JPH0710512A - フラーレン混合物から個々のフラーレンを単離および精製する方法 - Google Patents
フラーレン混合物から個々のフラーレンを単離および精製する方法Info
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- JPH0710512A JPH0710512A JP6071279A JP7127994A JPH0710512A JP H0710512 A JPH0710512 A JP H0710512A JP 6071279 A JP6071279 A JP 6071279A JP 7127994 A JP7127994 A JP 7127994A JP H0710512 A JPH0710512 A JP H0710512A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 フラーレン混合物に含まれている個々のフラ
ーレンを単離および精製する方法の提供 【構成】 C60およびC70のようなより高い分子量のフ
ラーレンおよびそのほか同様なものを含む混合物から個
々のフラーレンを単離および精製する方法が提供され
る。その方法は混合物における異なるフラーレンの選択
的溶解度に基づく逐次的抽出技術を含む。
ーレンを単離および精製する方法の提供 【構成】 C60およびC70のようなより高い分子量のフ
ラーレンおよびそのほか同様なものを含む混合物から個
々のフラーレンを単離および精製する方法が提供され
る。その方法は混合物における異なるフラーレンの選択
的溶解度に基づく逐次的抽出技術を含む。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般にフラーレン混合
物に含まれている個々のフラーレン分子を単離および精
製する方法に関するものであり、そしてさらに特には逐
次抽出技術を含むそのような単離および精製方法に関す
るものである。本発明は追加的に前記方法によって製造
された単離され、精製されたフラーレンに関するもので
ある。
物に含まれている個々のフラーレン分子を単離および精
製する方法に関するものであり、そしてさらに特には逐
次抽出技術を含むそのような単離および精製方法に関す
るものである。本発明は追加的に前記方法によって製造
された単離され、精製されたフラーレンに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】「フラーレン」として知られている炭素
の新しい分子形状は比較的最近の発見である。60個の
炭素原子からなる高い安定な分子の存在は、クロト等
(Kroto et al.)〔H.W.クロト等,ネ
ーチャー(Nature)318:162 (1985.
11.4)〕によって1985年ガス相における質量分
光測定をもとに自明なものとされた。これらの研究は、
C60は平頭の二十面体の形を有する中空分子であると提
案した。その中空で、高度に対称な構造のゆえに、この
化合物は「バックミンステルフラーレン」と称された。
しかしながらクロト等は提案された化合物のいかなるも
のも単離しなかった。その時以来、安定な対称C60分子
は確認され、そしてそのような構造は黒鉛電極のレーザ
ー気化によって合成された〔W.クラッシュマー等
(W.Kratschmer et al.)ネーチャ
ー(Nature)347:354−358 (199
0)参照〕。C60がさらに速い速度で発生されることが
できる関連「スケールアップ(Scale up)」技
術が、ヘリウム環境における炭素アークの使用を含め
て、R.E.ハウフレル等(R.E.Haufler
et al.)によって記載されている〔マット リサ
ーチ ソサイエテー シンポジウム プロシーデング
(Mat.Res.Soc.Symp.Proc.)2
06:627−637 (1991)〕。C60およびC70
のフレーム(Flame)合成もまた記載されている
〔J.B.ホワード等(J.B.Howard eta
l.)、ネーチャー(Nature)352:139−
141 (1991)およびJ.B.ホワード等(J.
B.Howard et al.)ジャーナルフィジカ
ル ケミストリー(J.Phys.Chem.)96:
6657−6662 (1991)参照〕。他の関連する
構造も、C76、C78、C82、C84、C90およびより高い
分子量の類似体を含めて、同様に合成された。
の新しい分子形状は比較的最近の発見である。60個の
炭素原子からなる高い安定な分子の存在は、クロト等
(Kroto et al.)〔H.W.クロト等,ネ
ーチャー(Nature)318:162 (1985.
11.4)〕によって1985年ガス相における質量分
光測定をもとに自明なものとされた。これらの研究は、
C60は平頭の二十面体の形を有する中空分子であると提
案した。その中空で、高度に対称な構造のゆえに、この
化合物は「バックミンステルフラーレン」と称された。
しかしながらクロト等は提案された化合物のいかなるも
のも単離しなかった。その時以来、安定な対称C60分子
は確認され、そしてそのような構造は黒鉛電極のレーザ
ー気化によって合成された〔W.クラッシュマー等
(W.Kratschmer et al.)ネーチャ
ー(Nature)347:354−358 (199
0)参照〕。C60がさらに速い速度で発生されることが
できる関連「スケールアップ(Scale up)」技
術が、ヘリウム環境における炭素アークの使用を含め
て、R.E.ハウフレル等(R.E.Haufler
et al.)によって記載されている〔マット リサ
ーチ ソサイエテー シンポジウム プロシーデング
(Mat.Res.Soc.Symp.Proc.)2
06:627−637 (1991)〕。C60およびC70
のフレーム(Flame)合成もまた記載されている
〔J.B.ホワード等(J.B.Howard eta
l.)、ネーチャー(Nature)352:139−
141 (1991)およびJ.B.ホワード等(J.
B.Howard et al.)ジャーナルフィジカ
ル ケミストリー(J.Phys.Chem.)96:
6657−6662 (1991)参照〕。他の関連する
構造も、C76、C78、C82、C84、C90およびより高い
分子量の類似体を含めて、同様に合成された。
【0003】これらの新しい分子に対して、数あるなか
で、多くの異なった用途が提案された:例えば新しいポ
リマー、超電導装置、光導電性の素子など。フラーレン
は黒鉛炭素からつくられた製品よりも高順位の安定性を
有する製品をつくるために特に価値があり、そして例え
ばC60またはC70繊維のような二次成形または成型され
た製品に加工されることができることもまた提案されて
いる(例えば、PCT公報 No.WO92/0427
9参照)。更に、フラーレンは工業用ペイント顔料、滑
剤、物質(例えば触媒)を貯蔵するためのカプセル、お
よびその類似物として使用され得ることが提案された。
で、多くの異なった用途が提案された:例えば新しいポ
リマー、超電導装置、光導電性の素子など。フラーレン
は黒鉛炭素からつくられた製品よりも高順位の安定性を
有する製品をつくるために特に価値があり、そして例え
ばC60またはC70繊維のような二次成形または成型され
た製品に加工されることができることもまた提案されて
いる(例えば、PCT公報 No.WO92/0427
9参照)。更に、フラーレンは工業用ペイント顔料、滑
剤、物質(例えば触媒)を貯蔵するためのカプセル、お
よびその類似物として使用され得ることが提案された。
【0004】今日まで、個々のフラーレンを単離および
精製するために用いられた方法は何らかや不適当であっ
た。そのような精製方法は、フラーレンを合成するため
の公知の技術が、C60、C70およびより高い分子量の類
似体の混合物である「抽出物」を生じるので、不可欠で
あった。現在、フラーレンを分離するための方法は、物
質、例えば溶剤およびその他同様なもの、の大量の使用
を必要ならしめ、かつ純粋のフラーレン化合物の比較的
低い収量を生じる多段で、非常な時間を要する、クロマ
トグラフィーの方法を含む。R.ティラー(R.Tay
lor)は、ジャーナル ケミカル ソサイテーケミカ
ル コミュニケーション(J.Chem.Soc.,C
hem.Commun.):1423−1425(19
90)において、アルミナおよびヘキサンを使用するク
ロマトグラフィーの分離方法を記載しており、ここで
は、元の抽出物の15%が回収される。同様の技術が
J.M.ハウキンス等(J.M.Hawkins et
al.)によって、ジャーナル オーガニック ケミ
ストリー(J.Org.Chem.)55:6250−
6252 (1990)において、そしてD.S.ベチュ
ン等(Bethune et al.)によってケミカ
ル フィジカル レター(Chem.Phys.Let
t.)179:181−186(1991)において記
載されている。M.S.メイヤー等(M.S.Meie
r et al.)はジャーナル オーガニック ケミ
ストリー(J.Org.Chem.)57:1924−
1926 (1992)において、ゲル透過クロマトグラ
フィー(gpc)分離における移動相として100%の
トルエンが用いられている改良された技術を提案してい
