JPH07103039A - 触媒の劣化状態検出装置 - Google Patents

触媒の劣化状態検出装置

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JPH07103039A
JPH07103039A JP5253890A JP25389093A JPH07103039A JP H07103039 A JPH07103039 A JP H07103039A JP 5253890 A JP5253890 A JP 5253890A JP 25389093 A JP25389093 A JP 25389093A JP H07103039 A JPH07103039 A JP H07103039A
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JP
Japan
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fuel ratio
air
catalyst
amplitude
cycle
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Application number
JP5253890A
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English (en)
Inventor
Yukihiro Yamashita
山下  幸宏
Shigenori Isomura
磯村  重則
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒の劣化状態を数量的な情報として得て空
燃比制御への応用範囲を拡大し、かつ、劣化状態を直接
的に検出して信頼性の高い検出結果を得る。 【構成】 ディザ振幅λDZA 及びディザ周期TDZA を劣
化検出補正量β,γにより順次増大補正して、それによ
りO2 センサの出力電圧VOX2から求めた偏差ΔVO
X2が変動判定値χ以上となったとき、その時点の劣化
検出補正量β,γに基づいて三元触媒の劣化状態を判定
する。よって、三元触媒の劣化状態が数量的な情報とし
て得られるとともに、三元触媒を実際に飽和状態に至ら
せるため、劣化状態を直接的に判定可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、触媒の劣化状態検出装
置に関するもので、特に、内燃機関の排気系に設けられ
て排気ガスを浄化する触媒の劣化状態を検出する装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の触媒の劣化状態検出装置
として、特開昭61−286550号公報に記載のもの
を挙げることができる。
【0003】この劣化状態検出装置は、触媒の上流側に
おける排気ガス中の酸素濃度の変動が、触媒の劣化によ
る吸着能力の低下に伴って下流側で次第に明確に表れる
点に着目し、触媒の下流側に設けられた酸素濃度センサ
(以下、単に『O2 センサ』という)の出力電圧が予め
設定された所定値を越えて変動し、かつ、その変動周期
が別の所定値より短くなった場合を累積して、その累積
回数が所定回数に達したときに触媒の劣化判定を下して
いる。
【0004】また、従来の別の劣化状態検出装置とし
て、特開平3−253714号公報に記載のものを挙げ
ることができる。
【0005】この劣化状態検出装置は、触媒の上流側と
下流側にそれぞれO2 センサを設けて、空燃比がリッチ
からリーンに変動したときの上流側のO2 センサの応答
遅れ時間と下流側のO2 センサの応答遅れ時間とから応
答遅れ時間差を算出し、その応答遅れ時間差に基づいて
触媒の浄化率を算出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の前者の劣化状態
検出装置は、上記のように触媒の劣化に伴い上流側の酸
素濃度の変動が下流側で明確に表れる点に着目し、下流
側のO2 センサの出力電圧の大きさと変動周期に基づい
て触媒の劣化を判定しているが、この下流側の酸素濃度
の変動と触媒の劣化との相関関係は絶対的なものではな
く、言わば間接的な判定に過ぎず、故に信頼性の高い劣
化判定を行なうことができなかった。また、検出結果と
して得られるのは触媒の劣化の有無のみであり、例え
ば、現在の触媒が有害成分の吸着能力をどの程度有して
いるのか等の数量的な情報は得られず、よって、その検
出結果を空燃比制御に応用するには自ずと限界があっ
た。
【0007】また、従来の後者の劣化状態検出装置は、
上記のように空燃比の変動に対する上流側と下流側のO
2 センサの応答遅れ時間の差に基づいて触媒の浄化率を
算出しており、浄化率として数量的な情報を得ることは
できるものの、この応答遅れ時間差と触媒の浄化率との
相関関係も絶対的なものではなく、信頼性の高い検出結
果を得ることができなかった。
【0008】更に、いずれの劣化状態検出装置において
も、触媒の下流側の空燃比がある程度乱れないと検出結
果が得られないため、その間は排気ガス中の有害成分が
増加して大気中に排出されてしまうという不具合があっ
た。
【0009】そこで、本発明は、触媒の劣化状態を数量
的な情報として得て空燃比制御への応用範囲を拡大でき
るとともに、劣化状態を直接的に検出して信頼性の高い
検出結果を得ることができ、かつ、劣化検出時における
有害成分の排出を未然に防止することができる触媒の劣
