JPH07104557B2 - 文字焼込板 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、写真焼付機に使用される文字焼込板に関する
ものである。

〔従来の技術〕

私製葉書（ポストカード）として、写真と文字とをカラ
ーペーパーに焼き付けたものが広く用いられている。こ
のポストカードの作製には文字焼込装置を取り付けた写
真焼付機が用いられ、所望の文字やイラストを記録した
文字焼込板を文字焼込装置にセットし、フイルムデッキ
にセットした写真フイルムの画像とを並べてカラーペー
パーに焼き付けている。

従来の文字焼込板としては、原稿を写真撮影してから現
像処理したリスフイルムが用いられており、このリスフ
イルムには黒地に透明な文字やイラストが記録されてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前述したリスフイルムを用いた文字焼込板は、タイプに
よる原稿の作製，原稿の写真撮影，現像処理，ゴミの付
着によるヌケの修正等の工程が必要なため、作製が面倒
であるとともに、コストがかかるという問題があった。

〔発明の目的〕

本発明は、作製が簡単であり、かつコストが安い文字焼
込板を提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明の文字焼込板は、透
明なベースとこれに層設された不透明な転写層とからな
る転写シートを用いて被転写シートに文字を記録して、
この転写済みの転写シートにより不透明な地に透明な文
字を形成した文字入り転写シートを構成し、この文字入
り転写シートを透光プレートで保持したものである。こ
の透光プレートは、薄い転写シートを平坦に保持して皺
の発生を防止するとともに、写真焼付機へのセットを容
易にする。また、透光プレートとしては、透明プレー
ト，透光性を有する着色プレートが用いられる。この着
色プレートを使用すれば、色付き文字を記録することが
できる。

〔作用〕

本発明は、プリンタ等を用いて文字やイラストを形成す
ることができるため、極めて簡便に文字焼込板を作製す
ることができる。

以下、図面を参照して本発明の実施例について詳細に説
明する。

〔実施例〕

第２図及び第３図は文字焼込板を示すものである。透光
プレート10の前面に、転写シート例えば熱転写シート11
が接合され、これらによって文字焼込板12が構成されて
いる。熱転写シート11は、透明なベース11aの上に黒色
をした転写層（インク層）11bが層設されている。この
熱転写シート11は、全体の厚みが４〜６μと極めて薄い
ために、取り扱いに不便であるとともに、取り扱いの際
に皺が発生する。この皺が発生すると、ポストカードに
記録された文字にゆがみが出たり、あるいは皺の部分か
ら転写層11bが剥離してポストカード上の汚れの原因と
なる。そこで、転写シート11を平坦に保持するために透
光プレート10が用いられており、印字後にベース11aを
透光プレート10に対面させた状態で、透光プレート10に
転写シート11が接合されている。この透光プレート10と
しては、例えば透明又は着色されたガラスやプラスチッ
クが用いられる。

第４図は熱転写シートの印字状態を示すものである。熱
転写シート11は、ワープロやパソコン等を用いて印字す
ることで、黒地に透明な文字（白抜き文字）が形成され
る。このワープロは、周知のようにワープロ本体15,プ
リンタ16,キーボード17とから構成されている。このプ
リンタ16のプラテン18に、白紙等の被転写シート13と熱
転写シート11とを重ねてセットする。この際に、転写シ
ート11の転写層11bが被転写シート13に対面するように
プラテン18にセットする。

熱転写シート11と被転写シート13とをセットしてから、
キーボード17を操作して、文字やイラストをワープロ本
体15に入力すれば、矢線方向に往復動するサーマルヘッ
ド19により熱転写記録（印字）が行われる。すなわち、
サーマルヘッド19は、文字又はイラストのパターンに応
じてヘッドが発熱し、ベース11a側から転写層11bを加熱
して、これに密着している被転写シート13に文字やイラ
ストを熱転写する。この熱転写シート11は、加熱された
部分の転写層11bがなくなってベース層11aが現れるか
ら、黒地に透明な文字やイラストが形成されることにな
る。

熱転写記録後に、プラテン18から熱転写シート11を取り
外し、ベース11aが透光プレート10に対面するような向
きで重ね、接着剤を介して接合し、第３図に示す層構造
をした文字焼込板12を作製する。

