JP3424206B2 - 磁気エンコーダ - Google Patents

磁気エンコーダ

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JP3424206B2
JP3424206B2 JP2000372830A JP2000372830A JP3424206B2 JP 3424206 B2 JP3424206 B2 JP 3424206B2 JP 2000372830 A JP2000372830 A JP 2000372830A JP 2000372830 A JP2000372830 A JP 2000372830A JP 3424206 B2 JP3424206 B2 JP 3424206B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転軸に固着されたロ
ータマグネットの磁束変化を検出して回転軸の位置を検
出する磁気エンコーダにおいて,前記ロータマグネット
の磁極位置を検出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,回転軸に固着されたロータマグネ
ットの磁極位置を検出する方法の1つとして,該ロータ
マグネットの外周面をNS交互に等間隔で着磁し,その
磁束を磁気変換素子によって検出し,その磁気変換素子
の出力をそのまま利用したり,またゼロクロス点よりパ
ルスを生成したりして,ロータマグネットの磁極位置を
検出している。しかしこの方法は,ロータマグネットの
外径が小さく多極の場合,NS交互で等間隔に着磁する
ことが非常に困難になるという問題がある。
【0003】そこで,上述の問題を解決する方法が、本
願出願人より特願2000−150834号のように出
願されいる。該出願の概要は,ハイブリッド形ステップ
モータのロータコアとステータコアと同様の電磁構造を
備え,軸方向にNS極を着磁した永久磁石を挟持させた
ロータコアの外周突起と空隙を介して対向するステータ
コア主磁極の先端突起の重なり具合による磁気抵抗変化
により,ステータコア主磁極に生じる磁束変化を,集磁
チップを介して,磁気変換素子に与え、該磁気変換素子
より電気信号として検出するように構成されている。
【0004】磁気変換素子としてホール素子を使用する
と,ロータコア外周突起から出る磁束はロータ磁極が軸
方向にNS極を着磁してあるので単極であるため直流電
圧が重畳した電圧出力となる。この直流電圧が重畳して
いる電圧は,ホール素子の温度特性により大きく変化す
るため,そのままロータの位置センサとして使用するこ
とができない。この問題を解決するため、電気角で18
0°位相のずれた第二のホール素子を配置し,基準とな
る第一のホール素子と第二のホール素子の出力電圧を比
較することで,ホール素子の温度特性による影響を低減
し位置信号パルスを生成するというようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した先願の方式で
は,電気角が180°異なる位置に配置された対となる
2個の磁気変換素子の出力である2相の交流電圧の交点
を検出しているので,出力パルスは相数分しか得ること
ができないので,出力パルス数が少なく,位置検出の分
解能が低くなるという問題がある。また,対となるホー
ル素子出力電圧に直流成分が重畳されているため,両者
のホール素子出力電圧の交流成分と直流成分が一致する
ように調整する必要があり,調整するための半固定抵抗
器の配置や調整時間等の問題が生じる。
【0006】
【課題を解決するための手段】磁性体で形成されその外
周に複数の歯状突起を設けた2個の回転子磁極板を、該
歯状突起の凹凸を合わせ、軸方向にNS2極を着磁した
永久磁石を挟持して回転軸に固着した回転子と、前記2
個の回転子磁極板と夫々空隙を介してその内周に対向
し、磁性体で形成されたほぼ円環状ヨークの内周に複数
の歯状突起を設けた複数個の主磁極を等配して設けた2
個の固定子板を、該固定子主磁極先端の歯状突起の凹凸
と該固定子主磁極自体を合わせて、2組の該固定子主磁
極を軸方向に空隙を設けて対向させ配置し、該2個の固
定子板の軸方向に対向する主磁極の間に集磁チップを介
して磁気変換素子を設けた磁気エンコーダで、電気角で
180度位置の主磁極に配置された2個の磁気変換素子
の出力電圧の交点から出力信号を得る磁気エンコーダに
