JP3039162B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
置に関するものであり、特に、触媒の下流側の空燃比が
目標空燃比となるように燃料噴射量をフィードバック制
御する内燃機関の空燃比制御装置に関するものである。
は、触媒の浄化作用を最大限に発揮させるべく、実際の
排気ガスの空燃比が理論空燃比付近に収束するようにフ
ィードバック制御される。そして、このときのフィード
バック制御は、触媒の吸着状態等が最も反映される触媒
の下流側の空燃比に基づいて実行するのが望ましいとさ
れている。
ては、例えば、特開平3−185244号公報に記載の
ものを挙げることができる。
気ガスの空燃比をA/Fセンサにて検出するとともに、
触媒の下流側の空燃比が理論空燃比に対してリッチかリ
ーンかをO2 センサにて検出している。A/Fセンサの
検出値は、燃料噴射弁からA/Fセンサまでを制御対象
としてモデルを設定した現代制御に利用され、下流側の
空燃比が目標空燃比となるように状態フィードバックを
実行して、燃料噴射量を演算している。また、O2 セン
サの検出値は、現代制御の目標空燃比をフィードバック
制御するために利用され、理論空燃比に対する下流側の
空燃比の乱れと反対方向に目標空燃比を補正している。
即ち、触媒の下流側の空燃比は、目標空燃比を補正する
形で状態フィードバックに反映され、全体としての制御
は、下流側の空燃比を理論空燃比に収束させるように実
行される。
比制御装置は、上記のように状態フィードバックの目標
空燃比を触媒の下流側の空燃比に応じて補正すること
で、結果として下流側の空燃比を理論空燃比に収束させ
ている。したがって、下流側の空燃比が乱れたときに
は、O2 センサの検出値に基づく通常のフィードバック
制御により目標空燃比が補正された後でなければ、現代
制御の状態フィードバックによる燃料噴射量の補正は実
行されない。よって、乱れた空燃比を理論空燃比に収束
させるための所要時間が長引き、空燃比制御の応答性の
点で今一つであった。
向上させて、触媒の下流側の空燃比が乱れた場合であっ
ても、直ちに目標空燃比に収束させることができる内燃
機関の空燃比制御装置の提供を課題とするものである。
内燃機関の空燃比制御装置は、図1に示すように、内燃
機関M1に所定量の燃料を噴射する燃料噴射手段M2
と、内燃機関M1の排気通路に配設されて、排気ガスを
浄化する触媒M3と、前記触媒M3の下流側における排
気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段M4と、前記
燃料噴射手段M2から空燃比検出手段M4までの制御対
象に近似して設定されたモデルに対する状態量で、触媒
M3の下流側の空燃比を目標空燃比に制御すべく状態フ
ィードバックを実行して、前記燃料噴射手段M2の噴射
量を演算する噴射量演算手段M5とを具備するものであ
る。
制御装置は、図2に示すように、内燃機関M1に所定量
の燃料を噴射する燃料噴射手段M2と、内燃機関M1の
排気通路に配設されて、排気ガスを浄化する触媒M3
と、前記触媒M3の上流側における排気ガスの空燃比を
検出する上流側空燃比検出手段M6と、前記触媒M3の
下流側における排気ガスの空燃比を検出する下流側空燃
比検出手段M7と、前記燃料噴射手段M2から下流側空
燃比検出手段M7までの制御対象に近似して設定された
モデルに対する、前記上流側空燃比検出手段M6にて検
出された、上流側の空燃比を状態量とし、触媒M3の下
流側の空燃比を目標空燃比に制御すべく状態フィードバ
ックを実行して、前記燃料噴射手段M2の噴射量を演算
する噴射量演算手段M5とを具備するものである。
から空燃比検出手段M4までの制御対象に近似して現代
