐掛止部を構成す
る各紐掛止体の外面側に各紐掛止溝を介して夫々固定
し、一方の紐掛止体をカーテンレールの一端側の開口部
よりレール内部に挿入して開閉操作紐を挿通し、この紐
掛止体を反転して再びカーテンレールの他端側の開口部
よりレール内部に挿入して開閉操作紐を挿通すると共
に、この紐掛止体に相対向して他方の紐掛止体をカーテ
ンレールに挿入し、挿入した各紐掛止体を連結して先導
ランナを構成するランナ本体に固定することで、先導ラ
ンナと開閉操作紐との取付けが完了する。

（ヘ）考案の効果 この考案によれば、開閉操作紐の端部を紐掛止体に固定
してカーテンレールの内部に挿通するので、長細いカー
テンレールの内部にも開閉操作紐を詰らせることなくス
ムーズに挿通することができ、この紐掛止体を紐通しと
して便利に使用できる。その後、各紐掛止体を連結して
ランナ本体に固定すれば、先導ランナとなり、その結
果、先導ランナと開閉操作紐との取付けが容易に行え、
カーテンレールの組付け作業時間を短縮して能率アップ
を図ることができる。

しかも、上述の各紐掛止体の外面側に開閉操作紐の両端
部を固定しているので、カーテンレールの外部から開閉
操作紐と先導ランナとの固定及び固定解除が容易に行
え、カーテンレールと各要素とを一体的に組付けた後で
も、レール内部に架設した開閉操作紐を弛みの無い適度
な張り具合に調整する調整作業も容易にできる。

（ト）考案の実施例 この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。

図面はスライド式カーテンに用いられる先導ランナの開
閉操作紐取付け構造を示し、第４図に於いて、この先導
ランナ１を用いるスライド式カーテン２は、例えば窓枠
３の上部に架設したカーテンレール４の両端部に各プー
リ5,5を夫々軸支し、この各プーリ5,5間に張架した開閉
操作紐６の中間部と両端部とを、カーテンレール４に挿
入した各先導ランナ1,1の各紐掛止部7,7に掛止固定する
と共に、一方のプーリ５をカーテンレール４の端部に固
定した駆動部８内の駆動モータ（図示省略）の駆動力に
より正逆回転し、この駆動部８は接続したスイッチボッ
クス９の閉スイッチ9aと開スイッチ9bのスイッチ操作に
より駆動制御される。

上述のカーテンレール４は、下面の両開口縁部を内側へ
Ｌ字形に折曲げて左右に各軌条4a,4aを形成し、この各
軌条4a,4aの裏面側に沿って開閉操作紐６を張架すると
共に、レール内部にカーテン10を吊設する複数個の各吊
掛ランナ11…を挿入し、この各吊掛ランナ11…を左右に
分割する中間に各先導ランナ1,1を対向して挿入した
後、この各先導ランナ1,1及び各吊掛ランナ11…に、各
フック12…を介して各カーテン10,10を吊掛けている。

前述の先導ランナ１は、第１図にも示すように、長尺に
形成したカーテン吊掛杆13の基端部平面にＬ字形の取付
け板14を各ビス15,15で固定してランナ本体16を構成
し、さらに、上部両側に各輪体17,17を軸支した各ラン
ナ18,18を取付け板14の上面前後部に夫々取付けると共
に、この取付け板14の上面中央部に、前後一対の紐掛止
体19,19から構成される合成樹脂製の紐掛止部７を取付
けている。

上述のカーテン吊掛杆13は、このカーテン吊掛杆13の先
端部を基端部と反対側に折曲して、ランナ本体16に対し
偏心した側部位置で前方へ所定長さ突出すると共に、こ
のカーテン吊掛杆13の先端部から基端部に至る平面にフ
ック12を吊掛ける為の各吊掛孔13a…を形成している。