る。しかしながら、この技術もまた単離されたC60およ
びC70の比較的低い収量を生じ、きわめて少量の出発物
質または抽出物質を取扱う作業を人々に要求し、かつか
なり複雑なそして時間のかかる手順である。W.A.ス
クリベンス等(W.A.Scrivens et a
l.)は、ジャーナル アメリカン ケミカル ソサイ
ティ(J.Am.Chem.Soc.)114:791
7−7919 (1992)においてフラッシュクロマト
グラフィーカラムにおいて活性炭の使用を含むクロマト
グラフィー分離技術を提案もしている。しかしながら、
この方法は混合物からC60を分離および精製するために
のみ有用である;著者等は、フラーレン混合物から他の
フラーレン−−例えばC70−−を単離および精製するた
めのいかなる技術をも提案も示唆もしていない。
精製するために用いられた方法は何らかや不適当であっ
た。そのような精製方法は、フラーレンを合成するため
の公知の技術が、C60、C70およびより高い分子量の類
似体の混合物である「抽出物」を生じるので、不可欠で
あった。現在、フラーレンを分離するための方法は、物
質、例えば溶剤およびその他同様なもの、の大量の使用
を必要ならしめ、かつ純粋のフラーレン化合物の比較的
低い収量を生じる多段で、非常な時間を要する、クロマ
トグラフィーの方法を含む。R.ティラー(R.Tay
lor)は、ジャーナル ケミカル ソサイテーケミカ
ル コミュニケーション(J.Chem.Soc.,C
hem.Commun.):1423−1425(19
90)において、アルミナおよびヘキサンを使用するク
ロマトグラフィーの分離方法を記載しており、ここで
は、元の抽出物の15%が回収される。同様の技術が
J.M.ハウキンス等(J.M.Hawkins et
al.)によって、ジャーナル オーガニック ケミ
ストリー(J.Org.Chem.)55:6250−
6252 (1990)において、そしてD.S.ベチュ
ン等(Bethune et al.)によってケミカ
ル フィジカル レター(Chem.Phys.Let
t.)179:181−186(1991)において記
載されている。M.S.メイヤー等(M.S.Meie
r et al.)はジャーナル オーガニック ケミ
ストリー(J.Org.Chem.)57:1924−
1926 (1992)において、ゲル透過クロマトグラ
フィー(gpc)分離における移動相として100%の
トルエンが用いられている改良された技術を提案してい
る。しかしながら、この技術もまた単離されたC60およ
びC70の比較的低い収量を生じ、きわめて少量の出発物
質または抽出物質を取扱う作業を人々に要求し、かつか
なり複雑なそして時間のかかる手順である。W.A.ス
クリベンス等(W.A.Scrivens et a
l.)は、ジャーナル アメリカン ケミカル ソサイ
ティ(J.Am.Chem.Soc.)114:791
7−7919 (1992)においてフラッシュクロマト
グラフィーカラムにおいて活性炭の使用を含むクロマト
グラフィー分離技術を提案もしている。しかしながら、
この方法は混合物からC60を分離および精製するために
のみ有用である;著者等は、フラーレン混合物から他の
フラーレン−−例えばC70−−を単離および精製するた
めのいかなる技術をも提案も示唆もしていない。
【0005】従って、当該分野においては、より簡単で
しかももっと効果的な単離および精製方法、即ち先行技
術の方法で得られうるより高収量の純粋のフラーレンを
生じ、かつ長い時間または大量の試薬を必要としない技
術を提供すべきとの要求がある。単離および分離の方法
が、出発物質または「抽出物」がもっと大量のときで有
用であり、かつ単離され、精製された形においてC60お
よびC70の両方を提供することが可能であるということ
もまた望ましい。本発明は、これらの問題点に向けら
れ、そして種々のフラーレンの選択的溶解性を前提とす
る。
しかももっと効果的な単離および精製方法、即ち先行技
術の方法で得られうるより高収量の純粋のフラーレンを
生じ、かつ長い時間または大量の試薬を必要としない技
術を提供すべきとの要求がある。単離および分離の方法
が、出発物質または「抽出物」がもっと大量のときで有
用であり、かつ単離され、精製された形においてC60お
よびC70の両方を提供することが可能であるということ
もまた望ましい。本発明は、これらの問題点に向けら
れ、そして種々のフラーレンの選択的溶解性を前提とす
る。
【0006】一般に、化学的溶解性を予測する適切な論
理は現在存在していない。相対的な溶解性の或る予測は
化学構造をもとにした化合物の部類間では提案でき、例
えば水素結合できる能力のある化合物は水中では飽和さ
れた炭化水素よりも溶解性がありそうである。相対的な
溶解性は化学構造をもとにして化学物質の与えられた部
類の範囲内で予測することができる。例えば長い炭化水
素は水中では短い炭化水素より溶解性が少ないという傾
向がある。しかしながら、炭素の数が徐々に大きくなる
につれて、溶解性における相対的差は減少する。
理は現在存在していない。相対的な溶解性の或る予測は
化学構造をもとにした化合物の部類間では提案でき、例
えば水素結合できる能力のある化合物は水中では飽和さ
れた炭化水素よりも溶解性がありそうである。相対的な
溶解性は化学構造をもとにして化学物質の与えられた部
類の範囲内で予測することができる。例えば長い炭化水
素は水中では短い炭化水素より溶解性が少ないという傾
向がある。しかしながら、炭素の数が徐々に大きくなる
につれて、溶解性における相対的差は減少する。
【0007】合成の際得られた抽出物の中に典型的に存
在するフラーレンはそれらの各自の溶解度にもとづいて
分離されることができるという本発明の発見は従来全く
予期されなかったものである。フラーレン、特にC60と
C70の化学構造の類似性にもとづいて、当業者ならだれ
でも、それらの溶解性は類似であろうと多分に予測しが
ちなものである。この構造の類似性はそれらの物理的性
質の類似性によって立証される。例えば、これらの2種
の分子の各々の最初の二つのイオン化電位はほとんど同
一である。即ち、一つの電子を除去するために、並びに
次いで別の電子を除去するために要求されるエネルギー
は、それらの実験許容誤差の範囲内で同じである。1,
2,3,4,5および6電子の附加のための、C60およ
びC70の半電池電位(電気化学還元)もまたほとんど同
じであり、即ち、C60 n-およびC70 n-(nの同一値、n
=1〜6に対して)の形成は自由エネルギーにおいて本
質的に同じ変化を伴う。例えばD.デュボイス等(D.
Dubois et al.)ジャーナル アメリカン
ケミカル ソサイエティー(J.Am.Chem.S
oc.)113:4364−4366 (1991)、
D.デュボイス等(D.Dubois et al.)
ジャーナル アメリカン ケミカル ソサイエティー
(J.Am.Chem.Soc.)113:7773−
7774 (1991)、Q.エックスィ等(Q.Xie
et al.)ジャーナル アメリカン ケミカル
ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)11
4:3978−3980,J.デヴリエス等(J.de
Vries et al.)ケミカル フィジカル
レター(Chem.Phys.Lett.)188:1
59−162(1992)、およびH.ステーガー等
(H.Steger et al.)ケミカル フィジ
カル レター(Chem.Phys.Lett.)19
4:452−456(1992)参照。その上、C60お
よびC70におけるpi価電子の共同移動を示すσおよび
πプラズモンフリクエンシー(plasmon fre
quencies)はほとんど同一である〔I.V.ハ
ーテル等(I.V.Hertel et al.)フィ
ジカル レビュー レター(Phys.Rev.Let
t.)68(6):784−787 (1992)〕。し
たがって、当業者なら、構造の類似性のゆえにC60およ
びC70の溶解性も又類似であると予想するものであろ
う。
在するフラーレンはそれらの各自の溶解度にもとづいて
分離されることができるという本発明の発見は従来全く
予期されなかったものである。フラーレン、特にC60と
C70の化学構造の類似性にもとづいて、当業者ならだれ
でも、それらの溶解性は類似であろうと多分に予測しが
ちなものである。この構造の類似性はそれらの物理的性
質の類似性によって立証される。例えば、これらの2種
の分子の各々の最初の二つのイオン化電位はほとんど同
一である。即ち、一つの電子を除去するために、並びに
次いで別の電子を除去するために要求されるエネルギー
は、それらの実験許容誤差の範囲内で同じである。1,
2,3,4,5および6電子の附加のための、C60およ
びC70の半電池電位(電気化学還元)もまたほとんど同
じであり、即ち、C60 n-およびC70 n-(nの同一値、n
=1〜6に対して)の形成は自由エネルギーにおいて本
質的に同じ変化を伴う。例えばD.デュボイス等(D.
Dubois et al.)ジャーナル アメリカン
ケミカル ソサイエティー(J.Am.Chem.S
oc.)113:4364−4366 (1991)、
D.デュボイス等(D.Dubois et al.)