写真焼付機の構成を示す第５図において、ペーパーマス
ク25は、露光用の開口25aと文字焼込用の開口25bが形成
されている。第１図に詳細に示すように、文字焼込用開
口25bには、段部25cが形成され、これに文字焼込用ホル
ダー26が抜き出し自在に挿入されている。この文字焼込
用ホルダー26は、開口26aを有する枠状をしており、下
面に透光プレート（例えば透明ガラス）27が接合されて
いる。また、上側には段部26bが形成されており、転写
シート11を上にした状態で文字焼込板12が嵌め込まれ
る。なお、透光プレート10として透明プレートが使用さ
れている場合に、色文字を記録するには、文字焼込用ホ
ルダー26内に少なくとも１枚の色フイルタ28を落とし込
めばよい。更に、焼付光の光質を調節するために、色補
正フイルタや色温度変換フイルタを入れてもよい。

前記文字焼込用開口25bの下部には、ランプハウス30が
取り付けられており、この中に複数の白色光源31と拡散
板32とが収納されている。これらの白色光源31は、一定
時間だけ点灯して白色光を放出する。この白色光は、拡
散板32で充分に拡散されてから、文字焼込板12を照明す
る。

カラーペーパー34は、供給リール35にロール状に巻き付
けられており、複数のローラ36を経て巻取りリール37に
巻き取られる。なお、マスクプレート25の上には、カラ
ーペーパー34の浮き上がりを防ぐために、周知のプレス
プレート（図示せず）が配置されている。

白色光源40から放出された白色光は、シアンフイルタ4
1,マゼンタフイルタ42,イエローフイルタ43を通ってか
ら拡散箱44に入射する。これらの色フイルタ41〜43は、
フイルタ調節部45によって焼付光路46への挿入量が調節
され、それにより焼付光の光質を調節する。拡散箱44
は、内面がミラー面となった角筒の両端部に拡散板を取
り付けたものであり、光質が調節された焼付光を充分に
拡散する。

前記拡散箱44の上にフイルムデッキ48が配置され、これ
にカラーネガフイルム49がセットされ、上からマスク50
で押さえ付けられる。カラーネガフイルム49に記録され
ているネガ像は、シャッタ駆動部52によってシャッタ53
が開かれた時に、焼付レンズ54でカラーペーパー34に焼
き付けられる。

次に、上記実施例の作用について説明する。熱転写シー
ト11をプリンタ16にセットし、キーボード17を操作し
て、所望の文字やイラストを入力し、これらの文字やイ
ラストを被転写シート13に熱転写記録する。この熱転写
記録により、文字が白抜けとなった熱転写シート11を透
光プレート10に接合して、文字焼込板12を作製する。こ
の文字焼込板12は、熱転写シート11がカラーペーパー34
に対面するような向きで、文字焼込用ホルダー26に嵌め
込む。この状態では、転写層11bがカラーペーパー側に
あるため、白色光源31側から文字焼込板12を観察する
と、正常な文字となっている。文字焼込板12の嵌め込み
後、文字焼込用ホルダー26をペーパーマスク25の文字焼
込用開口25bにセットする。

写真焼付時には、カラーネガフイルム49のネガ像に応じ
て色フイルタ41〜43の挿入量が調節される。このフイル
タ調節後に、白色光源40がフル発光してカラーネガフイ
ルム49を照明する。この状態でシャッタ53が所定時間だ
け開口するから、焼付レンズ54によってネガ像がカラー
ペーパー34に焼き付けられる。

ネガ像の焼付と同時又はその前後に、ランプハウス30内
の白色光源31が一定時間だけ点灯する。この白色光源31
から放出された白色光は、拡散板32で拡散されてから、
文字焼込板12を照明し、熱転写シート11に記録された文
字やイラスト等をカラーペーパー34に焼き付ける。

１駒の写真焼付が終了すると、供給リール35から未露光
の部分が引き出され、そして露光済みの部分が巻取りリ
ール37に向けて移送される。１巻分の写真焼付が終了す
ると、周知のように写真現像処理され、最後に１駒ずつ
切断され、第６図に示すようなポストカード60が作製さ
れる。このポストカード60は、ネガ像のプリント画像61
と、文字焼込板12の文字62及びイラスト63とが並んで記
録されている。

