JPH07106191B2 - 電気掃除機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はアプライト形電気掃除機に関するものである。

従来の技術 従来のこの種の電気掃除機には、たとえば特公昭59−16
773号公報に記載のようなものがあり、この構成が一般
的であった。以下、その構成について図面を参照しなが
ら説明する。

第５図において、１はハンドル体で、下部には回動軸２
を有し、上部にはハンドル３を配設し、回動軸２に回動
自在に軸支した床ノズル４は前方下面に吸入口５を形成
している。６はハンドル体１の下端に取付けられたロー
ラで、ハンドル体１が床面に対し垂直に位置した状態に
おいて、回動軸２より後方に位置するように配置され
る。つまり、ハンドル体１の実使用状態（第５図の実
線）のときに回動軸２の中心の垂直下方にローラ６がき
て、このとき、回動軸２の中心が床面より最も遠い距離
になり、床ノズル４が前側に傾いた状態となって吸込口
５はA₁寸法の如く掃除状態を成し、ハンドル体１を垂直
に立てかけると（第５図の下層線）、上記のように、ロ
ーラ６は回動軸２の中心より後方になり、回動軸２の中
心は床面より最も近い距離となって床ノズル４が後方に
傾き、吸込口５はA₂寸法の如く前方が浮き上り状態を成
し、ハンドル体１を立てかけたままで放置しても吸込口
５が密閉されることがないためファンモータの故障を防
止したり、また床ノズル４に回転ブラシを配設した掃除
機の場合などは、ブラシが床面から離れてカーペットを
傷めることがないなどのようにしたものであった。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の電気掃除機では、通常の掃除をするに
適した角度のときに、回動軸２の中心が床面から最も遠
い距離となり、吸込口５が床面に近接するよう設定され
ているため、第６図に示すように、たとえばべッドの下
などを掃除するときなどのようにハンドル体１をおよそ
水平状態で使用すると、ローラ６は回動軸２の床面に対
する垂直線上より前方に移動し、回動軸２の床面に対す
る垂直線上より前方に移動し、回動軸２の中心と床面と
の距離はハンドル体１が垂直状態であったときと同じよ
うに最も近い距離となってしまい、垂直状態のときと同
様に床ノズル４が後方に傾き、吸込口５がA₂寸法の如く
なって前方が浮き上がる結果、掃除ができない状態とな
ってしまう問題点を有していた。

本発明はこのような問題点を解決するもので、ハンドル
体１を垂直状態にしたときには、床ノズル４の前方が浮
き上って吸込口５が床面から離れ、ハンドル体１を通常
の使用状態の角度に傾斜させたときには、吸込口５が床
面に近接し、さらにハンドル体１を傾斜させてほぼ水平
状態にしたときにも、吸込口５が床面に近接した掃除可
能な状態に設定できる電気掃除機を提供することを目的
とするものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本発明は、操作用ハンド
ルを有するハンドル体に回動自在に枢着され、前方下面
に吸込口を有する床ノズルと、前記ハンドル体の下端で
ハンドル体がほぼ垂直状態において前記枢着点より後方
に位置し、かつ前記ハンドル体が通常使用状態の角度に
おいて床ノズルをその吸込口後方の支点部を支点として
吸込口が床面に近接するように回動させるとともに、掃
除機本体を移動可能にするローラと、このローラのさら
に後方上方に位置し、かつハンドル体をほぼ水平状態に
まで傾斜させたときに、前記ローラに替ってノズルをそ
の吸込口後方の支点部を支点として吸込口が床面に近接
するように回動保持するとともに、掃除機本体を移動可
能にする補助ローラとを有するようにしたものである。

作用 上記した構成により、ハンドル体が格納状態であるほぼ
垂直状態においては、床ノズルの回動中心の枢着点と床
面との距離が最も近くなるため、床ノズルの後方が下が
り、吸込口の後方を支点として床ノズル前方が浮き上が
って吸込口床面から離れる。ハンドル体を通常の使用状
態まで傾斜させると、ローラが床ノズルの回動中心の枢
着点の垂直下方にきて、枢着点と床面との距離が最も遠
くなり、この結果床ノズルの後部が上がり、吸込口の後
方を支点として床ノズルの前方が下がって吸込口が床面
に近接し、掃除可能な状態を保つ。またべッドの下など
を掃除するためハンドル体をほぼ水平状態まで倒すと、
補助ローラが床ノズルの回動中心の枢着点の垂直下方に
きて枢着点と床面との距離が使用状態のときと同様に最
も遠い状態となり、吸込口が床面に近接し、掃除可能な
状態を再現する。このとき、ローラは床ノズルの回動中
心の枢着点より前方で床面から離れた状態となってお
り、ハンドル体をほぼ水平状態まで傾斜したときの掃除
機本体の移動は補助ローラによって行なわれる。

実施例 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説
明する。

第１図〜第４図において、11は下面前方にほぼ長方形状
の吸込口11aを有する床ノズルで、この吸込口11aには、
カーペットなどの被掃除面に付着した塵埃をかき上げる
回転ブラシ12が臨み、この回転ブラシ12は床ノズル11に
回転自在に軸支れている。下端部を床ノズル11に傾動自
在に枢着したハンドル体13は下部に電動送風機14と収塵
袋15などを内蔵した箱状の収塵部16を有し、この収塵部
16の上部に固着して棒状のハンドル17が延設されてい
る。