化状態検出装置の提供を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる触媒の劣
化状態検出装置は、図1に示すように、内燃機関の排気
経路の触媒の上流側に設けられ、触媒に導入される排気
ガスの空燃比を検出する上流側空燃比検出手段M1と、
前記排気経路の触媒の下流側に設けられ、触媒を通過し
た排気ガスの空燃比を検出する下流側空燃比検出手段M
2と、前記上流側空燃比検出手段M1の検出結果に基づ
いて燃料噴射弁の噴射量を制御し、前記触媒に導入され
る排気ガスの空燃比を所定空燃比を中心として所定の振
幅及び周期で連続的に変動させる空燃比制御手段M3
と、予め設定された時期に、前記空燃比制御手段M3に
て変動制御される空燃比の振幅と周期との少なくとも一
方を増大補正する増大制御手段M4と、前記増大制御手
段M4にて空燃比の振幅と周期との少なくとも一方が増
大補正されたにも拘わらず、前記下流側空燃比検出手段
M2にて検出された空燃比が変動しなかったときに、増
大制御手段M4による振幅と周期との少なくとも一方の
増大幅を増やすとともに、下流側空燃比検出手段M2に
て検出された空燃比が変動したときに、その時点の振幅
及び周期に基づいて触媒の劣化状態を判定する劣化状態
判定手段M5とを具備するものである。
【0011】
【作用】本発明においては、上流側空燃比検出手段M1
の検出結果に基づいて空燃比制御手段M3により燃料噴
射弁の噴射量が制御されて、触媒に導入される排気ガス
の空燃比は、有害成分を低減すべく所定空燃比付近に保
持されるとともに、触媒の浄化性能を向上すべくその所
定空燃比を中心として所定の振幅及び周期で変動されて
いる。そして、予め設定された時期に至ると、空燃比の
振幅と周期との少なくとも一方が増大制御手段M4によ
り増大補正され、それにも拘らず下流側空燃比検出手段
M2にて検出された空燃比が変動しなかったときには、
劣化状態判定手段M5により振幅と周期との少なくとも
一方の増大幅が順次増やされ、下流側空燃比検出手段M
2にて検出された空燃比が変動した時点で、振幅及び周
期に基づいて触媒の劣化状態が判定される。
【0012】そして、このように空燃比の振幅や周期よ
り劣化状態を判定するため数量的な情報が得られるとと
もに、触媒を実際に飽和状態にするため劣化状態を直接
的に検出可能となり、かつ、触媒の下流側の空燃比が変
動した時点で劣化検出が完了するため、排気ガス中の有
害成分はほとんど増加しない。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。
【0014】図2は本発明の一実施例である触媒の劣化
状態検出装置が設けられた内燃機関とその周辺機器の概
略構成図である。
【0015】図に示すように、内燃機関1は4気筒4サ
イクルの火花点火式として構成され、その吸入空気は上
流よりエアクリーナ2、吸気管3、スロットルバルブ
4、サージタンク5及びインテークマニホールド6を通
過して、インテークマニホールド6内で各燃料噴射弁7
から噴射された燃料と混合され、所定空燃比の混合気と
して各気筒に分配供給される。また、内燃機関1の各気
筒に設けられた点火プラグ8には、点火回路9から供給
される高電圧がディストリビュータ10にて分配供給さ
れ、前記各気筒の混合気を所定タイミングで点火する。
そして、燃焼後の排気ガスはエキゾーストマニホールド
11及び排気管12を通過し、排気管12に設けられた
三元触媒13にて有害成分(CO、HC、NOX 等)を
浄化されて大気に排出される。
【0016】前記吸気管3には吸気温センサ21と吸気
圧センサ22が設けられ、吸気温センサ21は吸入空気
の温度Tamを、吸気圧センサ22はスロットルバルブ4
の下流側の吸気圧PMをそれぞれ検出する。前記スロッ
トルバルブ4には開度THを検出するスロットルセンサ
23が設けられ、このスロットルセンサ23はスロット
ル開度THに応じたアナログ信号と共に、スロットルバ
ルブ4がほぼ全閉であることを検出する図示しないアイ
ドルスイッチからのオン・オフ信号を出力する。また、
内燃機関1のシリンダブロックには水温センサ24が設
けられ、この水温センサ24は内燃機関1内の冷却水温
Thwを検出する。前記ディストリビュータ10には内燃
機関1の回転数Ne を検出する回転数センサ25が設け
られ、この回転数センサ25は内燃機関1の2回転、即
ち、720°毎にパルス信号を24回出力する。更に、
前記排気管12の三元触媒13の上流側には、内燃機関
1から排出される排気ガスの空燃比λに応じたリニアな
空燃比信号を出力するA/Fセンサ26が設けられ、三
元触媒13の下流側には、排気ガスの空燃比λが理論空
燃比λ=1に対してリッチかリーンかに応じた電圧VOX
2を出力するO2 センサ27が設けられている。
【0017】内燃機関1の運転状態を制御する電子制御
装置31は、CPU32、ROM33、RAM34、バ
ックアップRAM35等を中心に論理演算回路として構
成され、前記各センサの検出信号を入力する入力ポート
36及び各アクチュエータに制御信号を出力する出力ポ
ート37等に対しバス38を介して接続されている。そ
して、電子制御装置31は入力ポート36を介して前記
各センサから吸気温Tam、吸気圧PM、スロットル開度
TH、冷却水温Thw、回転数Ne 、空燃比信号、出力電
圧VOX2等を入力し、それらの各値に基づいて燃料噴
射量TAU、点火時期Ig を算出して、出力ポート37
を介して燃料噴射弁7及び点火回路9にそれぞれ制御信
号を出力する。以下、これらの制御の内の燃料噴射量T
