JPH07104262A - 液晶光変調材料及び装置 - Google Patents

液晶光変調材料及び装置

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JPH07104262A
JPH07104262A JP6069011A JP6901194A JPH07104262A JP H07104262 A JPH07104262 A JP H07104262A JP 6069011 A JP6069011 A JP 6069011A JP 6901194 A JP6901194 A JP 6901194A JP H07104262 A JPH07104262 A JP H07104262A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が単純で、液晶領域の寸法及び不連続性
に対する制御が容易で、理論的には無制限のディスプレ
ー寸法をとることができる光変調材料及び光変調装置を
提供する。 【構成】 固体状の光透過性樹脂相(但し、エポキシ樹
脂は除く)で分散させた液晶相から成る光変調材料であ
って、液晶相がネマチック相又はスメクチック相であ
り、かつ液晶相が、液晶ディレクタの配向を変えること
によって入射光が変調材料を透過するか又は散乱するよ
うに、樹脂相の屈折率と液晶相の常光屈折率を一致させ
た光変調材料において、液晶相が樹脂生成性組成物中に
可溶性であり、かつ液晶相が樹脂生成性組成物の固化中
に溶液からの相分離によって自発的に形成された光変調
材料並びにかかる光変調材料を組み入れた光変調装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般的に液晶光変調材料
及び装置に関し、更に詳しくは自然発生的に形成され
て、合成重合体マトリックスの中に保有されている液晶
微小滴の光変調分散体から成る、例えばディスプレーに
使用するための、新しい液晶材料及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレー装置の商業的製造にお
ける最近の発展は、在来のセル・タイプのディスプレー
で遭遇するシールの問題を回避するため、プラスチック
シート等の中または上に種々に合体された液晶の光散乱
特性を利用することにより映像を表示する材料の方向へ
向けられている。これらの材料の表示特性は、捕捉され
た液晶の寸法と形態とに依存している。散乱効率やオン
およびオフ状態間のスイッチ時間などの特性は、液晶の
個々の量の径および密度により影響される。
【0003】提案された種々のタイプの材料には、カプ
セル封じされた液晶を含有する材料、および液晶が入り
込む微小孔をもった材料がある。液晶をカプセル封じす
るための従来の1つの提案はフランス特許第2,13
9,537号に開示されていて、これはネマチック状態
またはコレステリック状態の液晶材料と、ポリビニルア
ルコールのような不混和性バインダーとの水性エマルジ
ョンを形成することを含んでいる。この混合物は高速ブ
レンダーなどで乳化されて、バインダーによりカプセル
封じされた液晶の小滴を形成する。カプセル封じされた
小滴は、ついで通常の導電性電極をもっている透明なプ
ラスチック基質の上にコーティングされる。同様な技術
が米国特許第4,435,047号に記載されている。
【0004】プラスチックシートの開放または連通した
微小孔をネマチック状態の、または他のタイプの液晶で
満たす、他の従来の提案は米国特許第4,048,35
8号に開示されている。液晶を機械的に閉じ込めるこれ
ら従来の技術は或る欠点をもっている。乳化によるカプ
セル封じは、比較的広い範囲にわたるカプセル径を生じ
やすく、これは寸法分級を必然的ならしめる。微小孔の
あるプラスチック中への吸収による捕捉は、液晶の漏出
を防止するため微小孔のシールの問題を生じる。
【0005】これらの光散乱装置を光散乱モードと光透
過モードの間で電気的操作することは、該装置またはそ
の映像形成セグメントを1つの状態では不透明に、他の
状態では透明にさせることになる。かような装置を、十
分な熱の適用により熱的操作して、液状で結晶性の、光
散乱状態から、等方性で光透過性状態への転移を起こさ
せることは、材料を不透明から透き通った状態へスイッ
チさせることになる。
【0006】これらタイプの液晶ディスプレーの大多数
の動作は、映像を維持するために電気または熱のいずれ
かの外的な場(field) を一定にして適用することに依存
している。この動作モードは、例えば種々の英数字が創
出され、続いて種々の画素の一定した付勢と消勢とによ
り消去されるような時間−温度ディスプレー用には望ま
しいが、製造がより容易であることだけによって特徴づ
けられるのでなく、適用した場の一定した存在に依存す
ることのない映像表示によっても特徴づけられるディス
プレー技術をもつことが多くの場合に有益であろう。ま
た、スイッチ時間がより速く、透明度が従来実現可能で
あったものより一層大きいことにより液晶ディスプレー
を特徴づけることも同じく有益であろう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
の、液晶の塊体を、(a)重合体の鞘の中に個々に入れ
込みまたはカプセル封じるか(そして続いて密着した、
しばしば支持層を有するシートまたはその類似物を形成
するように凝集され得る)、または(b)マトリックス
形成材料の中にバッチとして埋め込む(これは、ついで
重合体シートまたはその類似物に変換され得る)かのい
ずれかである無数の粒子に機械的に小分割する技術は、
本発明とは区別されるべきものである。このような技術
に対する本発明の利点には、製造の単純さ、液晶領域の
寸法およびその不連続性に対する制御の容易さ、ならび
に理論的に無制限のディスプレー寸法がある。その他の
利点は後述から明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、固体状
の光透過性樹脂相(但し、エポキシ樹脂は除く)で分散
させた液晶相から成る光変調材料であって、液晶相がネ
マチック相又はスメクチック相であり、かつ液晶相が、
液晶ディレクタの配向を変えることによって入射光が変
調材料を透過するか又は散乱するように、樹脂相の屈折
率と液晶相の常光屈折率を一致させた光変調材料におい
て、液晶相が樹脂生成性組成物中に可溶性であり、かつ
液晶相が樹脂生成性組成物の固化中に溶液からの相分離
によって自発的に形成された光変調材料が提供される。
【0009】本発明に従えば、また、固体状の光透過性
樹脂相(但しエポキシ樹脂は除く)で分散させた液晶相
を有する材料であって、液晶相がネマチック相又はスメ
クチック相であり、かつ液晶相が、液晶ディレクタの配
向を変えることによって入射光が変調材料を透過するか
又は散乱するように、樹脂相の屈折率に一致した常光屈
折率を有する材料、該材料の表面に隣接した、電場形成
用電極部、液晶ディレクタの配向を電場の印加及び除去
によって変えることができるように該電極部に接続され
た電源から成る光変調装置において、液晶相が樹脂生成
性組成物中に可溶性であり、かつ液晶相が樹脂生成性組
成物の固化中に溶液からの相分離によって自発的に形成
されたものである光変調装置が提供される。
【0010】以下の本発明のすべての特色には、光透過
性であるべき、合成樹脂マトリックス生成組成物に液晶
を入れた溶液からマトリックスの凝固中に液晶微小滴を
自然発生的に形成することを含む。かような形成は、実
質的に均一間隔で、実質的に均一寸法である微小滴を生
じやすい。簡単のため、かような形成を“相分離”の1
つと我々は云う。マトリックスは熱硬化性または熱可塑
性樹脂(重合体)(但し、エポキシ樹脂は除く)であり
得る。
【0011】ここで1つの特色は、光散乱性の液晶微小
滴を含有する材料である。これは熱的、電気的、機械的
および電磁気的に処理して、この材料を可逆的に光散乱
モードと光透過モードの間で切り替えられるようにする
ことが可能である。さらに、この材料はひずみに対し光
学的に応答性があり、そのため張力下では平面偏光の1
成分を透過させ、他の成分を散乱させる偏光子として働
く。その上、電場または磁場の存在下でのその相分離
は、この材料に電気的に処理し得る偏光子として機能さ
せることができる。
【0012】本発明の光散乱性材料は、熱可塑性である
なら、製造の容易さと単なる加熱および冷却により再加
工される能力により特徴づけられる。本発明の他の特色
は、液状の結晶性の相から等方性の相への転移温度がマ
トリックスの軟化温度より高い液晶と熱可塑性樹脂とか
ら製造される材料にある。これは可逆的な、場と独立の
(field-independent) メモリ(熱可塑性映像メモリ)を
発揮する。
【0013】本発明のさらに他の特色は、液晶の正常屈
折率と、融け込んだ液晶をいくらか含有しているマトリ
ックスとがきわめて密接に一致している熱可塑性ディス
プレー材料であり、かような材料はミリセカンド以下の
スイッチ時間、90%のオーダーの透明度、および電気
光学メモリを有するように作ることができる。かような
材料は高い電気抵抗度と誘電率をもつように製造するこ
とができるので2つの電極間で荷電された時電荷を保持
するコンデンサとして働き、それにより液晶の微小滴の
光軸は整合したままであり、映像は電圧が切られてしま
った後も保持される(静電映像メモリ)。
【0014】本発明のさらに他の特色は、微小滴の寸法
が相分離中に液晶微小滴の成長速度を調節することによ
り規制され、かつ微小滴の成長が選定された平均径に達
した時点でマトリックスの凝固により停止されるような
光変調材料にある。上述の方法で調製された時、液晶微
小滴は均一寸法と間隔であり、かつ約0.2ミクロンか
ら上の範囲の径であることが観察されている。温度、相
対濃度および材料選択が成長速度とその結果の微小滴寸
法、および密度を決定する。成長速度の制御は、コント
ラストおよび応答時間などの表示特性が最適化された液
晶表示装置の製造を可能にする。
【0015】上述の光変調材料に加えて、この発明のさ
らに別の特色は、光の切り替え(light switching) およ
び偏光のための電気的応答性がある電気的に処理可能な
装置であって、その構造中に光変調材料、例えば本発明
のシートまたはフィルムをもっている装置にある。さら
に別の特色は広く、意図した(intentive) 光変調材料を
作るための相分離方法、具体的な相分離技術、ならびに
微小滴寸法の制御、成分の選択、材料の再加工、偏光性
にしまたは種々な方向からの光に対し特に透明にするこ
と、および上述した、且つ光変調材料そのものについて
以下に述べるような、整合した電場または磁場中でのマ
トリックスの凝固のための改良にある。
【0016】さらに他の特徴および長所は、本発明の最
良の態様についての以下の記述と添付図面とから当業者
には明白となるであろう。図1,2,4,5(a),6
(a),6(b),9,10,11,13Aおよび13
Bは本発明の三次元シート材料の切片を略示的に示す断
面立面図で、本発明の連続シートを構成する樹脂(重合
体)マトリックスに含まれる液晶のいくつかの微小滴を
表わしている。
【0017】図3,5(b),7(a),7(b)およ
び8はかようなシートが装置の一要素を形成している状
態の略示図である。明細書および請求の範囲で使用する
ものとして“合成樹脂マトリックス生成組成物”または
“マトリックス生成組成物”という語は、生成物の凝固
した樹脂(重合体)を供給する材料を定義する意味であ
る。好適な、溶解した液晶を伴う、または伴わないマト
リックス生成組成物およびその結果生じる固体状光変調
材料はすべてかなり疎水性であると認められる。
【0018】かような固体樹脂は、本発明の目的上、以
下のようなマトリックス生成組成物により供給され得
る。 i)樹脂と、それと共に例えば付加重合または縮重合に
よって有用な固体(固化した)状態に重合し得る(すな
わち、それによって微小滴の寸法と位置が、さらに付課
された応力なくして、光学装置内で固定される)物質と
の混合物、典型的にポリウレタン樹脂とその硬化剤との
流動状混合物。好適なポリウレタン樹脂は高い引張り強
さおよび引裂き強さをもっている。適当なポリウレタン
生成混合物は、トルエンジイソシアネート、ポリエーテ
ルグリコール、メチレンビスイソオルトクロロアニリ
ン、および種々のポリオールに基づく混合物である。不
飽和ポリエステル樹脂を重合性モノマー例えばスチレン
に入れた溶液も熱硬化性マトリックスを生成し得る。
【0019】ii)加温すると液晶を劣化させることなく
溶解することができ、ついで冷却すると有用な固体状態
に液晶を微小滴として晶出させることのできる熱可塑性
樹脂(重合体)。これには典型的に、或る種の熱可塑性
ビニルブチラール、アルキルアクリレート、スチレンお
よびアルキル置換スチレン、イソブチレン、ビニルクロ
ライド、ブタジエン、メチルブテンおよびビニルアセテ
ートを含む種々のポリマーまたはコポリマーがある。
【0020】iii) 液晶および揮発性の溶剤と液晶を劣
化させることのない温度で均質な溶液を作ることがで
き、ついで、例えば必要または望ましければ加温と場合
により冷却を使って蒸発などにより溶剤を追い出す(や
はり劣化なしに)ことにより凝固させて微小滴に晶出さ
せることができる熱可塑性樹脂(重合体)。ならびに、 iv)液状で液晶を溶解し、ついで液晶の劣化を排除する
条件下で有用な固体を形成するように重合させた時液晶
を微小滴として晶出させる重合性のモノマー、ダイマ
ー、オリゴマーおよびプレポリマーならびにそれらの混
合物。かような重合性マトリックス生成組成物にはスチ
レン、アルキルアクリレート、ブタジエン、ならびにこ
れらモノマーの1種またはそれ以上のモノマー単位を含
む種々のダイマー、オリゴマーおよびプレポリマーがあ
る。
【0021】ここで揮発性溶剤は、実際問題として、大
気圧で、好ましくは約100℃より高くない通常の沸点
を有するものであるべきであるが、場合により高い、例
えば150℃の沸点も許容され得る。かような揮発性溶
剤はまた、本発明の目的では重合、特に熱可塑性マトリ
ックスを作る重合を含めた操作において液晶の温度を制
御し、かつその溶解を助けるのにも有用であり得る。
【0022】“相分離”は上に定義した。合成樹脂マト
リックス生成組成物中に、マトリックスの凝固の時に等
方性の相として存在する均質溶解物からの異方性液晶微
小滴の自然発生的な出現について簡単に触れておくのは
都合よいことである。規制された相分離は、下記の方法
の1つまたはそれ以上を使って、かような溶液からかよ
うな凝固した重合体マトリックスが如何に生成され得る
かに依存して種々の方法で実行され得る。
【0023】i)典型的に熱、触媒(紫外線を含むが、
それに限定されない)、電子ビームまたはフリーラジカ
ル触媒もしくはその他の有効触媒物質の導入を使用し
て、マトリックス生成組成物の諸成分の1つまたは混合
物を重合させることによる。 ii)熱可塑性マトリックス生成組成物を冷却すること
(熱ゲル化)による。 iii)通常固体の熱可塑性合成樹脂の揮発性溶剤溶液
(この溶液は液晶を溶解する)のマトリックス生成組成
物から揮発性溶剤を気化させることによる。この気化
は、加温および/または冷却により任意助成または制御
される。かような樹脂は予備形成した状態で入手する
か、または目的に合わせて重合により作ってもよい。