前述の紐掛止部７は、第２図及び第３図にも示すよう
に、対称形状に形成された一対の紐掛止体19,19で構成
され、この一対の紐掛止体19,19は、カーテンレール４
の外部と対応する紐掛止体19の外面側であって、相互の
対向面側に形成した各枢支片19a,19aの孔中心と、前述
の取付け板14の中央上部に形成した支持片14aの孔中心
とを挿通してビス20を挿通し、このビス20を枢支片19a
に埋設したナット21に螺合して構成されるヒンジ22で連
結している。

上述の紐掛止体19は、両側面にカーテンレール４の左右
の各軌条4a,4aと係合する各ガイド溝23,23を形成し、一
方の側面には軌条4aの裏面側と係合する逆Ｔ字形のガイ
ド部24を形成して、このガイド部24の下面に形成した凹
溝24aを、軌条4aの裏面側に張架した開閉操作紐６と係
合し、他方の側面には軌条4aと係合する所定間隔に隔て
て各ガイド片25,25を平行に形成している。

さらに、上述のカーテンレール４の内部と対応する紐掛
止体19の内面側、すなわち、紐掛止体19に形成したガイ
ド部24の側面を縦方向に切り欠き、紐掛止体19の上面を
幅方向に切り欠くと共に、カーテンレール４の外部と対
応する紐掛止体19の外面側、すなわち、紐掛止体19に形
成した各ガイド片25,25側の側面を縦方向に切り欠い
て、カーテンレール４の各軌条4a,4a間を通過して紐掛
止体19の下面側に至る長さの紐掛止溝26を連続的に形成
している。

図示実施例は上記の如く構成するものとして以下作用動
作を説明する。

予め、第５図に示すように、カーテンレール４の全長と
対応する約２倍の長さに設定された開閉操作紐６の中間
部を、他方の先導ランナ１に固定した各紐掛止体19,19
の各紐掛止溝26,26に沿って、各ガイド部24…側より各
紐掛止体19,19の上面を通って各ガイド片25…側へ掛止
し、一対の各紐掛止体19,19間に開閉操作紐６の中間部
を架設する。

この開閉操作紐６の両端部を、一方の先導ランナ１に固
定される各紐掛止体19,19の下面側に各ビス27,27で夫々
固定した後、この開閉操作紐６を各紐掛止体19,19の各
紐掛止溝26,26に沿って、各ガイド片25…側より各紐掛
止体19,19の上面を通って各ガイド部24…の各凹溝24a…
に掛止した状態で水平方向へ引き出す。

次に、カーテンレール４の各軌条4a,4a間に、一方の紐
掛止体19に形成したガイド部24を軌条4aの裏面側に係合
させて、この紐掛止体19をカーテンレール４の一端側の
開口部よりレール内部に挿入することで、開閉操作紐６
の端部をカーテンレール４の各軌条4a,4a間より外部下
面側へ導出した状態で、一方の軌条4aの裏面側に沿って
開閉操作紐６を挿通する。

この後、上述の紐掛止体19に固定した開閉操作紐６を一
方のプーリ５に張架した後、この紐掛止体19を反転し
て、上述と同様に紐掛止体19に形成したガイド部24を反
対側の軌条4aの裏面側に係合させて、この紐掛止体19を
カーテンレール４の他端側の開口部よりレール内部に挿
入することで、他方の軌条4aの裏面側に沿って開閉操作
紐６を挿通する。

一方、他方の紐掛止体19に固定した開閉操作紐６を他方
のプーリ５に張架した後、第６図に示すように、上述の
カーテンレール４の内部に挿入した紐掛止体19と相対抗
させて、前述と同様に紐掛止体19をカーテンレール４の
一端側の開口部よりレール内部に挿入し、軌条4aの裏面
側に沿って開閉操作紐６を挿通した後、カーテンレール
４の内部に挿入した各紐掛止体19,19の各枢支片19a,19a
の孔中心と、ランナ本体16に固定した取付け板14の支持
片14aの孔中心とを連通して、カーテンレール４の外部
下面側より孔中心にビス20を挿通してナット21に螺合
し、ヒンジ22により紐掛止部７を構成する各紐掛止体1
9,19を連結してランナ本体16に固定する。

