JPH07103708A - 角度検出器及び角度検出方式 - Google Patents

角度検出器及び角度検出方式

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JPH07103708A
JPH07103708A JP24812993A JP24812993A JPH07103708A JP H07103708 A JPH07103708 A JP H07103708A JP 24812993 A JP24812993 A JP 24812993A JP 24812993 A JP24812993 A JP 24812993A JP H07103708 A JPH07103708 A JP H07103708A
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Fumio Sakata
文男 坂田
Nobuyoshi Yamazaki
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転角度に関して安定した正確な変換出力を
得ることができる角度検出器及び角度検出方式を提供す
ること。 【構成】 対向する複数組のコイルに位相の異なる複数
相の交流を加えて回転磁界を形成し、該回転磁界の中で
感磁素子とその周囲に巻かれた検出コイルとを含むロー
タを回転させることにより検出パルスを獲得し、該検出
パルスと前記複数相の交流の第1相の出力に同期した基
準パルスとの位相ずれを検出して、該位相ずれにより前
記ロータの回転角度を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロータの回転角度を検
出する角度検出器及び角度検出方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ロータの回転角度を検出するに
は、角度検出器としてポテンショメータや光学式ロータ
リーエンコーダを用いる方式が多く用いられている。
【0003】ポテンショメータを用いる方式は、スライ
ダがステータの特定部分に接触しながら回転することに
より、回転角に比例した抵抗値が得られることを利用し
たものである。
【0004】また、光学式ロータリーエンコーダを用い
る方式は、発光素子から受光素子への光を回転板とスリ
ットで遮ることにより、回転角度に応じたオン・オフ信
号を得るものである。
【0005】一方、最近、いわゆるウィーガンドワイヤ
等の感磁素子が計測の分野に応用され始め、特に、回転
数の検出方式への適用が提案されている。これは、ウィ
ーガンドワイヤ等の感磁素子は磁場反転の際に磁性線の
周囲に巻かれたコイルにパルス電圧を発生させるため、
ロータの円周方向に沿って複数の磁石を取り付け、ウィ
ーガンドワイヤ等の周囲にコイルを巻いた検出部の近傍
で回転させれば、ロータに取り付けられた磁石の数とロ
ータの回転数の積に比例したパルス出力が得られること
を利用したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、土木用
計測等の分野では、長期間屋外で使用したり地中に埋設
した状態で使用する場合があるので、角度検出器にも高
度の信頼性が要求される。
【0007】かかる場合、上述したポテンショメータを
用いる方式では、スライダがステータに接触しながら回
転するため、回転速度が速い場合の角度検出には利用し
にくい。また、スライダに微小振動を生じるような場面
で使用すると、振動するスライダによってステータ面が
損傷されてしまう。
【0008】これに対して、光学式ロータリーエンコー
ダを用いる方式では、高い分解能が得られるため、高度
の信頼性が要求される分野でも利用できるが、発光素子
や受光素子等検出用の部品が多数必要であり、また、信
号処理用にも多くの電子部品を必要とすることから、そ
のための誘導雷対策が必要となってしまう。
【0009】一方、上述したウィーガンドワイヤ等を用
いる検出方式では、ロータの回転数を検出することはで
きるが、ロータの回転角度に関して安定した正確な変換
出力を得ることは不可能であり、ロータの回転角度を精
度良く検出することはできない。
【0010】即ち、ウィーガンドワイヤ等の感磁素子を
回転角度の検出に応用した例はなく、従ってまた、その
検出方式について何等の提案もなされてはいなかった。