【0024】相分離の前に、溶解した液晶は入射光を散
乱させるとは見えず、溶液は清澄に見える。“凝固した
合成樹脂(重合体)マトリックス”とは、引き続いてマ
トリックスに機械的または電気的な応力を加えなくて
も、光変調装置の或る実際的な用途において液晶微小滴
の寸法と形を固定するものをいう。かような凝固の後、
特別な機械的または電気的応力をマトリックスに適用す
ることを特定の操作特性をもたらすために使用すること
ができる。明らかに、用途が高温である時は低温軟化性
の熱可塑性マトリックスの採用を排除するであろうか
ら、別のタイプ例えば熱硬化性を必要とするであろう。
ここで合成樹脂(重合体)マトリックスの凝固とは、
“硬化(キュアリング)”、“固化”、または“硬質化
(ハードニング)”ということもできる。その結果の固
体マトリックスは、可撓性または柔軟性または硬質であ
り得、換言すれは用途に対し微小滴の寸法と形をかよう
なマトリックス中に固定するのに十分な固体状であり得
る。
【0025】明細書および請求の範囲で使用するものと
して、“熱可塑性樹脂”という語はその通常の意味で使
用されており、これには熱軟化し、ついで冷却で再凝固
され得る合成樹脂または重合体が含まれる。熱を適用し
た時の熱可塑性樹脂の“熱軟化”は転移温度範囲にわた
って起こり得るもので、必ずしも明確な境界づけにより
特徴づけられない。
【0026】“均質溶液”または“単一相”溶液という
語は、巨視的に清澄で均質に見える液晶とマトリックス
生成組成物との混和性混合物をいう。この溶液は液体溶
液または固溶液またはその中間であり得る。相分離の
間、均質溶液は、少なくともいくらかの液晶が微小滴と
して現われる時、相分離する。相分離が進むと、マトリ
ックスは固くなる。これは相分離工程を停止させ、その
結果微小滴の形の安定な液晶リッチ相と、微小滴が埋め
込まれているマトリックスの形のポリマーリッチ相とを
生じる。“可塑性化効果”とは、液晶の一部が微小滴と
して相分離した後、熱可塑性樹脂中に溶液で残っている
液晶が原因でかような樹脂の転移温度または軟化温度が
低下することをいう。“可塑化された”樹脂は、屈折率
s および軟化温度などのような物理的性質と、抵抗お
よび誘電率などのような電気的性質を呈し得るが、これ
らは相当する重合体だけの性質から溶解している液晶の
存在により変更され得る。
【0027】“抵抗”および“誘電率”は本発明の液状
結晶性プラスチック材料の電気的性質をいうもので、測
定システムに関係なく一般に理解されている意味で使用
されている。本発明の材料の抵抗と誘電率との積の値は
時間の単位で表わされ、その材料のメモリ時間を表わ
す。“静電映像メモリ材料”とは、大体1秒またはそれ
以上のメモリ時間をもち、従って導電性電極により荷電
された時、材料が電圧を除いても電荷を保持するコンデ
ンサとして働く本発明の材料をいう。“静電映像メモ
リ”とは、材料またはその選ばれた領域がその材料に取
付けた透明な導電性電極に電圧を印加することにより清
澄で透明な状態に起動され、かつ、短絡によって不透明
で不透過性状態に切り替えられない限り(切り替えられ
ると清澄に起動されるまで材料は不透明のままであ
る)、電圧を除いてもその材料のメモリ時間のあいだ材
料またはその選ばれた領域が清澄透明のままであるよう
な本発明の材料の映像記憶力をいう。
【0028】“スイッチ時間”とは、本発明の材料が加
えられた電圧パルスに対し清澄化することによって応答
する時間、および本発明の材料が短絡させることにより
不透明に転じる時間をいう。オン(清澄)状態へのスイ
ッチ時間は、短絡によるオフ(不透明)状態へのスイッ
チ時間より一般的に短い。本発明の静電映像メモリ材料
において、スイッチ時間はメモリ時間に比べて非常に短
い。
【0029】“透明度”または“透明係数”とは、清澄
状態に切替えられた材料を通る光と、材料の不在下で電
極間を通る光との比率をいう。本発明の動作の物理的原
理は、液晶とマトリックスとの光の屈折率の関係に依存
して、複屈折性液晶微小滴が光を散乱させ、または透過
させる能力に基づいている。光散乱性液晶は、その長軸
に沿って測定した異常屈折率ne を有し、これは長軸に
垂直な面内で測定した異常屈折率no より大である。長
軸は液晶の光軸を規定する。正の誘電性異方性をもつ光
散乱性液晶は、それらの光軸を電場の方向に平行に整列
させることにより、適用された電場に応答する。負の誘
電性異方性をもつものは、それらの光軸を電場の方向に
垂直に揃えることにより応答する。
【0030】液晶の個々の領域を含んでいる材料に入射
した光は、屈折率間の関係に応じて或いは散乱され、或
いは透過される。例えば、正の誘電性異方性をもつネマ
チック液晶を使用する装置において、マトリックスは液
晶の正常屈折率no に等しい屈折率ns をもつ樹脂から
形成される。印加された場の不在下で、ほぼ球形の微小
滴内に捕捉されている液晶は、整合すべき好ましい方向
をもたないから、入射光は樹脂の屈折率ns と液晶の異
常屈折率ne との不一致に出会って、散乱される。場を
印加すると分子の整合を起こし、その結果各個々の量の
液晶について異常屈折率(光)軸の整合が起こる。光が
入射する表面に直角な光軸の整合は、微小滴が屈折率n
o を光に対し現わすようにさせる。no は本質的にns
に等しいから、入射光は屈折率間の不一致を検出せずに
透過されるので、材料は清澄に見える。液晶の光軸が例
えば材料を引き伸ばすことにより整合される時、ひずみ
の方向に垂直な平面偏光入射光の成分は透過され、他
方、他の成分は異常屈折率によって散乱されて偏光効果
を実現する。
【0031】液晶は、入射光がns とno との間に有効
な差を見出さず、可視的には散乱されないという意味
で、マトリックスの屈折率ns と一致する正常屈折率n
o をもってもよい。光透過状態と光散乱状態とのコント
ラストを改善するため、no とns の間のわずかな差が
望ましいであろう。光散乱ディスプレーに有用な有効散
乱は、液晶小滴の寸法が入射光の波長のオーダー、例え
ば約0.2〜10ミクロンまたはそれ以上である限り、
かつne とns またはno との差が光学的不均質性を起
こして可視的に散乱を認めさせる有効な差であるのに十
分大きいものである限り、起こる。
【0032】温度応答性ディスプレーにおいて、液晶の
等方性相における屈折率はマトリックスのそれと一致ま
たは類似とされるから、本材料は入射光を透過させ、他
方液状結晶性相における屈折率(通常、異常屈折率)は
マトリックスの屈折率に対し不一致であるから、入射光
は散乱され、本材料は不透明である。温度応答性材料
は、ネマチック、コレステリック状態の液晶またはスメ
クチック状態の液晶の多くの種類、ならびにそれらの混
合物を使って本発明に従い製造され得る。特定温度にお
ける熱−光学的応答は、その温度で液状結晶性相から等
方性相に変移する液晶の使用により得ることができる。
このプロセスは可逆的であるから、材料の温度が等方性
から液状結晶性相転移に低下すると、材料は清澄から透
明状態に切り替わる。種々の温度に応答する熱−光学装
置は、種々の等方性−液状結晶性相転移温度をもつ液晶
を使って作ることができる。
【0033】温度応答性材料としては、従来技術の材料
および装置と著しく相違し、重要な利点をもたらす本発
明の種々の特長がある。従来技術のコレステリック状態
の液晶装置、例えば米国特許第3,872,050号に
開示されたものの動作は、コレステリックらせんの温度
依存ピッチ長が入射光の波長に匹敵するものになる時の
光のブラッグ(Bragg) 散乱に基づいている。例えば米国
特許第4,279,152号に開示されているような液
晶材料の相変化に依存する従来技術の装置の動作は、光
吸収特性を変化させるために染料分子の順序の変更を必
要とする。本発明の材料においては、白色不透明状態と
清澄状態の間の温度分解は、等方性対液状結晶性相転移
の幅により支配され、そうであるから、可視スペクトル
の幅とコレステリックらせんのピッチ長の温度依存性に
依存する在来のコレステリック装置の温度分解にまさる
改良なのである。本発明の他の利点は、オンとオフ状態
間の可視的コントラストが、液状結晶性相にあるものに
対し等方性相にある分散した液晶の対照的な光散乱特性
により制御されるということで、これに対し従来技術の
コレステリック液晶温度指示器における可視的コントラ
ストは背景基質に対する撚れたコレステリック材料のブ
ラッグ散乱特性により支配されるのである。
【0034】本発明はまた、高い熱安定性と寿命をもつ
ものを含め広範囲の液晶および相の使用を可能にするも
のである。従来技術のコレステリック液晶指示器はピッ
チ長の適当な温度依存性をもつコレステリックまたはキ
ラル材料に限られていた。かような液晶は安定性が乏し
いので、これで作ったディスプレーは限られた寿命しか
ない。
【0035】電気的または磁気的応答性材料は、ネマチ
ック液晶か、ネマチックとして挙動する混合物、および
強誘電性液晶を使って調製される。最も好適に液晶はシ
アノビフェニルから成り、またシアノビフェニルおよび
エステル類と混合してもよい。ここで使用する“ネマチ
ック”の語は、ネマチック液晶、およびネマチック液晶
の性質をもつ液晶混合物を意味する。樹脂マトリックス
中に分散した液晶は2つの導電性表面(その一方または
双方が透明である)間に置かれる。適当な大きさの電圧
を導電性表面に加えると、材料は白色不透明状態から澄
んだ(透明な)状態に切り替わる。このプロセスは電圧
を除くと可逆的である。所望により、多色性染料を液晶
に混入して、電気的応答性材料の透明と不透明間の可視
的コントラストを強めてもよい。例えば黒色染料を使う
と、材料は不透明状態が黒く見える。
【0036】電気的応答性材料として、本発明は液晶を
含む他の公知の電圧または電流応答性材料と相違した特
長および利点を有している。本発明の材料では、材料の
表面上の導体に印加したACまたはDC電源からの電界
は、正の誘電性異方性と液晶の異常屈折率を呈するネマ
チック液晶微小滴の光軸を電界に平行に整列させるの
で、光は透過される。印加した電界を除くと、樹脂マト
リックスと分散したランダム整列を電界適用前に存在し
た条件に急速に復元させるので、異常屈折率による光散
乱が起こる。切り替え効果をもたらすマトリックスと液
晶との間の表面積対体積比を大きなものとする。本発明
の重要な特徴は、速いスイッチ時間を生じるように小滴
を容易に形状づけることができることである。本発明の
材料を用いれば、清澄状態から不透明状態への応答時間
は大体1〜10ミリセカンドになし得る。多色性染料を
液晶に混入した時、動作原理は多色染料を含んでいる他
のゲスト−ホストディスプレーとは異なったもののまま
である。というのは、それはマトリックス−液晶表面相
互作用であり、分散した液晶の表面積対体積比が大き
く、これが適用された電場を除去した時ネマチック指向
体を、従ってゲスト染料成分をそのランダム不透明状態
の配向へ回復させるからである。これは、コレステリッ
ク成分を液晶に添加して不透明状態におけるランダムな
整列を起こさせ、または誘導するようにした公知の“相
変化”二色性ディスプレーセルとは対照的である。
【0037】電気的応答性ディスプレーセルの1つの具
体的実施態様は張力をかけたシートまたはフィルムを包
含する。異常屈折率をシートまたはフィルムの表面に直
角に揃える電場の存在下で、偏光されていない入射光は
セルを透過される。電場の不在下では、異常屈折率が張
力の方向に平行であり、その結果平面偏光入射光の1成
分は透過され、他の成分は散乱される。張力をかけた材
料のスイッチ時間は、張力をかけない材料の10〜10
0ミリセカンドに比べ約1ミリセカンドである。かよう
なセルは第2の偏光子と組合わされた時、光スイッチと
して働く。
【0038】電気的応答性偏光材料の他の実施態様は、
ガラススライドの間にサンドイッチした硬化した可撓性
の熱硬化性ポリウレタンフィルム内の液晶微小滴によっ
て作られ得る。ガラススライドを互いに反対方向に平行
に動かす(剪断)とフィルムは緊張される。緊張したフ
ィルムは張力の軸線に沿って偏光された光を散乱させ、
張力軸線に垂直に偏光された光には透明である。電場を
適用するとフィルムは非偏光性透過状態に切り替えられ
る。張力をかけないフィルムは、電場の適用によって非
偏光性散乱状態から非偏光性透過状態に切り替えられ得
る。
【0039】本発明の重要な特徴は、溶解した液晶をも
っているマトリックス生成組成物を、微小滴の形の液晶
を整列させる十分な強さの磁場または電場の適用下で、
相分離させる新規な技術である。微小滴の中の液晶は相
分離の間に整列される。このプロセスが完了すると、整
列は永久的となり、適用された場を除去しても持続す
る。この場整列現象は、スイッチ可能な偏光子の製造を
可能にする。適用される電圧の不在下で光を偏光させる
スイッチ可能偏光子は、正の異方性をもつ液晶を誘電性
ならびに反磁性受容性に選ぶことにより作られる。マト
リックス生成組成物に溶解した液晶のフィルムは、フィ
ルムの平面内に配向された磁場の存在下で相分離され
る。マトリックスが硬くなると、液晶微小滴の光軸はフ
ィルム平面内に整列させられる。この材料、例えばフィ
ルムは光を偏光させる。硬化したフィルムを透明な電極
の間に置き、十分な強さの電圧をかけると、偏光効果は
消去される。
【0040】電場の存在下で光を偏光させるスイッチ可
能偏光子は、正の誘電性異方性をもつ液晶を選び、フィ
ルム上の導電表面に電圧をかけて造られたAC電場内で
相分離させることにより作られる。このフィルムが硬化
すると、液晶滴の光軸はフィルム表面に直角方向に整列
される。このフィルムは透明で非偏光性である。フィル
ム平面内で電場または磁場をかけると、フィルムを偏光
状態にスイッチさせることになる。
【0041】光学的にスイッチ可能な偏光子は、溶解し
たネマチック液晶とマトリックス生成組成物のフィルム
を、液晶微小滴の光軸をフィルム表面に直角に整列を起
こさせるに十分強い電場または磁場の適用下で相分離さ
せることにより製造され得る。生成物フィルムは透明で
あり、非偏光性である。高強度電磁照射は小滴の光軸を
再配向し得るから、フィルムは不透明になり、光散乱性
になる。
【0042】改良された光散乱性をもつディスプレー材
料は、正の誘電性異方性をもつ微小滴を含むフィルム
で、フィルムに加えた圧縮ひずみにより変形させたフィ
ルムにより製造され得る。この変形が液晶の異常屈折率
をフィルム表面に平行に、しかしフィルム平面内ではラ
ンダムに整列させる。適用した場の不在下では、フィル
ムは光を散乱させ、不透明に見える。これに電圧、例え
ば液晶光軸を表面に直角方向に切り替えるに十分な強さ
のAC電圧をかけることにより透明状態にスイッチさせ
ることができる。この材料から形成されたディスプレー
は、かようなフィルム内で散乱状態での屈折率不一致は
最大になっているという意味で、球形微小滴で作ったデ
ィスプレーに対し改良されたコントラストをもつと期待
されよう。圧縮ひずみは、セルの中の固い電極間に熱硬
化性溶液を入れ、セルの壁と相分離を行なう物質との間
の対照的な熱膨張性が圧縮ひずみを誘起するように硬化
温度を適当に調整することにより、便宜生成し得る。
【0043】電気的応答性の用途では、本材料のスイッ
チ時間は、微小滴の寸法と、ns すなわち残留液晶が等
方性相にまだ可溶性である樹脂マトリックスと、no
なわち液晶の正常屈折率との相対値とによって影響を受
ける。例えば微小滴の寸法が大きく、ns の値がno
