JPH07103299B2 - 微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物 - Google Patents

微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物

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JPH07103299B2
JPH07103299B2 JP3360368A JP36036891A JPH07103299B2 JP H07103299 B2 JPH07103299 B2 JP H07103299B2 JP 3360368 A JP3360368 A JP 3360368A JP 36036891 A JP36036891 A JP 36036891A JP H07103299 B2 JPH07103299 B2 JP H07103299B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物分解性熱可塑性
樹脂とポリオレフィン系樹脂からなる微生物崩壊性を有
する新規な樹脂成形物に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】最近、欧米において廃棄物
処理に関連して、プラスチックの包装材料としての使用
禁止や規制の動きが活発化している中で、米国などでは
プラスチックに澱粉を混ぜた崩壊性プラスチックが実用
化されている。この場合の崩壊は、プラスチック中の澱
粉が微生物により分解されることによって起こる。しか
し、この澱粉混入プラスチックは澱粉の混入量が少ない
場合には崩壊せず、一方、多量に混入した場合では崩壊
は起こるものの、プラスチック中の澱粉が粒子状で可塑
性を有しないことから、得られたシートの機械物性や、
容器等への二次加工性は澱粉末混入のプラスチックに比
べて著しく劣るという問題があり、また用途的にも二次
加工をあまり必要としない、フィルム、袋に限られてい
た。本発明者らは、先に、前記従来公知の微生物崩壊性
プラスチックの欠点を改善したものとして、微生物分解
性熱可塑性樹脂中にポリオレフィン系樹脂を混合分散さ
せた微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物を提案した(特願
平2−281317号)。この成形物においては、微生
物分解性熱可塑性樹脂とポリオレフィン系樹脂の配合割
合でその成形物の最終崩壊率は決まり、また、その崩壊
速度も決まってしまう。従って、この成形物の場合に
は、高い最終崩壊率を得ようとして微生物分解性熱可塑
性樹脂の配合割合を高くすると、必然的にその崩壊速度
も速くなってしまう。そして、崩壊速度が高くなりすぎ
ると、使用に際してその成形物の物性劣化が起るという
問題を生じる。一方、微生物との接触機会の多い成形物
においては、使用に際しての成形物の物性劣化を回避す
るために、その最終崩壊率を変えずに、崩壊速度のみを
遅くすることが要望されるが、本発明者らが先に提案し
た前記成形物では、この点の要望を満たすものではなか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、最終崩壊率
を高くしても、崩壊速度を低く抑制することのできる微
生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物を提供することをその課
題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、微生物分解性熱可塑
性樹脂をマトリックス樹脂とし、そのマトリックス樹脂
中にポリオレフィン系樹脂が混合分散した微生物崩壊性
熱可塑性樹脂成形物において、該ポリオレフィン系樹脂
の少なくとも一部が、変性ポリオレフィン系樹脂である
ことを特徴とする微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物が提
供される。
【0005】本発明における微生物分解性熱可塑樹脂
(以下、単に微生物分解性樹脂ともいう)としては、従来
公知のものが示され、例えば、脂肪族ポリエステル樹脂
や、脂肪族ポリエステルに低分子量のポリアミドをブロ
ック的に共重合させたもの、ポリビニルアルコール等が
挙げられる。脂肪族ポリエステル樹脂には、脂肪族系の
2価カルボン酸を含む多価カルボン酸と、脂肪族系ジオ
ールを含む多価アルコールとの重縮合物、ヒドロキシ脂
肪族カルボン酸の重縮合物、ラクトンの開環重合物が包
含され、その具体例としては、例えば、エチレンジアジ
ペート、プロピオラクトン、カプロラクトン、β-ヒド
ロキシ酪酸等から誘導される単独重合体や共重合体が例
示される。これらの重合体は、2種以上を混合して用い
ることができる。また、これらの重合体はいずれもリパ