【0011】本発明の目的は、回転角度に関して安定し
た正確な変換出力を得ることができる角度検出器及び角
度検出方式を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、対向す
る複数組のコイルに位相の異なる複数相の交流を加えて
回転磁界を形成し、該回転磁界の中で検出コイルを含む
ロータを回転させることによりロータの回転角度に応じ
た検出パルスを獲得し、該検出パルスと所定の基準パル
スとの位相ずれを検出することにより前記ロータの回転
角度を検出することを特徴とする角度検出方式が得られ
る。
【0013】また、本発明によれば、多相発振回路と、
該多相発振回路の各々の出力を受けて一定電流を出力す
る複数の定電流回路と、該定電流回路に接続され回転磁
界を発生する複数組の磁界発生コイルと、感磁素子とそ
の周囲に巻かれた検出コイルとを含み前記回転磁界の中
で回転することにより前記検出コイルにその角度に応じ
た検出パルスを発生せしめるロータと、前記多相発振回
路の第1相の出力に同期した基準パルスを発生する基準
パルス発生手段と、前記検出パルスと前記基準パルスと
の位相ずれを検出する検出手段とを有することを特徴と
する角度検出器が得られる。
【0014】更に、本発明によれば、多相発振回路と、
該多相発振回路の各々の出力を受けて一定電流を出力す
る複数の定電流回路と、該定電流回路に接続され回転磁
界を発生する複数組の磁界発生コイルと、前記回転磁界
中で回転するロータと、第1の感磁素子の周囲に巻かれ
前記ロータの回転とは独立した回転動作が可能に構成さ
れ前記回転磁界によりその角度位置に応じた基準パルス
を発生する第1の検出コイルと、第2の感磁素子の周囲
に巻かれ前記ロータの回転に同期した回転動作を行うよ
うに構成され前記回転磁界の中で前記ロータが回転する
ことによりその角度位置に応じた検出パルスを発生する
第2の検出コイルと、前記基準パルスと前記検出パルス
との位相ずれを検出する検出手段とを有することを特徴
とする角度検出器が得られる。
【0015】更にまた、本発明によれば、多相発振回路
と、該多相発振回路の各々の出力を受けて一定電流を出
力する複数の定電流回路と、該定電流回路に接続され回
転磁界を発生する複数組の磁界発生コイルと、前記回転
磁界中で回転するロータと、該ロータの回転とは独立し
た回転動作が可能に構成され前記回転磁界によりその角
度位置に応じた第1の誘導信号を発生する第1の検出コ
イルと、前記ロータの回転に同期した回転動作を行うよ
うに構成され前記回転磁界の中で前記ロータが回転する
ことによりその角度位置に応じた第2の誘導信号を発生
する第2の検出コイルと、前記第1の誘導信号に同期し
た基準パルスを発生する基準パルス発生手段と、前記第
2の誘導信号に同期した検出パルスを発生する検出パル
ス発生手段と、前記基準パルスと前記検出パルスとの位
相ずれを検出する検出手段とを有することを特徴とする
角度検出器が得られる。
【0016】
【作用】本発明の角度検出器及び角度検出方式において
は、対向する複数組のコイルに位相の異なる複数相の交
流を加えて回転磁界を形成し、該回転磁界の中で検出コ
イルを含むロータを回転させれば、ロータの回転角度に
より検出パルスの時相が変化することから、当該検出パ
ルスと所定の基準パルスとの位相ずれを検出することに
より、ロータの回転角度を検出することが可能となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例に係る角度検出
器及び角度検出方式について図面を参照して詳細に説明
する。
【0018】図1には、本実施例に用いられる角度検出
器の構成が示されている。
【0019】本実施例に係る角度検出器は、sin波か
ら成る第1相の出力とcos波から成る第2相の出力と
の90度位相が異なる二波を出力する二相発振回路1
と、この二相発振回路1の各々の出力を受けて一定電流
を出力する二組の定電流回路2A、2Bと、これら定電
流回路2A、2Bのそれぞれに接続された対向する二組
の磁界発生コイル3A、3A及び3B、3Bと、感磁素
子4の周囲に検出コイル5を巻いて構成したロータ6
と、検出コイル5に生じたパルス出力を伝達する一対の
スリップリング7A、7Bと、前記二相発振回路1の第
1相のsin波出力を方形波に変換する波形整形回路8
と、波形整形回路8から出力される方形波の立上がりに