第１図に示す実施例では、転写シート11の転写層11bが
カラーペーパー34と対面しているため、その間で擦れが
起こる。多数のポストカード60を作製する場合には、転
写層11bに剥離が発生することになる。これを解決する
には、第７図に示すように投影タイプとするか、第８図
に示すように熱転写シート11に裏返し文字を印字し、ベ
ース11aをカラーペーパー34に対面させればよい。

第７図は文字焼込装置を投影タイプとした実施例を示す
ものである。ランプハウス66には、文字ホルダー67が出
し入れ自在に設けられており、この文字ホルダー67に文
字焼込板12がセットされる。この文字焼込板12は、転写
シート11の転写層11bがカラーペーパー34と対面するよ
うにセットされる。この状態では、白色光源側から文字
焼込板12を観察すると、正常の文字となっている。文字
焼込時には、白色光源68が点灯して、文字焼込板12に記
録された文字やイラストがレンズ69でカラーペーパー34
に焼き付けられる。なお、符号70は拡散板である。

第８図は裏返し文字の印字を行なった熱転写シートを用
いた実施例を示すものである。この場合には、裏返し文
字を印字するワープロを使用して、白抜けの文字やイラ
ストを熱転写シート11に形成する。この裏返し文字の印
字後に、転写層11bが透光プレート10に対面するように
接合して文字焼込板120を作製する。この文字焼込板120
は、ベース11aの厚みが極めて薄いので、それによるボ
ケが発生することはない。なお、この文字焼込板120
は、投影タイプにも利用することができるものである。

〔発明の効果〕

上記構成を有する本発明は、転写した部分が透明となる
転写シートと、これを保持する透光プレートとで文字焼
込板を構成したから、ワープロ等により所望の文字やイ
ラストを簡単に記録することができる。また、通常ワー
プロ等を用いて文字をプリントする場合にはインクリボ
ンまた、通常ワープロ等を用いて文字をプリントする場
合にはインクリボン等の転写シートを用いて、白紙等の
記録用紙に黒インク等を転写するものであり、目的は文
字を記録用紙にプリントすることであるのに対し、本発
明では記録済みの転写シートの方を利用するものであ
る。したがって、従来のリスフイルムの製作に必要であ
った、原稿の作製，原稿の写真撮影，現像処理等の工程
が不要になり、ワープロ等のプリンタを用いて、簡単且
つ容易に、不透明な地に透明な文字が記録された文字入
り転写シートを作製することができる。しかも、作製時
間が大幅に短縮され、かつコストも安くなる等の利点が
ある。更に、本発明では、転写シートを透光プレートに
取り付けたから、その取扱が容易となるとともに、転写
シートに皺が発生したりすることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は文字焼込用ホルダーをペーパーマスクにセット
した状態を示す断面図である。 第２図は本発明の文字焼込板の一例を示す分解斜視図で
ある。 第３図は文字焼込板の断面図である。 第４図は熱転写シートの印字状態を示す説明図である。 第５図は文字焼込用ホルダーをセットした写真焼付機の
概略図である。 第６図はポストカードの一例を示す説明図である。 第７図はレンズを使用して投影焼込を行うようにした写
真焼付機の概略図である。 第８図は裏返し文字の印字を行なった熱転写シートを使
用した文字焼込板の断面図である。 10……透光プレート 11……熱転写シート 11a……ベース 11b……転写層 12……文字焼込板 13……被転写シート（白紙） 19……サーマルヘッド 25b……文字焼込用開口 26……文字焼込ホルダー 30……白色光源 34……カラーペーパー 60……ポストカード 69……レンズ 120……文字焼込板。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透明なベースとこれに層設された不透明な
   転写層とからなる転写シートを用いて被転写シートに文
   字を記録して、この転写済みの転写シートにより不透明
   な地に透明な文字を形成した文字入り転写シートを構成
   し、この文字入り転写シートを透光プレートで保持した
   ことを特徴とする文字焼込板。
2. 【請求項２】前記文字入り転写シートは、透明なベース
   が透光プレートに接合されていることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の文字焼込板。
3. 【請求項３】前記文字入り転写シートは、転写層に裏返
   し文字が記録されており、この転写層が透光プレートに
   接合されていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の文字焼込板。