り大きければ、一般に長いスイッチ時間を生む。通常、
液晶の屈折率は、それらの他の性質を著しく変更し、デ
ィスプレー目的には不向きとするのでなければ変更でき
ない。本発明は、液晶が閉じ込められているマトリック
スの屈折率の調整を可能ならしめるものである。屈折率
s は、液晶の正常屈折率no と一致し、または特定さ
れた方法で不一致となるように調整することができる。
この調整は、本材料を特定用途に最適化するように、材
料の透明度およびスイッチ時間を規制するものである。
【0044】例として、ディスプレースクリーン上の像
が人間の眼では検出できない速さで次々変えられるよう
なフラットパネル型ディスプレー、例えばテレビでは、
大体1ミリセカンドのオーダーのスイッチ時間を要求さ
れる。かようなディスプレーは、また、表示された像に
高度の輝度またはコントラストを達成するために、オン
(透明)状態で高い透明度を要求する。本発明の光散乱
材料を利用するフラットパネル型ディスプレーは、マト
リックスの屈折率の値を液晶の正常屈折率に対して調整
可能であるから、これらの望ましい特長を現わすことが
できる。
【0045】その他の用途、例えば映像を速いスイッチ
速度で変える必要のない、英数字式時間−温度ディスプ
レーでは、正面からというよりディスプレーの横から映
像が読めるように広い視角を要求されることがある。広
い視角は、マトリックスの屈折率の相対値を、整列した
液晶微小滴により表わされる有効屈折率、すなわち正常
屈折率と異常屈折率との間の屈折率と一致するように変
更した本発明の光散乱性材料によって表わされる。
【0046】新規な液状結晶性熱可塑性材料が変更され
た電気的性質を発揮し得るとの知見は、速いスイッチ時
間および高透明度を静電映像メモリに結合した液晶装置
の製造を可能にする。かような装置は、複雑でなく高価
でない製造手続をもたらすことによりフラットパネル型
ディスプレーの製造を単純化し、かつ映像を無限に維持
するためにメモリを定期的に更新することのできる新し
いタイプの光学プロセッサをもたらすものである。
【0047】好適なタイプの液晶は、電気または磁気エ
ネルギーの場を適用すると、その好適な方向に整列する
ことになる。液晶微小滴の光軸の配向は、すべての微小
滴の長軸がシートまたはフィルム内で同じ方向を指す時
に実現される。これは、個々の液晶分子が大体において
同じ方向を指す(方向づけオーダー)時に実現される。
ネマチック型液晶の微小滴のシートまたはフィルムで配
向されていない状態では、所与の微小滴内の個々の分子
は大体同じ方向を指すが、指向する方向は小滴ごとに変
っている。スメクチック型液晶滴の個々の分子は配向さ
れていない状態で同じ方向を指し示さないが、フォーカ
ルコニック領域の中へ集められる。各微小滴は全体的フ
ォーカルコニック構造を呈する。しかし、配向されたス
メクチック相の液晶は、それらが大体同じ方向を指すだ
けでなく、層として位置づけられた配向をされるという
意味で、配向オーダーに加えて部分的な位置オーダーを
も有する。スメクチックA相にある配向された液晶分子
は、与えられた層の中で互いに大体平行であり、かつ層
に対し垂直である。スメクチックC相の液晶分子は層の
厚さより長いから、分子は層に対する特徴的な角度で傾
斜しているといってもよいであろう。配向されたスメク
チックC型液晶は、層の中の分子が互いの関係で、かつ
層から層へ大体同じ角度で傾いている。
【0048】正の誘電性異方性をもつネマチック液晶の
微小滴に電場を適用すると、分子を場に平行に再配向さ
せることになるが、位置オーダーには影響しない。場を
除去すると、分子はもとのランダムな配向に戻る結果に
なる。配向されていない、またはフォーカルコニック状
態にあるスメクチックA液晶滴に電場を適用すると、液
晶分子を場に平行に、そして層を場に垂直にする配向を
起こさせる。この配向は場を除いても持続する。層をな
しているスメクチック液晶は場の適用なしにメモリが可
能であるから、フォーカルコニック配向への復帰は熱エ
ネルギーの適用によって実現される。熱可塑性映像メモ
リは、本発明の熱可塑性材料、例えばフィルムの表面
へ、またはその選ばれた領域へのエネルギーの適用によ
って実現される。この領域は、英数字等々のような所望
の形でもよく、或いは全表面でもよい。
【0049】正の誘電性異方性をもつネマチック型液晶
の微小滴を有するフィルムの場合、熱可塑性映像メモリ
は、熱可塑性マトリックスの軟化点以上の液状結晶性−
異方性相転移温度をもつネマチック型液晶を選び、マト
リックスを軟化し、軟化したマトリックス中で液晶微小
滴を配向させる場を適用し、ついで場の存在下でマトリ
ックスを再硬化させてその中の微小滴を場の除去後も配
向されたままであるようにすることによって実現され
る。フィルム表面に直角に適用された場は、選ばれた領
域内で液晶微小滴の光軸を場の方向、すなわち表面に直
角方向に整列させる。整列されたネマチック型液晶は軟
化したマトリックスと相互作用して、引き続き場が存在
する中で再硬化の結果が、選ばれた領域内の液晶微小滴
の光軸に、場を除去しても、フィルム表面に直角な方向
での平行整列を保持させるようにする。
【0050】スメクチック型液晶の微小滴を有するフィ
ルムの場合、熱可塑性映像メモリは、単に、選ばれた領
域内のランダムに並んだフォーカルコニック構造小滴を
配向する場を適用し、次いで場を除去するだけで実現さ
れ得る。小滴は場を除いても配向を保持する。フィルム
表面に直角に適用した場は小滴を同じ方向、すなわち表
面に直角に整列させる。
【0051】液晶が表面に直角に整列されている材料の
特定領域に直角に入射した光は、液晶の正常屈折率no
と樹脂の屈折率ns との有効な差を検出しないであろ
う。これらの領域は透明に見え、永久に透明のままであ
ろう。逆に、非選定領域、すなわち液晶の小滴がランダ
ムに並んでいる領域に入射した光は、液晶の異常屈折率
e と樹脂の屈折率ns との間の大きな差を経験するこ
とになる。この非選定領域は不透明に見え、永久に不透
明のままであろう。選定領域が一例として英数字である
場合、文字は透明に現われ、文字を取り巻く領域は不透
明となる。ネマチック型液晶の軟化フィルムの全表面を
整列化電場または磁場にさらし、場の存在下で再硬化さ
せた場合は、フィルム全体が透明のままである。同様
に、スメクチック型液晶フィルムの全表面を整列化させ
る場にさらすとフィルム全体を透明にさせる。透明なス
メクチック型フィルムは、所望の文字の形の選定領域に
熱エネルギーを適用することによって透明な背景上に不
透明な文字を現わすようにさらに処理することができ
る。熱の適用は、選定領域のスメクチック型液晶を、ラ
ンダムなフォーカルコニック散乱状態に復帰させる。
【0052】熱可塑性映像は、フィルムを温めることに
より消去され、フィルム全体が散乱性不透明状態に復帰
される。ネマチック型フィルムについては、加温は樹脂
の軟化点以上の温度であるべきである。軟化点以上にフ
ィルムを加温すると構造的変化を逆転させ、液晶微小滴
をランダムな配列に復帰させる。再硬化の結果、その材
料は光を散乱させることになり、不透明に見える。
【0053】ネマチック型液晶の微小滴は、マトリック
スが柔軟である間に、伸長または剪断などのような機械
的応力を適用し、フィルムが再硬化される間応力を維持
することにより細長くすることができる。フィルムが再
硬化されたら応力を除去してもよく、すると小滴は機械
的応力が例えば小滴をシート表面に平行に整列させた場
合、このシートは入射光を偏光させる。
【0054】透明フィルムを不透明に切り替えるため電
磁ビームを使用することができる。フィルムマトリック
スに入射した電磁ビームはそれを軟化させるから、フィ
ルム内の液晶はランダムな散乱性状態に戻る。電磁照射
を吸収する染料をフィルムに入れてもよい。例えば、赤
外照射領域で吸収を行なう染料を混入することができ
る。かような染料を入れてあるフィルムは、入射電磁照
射の赤外成分の吸収により温められ、その間入射電磁照
射の電気的成分は小滴光軸をフィルムの平面内で整列さ
せるであろう。するとフィルムは散乱を行なうようにな
り、照射源を除いても散乱性状態にとどまるであろう。
【0055】微小滴の成長を制御する本発明の技術を利
用する表示装置の製造は、コントラストおよび応答時間
などのようなディスプレー特性を最適化させた液晶表示
装置を生み出す。真に硬質の熱硬化マトリックスの場合
は、基本的に1回だ微小滴径を制御する時がある。熱で
再加工できる熱可塑性マトリックスの場合は、微小滴を
再溶解して相分離を再び行なわせるためか、またはその
全部を再溶解することなく単に微小滴を大きくするた
め、最初の相分離で得られた当初の微小滴平均径はしば
しばかような再加工によって望ましく変えられる。
【0056】一般に、小さい微小滴は電場を適用した時
より速いスイッチ時間を生じるが、大きい微小滴よりも
大きいしきいスイッチ電圧を要する。特定の動作理論に
拘束されるものではないが、この現象は微小滴の表面相
互作用と外的な場との間の競合に起因するもののようで
ある。微小滴が小さいほど、表面積対体積比は大きくな
り、従って表面の影響は大きくなる。より大きい微小滴
のディスプレーは、克服すべき表面力が小さいから、し
きい電圧は低くなる。
【0057】本発明の技術は、表示装置の最終用途に応
じてスイッチ時間の選択を可能にする。速いスイッチ時
間が必要とされる場合、例えば人間の眼が検出できるよ
りも速く映像を更新するフラットパネル型ディスプレー
などの場合は、本発明の技術が小さい微小滴の製造を可
能にする。種々の英数字式時間−温度ディスプレーにお
けるように速いスイッチ時間が必要でない場合は、本発
明の技術により、大きい微小滴の形成が可能である。
【0058】一般に、光散乱効率は、微小滴径が散乱さ
れる光の波長に近づくと増大する。増大した散乱効率は
オンとオフの電気的状態間のコントラストを増大させ
る。より大きいコントラストが必要とされる場合、例え
ば比較的狭い波長スペクトル源を用いる投射型ディスプ
レーなどの場合は、本発明の技術により光源波長に大体
等しい微小滴の製造が可能になる。
【0059】本発明はまた、赤外または紫外照射の波長
に大体等しい径をもつ微小滴の形成を可能にすることに
より、赤外または紫外領域のような、可視光以外の電磁
スペクトルの領域用の光シャッターの製造を可能にす
る。本発明の方法に従って作られるディスプレーの製造
は従来の方法によるより遥かに容易である。熱可塑性材
料の小片を軟化点温度以上に温め、ついでこれを所定の
厚さに離した導電性ガラスまたはプラスチックのプレー
ト間にサンドイッチすることにより、ディスプレーが作
られ得る。他の形または厚さのディスプレーを望むな
ら、前のディスプレーを分解して液晶−熱可塑性樹脂を
軟らかくなるまで加熱し、所望の形と厚さに形成し、つ
いで冷却して所望特性のディスプレーを形成すればよ
い。この材料はまた、薄い加熱された樹脂シートを熱い
液晶浴に浸漬するなどによる、熱い熱可塑性樹脂と熱い
液晶とを単に接触させて均質溶液を形成するホットメル
ト型処理にもなじむものである。ついでディスプレーは
単に軟化点以上に再加熱することにより再加工され得
る。再加工と再使用をなし得る能力は無駄を少なくし、
製造工程の効率を増加させる。
【0060】図面を参照すれば、図1は、固体の光透過
マトリックス10から成る本発明の好適なディスプレー
材料を示す。このマトリックス10は、液晶の微小滴1
1を含む。図1で示すように、液晶成分は、透明な等方
性相となる温度にある。液晶は、その等方性相での光屈
折率ni が透明な樹脂の屈折率ns と同様の値を有し、
その物質に対する入射光IO がIT のように散乱されず
に容易にその物質を通過するように選択される。図1で
示す条件の物質は、透明な状態にあるとされる。
【0061】図2は、液晶成分11′が液状結晶相であ
ることを除いて同一の材料を示す。液状結晶相は、ネマ
チック、コレステリック若しくはスメクチックの相又は
その混在であってよい。液状結晶相であるとき、光屈折
率、すなわち、異常な屈折率ne は、等方性相の屈折率
及びマトリックス10の屈折率と異なっており、入射光
O はIS のように液晶によって散乱させられるであろ
う。樹脂マトリックスの屈折率ns と液晶の屈折率ne
との間の不整合及び液晶微小滴の光散乱特性によって、
材料は光を散乱させる。図2で示す不透明状態の材料
は、白い不透明構造として見える。液晶を含むマトリッ
クスは、温度が低下して液晶を等方性から液状結晶相へ
変化させるとき、透明状態から白い不透明状態に切り換
わる。
【0062】異なる温度に応答する熱応答材料は、異な
る等方性−液状結晶相転移温度を有する液晶を用いて容
易に調製される。現在存在するネマチック液晶を用い
て、−30°から250℃内のあらゆる温度で等方性−
ネマチック相転移を有する液晶を得ることが可能であ
る。図3は、不透明と透明状態との間で可逆的に切り換
わることが可能な電気的応答装置15を示す。清澄なマ
トリックス16が、そのマトリックスの屈折率に類似の
正常な屈折率no を有する液晶の微小滴17を含み、そ
の一方又は双方が透明である導電体の間にサンドイッチ
される。電圧源19が、オフ及びオンの位置21,22
をそれぞれ有するスイッチ20によって導電体18に接
続される。図3で示すように、電界がスイッチ20を閉
じることによって液晶−ポリマーマトリックス材料に亘
って印加されるとき、その材料は光透過又は透明状態で
見える。電界を印加することは、フィルムの表面に垂直
の方向に液晶の異常な屈折率ne を整合させる作用を持
ち、それによってIO での入射光がIT で出射するべく
散乱されずにディスプレー装置15を通過するのを可能
にする。電圧源19がスイッチ20をそのオフ位置21
で配置することにより切られるとき、液晶と樹脂との間
の小滴壁での表面干渉は、小滴を図2で示すようなラン
ダム配向に戻し、このため装置の液晶−ポリマーマトリ
ックス材料は白色不透明構造として見える。
【0063】図4は、本発明のディスプレー材料が矢印
30によって示すように、機械的ひずみを創出すること
によって伸長されるとき得られる光学的応答を示す。そ
のマトリックスを符号32によって示し、伸長方向で細
長い液晶の微小滴を符号34によって示す。その液晶
は、液状結晶相でネマチック、スメクチック若しくはコ
レステリック又はその混在であってもよい。好適には、
液晶の正常な屈折率noは、マトリックスの屈折率ns
に類似している。
【0064】マトリックスの伸長は、液晶微小滴のひず
みをもたらす。球形小滴は、伸長方向に平行な長円の長
軸を有する長円形状をとる。この微小滴のひずみは、微
小滴内の液晶がそれ自体長円の長軸と整合する結果をも
たらす。その結果は、伸長する場合、すべての液晶微小
滴が伸長方向と整合した光軸を有し、故に異常な屈折率
e を有するということになる。IO のような非偏光入
射光が、伸長方向に平行で微小滴の光軸に平行な成分を
有するであろう。これらの成分は、液晶微小滴の屈折率
e と取り囲むマトリックスの屈折率ns との間に大き
な差を生じ、散乱されるであろう。伸長方向に直角方向
での入射光の成分は、マトリックスに類似の微小滴内の
屈折率に遭遇し、影響を受けずにフィルムを通過するで
あろう。従って、フィルムは、光偏光子として作用す
る。偏光作用に加えて、図3で示すように電気応答セル
で実施化される液状結晶−ポリマーマトリックス材料に