同期したパルスを出力する単安定回路9と、この単安定
回路9のパルス出力と前記検出コイル5に生じたパルス
出力との時間間隔を測定する時間差測定回路10とを有
している。
【0020】図2には、図1に示した角度検出器のう
ち、主として磁界発生コイル3A、3A及び3B、3B
と、検出コイル5部分が拡大して示されている。
【0021】磁界発生コイル3A、3A及び3B、3B
は、ロータ6を取り囲むように配置されており、ロータ
6には、感磁素子4と当該感磁素子4に巻かれた検出コ
イル5とが一対となって組み込まれている。検出コイル
5の接続は、ロータ6の回転軸6aに取り付けられたス
リップリング7A、7Bを介して行われており、検出コ
イル5の一方の出力は、スリップリング7Aを介して時
間差測定回路10の一方の入力に接続され、また、検出
コイル5の他方の出力は、スリップリング7Bを介して
接地されている。
【0022】時間差測定回路10は、図3に示すよう
に、R−Sフリップフロップ10Aと積分回路10Bと
から構成されている。
【0023】本実施例においては、感磁素子4には、い
わゆるウィーガンドワイヤを用いた。このウィーガンド
ワイヤの材料としては、直径0.3mm位のFe−Ni
パーマロイ線に捻りや高周波熱処理等を施して線心部よ
り外周部の保磁力を大きくする加工硬化処理を行ったも
のが望ましい。
【0024】尚、感磁素子4は、かかるウィーガンドワ
イヤに限られるものではない。例えば、上記ウィーガン
ドワイヤとは複合磁気層の構成を逆にした新しいタイプ
の磁性線{神奈川県工業試験所複合磁気デバイス研究会
(平成5年7月22日)における発表論文「複合磁気セ
ンサの開発」神奈川大学工学部電気工学科、松下、阿
部}の適用も考えられる。これは、直径0.25mmの
Fe−Co−Vバイカロイ線に捻り処理あるいはクラッ
ド加工を行って線心部より外周部の保磁力を小さくした
ものである。更に、この他にも、例えば、磁気アモルフ
ァスワイヤ(日本応用磁気学会誌、昭和60年3月号
「アモルファス磁歪ワイヤの大バルクハウゼン効果とM
atteucci効果」毛利、山崎等)等を適用するこ
とも考えられる。
【0025】続いて、図1、図2、図3及び図4を用い
て本実施例の角度検出器の動作及び作用について説明す
る。
【0026】まず、図1に示した二相発振回路1からs
in波から成る第1相の出力とcos波から成る第2相
の出力との90度位相が異なる二波が出力される。この
2つの発振出力を各々受けて二組の定電流回路2A、2
Bは、二組の定電流を出力する。これら二組の定電流
は、互いに直交する二組の磁界発生コイル3A、3A及
び3B、3Bに供給され、検出コイル5のパルス発生磁
界強度を越える回転磁界を作り出す。この回転磁界の最
大強度は、図4(a)に示すように、感磁素子4がパル
ス出力を発生するレベルを越える強度となっている。ま
た、図4(a)に示す補助磁界レベルは、感磁素子4が
磁界反転時にパルスを出力するために必要な磁界のレベ
ルである。従って、ロータ6の回転に連動する感磁素子
4の方向と回転磁界の方向が一致した場合に検出コイル
5に、図4(d)に示すように、パルスが出力される。
一方、二相発振回路1の第1相のsin波出力は、図1
に示した波形整形回路8により図4(b)に示すような
方形波に変換され、更に、図1に示した単安定回路9に
より、図4(c)に示すように、当該方形波の立上がり
に同期した基準パルスに変換される。従って、図4
(e)に示すように、この基準パルスが出力された時点
からその後の最初の正極性パルスが出力される時点まで
の時間間隔がロータ6の回転角度に対応した出力とな
る。
【0027】さて、この基準パルス出力は、図3に示し
たR−Sフリップフロップ10Aのセット・パルス、検
出コイル5のパルス出力は、R−Sフリップフロップ1
0Aのリセット・パルスとして入力され、R−Sフリッ
プフロップ10Aの出力は、積分回路10Bに入力され
る。
【0028】ここで、回転磁界の周期をT、セット及び
リセット・パルスの時間間隔をt、R−Sフリップフロ
ップ10Aの出力電圧をVとすれば、図5(a)〜
(e)に示すように、積分回路10Bの出力はtxV/
Tとなるので、ロータ6の回転角度に比例した電圧出力
が得られる。
【0029】これにより、ロータ6の回転角度に関して
安定した正確な変換出力を得ることができ、ロータ6の
回転角度を精度良く検出し得る。