AUに関わる空燃比制御について説明する。
【0018】電子制御装置31は空燃比制御を実行する
ために次の手法で設計されている。なお、以下の設計手
法は特開昭64−110853号公報に開示されてい
る。
【0019】制御対象のモデリング 本実施例では内燃機関1の空燃比λを制御するシステム
のモデルに、むだ時間P=3を持つ次数1の自己回帰移
動平均モデルを用い、さらに外乱dを考慮して近似して
いる。
【0020】まず、自己回帰移動平均モデルを用いた空
燃比λを制御するシステムのモデルは、
【0021】
【数1】
【0022】で近似できる。ここで、λは空燃比、FA
Fは空燃比補正係数、a、bは定数、kは最初のサンプ
リング開始からの制御回数を示す変数である。さらに外
乱dを考慮すると制御システムのモデルは、
【0023】
【数2】
【0024】と近似できる。
【0025】以上のようにして近似したモデルに対し、
ステップ応答を用いて回転同期(360°CA)サンプ
リングで離散化して定数a、bを定めること、即ち、空
燃比λを制御する系の伝達関数Gを求めることは容易で
ある。
【0026】状態変数量Xの表示方法 上式(2)を状態変数量X(k)=〔X1(k) 、X2
(k) 、X3(k) 、X4(k) 〕T を用いて書き直すと、
【0027】
【数3】
【0028】を得る。
【0029】
【数4】
【0030】となる。
【0031】レギュレータの設計 次にレギュレータを設計すると、最適フィードバックゲ
インK=〔K1 、K2、K3 、K4 〕と状態変数量XT
(k)=〔λ(k)、FAF(k−3)、FAF(k−
2)、FAF(k−1)〕とを用いて
【0032】
【数5】
【0033】となる。更に、誤差を吸収させるための積
分項Z1(k) を加え、
【0034】
【数6】
【0035】として、空燃比λ、補正係数FAFを求め
ることができる。
【0036】なお、積分項Z1(k) は目標空燃比λTGと
実際の空燃比λ(k)との偏差と積分定数Kaとから決
まる値であって、次式により求められる。
【0037】
【数7】
【0038】図3は、前述のようにモデルを設計した空
燃比λを制御するシステムのブロック線図である。図3
において、空燃比補正係数FAF(k)をFAF(k−
1)から導くためにZ-1変換を用いて表示したが、これ
は過去の空燃比補正係数FAF(k−1)をRAM34
に記憶しておき、次の制御タイミングで読み出して用い
ている。
【0039】また、図3において一点鎖線でかこまれた
ブロックP1が空燃比λ(k)を目標空燃比λTGにフィ
ードバック制御している状態において状態変数量X
(k)を定める部分、ブロックP2が積分項Z1(k) を
求める部分(累積部)、およびブロックP3がブロック
P1で定められた状態変数量X(k)とブロックP2で
求められた積分項Z1(k) とから今回の空燃比補正係数
FAF(k)を演算する部分である。
【0040】最適フィードバックゲインK及び積分定
数Kaの決定 最適フィードバックゲインK及び積分定数Kaは、例え
ば、次式で示される評価関数Jを最小とすることで設定
できる。
【0041】
【数8】
【0042】ここで、評価関数Jとは空燃比補正係数F
AF(k)の動きを制約しつつ、空燃比λ(k)と目標
空燃比λTGとの偏差を最小にしようと意図したものであ
り、空燃比補正係数FAF(k)に対する制約の重み付
けは、重みのパラメータQ、Rの値によって変更するこ
とができる。したがって、重みパラメータQ、Rの値を
種々換えて最適な制御特性が得られるまでシュミレーシ
ョンを繰り返し、最適フィードバックゲインK及び積分
定数Kaを定めればよい。
【0043】さらに、最適フィードバックゲインK及び
積分定数Kaはモデル定数a、bに依存している。よっ
て、実際の空燃比λを制御する系の変動(パラメータ変
動)に対するシステムの安定性(ロバスト性)を保証す
るためには、モデル定数a、bの変動分を見込んで最適
フィードバックゲインK及び積分定数Kaを設計する必
要がある。よって、シュミレーションはモデル定数a、
bの現実に生じ得る変動を加味して行ない、安定性を満
足する最適フィードバックゲインK及び積分定数Kaを
定める。
【0044】以上、制御対象のモデリング、状態変
数量の表示方法、レギュレータの設計、最適フィー
ドバックゲイン及び積分定数の決定について説明した
が、これらは予め決定されており、電子制御装置31で
はその結果即ち、前述の(6)、(7)式のみを用いて
制御を行う。
【0045】《燃料噴射量TAUの算出処理》次に、上
記のように構成された本実施例の内燃機関の空燃比制御
装置の動作を説明する。
【0046】図4は本発明の一実施例である触媒の劣化
状態検出装置のCPUが実行する燃料噴射量算出ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【0047】この燃料噴射量算出ルーチンは内燃機関1
の回転に同期して360°CA毎に実行される。まず、
CPU32はステップS101で吸気圧PM、回転数N
e 等に基づいて基本燃料噴射量TP を算出し、続くステ
ップS102で空燃比λのフィードバック条件が成立し
ているか否かを判定する。ここで、周知のようにフィー
ドバック条件とは、冷却水温Thwが所定値以上で、かつ
高回転・高負荷ではないときに成立する。ステップS1
02で空燃比λのフィードバック条件が成立していると
きには、ステップS103で目標空燃比λTGを設定し
(詳細は後述する)、ステップS104で空燃比λを目
標空燃比λTGとすべく空燃比補正係数FAFを設定した