電動送風機14はその回転軸14aがハンドル体13と床ノズ
ル11との枢着点18と同心的に配設され、この回転軸14a
は床ノズル11内に突出している。回転軸14aと回転ブラ
シ12との間に張設したベルト19は電動送風機14の回転力
を回転ブラシ12に伝達している。回転ブラシ12によって
かき上げられ、吸込口11aを通って流入する塵埃を収塵
部16の収塵袋15に導くホース20は一端は床ノズル11の回
転ブラシ12に近接して開口し、他端は収塵部16に開口す
るように接続されている。したがって含塵気流は吸込口
11aからホース20を通り、塵埃だけが収塵袋15で捕獲さ
れ、清浄な空気が排気口（図示せず）から外部に放出さ
れる。

21は床ノズル11の下面において吸込口11aの後方に設け
られた前輪で、床ノズル11の前部を支えている。22は収
塵部16の下端部でかつハンドル体13を垂直に立てたとき
に枢着点18の後方に位置するように配設したローラで、
電動送風機14の回転軸14aを介して床ノズル11の後部を
支えている。またこのローラ22はハンドル体13を通常使
用状態に傾動させたときに枢着点18のほぼ垂直下端にく
るような位置に設定されている。このとき、床ノズル11
は前輪21を支点として回動し、吸込口11aは床面に対し
て近接するように設定されている。さらに収塵部16の下
端部でローラ22の後方上方に補助ローラ23が配設され、
この補助ローラ23はハンドル体13をほぼ水平状態にした
ときに枢着点18のほぼ垂直下端にくるような位置関係で
かつローラ22と枢着点18の中心距離と同様の寸法をもっ
た位置関係に配設しており、またローラ径も同一寸法に
設定されている。

上記構成において動作を説明する。通常使用時は、ハン
ドル17を持ってハンドル体13を第２図から第３図のよう
に傾動させると、枢着点18は床面から最も遠い状態とな
り、この状態で床ノズルを前後に移動させると、吸込口
11aが床面に近接または密着した状態で床面の掃除がで
きる。掃除途中に机や椅子の整列などを行う場合に第２
図のようにハンドル17を垂直にして放置することがしば
しば発生するが、このとき枢着点18は床面と最も近くな
り、前輪21を支点として床ノズル11の前方が浮き上る。
すると吸込口11aが床面から離れ、回転ブラシ12が床面
に接触しなくなるため、同一場所で長時間放置してもカ
ーペットを傷めたり、吸込口の密閉状態のために起こる
電動送風機14の損傷なども防げる。また、ベッドの下な
どの奥まった所を掃除する場合は、ハンドル体13を第４
図に示すようにほぼ水平状態まで倒して行うが、このと
きには補助ローラ23が枢着点18の下方にきて、第３図の
通常使用状態のときと同様に床面からの枢着点18の位置
を保つ。つまりこの状態においても床ノズル11の吸込口
11aは床面に近接状態に保たれるため通常使用状態と同
様の掃除状態が確保できる。

なお、本実施例においては、吸込口に臨んで回転ブラシ
を有し、かつ吸引装置を内蔵した、いわゆるアップライ
ト形電気掃除機について述べたが、回転ブラシがなく、
吸込口だけのものについても、また吸引装置が別の機器
に設けられ、このをホースなどで連結するタイプのもの
についても適用できることは言うまでもない。また本実
施例においては、床ノズルの下面に前輪を設けたが、必
ずしも車輪でなくてもよく、床ノズルが傾動する支点に
なればよく、なめらかな曲面でもよい。

発明の効果 以上述べたように本発明によれば、ハンドル体とほぼ水
平状態で使用するときにも補助ローラの作用により通常
使用状態で使用するときと同じように掃除を可能にでき
る。また、ハンドル体を通常使用状態からほぼ水平状態
に移行するまでの間、つまりローラが床ノズルの回動中
心の枢着点から前方に移動し、補助ローラが回動中心の
枢着点のほぼ垂直下方にくるまでの間に前記枢着点は一
旦上がるがその後に下がり、再び最も遠い状態になる。
言い換えれば、上記移動の間に床ノズル先端が少し浮き
上がる状態をつくり得るため、通常使用状態で操作中に
たとえばカーペットの端部などを乗り越えたい場合など
には、ハンドルを少しさげてやれば容易に乗り越すこと
もできるわけであり、極めて使用性の高い電気掃除機が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電気掃除機の要部切欠
側面図、第２図〜第４図はそれぞれ同電気掃除機の格納
状態、通常使用状態およびベッド下などの掃除状態の動
作説明図、第５図および第６図はそれぞれ従来例の電気
掃除機の構成と動作を説明する側面図である。 11……床ノズル、11a……吸込口、12……回転ブラシ、1
3……ハンドル体、14……電動送風機、14a……回転軸、
16……収塵部、17……ハンドル、18……枢着点、21……
前輪、22……ローラ、23……補助ローラ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】操作用ハンドルを有するハンドル体に回動
   自在に枢着され、前方下面に吸込口を有する床ノズル
   と、前記ハンドル体の下端でハンドル体がほぼ垂直状態
   において前記枢着点より後方に位置し、かつ前記ハンド
   ル体が通常使用状態の角度において床ノズルをその吸込
   口後方の支点部を支点として吸込口が床面に近接するよ
   うに回動させるとともに、掃除機本体を移動可能にする
   ローラと、このローラのさらに後方上方に位置し、かつ
   ハンドル体をほぼ水平状態にまで傾斜させたときに、前
   記ローラに替って床ノズルをその吸込口後方の支点部を
   支点として吸込口が床面に近接するように回動保持する
   とともに、掃除機本体を移動可能にする補助ローラとを
   有する電気掃除機。
2. 【請求項２】床ノズルの支点部に前輪を配設した特許請
   求の範囲第１項記載の電気掃除機。