【0030】次に、本発明の第2の実施例に係る角度検
出器及び角度検出方式について図面を参照して詳細に説
明する。
【0031】図6及び図7には、本実施例に用いられる
角度検出器の構成が示されている。本実施例に係る角度
検出器は、図1に示した第1の実施例に係る角度検出器
とその基本的構成は同じである。従って、同一の部分に
は同一の参照符号を付してある。
【0032】本実施例に係る角度検出器は、図6及び図
7に示すように、2つの感磁素子及び検出コイルを有し
ている。第1の感磁素子14とその周囲に巻かれた第1
の検出コイル15は、ロータ6の回転軸6aと回転中心
を同じにした別の軸6bに取り付けられており、回転磁
界の中で任意に回転することができる。一方、第2の感
磁素子24とその周囲に巻かれた第2の検出コイル25
は、ロータ6の回転軸6aに取り付けられており、ロー
タ6の回転に伴って回転磁界中を回転する構成となって
いる。第1の検出コイル15の一方の出力は、スリップ
リング17Aを介して時間差測定回路10の一方の入力
に接続され、また、第1の検出コイル15の他方の出力
は、スリップリング17Bを介して接地されている。一
方、第2の検出コイル25の一方の出力は、スリップリ
ング27Aを介して時間差測定回路10の他方の入力に
接続され、また、第2の検出コイル25の他方の出力
は、スリップリング27Bを介して接地されている。
【0033】さて、図6、図7、図8及び図9を用いて
本実施例の角度検出器の動作及び作用について説明す
る。
【0034】前提として、本実施例の角度検出器は、ロ
ータ6の回転とは独立した回転動作が可能に構成されて
いる第1の検出コイル15を、角度検出器の設置時にお
けるロータ6の位置に対応させてセットし、当該位置を
零位置として使用する。
【0035】まず、上述した第1の実施例の場合と同様
に、図6に示した二相発振回路1からsin波から成る
第1相の出力とcos波から成る第2相の出力との90
度位相が異なる二波が出力される。この2つの発振出力
を各々受けて二組の定電流回路2A、2Bは、二組の定
電流を出力する。これら二組の定電流は、互いに直交す
る二組の磁界発生コイル3A、3A及び3B、3Bに供
給され、検出コイル15及び25のパルス発生磁界強度
を越える回転磁界を作り出す。この回転磁界の最大強度
は、図8(a)に示すように、感磁素子14及び24が
パルス出力を発生するレベルを越える強度となってい
る。また、図8(a)に示す補助磁界レベルは、感磁素
子14及び24が磁界反転時にパルスを出力するために
必要な磁界のレベルである。従って、感磁素子14及び
24のパルス発生閾値を回転磁界の強度が越える場合に
第1及び第2の検出コイル15及び25にパルス信号が
出力される。第1の検出コイル15から出力されるパル
ス信号は、角度検出器の設置時におけるロータ6の位置
に対応しており、第2の検出コイル25から出力される
パルス信号は、角度検出器の設置時以降に生じたロータ
6の回転角度に依存して出力される信号であることか
ら、当該回転角度に依存した時間遅れが生じることにな
る。この場合、第1及び第2の検出コイル15及び25
から得られるパルス出力は、図8(b)、(c)に示す
ように、正負両極のパルス出力となるが、共通する極性
のパルス出力に注目すれば、360度の回転角度が不連
続で計測可能である。従って、図9(a)〜(e)に示
すように、両パルス出力間の時間差を回転磁界の周期で
割ることにより、ロータ6の回転角度に比例した出力信
号を得ることが可能となる。
【0036】このように、本実施例は、回転磁界の方向
が角度検出器の設置時におけるロータ6の位置に対応さ
せてセットした第1の検出コイル15の方向と一致した
時に得られる第1のパルス出力と、回転磁界の方向がロ
ータ6の回転に伴って回転磁界中を回転した第2の検出
コイル25の方向と一致した時に得られる第2のパルス
出力との時間差を測定することを特徴とする。
【0037】上述した第1の実施例では、ひとつの感磁
素子と検出コイルを用い、この検出コイルに生じる検出
パルスと、多相発振回路の第1相の出力に同期した基準
パルスとの時間差を測定するので、回転磁界の強度と感
磁素子のパルス発生閾値の関係が不安定要素として残っ
てしまう。即ち、温度等の変動により感磁素子のパルス
発生閾値が変動すれば、パルス発生時相が不安定となっ
てしまう。