機械的応力を加えることは場のオンとオフの状態の間の
スイッチ時間を縮めることがわかっている。
【0065】図5(a)は、本発明の材料が矢印52に
よって示すような磁界又は電界の存在下で相分離又は硬
化されるとき得られる散乱偏光子50を示す。固体の透
明マトリックスを符号54によって示し、フィルム平面
での一方向で整合した異常な屈折率ne を有する液晶の
微小滴を符号56によって示す。その液晶は、誘電性及
び反磁性の磁化率で正の等方性を有する。処理中の液晶
微小滴を配向させるのに十分な強度の交流電界又は磁界
の存在下で相分離又は硬化するとき、微小滴はその電界
に対してその配向を保つであろう。フィルムは、図4と
関連して前述した伸長したフィルムの光偏光子に類似の
光偏光子として役立つであろう。
【0066】IO のような非偏光入射光の成分は、異常
な屈折率の整合方向に平行であり、マトリックスの屈折
率ns と液晶微小滴の整合した光軸ne との間の不整合
のため、IS のように散乱するであろう。整合方向に直
角に偏光された入射光は、微小滴56の正常な屈折率n
o とマトリックスの屈折率ns との間の差に遭遇せず、
T のように偏光されて透過されるであろう。図5
(a)の散乱偏光子50は、図4の伸長したフィルムと
同様に、図5(b)で示す方法で非偏光光透過状態にス
イッチされうる。但し、56′のような微小滴を含むマ
トリックス54は、その両方が好適には透明である導電
体58の間にサンドイッチされる。電圧源60が、導電
体58に接続している。電界の印加は、フィルムの表面
に垂直な異常な屈折率を整合する作用を有し、それによ
って入射光が非偏光されて通過するのを可能にする。電
圧源60がスイッチ62をそのオフ位置で配置すること
によって切られるとき、微小滴は図4及び図5(a)で
示す平衡配向に解かれ、ディスプレー材料は再び入射光
を偏光する。
【0067】図6(a)は、本発明の材料が矢印72に
よって示すような交流電界又は磁界の存在下で相分離又
は硬化されるとき得られるフィルム70を示す。固体の
マトリックスを、符号74によって示す。フィルムの表
面に垂直に整列した異常な屈折率ne を有する液晶の微
小滴を、符号76によって示す。液晶は、正の誘電性又
は反磁性異方性を有する。IO のような入射光は、微小
滴の異常な屈折率neとマトリックスの屈折率ns との
間の差と遭遇せず、IT のように散乱せずに透過する。
フィルムは、透明に見える。図6(b)は、矢印80に
よって示すようにフィルムの平面で印加された場を受け
るときの図6(a)のフィルムを示す。その場は、例え
ば高い強度の光源によって創出される磁界、電界又は電
磁界でありうる。その場の印加は、フィルム平面で異常
な屈折率ne を整合する作用を有する。異常な屈折率の
整合方向に平行な方向での非偏光入射光の成分は、微小
滴の異常な屈折率とマトリックスの屈折率との間で不整
合に遭遇し、散乱するであろう。異常な屈折率の整合方
向に直角な方向での非偏光入射光の成分は、かような不
整合に遭遇せず、IT のような偏光された光として装置
を通過するであろう。
【0068】図7(a)は、正の誘電異方性を示すネマ
チック液晶を有する本発明の可撓性熱硬化性材料が圧搾
によってひずませられるとき得られるフィルム90を示
す。その圧搾は、マトリックス92の熱膨張率と閉じ込
めるセル壁94の熱膨張率との間に不整合がある温度で
相分離され或いは硬化されるとき生じるものである。フ
ィルム表面に平行であるフィルム平面でランダムに整合
する異常な屈折率を有する液晶のマトリックス状微小滴
を、符号96によって示す。入射光はマトリックス92
と微小滴96の異常な屈折率の間の不整合によって散乱
し、装置は不透明に見えるであろう。図7(a)のディ
スク状微小滴は、ne が微小滴96の全てについてフィ
ルム平面内にあるので、図2の球形微小滴に比較したと
き強い散乱効果を有するであろう。図7(b)は、導電
性電極94′の間にサンドイッチされた微小滴96′を
含む樹脂92を示す。電極94′に亘って電圧を印加す
ることにより、異常な屈折率をフィルム表面に垂直方向
で整合させる。装置に対する入射光は、微小滴96′と
マトリックス92の屈折率の間の差を検出せず、散乱せ
ずに透過して透明な装置をもたらすであろう。かような
フィルムは、球形の微小滴を有するフィルムに亘って改
良されたディスプレーコントラストを示す。
【0069】液状結晶性−ポリマーマトリックス材料
は、通常可撓性の固体であり、フィルム又は大きな物品
に切断、鋳造又は再加工されうる。熱応答性材料は、高
い解像度、高い視覚コントラストの温度計又は温度指示
器で適用範囲を有する。これは、例えば、医学的又は他
の技術、冷凍食品の包装、冷凍、路面上の氷探知、及び
乳ガン、胎盤の位置の検出のための医療温度記録図で用
いることができる。この材料はまた、熱処理した高いコ
ントラストの、広い視角のフラットパネル型ディスプレ
ーで用いることもできる。かようなディスプレーは、抵
抗性又はジュール−トムソン効果装置によって電気的に
処理されて材料の温度を局部的に変化させることができ
る。その材料はまた、強い強度の光ビームによって処理
されて材料表面を局部的に加熱することもできる。
【0070】図3,5(b)及び7(b)で示すような
電気応答性及び偏光装置は、透明な導電性コーティング
を含む2枚のプレートの間で挟まれて、樹脂を硬化させ
ることにより或いは材料表面上に透明な導電性コーティ
ングを沈着させ又は塗布することによって構成されう
る。不透明状態と透明状態の間の視覚コントラストは、
例えば暗い又は明るい適切な背景によって強めることが
できる。
【0071】不透明状態で着色され或いは黒の電気光学
ディスプレーは、二色性染料を液晶に加えることによっ
て構成されうる。例えば、電圧が印加されないとき黒で
あるが電圧が印加されるとき白の図3又は7(b)のよ
うな電気光学ディスプレーは、黒い多色性染料を含むネ
マチック液晶を使用することによって構成されうる。透
明な樹脂で硬化され、白い背景上に配置されるときのか
ような液晶は、黒色ディスプレー上で白色となりうる。
【0072】図4で示す散乱偏光子フィルムが、ひずみ
モニタとして用いられうる。フィルム上に配置されたひ
ずみの方向は、フィルムが偏光する方向を制御する。加
えられたひずみの大きさ又は方向での変化が、偏光の方
向又は程度での変化をもたらす。偏光の変化は、偏光レ
ンズを通してフィルムを見ることによって監視されう
る。
【0073】電気的に処理可能な散乱偏光子は、それぞ
れ図4及び5(b)で示すように場の存在下で伸長し或
いは硬化させることによって製造されうる。これらのフ
ィルムの1つの上の透明な導電体に印加される十分な大
きさの電圧が、フィルムの表面に垂直に微小滴の光軸を
整合させ、偏光効果をオフにスイッチしてフィルムを透
明に見せる。かような材料は、ディスプレー窓又は偏光
効果をオフ及びオンにスイッチすることが所望される他
の装置で役立つ。光学的にスイッチ可能な材料は、印加
した場の存在下で硬化させ或いは異常な屈折率ne がフ
ィルムの表面に垂直に整合されるようにひずませること
によって調製されたフィルムを用いて製造することがで
きる。かようなフィルムは、透明であり、正常な光度で
光を透過させる。十分に高い光度の入射光は液晶を再配
向し、このため微小滴の光軸はフィルム平面での一方向
にスイッチされる。このフィルムは、光を散乱し、不透
明に見える。フィルムは、非線形光学装置として動作し
て、高い強度の電磁源への保護コーティングとして或い
は光コンピュータ装置として用いられる。非線形光学応
答がまた、高い光度の入射光が樹脂の屈折率に対して液
晶の屈折率の値を変化させる場合に可能である。
【0074】熱可塑性樹脂を用いて製造されるときの本
発明の材料は、メモリ特徴の利点を示す。図8は、英数
字式ディスプレーの場合のように、不透明及び透明領域
のコントラストを示す熱可塑性材料の調製を示す。図3
で示すシートは、樹脂130の軟化点より上で液晶の液
状結晶相から等方性相への転移温度以下の温度まで加熱
され、所望のパターンでレイアウトした電極140,1
42の間の整合する電界にさらされる。シートはまた、
液状結晶から等方性相への転移温度以上に加熱されて、
次に等方性から液状結晶相への転移以下であるが整合段
階のためのマトリックスの軟化点以上の温度まで冷却さ
れうる。軟化マトリックス130の微小滴134の光軸
は、電界方向、すなわちシート表面に垂直の方向で整合
する。電界にさらされない微小滴138の光軸は、整合
しない。電界が維持される間に軟化点以下の温度まで引
き続き冷却することにより、図9で示す材料を生じる。
【0075】図9は、マトリックス150が再硬化さ
れ、電界が除かれた後の図8の材料を示す。材料につい
ての入射光は、入射光によって検出されるような液晶の
屈折率とマトリックスの屈折率との整合又は不整合によ
って透過され或いは散乱される。微小滴154の整合し
た光軸を有するマトリックス150に対する入射光IO
は、屈折率ns ,no の不整合を受けず、透過されて微
小滴を含む領域を透明に見せる。ランダムに配向した微
小滴152を有するマトリックス150に対する入射光
O ′は、屈折率ns と全体に亘ってランダムに配向し
た異常な屈折率ne との間で大きな差を受け、IS ′の
ように散乱されて領域を不透明に見せる。
【0076】図8〜9の材料は、多数の用途がある。例
えば、その材料は、材料の周囲の温度がある選定値以上
に上昇したならは視覚警報を送る温度モニタとして作動
する。その警報は、周囲の温度が選定値以下に戻ったと
しても目に見える。マトリックスが、例えば0℃の軟化
温度を有して用いられてもよい。樹脂フィルムは、食品
の包装のような凍結品に貼り付けうる。そのフィルム
は、「OK」のような適切な映像を有して調製できる。
「OK」の映像は、フィルムが0℃以下で維持される
間、残るであろう。品物の温度が0℃以上に上昇するな
らば、しかしながら、その映像は消去し、品物が引続き
再凍結されたとしても再び現れることはないであろう。
【0077】本発明の材料は、消去可能なラベルとして
用いられうる。映像が、適切な電圧及び熱を加えて材料
に付けられうる。材料は、再び加熱されるまで映像を維
持するであろう。英数字式情報が、パターン化された7
個の切片の電極を用いて書込まれうる。文字が、フィル
ムが加熱され次に冷却される間、電圧を用いて適切な切
片を処理することによって書込まれる。かようなラベル
は、貯蔵棚上のラベルに値段を付けるのに役立つであろ
う。材料は、パターン化された電導表面を有するプラス
チックシートの間にサンドイッチされうる。そのプラス
チック上に加えた薄い金属層が、耐熱のため用いられて
もよい。映像が、フィルムを加熱や冷却する間、適切な
切片に電荷を与えることによってかようなラベル上に付
けられてもよい。かようなラベルのエッジ上の電気的接
触は、簡単なハンドヘルドユニット (hand-held unit)
によってラベルが処理されるのを可能にするであろう。
そのユニットは、フィルムを加熱する電流をもたらす
間、適切な切片に電荷を与えるべくプログラムされるで
あろう。これは、ディスプレーされた小売値を更新する
速くて簡単な手段を提供するであろう。
【0078】本発明の材料はまた、本発明のメモリ特徴
を持たない装置を用いて得ることができる素子よりかな
り多くの画素を有するマルチプレクスフラットパネルデ
ィスプレーを形成するべく用いられうる。本発明の材料
は、映像を維持するのに有効なマトリックスを必要とし
ない。さらに、映像内で変更されるべき画素しか処理さ
れることを必要としない。透明な画素が外部の場の存在
下で暖めたり冷却したりすることによって形成され、不
透明な素子が外部の場の不在下で暖めたり冷却したりす
ることによって形成される。
【0079】図10は、スメクチックA液晶174の微
小滴を有する。図10で示すように、その液晶は好適で
ない整合方向を有する焦点円錐状態であり、このためn
e はマトリックス内でランダムに配向される。IO のよ
うな材料に対する入射光は、ns とne との間の不整合
を検出し、IS のように散乱される。その材料は、不透
明に見える。
【0080】図11は、スメクチックA液晶微小滴18
4を含む樹脂180が図示の方向で電界Eにさらされ
て、電界が除かれた後の図10の材料を示す。その層は
電界が印加される方向に垂直に整合し、液晶モジュール
の長軸はフィルム表面に垂直である。垂直な入射光
O ′は、屈折率no とns との間の不整合を検出せ
ず、It のように材料を透過する。
【0081】本発明の重要な特徴が、非常に高い液晶対
ポリマー比を有する液晶−熱可塑性マトリックス材料の
調製をもたらす。かような液晶は、正の誘電異方性を示
すべきであり、好適にはネマチックである。その比は、
少なくとも1:1であって、好適には約1.5−2.
0:1である。高濃度の液晶は、透明領域と不透明領域
との間で高いコントラストを有するディスプレーを生
じ、容易に読めるディスプレーを作る。表IAは、以下
の例30のような本発明に従って作られた種々の材料に
ついてのポリマー対液晶の比を示す。表IBは、表IA
の材料及び比を用いて製造した電気的にスイッチ可能な
セルの特性を示す。
【0082】 表IA ポリマー 液晶 比 1.ポリ(ビニルアセテート) E7 1:<1 2.ポリ(ビニルアセテート) E7 1:1.5 3.ポリ(ビニルホルマール) E7 1:0.6 4.ポリ(ビニルホルマール) E7 1:1.8 5.ポリカーボネート E7 1:1.8 6.ポリ(ビニルブチラール) E7 1:1.5-2.0 7.ポリ(ビニルメチルケトン) E31 1:2.0 8.ポリ(メチルアクリレート) E20 1:1.5 9.ポリ(シクロヘキシルメタクリレート) E31 1:2.0 10. ポリイソプレン E20 1:2.0 11. ポリ(エチルメタクリレート)(高分子量) E20 1:2.0 12. ポリ(イソブチルメタクリレート) E20 1:2.0 表IB ポリマー セルの特性 1.ポリ(ビニルアセテート) 相分離なし 2.ポリ(ビニルアセテート) 可 3.ポリ(ビニルホルマール) 相分離なし 4.ポリ(ビニルホルマール) 優 5.ポリカーボネート 可 6.ポリ(ビニルブチラール) 優 7.ポリ(ビニルメチルケトン) 優 8.ポリ(メチルアクリレート) 優 9.ポリ(シクロヘキシルメタクリレート) 良 10. ポリイソプレン 良 11. ポリ(エチルメタクリレート)(高分子量) 良 12. ポリ(イソブチルメタクリレート) 可 表IBで示すこれらのセルの特性は、以下のように処理
される。
【0083】 可 良 優 透明度 <60% 約70〜90% >90% スイッチ時間 50〜100ミリセカンド 10〜50ミリセカンド <10ミリセカンド コントラスト 中間 中間乃至高い 高い 表IBでわかるように、約1:1より大きいポリマー対
液晶の比は、セル No.1及び No.3について顕微鏡で見
える相分離を生じなかった。
【0084】本発明の液状結晶−ポリマー材料の重要な
特性は、相分離したポリマーが液晶の微小滴のまわりで
コヒーレントクローズドセル型(coherent closed-cell
type) マトリックスを形成することである。図12は、
ポリ(メチルメタクリレート)及び液晶E7の相分離に
よって形成されハチの巣状構造を示す例23の材料の顕
微鏡写真である。クローズドセル型マトリックスは、材