後に、ステップS105に移行する。即ち、ステップS
104では目標空燃比λTGとA/Fセンサ26で検出さ
れた空燃比λ(K) に応じて、前記した(6)、(7)の
式により空燃比補正係数FAFが算出される。また、前
記ステップS102で空燃比λのフィードバック条件が
成立していないときには、ステップS106で空燃比補
正係数FAFを1に設定して、ステップS105に移行
する。
【0048】その後、CPU32はステップS105で
次式に従って基本燃料噴射量TP 、空燃比補正係数FA
F及び他の補正係数FALLから燃料噴射量TAUを設
定する。
【0049】TAU=TP ×FAF×FALL そして、このようにして設定された燃料噴射量TAUに
基づく制御信号が燃料噴射弁7に出力されて開弁時間、
つまり実際の燃料噴射量が制御され、その結果、混合気
が目標空燃比λTGに調整される。
【0050】《目標空燃比λTGの設定処理》次に、前記
した目標空燃比λTGの設定処理(図4のステップS10
3の処理)について詳述する。この目標空燃比λTGの設
定処理では、O2 センサ27の出力電圧VOX2に基づ
いて目標空燃比λTGの中央値λTGC を設定する中央値設
定処理と、その中央値λTGC を中心として目標空燃比λ
TGを小振幅・短周期で変動させる周知のディザ制御処理
とが行われ、以下、これらの処理を順を追って説明す
る。
【0051】〈中央値λTGC の設定処理〉図5は本発明
の一実施例である触媒の劣化状態検出装置のCPUが実
行する中央値設定ルーチンを示すフローチャート、図6
は本発明の一実施例である触媒の劣化状態検出装置のO
2 センサの出力電圧に対する中央値及び目標空燃比の設
定状態を示すタイムチャート、図7は本発明の一実施例
である触媒の劣化状態検出装置の三元触媒の劣化状態よ
りスキップ量を算出するためのROMに格納されたマッ
プを示す説明図、図8は本発明の一実施例である触媒の
劣化状態検出装置のCPUが実行するディザ制御ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【0052】前記ステップS103で目標空燃比λTGの
設定ルーチンがコールされると、まず、図5の中央値設
定ルーチンが実行される。CPU32はステップS20
1でO2 センサ27の出力電圧VOX2が理論空燃比λ
=1のときの値である0.45Vより高いか低いか(リッ
チかリーンか)を判定し、リーン側のときにはステップ
S202で出力電圧VOX2が前回もリーン側であった
か否かを判定する。前回もリーン側であるとき、つまり
空燃比λがリーン側に維持されているときには、ステッ
プS203で中央値λTGC ←λTGC −λIRとしてリッチ
側に補正し、ステップS204で空燃比λの極性として
リーンをRAM34に記憶する。このリッチ積分量λIR
はごく小さな値として設定されているため、図6に示す
ように、中央値λTGC はリッチ側で漸減する。
【0053】また、ステップS202で出力電圧VOX
2が前回はリッチ側であったとき、つまり空燃比λがリ
ッチ側からリーン側に反転したときには、ステップS2
05で予めROM33に格納された図7のマップに基づ
いて、後述する劣化状態検出処理によって得られた三元
触媒13の劣化状態からリッチスキップ量λSKR を算出
する。ここで、図から明らかなように、三元触媒13の
劣化が大であるほどリッチスキップ量λSKR として小さ
な値が設定される。その後、ステップS206で中央値
λTGC ←λTGC −λIR−λSKR としてリッチ側に補正
し、ステップS204でリーンをRAM34に記憶す
る。このリッチスキップ量λSKR は前記リッチ積分量λ
IRに比較して十分に大きな値のため、図6に示すよう
に、中央値λTGC はリーン側からリッチ側にスキップ的
に激減する。
【0054】一方、前記ステップS201でO2 センサ
27の出力電圧VOX2がリッチ側であるときには、ス
テップS207で出力電圧VOX2が前回もリッチ側で
あったか否かを判定する。そして、前回もリッチ側であ
るときにはステップS208で中央値λTGC ←λTGC +
λIL(λILはリーン積分量)として、中央値λTGC をリ
ーン側で漸増させ、また、前回はリーン側であったとき
にはステップS209で図7のマップに基づいて三元触
媒13の劣化状態からリーンスキップ量λSKLを算出し
て、ステップS210でλTGC ←λTGC +λIL+λSKL
とし、中央値λTGC をリッチ側からリーン側にスキップ
的に激増させる。なお、前記したリッチスキップ量λSK
R の場合と同様に、三元触媒13の劣化が大であるほど
リーンスキップ量λSKL として小さな値が設定される。
そして、ステップS208とステップS210のいずれ
の場合でも前記ステップS204で空燃比λの極性とし
てリッチをRAM34に記憶する。
【0055】このようにO2 センサ27の出力電圧VO
X2に基づいて、三元触媒13の下流側の排気ガスの空
燃比λがリーン側またはリッチ側に維持されているとき
には、ステップS203またはステップS208で中央
値λTGC がリッチ積分量λIRやリーン積分量λILにて空
燃比λの変動方向の反対側に漸次増大される。また、空
燃比λがリーン側とリッチ側との間で反転したときに
は、ステップS206またはステップS210で中央値
λTGC がリッチスキップ量λSKR やリーンスキップ量λ
SKL にて理論空燃比λ=1を横切って反転方向の反対側に
スキップ的に大きく補正される。