【0038】これに対して、本実施例では、ふたつの感
磁素子14及び24と検出コイル15及び25を用い、
両検出コイル15及び25に生じる検出パルス同士の時
間差を測定するので、回転磁界の強度変動や温度等の変
動によるパルス発生閾値の変動も両検出コイル15及び
25に共通することから、かかる変動によるパルス発生
時相の変化は、両検出コイル間で相殺されてしまう。従
って、回転磁界の強度変動や温度等の変動によるパルス
発生閾値の変動にも影響を受けないことから、回転磁界
の強度を感磁素子14及び24のパルス発生閾値以上の
磁界強度に設定しさえすれば、ロータ6の回転角度を精
度良く検出することができ、上述した第1の実施例と比
べ、電気的安定性と信頼性が更に大きく向上する。ま
た、上述したように、第1の検出コイル15から出力さ
れるパルス信号は、角度検出器の設置時におけるロータ
6の位置に対応しており、第2の検出コイル25から出
力されるパルス信号は、角度検出器の設置時以降に生じ
たロータ6の回転角度に依存して出力される信号である
ことから、ロータ6の設置位置を何等の制約なしに任意
に設定し得る。
【0039】以上の第2の実施例では、第1及び第2の
検出コイル15及び25を感磁素子14及び24の周囲
に設け、検出コイル15及び25に発生するパルス信号
を検出するようにしたが、感磁素子を用いずに、第1及
び第2の検出コイルに発生する誘導信号を得て、これら
誘導信号間の時間差を測定することにより、ロータの回
転角度に関する出力を得る変形例も考えられる。
【0040】そこで、以下、かかる変形例に係る角度検
出器及び角度検出方式について図10〜図13を参照し
て説明する。
【0041】本変形例に用いられる角度検出器の構成
は、図6及び図7に示した第2の実施例に係る角度検出
器とその基本的構成は同じである。従って、同一の部分
には同一の参照符号を付してある。
【0042】本変形例に係る角度検出器は、上述した第
2の実施例に係る角度検出器と異なり、ロータ6には、
図10及び図11に示すように、空芯ボビンに巻かれた
第1及び第2の検出コイル15´及び25´が組み込ま
れている。また、本変形例に係る角度検出器は、検出コ
イル15´及び25´から得られる三角関数波出力をそ
れぞれ方形波に変換する二組の波形整形回路38A、3
8Bと、それぞれ波形整形回路38A、38Bから出力
される方形波の立上がりに同期したパルスを出力する二
組の単安定回路39A、39Bとを有している。第1の
検出コイル15´の一方の出力は、スリップリング17
Aを介して波形整形回路38Aの入力に接続され、ま
た、第1の検出コイル15´の他方の出力は、スリップ
リング17Bを介して接地されている。一方、第2の検
出コイル25´の一方の出力は、スリップリング27A
を介して波形整形回路38Bの入力に接続され、また、
第2の検出コイル25´の他方の出力は、スリップリン
グ27Bを介して接地されている。
【0043】さて、図10、図11、図12及び図13
を用いて本変形例の角度検出器の動作及び作用について
説明すると、まず、上述した第2の実施例の場合と同様
に、図10に示す二相発振回路1からsin波から成る
第1相の出力とcos波から成る第2相の出力との90
度位相が異なる二波が出力される。この2つの発振出力
を各々受けて二組の定電流回路2A、2Bは、二組の定
電流を出力する。これら二組の定電流は、互いに直交す
る二組の磁界発生コイル3A、3A及び3B、3Bに供
給され、回転磁界を作り出す。従って、第1の検出コイ
ル15´からは、図12(a)に示すように、回転磁界
に同期した第1の誘導信号が出力される。また、第2の
検出コイル25´からは、図12(a)に示すように、
ロータ6の回転角度に依存した第2の誘導信号が出力さ
れる。
【0044】第1の検出コイル15´から出力された第
1の誘導信号は、波形整形回路38Aにより、図12
(a)及び(b)に示すように、その三角関数波形から
方形波に変換される。更に、この波形整形回路38Aか
らの出力は、単安定回路39Aにより、図12(d)に
示すように、パルス信号に変換される。一方、第2の検
出コイル25´から出力された第2の誘導信号は、波形
整形回路38Bにより、図12(a)及び(c)に示す
ように、その三角関数波形から方形波に変換され、更
に、単安定回路39Bにより、図12(e)に示すよう
に、パルス信号に変換される。