おいて、前記電気角で180度の位置に配置された2個
の磁気変換素子を対とし、2n(nは正の整数)個の磁
気変換素子を具備し、前記2n個の磁気変換素子中の1
個の出力電圧を基準とし、他の(2n―1)個の磁気変
換素子の出力電圧を前記基準の出力電圧と一致するよう
に調整回路により調節し、全部の磁気変換素子の調節さ
れた出力電圧の交点より2n相の出力パルスを得るよう
に構成し課題を解決する。
【0007】そして、調整回路として磁気変換素子の出
力電圧を増幅するため増幅器と、該増幅器の出力電圧を
調整するための可変抵抗器とを備えるように構成されて
いる。
【0008】また,前記2n−1個の磁気変換素子出力
電圧の交流成分及び直流成分を一致させるため,増幅器
の出力電圧を調整するための可変抵抗器は、半導体製法
で製作された複数の直列接続から成る抵抗端子の接続点
を選択することで可変し、その設定値を不揮発性メモリ
で保存するような構成の半導体可変抵抗器を使用する。
【0009】
【実施例】以下図面によって本発明の実施例について説
明する。磁性体で形成されその外周に複数の歯状突起を
設けた2個の回転子磁極板を、該歯状突起の凹凸を合わ
せ、軸方向にNS2極を着磁した永久磁石を挟持して回
転軸に固着した回転子と、前記2個の回転子磁極板と夫
々空隙を介してその内周に対向し、磁性体で形成された
ほぼ円環状ヨークの内周に複数の歯状突起を設けた複数
個の主磁極を等配して設けた2個の固定子板を、該固定
子主磁極先端の歯状突起の凹凸と該固定子主磁極自体を
合わせて、2組の該固定子主磁極を軸方向に空隙を設け
て対向させ配置し、該2個の固定子板の軸方向に対向す
る主磁極の間に集磁チップを介して磁気変換素子を設け
た磁気エンコーダで、電気角で180度位置の主磁極に
配置された2個の磁気変換素子を対とし、2n(nは正
の整数)個の磁気変換素子を具備する2n相の磁気エン
コーダにおいて、今、n=2の相の場合について説明
すると、磁気変換素子の数は2n即ち4個で、固定子の
主磁極の数も4個である。図7は、この配置の概略を示
す図で、20が固定子ヨーク、21から24が主磁極で
90度間隔で配置され、主磁極21に磁気変換素子A
が、主磁極22に磁気変換素子Bが、主磁極23に磁気
変換素子aが、主磁極24に磁気変換素子bが装着され、
25(26)が回転子磁極で永久磁石27を挟持して回
転軸29に固着され、回転子磁極25(26)の外周と
主磁極の内周には夫々複数の歯状の突起が設けられてい
る。
【0010】図8は図7のA―A’線に沿った固定子主
磁極21と、回転子磁極25(26)と磁気変換素子A
との間の磁束の流れを示す模式図で、回転子に設けられ
た永久磁石27より発する磁束が矢印のように流れ、回
転子が回転することにより主磁極と回転子磁極の夫々に
設けられた歯状突起の重なり方が変化し磁気変換素子に
加えられる磁束が正弦波状に変化し各磁気変換素子(以
下ホール素子と記載)の出力電圧は図1に示すようにな
る。
【0011】図1において、1−AはA相出力電圧、1
−BはB相出力電圧、1−相出力電圧、1−
相出力電圧で、A相電圧とB相電圧は電気角で90度
の位相差があり、A相電圧と相電圧、及びB相電圧と
相電圧は夫々電気角で180度の位相差がある。そし
て、ホール素子に加えられる磁束は回転子の永久磁石の
片方の磁極から発する磁束を主磁極と回転子磁極とに設
けられた歯状突起の重なりが回転子の回転に伴い変調し
て得られる交流成分と直流成分が重畳しているため、ホ
ール素子の出力電圧にも直流成分が重畳している。又、
ホール素子の積感度及び不平衡電圧が素子毎にバラツキ
があるので、各相の出力電圧も異なる値を示している。
【0012】そのため、各ホール素子の出力電圧を調整
する出力電圧処理回路を設ける。図2は,本発明におけ
る出力電圧処理回路のブロック図である。図2におい
て、ホール素子と同数の増幅器2及び3と、其の数より
1個少ない半導体可変抵抗器4と、基準電圧発生装置5
と、差動増幅器6と、比較回路7とにより構成される。
【0013】基準となるA相のホール素子の出力を増幅
器2に入力し増幅器2の出力を差動増幅器6に入力す
る。A相以外の相、B相、相のホール素子の出力を
夫々の増幅器3に入力し各増幅器3の出力を夫々の半導
体可変抵抗器4に入力し、各半導体可変抵抗器4の出力
を差動増幅器6に入力すると共に基準電圧5の出力を差