【0056】〈ディザ制御処理〉次いで、CPU32は
図8のディザ制御ルーチンを実行し、ステップS301
でディザ振幅λDZA を設定し、ステップS302で同様
にディザ周期TDZA を設定する。周知のように、これら
のディザ振幅λDZA とディザ周期TDZA は、回転数セン
サ25にて検出された機関回転数Ne や吸気圧センサ2
2にて検出された吸気圧PMに応じて設定される。更
に、ステップS303で後述する振幅・周期増大制御処
理を実行し、ステップS304でディザ周期カウンタC
DZAがディザ周期TDZA 以上か否かを判定する。ディ
ザ周期カウンタCDZAがディザ周期TDZA 未満のとき
にはステップS305でディザ周期カウンタCDZAを
「+1」インクリメントした後、ステップS306で前
記のように中央値設定ルーチンで設定された中央値λTG
C にディザ振幅λDZA を加算した値を目標空燃比λTGと
して設定する。即ち、後述するようにディザ振幅λDZA
の極性は正と負に交互に切り換えられるが、ディザ振幅
λDZA の極性が正であるときには目標空燃比λTGが中央
値λTGC よりディザ振幅λDZA だけリッチ側に、ディザ
振幅λDZA の極性が負であるときには目標空燃比λTGが
中央値λTGC よりディザ振幅λDZA だけリーン側に設定
される。更に、CPU32はステップS307で後述す
る劣化状態判定処理を実行した後、一旦このルーチンを
終了する。
【0057】一方、前記ステップS304でディザ周期
カウンタCDZAがディザ周期TDZA 以上になると、C
PU32はステップS308でディザ周期カウンタCD
ZAを「0」にクリアした後、ステップS309で制御
方向判別フラグXDZAが「0」にクリアされているか
否かを判定する。このフラグXDZAはディザ制御の方
向を表すもので、「1」は今現在の目標空燃比λTGが中
央値λTGC に対してリッチ側に設定されていることを、
「0」は逆にリーン側に設定されていることを表す。
【0058】したがって、ステップS309で制御方向
判別フラグXDZAが「0」にクリアされているときに
は、目標空燃比λTGがリーン側に設定されていると見做
し、ステップS310で制御方向判別フラグXDZAを
「1」にセットし、ステップS311でディザ振幅λDZ
A を負の極性に反転させる。その結果、続くステップS
306では中央値λTGC からディザ振幅λDZA を減算す
ることになり、目標空燃比λTGはリッチ側に設定し直さ
れる。また、ステップS309で制御方向判別フラグX
DZAが「1」にセットされているときには、目標空燃
比λTGがリッチ側に設定されていると見做し、ステップ
S312で制御方向判別フラグXDZAを「0」にクリ
アしてステップS306に移行する。よって、ステップ
S306では中央値λTGC にディザ振幅λDZA を加算す
ることになり、目標空燃比λTGはリーン側に設定し直さ
れる。そして、CPU32はステップS307で劣化状
態判定処理を実行し、このルーチンを終了する。
【0059】このようにディザ周期TDZA が経過する毎
に、目標空燃比λTGは図6に示すように中央値λTGC を
中心としてディザ振幅λDZA だけリッチ側とリーン側に
交互に設定され、その目標空燃比λTGが図4のステップ
S104で空燃比補正係数FAFの算出に用いられて、
燃料噴射量TAUが制御される。その結果、三元触媒1
3に導入される排気ガスの空燃比λは小振幅・短周期で
連続的に変動される。
【0060】以上のように、空燃比λの実質的な制御は
中央値設定ルーチンにより行われており、積分量λIR,
λILやスキップ量λSKR,λSKL にて中央値λTGC を三元
触媒13の下流側の空燃比λの乱れと反対方向に補正し
て、下流側の空燃比λを理論空燃比λ=1に収束させてい
る。特に本実施例では一般的な積分量λIR, λILによる
補正に加えて、空燃比λの反転時にスキップ量λSKR,λ
SKL によるスキップ的な補正を実施しているため、空燃
比λの乱れがより迅速に抑制され、平常時(後述する三
元触媒13の劣化検出以外のとき)のO2 センサ27の
出力電圧VOX2は、図6に示すように常に理論空燃比
λ=1に対応する0.45V付近に保持される。
【0061】なお、目標空燃比λTGはディザ制御ルーチ
ンで変動操作されているが、図から明らかなようにスキ
ップ量λSKR,λSKL による補正周期に比較してディザ周
期TDZA は非常に短いため、空燃比λがリッチ側に変動
したときのCOやHC、及びリーン側に変動したときの
NOX の発生量はごく僅かである。よって、三元触媒1
3は飽和状態に至らず、下流側の空燃比λにディザ制御
の影響は及ばない。
【0062】また、ディザ制御ルーチンでの目標空燃比
λTGの変動操作により、前記したように三元触媒13に
導入される排気ガスの空燃比λは小振幅・短周期で連続
的に変動される。そして、周知の三元触媒13の特性と
して、このように空燃比λを変動させるとCO、HC、
NOX の各有害成分に対する浄化率は僅かに低下するも
のの触媒ウィンドウが拡大することが確認されており、
このディザ制御によりトータルとしての三元触媒13の
浄化性能が向上される。
【0063】《三元触媒の劣化状態検出処理》次に、前
記したステップS303で実行される振幅・周期増大制
御処理、及びステップS307で実行される劣化状態判
定処理を説明する。
【0064】図9は本発明の一実施例である触媒の劣化
状態検出装置のCPUが実行する振幅・周期増大制御ル
ーチンを示すフローチャート、図10は本発明の一実施