ジャーナル アメリカン ケミカル ソサイエティー
(J.Am.Chem.Soc.)113:7773−
7774 (1991)、Q.エックスィ等(Q.Xie
et al.)ジャーナル アメリカン ケミカル
ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)11
4:3978−3980,J.デヴリエス等(J.de
Vries et al.)ケミカル フィジカル
レター(Chem.Phys.Lett.)188:1
59−162(1992)、およびH.ステーガー等
(H.Steger et al.)ケミカル フィジ
カル レター(Chem.Phys.Lett.)19
4:452−456(1992)参照。その上、C60お
よびC70におけるpi価電子の共同移動を示すσおよび
πプラズモンフリクエンシー(plasmon fre
quencies)はほとんど同一である〔I.V.ハ
ーテル等(I.V.Hertel et al.)フィ
ジカル レビュー レター(Phys.Rev.Let
t.)68(6):784−787 (1992)〕。し
たがって、当業者なら、構造の類似性のゆえにC60およ
びC70の溶解性も又類似であると予想するものであろ
う。
【0008】本発明者等は、上記予想は本件には該当せ
ず、C60およびC70は驚ろくべきことに、選択的に溶解
され、そしてそれをもとに単離されそして精製され得る
ことを発見した。本発明は、原則として、単離され、精
製された形においてC60およびC70の両者を提供するた
めに有用であるけれども、本明細書に記載されている方
法は同様に、より高い分子量のフラーレンの単離に関連
してもまた有用である。
ず、C60およびC70は驚ろくべきことに、選択的に溶解
され、そしてそれをもとに単離されそして精製され得る
ことを発見した。本発明は、原則として、単離され、精
製された形においてC60およびC70の両者を提供するた
めに有用であるけれども、本明細書に記載されている方
法は同様に、より高い分子量のフラーレンの単離に関連
してもまた有用である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、フラーレン混合物に含まれている個々のフラ
ーレンを単離および精製する方法を提供することによっ
て、当該技術分野における前記要求を認識しこれに対応
することである。
の目的は、フラーレン混合物に含まれている個々のフラ
ーレンを単離および精製する方法を提供することによっ
て、当該技術分野における前記要求を認識しこれに対応
することである。
【0010】本発明の他の目的は、種々の溶剤系におけ
るフラーレンの個々の溶解性にもとづいて、即ちC60お
よびC70が選択的に溶解する溶剤または溶剤の混合物を
用いて、フラーレンを分離することを含むような方法を
提供することである。
るフラーレンの個々の溶解性にもとづいて、即ちC60お
よびC70が選択的に溶解する溶剤または溶剤の混合物を
用いて、フラーレンを分離することを含むような方法を
提供することである。
【0011】本発明の追加の目的、利点および新規な特
徴は、一部以下に続く記載で列挙し、および一部は以下
の記載を参考にするとき当該分野の技術者にとって明ら
かになるであろう、あるいは本発明を実施することによ
って学び得る。
徴は、一部以下に続く記載で列挙し、および一部は以下
の記載を参考にするとき当該分野の技術者にとって明ら
かになるであろう、あるいは本発明を実施することによ
って学び得る。
【0012】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明は、第
1の見地において、(a)初期の知られている比率で、
C60およびより高い分子量のフラーレンからなるフラー
レン混合物を用意し、(b)約200℃より低い沸点を
有しかつC60またはより高い分子量のフラーレンのいず
れかが選択的に溶解する溶剤で該混合物を処理して溶剤
/フラーレンの混合物を生じせしめ、(c)この溶剤/
フラーレンの混合物を濾過して固体残渣と濾液を生成さ
せ、しかしてC60およびより高い分子量のフラーレンが
固体残渣に第1比率で存在し並びに濾液に第2比率で存
在し、しかも第1比率および第2比率が初期の知られて
いる比率と少なくとも約3.0の係数異となっている、
ことからなるフラーレンの混合物から単一フラーレンを
単離する方法を提供するものである。典型的に、初期混
合物はC60をC70に対して約3:1〜約5:1範囲の比
率(約3%〜6%までのより高い分子量のフラーレンを
有する)で含有する抽出物である。
1の見地において、(a)初期の知られている比率で、
C60およびより高い分子量のフラーレンからなるフラー
レン混合物を用意し、(b)約200℃より低い沸点を
有しかつC60またはより高い分子量のフラーレンのいず
れかが選択的に溶解する溶剤で該混合物を処理して溶剤
/フラーレンの混合物を生じせしめ、(c)この溶剤/
フラーレンの混合物を濾過して固体残渣と濾液を生成さ
せ、しかしてC60およびより高い分子量のフラーレンが
固体残渣に第1比率で存在し並びに濾液に第2比率で存
在し、しかも第1比率および第2比率が初期の知られて
いる比率と少なくとも約3.0の係数異となっている、
ことからなるフラーレンの混合物から単一フラーレンを
単離する方法を提供するものである。典型的に、初期混
合物はC60をC70に対して約3:1〜約5:1範囲の比
率(約3%〜6%までのより高い分子量のフラーレンを
有する)で含有する抽出物である。
【0013】本発明の方法および組成物が開示および記
載される前に、本発明は特定の溶剤、分離条件またはそ
のほか同様なものに限定されないで、それらは、勿論変
更され得ることが理解されるべきである。本明細書で使
用された技術用語は特定の具体例のみを記載する目的の
ためであって、制限的であることを意図したものでな
い、こともまた理解されるべきである。
載される前に、本発明は特定の溶剤、分離条件またはそ
のほか同様なものに限定されないで、それらは、勿論変
更され得ることが理解されるべきである。本明細書で使
用された技術用語は特定の具体例のみを記載する目的の
ためであって、制限的であることを意図したものでな
い、こともまた理解されるべきである。
【0014】以下に記する明細書中の本発明の詳細な説
明、および前記特許請求の範囲において、以下の意味を
持たすものとして定義されるべき多くの用語に対して言
及がなされるであろう:用語「フラーレン(fulle
rene)」は本来的にC60およびC70のかたちで存在
する炭素の対称で、安定な種類を言及するために用いら
れているのみならず例えばC76、C78、C82、C84、C
90およびさらに大きいフラーレンのようなより高い分子
量類似体もまた含む。本明細書で前に述べた用語(バッ
クミンステルフラーレン(backminsterfullerene) 」は
分子の種類C60を言及するために用いられる。特に記載
がなければ、用語「より高いフラーレン」および「より
高い分子量のフラーレン」は交換可能的にC70、C76、
C78、C82、C84、C90およびより大きいフラーレンを
示すために用いられている。用語「溶剤」は本明細書で
その慣用的な意味において固体種が実質的に溶解する液
体を示すために用いられており、即ちこの液体では固体
種の溶解度は少なくとも約0.5mg/mlである。こ
の用語は本明細書で交換可能的に句「溶剤系」と用い得
る。特定のフラーレンをひいきにする(好都合である)
溶剤は、その特定のフラーレンがそこでは他のフラーレ
ンより極めて大きい溶解度を有するものである。典型的
に、また与えられた溶剤における種々のフラーレンの相
対的溶解度はより有意的な考慮であるとしても、特定の
フラーレンに好都合である溶剤は、関心のあるフラーレ
ンが約0.5mg/mlより大きい、さらに好ましくは
約2.5mg/mlより大きい、そして最も好ましくは
5mg/mlより大きい溶解度を有する溶剤であり、一
方では他のフラーレンは有意的に低い溶解度を有する
(例えば、約0.5mg/mlより低い)。用語「溶
剤」および「溶剤系」は2種またはそれ以上の溶剤の混
合物を言及するためにもまた用いられる。
明、および前記特許請求の範囲において、以下の意味を
持たすものとして定義されるべき多くの用語に対して言
及がなされるであろう:用語「フラーレン(fulle
rene)」は本来的にC60およびC70のかたちで存在
する炭素の対称で、安定な種類を言及するために用いら
れているのみならず例えばC76、C78、C82、C84、C
90およびさらに大きいフラーレンのようなより高い分子
量類似体もまた含む。本明細書で前に述べた用語(バッ
クミンステルフラーレン(backminsterfullerene) 」は
分子の種類C60を言及するために用いられる。特に記載
がなければ、用語「より高いフラーレン」および「より
高い分子量のフラーレン」は交換可能的にC70、C76、
C78、C82、C84、C90およびより大きいフラーレンを
示すために用いられている。用語「溶剤」は本明細書で
その慣用的な意味において固体種が実質的に溶解する液
体を示すために用いられており、即ちこの液体では固体
種の溶解度は少なくとも約0.5mg/mlである。こ
の用語は本明細書で交換可能的に句「溶剤系」と用い得
る。特定のフラーレンをひいきにする(好都合である)
溶剤は、その特定のフラーレンがそこでは他のフラーレ
ンより極めて大きい溶解度を有するものである。典型的
に、また与えられた溶剤における種々のフラーレンの相
対的溶解度はより有意的な考慮であるとしても、特定の
フラーレンに好都合である溶剤は、関心のあるフラーレ
ンが約0.5mg/mlより大きい、さらに好ましくは
約2.5mg/mlより大きい、そして最も好ましくは
5mg/mlより大きい溶解度を有する溶剤であり、一
方では他のフラーレンは有意的に低い溶解度を有する
(例えば、約0.5mg/mlより低い)。用語「溶
剤」および「溶剤系」は2種またはそれ以上の溶剤の混
合物を言及するためにもまた用いられる。
【0015】本明細書で用いられる用語「単離」および
「精製」は、他のフラーレン種を含めて他の物質に加え
て特定のフラーレンを含む組成物が、そのフラーレンに
有意的に濃縮され得ることを意味することが意図されて
いる。即ち、その結果組成物がそれで実質的に純粋なか
たちでフラーレンを含むこととなる。即ち、このように
して、関心のあるフラーレンは「単離」および「精製」
される。典型的には、「単離され、精製された」フラー
レンは、少なくとも約75重量%、さらに特には少なく
とも約95重量%、最も特には少なくとも約99重量%
のそのフラーレンを含む組成物を表わす。用語「濃縮す
る」は、組成物における特定の成分の比率の増大、即ち
55:45のC60:C70を含む組成物は75:25のC
60:C70を含む初期組成物に対してC70の相対が「濃縮
された」を意図する。本発明の方法は1種より多いフラ
ーレンを含むいかなる組成物についても実施され得る。
典型的に、出発物質は、前に引用したクラトシュマー等
(Kratschmer et al.)またはR.
E.ハウフレル等(R.E.Haufler et a
l.)によって記載された合成を用いることによって生
成された「抽出物」である。抽出物は一般に、少なくと
も約95重量%のC60およびC70を含有し、残余はより
高い分子量類似体、例えばC76、C78、C82、C84、C
90およびそのほか同様なものである。C60のC70に対す
る比率は、通常およそ3:1〜5:1の範囲、更に典型
的にはおよそ3:1〜4:1の範囲である。しかしなが
ら、もしフレーム(flame)合成が用いられた場合
〔例えば、前記J.B.ホーワード等(J.B.How
ard et al.)によって記載されたように)〕
C70のもっとより高い割合を持った組成物が製造され得
ることに留意されるべきである。
「精製」は、他のフラーレン種を含めて他の物質に加え
て特定のフラーレンを含む組成物が、そのフラーレンに
有意的に濃縮され得ることを意味することが意図されて
いる。即ち、その結果組成物がそれで実質的に純粋なか
たちでフラーレンを含むこととなる。即ち、このように
して、関心のあるフラーレンは「単離」および「精製」
される。典型的には、「単離され、精製された」フラー
レンは、少なくとも約75重量%、さらに特には少なく
とも約95重量%、最も特には少なくとも約99重量%
のそのフラーレンを含む組成物を表わす。用語「濃縮す
る」は、組成物における特定の成分の比率の増大、即ち
55:45のC60:C70を含む組成物は75:25のC
60:C70を含む初期組成物に対してC70の相対が「濃縮
された」を意図する。本発明の方法は1種より多いフラ
ーレンを含むいかなる組成物についても実施され得る。
典型的に、出発物質は、前に引用したクラトシュマー等
(Kratschmer et al.)またはR.