制御モデルが設定され、そのモデルに対する入出力、例
えば、燃料噴射手段M2の噴射量、或いは空燃比検出手
段M4にて検出された触媒M3の下流側の空燃比等が状
態量とされる。これらの状態量に基づいて、噴射量演算
手段M5により触媒M3の下流側の空燃比を目標空燃比
に制御するための状態フィードバックが実行され、燃料
噴射手段M2の噴射量が演算される。
空燃比検出手段M4までの制御対象全体のモデルから燃
料噴射手段M2の噴射量が直接演算されることから、触
媒M3の下流側の空燃比が乱れたときには、その乱れに
応じた噴射量が速やかに演算されて、直ちに目標空燃比
に収束される。
M2から下流側空燃比検出手段M7までの制御対象に近
似して現代制御のモデルが設定され、そのモデルに対す
る入出力、例えば、燃料噴射手段M2の噴射量、上流側
空燃比検出手段M6にて検出された触媒M3の上流側の
空燃比、或いは下流側空燃比検出手段M7にて検出され
た下流側の空燃比等が状態量とされる。これらの状態量
に基づいて、噴射量演算手段M5により触媒M3の下流
側の空燃比を目標空燃比に制御するための状態フィード
バックが実行され、燃料噴射手段M2の噴射量が演算さ
れる。
下流側空燃比検出手段M7までの制御対象全体のモデル
から燃料噴射手段M2の噴射量が直接演算されることか
ら、触媒M3の下流側の空燃比が乱れたときには、その
乱れに応じた噴射量が速やかに演算されて、直ちに目標
空燃比に収束される。
られる触媒M3の上流側の空燃比は、上流側空燃比検出
手段M6にて検出されたセンサ情報であるため、高精度
の状態フィードバックを実現可能となる。
制御装置について説明する。
空燃比制御装置が設けられた内燃機関とその周辺機器の
概略構成図である。
イクルの火花点火式内燃機関として構成されている。内
燃機関1の吸入空気は上流よりエアクリーナ2、吸気管
3、スロットルバルブ4、サージタンク5及びインテー
クマニホールド6を通過して、インテークマニホールド
6内で各燃料噴射弁7から噴射された燃料と混合され、
所定空燃比の混合気として各気筒に分配供給される。ま
た、内燃機関1の各気筒に設けられた点火プラグ8に
は、点火回路9から供給される高電圧がディストリビュ
ータ10にて分配供給され、前記各気筒の混合気を所定
タイミングで点火する。そして、燃焼後の排気ガスはエ
キゾーストマニホールド11及び排気管12を通過し、
排気管12に設けられた三元触媒13にて有害成分(C
O、HC、NOX 等)を浄化されて大気に排出される。
圧センサ22が設けられ、吸気温センサ21は吸入温T
amを、吸気圧センサ22はスロットルバルブ4の下流側
の吸気圧PMをそれぞれ検出する。前記スロットルバル
ブ4にはスロットル開度THを検出するスロットルセン
サ23が設けられ、このスロットルセンサ23はスロッ
トル開度THに応じたアナログ信号と共に、スロットル
バルブ4がほぼ全閉であることを検出する図示しないア
イドルスイッチからのオン・オフ信号を出力する。ま
た、内燃機関1のシリンダブロックには水温センサ24
が設けられ、この水温センサ24は内燃機関1内の冷却
水温Thwを検出する。前記ディストリビュータ10には
内燃機関1の回転数Ne を検出する回転数センサ25が
設けられ、この回転数センサ25は内燃機関1の2回
転、即ち720°毎にパルス信号を24回出力する。前
記排気管12の三元触媒13の上流側には上流側A/F
センサ26が設けられ、この上流側A/Fセンサ26
は、内燃機関1から排出された三元触媒13の上流側に
おける排気ガスの空燃比(以下、単に『上流側空燃比λ
F』という)に応じたリニアな空燃比信号を出力する。
同様に三元触媒13の下流側には下流側A/Fセンサ2
7が設られ、この下流側A/Fセンサ27は、三元触媒
13の下流側における排気ガスの空燃比(以下、単に