例である触媒の劣化状態検出装置のCPUが実行する劣
化状態判定ルーチンを示すフローチャート、図11は本
発明の一実施例である触媒の劣化状態検出装置の触媒劣
化検出時におけるディザ周期及びディザ振幅の制御状態
を示すタイムチャート、図12は本発明の一実施例であ
る触媒の劣化状態検出装置の劣化検出補正量より三元触
媒の劣化状態を判定するためのマップを示す説明図であ
る。
【0065】ここで、CPU32は図示しないルーチン
で、車両の走行距離が2000km増加する度に劣化検
出実行フラグXCASを「1」にセットしており、今、
仮に走行距離がこれらのタイミングに該当せず、劣化検
出実行フラグXCASが「0」にクリアされているもの
として説明する。
【0066】前記ステップS303で振幅・周期増大制
御ルーチンがコールされると、CPU32は図9のステ
ップS401で劣化検出実行フラグXCASが「1」に
セットされているか否かを判定する。劣化検出実行フラ
グXCASはクリアされているため、CPU32は一旦
このルーチンを終了する。
【0067】また、前記ステップS307で劣化状態判
定ルーチンがコールされると、CPU32は図10のス
テップS501で振幅・周期増大完了フラグフラグXC
ATが「1」にセットされているか否かを判定する。こ
の振幅・周期増大完了フラグXCATは、振幅・周期増
大制御ルーチンでディザ振幅λDZA とディザ周期TDZA
を増大補正されたときにセットされるものであり、この
場合には増大補正されていないため、CPU32はステ
ップS501で否定判断してルーチンを終了する。
【0068】一方、車両の走行距離が2000km毎の
タイミングに至って劣化検出実行フラグXCASが
「1」にセットされると、CPU32はステップS40
1からステップS402に移行して内燃機関1が定常運
転状態であるか否かを判定し、次いで、ステップS40
3でO2 センサ27の出力電圧VOX2が予め設定され
たリッチ側許容値VRLとリーン側許容値VLLとの範囲内
に収束しているか否かを判定する。なお、ステップS4
02での運転状態の判定は機関回転数Ne や吸気圧PM
等に基づいて行なわれ、これらの検出値がほぼ一定のと
きには定常運転とされる。CPU32はステップS40
2で内燃機関1が定常運転状態にないと判定したとき、
或いはステップS403で出力電圧VOX2が収束して
いないと判定したときには、三元触媒13の劣化検出を
実行するには適さないとしてステップS404に移行
し、待機時間カウンタCOX2と前記した振幅・周期増
大完了フラグフラグXCATを「0」にクリアした後、
このルーチンを終了する。
【0069】また、ステップS402で内燃機関1が定
常運転状態にあると判定し、かつ、ステップS403で
出力電圧VOX2が収束していると判定したときには、
ステップS405で待機時間カウンタCOX2を「+
1」インクリメントし、ステップS406でその待機時
間カウンタCOX2が予め設定された待機時間α以上で
あるか否かを判定する。待機時間カウンタCOX2が待
機時間α以上となると、ステップS407で、前記のよ
うにステップS301で設定されたディザ振幅λDZA に
劣化検出補正量βを加算するとともに、ステップS30
2で設定されたディザ周期TDZA に劣化検出補正量γを
加算し、ステップS408で振幅・周期増大完了フラグ
フラグXCATを「1」にセットして、このルーチンを
終了する。なお、後述するように、ステップS407の
劣化検出補正量β,γは所定値Δβ,Δγが順次加算さ
れて増大されるが、この時点では予め設定された初期値
が用いられる。
【0070】そして、このようにして増大補正されたデ
ィザ振幅λDZA とディザ周期TDZAが図8のディザ制御
ルーチンで用いられるため、図11に示すように、目標
空燃比λTGは平常時に比較してより大きな振幅及び周期
でリッチ側とリーン側に設定され、三元触媒13に導入
される排気ガスの空燃比λはより大きく変動する。な
お、この図ではディザ制御による目標空燃比λTGの制御
状態を明確に表示すべく、前記した中央値設定ルーチン
で順次補正される中央値λTGC を一定と仮定した上で示
している。
【0071】また、前記のように振幅・周期増大完了フ
ラグフラグXCATがセットされることから、CPU3
2はステップS501からステップS502に移行して
継続時間カウンタCCATが予め設定された継続時間ε
以上であるか否かを判定する。継続時間カウンタCCA
Tが継続時間ε未満のときには、ステップS503で継
続時間カウンタCCATを「+1」インクリメントし、
ステップS504でO2 センサ27の出力電圧VOX2
をサンプリングして、その最大値VOX2maxと最小値
VOX2min を適宜更新する。
【0072】前記ステップS502で継続時間カウンタ
CCATが継続時間ε以上になると、ステップS505
で最大値VOX2max から最小値VOX2min を減算し
て偏差ΔVOX2を算出する。つまり、この偏差ΔVO
X2は、継続時間εの間における三元触媒13の下流側
の空燃比λの変動状態を表す。次いで、ステップS50
6で偏差ΔVOX2が変動判定値χ以上か否かを判定
し、変動判定値χ未満のときには、上記した空燃比λの
変動により未だ三元触媒13が飽和状態に至っていない
と見做してステップS507に移行する。次いで、ステ
ップS507で前記した劣化検出補正量βに所定値Δβ
を加算するとともに、劣化検出補正量γに所定値Δγを
加算し、ステップS508で継続時間カウンタCCAT
を「0」にクリアして、このルーチンを終了する。