E.ハウフレル等(R.E.Haufler et a
l.)によって記載された合成を用いることによって生
成された「抽出物」である。抽出物は一般に、少なくと
も約95重量%のC60およびC70を含有し、残余はより
高い分子量類似体、例えばC76、C78、C82、C84、C
90およびそのほか同様なものである。C60のC70に対す
る比率は、通常およそ3:1〜5:1の範囲、更に典型
的にはおよそ3:1〜4:1の範囲である。しかしなが
ら、もしフレーム(flame)合成が用いられた場合
〔例えば、前記J.B.ホーワード等(J.B.How
ard et al.)によって記載されたように)〕
C70のもっとより高い割合を持った組成物が製造され得
ることに留意されるべきである。
【0016】本技術は、特定のフラーレンに好都合な溶
剤を用いる逐次抽出を含む。好ましくは、初期フラーレ
ン混合物は最初にC70に好都合な溶剤(そして典型的に
は従ってより大きいフラーレンに同様に好都合であろ
う)を用いて処理される。そのような溶剤は、その溶剤
のC70に対する好都合の程度によって決められた比率γ
でフラーレン混合物に加えられる;溶剤の容量のフラー
レン混合物の質量に対するこの比率はC70の回収および
濾液におけるC70の濃度を高める両方のため重要であ
る。即ち、所望のフラーレンの溶解度が低い場合溶剤の
より多い量(即ち、より高いγ)が必要であり得、一
方、選択されたフラーレンに対しより強く好都合である
溶剤に対してより少ない溶剤(即ち、より低いγ)が要
求され得る、ということは当該分野の技術者によっては
評価されるであろう。例えば、二硫化炭素について、一
般には少なくとも約20ml/gが要求され、より好ま
しくは少なくとも25ml/g、そして最も好ましくは
約27ml/g〜30ml/gが使用される。テトラク
ロロエチレンに対しては、有意的により多量の溶剤が好
まれ、典型的には少なくとも100ml/g、最適には
約130ml/gが用いられる。溶剤の添加後、溶剤/
フラーレンの混合物は少なくとも約1分間、好ましくは
超音波またはそのほか同様なものの助けで、混合する。
一般に、必ずしもそうではないが、この段階は室温で実
施される。この溶解の段階の適切な温度は、さまざまな
温度で、個々の溶剤において選択されたフラーレンの溶
解度をはかることによって容易に推測し得る。
剤を用いる逐次抽出を含む。好ましくは、初期フラーレ
ン混合物は最初にC70に好都合な溶剤(そして典型的に
は従ってより大きいフラーレンに同様に好都合であろ
う)を用いて処理される。そのような溶剤は、その溶剤
のC70に対する好都合の程度によって決められた比率γ
でフラーレン混合物に加えられる;溶剤の容量のフラー
レン混合物の質量に対するこの比率はC70の回収および
濾液におけるC70の濃度を高める両方のため重要であ
る。即ち、所望のフラーレンの溶解度が低い場合溶剤の
より多い量(即ち、より高いγ)が必要であり得、一
方、選択されたフラーレンに対しより強く好都合である
溶剤に対してより少ない溶剤(即ち、より低いγ)が要
求され得る、ということは当該分野の技術者によっては
評価されるであろう。例えば、二硫化炭素について、一
般には少なくとも約20ml/gが要求され、より好ま
しくは少なくとも25ml/g、そして最も好ましくは
約27ml/g〜30ml/gが使用される。テトラク
ロロエチレンに対しては、有意的により多量の溶剤が好
まれ、典型的には少なくとも100ml/g、最適には
約130ml/gが用いられる。溶剤の添加後、溶剤/
フラーレンの混合物は少なくとも約1分間、好ましくは
超音波またはそのほか同様なものの助けで、混合する。
一般に、必ずしもそうではないが、この段階は室温で実
施される。この溶解の段階の適切な温度は、さまざまな
温度で、個々の溶剤において選択されたフラーレンの溶
解度をはかることによって容易に推測し得る。
【0017】フラーレン/溶剤の初期混合物は、それか
ら適当な濾過器を通して濾過される。もし、使用された
初期溶剤がC70に好都合ならば、濾過はC70およびより
高い分子量のフラーレンの濃縮された濾液およびC60の
濃縮された固体残渣を生ずるであろう。同様に、もし使
用された初期溶剤がC60に好都合ならば、濾過はC60の
濃縮された濾液およびC70の濃縮された固体残渣を生じ
るであろう。この手順は選択されたフラーレンの純度の
望まれた水準に達するまで繰り返される。例えば、もし
用いられた初期溶剤がC70に好都合ならば、C60が濃縮
された固体残渣が生成され、この残渣はそれからC60に
関する純度の望まれた水準を有する組成物が得られるま
で、C70に好都合な溶剤を用いて追加の抽出段階を受け
ることができる。同様に、C70の濃縮された濾液から、
例えば回転蒸発またはそのほか同様なものによって溶剤
を除去しそして生じた生成物はC70に関する純度の望ま
れた水準を有する組成物が生成されるまで、C60に好都
合な溶剤で更に抽出され得る。この方法はフラーレン純
度の望まれた水準に達するまで濾過および超音波処理が
二者択一的に実施されることによる自動化された連続的
な工程を含むことができ、当該分野の技術者により評価
されるであろう。
ら適当な濾過器を通して濾過される。もし、使用された
初期溶剤がC70に好都合ならば、濾過はC70およびより
高い分子量のフラーレンの濃縮された濾液およびC60の
濃縮された固体残渣を生ずるであろう。同様に、もし使
用された初期溶剤がC60に好都合ならば、濾過はC60の
濃縮された濾液およびC70の濃縮された固体残渣を生じ
るであろう。この手順は選択されたフラーレンの純度の
望まれた水準に達するまで繰り返される。例えば、もし
用いられた初期溶剤がC70に好都合ならば、C60が濃縮
された固体残渣が生成され、この残渣はそれからC60に
関する純度の望まれた水準を有する組成物が得られるま
で、C70に好都合な溶剤を用いて追加の抽出段階を受け
ることができる。同様に、C70の濃縮された濾液から、
例えば回転蒸発またはそのほか同様なものによって溶剤
を除去しそして生じた生成物はC70に関する純度の望ま
れた水準を有する組成物が生成されるまで、C60に好都
合な溶剤で更に抽出され得る。この方法はフラーレン純
度の望まれた水準に達するまで濾過および超音波処理が
二者択一的に実施されることによる自動化された連続的
な工程を含むことができ、当該分野の技術者により評価
されるであろう。
【0018】本方法において使用されるすべての溶剤
は、低い沸点を有する溶剤はフラーレン混合物から除去
するのに容易なので、比較的低い沸点、好ましくは約2
00℃より低い、さらに好ましくは約100℃より低い
沸点を有するのが好ましい。加えて、本明細書で前記し
たように、C60またはC70いずれかに「好都合である」
溶剤、即ちC60とC70の溶解度の間に可成り有意な差が
ある溶剤の使用もまた好ましい。これは以下の表に示さ
れているように、比率αによって数量化することができ
る。特定の溶剤の「α」は、およそ7:3 (重量/重
量)の比率でC60とC70を含む抽出物が飽和溶液を与え
るように溶解された後、与えられた溶剤または溶剤混合
物における〔C60〕の〔C70〕に対する比率を表わす。
したがって、典型的にC60に好都合な溶剤は少なくとも
約2.0、さらに好ましくは少なくとも約3.0のαを
有し、一方C70に好都合な溶剤は約2.0より小さい、
さらに好ましくは約1.0より小さいαを有する。本方
法において用いることができる溶剤の例は以下の如くで
ある。
は、低い沸点を有する溶剤はフラーレン混合物から除去
するのに容易なので、比較的低い沸点、好ましくは約2
00℃より低い、さらに好ましくは約100℃より低い
沸点を有するのが好ましい。加えて、本明細書で前記し
たように、C60またはC70いずれかに「好都合である」
溶剤、即ちC60とC70の溶解度の間に可成り有意な差が
ある溶剤の使用もまた好ましい。これは以下の表に示さ
れているように、比率αによって数量化することができ
る。特定の溶剤の「α」は、およそ7:3 (重量/重
量)の比率でC60とC70を含む抽出物が飽和溶液を与え
るように溶解された後、与えられた溶剤または溶剤混合
物における〔C60〕の〔C70〕に対する比率を表わす。
したがって、典型的にC60に好都合な溶剤は少なくとも
約2.0、さらに好ましくは少なくとも約3.0のαを
有し、一方C70に好都合な溶剤は約2.0より小さい、
さらに好ましくは約1.0より小さいαを有する。本方
法において用いることができる溶剤の例は以下の如くで
ある。
【0019】
【表1】 表 1 C60に好都合な溶剤 溶 剤 [C60](mg/ml) α N−メチルピロリドン 1.3 2.2 クロロベンゼン 7.9 2.4 トルエン 4.8 2.7 メシチレン 1.8 3.1 キシレン 6.4 3.2 ブロモベンゼン 5.5 3.3 1,2,4 −トリクロロベンゼン 28 3.7 メチレンクロライド 0.29 3.8 四塩化炭素 0.28 3.8 1,1,2,2 −テトラクロロエタン 6.2 4.1 ヘキサン 0.07 10
【0020】
【表2】 表 2 C70に好都合な溶剤 溶 剤 [C60](mg/ml) α テトラクロロエチレン 2.5 0.59 1,2 −ジブロモエタン 0.80 0.69 ベンゾニトリル 1.4 0.74 トリクロロエチレン 1.5 1.0 クロロホルム 0.18 1.0 二硫化炭素 7.5 1.2 1,2 −ジクロロベンゼン 37.8 1.4 ベンゼン 1.5 1.4