料内に捕捉された液晶の量を最大にするが、液晶が外に
しみ出るのを許容しない丈夫なシート又はフィルムをも
たらす。
【0085】ポリマーの屈折率np は、相分離及び微小
滴の成長中に生じる液晶を用いて可塑化することによっ
てns の値に調節される。透明度は、(その中に溶解し
た液晶を有する)マトリックスのns 及び液晶no の相
対的値によって影響を受ける。例えば、シアノフェニル
型のネマチック液晶を用いる装置の場合、no 約1.5
1であり、従って、垂直な入射光のために最大の透明度
を達成するのに、マトリックスns はできるだけ1.5
1に近くあるべきである。溶解した液晶は、そのマトリ
ックスをかような値に向かってひずませうる傾向があ
る。
【0086】同様に、ns 及びno の相対的値は、オン
(透明)からオフ(不透明)状態への(正の誘電異方性
を示す)ネマチック液晶の微小滴を有する熱可塑性マト
リックスを有するこれらの装置の電気的スイッチ時間に
影響を及ぼす。表IIA及びIIBは、以下の例23のよう
な液晶E7及び種々のポリマーを用いて作られたセルの
p 値及び特性を示す。
【0087】 表IIA ポリマー np スイッチ時間 ポリ(ビニルホルマール) 1.501 <1.0 ミリセカンド ポリ(メチルメタクリレート) 1.49 約2.0 ミリセカンド ポリ(ビニルブチラール) 1.485 約2.0 ミリセカンド ポリカーボネート 1.585 >10ミリセカンド ポリ(ビニルアセテート) 1.467 約10〜20ミリセカンド 表IIB 重合体 透過率 視角 ポリ(ビニルホルマール) >95% 垂直 ポリ(メチルメタクリレート) 約95% 垂直 ポリ(ビニルブチラール) 約90% 垂直から30° ポリカーボネート 約55% 垂直 ポリ(ビニルアセテート) 約70% 垂直 溶け込んだ液晶の効果は、マトリックスの有効屈折率を
液晶の屈折率no に近づけるために重合体の屈折率np
を増加させ又は減少させることである。
【0088】重合体の溶け込んだ液晶の量は、相分離の
処理中の冷却速度により更に制御することができる。冷
却の急速な速度は一般的に、僅かな微小滴及び大量の溶
け込んだ液晶を有する材料を産するのであるが、緩やか
な冷却速度ではマトリックスの中に少量の溶け込んだ液
晶と大量の微小滴を産する。表IIAに表にした重合体
の、E7のようなシアノビフェニル液晶は、直鎖の純粋
重合体の屈折率np を実際の重合体マトリックスの屈折
率ns へと増加させる効果がある。np の増加の程度は
溶け込んだ液晶の濃度及びnp の初期値に依存する。
【0089】図13Aに示されているように、A方向か
ら直視するディスプレーの場合に、np が1.49〜
1.50の範囲にある重合体が望ましく、そのため、マ
トリックスの最終の屈折率ns は可能な限り1.51に
近づく。図13Bに示されているように、側方から見る
ディスプレーに対しては、no より大きいがne よりも
小さい屈折率をもつ重合体が好適で、そのため、マトリ
ックスのns は液晶の有効屈折率nx と整合する。図1
3Bに示されているように、このようなディスプレーは
方向Bからが最も容易に読むことができる。表IIBに示
してあるように、np =1.585のポリカーボネート
は垂直から約30°の角度から最も良く見えるディスプ
レーを作る。図13Bを参照すると、有効屈折率nx
次の式で近似される。
【0090】 ここで、 θは視角、αはne から有効nx への角度、Cは入射光
の偏光方向を示す。
【0091】本発明の重要な特徴は、長いメモリ時間と
するために高い抵抗及び誘電率を有する材料を提供する
ことである。その材料を組み込んだセルは、電荷が短絡
又は遅延されるまで材料の微小滴の光学軸を整列位置に
順に保持する電荷を維持する。電荷が維持されている
間、その材料は外部の場に依存しない映像メモリを表わ
す。動作原理は、セルを形成する透明伝導電極の間に配
置された材料がコンデンサの容量C及び内部抵抗Rのよ
うに動作することである。電位をかけると、コンデンサ
は充電され、それを除去すると電荷は維持され、R×C
はほぼ等しい時間の間、フィルムは透明状態に維持され
る。一般的に、R×Cはコンデンサの大きさや形状に依
存しないが、液晶−重合マトリックス材の電気特性にの
み依存する。Cは、C=εA/d(εは材料の誘電率
で、Aはフィルムの表面積で、dはその厚さであ
る。)、Rは、R=1/ρ・d/A(1/ρは材料の抵
抗、したがって放電時間を示すε×ρは材料の特性であ
り、セルの大きさや形状の関数とならない)である。表
IIIは、以下の例23のように、本発明に従って作られ
たいろいろな材料に対するメモリ時間(ερ)を要約し
たものである。
【0092】 表 III 重合体 液晶 比 メモリ時間(ερ) ポリ(メチルアクリレート) E20 1:2 <1秒 ポリ(シクロヘキシルメタクリレート)E31 1:2 >1秒 ポリイソプレン E20 1:2 >1秒 ポリ(イソブチルメタアクリレート) E20 1:2 >1秒 ポリ(ビニルブチラール) E7 1:1.5〜2.0 >1秒 ポリ(ビニルメチルケトン) E20 1:2 >1秒 他の液晶−重合体材料のサンプルはメモリが延びたもの
となっている。
【0093】液晶は容易に溶けることから、均一な溶液
を形成するために静かな混合のみが必要となる。混合中
に生ずる気泡を除去するために、マトリックスを凝固さ
せる前に遠心分離器にかけても、排気チェンバ内に設置
することもできる。微小滴の大きさ及び間隔は、相分離
の温度、硬化速度、使用されるポリマーや液晶材料のタ
イプ、これら材料の相対的な特性、及び以下で説明する
軟化方法及び速度のようないろいろな因子に依存する。
【0094】液晶及び熱可塑性マトリックス生成組成物
樹脂の平衡位相図が図14に略示されている。T1 は液
晶樹脂混合物が全ての組成物で単一相で均質の溶液を形
成するときの温度で、T2 はその混合物が凝固するとき
の温度である。領域Bは、相分離及び微小滴の形成が凝
固する前に生ずる混和性ギャップである。この混和性ギ
ャップの外の領域Aは均質溶液である。点Yは、50/
50の混合物が混和性ギャップに入ること、すなわち、
相分離を開始し、T1 で本来の微小滴を形成することを
図示する。点X1 は、約67/33の混合物がT3 で均
質溶液となるこどを図示し、点X2 は混合物がT4 で混
和性ギャップ又は微小滴の形成段階に入ることを図示
し、X3 は混合物がT2 でセットされることを図示す
る。
【0095】溶剤の気化相分離に対し、好適な熱可塑性
樹脂は、液晶が混和可能である溶剤又は溶剤の混合物に
溶解可能である。図15は、溶剤、液晶又は樹脂の三元
混合物の平衡相を示す。領域Aでの比では、混合物は均
質であり、領域Bの比では、混合物は混和性ギャップに
到達し、微小滴の形成が生ずる。溶剤の蒸発の間中、Z
1 で開始した混合物が線Z1 ,Z2 にそって進み、最終
組成物Z3 を有するフィルムを形成する。
【0096】溶剤の気化は液晶を含むフィルムを有する
目的物をコーティングするのに有用である。しかし、透
明電極プレートの間にある液晶−重合材料のシートの形
の電気的応答デバイスが望むならば、プレートの間から
溶剤を気化させることでシートを形成することは困難で
ある。この場合に、溶剤の気化は、相分離によるバルク
状態の熱可塑性材料を形成するために使用され得る。こ
のような材料は次々、プレートの間に配置され、プレー
トの間で流れるように加熱され、次にそれを凝固させる
ために冷却される。
【0097】溶剤の気化技術は、図14のT1 の濃度又
はそれ以上の温度で液晶が劣化する高い転移温度を有す
る樹脂に対して特に有用である。溶液の気化によるバル
ク状の熱可塑性材料の形成によって、液晶マトリックス
可塑性剤としてふるまい、液晶の劣化温度以下の温度に
マトリックスの軟化点を低下する。高い破壊的な溶解温
度を有する熱可塑剤に対して、均質溶液は、約5重量部
の適切な溶剤中の少なくとも1重量部の液晶に1重量部
の重合体を溶解することにより好適に準備される。ま
ず、材料が溶剤の気化により準備されると、セルの構成
又は再加工のような、材料への全ての連続的な操作が、
再溶解及び再成形を行うためあるいは液晶の微小滴の大
きさを単に変えるために、加熱や冷却により成し遂げら
れる。可逆的な効果は、マトリックスの溶液に残ってい
る液晶の一部により現れる。したがって、このような場
合、可逆的な効果は、液晶を劣化させることなく繰り返
して軟化や硬化を行える材料を出現させるのである。
【0098】1つの適切な熱可塑性樹脂は、所望の温度
領域に軟化温度をもつように作られた変更エポキシ樹脂
である。通常の熱硬化性エポキシ樹脂が、クロスリンキ
ング硬化剤の所にモノアルキルアミンのようなクロスリ
ンキングバインダ(硬化剤)で置換することにより選定
された軟化温度を有する熱可塑性樹脂に変換される。軟
化が生ずる温度は、硬化剤を選択することにより調節で
きる。短鎖(short chained) のモノアルキルアミンを使
用すると、長鎖 (Long chain) アルキルアミンで硬化さ
れたものよりも比較的高い軟化点をもつエポキシ樹脂生
成物が得られる。例えば、プロピルアミンを使用する
と、ヘキシルアミンで結合したものよりも高い軟化点を
もつエポキシ樹脂生成物が得られる。アルキルの分枝
は、軟化点を低下させる。例えば、n−ブチルアミンか
ら形成されたエポキシ樹脂は分枝t−ブチルアミンから
形成されたものよりも高い軟化点を有する。
【0099】無硬化エポキシ樹脂のモノアルキルアミン
に対する比は生成された硬化樹脂の鎖の長さを決定す
る。主鎖はエポキシ樹脂とアルキルアミンとを同等にす
る1:1の比で最も長い。その比が1:1から樹脂が多
くあるいはアルキルアミンが多くなるように変化する
と、主鎖の長さは短くなる。マトリックスの基本的特性
は、アルキルアミンのエポキシ樹脂への特性と同様にア
ルキルアミンの型を選択することにより特定のニーズに
そわすことができる。比較的硬い樹脂が、その主鎖の長
さが最も長く、アルキルアミンの鎖が最も短いものとし
て得られる。例えば、プロピルアミンで作られた1:1
の生成物は、ヘキシルアミンで作られた1:1の生成物
よりも硬く硬化した樹脂を産する。
【0100】軟化温度の範囲は、書き/消去現象が生ず
る温度を決定する。ここで使用する“書き”は、液晶−
重合マトリックス材を加熱し、パターン化した場を印加
して微小滴の光学軸を整列し、パターン化した形の映像
を書くために場の存在下で冷却することを意味する。
“消去”は、書き込まれた映像を有する材料を加熱し、
光学軸をランダム状態に戻すために場を加えないで冷却
することを意味する。より高い書き(消去温度は、主鎖
長を長く、アルキルの鎖の長さを短くすることにより達
成できる。映像の崩壊時間(記憶時間)は、より高い書
き/消去温度、すなわち、主鎖長を長くアルキルの鎖の
長さを短くする同じ状態の下で増大させられる。
【0101】アルキルアミンのほかのものが、それらが
軟化を妨げる重要なクロスリンキングを生じさせないよ
うに長く使用することができる。このような他の適切な
ものに、ジオールや二酸基のもののような2つの活性水
素のみを有するものがある。硬化樹脂材の主鎖の長さを
変えることによる軟化温度への効果は、表Iに示したい
ろいろなEPON828 (Lot #8GHJ−52(ミラ
ー・ステフェンソンカンパニー・インコーポレイテッ
ド)とヘキサアミン(HA)との比で樹脂を作ることに
より評価された。
【0102】 表I 混合物 WT EPON (g) WT HA (g) EQ EPON/EQ HA 1 1.850 0.715 1:1.374 2 2.492 0.770 1:1.100 3 2.489 0.734 1:1.050 3日間65℃で硬化させ、室温に冷却した3つの生成し
た樹脂を巨視的に観察すると、それら全ては全く等しく
硬い固体となっているように見えた。オーブンで10分
間82℃に加熱した樹脂を巨視的に観察した記録が表II
である。
【0103】 表II 混合物 相対硬度 説明 1 最も軟性 強粘液 2 中間 強粘性 3 最も剛性 ゴムのような固体 液晶を含む硬化樹脂材の主鎖の長さを変えることにより
ディスプレーの特徴にもたらす効果は、以下の例13の
ような約33%の液晶E7を含む混合物と、いろいろな
EPON/HAの比でヘキサアミン(HA)を有する約
67%のEPON828を含む混合物を比較することに
より評価された。EPONのHAに対する比、及び液晶
のパーセンテージは、同じ比の硬化した樹脂でもって表
IIIに示されている。
【0104】 表 III 混合物 EQ EPON/EQ HA % (重量比) E7 1 1:0.753 33.6 2 1:0.899 33.6 3 1:1.008 33.2 4 1:1.107 33.4 5 1:1.284 33.7 6 1:1.502 33.2 7 1:0.509 33.2 これら混合物は3日間50℃で硬化した。室温(R.
T.)及び50℃のときのEPON/HA混合物を巨視
的に観察したのが表IVAに示されている。表IVBは、3
℃、室温及び50℃の光散乱特性、並びに表 IIIのEP
ON/HA/E7混合物の3℃及び室温のときの物性を
示している。
【0105】 表IVA 混合物 R.T. 50℃ 1 硬い固体状 容易に変形 2 硬い固体状 変形が困難 3 硬い固体状 変形が非常に困難 4 硬い固体状 変形が困難 5 僅な粘性、ゴム状 柔かい、引抜き可能 6 柔軟性、ゴム状 柔かい、引抜き可能 7 粘性、ゴム状 容易に引抜き可能 表IVB 光散乱 物性 3℃ R.T. 50℃ 3℃ R.T. 1 op op cl 硬い ゴム状 2 op op cl 硬い 硬い、ゴム状 3 op op cl 硬い 柔かい 4 op op cl 硬い 硬い、ゴム状 5 op op cl 硬い、ゴム状 柔かい、ゴム状 6 op op cl 柔かい 強粘性 7 pop cl cl 柔かい 強粘性 op=不透明(opaque) cl=清澄 (clear) pop=部分的に不透明 (partially opaque) EPON828のいろいろな液晶の光散乱特性、映像記
憶時間及び書き/消去温度におけるいろいろなアミンの
効果は、均等比1:1の67%のEPON/Amine でも
って33%の液晶(重量比)を準備することにより評価
された。いろいろな混合物は4時間65℃でバルク状に
硬化し、室温に冷却可能であった。表VA及びVBは、
室温での光散乱特性を要約してある。直鎖のプロピルア
ミンからヘキシルアミン(1,2及び4)により作られ
た樹脂は室温で変形することは困難であるが、ヘプチル
アミン(5)樹脂はより容易に変形可能で、オクチルア
ミン(6)樹脂は粘性があった。
【0106】 表VA アミン 液晶 E−7 E−31 E−44 K−12 K−18 1 プロピルアミン S/PS C S/PS C X 2 n−ブチルアミン S/PS X S/PS C S 3 イソ−ブチルアミン S/PS C S/PS C S/PS 4 ヘキシルアミン S/PS C S C X 5 ヘプチルアミン S X S C C 6 オクチルアミン C C C C C C=清澄 (clear) S=散乱(scattering) X=半清澄 (semi-clear) S/PS=相分離の散乱
(scattering with phose separation) 表VAの液晶は以下の通りである:E−7(例1)は、
−10℃のネマチック液晶相転移温度まで結晶で、6