『下流側空燃比λR 』という)に応じたリニアな空燃比
信号を出力する。
装置31は、CPU32、ROM33、RAM34、バ
ックアップRAM35等を中心に論理演算回路として構
成され、前記各センサの検出信号を入力する入力ポート
36及び各アクチュエータに制御信号を出力する出力ポ
ート37等に対しバス38を介して接続されている。そ
して、電子制御装置31は入力ポート36を介して前記
各センサから吸気温Tam、吸気圧PM、スロットル開度
TH、冷却水温Thw、機関回転数Ne に応じたパルス信
号、上流側空燃比λF 及び下流側空燃比λR に応じた空
燃比信号等を入力し、それらの各値に基づいて燃料噴射
量TAU、点火時期Ig を算出して、出力ポート37を
介して燃料噴射弁7及び点火回路9にそれぞれ制御信号
を出力する。
Uに関わる空燃比制御について説明する。
御に所謂現代制御理論が適用されており、制御対象全体
をモデル化して、下流側空燃比λR を理論空燃比λ=1に
制御するための状態フィードバックを実行している。そ
こで、まず、この現代制御における各要素の設定手順を
説明する。
実施例である内燃機関の空燃比制御装置における燃料噴
射弁から上流側A/Fセンサまでをモデル化する際の伝
達関数を示す説明図、図5は本発明の一実施例である内
燃機関の空燃比制御装置における触媒から下流側A/F
センサまでをモデル化する際の伝達関数を示す説明図で
ある。
7までの制御対象全体をモデル化している。但し、制御
対象全体を一括してモデル化すると、系全体が大きくな
り過ぎて精度が低下するため、中間の信頼性の高いセン
サ情報として上流側空燃比λF を利用し、燃料噴射弁7
から上流側A/Fセンサ26までと、三元触媒13から
下流側A/Fセンサ27までとに分割してモデル化して
いる。
26 本実施例では燃料噴射弁7から上流側A/Fセンサ26
までのモデルに、むだ時間P=3を持つ次数1の自己回
帰移動平均モデルを用い、さらに外乱dを考慮して近似
している。即ち、燃料噴射弁7から上流側A/Fセンサ
26までの伝達関数Gは、図4に示すように設定され
る。図においてa1,b1 は定数である。なお、モデルの
むだ時間Pとしては、内燃機関1及び周辺機器の仕様等
に応じてP=3以外の種々の値に設定することができ
る。
いた燃料噴射弁7から上流側A/Fセンサ26までのモ
デルは、
3の上流側における排気ガスの空燃比、FAFは燃料噴
射弁7の噴射量を補正するための空燃比補正係数、i は
最初のサンプリング開始からの制御回数を示す変数であ
る。
から上流側A/Fセンサ26までのモデルは、
ステップ応答を用いて回転同期(360°CA)サンプ
リングで離散化して定数a1 、b1 を定めること、即
ち、燃料噴射弁7から上流側A/Fセンサ26までの系
の伝達関数Gを求めることは容易である。
次のローパスフィルタとし、下流側A/Fセンサ27を
1次遅れ系として近似している。即ち、三元触媒13か
ら下流側A/Fセンサ27までの伝達関数Gは、図5に
示すように設定される。なお、図において、a2 ,a3
,b2 ,b3 ,A1 〜A3 ,Bは定数であり、A1 =
2a2 +a3 ,A2 =a22+2a2 a3 ,A3 =a22a
3 ,B=b22+b3 である。
Fセンサ27までのモデルは、
3の下流側の排気ガスの空燃比である。
ステップ応答を用いて回転同期(360°CA)サンプ
リングで離散化して定数A1 〜A3 ,Bを定めること、
即ち、三元触媒13から下流側A/Fセンサ27までの
系の伝達関数Gを求めることは容易である。
27 上記した数3を、 状態変数量Z(i) =〔z1(i), z2(i), z3(i), z4(i)〕T を用いて書き直すと、
は次の様になる。