ーゼの作用によって加水分解されるものである。本発明
におけるポリオフレィン系樹脂としては、分岐低密度ポ
リエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、プロピレン−エチ
レン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等が挙げら
れる。
【0006】本発明における変性ポリオレフィン系樹脂
としては、カルボニル基含有エチレン系不飽和単量体を
グラフト共重合体、ブロック共重合、ランダム共重合あ
るいは末端処理等の手段でポリオレフィン樹脂の主鎖又
は側鎖に導入したものである。カルボニル基含有エチレ
ン系不飽和単量体としては、例えば、カルボン酸、カル
ボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、カ
ルボン酸アミド、カルボン酸イミド、アルデヒド、ケト
ン等を単独で、あるいはシアノ基、ヒドロキシ基、エー
テル基、オキシラン環等との組合せて含むものが例示さ
れる。これらの具体例を示すと、次の通りである。アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロト
ン酸、イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボン酸等のエチレン系不飽和カルボン
酸;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボル
ネン−2,3−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水
フタル酸等のエチレン系不飽和無水カルボン酸;アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、マレイミド等のエチレン
系不飽和アミド又はイミド;アクロレン、メタクロレイ
ン、ビニルメチルケトン、ビニルブチルケトン等のエチ
レン系不飽和アルデヒド又はケトン;アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、マレイン酸モノ又はジ−エチル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、γ−ヒドロキシメタクリル酸プロピ
ル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、β−N−エチル
アミノエチルアクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート等のエチレン系不飽和エステル等。本発明
で用いる変性ポリオレフィン系樹脂におけるカルボニル
基含有エチレン系不飽和単量体の含有量は、0.01〜
45重量%、好ましくは0.5〜40重量%である。
【0007】本発明の樹脂成形物は発泡及び非発泡のも
のを包含する。非発泡樹脂成形物は、微生物分解性樹脂
がマトリックス樹脂となり、その中に(1)変性ポリオ
レフィン系樹脂又は(2)変性ポリオレフン系樹脂とポ
リオレフィン系樹脂(以下、これらの樹脂(1)及び
(2)を単にポリオレフィン系樹脂とも言う)を混合分
散したものである。すなわち、ポリオレフィン系樹脂が
微生物分解性樹脂によって覆われた構造を有する。従っ
て、このような樹脂成形物は、表面部が微生物分解性樹
脂からなり、また、表面部が微生物分解した後に露出す
る新表面も同様に微生物分解性樹脂であるので、微生物
分解性のないあるいは劣ったポリオレフィン系樹脂を含
むにもかかわらず、全体としてすぐれた微生物崩壊性を
示すものである。前記の如き微生物分解性樹脂をマトリ
ックスとする成形物は、微生物分解性樹脂とポリオレフ
ィン系樹脂との溶融混練物を、適当な形状に成形するこ
とによって得ることができる。本発明において、前記溶
融混練物を成形する場合、その成形は、押出成形法を採
用するのが好ましい。本発明の非発泡樹脂成形物を得る
場合、溶融混練物は、下記式(1)及び式(2)を満足
する条件で押出機先端のダイスから低圧帯域へ押出すこ
とが好ましい。これによって微生物分解性樹脂がマトリ
ックスとなった成形物を容易に得ることができる。 10>η(B)/η(A)≧1 (1) (好ましくは5>η(B)/η(A)≧1) η(A)≧500 (2) 前記式中、η(A)は押出温度での微生物分解性樹脂の粘
度(ポイズ)を示し、η(B)は押出温度でのポリオレフ
ィン系樹脂の粘度(ポイズ)を示す。前記式(1)及び
(2)で表わされる押出条件は、微生物分解性樹脂やポ
リオレフィン系樹脂の分子量を含む具体的種類を選ぶこ
とによって得ることができる他、複数の微生物分解性樹
脂混合物の成分組成や、複数のポリオレフィン系樹脂混
合物の成分組成を適当に選定することによって得ること
ができる。
【0008】本発明における非発泡樹脂成形物中の微生