動増幅器6と比較器7に入力する。比較器7においては
差動増幅器6の出力と基準電圧とを比較して出力パルス
を得るようになっている。
【0014】そして図2に示した出力電圧処理回路を次
に示すように調整する。基準となるA相のホール素子の
出力電圧を、増幅器2により必要な大きさとなるように
増幅する。次に、A相以外のB相、相、相の各ホー
ル素子の出力電圧を夫々の増幅器3により、基準となる
A相の増幅器2の出力電圧より少し大きくなるように増
幅する。図3は,増幅された後の出力電圧で,8−Aは
A相出力電圧,8−BはB相出力電圧,8−相出
力電圧,8−相出力電圧である。
【0015】次に,図2の半導体可変抵抗器4によっ
て,増幅器3の出力電圧8−B,8−,8−を分圧
して基準であるA相の増幅器2の出力電圧8−Aに一致
させ,その時の各半導体可変抵抗器4の設定した抵抗値
内蔵した不揮発性メモリに記憶して分圧値を一定に保
つ。図4は,A相に他相の出力電圧を一致させた時の出
力電圧で,9−BはB相出力電圧,9−相出力電
圧,9−相出力電圧である。
【0016】これらのA相に他相の出力電圧を一致させ
た時の出力電圧と基準電圧5を差動増幅器6に入力し、
A相とB相,A相と相,A相と相,B相と相の差
動出力電圧を得る。図5は,その出力電圧で,10−A
BはA相とB相の差動出力電圧,10−AはA相と
相との差動出力電圧,10−AはA相と相との差動
出力電圧,10−BはB相と相との差動出力電圧で
あり,基準電圧Vref5を中心に変化する電圧波形と
なる。
【0017】次に,差動増幅器6の差動出力電圧10グ
ループと基準電圧Vref5を比較回路7に入力し、差
動出力電圧10グループと基準電圧Vref5との交点
を比較器7により検出すると図6に示すようになる。即
ち、図6は比較器7の出力電圧を示し、基準となるA相
の出力電圧8−Aと180度の位相差の出力電圧9−
との交点よりパルス信号11aが、B相の出力電圧9−
Bと180度の位相差の出力電圧9−との交点よりパ
ルス信号11cが、出力電圧8−Aと90度位相差の出
力電圧9−との交点よりパルス信号11bが,出力電
圧8−Aと90度の位相差の出力電圧9−Bとの交点よ
りパルス信号11dが得られる。図6から,パルス信号
11の立ち上がり及び立ち下がりのエッジは,各相同士
の交点と一致しているので,パルス信号11がロータ磁
極位置を表し,磁気エンコーダの出力パルスとなる。
【0018】本発明は,n(nは2以上の整数)相の出
力電圧をもつものであれば,上述した相の実施例と同
様に適用可能であることも言うまでもない。
【0019】上記実施例の形態に例示した本発明の磁極
位置検出器の特徴について列挙する。(a)直流成分が
重畳しバラツキのある正弦波状の出力電圧を,ある基準
相に他の全相の感度を合わせることによって,出力電圧
の全ての交点を利用でき,出力パルス数を増加できる。 (b)出力を一致させるための可変抵抗器に,半導体可
変抵抗を使用することによって,感度調整の自動化が可
能である。 (c)半導体可変抵抗器は,電圧分割器として使用する
場合,温度依存性は安定で,振動にも強いため,設定値
の環境・経時変化に対する信頼性が期待できる。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく,本発明の磁
気エンコーダは, バラツキのあるホール素子の出力電
圧から,デューティ比50%の精度良い出力パルスを生
成することが可能で,出力電圧の全ての交点を利用する
ので,出力パルス数を多くできる。又、デューテイ比が
50%となるように自動調整する装置を用いることによ
り調整を自動化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に成る2相磁気エンコーダのホール素子
の出力電圧波形図である。
【図2】本発明に成る2相磁気エンコーダの出力電圧処
理回路のブロック図である。
【図3】本発明に成る2相磁気エンコーダのホール素子
の出力を増幅した後の出力電圧波形図である。
【図4】本発明に成る2相磁気エンコーダの増幅後の出
力を一致させた時の出力電圧波形図である。
【図5】本発明に成る2相磁気エンコーダの一致した各
相出力間の差動出力電圧波形図である。
【図6】本発明に成る2相磁気エンコーダから生成した
位置信号波形と2相のホール出力電圧との関係図であ
る。
【図7】本発明に成る2相磁気エンコーダの回転子、固