【0021】前記表において、〔C60〕はおおよそ7
0:30の比率で(そして約5−6%までのより高い分
子量のフラーレンを含む)C60およびC70の両方を含む
混合物が、飽和された溶液を与えるために、選択された
溶剤に溶解されたときのC60の濃度を表わす。前記表に
おいてγの範囲は約20〜約100である。
0:30の比率で(そして約5−6%までのより高い分
子量のフラーレンを含む)C60およびC70の両方を含む
混合物が、飽和された溶液を与えるために、選択された
溶剤に溶解されたときのC60の濃度を表わす。前記表に
おいてγの範囲は約20〜約100である。
【0022】本発明者等は、また或る溶剤の混合物は、
本方法において、特に各溶剤のα値が比較的高いとき、
よく実施し得ることを発見した。ヘキサン:トルエン混
合物は約90:10〜50:50(容量/容量)、最適
には約70:30の範囲の比率において好ましい。類似
の比率において、3−メチルペンタンとトルエンの混合
物もまた好ましい。理論によって拘束される願いはない
が、トルエンを他の溶剤または溶剤混合物中への混入は
C60の溶解度を実質的に増し、そして本明細書で提案さ
れたような多段階精製構成において好ましいC70:C60
比率の広い範囲で高い選択性をもたらす、と認められ
る。以下の例39において説明されているように、また
表3−7で示されているように、トルエンとヘキサンの
混合物から得られる係数αは非常に高く、例えば、7
0:30 (重量/重量)のC60:C70の固体相抽出物か
ら出発した、25%(容量による)混合物に対する係数
はおよそ9である。さらに、純粋なヘキサンで非常に高
い係数α(前記抽出物に対して約13)が得られるけれ
ど、ヘキサンにおけるC60の溶解度は低いことに注目す
べきである。したがって、これらの二つの型の溶剤の混
合物は、溶解度と選択性の両方を最適にし、即ち、C60
の溶解度が増加され、かつ高いα値が与えられる。
本方法において、特に各溶剤のα値が比較的高いとき、
よく実施し得ることを発見した。ヘキサン:トルエン混
合物は約90:10〜50:50(容量/容量)、最適
には約70:30の範囲の比率において好ましい。類似
の比率において、3−メチルペンタンとトルエンの混合
物もまた好ましい。理論によって拘束される願いはない
が、トルエンを他の溶剤または溶剤混合物中への混入は
C60の溶解度を実質的に増し、そして本明細書で提案さ
れたような多段階精製構成において好ましいC70:C60
比率の広い範囲で高い選択性をもたらす、と認められ
る。以下の例39において説明されているように、また
表3−7で示されているように、トルエンとヘキサンの
混合物から得られる係数αは非常に高く、例えば、7
0:30 (重量/重量)のC60:C70の固体相抽出物か
ら出発した、25%(容量による)混合物に対する係数
はおよそ9である。さらに、純粋なヘキサンで非常に高
い係数α(前記抽出物に対して約13)が得られるけれ
ど、ヘキサンにおけるC60の溶解度は低いことに注目す
べきである。したがって、これらの二つの型の溶剤の混
合物は、溶解度と選択性の両方を最適にし、即ち、C60
の溶解度が増加され、かつ高いα値が与えられる。
【0023】種々のフラーレンの溶解度は溶解度に基づ
く分離技法が実施可能であると推定されるであろう程度
に異ることが予想されなかったかぎりにおいては本技術
の成功は全く予想されなかったことに再び注目されるべ
きである。それにもかかわらず、本発明者等は前記表に
示されている資料から推論され得るように種々のフラー
レンの間の溶解度において顕著な差があることをいま発
見した。本発明の方法を用いて得ることができる純粋の
フラーレンは電子トランスファー適用、光学およびレー
ザー関連コンテクスト、および超導体関連適用を含めた
多くのコンテクスト(contexts)において有用
である。これらの分野の各々においては、高純度、安価
な素材が用いられることは明らかに好ましいことであ
る。
く分離技法が実施可能であると推定されるであろう程度
に異ることが予想されなかったかぎりにおいては本技術
の成功は全く予想されなかったことに再び注目されるべ
きである。それにもかかわらず、本発明者等は前記表に
示されている資料から推論され得るように種々のフラー
レンの間の溶解度において顕著な差があることをいま発
見した。本発明の方法を用いて得ることができる純粋の
フラーレンは電子トランスファー適用、光学およびレー
ザー関連コンテクスト、および超導体関連適用を含めた
多くのコンテクスト(contexts)において有用
である。これらの分野の各々においては、高純度、安価
な素材が用いられることは明らかに好ましいことであ
る。
【0024】本発明はそれらの好ましい特定の具体化と
一緒に記載されてきたが、前記記載および後記の例は説
明を意図するものであり、そして発明の範囲を限定する
ものではないことが理解されるべきである。本発明の範
囲内の他の見地、利点および変更は本発明が関係する技
術分野の技術者にとっては明らかである。
一緒に記載されてきたが、前記記載および後記の例は説
明を意図するものであり、そして発明の範囲を限定する
ものではないことが理解されるべきである。本発明の範
囲内の他の見地、利点および変更は本発明が関係する技
術分野の技術者にとっては明らかである。
【0025】以下の例は、本発明の機能化されたフラー
レンを如何に製造し使用するかの完全な開示および記載
を当該分野の技術者に提供するために示されるものであ
り、そして発明者等が彼等の発明として考えている範囲
を限定するために意図されたものではない。数字(例え
ば量、温度など)に関して正確さを確保するための努力
はなされたが、しかしいくらの誤差や偏差が考慮される
べきである。特に示さなければ、部数は重量部を示し、
温度は℃であり、そして圧力は大気圧またはその近くで
ある。抽出物合成および精製の操作に関する或る情報は
本明細書に引用された参考文献の一つまたはそれ以上に
見られ得ることも留意すべきである。
レンを如何に製造し使用するかの完全な開示および記載
を当該分野の技術者に提供するために示されるものであ
り、そして発明者等が彼等の発明として考えている範囲
を限定するために意図されたものではない。数字(例え
ば量、温度など)に関して正確さを確保するための努力
はなされたが、しかしいくらの誤差や偏差が考慮される
べきである。特に示さなければ、部数は重量部を示し、
温度は℃であり、そして圧力は大気圧またはその近くで
ある。抽出物合成および精製の操作に関する或る情報は
本明細書に引用された参考文献の一つまたはそれ以上に
見られ得ることも留意すべきである。
【0026】
【実施例】例1 この例は、重量比でおよそ83:17のC60:C70を含
む抽出物からのC60およびC70の精製を記載する。該抽
出物は、前に引用したR.E.ハウフラー等(R.E.
Haufler et al.)により、マット リサ
ーチ ソサエティー シンポジウム プロシーデング
(Mat.Res.Soc.Symp.Proc.)2
06:627−637 (1991)に記載された合成を
用いて作られた。ここに記載の「A」の数字はHPLC
分析におけるC60のC70に対するピーク面積比を示し、
そして各々の画分における二成分の相対的量の決定に用
いられた。したがって、大きい「A」の値はC60の濃縮
された組成物を表わし、一方小さい「A」の値はC70の
濃縮された混合物を表わす。各段階において、固体フラ
ーレンは溶剤としての二硫化炭素と混合され、15分間
超音波処理で充分撹拌された;濾過後、固体(「S」)
は中間細孔ガラス濾過器(吸引適用をもった)を通して
混合物を濾過することによって可溶物濾液(「F」)か
ら分離された。別個の操作で、該濾液は少量まで濃縮さ
れ、しかして沈殿物(「FS」)が形成され、該沈殿物
は次いで同様濾過操作を用いて濾液(「FF」)から分
離することができた。1グラムの抽出物(A=6.1)
が最初に50mlのCS2 (C70のすべてを溶解するた
めに必要な溶剤の最小量のおよそ5倍)と混合され、そ
して322mgの固体S1 (A=16;91モル%
C60)および濾液F1 (A=4.6)が得られた。固体
S1はそれから6mlの二硫化炭素に溶解され、そして
順次268mgの固体SS2 (A=22;93モル%C
60)および44mgの濾液SF2 (A=4)が得られ
た。追加の段階で210mgの固体SSS3 (A=4
9;97モル%C60)および濾液SSF(A=8.9;
85モル%C60)が得られた。濾液F1 (A=4.6)
は35mlに濃縮され、そして464mgの固体FS2
(A=7.0)が濾液FF2 (A=1.9)から単離さ
れた。濾液は更に10mlに濃縮され、そして36mg
のFFS3 (A=2.3)および70mgの濾液FFF
3 (A=2.1)が得られた。最終の濾液は重量比でC
60:C70の1:1混合物であった。前記操作を用いて、
逐次的に得られた固体残渣から作業してほとんど純粋な
C60が得られ、一方逐次的に得られた濾液から作業して
C70の濃縮した混合物が得られた。これらの結果は図1
に図式的に示されている。
む抽出物からのC60およびC70の精製を記載する。該抽
出物は、前に引用したR.E.ハウフラー等(R.E.