物分解性樹脂の割合は25〜70重量%、好ましくは3
0〜65重量%、ポリオレフィン系樹脂の割合は75〜
30重量%、好ましくは70〜35重量%である。ま
た、ポリオレフィン系樹脂中の変性ポリオレフィン系樹
脂の割合は、得られる成形物の目的とする崩壊速度に応
じて決定され、変性ポリオレフィン系樹脂の割合が高く
なるほど成形物の崩壊速度は低下する変性ポリオレフィ
ン系樹脂の割合は、通常は0.5〜100重量%、好ま
しくは3〜100重量%の範囲にするのがよい。成形物
の崩壊は微生物分解性樹脂が微生物によって分解される
ことによって起こるために、その配合量は多い方がより
崩壊されやすい。しかしその割合が前記範囲を超える
と、成形物の機械物性が悪化し、実用に耐えなくなる。
一方、その樹脂の割合が前記範囲より少ない場合は、η
(B)/η(A)を大きくしても、微生物分解性樹脂をマトリ
ックスとする成形物が得られず、得られる成形物は微生
物崩壊性に劣ったものとなり易い。また、微生物分解性
樹脂の押出温度での粘度が500ポイズ未満である時に
は、押出しによる成形物の製造が困難になる。さらに、
η(B)/η(A)≧10と大きい場合には、微生物分解性樹脂
とポリオレフィン系樹脂との粘度差が大きすぎて、両者
の混合に不都合を生じる。η(B)/η(A)が1より小さい時
には、微生物分解性樹脂をマトリックスとする成形物が
得られなくなる。本発明の非発泡樹脂成形物は、他の補
助成分を含むことができる。例えば、機械的強度を高め
るための無機充填剤や、微生物分解性樹脂とポリオレフ
ィン系樹脂との相溶性を高めるための相溶化剤を用いる
ことができる。相溶化剤としては、微生物分解性樹脂と
ポリオレフィン系樹脂の共重合体がある。このような高
分子相溶化剤は、ポリオレフィン系樹脂と同等に取扱わ
れ、その押出温度での粘度ηCも、10>η(C)/η(A)≧1
の条件を満たす必要がある。また、その配合割合は、ポ
リオレフィン系樹脂の割合に算入される。
【0009】本発明の発泡樹脂成形物を得る場合、溶融
混練物には発泡剤を含有させ、押出機先端のダイスから
低圧帯域へ押出するのが好ましい。この場合、発泡剤注
入直前における溶融混練を下記の式(3)及び式(4)
を満足する条件で行うことにより、独立気泡率が高くか
つ表面に凹凸のない高品質の発泡体を得ることができ
る。 0.6≦η(B)/η(A)≦5 (3) η(A)≦500 (4) 式中、η(A)は発泡剤注入直前の溶融混練物温度での微
生物分解性樹脂の溶融粘度(ポイズ)を示し、η(B)は
発泡剤注入直前の溶融混練温度でのポリオレフィン系樹
脂の溶融粘度(ポイズ)を示す。尚、上記式(1)及び
(3)におけるη(B)/η(A)の値は、一般的に微生物分
解性樹脂の混合割合が少なくなるほど上記範囲で大きく
することが望ましい、従って、各々の配合割合における
好ましい値を予備実験により求めておく必要がある。前
記発泡剤としては、脂肪族炭化水素やハロゲン化炭化水
素あるいは分子中に水素原子を1個以上有するフロンガ
スが単独又は混合して用いられる。脂肪族炭化水素の具
体例として、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソ
ブタン、ペンタン、イソペンタン等が挙げられ、ハロゲ
ン化炭化水素としては、それら脂肪族炭化水素の塩素又
は臭素置換体が挙げられる。また、分子中に水素原子を
1個以上有するフロンガスとしては、クロロジフロロメ
タン、トリフロロメタン、1,2,2,2-テトラフロロエタ
ン、1-クロロ-1,1-ジフロロエタン、1,1,-ジフロロエタ
ン、1-クロロ-1,2,2,2-テトラフロロエタン等が挙げら
れる。上記の如き発泡剤を使用するに際しては、沸点
(1気圧下)が80℃以下のものを選択する必要があ
る。上記沸点が80℃を越えるものでは、発泡効率が劣
り不経済である。特に発泡剤としては、上記沸点範囲が
−20〜20℃のものを主成分として選択することが望
ましい。
【0010】発泡成形物を得る場合、微生物分解性樹脂
とポリオレフィン系樹脂の使用割合は、両者の合計量に
対して、微生物分解性樹脂:25〜70重量%、好まし
くは30〜65重量%、ポリオレフィン系樹脂:75〜3
0重量%、好ましくは70〜35重量%の割合である。前
記の樹脂の割合が前記範囲より少なくなると、得られる
発泡体の崩壊性が低下し、一方、前記範囲より多くなる
と得られる発泡体にフィッシュアイが発生するようにな
る。ポリオレフィン系樹脂中の変性ポリオレフィン系樹
脂の割合は、前記と同様に、通常0.5〜100重量
%、好ましくは3〜100重量%である。発泡剤の使用
割合は、微生物分解性樹脂とポリオレフィン系樹脂の合
計量100重量部に対し、1〜60重量部、好ましくは
2〜50重量部であり、所望する発泡体の密度に応じて
適当に定める。発泡成形法としては、以下に示す如き従