定子、磁気変換素子の配置を示す構造略図である。
【図8】図7における永久磁石と回転子磁極と固定子主
磁極と磁気変換素子との間の磁束の流れを模式的に示す
説明図である。
【符号の説明】
1 出力電圧処理回路 1−A・・・A相のホール素子の出力電圧波形 1−B・・・B相のホール素子の出力電圧波形 1−・・・相のホール素子の出力電圧波形 1−・・・のホール素子の出力電圧波形 2・・・増幅器 3・・・増幅器 4・・・半導体可変抵抗器 5・・・基準電圧 6・・・差動増幅器 7・・・比較器 8−A・・・増幅器2のA相出力電圧波形 8−B・・・増幅器3のB相出力電圧波形 8−・・・増幅器3の相出力電圧波形 8−・・・増幅器3の相出力電圧波形 9−B・・・半導体可変抵抗器4によって分圧されたB
相出力電圧波形 9−・・・半導体可変抵抗器4によって分圧された
相出力電圧波形 9−・・・半導体可変抵抗器4によって分圧された
相出力電圧波形 10−A・・・差動増幅器6のA相と相との差動出
力電圧波形 10−AB・・・差動増幅器6のA相とB相の差動出力
電圧波形 10−A・・・差動増幅器6のA相と相との差動出
力電圧波形 10−B・・・差動増幅器6のB相と相との差動出
力電圧波形 11a〜11d・・・比較器7の出力電圧波形(位置信
号波形) 20 固定子ヨーク 21〜24 固定子主磁極 25、26 回転子磁極板 27 永久磁石 28 集磁チップ 29 回転子軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−12585(JP,A) 特開 平10−311741(JP,A) 特開 平8−181616(JP,A) 特開 平9−126812(JP,A) 特開2000−230840(JP,A) 特開 平7−174583(JP,A) 特開 昭57−7562(JP,A) 実開 昭59−104069(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/00 - 5/62 G01B 7/00 - 7/34 G01P 1/00 - 3/80

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体で形成されその外周に複数の歯状突
    起を設けた2個の回転子磁極板を、該歯状突起の凹凸を
    合わせ、軸方向にNS2極を着磁した永久磁石を挟持し
    て回転軸に固着した回転子と、前記2個の回転子磁極板
    と夫々空隙を介してその内周に対向し、磁性体で形成さ
    れたほぼ円環状ヨークの内周に複数の歯状突起を設けた
    複数個の主磁極を等配して設けた2個の固定子板を、該
    固定子主磁極先端の歯状突起の凹凸と該固定子主磁極自
    体を合わせて、2組の該固定子主磁極を軸方向に空隙を
    設けて対向させ配置し、該2個の固定子板の軸方向に対
    向する主磁極の間に集磁チップを介して磁気変換素子を
    設けた磁気エンコーダで、電気角で180度位置の主磁
    極に配置された2個の磁気変換素子の出力電圧の交点か
    ら出力信号を得る磁気エンコーダにおいて、前記電気角
    で180度の位置に配置された2個の磁気変換素子を対
    とし、2n(nは正の整数)個の磁気変換素子を具備
    し、前記2n個の磁気変換素子中の1個の出力電圧を基
    準とし、他の(2n―1)個の磁気変換素子の出力電圧
    を前記基準の出力電圧と一致するように調整回路により
    調節し、全部の磁気変換素子の調節された出力電圧の交
    点より出力パルスを得るように構成されていること、を
    特徴とする2n相の磁気エンコーダ。
  2. 【請求項2】磁気変換素子の出力電圧を調整する回路
    は、出力電圧を増幅するための増幅器と、該増幅器の出
    力電圧を調整するための可変抵抗器とを備え、該可変抵
    抗器が、半導体製法により製作された複数個の抵抗素子
    を接続し、その接続点をパルス信号で選択して抵抗値を
    設定し、該設定された抵抗値を、内蔵した不揮発性記憶
    素子に記憶せしめるように構成された半導体可変抵抗器
    であること、を特徴とする請求項1に記載の磁気エンコ
    ーダ。
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