Haufler et al.)により、マット リサ
ーチ ソサエティー シンポジウム プロシーデング
(Mat.Res.Soc.Symp.Proc.)2
06:627−637 (1991)に記載された合成を
用いて作られた。ここに記載の「A」の数字はHPLC
分析におけるC60のC70に対するピーク面積比を示し、
そして各々の画分における二成分の相対的量の決定に用
いられた。したがって、大きい「A」の値はC60の濃縮
された組成物を表わし、一方小さい「A」の値はC70の
濃縮された混合物を表わす。各段階において、固体フラ
ーレンは溶剤としての二硫化炭素と混合され、15分間
超音波処理で充分撹拌された;濾過後、固体(「S」)
は中間細孔ガラス濾過器(吸引適用をもった)を通して
混合物を濾過することによって可溶物濾液(「F」)か
ら分離された。別個の操作で、該濾液は少量まで濃縮さ
れ、しかして沈殿物(「FS」)が形成され、該沈殿物
は次いで同様濾過操作を用いて濾液(「FF」)から分
離することができた。1グラムの抽出物(A=6.1)
が最初に50mlのCS2 (C70のすべてを溶解するた
めに必要な溶剤の最小量のおよそ5倍)と混合され、そ
して322mgの固体S1 (A=16;91モル%
C60)および濾液F1 (A=4.6)が得られた。固体
S1はそれから6mlの二硫化炭素に溶解され、そして
順次268mgの固体SS2 (A=22;93モル%C
60)および44mgの濾液SF2 (A=4)が得られ
た。追加の段階で210mgの固体SSS3 (A=4
9;97モル%C60)および濾液SSF(A=8.9;
85モル%C60)が得られた。濾液F1 (A=4.6)
は35mlに濃縮され、そして464mgの固体FS2
(A=7.0)が濾液FF2 (A=1.9)から単離さ
れた。濾液は更に10mlに濃縮され、そして36mg
のFFS3 (A=2.3)および70mgの濾液FFF
3 (A=2.1)が得られた。最終の濾液は重量比でC
60:C70の1:1混合物であった。前記操作を用いて、
逐次的に得られた固体残渣から作業してほとんど純粋な
C60が得られ、一方逐次的に得られた濾液から作業して
C70の濃縮した混合物が得られた。これらの結果は図1
に図式的に示されている。
【0027】例2 例1の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素をテトラクロロエチレンで
置き換えることによって繰り返えされ得る。
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素をテトラクロロエチレンで
置き換えることによって繰り返えされ得る。
【0028】例3 例1の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素を1,2−ジブロモエタン
で置き換えることによって繰り返えされ得る。
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素を1,2−ジブロモエタン
で置き換えることによって繰り返えされ得る。
【0029】例4 例1の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素をベンゾニトリルで置き換
えることによって繰り返えされ得る。
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素をベンゾニトリルで置き換
えることによって繰り返えされ得る。
【0030】例5 例1の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素をトリクロロエチレンで置
き換えることによって繰り返えされ得る。
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素をトリクロロエチレンで置
き換えることによって繰り返えされ得る。
【0031】例6 例1の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素をクロロホルムで置き換え
ることによって繰り返えされ得る。
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素をクロロホルムで置き換え
ることによって繰り返えされ得る。
【0032】例7 例1の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素を1,2−ジクロロベンゼ
ンで置き換えることによって繰り返えされ得る。
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素を1,2−ジクロロベンゼ
ンで置き換えることによって繰り返えされ得る。
【0033】例8 例1の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素をベンゼンで置き換えるこ
とによって繰り返えされ得る。
C70が濃縮された混合物とともに実質的に純粋なC60を
もたらすように、二硫化炭素をベンゼンで置き換えるこ
とによって繰り返えされ得る。
【0034】例9 例1の手順は、C60が濃縮された順次的濾液(むしろ例
1〜8におけるようなC70よりも)およびC70が濃縮さ
れた順次的固体残渣(やはり、むしろC60よりも)を生
成するために、C70に好都合な溶剤を用いるよりむしろ
C60に好都合な溶剤を用いて繰り返され得る。この型の
手順において用いることができるそのような溶剤の例は
N−メチルピロリドンである。この技法を用いて、順次
的に得られた固体残渣から作業して精製されたC70を得
ることができ、一方順次的に得られた濾液から作業して
C60が濃縮された濾液が得られる。
1〜8におけるようなC70よりも)およびC70が濃縮さ
れた順次的固体残渣(やはり、むしろC60よりも)を生
成するために、C70に好都合な溶剤を用いるよりむしろ
C60に好都合な溶剤を用いて繰り返され得る。この型の
手順において用いることができるそのような溶剤の例は
N−メチルピロリドンである。この技法を用いて、順次
的に得られた固体残渣から作業して精製されたC70を得
ることができ、一方順次的に得られた濾液から作業して
C60が濃縮された濾液が得られる。
【0035】例10 例9の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをクロロベンゼンで置
き換えることによって繰り返され得る。
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをクロロベンゼンで置
き換えることによって繰り返され得る。
【0036】例11 例9の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをトルエンで置き換え
ることによって繰り返され得る。
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをトルエンで置き換え
ることによって繰り返され得る。
【0037】例12 例9の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをメシチレンで置き換
えることによって繰り返され得る。
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをメシチレンで置き換
えることによって繰り返され得る。
【0038】例13 例9の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをキシレンで置き換え
ることによって繰り返され得る。
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをキシレンで置き換え
ることによって繰り返され得る。
【0039】例14 例9の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをブロモベンゼンで置
き換えることによって繰り返され得る。
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをブロモベンゼンで置
き換えることによって繰り返され得る。
【0040】例15 例9の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンを1,2,3−トリク
ロロベンゼンで置き換えることによって繰り返され得
る。
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンを1,2,3−トリク
ロロベンゼンで置き換えることによって繰り返され得
る。
【0041】例16 例9の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをメチレンクロライド
で置き換えることによって繰り返され得る。
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをメチレンクロライド
で置き換えることによって繰り返され得る。
【0042】例17 例9の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンを四塩化炭素で置き換
えることによって繰り返され得る。
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンを四塩化炭素で置き換
えることによって繰り返され得る。
【0043】例18 例9の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンを1,1,2,2−テ
トラクロロエタンで置き換えることによって繰り返され
得る。
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンを1,1,2,2−テ
トラクロロエタンで置き換えることによって繰り返され
得る。
【0044】例19 例9の手順は、実質的に同じ結果を生じるように、即ち
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをヘキサンで置き換え
ることによって繰り返され得る。
C60が濃縮された濾液とともに純化されたC70をもたら
すように、N−メチルピロリドンをヘキサンで置き換え
ることによって繰り返され得る。
【0045】例20 50%の収率で、C70の75%への濃縮 この例は、C60:C70:より大きいフラーレンの75:
25:Xの混合(Xは約3〜6より少ない)の抽出物か
らはじまるC70の濃縮を記載する。CS2 が初期溶剤と
して選ばれた。4gの抽出物が100mlのCS2 と混
合され2分間超音波浴の中に保たれ、47mmのナイロ
ン濾層を通して濾過された。濾液は55:45のC60:
C70の混合物であり、較正HPLC測定濃度は〔C60〕
=8.2mg/mlおよび〔C70〕=7.3mg/ml
であった。濾層を通過しなかった固体残渣におけるC60
のC70に対する比率はおよそ10:1 (抽出物の元の
3:1の比率から)、そして固体残渣に残されたC60の
画分は抽出物におけるC60の約70%であった。元の抽
出物からの濾液におけるC70の回収はおよそ77%であ
った。濾液中のCS2 は回転蒸留によって除去され、そ
して残存しているフラーレン粉末は70℃で1時間真空
オーブンの中で乾燥された。先の段階で得られた55:
45の混合粉末とテトラクロロエチレンとの数種の溶液