0.5℃のイソトロピック相転移温度まで液晶である。
【0107】E−31は、EMケミカルズ社から入手可
能なノン−シアノビフェニルエステルとシアノビフェニ
ルの混合物(特許品)で、−9℃のネマチック結晶相転
移温度まで結晶で、61.5℃のイソトロピック相転移
温度まで液晶である。E−44は、EMケミカルズ社か
ら入手可能なノン−シアノビフェニルエステル、シアノ
ビフェニル、及びシアノテルフェニルの混合物(特許
品)で、−60℃のネマチック結晶相転移温度まで結晶
で、100℃のイソトロピック相転移温度まで液晶であ
る。
【0108】K−12は、4−シアノ−4′−ブチルビ
フェニルで、48℃のネマチック液晶相転移温度まで結
晶である。K−18は、14.5℃のネマチック液晶相
転移温度まで結晶で、29℃のイソトロピック相転移温
度まで液晶である。 表VB アミン 液晶 K−21 K−24 M−15 M−18 M−24 1 プロピルアミン S/PS S/PS C S S 2 n−ブチルアミン S S/PS C S S 3 イソ−ブチルアミン S/PS S/PS C C S 4 ヘキシルアミン S S C S S 5 ヘプチルアミン X/PS S S S S 6 オクチルアミン C C C C S C=清澄 (clear) S=散乱(scattering) X=半清澄 (semi-clear) S/PS=相分離の散乱
(scattering with phose separation) 表VBの液晶は以下の通りである。
【0109】K−21は、4−シアノ−4′−ヘプチル
ビフェニルで、30℃のネマチック液晶相転移温度まで
結晶で、42.8℃のイソトロピック相転移温度まで液
晶である。K−24は、4−シアノ−4′−オクチルビ
フェニルで、21.5℃のスメクチックAの液晶相転移
温度まで結晶で、33.5℃のネマチック液晶相転移温
度までスメクチックCで、68℃のイソトロピック相転
移温度まで結晶である。
【0110】M−15は、4−シアノ−4′−ベンゾキ
シビフェニルで、48℃のネマチック液晶相転移温度ま
で結晶で、68℃のイソトロピック相転移温度まで液晶
である。M−18は、4−シアノ−4′−ヘキソキシビ
フェニルで、57℃のネマチック液晶相転移温度まで結
晶で、75.5℃のイソトロピック相転移温度まで液晶
である。
【0111】M−24は、4−シアノ−4′−オクトキ
シビフェニルで、54.5℃のスメクチックAの液晶相
転移温度まで結晶で、67.0℃のネマチック液晶相転
移温度までスメクチックAで、80.0℃のイソトロピ
ック相転移温度までネマチックである。映像記憶時間及
び書き/消去温度の定性的評価のためのアリコットは、
パターン化した電極スライドの間に混合物1−2及び4
−6(以下の例17)を設けることで準備された。記憶
時間(映像の崩壊)及び書き/消去温度は、アルキルア
ミンの長さの増加とともに減少し、樹脂の硬度の減少と
ともに減少した。
【0112】本発明の光散乱材料は図16に示された連
続操作で準備される。図16から分るように、開始材料
を選択すること、及び混合物が相分離の中に入った後マ
トリックスの凝固前に混合物を操作することにより、微
小滴の成長速度を制御することができることを発見し
た。開始材料、すなわち液晶及び樹脂(ポリマー)は、
ポリマーの中への液晶の溶解度に影響を与え、均質溶液
の組成物並びに相分離が生ずる点及びそれが進む速度を
決定する。開始材料の相対的な濃度もまた、相分離速度
に影響を与える。硬度(cure) 温度の変化は溶解度、重
合速度及び液晶がポリマーから微小滴の中への拡散する
速度を変化させる。液晶の熱可塑性溶液の冷却速度は、
微小滴の速度に影響を与える。
【0113】熱可塑性樹脂のような熱可塑性剤は可逆的
に、いろいろな温度で溶け、いろいろに制御される速度
で固体状態へと冷える。液晶や熱可塑性剤の均質溶液を
冷却することにより、液晶やポリマーが不混和となる温
度となる時に、相分離が生ずる。この温度は、ポリマー
の平均分子量や液晶の濃度に関連する。図17に最も良
く示されているように、温度の緩やかな減少は、分子が
それぞれの沈殿の場所に拡散するための時間を与え、よ
り大きな微小滴を形成する。図17のデータは、例31
及び32から得られた。冷却時間が速いと、微小滴が成
長時間をもたないように、熱平衡状態に達する前にマト
リックスを凝固し、多量の液晶分子を固体のマトリック
スの中にトラップする。熱可塑性剤の冷却速度は、熱硬
化性ポリマーの硬化又は重合の温度と同様の役割を果た
す。
【0114】いろいろな速度で硬化する、熱硬化性ポリ
マーはマグニチュード2のオーダ以上だけ異なる微小滴
を産することができる。表VIは2つのエポキシ樹脂にお
けるこの効果を要約する。 表VI エポキシ樹脂 40℃の硬化時間 液晶 平均直径 EPON828 24時間 35% E7 〜1.2 Bostik 1時間 35% E7 〜0.6 表VIから分るように、同じ濃度及び温度で、EPON8
28はBostikの2倍の大きさの微小滴を産する。以下で
詳説するが、液晶の相対的な濃度は、チャネル形成が開
始したとき、最大で約40%から50%に達するまでこ
れらシステムにおいて大きさに寄与しない。
【0115】本発明の最適例は、以下の特定の例をもっ
て更に図示され、説明される。相分離は光変調材料の各
準備において実現された。例1(参考) 高コントラスト温度感知部材が、エンハルト・ケミカル
・グループのボスティック部局で Bostik 7575の商
品名で販売されている2成分のエポキシ物質と、液晶を
使用して作成された。エポキシ樹脂のA部分は、ビスフ
ェノールAとエピクロロヒドリンの等モル混合物であっ
た。B部分は、脂肪ポリアミン硬化剤であった。液晶
は、(イー・エム・インダストリーズのE−8として入
手できる)以下の物質で構成される混合物であった(重
量による):4′−−ペンチル−4′−シアノビフェ
ニル(5CB)、43重量%;4′−−プロポキシ−
4−シアノビフェニル(30CB)、17重量%;4′
−ペントキシ−4−シアノビフェニル(50CB)
13重量%;4′−−オクチロキシ−4−シアノビフ
ェニル(80CB)17重量%及び4′−−ペンチル
−4−シアノターフェニル(5CT)10重量%。
【0116】エポキシ樹脂のA部分及びB部分並びに液
晶が、33 1/3%のA部分、33 1/3%のB部分及び33 1/3
%の液晶との処方に従って、体積で等量の割合で混合さ
れる3成分は3分間ゆっくりと撹拌して混合され、均質
の溶液とした。それからその溶液を1分間遠心分離し、
撹拌過程で含有された気泡を除去した。サンプルは、ガ
ラス板上に均一の厚みで未硬化の材料を塗布して作成さ
れた。48時間硬化させた後、約200ミクロン膜厚の
サンプルは、純白の不透明な構造となった(不透明状
態)。膜厚10ミクロンから200ミクロンの間のサン
プルは、白色の外観を呈するが、不透明度は小さくなっ
た。膜をガラス板表面よりはがすと、固体状の可撓性物
質となった。これらの膜を、80℃近傍のネマチック−
アイソトロピック位相変化温度まで熱したところ、それ
らは突然澄んだ又は透明なものとなった(不透明状
態)。膜は80℃以上では透明なままであり、80℃以
下に冷却されると不透明状態に戻った。不透明状態と透
明状態との間のコントラストは、膜厚に依存していた。
200±100ミクロンの厚さが、透明不透明状態間の
高い可視的コントラストを示した。膜の透明不透明状態
によって示されたネマチック−アイソトロピック変移温
度は、エポキシ樹脂中に混入される前の液晶のネマチッ
ク−アイソトロピック変移温度に極めて近いものであっ
た。
【0117】例2(参考) 例1に述べられたものと同じ物質を用いた電気感応装置
が作成された。本実施例においては、遠心分離後の例1
の未硬化の混合物が、その混合物に接する表面上にイン
ジウム・オキサイドの導電性のコーティングを有する2
枚のガラス板にはさみ込まれた。絶縁スペーサ(テフロ
ン・テープ)が膜厚を約75ミクロンにする為にガラス
板間に使用された。膜は、24時間の硬化過程の後、純
白不透明な組織(不透明状態)を有するに至った。交流
100ボルトの電圧が、ガラス板の導電性表面に印加さ
れると、当該物質は透明に変った(透明状態)。10ミ
クロン以下の膜厚では、透明不透明状態間の視覚的コン
トラストは小さなものとなり、また、スイッチング電圧
はより小さなものを必要とした。ディスプレー上に暗
い、又は反射性のバックグラウンドをつけると、オン−
オフによる視覚上のコントラストが改善されることが判
った。
【0118】2平方センチメートルの面積のサンプルに
100ボルトの電圧を印加すると、透明状態で5×10
-8アンペアを生じ、5×10-6ワットの出力を生ずるこ
とが観察された。例3(参考) 不透明状態では不透明青色であり、かつ透明状態では透
明となる電気感応性のゲスト・ホスト装置が、液晶混合
物に青色染料を加えることにより作成された。青色染料
は、1−(p−n−ブチルフェニルアミノ)−4−ヒド
ロキシアントラキノンであった。それは、青色染料1.
5重量パーセントと液晶98.5重量パーセントの割合
により、例1の液晶混合物に添加された。この混合物
は、それから、例1のエポキシ樹脂のA部分及びB部分
と、(体積比で)A部分33 1/3%、B部分33 1/3%、青
色染料及び液晶33 1/3%の割合で混合された。例2と同
じ様に、その物質は導電性表面コーティングされた2枚
のガラス板の間で硬化させられた。本例では、透明不透
明状態間のより高い視覚的コントラストが、より薄い膜
厚で得られた。従って低い電圧が導電性表面に印加され
た。約10ミクロンの厚さのディスプレーが、25ボル
トの電圧の印加で透明状態になることが判明した。
【0119】例4(参考) 温度感応フィルムが、例1の液晶混合物、並びに、ビス
フェノールA樹脂(A部分)及び脂肪族の硬化剤(B部
分)からなる2成分速硬化性エポキシ樹脂(商品名EP
O−TEK302)とを用いて作成された。エポキシ樹
脂及び液晶は、(体積比)でA部分25%、B部分25
%及び液晶50%の割合で混合された。用いられたフィ
ルム作成方法は例1のものと同じであった。2日間の硬
化時間の後、フィルムは、液晶のアイソトロピック−ネ
マチック変移温度(80℃)以下の温度では白色不透明
組織を有し、当該温度より上では透明であった。
【0120】例5(参考) 偏光特性を有する物理的圧力及び温度感応物質が、4′
−オクチル−4−シアノビフェニル(イー・エム・イン
ダストリーズのK−24として入手できる)を2成分エ
ポキシ樹脂と(体積比で)、A部分33 1/3%、B部分33
1/3%及び液晶33 1/3%の割合で混合し、当該液晶を混
入させることにより、作成された。エポキシ樹脂は、ビ
スフェノールAとエピクロロヒドリンの等モル混合物
(A部分)及びイタリア,ミラノのボスティック支部か
ら購入された脂肪ポリアミド硬化剤とから成っていた。
2つのサンプルが用意され、一方は液晶としてK−24
を用い、他方は(体積比で)75%のK−24と25%
のアニシリデン−P−ブチルアニリンの混合物を用い
た。混合物の撹拌方法は、例1と同一のものであった。
約50ミクロン厚のフィルムが、混合物を顕微鏡ガラス
板とプラスチック・カバー板の間で硬化されることによ
り作成された。混合物を硬化させると、プラスチックカ
バーは簡単に除去でき、フィルムを簡単にガラス基板か
らはがすことが出来た。均一にフラットで、つやのあ
る、可撓性の物質で、室温で不透明なものが得られた。
【0121】このフィルムを一方向に引き伸ばすと、そ
れはより透明になった。引き伸ばしたフィルムを透過し
た光は、引き伸ばし方向に直角の方向に直線偏光される
ことが観察された。液晶がアイソトロピック相になる温
度までその物質を加熱すると、物質は透明となり、自由
状態では、又引き伸ばされた状態でも偏光は観察されな
かった。引き伸ばす代りに、剪断的な単一方向の圧を加
えると、同様の偏光効果が生じた。
【0122】例6(参考) 偏光特性を有する電気的感応性のセルが、以下の物質を
以下の順に混合して作成された。エポキシB部分、3
2.5%(重量比);ネマチック液晶33.5%;スペ
ーサ物質、0.7%;エポキシA部分、33.3%。エ
ポキシは例5で述べられているものと同じであった。ネ
マチック液晶(イー・エム・インダストリーズのE−7
として入手できる)は、(重量比で)4′−n−ペンチ
ル−4−シアノ−ビフェニル(5CB)、51%;4′
−n−ヘプチル−4−シアノ−ビフェニル(7CB)、
21%;4′−n−オクトキシ−4−シアノ−ビフェニ
ル、16%;及び4′−n−ペンチル−4−シアノ−タ
ーフェニル、12%の混合物であった。スペーサ物質
は、粒子サイズ26μmの粉末であった(アトマージッ
ク・ケミカルズ・コーポレイションから、Alufrit PS
−26として供されている)。液晶及びエポキシがまだ
硬化せず、液状である間に、電圧を印加しうる透明の導
電性のコーティングを施した2枚のガラス板の間に置か
れた。それからその物質は、−24℃で5日間をかけて
硬化させられた。ついで室温に迄温めると、ガラス板と
エポキシ樹脂マトリックスの膨張係数のちがいから、マ
トリックスとマトリックス中に混入せられた液晶の微粒
子は、ひずませられ、その為、その物質を透過する光
は、直交偏光レンズを通して見ると消光することから直
線偏光されていることが明らかとなった。それから、交
流30ボルトの電圧が導電性コーティングに印加される
と、放射光がほんのわずかに偏光される状態にスイッチ
された。
【0123】例7(参考) 電気感応性セルが、2枚の透明な導電性裏面に引き伸ば
され、かつ、はさまれた可撓性のエポキシ樹脂−液晶の
シートから作成された。可撓性エポキシ樹脂−液晶シー
トは、まず、液晶をエポキシB部分と混合し、ついでA
部分を1:1:1の比で加えることにより作成される。
液晶は例4で用いられたものと同じである。A部分はビ
スフェノールAとエピクロルヒドリンの等モル混合物で
あり、B部分は、化学的硬化剤であった(双方ともイタ
リア,ミラノのボスティック支部から入手できる)。エ
ポキシ樹脂−液晶混合物は、約50μm離間して配され
た2枚のプレキシガラス・シートの間で硬化させられ
た。1日間硬化させられた後、結果として生じた不透明
白色可撓性シートがプレキシガラスから除去された。シ
ートは約5%から10%一方向へ引き伸ばされ、2枚の
ガラススライドの間にはさまれた。いずれのスライドも
片側に透明な導電性コーティングが施こされている。そ
のサンドイッチは、導電性コーティングが引き伸ばされ
たシートに面するように作られている。直線偏光フィル
ムが、放射光を最大に消光するようにサンドイッチされ
引き伸ばされたシートに位置決めされ、それからそのサ
ンドイッチに付着させられた。
【0124】もう1つのセルが、上述のように、但し、
不透明白色可撓性シートが導電性ガラススライドにはさ
まれる前に引き伸ばされることなく、作成された。20
0ボルトの電圧が、引き伸ばされた方のセルに印加され
た時、透明不透明状態間の反応時間は1ミリセカンドの
オーダーであった。引き伸ばされていない方のセルは2
5〜40ミリセカンドの反応をした。
【0125】例8(参考) エポキシ−液晶構成を紫外線によって硬化させることに
より、固体状可撓性エポキシマトリックスに液晶を混在
させた。エポキシ構成は、3.8gの樹脂(シェル商標
EPON樹脂828)と、紫外線で活性化された0.4
gのエポキシ硬化剤(3M商標FC−508)と、0.