空燃比λR の目標空燃比であり、本実施例では理論空燃
比λ=1に設定されている。そして、この偏差e(i) を0
にする状態フィードバックを設計すべく、上記した数1
0に基づいて次の拡大系を設定する。
(i) とおくと、このときの状態フィードバックは、
比λTG(=1,0)と実際の下流側空燃比λR との偏差e(i)
と、積分定数KI とから決定される値であって、次式に
より求められる。
び積分定数KI は最適レギュレータ手法により算出でき
る。
空燃比制御装置における現代制御の状態フィードバック
を示すブロック線図である。
(i-1) をFAF(i) から導くためにZ-1変換を用いて表
示したが、これは空燃比補正係数FAF(i) を過去の値
としてRAM34に記憶しておき、次の制御タイミング
で読み出して用いている。
P1が、下流側空燃比λR(i)を目標空燃比λTGにフィー
ドバック制御している状態において、状態変数量X(i)
及び状態変数量Z(i) を定める部分、ブロックP2が、
積分項zI(i)を求める部分(累積部)、ブロックP3が
ブロックP1で定められた状態変数量X(i) 及び状態変
数量Z(i) と、ブロックP2で求められた積分項zI(i)
とから今回の空燃比補正係数FAF(i) を演算する部分
である。
分定数KI の決定 最適フィードバックゲインK及び積分定数KI は、例え
ば、次式で示される評価関数Jを最小とすることで設定
できる。
FAF(i) の動きを制約しつつ、目標空燃比λTGと実際
の下流側空燃比λR(i)との偏差e(i) を最小にしようと
意図したものであり、空燃比補正係数FAF(i) に対す
る制約の重み付けは、重みのパラメータQ、Rの値によ
って変更することができる。したがって、重みパラメー
タQ、Rの値を種々換えて最適な制御特性が得られるま
でシュミレーションを繰り返し、最適フィードバックゲ
インK及び積分定数KI を定めればよい。
積分定数KI はモデル定数a1 、b1 ,A1 〜A3 ,B
に依存している。よって、実際の下流側空燃比λR を制
御する系の変動(パラメータ変動)に対するシステムの
安定性(ロバスト性)を保証するためには、モデル定数
a1 、b1 ,A1 〜A3 ,Bの変動分を見込んで最適フ
ィードバックゲインK及び積分定数KI を設計する必要
がある。よって、シュミレーションはモデル定数a1 、
b1 ,A1 〜A3 ,Bの現実に生じ得る変動を加味して
行ない、安定性を満足する最適フィードバックゲインK
及び積分定数KI を定める。
[ロ]状態変数の表示方法、[ハ]レギュレータの設
計、[ニ]最適フィードバックゲインK及び積分定数K
I の決定について説明したが、これらは予め決定されて
おり、電子制御装置31ではその結果、即ち、上記した
数13及び数14のみを用いて制御を実行する。
本実施例の空燃比制御装置では、現代制御を適用する際
に、燃料噴射弁7から下流側A/Fセンサ27までの制
御対象全体をモデル化して、下流側空燃比λR を理論空
燃比λ=1に制御するための状態フィードバックを実行す
る。したがって、目標空燃比λTGと実際の下流側空燃比
λR(i)との偏差e(i) に基づき、上記した数13及び数
14に従って空燃比補正係数FAFが直接演算されるた
め、下流側空燃比λR(i)が乱れたときには、その乱れに
応じた空燃比補正係数FAFが速やかに演算されて、下
流側空燃比λR(i)が直ちに理論空燃比λ=1に収束され
る。
26にて検出された上流側空燃比λF を利用し、制御対
象全体を、燃料噴射弁7から上流側A/Fセンサ26ま
でと、三元触媒13から下流側A/Fセンサ27までと
に分割してモデル化している。そして、このように現代
制御の状態量の一つとして、信頼性の高いセンサ情報で
ある上流側空燃比λF を用いていることから、高精度の