【0073】そして、再び図9の振幅・周期増大制御ル
ーチンがコールされたときには、ディザ制御ルーチンで
設定されたディザ振幅λDZA とディザ周期TDZA が、ス
テップS407で新たに設定された劣化検出補正量β,
γによって更に大きく増大補正されるため、三元触媒1
3に導入される排気ガスの空燃比λの変動状態も更に大
きくなる。
【0074】このように、継続時間εが経過する毎に空
燃比λの変動状態が順次大きくされ、それに伴い三元触
媒13への有害成分の吸着量も増大し、ステップS50
6で偏差ΔVOX2が変動判定値χ以上となると、CP
U32は空燃比λの変動により三元触媒13が飽和状態
に至ったと見做してステップS509に移行し、図12
のマップに従ってその時点の劣化検出補正量β,γより
三元触媒13の劣化状態を判定してRAM34に記憶す
る。
【0075】即ち、劣化検出補正量β,γが小さい時点
で三元触媒13が早期に飽和するほど、その劣化状態が
大であることを意味するため、図12に示すように、C
PU32は飽和時の劣化検出補正量β,γが小さいほど
劣化状態が大であると判定する。ここで、本実施例では
劣化状態をパーセンテージとして数量的に決定してお
り、劣化状態が大であるほど大きな値に定めている。
【0076】その後、CPU32はステップS510で
劣化検出補正量β,γを初期値に戻すとともに、待機時
間カウンタCOX2、振幅・周期増大完了フラグフラグ
XCAT及び劣化検出実行フラグXCASをそれぞれ
「0」にクリアし、ステップS508で継続時間カウン
タCCATを「0」にクリアして、このルーチンを終了
する。したがって、再び平常時の小振幅・短周期のディ
ザ制御が再開され、次に劣化検出処理が実行されるのは
車両が2000km走行した後となる。
【0077】そして、このようにして得られた三元触媒
13の劣化状態が、前記中央値設定ルーチンのステップ
S205及びステップS209でスキップ量λSKR,λSK
L の算出に用いられる。
【0078】以上の説明から明らかなように、本実施例
の空燃比制御装置が実行する劣化状態検出処理では、三
元触媒13の劣化状態が数量的な情報であるパーセンテ
ージとして得られるため、前記した中央値設定ルーチン
ではその値に基づいてスキップ量λSKR,λSKL を算出す
ることが可能となる。換言すれば、三元触媒13の劣化
状態として数量的な情報を得られると空燃比制御への応
用範囲は拡大するが、このスキップ量λSKR,λSKL の算
出処理は拡大した応用範囲の一例であると言うことがで
きる。
【0079】また、ディザ制御の振幅λDZA と周期TDZ
A を増大させることで三元触媒13を実際に飽和状態に
至らせているため、その三元触媒13の劣化状態を直接
的に判定していることになり、極めて信頼性の高い判定
結果が得られる。
【0080】更に、偏差ΔVOX2が変動判定値χ以上
となった時点、つまり三元触媒13の下流側の空燃比λ
が僅かに変動した時点で劣化検出処理が完了するため、
排気ガス中の有害成分はほとんど増加しない。
【0081】加えて、前記のように中央値設定ルーチン
では一般的な積分量λIR, λILによる補正のみならず、
空燃比λの反転時にスキップ量λSKR,λSKL により中央
値λTGC をスキップ的に補正しているため、平常時の三
元触媒13の下流側の空燃比λは常に理論空燃比λ=1付
近に保持され、三元触媒の劣化判定時には、他の外乱に
影響されることなく劣化状態を判定可能となる。また、
空燃比λが理論空燃比λ=1付近に保持されている状態で
はO2 センサ27の感度が良好なため、僅かな空燃比λ
の乱れをも確実に検出できる。よって、これらの要因も
前記した劣化状態の判定精度を向上させるために役立っ
ている。
【0082】そして、本実施例では、上流側空燃比検出
手段M1としてA/Fセンサ26が機能し、下流側空燃
比検出手段M2としてO2 センサ27が、空燃比制御手
段M3としてステップS201乃至ステップS210、
ステップS301、ステップS302、ステップS30
4乃至ステップS312の処理を実行するときのCPU
32が、増大制御手段M4としてステップS401乃至
ステップS408の処理を実行するときのCPU32
が、劣化状態判定手段M5としてステップS501乃至
ステップS510の処理を実行するときのCPU32が
それぞれ機能する。
【0083】このように上記実施例の触媒の劣化状態検
出装置は、内燃機関1の排気管12の三元触媒13の上
流側に設けられ、三元触媒13に導入される排気ガスの
空燃比λを検出するA/Fセンサ26と、前記排気管1
2の三元触媒13の下流側に設けられ、三元触媒13を
通過した排気ガスの空燃比λを検出するO2 センサ27
と、前記O2 センサ27及びA/Fセンサ26の検出結
果に基づいて燃料噴射弁7の噴射量を制御し、前記三元
触媒13に導入される排気ガスの空燃比λをディザ振幅
λDZA 及びディザ周期TDZA に基づいて連続的に変動さ
せるとともに、車両が2000km走行する毎に前記デ
ィザ振幅λDZA 及びディザ周期TDZA を劣化検出補正量
β,γにより増大補正して、このときのO2 センサ27
の出力電圧VOX2の変動が小さいときには、前記劣化
検出補正量β,γを順次増やし、出力電圧VOX2の変
動が大きくなると、その時点の劣化検出補正量β,γに
基づいて三元触媒13の劣化状態を判定するCPU32
とを具備している。
【0084】したがって、三元触媒13の劣化状態が数
量的な情報であるパーセンテージとして得られるため、