来公知の各種の方法が挙げられる。 押出発泡成形法 発泡剤と樹脂と必要に応じて添加剤とを押出機内で溶融
混練し、次いで押出機先端に位置するダイスを通して低
圧下に押出す方法であり、目的に応じてフィルム状、シ
ート状、あるいは板状に押出し成形される。フィルム状
及びシート状のものはその後袋や容器などに加熱成形さ
れる。 アキューム発泡成形法 発泡剤と樹脂と必要に応じて添加剤とを押出機内で溶融
混練し、次いでこれ等を発泡の生じない条件でアキュー
ムレターに蓄積して一旦保持した後、低圧下に排出する
方法であり、通常は板状に押出し成形される。 射出発泡成形法 発泡剤と樹脂と必要に応じて添加剤とを押出機内で溶融
混練し、次いで押出機先端に取り付けられた所望の形状
を有する金型内に射出する方法であって、金型に内形状
に合致した成形品が得られる。
【0011】発泡成形における押出機内における溶融混
練において、η(B)/η(A)が5を超える場合や、0.6
未満の場合には、得られる発泡体の独立気泡率が低下す
るとともに、発泡体表面に凹凸が目立つようになる。好
ましいη(B)/η(A)の範囲は0.7〜3である。なお、
η(A)及びη(B)は、微生物分解性樹脂及びポリオレフィ
ン系樹脂のそれぞれの温度と溶融粘度との関係をあらか
じめフローテスタ等により測定したデータに基づいて決
めることができる。本発明において、微生物崩壊性の良
好な発泡成形物を得るには、発泡成形物には、十分な発
泡構造を保持させることが必要である。本発明者らの研
究によれば、発泡成形物の見掛け密度を、一般的には、
0.5g/cm3以下、好ましくは0.3〜0.01g
/cm3及び発泡成形物を構成する平均気泡膜厚を1〜
100μmに規定することによって、微生物崩壊性の良
好な発泡成形物が得られることを見出した。上記発泡成
形物において見掛け密度が0.5g/cm3より大きな
場合には良好な微生物崩壊を示さない。一方、上記気泡
の平均膜厚が100μmを超える場合には、発泡成形物
の崩壊速度が低下し、1μmより薄い場合には、その発
泡成形物は連続気泡構造部分が多くなり、二次加工時に
種々の問題が発生する(例えば二次発泡力が弱く、シー
トの加熱成形不良を起こしたりする)。また、発泡成形
物中の独立気泡率は80%以上、好ましくは90〜10
0%の範囲である。
【0012】発泡成形物の密度及び気泡膜厚は、上記し
た如く発泡剤の使用量及びいわゆる気泡核剤の使用量に
より容易に調整することができる。この気泡核生成剤と
しては、たとえば、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、クレー、天然ケイ酸、カーボンブラック、ホ
ワイトカーボン、シラス、石膏の如き無機物質、あるい
は押出機内の温度で分解してガスを発生する重炭酸ナト
リウム、炭酸アンモニウム、アジド化合物、アゾビスイ
ソブチルニトリル、ジアゾアミノベンゼン、ベンゼンス
ルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルヒドラジ
ドまたは該温度で反応して炭酸ガスを発生する酸−アル
カリの組合わせ、たとえば、クエン酸のモノアルカリ金
属塩と炭酸のアルカリ金属塩、クエン酸のモノアルカリ
金属塩と重炭酸のアルカリ金属塩の如き化学発泡剤であ
る。
【0013】上記無機物質を気泡核剤として使用する場
合には、樹脂100重量部に対して0.01重量部以上
5重量部未満である。また、上記化学発泡剤を気泡核剤
として使用する場合には、同様に0.05〜5重量部で
ある。本発明においては、発泡成形物中に全樹脂100
重量部に対して上記で例示した無機物質からなる充填材
を5〜80重量部配合することが望ましい。この様に多
量に充填材を発泡成形物中に配合させたものは微生物に
よる崩壊がいっそう促進される。特に多量に充填材を使
用する場合には、発泡成形方法としては、前記の押出発
泡成形法、アキューム発泡成形法あるいは射出発泡成形
法を採用することが望ましい。
【0014】さらに、本発明においては、樹脂に対し
て、必要に応じ、発泡に際しての発泡剤の樹脂から急速
な透過を防いで発泡体の収縮を抑制するために、収縮防
止剤を添加することもできる。このようなものとして
は、例えば、ポリオキシエチレンモノミリステート、ポ
リオキシプロピレンモノミリステート、ポリオキシエチ
レンモノパルミテート、ポリオキシプロピレンモノパル
ミテート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリ
オキシプロピレンモノステアレート、ポリオキシエチレ
ンジステアレート、モノラウリン酸グリセライド、モノ
ミノスチン酸グリセライド、モノパルミチン酸グリセラ
イド、モノステアリン酸グリセライド、モノアラキン酸
グリセライド、ジラウリン酸グリセライド、ジパルミチ
ン酸グリセライド、ジステアリン酸グリセライド、1-パ
ルミト-2-ステアリン酸グリセライド、1-ステアロ-2-ミ