状態フィードバックを実現可能となる。
基づきCPU32が実行する空燃比制御を説明する。
発明の一実施例である内燃機関の空燃比制御装置のCP
Uが実行する燃料噴射量算出ルーチンを示すフローチャ
ートである。
の回転に同期して360°CA毎に実行される。まず、
CPU32はステップS101で吸気圧PM、回転数N
e 等に基づいて基本燃料噴射量TP を算出し、続くステ
ップS102で空燃比のフィードバック条件が成立して
いるか否かを判定する。ここで、周知のようにフィード
バック条件とは、冷却水温Thwが所定値以上で、かつ高
回転・高負荷ではないときに成立する。ステップS10
2で空燃比のフィードバック条件が成立しているときに
は、ステップS103で予めROM33に格納された目
標空燃比λTG(本実施例では理論空燃比λ=1)を読出
し、ステップS104で、後述するように下流側空燃比
λR を目標空燃比λTG(=1,0)とするための空燃比補正係
数FAFを設定して、ステップS105に移行する。即
ち、ステップS104では目標空燃比λTGと下流側A/
Fセンサ27で検出された下流側空燃比λR とに応じ
て、前記した数13及び数14により空燃比補正係数F
AFが算出される。
ィードバック条件が成立していないときには、ステップ
S106で空燃比補正係数FAFを1.0に設定し、ス
テップS107で空燃比のフィードバック制御中を示す
フラグXFをクリアした後、ステップS105に移行す
る。
次式に従って基本燃料噴射量TP 、空燃比補正係数FA
F及び他の補正係数FALLから燃料噴射量TAUを設
定する。
基づく制御信号が燃料噴射弁7に出力されて開弁時間、
つまり燃料噴射量が制御され、その結果、実際の空燃比
が目標空燃比λTG(=1,0)に収束する。
は本発明の一実施例である内燃機関の空燃比制御装置の
CPUが実行する空燃比補正係数の設定ルーチンを示す
フローチャートである。
AFの設定ルーチンがコールされると、CPU32は、
ステップS201でフラグXFがセットされているか否
かを判定する。フラグXFがセットされていない場合に
は、ステップS106の処理の実行中に、フィードバッ
ク条件が成立して初めてこのルーチンに移行したとし
て、ステップS202で所謂初期化の処理を実行する。
例えば、サンプリング回数を示す変数iを0に、初期値
FAF(-1),FAF(-2),FAF(-3)を定数FAF0
に、目標空燃比λTGと下流側空燃比λR(i)との偏差の累
積ZI(-1) を定数ZI0に、初期値λF(-1) を定数λF0
に、初期値λR(-1),λR(-2) を定数λR0に、RAM34
の所定のエリアにおいて各々セットする。
フラグXFをセットして、ステップS204に移行す
る。したがって、以降はステップS201から直接ステ
ップS204に移行し、フィードバック条件が成立して
いる限り、ステップS202の初期化の処理が行なわれ
ることはない。また、フィードバック条件の不成立によ
りステップS106の処理が実行され、その後にフィー
ドバック条件が不成立してステップS104に移行する
と、再びステップS202の初期化の処理が1回のみ実
行される。
入力ポート36を介して上流側A/Fセンサ26及び下
流側A/Fセンサ27より実際の空燃比λF(i),λR(i)
を読み込み、ステップS205で数14に従って目標空
燃比λTG(=1,0)と下流側空燃比λR(i)の偏差e(i) を求
め、これを累積して積分項ZI(i)を演算する。更に、ス
テップS206で数13に従って、前記した積分項ZI
(i)、最適フィードバックゲインK、状態変数量X及び
状態変数量Z等から燃料補正係数FAF(i) を演算す
る。そして、ステップS207で次回の処理に備えて、
今回の空燃比λF(i),λR(i)及び燃料補正係数FAF