9gのトリメチレン・グリコールの混合物であった。液
晶は例6で述べられているものと同じであった。溶液が
まず最初に0.3gのエポキシ構成と、0.1gの液晶
とを混合して作成された。それからその溶液が紫外線ラ
ンプの下で30分間硬化させられた。硬化させられた物
質は白色不透明を呈したが、加熱されるとネマチック液
晶のアイソトロピック変移温度で透明に変化し、それに
より、温度感応ライトスイッチとして働いた。可撓性固
体状不透明の混合物質は、また引き伸ばしによっていく
らかは透明となった。引き伸ばされた物質を透過した光
は、直線偏光されていることが観察されており、直交偏
光子が引き伸ばされた物質の前方又は後方に置かれた場
合には消光するであろう。物質が偏光効果を示す為に
は、元の長さの5〜10%引き伸ばされれば足りる。少
し加圧したり、また他の物理的なひずみを加えることに
よっても、また偏光効果を示した。直交偏光子を通して
見ると、その物質は機械的力感応ライトスイッチとして
働いた。
【0126】例9(参考) 散乱偏光子が、例7に述べられているのと同じ液晶及び
ボスティックA部分B部分(ボスティック・エス・ピー
・エー,ミラノ,イタリア)を用いて作成された。ボス
ティックB部分及びA部分の比は、1:0.94であっ
た。A部分、B部分及び液晶の混合物が、33重量%の
E−7を使って作成された。0.1重量%のスペーサ物
質が、その混合物に添加された。スペーサ物質は粒子サ
イズ26μmの粉末であった(アトマージック・ケミカ
ルズ・コーポレイションにより、Alufrit PS−26と
して供給されている)。混合物は撹拌され、均質な気泡
を含まない溶液とする為に数回遠心分離され、種々の成
分を混合した10分後2枚の導電性ガラス板の間にサン
ドイッチされた。その結果生じた26μmのフィルム
は、フィルムの平面を含む方向(以後、硬化方向と呼
ぶ)に印加された47キロガウスの磁界中に置かれ、1
5℃で41時間放置された。磁界からとり出され、室温
まで冷却した後、結果として生じた固体フィルムは、そ
の偏光が硬化方向と並行である線型吸収偏光フィルター
で見た場合に不透明であることが観察された。フィルタ
ーの偏光が硬化方向に対して90°回転させられると、
フィルムは透明となった。
【0127】フィルムの偏光特性が、通常の入射角で、
強光度光源からの偏光を用いて、さらに計測された。ビ
ームが硬化方向に対して直角に偏光された時の放射光強
度と、ビームが硬化方向に対して並行に偏光された時の
放射光強度の比は、30と計測された。フィルムに正の
方向に磁界を印加すると、当該物質は非偏光状態(放
射)に転じた。反応時間は0.3ミリ秒以下であった。
フィルムが偏光状態に戻るのに要する時間は3.0ミリ
秒以下であった。フィルムによって放射される光の強度
は、非偏光状態から偏光状態にスイッチされると、減少
した。この減少は、硬化方向に入射光が偏光されている
場合には、強度において2オーダーであったが、硬化方
向に直角の方向に入射光が偏光されている時は、約3倍
程度にすぎなかった。
【0128】例10(参考) 例1のものと類似した偏光子が作成されたが、但し、6
7%のE−20(43.96%の4′−−ペンチル−
4′−シアノビフェニル;40.78%の4′−−ヘ
プチル−4′−シアノビフェニル;9.22%の4′−
−オクチロキシ−4−シアノビフェニル;6.05%
の4′−−ペンチル−4−シアノターフェニル;ビー
・ディー・エイチ・ケミカルズ・リミテッド)及び33
%の10CB(4′−メトキシ−4−シアノビフェニ
ル)の混合物がメトキシの位置で重水素化されたものが
E−7の代わりに使われた。このフィルムは例1のもの
と同様の偏光特性を示した。同じ構造のバルクサンプル
が、例1と同じ条件下で、NMR(核磁気共鳴)のガラ
スチューブ中で硬化させられた。このサンプルの重水素
核磁気共鳴のスペクトルが、10℃から45℃の間の温
度で、硬化方向に平行の固定磁界が印加された場合と、
垂直に印加された場合の双方について、採取された。重
水素スペクトルのパターンは、液晶分子が、平均的に、
長い分子軸が硬化中磁界に並行に列びたがるということ
を示していた。
【0129】例11(参考) 例9のものと同じ構成で2枚のフィルムが作成され、電
界中で、9℃の温度で43時間硬化させられた。硬化過
程中、1キロヘルツの振動数の100ボルト交流電圧
が、一方のフィルムの表面上の透明の電導体に印加され
た。他方のフィルムは、印加電界なしに硬化させられ
た。硬化過程のうち、フィルムは、その光学特性を検査
された。室温で、電界中で硬化させられたフィルムは、
電界なしに硬化させられたフィルムよりも、より透明で
あった。これは、硬化中に交流電界を印加すると、硬化
媒体中の微粒子が、その光学軸の方向に固定されること
を、示していた。
【0130】例12(本発明例) 散乱偏光子が、液晶としてE−7を、ポリウレタンとし
て Cornthane Tu 50A、A部分B部分(コナップ・イ
ンク,バッファロー,ニューヨーク)を使用して作成さ
れた。A部分は、過剰のトルエン・ジイソシアネートと
ポリエーテル・グリコールの反応から作られたプレポリ
マーであり、B部分は4−4′−メチレンビスイソオル
ト−クロロアニリンと種々のポリオールズの混合物であ
る。A部分とB部分はそれぞれ1:0.94の比で混合
された。35%のE−7と65%のA部分及びB部分の
混合物が作成された。これに、例9の26μmの Alufr
itスペーサが添加された。サンプルは気泡を除く為に遠
心分離にかけられた。26μmのフィルムが導電性のガ
ラス板の間に混合物をはさむ形で作成された。結果とし
て生じたサンドイッチは65℃で一晩硬化させられた。
硬化すると、微粒子は、室温で不透明かつ散乱性の装置
となった。フィルムに少しひずみを加えると、フィルム
透過光に偏光が生じた。線型吸収偏光フィルターで見る
と、装置は、フィルターの偏光方向と加えられたひずみ
の方向とが並行の時は、不透明となった。その方向が直
角の時は透明であった。装置は電気的にスイッチするこ
とできる。完全に散乱から透明状態にスイッチする為に
は、26μm厚のフィルムを通して約26ボルトが印加
されねばならない。応力を受けている時でも、放置され
ている時でも、電界を印加して装置が反応するのに約4
ミリ秒であった。装置の緩和時間は、応力に大きく依存
している。ひずみを与えられている装置は約5ミリ秒で
緩和したが、ひずみをうけていない装置は緩和するのに
18ミリ秒を要した。
【0131】例13(参考) スイッチ可能な光散乱フィルムが、液晶を含有するバル
ク剤と、ヘキシルアミンと共に硬化させたEPON82
8の溶液から、溶媒蒸着によって作成された。4グラム
のEPON828が1.124グラムのヘキシルアミン
(HA)と混合された(重量比1:1)。1.179グ
ラムのEPONとHAの混合物が、0.595グラムの
液晶E−7に加えられた。混合物は65℃で一晩硬化さ
せられ、後、室温まで冷却された。硬化混合物の0.0
188グラムのスラグが、1.925グラムのアセトン
と混合された。結果生ずる溶液は、E−7とアセトンと
の非混和性のゆえに濁っていた。その後、0.206グ
ラムのメタノールが加えられ、溶液は透明となった。溶
液は5時間撹拌され、その後なんの不溶物質もなく透明
となった。溶液が導電性のガラス基板上に注がれ、3分
間乾燥させられた。結果生じた乾燥フィルムは、光散乱
性の不透明なものであった。
【0132】スイッチ可能なセルが、26μmのスペー
サをフィルムの上に置いて、それから、サンドイッチす
るようにスペーサの上に2枚目の導電性面をしめつけて
作成された。生じたサンドイッチを85℃で5分間、第
2の導電性面がしめつけられてスペーサに接触するまで
加熱され、その後、室温まで冷却された。26μm厚の
フィルムは光を散乱し、不透明であった。30ボルトの
電圧を印加すると、フィルムは透明状態にスイッチし
た。
【0133】例14(本発明例) 光散乱セルが、透明のポリマー・ポリアセチル・ビーズ
(アルドリッジ・ケミカルズ)を10ミリリットルガラ
スビン中で200℃に熱し、それから例8と同じく液晶
E−7を、ポリマー対液晶2:1重量比で加えることに
よって作成された。混合物は撹拌され、室温にまで冷却
された。冷却されたものは、白色不透明であった。2つ
のセルが、バルク物質から20ミリグラムのスラグを切
り、各スラグを10μmスペーサと伴に導電性プレート
の間に置いて作成された。プレートはしめつけられ、物
質が透明になる迄200℃のホットプレート上に置かれ
た。一方のセルはそれから急速に3℃迄冷却された。他
方のセルは、スイッチを切ったホットプレート上で一晩
ゆっくりと冷却された。急速冷却されたセルは、ゆっく
り冷却されたセルに比し不透明度が低く、青味がかった
色を呈していた。青味がかった色は、大層小さな微粒子
サイズを示していた。このセルは100ボルト電流が透
明状態にスイッチされた。ゆっくり冷却されたセルは、
50ボルト電流で透明状態にスイッチされた。
【0134】例15(本発明例) 透明なポリスチレンの塊りから0.292グラムのポリ
スチレンを削り取り、例13と同様に0.143グラム
のE7とともにmlバイアル内に入れた。バイアルを17
0℃のオーブン内に15分間置いた。ポリスチレンは溶
融しなかったが、アイソトロピック状態の液晶はポリス
チレン内に吸収されたように見えた。バイアルを室温に
冷却し、材料を取り出し、カミソリで半分に切断した。
約7mm厚の表面層は、不透明で散乱性であると観測され
た。その層を18mmスペーサを有するパターン電極ガラ
ススライド上に削り出し、第2のガラススライドを被
せ、クランプして、例8におけるようなサンドイッチを
作った。サンドイッチを170℃に戻して、削り出した
層が流れて膜を形成しクランプされた両ガラススライド
がスペーサに接触するまで、サンドイッチを加熱する。
次に室温に冷却する。室温において、光散乱性不透明膜
は、70ボルトで透明状態にスイッチすることが観察さ
れた。
【0135】例16(参考) 1.850gのEPON828を0.715gのヘキシ
ルアミン(1当量のEPON対1.374当量のヘキシ
ルアミン)に混合することによって、樹脂を調整する。
この混合物を65℃の10mlバイアル内で3日間かけ
て、大量に硬化させた。室温において、この硬化材料は
硬い固体であった。50℃に加熱しても変形は困難であ
った。硬化材料を130℃に10分間加熱したら、流動
性の粘性液体になった。例8と同様な液晶E7をアイソ
トロピック遷移温度以上の130℃に加熱して、上記粘
性液体硬化材料に混合した。この高温混合物の数分の1
をガラススライド間にサンドイッチし、室温に冷却し
た。他の数分の1をガラススライド間にサンドイッチ
し、フリーザーで0℃に急速冷却した。室温に冷却した
スライドは、不透明で光散乱性であった。0℃に冷却し
たスライドは、透明で透過性であった。両スライドを3
20倍の顕微鏡で検査した。室温に冷却した膜は、ミク
ロンサイズのマイクロドロップレット(約0.7〜1.
5ミクロン)の液晶を含んでいた。0℃に冷却した膜
は、マイクロドロップレットを含んでいなかった。
【0136】例17(参考) 1当量のEPON828を1当量のヘキシルアミンに完
全に混合することにより、未硬化樹脂とバインダーとの
混合物を調整した。この未硬化樹脂とバインダーとの混
合物に液晶E7を添加して、重量比30%の溶液を生成
した。この混合物を10mlバイアル内に密封し、65℃
で1夜かけて大量に硬化させた。結果としての材料は、
非弾性であり、室温において乳白色(散乱性)外観を呈
していた。
【0137】この材料を、バイアル内で温め、5分間約
100℃に維持することによって流動性状態へと軟化さ
せた。この材料の数分の1を、26μm×26μmのガ
ラススペーサーで隔離したガラススライド間に注入して
膜を形成した。ガラススライドに導通用電極を所定のパ
ターンに配置して、文字“0”を形成した。膜のミクロ
ン厚さあたり3ボルトの電界(約80ボルトの電圧)を
かけた。次に膜を室温に冷却して、電界を維持したまま
で再硬化させた。電界を除去すると、不透明で散乱性の
領域に包囲された、透明の“0”パターンの像が膜上に
表われた。“0”パターンは2日間透明のままであり、
2時間は減衰傾向を示さなかった。完全に減衰して不透
明になるまで、7日間かかった。
【0138】例18(参考) 例17と同様に、バルク材料を調整し硬化させた。1立
方センチメートルの硬化材のスラグをカミソリを用いて
バルクから切断し、例1におけるような26μmガラス
スペーサーを有するパターン電極付きガラススライドに
位置した。第2の電極付きガラススライドをスラグ上に
位置し、所定位置に固定し、サンドイッチを形成した。
サンドイッチをホットエアブロワーで加熱した。スラグ
は流動的になり膜を形成し、ガラススライドがスペーサ
ーに接触した。約70ボルトの電場を膜に印加し、膜を
室温に冷却し再硬化した、結果たる膜は、例17に記載
した膜と同様な振舞いをした。
【0139】例19(参考) 例17の膜(“0”パターンの像を有する)を約100
℃のオーブン内で2分間温めた。電場の非存在下で膜を
室温に冷却したら、不透明になった。例17の方法によ
る記憶の刷り込みおよびそれに続く100℃への加熱と
電界無し冷却とによるイメージの消去のサイクルを7日
間にわたって連続10回反復したが、明らかな有害効果
は得られなかった例20(参考) “0”パターンのイメージを有する例17の膜を、オー
ブン内で約100℃に加熱して、イメージを消去した。
その後膜に約70ボルトの電圧を印加して新たな“0”
パターンを刷り込み、室温に冷却した。膜は、不透明の
光散乱性領域に包囲された零の透明イメージを示した。
パターン電極を取外して、膜を0℃のフリーザーに位置
した。不透明領域内に零パターンが透明のまま残り、3
0日間減衰傾向を示した。
【0140】例21(参考) 重量比20%の強誘電性液晶W−7(米国コロラド州 B
oulderにある Displaytech社から入手可能。以下の構造
式を示す)を重量比80%の当量EPON828/ヘキ
シルアミン樹脂と混合することによって、光散乱膜を調
整した。
【0141】
【化1】
【0142】混合物を65℃で4日間大量に硬化させ
た。混合物を26μmスペーサーを有する26μm間隔
のガラススライド間に位置して、温めて軟化させて流動
可能な粘性流体にし、次に室温に冷却することにより、
ガラススライド間の膜を調整した。結果たる膜は、不透
明で光散乱性であった。例22(参考) 2.893gのEPON(1.61×10-2当量)を
0.812gのヘキシルアミン(1.61×10-2
量)と混合し、0.327gの部分を取り出してそれを
0.170gの液晶M−24と混合することにより光散
乱膜を調整した。この混合物を65℃で1夜かけて大量
に硬化し、例18におけるように26μmセルを調整し
た。結果たるセルは、不透明で散乱性であった。100
0ボルトの適用によって透明状態にスイッチし、電圧除
去後も透明状態が残存した。次にセルをホットエアガン
によって加熱し、室温に冷却して、不透明状態に戻し
た。同一のセルを透明状態へと再加熱し、400ボルト
の存在下で再冷却した。室温において、セルは透明であ
り、数時間電圧無しでも透明のままだった。
【0143】例23(本発明例) ポリ(ビニル・ホルマール)(米国ウイスコンシン州 M
ilwaukeeにある Aldrich Chemical Company, Inc. 社か
ら入手可能) と液晶E7とクロロホルムを重量比1:
1.5:5.0で混合して、撹拌し、透明なホモジニア
ス溶液を生成した。溶液をガラスプレート上に注ぎ、ク
ロロホルムを蒸発させて、不透明な固体液晶プラスチッ
ク材料を形成した。材料をホットステージ上で加熱し
て、軟化させ、透明導通電極付きのガラススライド間に
サンドイッチし、緩やかな速度で室温に戻し、不透明散
乱セルを形成した。セルを1枚のテッシュペーパー(米
国ジョージア州 Roswellの Kimberly-Clark Corp. 社の
KIMWIPES)で包んで断熱し、室温の2つのアル
ミニウムブロックの間に位置することにより、緩やかな
冷却速度を達成した。
【0144】セルをフォトディテクター付きのチョップ
トレーザービーム内に位置することにより膜の透明度を
測定した。50ボルトを印加して透明な透過状態にスイ
ッチし、透過光の量を測定し、ガラススライドのみを透
過した光の量と比較した。ポリ(ビニル・ホルマール)
セルは、96%の透過係数をもたらした。オン状態から
オフ状態へのスイッチング時間は、フォトディテクター
によって、室温において1.0ミリ秒以下であると記録
された。
【0145】例24(本発明例) ポリ(メチル・メタアクリル酸塩(methacrylate))と
液晶E7とアセトンとを重量比1:1.5:5.0で混
合し、例23におけるような不透明セルを形成した。透
過係数は90%より大きく、スイッチング時間は室温に
おいて約2.0ミリ秒であると記録された。
【0146】例25(本発明例) 例23におけるようなポリ(ビニル・ホルマール)を液
晶E−20,E−31およびE−40とともに製作した
(シアノビフェニルとエステルの混合物の専売品は全
て、EM Chemicals社から入手可能である)。例13と
実質的に同様なスイッチング時間および透過性が記録さ
れた。
【0147】例26(本発明例) ポリ(ビニル・ホルマール)( Aldrich社)と液晶E−
20とクロロホルムとを重量比1.0:1.5:5.0
で混合し、透明なホモジニアス溶液を生成した。溶媒を
蒸発させて、バルクの不透明材料をもたらした。材料を
3つに分け、それらを透過性の導通電極を有する3組の
ガラススライド間にそれぞれ位置した。スライドをホッ
トステージ上で加熱し、材料を軟化し、スライド間で流
動性にした。次に冷却して、例23におけるような不透
明の散乱性セルを形成した。セルの厚さは、不透明性か
ら散乱性へと各セルをスイッチするのに要する電圧量に
よって測定した。3つのセルは、それぞれ400ボル
ト、200ボルトおよび80ボルトのスイッチング電圧
閾値を示した。そのスイッチング電圧閾値において、各
セルは1.0ミリ秒以内に透過性になる。電圧を除去し
ても、セルは透過性のままだった。2つの厚いセル(4
00ボルトおよび200ボルト)は約1分間透過性を保
ち、その後不透明状態に変わった。薄いセル(80ボル
ト)は、数秒間透明を保った。3つのセルが不透明状態
に戻った後に、それぞれの閾値電圧を印加して再び透明
にスイッチさせ、短絡した。セルの短絡によって、各セ
ルは1.0ミリ秒以内に不透明状態にスイッチされた。
【0148】例27(本発明例) ポリ(メチル・メタアクリル酸塩)( Aldrich社)と液
晶E7とトリクロロメタンとを1:2:5の比率で混合
し、ホモジニアス溶液を形成した。次に溶媒を蒸発さ
せ、例23におけるようなセルを形成した。しかし、透