リスチン酸グリセライド、トリステアリン酸グリセライ
ド等の各種脂肪族エステルが挙げられる。
【0015】
【発明の効果】本発明による樹脂成形物は、良好な微生
物崩壊性を有するものである。このような微生物崩壊性
は、微生物分解性樹脂の混入と、成形物の特定内部構造
によって発現されるものである。本発明の微生物崩壊性
樹脂成形物は、廃棄後は微生物の存在する環境において
容易に崩壊し、その嵩を減少させることができるため、
廃棄物処理問題の解決に有効な手段を与えるものであ
る。また、この成形物は、廃棄後回収もれにより自然環
境中に放置されても、微生物により崩壊されるため、自
然界の動植物の生命を危険にさらすことはない。本発明
の樹脂成形物において、その崩壊速度は、変性ポリオレ
フィン系樹脂の種類及び含有率によって調節することが
でき、一方、その最終崩壊率は、微生物分解性樹脂の含
有率によって調節することができる。即ち、本発明の場
合、微生物分解性樹脂の含有率を一定に保持し、一定の
最終崩壊率を示すように設計した成形物において、その
崩壊速度をポリオレフィン系樹脂中の変性ポリオレフィ
ン樹脂の含有率によって調節することができる。この場
合、変性ポリオレフィン系樹脂の含有率が高くなるにつ
れて、その崩壊速度は低下する。従って、本発明によれ
ば、その使用に際しては十分な機械的物性を保持し、一
方、その廃棄物とした際には十分な微生物崩壊性を有す
る成形物を得ることができる。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1 ポリカプロラクトン(PCL)、低密度ポリエチレン
(LDPE)及び変性ポリオレフィンを表1の割合で配
合し、この配合物を、押出機内で溶融混練し、この溶融
混練物を押出温度160℃において、□径3mmの開口
をもつダイスから押出成形し、直径約4mmの円柱状成
形体を得た。次に、この成形体について、その微生物崩
壊性を以下のようにして測定した。その結果を表1に示
す。
【0017】(微生物崩壊性試験) オリーブ油から1分間に130μmoleの脂肪酸を生
成することができる力価をもつリパーゼ溶液0.3m
l、リン酸緩衝液(pH7)を2ml、界面活性剤(第
一工業製薬(株)製の商品名「プライサーフA210G」
1ml、水16.7ml及び試料(各配合比において、
ポリカプロラクトンの量は常に100mg)を100m
l三角フラスコに入れて、30℃で最終的に16時間反
応させ、4、8、12及び16時間後における反応後生
成した有機物量を全有機炭素濃度計でそれぞれ測定し
た。測定に際し、対照実験として同じ方法でリパーゼ溶
液を使用しないものも実施し、測定値を補正した。な
お、表1に示した押出条件において、η(A)は押出温度
でのPCLの溶融粘度を示し、η(B)は押出温度でのL
DPEと変性ポリオレフィンとの混合物あるいは変性ポ
リオレフィン単独の粘度を示す。また、変性ポリオレフ
ィンにおいて、MDPE(I)は、低密度ポリエチレン
にグリシジルメタクリレートをグラフト共重合させたも
の(日本石油化学社製、日石レクスパールRA−315
0)であり、MDPE(II)は、低密度ポリエチレンに
無水マレイン酸をグラフト共重合させたもの(三井石油
化学社製、アドマーLF300)である。また、溶融粘
度η(A)及びη(B)の測定は、各々島津フローテスタCF
T−500型A(島津製作所製)を使用して行った。測
定温度は160℃とした。
【0018】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/26 LDA 29/12 LGY 51/06 LLE 101/00 LSZ // C08L 67:00 審査官 冨士 良宏 (56)参考文献 特開 平1−95140(JP,A) 特開 平3−285931(JP,A) 特開 平4−182112(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物分解性熱可塑性樹脂をマトリック
    ス樹脂とし、そのマトリックス樹脂中にポリオレフィン
    系樹脂が混合分散した微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物
    において、該ポリオレフィン系樹脂の少なくとも一部
    が、変性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする
    微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物。
JP3360368A 1991-12-28 1991-12-28 微生物崩壊性熱可塑性樹脂成形物 Expired - Lifetime JPH07103299B2 (ja)

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