【0045】続いて、単安定回路39Aにより出力され
たパルス信号は、図3及び図10に示すように、時間差
測定回路10のR−Sフリップフロップ10Aのセット
・パルスとして入力される。一方、単安定回路39Bに
より出力されたパルス信号は、時間差測定回路10のR
−Sフリップフロップ10Aのリセット・パルスとして
入力される。更に、R−Sフリップフロップ10Aの出
力は、上述した第1及び第2の実施例の場合と同様に、
積分回路10Bに入力される。
【0046】ここで、図13(a)〜(e)に示すよう
に、回転磁界の周期をT、セット及びリセット・パルス
の時間間隔をt、R−Sフリップフロップ10Aの出力
電圧をVとすれば、積分回路10Bの出力はtxV/T
となるので、ロータ6の回転角度に比例した電圧出力が
得られる。
【0047】これにより、ロータ6の回転角度に関して
安定した正確な変換出力を得ることができ、ロータ6の
回転角度を精度良く検出し得る。
【0048】尚、上述した第1及び第2の実施例、また
上記変形例においても、二相発振回路1からの2つの発
振出力は、定電流回路2A、2Bを介することにより、
二組の定電流として磁界発生コイル3A、3A及び3
B、3Bに供給される。このように、定電流特性を持つ
励磁回路を用いているので、コイル温度や接続ケーブル
長の変動によるインピーダンスの変化に対しても、常に
一定の磁界を作ることができる。即ち、インピーダンス
の変化により磁界の強度が変わってくると、出力パルス
の発生時相に変動が生じるため、ロータの回転角度と出
力パルスの発生時相との間に一定の関係を維持できなく
なるが、定電流特性を持つ励磁回路を用いることによ
り、かかる不都合を防止することが可能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
対向する複数組のコイルに位相の異なる複数相の交流を
加えて回転磁界を形成し、該回転磁界の中で検出コイル
を含むロータを回転させることでロータの回転角度に応
じた検出パルスを獲得し、この検出パルスと所定の基準
パルスとの位相ずれを検出することによりロータの回転
角度を検出するようにしたので、全く新規な角度検出器
及び角度検出方式を提供することが可能となった。
【0050】これにより、ロータの回転角度に関して正
確な変換出力を得ることができ、ロータの回転角度を精
度良く検出し得る。
【0051】従って、電気的安定性と信頼性が極めて高
く屋外において長期間使用することが可能な回転角度の
検出器及び検出方式を提供し得る。
【0052】よって、例えば、地すべり等の計測機器に
活用することにより、その経済性を大きく向上すること
ができる等、本発明により得られる効果は極めて大なる
ものがある。
【0053】また、請求項3又は4記載の発明によれ
ば、角度計の設置時におけるロータの位置に対応させて
セットする第1の検出コイルとロータの回転に伴って回
転磁界中を回転する第2の検出コイルを用い、第1の検
出コイルから得られる基準パルスと第2の検出コイルか
ら得られる検出パルスとの時間差を測定するので、回転
磁界の強度の変動や周囲温度の変動等による影響を受け
ない安定した測定出力が得られる上に設置位置の制約を
受けない角度検出器を提供し得る。
【0054】更に、請求項4記載の発明によれば、感磁
素子を用いずに、安定した測定出力が得られる上に設置
位置の制約を受けない角度検出器を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る角度検出器の構成
を示す図である。
【図2】図1に示した角度検出器の磁界発生コイル及び
検出コイル部分を拡大して示す図である。
【図3】図1に示した角度検出器の時間差測定回路の構
成を示す図である。
【図4】図1に示した角度検出器の動作及び作用を説明
するための図である。
【図5】図1に示した角度検出器の信号処理方式を説明
するための図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る角度検出器の構成
を示す図である。
【図7】図6に示した角度検出器の磁界発生コイル及び
検出コイル部分を拡大して示す図である。
【図8】図6に示した角度検出器の動作及び作用を説明
するための図である。
【図9】図6に示した角度検出器の信号処理方式を説明
するための図である。
【図10】本発明の変形例に係る角度検出器の構成を示