同時に、カーテンレール４の左右の各軌条4a,4a間に、
他方の対向側の先導ランナ１に固定した紐掛止部７の各
紐掛止体19,19を係合する。

そして、カーテンレール４の両端開口部に各プーリ5,5
を固定した後、両端部下面に形成した挿入口（図示省
略）より複数個の各吊掛ランナ11…を分割して挿入する
ことで、開閉操作紐６及び各先導ランナ1,1と各吊掛ラ
ンナ11…との組付けが完了する。

この組付け済のカーテンレール４を窓枠３の上部に架設
した後、一方の先導ランナ１側の各紐掛止体19,19に固
定された各ビス27,27を弛めて、開閉操作紐６の両端部
の固定を解除し、開閉操作紐６を弛みの無い適度な張り
具合に調整して再固定すると共に、カーテンレール４に
挿入した各先導ランナ1,1及び各吊掛ランナ11…には、
各フック12…を介して左右の各カーテン10,10を開閉可
能に吊掛ける。

このように開閉操作紐６の両端部を各紐掛止体19,19に
固定してカーテンレール４の内部に挿通するので、長細
いカーテンレール４の内部にも開閉操作紐６を抵抗なく
スムーズに挿通することができ、この後、各紐掛止体1
9,19を連結したランナ本体16に固定するだけで、先導ラ
ンナ１と開閉操作紐６との取付けが簡単に行え、カーテ
ンレール４の組付け作業時間を短縮して能率アップを図
ることができる。

しかも、上述のカーテンレール４より外部下面側に突出
した先導ランナ１の紐掛止部７の外面側、すなわち、紐
掛止部７を構成する各紐掛止体19,19の下面側に開閉操
作紐６の両端部を夫々固定しているので、カーテンレー
ル４の外部下面側から開閉操作紐６と先導ランナ１との
固定及び固定解除が容易に行え、カーテンレール４と各
要素とを一体的に組付けた後でも、カーテンレール４の
内部に架設した開閉操作紐６を弛みの無い適度な張り具
合に調整することができる。

なお、この考案は、上述の実施例の構成のみに限定され
るものではない。

例えば、上述の先導ランナ１と開閉操作紐６との紐取付
け構造を、手動で開閉するスライド式カーテンの先導ラ
ンナ１に用いるもよい。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、 第１図は先導ランナの全体斜視図、 第２図はカーテンレールに挿入した先導ランナの拡大縦
断面図、 第３図は開閉操作紐を固定した先導ランナの紐掛止部正
面図、 第４図はスライド式カーテンの正面図、 第５図はカーテンレールと開閉操作紐と紐掛止体との関
係を示す取付け説明図、 第６図はカーテンレールに挿入した紐掛止体とランナ本
体との取付け説明図である。 １……先導ランナ、２……スライド式カーテン ３……窓枠、４……カーテンレール 4a……軌条、６……開閉操作紐 ７……紐掛止部、10……カーテン 16……ランナ本体、19……紐掛止体 26……紐掛止溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カーテンレールの内部に張架した開閉操作
   紐の両端部を当該先導ランナを構成するランナ本体の紐
   掛止部に固定し、駆動手段により開閉操作紐を正逆回動
   して、ランナ本体に吊設したカーテンを開閉するスライ
   ド式カーテンの先導ランナであって、 上記紐掛止部を対称形状に形成された一対の各紐掛止体
   で構成し、 該各紐掛止体の一部をカーテンレールの左右軌条間より
   外部に突出して、該各紐掛止体のカーテンレールの内部
   と対応する内面側より、カーテンレールの外部と対応す
   る外面側に接続される各紐掛止溝を夫々形成し、 前記開閉操作紐の両端部を上記各紐掛止体の外面側に各
   紐掛止溝を介して夫々固定し、 該各紐掛止体をカーテンレールの内部に挿入すると共
   に、該各紐掛止体の相互を連結してランナ本体と固定す
   る 先導ランナの開閉操作紐取付け構造。