空燃比制御への応用範囲を大幅に拡大することができ
る。また、三元触媒13を実際に飽和状態に至らせて劣
化状態を判定するため、極めて信頼性の高い検出結果を
得ることができる。更に、三元触媒13の下流側の空燃
比λが僅かに変動した時点で劣化検出処理が完了するた
め、有害成分の排出を未然に防止することができる。
【0085】ところで、上記実施例では、車両の走行距
離が2000km増加する度に三元触媒13の劣化状態
を検出したが、その実行タイミングは必ずしも走行距離
を目安とする必要はなく、例えば、走行時間を目安とし
て、所定時間が経過する毎に劣化状態を検出するように
してもよい。
【0086】また、上記実施例では、劣化状態の検出に
際して振幅・周期増大制御ルーチンでディザ振幅λDZA
とディザ周期TDZA を共に増大補正したが、本発明を実
施する場合には、これに限定されるものではなく、いず
れか一方のみを増大させた場合でも、それに応じて三元
触媒13への有害成分の吸着量が増加するため、同様に
劣化状態を判定することができる。
【0087】
【発明の効果】以上のように、本発明の触媒の劣化状態
検出装置によれば、触媒に導入される排気ガスの空燃比
の変動時の振幅や周期が順次増大補正されて、それによ
り触媒の下流側の空燃比が変動すると、その時点の振幅
や周期に基づいて触媒の劣化状態が判定される。そし
て、このように空燃比の振幅や周期より劣化状態を判定
するため数量的な情報が得られて、空燃比制御への応用
範囲を大幅に拡大することができ、また、触媒を実際に
飽和状態に至らせて劣化状態を判定するため、極めて信
頼性の高い検出結果を得ることができ、更に、触媒の下
流側の空燃比が変動した時点で劣化検出が完了するた
め、有害成分の排出を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の内容を概念的に示し
たクレーム対応図である。
【図2】図2は本発明の一実施例である触媒の劣化状態
検出装置が設けられた内燃機関とその周辺機器の概略構
成図である。
【図3】図3は本発明の一実施例である触媒の劣化状態
検出装置における空燃比制御システムの原理を説明する
ためのブロック図である。
【図4】図4は本発明の一実施例である触媒の劣化状態
検出装置のCPUが実行する燃料噴射量算出ルーチンを
示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の一実施例である触媒の劣化状態
検出装置のCPUが実行する中央値設定ルーチンを示す
フローチャートである。
【図6】図6は本発明の一実施例である触媒の劣化状態
検出装置のO2 センサの出力電圧に対する中央値及び目
標空燃比の設定状態を示すタイムチャートである。
【図7】図7は本発明の一実施例である触媒の劣化状態
検出装置の三元触媒の劣化状態よりスキップ量を算出す
るためのROMに格納されたマップを示す説明図であ
る。
【図8】図8は本発明の一実施例である触媒の劣化状態
検出装置のCPUが実行するディザ制御ルーチンを示す
フローチャートである。
【図9】図9は本発明の一実施例である触媒の劣化状態
検出装置のCPUが実行する振幅・周期増大制御ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図10】図10は本発明の一実施例である触媒の劣化
状態検出装置のCPUが実行する劣化状態判定ルーチン
を示すフローチャートである。
【図11】図11は本発明の一実施例である触媒の劣化
状態検出装置の触媒劣化検出時におけるディザ周期及び
ディザ振幅の制御状態を示すタイムチャートである。
【図12】図12は本発明の一実施例である触媒の劣化
状態検出装置の劣化検出補正量より三元触媒の劣化状態
を判定するためのマップを示す説明図である。
【符号の説明】
M1 上流側空燃比検出手段 M2 下流側空燃比検出手段 M3 空燃比制御手段 M4 増大制御手段 M5 劣化状態判定手段 1 内燃機関 7 燃料噴射弁 13 三元触媒 26 A/Fセンサ 27 O2 センサ 32 CPU

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気経路の触媒の上流側に設
    けられ、触媒に導入される排気ガスの空燃比を検出する
    上流側空燃比検出手段と、 前記排気経路の触媒の下流側に設けられ、触媒を通過し
    た排気ガスの空燃比を検出する下流側空燃比検出手段
    と、 前記上流側空燃比検出手段の検出結果に基づいて燃料噴
    射弁の噴射量を制御し、前記触媒に導入される排気ガス
    の空燃比を所定空燃比を中心として所定の振幅及び周期
    で連続的に変動させる空燃比制御手段と、 予め設定された時期に、前記空燃比制御手段にて変動制
    御される空燃比の振幅と周期との少なくとも一方を増大
    補正する増大制御手段と、 前記増大制御手段にて空燃比の振幅と周期との少なくと
    も一方が増大補正されたにも拘わらず、前記下流側空燃
    比検出手段にて検出された空燃比が変動しなかったとき
    に、増大制御手段による振幅と周期との少なくとも一方
    の増大幅を増やすとともに、下流側空燃比検出手段にて
    検出された空燃比が変動したときに、その時点の振幅及
    び周期に基づいて触媒の劣化状態を判定する劣化状態判
    定手段とを具備することを特徴とする触媒の劣化状態検
    出装置。
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