試料が作製されそして5分間超音波処理によって撹拌さ
れた。テトラクロロエチレンに対するおよそ125のγ
がC70の回収および濃縮両方のよい均衡をもたらすと決
定された。例えば、16mgの55:45 (C60:
C70)混合物、2.0ml C2 Cl4 の使用で、〔C
60〕=0.95、〔C70〕=2.2mg/mlの濾液濃
度が得られた。これらの実験をもとにして、55:45
混合物に存在するC70の約70%が溶解され、そしてC
70のC60に対する濾液比率が約75:25に濃縮される
と予測される。元の出発抽出物からのC70の総回収は従
って約50%である。濾過操作のための自動システムを
用いて、10分より短い時間でC70(濾液における)お
よびC60(CS2 洗浄後の固体残渣における)を精製す
ることが可能である。質量分光(spectromet
ric)分析はまた、抽出物におけるS/Nのピークの
高さおよびCS2 洗浄後の固体残渣におけるそれらの完
全な不存在(例39参照)から考えて、初期CS2 洗浄
はC76、C78、C84およびC96のようなより大きいフラ
ーレンを溶解することを示した。したがってより大きい
フラーレンの実質的にすべてが濾液に存在することは明
らかである。
25:Xの混合(Xは約3〜6より少ない)の抽出物か
らはじまるC70の濃縮を記載する。CS2 が初期溶剤と
して選ばれた。4gの抽出物が100mlのCS2 と混
合され2分間超音波浴の中に保たれ、47mmのナイロ
ン濾層を通して濾過された。濾液は55:45のC60:
C70の混合物であり、較正HPLC測定濃度は〔C60〕
=8.2mg/mlおよび〔C70〕=7.3mg/ml
であった。濾層を通過しなかった固体残渣におけるC60
のC70に対する比率はおよそ10:1 (抽出物の元の
3:1の比率から)、そして固体残渣に残されたC60の
画分は抽出物におけるC60の約70%であった。元の抽
出物からの濾液におけるC70の回収はおよそ77%であ
った。濾液中のCS2 は回転蒸留によって除去され、そ
して残存しているフラーレン粉末は70℃で1時間真空
オーブンの中で乾燥された。先の段階で得られた55:
45の混合粉末とテトラクロロエチレンとの数種の溶液
試料が作製されそして5分間超音波処理によって撹拌さ
れた。テトラクロロエチレンに対するおよそ125のγ
がC70の回収および濃縮両方のよい均衡をもたらすと決
定された。例えば、16mgの55:45 (C60:
C70)混合物、2.0ml C2 Cl4 の使用で、〔C
60〕=0.95、〔C70〕=2.2mg/mlの濾液濃
度が得られた。これらの実験をもとにして、55:45
混合物に存在するC70の約70%が溶解され、そしてC
70のC60に対する濾液比率が約75:25に濃縮される
と予測される。元の出発抽出物からのC70の総回収は従
って約50%である。濾過操作のための自動システムを
用いて、10分より短い時間でC70(濾液における)お
よびC60(CS2 洗浄後の固体残渣における)を精製す
ることが可能である。質量分光(spectromet
ric)分析はまた、抽出物におけるS/Nのピークの
高さおよびCS2 洗浄後の固体残渣におけるそれらの完
全な不存在(例39参照)から考えて、初期CS2 洗浄
はC76、C78、C84およびC96のようなより大きいフラ
ーレンを溶解することを示した。したがってより大きい
フラーレンの実質的にすべてが濾液に存在することは明
らかである。
【0046】このことは、C60のクロマトグラフィー分
離の方法がより大きいフラーレンを非可逆的に拘束し得
るので重要である〔前に引用したスクリィベンス等(S
crivens et al.)参照〕。従って、より
大きいフラーレンはカラム上で損失され、そして前記概
略された方法によるそれらの容易な先行的除去は、それ
らの精製のために他の方法が使用され得ることを意味す
る。ぼう大な量の時間と費用が、前記濃縮技法(その技
法ではC70はおよそ9の係数濃縮される)によってC70
のさらなる精製において節約される。前記の方法は、ト
リクロロエチレン、クロロホルム、二硫化炭素、1,2
−ジブロモエタン、またはベンゾニトリルのような溶
剤、即ち、C70に典型的に好都合な溶剤、を用いて同様
により大きいフラーレン(C76、C78、C84およびその
他同様なもの)を濃縮するためにもまた使用し得る。
離の方法がより大きいフラーレンを非可逆的に拘束し得
るので重要である〔前に引用したスクリィベンス等(S
crivens et al.)参照〕。従って、より
大きいフラーレンはカラム上で損失され、そして前記概
略された方法によるそれらの容易な先行的除去は、それ
らの精製のために他の方法が使用され得ることを意味す
る。ぼう大な量の時間と費用が、前記濃縮技法(その技
法ではC70はおよそ9の係数濃縮される)によってC70
のさらなる精製において節約される。前記の方法は、ト
リクロロエチレン、クロロホルム、二硫化炭素、1,2
−ジブロモエタン、またはベンゾニトリルのような溶
剤、即ち、C70に典型的に好都合な溶剤、を用いて同様
により大きいフラーレン(C76、C78、C84およびその
他同様なもの)を濃縮するためにもまた使用し得る。
【0047】例21−26 例20の手順は、例3−8で示されている溶剤を用い
て、実質的に同じ結果即ち、C70が濃縮されている順次
的に得られた濾液およびC60の増大する量を含む順次的
に得られた固体残渣、を生じるために繰り返され得る。
て、実質的に同じ結果即ち、C70が濃縮されている順次
的に得られた濾液およびC60の増大する量を含む順次的
に得られた固体残渣、を生じるために繰り返され得る。
【0048】例27−37 例20の手順は、例9−19で示されている溶剤、即ち
C70よりむしろC60に好都合な溶剤、を用いてC60が濃
縮された順次的濾液およびC70が濃縮された順次的固体
残渣を生成するため繰り返され得る。
C70よりむしろC60に好都合な溶剤、を用いてC60が濃
縮された順次的濾液およびC70が濃縮された順次的固体
残渣を生成するため繰り返され得る。
【0049】例38 溶剤混合物 例1の手順に従って、表3−7に示されている溶剤の混
合物を用い、(1)約75:25のC60:C70の固体相
「抽出物」から出発し(表3;トルエン:ヘキサン混合
物を用いる)、(2)次いで約55:45のC60:C70
の組成物を処理し(表4;トルエン:ヘキサン混合物を
用いる)、そして(3)次いで約20:80のC60:C
70の組成物を処理する(表5;トルエン:ヘキサン混合
物を用いる)ことが行われた。およそ20mgの各種の
固体相が1ドラムびんに加えられ、次いで2mlの溶剤
混合物が添加された。溶液は振とうされ、超音波処理さ
れそして濾過された。表6において、トルエン:ヘキサ
ン混合物が評価され、一方表7において、トルエン:3
−メチルペンタン混合物が試験されている。溶剤混合物
での処理後〔C60〕、〔C70〕、αおよび残存C70の%
が評価され、そして表に報告されている。
合物を用い、(1)約75:25のC60:C70の固体相
「抽出物」から出発し(表3;トルエン:ヘキサン混合
物を用いる)、(2)次いで約55:45のC60:C70
の組成物を処理し(表4;トルエン:ヘキサン混合物を
用いる)、そして(3)次いで約20:80のC60:C
70の組成物を処理する(表5;トルエン:ヘキサン混合
物を用いる)ことが行われた。およそ20mgの各種の
固体相が1ドラムびんに加えられ、次いで2mlの溶剤
混合物が添加された。溶液は振とうされ、超音波処理さ
れそして濾過された。表6において、トルエン:ヘキサ
ン混合物が評価され、一方表7において、トルエン:3
−メチルペンタン混合物が試験されている。溶剤混合物
での処理後〔C60〕、〔C70〕、αおよび残存C70の%
が評価され、そして表に報告されている。
【0050】
【表3】 表3 (75:25のC60:C70で開始) 試料No . トルエン:ヘキサン %トルエン [C60 ][C70 ] α %C70 1 0.0 /2.0 0 0.13 0.010 13 7.1 2 0.15/2.0 7.0 0.14 0.014 10 9.1 3 0.25/2.0 11 0.17 0.018 9.4 9.5 4 0.40/2.0 17 0.22 0.025 8.8 10 5 0.60/2.0 23 0.34 0.042 8.1 11 6 0.80/2.0 29 0.49 0.062 7.9 11 7 1.0 /2.0 33 0.53 0.091 5.8 14 8 1.2 /2.0 38 0.63 0.12 5.3 17 9 1.0 /1.0 50 1.0 0.21 4.8 17
【0051】
【表4】 表4 (55:45のC60:C70で開始) 試料No . トルエン:ヘキサン %トルエン [C60 ][C70 ] α %C70 10 0.6/2.0 23 0.34 0.044 7.7 11 11 0.8/2.0 29 0.37 0.069 5.4 16 12 1.0/2.0 33 0.58 0.084 6.9 13 13 1.0/2.0 50 1.5 0.33 4.5 18
【0052】
【表5】 表5 (20:80のC60:C70で開始) 試料No . トルエン:ヘキサン %トルエン [C60 ][C70 ] α %C70 14 0.6/2.0 23 0.17 0.085 2.0 34 15 0.8/2.0 29 0.31 0.093 3.3 23
【0053】
【表6】 表6 (75:25のC60:C70で開始) 試料No . トルエン:ヘキサン %トルエン [C60 ][C70 ] α %C70 16 0.0 /2.0 0 0.075 0.028 2.7 27 17 0.0 /2.0 0 0.094 0.034 2.7 27 18 0.20/2.0 9.1 0.013 0.0037 3.5 21 19 0.40/2.0 17 0.023 0.0082 2.9 27 20 0.60/2.0 23 0.42 0.17 2.5 29 21 0.80/2.0 29 0.61 0.17 3.5 22 22 1.0 /2.0 33 0.12 0.055 3.3 24
【0054】
【表7】 表7 (75:25のC60:C70で開始) トルエン:試料No . 3-メチルペンタン %トルエン [C60 ][C70 ] α %C70 23 0.0/2.0 0 0.086 0.011 7.0 12 24 0.2/2.0 9.1 0.16 0.015 11 8.6 25 0.6/2.0 23 0.26 0.028 9.1 9.6 26 0.8/2.0 17 0.35 0.045 7.8 7.8
【0055】例39 質量スペクトル分析 質量スペクトルは本明細書で以下の如く述べられる。図
2は、飽和未満の溶液を生成するように、例20の出発
抽出物を完全にCS2 で溶解した後の質量スペクトルで
ある。この質量スペクトルは出発フラーレン混合物を表
わし、そして後続の図における種々の溶剤の洗浄効果を
比較するためのそれらに対する水準基準である。種々の
溶剤での洗浄は、若干の固体残渣と接触している飽和溶
液を生成するように、溶剤の限定された量で行われた。
図3は、初期CS2 洗浄後の濾液の質量スペクトルであ
り、一方図4は初期CS2 洗浄後の残存した固体残渣の
質量スペクトルである。これらの図から、CS2 洗浄
後、濾液はC70およびC96までのより高い分子量のフラ
ーレンで濃縮されていること、および固体残渣はC60で
濃縮、C70で枯渇されており、そしてより高い分子量の