過性導通電極が、英数字用にパターン化されている点が
異なる。セルに200ボルトの電圧を印加することによ
って、膜が不透明から透明英数字(不透明領域に囲まれ
た)へとスイッチする。電圧除去後に、英数字イメージ
が約10秒間残った。
【0149】例28(本発明例) ポリ(メチル・メタクリレート)と液晶E20とトリク
ロロメタンとを1:2:5の比率で混合した。この結果
の材料で製造したセルは、例27におけるように、約1
0秒間英数字のイメージを保った。例29(本発明例) ポリ(ビニル・ブチラール)( Aldrich社)と液晶E7
とを重量比1:2で混合した。混合物を約150℃に加
熱して、透明なホモジニアス溶液を形成した。溶液を、
透過性電極付きガラススライド間に詰め込み、例23に
おけるような緩やかな速度で室温に冷却した。膜の透過
度は約90%であり、スイッチング時間は約5秒間であ
った。
【0150】例30(本発明例) 例23の方法に従い、約1部のポリマー対約5部の溶媒
という比率の以下の溶液を用いて、上記の表IAおよび
IBで参照した電子光学セルを作成した。 ポリマー 溶液 ポリ(ビニル・アセテート) アセトン ポリ(ビニル・ホルマール) クロロホルム ポリカーボネート クロロホルム ポリ(ビニル・ブチラール) アセトン ポリ(ビニル・メチル・ケトン) クロロホルム ポリ(メチル・アクリル酸塩) トルエン ポリ(シクロヘキシル・メタアクリル酸塩) メチレン・クロライド ポリ(イソプレン) クロロホルム ポリ(エチレン・メタアクリル酸塩) アセトン (高いM.W.) ポリ(イソブチル・メタアクリル酸塩) アセトン ポリ(メチル・メタアクリル酸塩) アセトン 例31(参考) 熱可塑性液晶溶液の差冷却によるマイクロドロップレッ
ト成長速度制御を、変性したエポキシ液晶セルを調整す
ることによって測定した。1当量のEPON828(米
国コネチカット州の Miller-Stephenson Company社から
入手)を1当量のヘキシルアミンおよび液晶E7と混合
して、重量比60:40の比率のプラスチック対液晶を
生成した。混合物を65℃に1夜かけて大量に硬化し
て、固体白色材料を生成した。バルク調整物からスラグ
を切断し、透過性導通電極を有し26μmだけ離れたガ
ラススライドの間に位置した。スライドを80℃のマイ
クロスコープホットステージ(Mettler EP5)上に位
置してクランプし、材料を流動化してスライドをスペー
サーに接触させた。80℃において、結果たるセルは透
明で透過性だった。ホットステージをプログラム可能に
して、冷却速度を制御した。同じセルを80℃に加熱し
て種々な速度で冷却した結果を表 VIIにまとめた。
【0151】 表 VII 冷却速度(℃/分) 平均マイクロドロップレット直径(μm) 0.2 8 1.0 3.9 2.0 2.8 4.0 2.5 表 VIIに示すように、遅い冷却速度は、非常に大きいマ
イクロドロップレットをもたらした。これは、光の長い
波長を変調するのに有用である。一方、高速冷却は、短
波長変調に有用な小さいマイクロドロップレットをもた
らした。
【0152】例32(参考) 重量比40%の液量を当量比1:1のEPON828と
t−ブチルアミン(重量比60%)に混合し、60℃で
1夜かけて硬化させることにより、例31におけるよう
なセルを調整して、変性エポキシ液晶セルを製作した。
このセルを種々の速度で反復的に加熱・冷却した。その
結果を表VIIIに示す。
【0153】 表VIII 冷却速度(℃/分) 平均マイクロドロップレット直径(μm) 0.2 8 1.0 3.9 2.0 3.0 4.0 2.6 制御しない冷却、すなわちセルをアルミニウムブロック
上に位置する冷却によって、光学的顕微鏡(<1μm)
による測定では小さすぎるサイズのマイクロドロップレ
ットをもたらした。
【0154】例33(参考) 樹脂−液晶溶液の差硬化温度によるマイクロドロップレ
ット成長速度制御を、エポキシ液晶セルを調整すること
によって測定した。EPON828,Capcure3−80
0(Moiller-Stephenson) および液晶E7を1:1:1
の当量比で混合した。混合物を、透過性導通電極を有し
26μmだけ離れた4組のガラススライドの間に位置し
た。各スライドを温度制御オーブン内に位置し、1夜か
けて硬化し、相分離および硬化を完了した。異なる温度
でセルを硬化した結果を表IXに示す。
【0155】 表IX マイクロドロップレット 硬化温度 寸法(μm) 70℃ % 60℃ % 50℃ % 40℃ % <0.1 6.1 − − − 0.1−0.2 64.2 − − − 0.2−0.3 21.4 10.0 0.6 0.9 0.3−0.5 8.3 14.9 2.9 5.1 0.5−0.7 − 17.5 5.2 11.6 0.7−0.9 − 18.9 13.8 19.5 0.9−1.1 − 19.6 24.2 36.0 1.1−1.3 − 12.1 30.0 17.6 1.3−1.5 − 6.7 17.4 8.4 1.5−1.7 − 0.3 4.7 0.9 1.7−1.9 − − 1.2 − 1.9 − − − − (範囲内のマイクロドロップレットの%) 平均直径 0.2μm 0.8μm 1.1μm 0.9μm 表IXに示すように、70℃の硬化は、樹脂の硬化速度を
加速し、小さなマイクロドロップレットをもたらす。
【0156】表IXの結果は、単位正方形面積中のマイク
ロドロップレットの数を計数し、あるサイズの範囲内の
マイクロドロップレットの数を正規化してパーセントを
もたらすことにより、計算された。より高い温度での硬
化は、核形成位数の数および各セル内のマイクロドロッ
プレットの相対密度に影響を及ぼす。この様子を表Xに
示す。
【0157】 表X 硬化温度 (μm)2あたりのマイクロドロップレットの数 60℃ 0.0138 50℃ 0.0154 40℃ 0.0203 例34(参考) 相対濃度によるマイクロドロップレット成長速度制御
を、例15におけるようなエポキシ液晶セル内で評価し
た。E7の重量比が約20%から約40%まで変化する
混合物を調整し、60℃で硬化した。テーブル10は、
液晶の相対濃度に対するマイクロドロップレット寸法の
範囲を示している。
【0158】 表XI 液晶(%) 直径(μm) <20% マイクロドロップレットの形成無し 約25〜35% 約1.30 >40% マイクロドロップレットの集合 例35(参考) 差硬化温度および相対濃度によるマイクロドロップレッ
ト成長速度制御を、エポキシ液晶セルを調整することに
よって評価した。Bostik (Milan Italy のBistik S.
p.a.)1:1部のAおよびBを液晶E7に混合し、
重量比が35%:40%の液晶:プラスチックを形成し
た。混合物をガラススライド間に注入し、硬化して、種
々の温度で不透明にした。表 XIIに、硬化温度に対する
マイクロドロップレット直径範囲(ミクロン)を2種の
混合物について示したものである。
【0159】 表 XII 硬化温度 RT 40℃ 60℃ 80℃ 35% E7 0.6±0.3 0.6±0.3 0.7±0.4 0.5±0.2 40% E7 4.0 2.5±1.0 1.2±0.3 0.8 重量比35%のE7が、硬化温度に拘りなく約0.6ミ
クロンのほぼ同一の直径のマイクロドロップレットをも
たらした。一方、重量比40%のE7が、硬化温度上昇
につれ寸法が減少するマイクロドロップレットをもたら
した。
【0160】例36(参考) 相対濃度によるマイクロドロップレット成長速度の制御
を、例33におけるようなBostikを有するエポキシ液晶
セル内で評価した。E7の重量比が約10%から約50
%まで変化する混合物を調整し、室温で硬化した。表XI
IIは、液晶の相対濃度に対するマイクロドロップレット
寸法の範囲を示す。
【0161】 表XIII 液晶(%) 直径(μm) <12 マイクロドロップレットの形成無し 14〜16 0.2 22〜35 0.5 37〜43 1.0 >44 マイクロドロップレットの集合 例37(参考) 重量比が約14%から約45%まで変化するE7の相対
的濃度を用いて、例34におけるようなエポキシ液晶セ
ルを調整した。サンプルを3つに分けて、それぞれ40
℃,60℃および80℃で硬化した。結果を表XIV A,
B,Cに示す。
【0162】 表XIV A 硬化温度40℃ 液晶(%) 平均直径(μm) <15 マイクロドロップレットの形成無し 16〜20 〜0.2 24〜35 〜0.5 36〜38 〜0.1 >38 マイクロドロップレットの集合 表XIV B 硬化温度60℃ <22 マイクロドロップレットの形成無し 24 〜0.2 26〜35 〜0.5 36〜38 〜0.1 >38 マイクロドロップレットの集合 表XIV C 硬化温度80℃ <28 マイクロドロップレットの形成無し 32 〜0.2 36〜38 〜0.5 42〜47 〜1.0 >47 マイクロドロップレットの集合 本発明に対する修正や変形が当業者にとって容易になさ
れ得ることは明白である。本発明の真の範囲は、請求の
範囲によって限定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】等方性相にある微小滴をもつ透明シートを示
す。
【図2】液状結晶性相にある液晶微小滴をもつ不透明シ
ートを示す。
【図3】透明状態のシートを含む電気的に起動される装
置を示す。
【図4】伸長状態にあるシートを示す。
【図5】図5(a)はシート平面の方向に適用された場
の中で相分離されたシートを示し、図5(b)は図5
(a)のシートを含む電気的に起動される装置を示す。
【図6】図6(a)はフィルム面に直角な場の中で硬化
されたシートを示し、図6(b)はフィルム面の方向に
適用された場の中にある図6(a)のシートを示す。
【図7】図7(a)は応力をかけた状態のシートを示
し、図7(b)は図7(a)のシートを含み電気的に起
動される装置を示す。
【図8】一部が電気的に作動される電極の間にある熱可
塑性シートを示す。
【図9】電場を除いた図8のシートを示す。
【図10】不透明なフォーカルコニック構造(focal con
ic texture) 状態にあるスメクチックA液晶の微小滴を
含有するシートを示す。
【図11】透明状態にある図10のシートを示す。
【図12】本発明の液晶材料の結晶構造を示す顕微鏡写
真である。
【図13】図13Aおよび図13Bは液晶微小滴に入射
する光の散乱または視角を略示する。
【図14】液晶とマトリックス生成組成物の二元混合物
の平衡相グラフを示す。
【図15】液晶とマトリックス生成組成物の三元混合物
の平衡相グラフを示す。
【図16】本発明の材料の製造工程の順序の略示図であ
る。
【図17】平均滴径(縦軸)と本発明の材料の冷却速度
(横軸)とのグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09K 9/00 Z (31)優先権主張番号 879327 (32)優先日 1986年6月27日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 ウエスト,ジョン エル アメリカ合衆国,オハイオ州 44224,ス トウ,フィッシュ クリーク ロード 5050 (72)発明者 チディチモ,ギュセッペ イタリー,レンデ,I−87030,ビリッジ オ ヨーロッパ,ビア ベルグラード,13 (72)発明者 バズ,ヌノ・エー・ピー アメリカ合衆国,ミシガン州 48034,サ ウスフィールド,ファームブルック ビラ レイン 29710 (72)発明者 ウー,バオ−ギャング アメリカ合衆国,オハイオ州 44240,ケ ント,アラートン ストリート 967 (72)発明者 ゴーレメ,アッチリオ アメリカ合衆国,オハイオ州 44240,ケ ント,シルバー オークス ドライブ350 (72)発明者 ズーマー,スロボダン アメリカ合衆国,オハイオ州 44240,ケ ント,アラートン ストリート 917

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体状の光透過性樹脂相(但し、エポキ
    シ樹脂は除く)で分散させた液晶相から成る光変調材料
    であって、液晶相がネマチック相又はスメクチック相で
    あり、かつ液晶相が、液晶ディレクタの配向を変えるこ
    とによって入射光が変調材料を透過するか又は散乱する
    ように、樹脂相の屈折率と液晶相の常光屈折率を一致さ
    せた光変調材料において、液晶相が樹脂生成性組成物中
    に可溶性であり、かつ液晶相が樹脂生成性組成物の固化
    中に溶液からの相分離によって自発的に形成されたもの
    である光変調材料。
  2. 【請求項2】 樹脂相が樹脂マトリックスとして存在
    し、そして液晶相が該マトリックス中に分散した微小滴
    の形で存在する請求項1に記載の材料。
  3. 【請求項3】 液晶ディレクタが通常は、入射光が散乱
    するように、ランダムに配向し、そして電磁場の存在下
    において、入射光の少なくとも一成分が光変調材料を透
    過するように、配向可能である請求項1又は2に記載の
    材料。
  4. 【請求項4】 液晶ディレクタが通常は光変調材料の表
    面に平行であり、かつ電磁場の存在下に光変調材料の表
    面に垂直に配向可能である請求項1又は2に記載の材
    料。
  5. 【請求項5】 液晶相が正の誘電率異方性を示す請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の材料。
  6. 【請求項6】 液晶相がシアノビフェニルを含む液晶か
    ら成る請求項1〜5のいずれか1項に記載の材料。
  7. 【請求項7】 樹脂相が熱硬化性樹脂である請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の材料。
  8. 【請求項8】 樹脂相が熱可塑性樹脂である請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の材料。
  9. 【請求項9】 樹脂相がポリウレタン樹脂、ポリカーボ
    ネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルメ
    チルケトン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂又は低(C
    1-8 )アルカノールの低(C1-8 )アルキル置換アクリ
    ル酸エステル、アルカノール、スチレン、置換スチレ
    ン、イソプレン、メチルブテン、ブタジエン、イソブチ
    レンもしくは低(C1-4 )アノカノイック酸のビニルエ
    ステルのユニットの少なくとも一種を含むポリマーから
    成る請求項1〜6のいずれか1項に記載の材料。
  10. 【請求項10】 液晶相が樹脂相の軟化温度より高い等
    方相への転移温度を有する請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の材料。
  11. 【請求項11】 樹脂相が、光変調材料にスイッチ電圧
    を印加した場合に、垂直入射光の少なくとも約90%を
    透過するように液晶相の常光屈折率に十分に近い屈折率
    を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の材料。
  12. 【請求項12】 樹脂相が、光変調材料にスイッチ電圧
    を印加した場合に、材料表面90°より小さい角度で入
    射した光に対する最大透過度を示すように液晶相の常光
    屈折率から十分異なった屈折率を有する請求項1〜10
    のいずれか1項に記載の材料。
  13. 【請求項13】 樹脂相が熱可塑性樹脂で、液晶相が光
    変調材料の少なくとも約50重量%の量で存在する請求
    項1〜6のいずれか1項に記載の材料。
  14. 【請求項14】 樹脂相が熱可塑性樹脂で液晶相が光変
    調材料の少なくとも約50重量%の量で存在し、そして
    材料を二つの電極間に置いた場合、該材料に関して抵抗
    率と誘電率との積が少なくとも数秒であり、荷電を数秒
    間維持することによって特徴づけられる請求項1〜6の
    いずれか1項に記載の材料。
  15. 【請求項15】 配向を引き起すのに十分な電場又は磁
    場の存在下にマトリックスを固化させることによって液
    晶ディレクタを一方向に配向させ、そして光変調材料が
    液晶ディレクタの配向を変えるのに十分な電磁場に応答
    する請求項1又は2に記載の材料。
  16. 【請求項16】 固体状の光透過性樹脂相(但しエポキ
    シ樹脂は除く)で分散させた液晶相を有する材料であっ
    て、液晶相がネマチック相又はスメクチック相であり、
    かつ液晶相が、液晶ディレクタの配向を変えることによ
    って入射光が変調材料を透過するか又は散乱するよう
    に、樹脂相の屈折率に一致した常光屈折率を有する材
    料、 該材料の表面に隣接した、電場形成用電極部、 液晶ディレクタの配向を電場の印加及び除去によって変
    えることができるように該電極部に接続された電源から
    成る光変調装置において、液晶相が樹脂生成性組成物中
    に可溶性であり、かつ液晶相が樹脂生成性組成物の固化
    中に溶液からの相分離によって自発的に形成されたもの
    である光変調装置。
  17. 【請求項17】 樹脂相が樹脂マトリックスとして存在
    し、そして液晶相が該マトリックス中に分散した微小滴
    の形で存在する請求項16に記載の装置。
  18. 【請求項18】 液晶相が正の誘電率異方性を示す請求
    項16又は17に記載の装置。
  19. 【請求項19】 液晶相がシアノビフェニルを含む液晶
    から成る請求項16〜18のいずれか1項に記載の装
    置。
  20. 【請求項20】 液晶ディレクタが通常は、入射光が散
    乱するように、ランダムに配向し、そして電磁場の存在
    下において、入射光の少なくとも一成分が光変調材料を
    透過するように、配向可能である請求項16〜19のい
    ずれか1項に記載の装置。
  21. 【請求項21】 光変調材料がシート又はフィルム状に
    形成したものにおいて、液晶ディレクタが面内に配向し
    ているため、電場がオフのときに入射光が、前記装置を
    透過し、かつ偏光され、また前記液晶が電場がオンのと
    きに偏光されない光が前記装置を透過するようにした請
    求項16〜19のいずれか1項に記載の装置。
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