す図である。
【図11】図10に示した変形例の角度検出器の磁界発
生コイル及び検出コイル部分を拡大して示す図である。
【図12】図10に示した変形例の角度検出器の動作及
び作用を説明するための図である。
【図13】図10に示した変形例の角度検出器の信号処
理方式を説明するための図である。
【符号の説明】
1 二相
発振回路 2A、2B 定電
流回路 3A、3A、3B、3B 磁界
発生コイル 4 感磁
素子 5 検出
コイル 6 ロー
タ 7A、7B、17A、17B、27A、27B スリ
ップリング 8、38A、38B 波形
整形回路 9、39A、39B 単安
定回路 10 時間
差測定回路 14 第1の感磁素子 24 第2の感磁素子 15、15´ 第1の検出コイ
ル 25、25´ 第2の検出コイ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する複数組のコイルに位相の異なる
    複数相の交流を加えて回転磁界を形成し、該回転磁界の
    中で検出コイルを含むロータを回転させることによりロ
    ータの回転角度に応じた検出パルスを獲得し、該検出パ
    ルスと所定の基準パルスとの位相ずれを検出することに
    より前記ロータの回転角度を検出することを特徴とする
    角度検出方式。
  2. 【請求項2】 多相発振回路と、該多相発振回路の各々
    の出力を受けて一定電流を出力する複数の定電流回路
    と、該定電流回路に接続され回転磁界を発生する複数組
    の磁界発生コイルと、感磁素子とその周囲に巻かれた検
    出コイルとを含み前記回転磁界の中で回転することによ
    り前記検出コイルにその角度に応じた検出パルスを発生
    せしめるロータと、前記多相発振回路の第1相の出力に
    同期した基準パルスを発生する基準パルス発生手段と、
    前記検出パルスと前記基準パルスとの位相ずれを検出す
    る検出手段とを有することを特徴とする角度検出器。
  3. 【請求項3】 多相発振回路と、該多相発振回路の各々
    の出力を受けて一定電流を出力する複数の定電流回路
    と、該定電流回路に接続され回転磁界を発生する複数組
    の磁界発生コイルと、前記回転磁界中で回転するロータ
    と、第1の感磁素子の周囲に巻かれ前記ロータの回転と
    は独立した回転動作が可能に構成され前記回転磁界によ
    りその角度位置に応じた基準パルスを発生する第1の検
    出コイルと、第2の感磁素子の周囲に巻かれ前記ロータ
    の回転に同期した回転動作を行うように構成され前記回
    転磁界の中で前記ロータが回転することによりその角度
    位置に応じた検出パルスを発生する第2の検出コイル
    と、前記基準パルスと前記検出パルスとの位相ずれを検
    出する検出手段とを有することを特徴とする角度検出
    器。
  4. 【請求項4】 多相発振回路と、該多相発振回路の各々
    の出力を受けて一定電流を出力する複数の定電流回路
    と、該定電流回路に接続され回転磁界を発生する複数組
    の磁界発生コイルと、前記回転磁界中で回転するロータ
    と、該ロータの回転とは独立した回転動作が可能に構成
    され前記回転磁界によりその角度位置に応じた第1の誘
    導信号を発生する第1の検出コイルと、前記ロータの回
    転に同期した回転動作を行うように構成され前記回転磁
    界の中で前記ロータが回転することによりその角度位置
    に応じた第2の誘導信号を発生する第2の検出コイル
    と、前記第1の誘導信号に同期した基準パルスを発生す
    る基準パルス発生手段と、前記第2の誘導信号に同期し
    た検出パルスを発生する検出パルス発生手段と、前記基
    準パルスと前記検出パルスとの位相ずれを検出する検出
    手段とを有することを特徴とする角度検出器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016194423A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 高砂熱学工業株式会社 位置検出方法、駆動装置及び制御弁の制御ユニット

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