フラーレンが完全に枯渇されていることが明らかである
ことが容易に観察される。図5および図6は、飽和でク
ロロホルムを用いた例20の抽出物の初期洗浄後の濾液
および固体残渣それぞれの質量スペクトルである。これ
らの図は、C70およびより高い分子量フラーレンの濾液
における濃縮並びにC84に対する明らかな選択性(図
5)およびより高いフラーレンの残渣における枯渇(図
6)を示す。
2は、飽和未満の溶液を生成するように、例20の出発
抽出物を完全にCS2 で溶解した後の質量スペクトルで
ある。この質量スペクトルは出発フラーレン混合物を表
わし、そして後続の図における種々の溶剤の洗浄効果を
比較するためのそれらに対する水準基準である。種々の
溶剤での洗浄は、若干の固体残渣と接触している飽和溶
液を生成するように、溶剤の限定された量で行われた。
図3は、初期CS2 洗浄後の濾液の質量スペクトルであ
り、一方図4は初期CS2 洗浄後の残存した固体残渣の
質量スペクトルである。これらの図から、CS2 洗浄
後、濾液はC70およびC96までのより高い分子量のフラ
ーレンで濃縮されていること、および固体残渣はC60で
濃縮、C70で枯渇されており、そしてより高い分子量の
フラーレンが完全に枯渇されていることが明らかである
ことが容易に観察される。図5および図6は、飽和でク
ロロホルムを用いた例20の抽出物の初期洗浄後の濾液
および固体残渣それぞれの質量スペクトルである。これ
らの図は、C70およびより高い分子量フラーレンの濾液
における濃縮並びにC84に対する明らかな選択性(図
5)およびより高いフラーレンの残渣における枯渇(図
6)を示す。
【0056】図7および図8は、飽和でトリクロロエチ
レンを用い例20の抽出物を洗浄した後の、濾液および
固体残渣それぞれの質量スペクトルである。図7はC70
およびより高い分子量のフラーレンの濾液における濃縮
を示す。図8は、残渣におけるC60の濃縮およびより高
い分子量のフラーレンの枯渇を示す。図9および図10
は、飽和で1,2−ジブロモエタンを用いた例20の抽
出物の初期洗浄後の濾液および固体残渣それぞれの質量
スペクトルである。図9はC70およびより高い分子量の
フラーレンの濾液における濃縮を示す。図10は残渣に
おけるC60の濃縮およびより高い分子量のフラーレンの
枯渇を示す。
レンを用い例20の抽出物を洗浄した後の、濾液および
固体残渣それぞれの質量スペクトルである。図7はC70
およびより高い分子量のフラーレンの濾液における濃縮
を示す。図8は、残渣におけるC60の濃縮およびより高
い分子量のフラーレンの枯渇を示す。図9および図10
は、飽和で1,2−ジブロモエタンを用いた例20の抽
出物の初期洗浄後の濾液および固体残渣それぞれの質量
スペクトルである。図9はC70およびより高い分子量の
フラーレンの濾液における濃縮を示す。図10は残渣に
おけるC60の濃縮およびより高い分子量のフラーレンの
枯渇を示す。
【図1】例1に記載された逐次抽出方法の図式的説明。
【図2】飽和されていない溶液を生成するように、例2
0の出発物質を完全にCS2 で溶解した後の出発フラー
レン混合物の質量スペクトル。
0の出発物質を完全にCS2 で溶解した後の出発フラー
レン混合物の質量スペクトル。
【図3】例20の出発物質の初期CS2 洗浄後の濾液の
質量スペクトル。
質量スペクトル。
【図4】例20の出発物質の初期CS2 洗浄後の残され
た固体残渣の質量スペクトル。
た固体残渣の質量スペクトル。
【図5】飽和でクロロホルムを用いた例20の抽出物の
初期洗浄後の濾液の質量スペクトル。
初期洗浄後の濾液の質量スペクトル。
【図6】飽和でクロロホルムを用いた例20の抽出物の
初期洗浄後の固体残渣の質量スペクトル。
初期洗浄後の固体残渣の質量スペクトル。
【図7】飽和でトリクロロエチレンを用いた例20の抽
出物を洗浄した後の濾液の質量スペクトル。
出物を洗浄した後の濾液の質量スペクトル。
【図8】飽和でトリクロロエチレンを用いた例20の抽
出物を洗浄した後の固体残渣の質量スペクトル。
出物を洗浄した後の固体残渣の質量スペクトル。
【図9】飽和で1,2−ジブロモエタンを用いた例20
の抽出物の初期洗浄後の濾液の質量スペクトル。
の抽出物の初期洗浄後の濾液の質量スペクトル。
【図10】飽和で1,2−ジブロモエタンを用いた例2
0の抽出物の初期洗浄後の固体残渣の質量スペクトル。
0の抽出物の初期洗浄後の固体残渣の質量スペクトル。
フロントページの続き (72)発明者 ドリス・エス・ツエ アメリカ合衆国カリフオルニア州95136− 3005 サン・ホゼ、ステユードベーカー・ サークル 5356 (72)発明者 リプダマン・マルホトラ アメリカ合衆国カリフオルニア州94070 サン・カルロス、シーダー・ストリート 17 (72)発明者 ドナルド・シー・ロレンツ アメリカ合衆国カリフオルニア州94306 パロ・アルト、カウパー・ストリート 3112
Claims (10)
- 【請求項1】 (a)初期の知られている比率で、C60
およびより高い分子量のフラーレンからなるフラーレン
混合物を用意し; (b)約200℃より低い沸点を有しかつC60またはよ
り高い分子量のフラーレンのいずれかの溶解度が約0.
5mg/mlより大きい溶剤で前記混合物を処理して溶
剤/フラーレンの混合物を生じせしめ、 (c)この溶剤/フラーレンの混合物を濾過して固体残
渣と濾液を生成させ、しかしてC60およびより高い分子
量のフラーレンが固体残渣に第1比率で存在し並びに濾
液に第2比率で存在し、しかも第1比率および第2比率
が初期の知られている比率から、 より高い分子量のフラーレンからC60の分離を可能にす
るのに有効な係数異になっている、ことからなるフラー
レンの混合物から単一フラーレンを単離する方法。 - 【請求項2】 前記固体残渣を用いて、段階(b)およ
び(c)を繰り返すことをさらに含む請求項1の方法。 - 【請求項3】 前記濾液から溶剤を除去して濃縮された
フラーレン混合物を生成させ、そしてこの濃縮されたフ
ラーレン混合物を用いて段階(b)および段階(c)を
繰り返すことをさらに含む請求項1の方法。 - 【請求項4】 (a)約90:10〜約50:50の範
囲の初期の知られている比率で、C60およびC70からな
るフラーレン混合物を用意し; (b)約200℃より低い沸点を有しかつC70に好都合
であるよう選ばれた溶剤で前記混合物を処理して飽和溶
液を生じせしめ、 (c)この飽和溶液を濾過して、C70が濃縮された濾液
およびC60が濃縮された固体残渣を生成させ、しかも、
C70の溶解度が約0.5mg/mlより大きく、かつ飽
和溶液におけるC70に対するC60の濃度の比率αが約
2.0より小さくなるようにして、溶剤が選択される、 ことからなる両フラーレンを含む混合物からC60および
C70を単離する方法。 - 【請求項5】 前記固体残渣を用いて、段階(b)およ
び段階(c)を繰り返し、これによってC60がさらに濃
縮された第2の固体残渣を得ることをさらに含む請求項
4の方法。 - 【請求項6】 前記濾液から溶剤を除去し、そしてこの
濾液を用いて段階(b)および段階(c)を繰り返し、
これによってC70がさらに濃縮された第2の濾液を得る
ことをさらに含む請求項4の方法。 - 【請求項7】 (a)約90:10〜約50:50の範
囲の初期の知られている比率で、C60およびC70からな
るフラーレン混合物を用意し; (b)約200℃より低い沸点を有し、かつC60に好都
合であるよう選ばれた溶剤で前記混合物を処理して飽和
溶液を生じせしめ、 (c)この飽和溶液を濾過して、C60が濃縮された濾液
およびC70が濃縮された固体残渣を生成させ、しかも、
C60の溶解度が約0.5mg/mlより大きく、かつ飽
和溶液におけるC70に対するC60の濃度の比率αが約
2.0より大きくなるようにして、溶剤が選択される、 ことからなる両フラーレンを含む混合物からC60および
C70を単離する方法。 - 【請求項8】 前記固体残渣を用いて段階(b)および
段階(c)を繰り返し、これによってC70がさらに濃縮
された第2の固体残渣を得ることをさらに含む請求項7
の方法。 - 【請求項9】 前記濾液から溶剤を除去し、そしてこの
濾液を用いて段階(b)および段階(c)を繰り返し、
これによってC60がさらに濃縮された第2の濾液を得る
ことをさらに含む請求項7の方法。 - 【請求項10】 約95重量%より多いC70からなる組
成物。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US3295793A | 1993-03-17 | 1993-03-17 | |
US08/032957 | 1993-03-17 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0710512A true JPH0710512A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=21867794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6071279A Withdrawn JPH0710512A (ja) | 1993-03-17 | 1994-03-17 | フラーレン混合物から個々のフラーレンを単離および精製する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0710512A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003040035A1 (fr) * | 2001-11-08 | 2003-05-15 | Naoki Komatsu | Procede de production de fullerenes |
JP2004506580A (ja) * | 1999-03-23 | 2004-03-04 | ロゼッター、ホールディングス、リミテッド | 高いフラーレンおよびナノチューブを製造する方法および装置 |
CN114275769A (zh) * | 2021-12-15 | 2022-04-05 | 井冈山大学 | 一种利用银盐从富勒烯混合物中分离c60和c70的方法 |
-
1994
- 1994-03-17 JP JP6071279A patent/JPH0710512A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004506580A (ja) * | 1999-03-23 | 2004-03-04 | ロゼッター、ホールディングス、リミテッド | 高いフラーレンおよびナノチューブを製造する方法および装置 |
WO2003040035A1 (fr) * | 2001-11-08 | 2003-05-15 | Naoki Komatsu | Procede de production de fullerenes |
CN114275769A (zh) * | 2021-12-15 | 2022-04-05 | 井冈山大学 | 一种利用银盐从富勒烯混合物中分离c60和c70的方法 |
CN114275769B (zh) * | 2021-12-15 | 2023-04-25 | 井冈山大学 | 一种利用银盐从富勒烯混合物中分离c60和c70的方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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