(i) を、前回の空燃比λF(i-1),λR(i-1)及び燃料補正
係数FAF(i-1) としてRAM34の所定エリアに記憶
更新する。その後、変数iを「+1」インクリメントし
て、一旦このルーチンを終了する。
して内燃機関1が機能し、燃料噴射手段M2として燃料
噴射弁7が、触媒M3として三元触媒13が機能する。
また、空燃比検出手段M4及び上流側空燃比検出手段M
6として上流側A/Fセンサ26が、下流側空燃比検出
手段M7として下流側A/Fセンサ27が、噴射量演算
手段M5としてステップS204乃至ステップS206
の処理を実行するときのCPU32がそれぞれ機能す
る。
御装置は、内燃機関1の吸気管3に配設されて、所定量
の燃料を噴射する燃料噴射弁7と、内燃機関1の排気管
12に配設されて、排気ガスを浄化する三元触媒13
と、下流側空燃比λR を検出する下流側A/Fセンサ2
7と、前記燃料噴射弁7から下流側A/Fセンサ27ま
での制御対象に近似して設定されたモデルに対する現在
及び過去の入出力を状態量とし、下流側空燃比λR を目
標空燃比λTG(=1)に制御すべく状態フィードバックを実
行して、前記燃料噴射弁7の噴射量に対する空燃比補正
係数FAFを演算するCPU32とを具備している。こ
の構成は請求項1の発明の実施例に相当するものであ
る。
Fセンサ27までの制御対象全体のモデルから空燃比補
正係数FAFが直接演算されるため、下流側空燃比λR
(i)が乱れたときには、その乱れに応じた空燃比補正係
数FAFを速やかに演算して、直ちに理論空燃比λ=1に
収束させることができ、空燃比制御の応答性を飛躍的に
向上させることができる。
置は、内燃機関1の吸気管3に配設されて、所定量の燃
料を噴射する燃料噴射弁7と、内燃機関1の排気管12
に配設されて、排気ガスを浄化する三元触媒13と、上
流側空燃比λF を検出する上流側A/Fセンサ26と、
下流側空燃比λR を検出する下流側A/Fセンサ27
と、前記燃料噴射弁7から下流側A/Fセンサ27まで
の制御対象に近似して設定されたモデルに対する、前記
上流側A/Fセンサ26にて検出された上流側空燃比λ
F を含む現在及び過去の入出力を状態量とし、下流側空
燃比λR を目標空燃比λTG(=1)に制御すべく状態フィー
ドバックを実行して、前記燃料噴射弁7の噴射量に対す
る空燃比補正係数FAFを演算するCPU32とを具備
している。この構成は請求項2の発明の実施例に相当す
るものである。
施例の効果に加えて、現代制御の状態量の一つとして、
信頼性の高いセンサ情報である上流側空燃比λF を用い
ていることから、高精度の状態フィードバックを実現し
て、空燃比制御の精度を向上させることができる。
上流側空燃比λF 及び制御量である下流側空燃比λR
を、空燃比に応じてリニアな信号を出力するA/Fセン
サ26,27により検出したが、本発明を実施する場合
には、これに限定されるものではなく、三元触媒13の
上流側及び下流側における排気ガスの空燃比を検出可能
なものであればよい。したがって、例えば、これらの空
燃比の検出にO2 センサを用いてもよい。以下、その一
例を説明する。
空燃比制御装置のO2 センサを用いた場合のCPUが実
行する空燃比補正係数の設定ルーチンを示すフローチャ
ート、図10は本発明の一実施例である内燃機関の空燃
比制御装置のO2 センサの出力電圧をリニアライズ処理
するためのマップを示す説明図である。
Fセンサ26を上流側O2 センサに変更し、下流側A/
Fセンサ27を下流側O2 センサに変更している。そし
て、CPU32はフィードバック条件が成立して、図9
のルーチンに基づいて空燃比補正係数FAFを設定する
ときには、前記した図8のルーチンと同様にステップS
203でフラグXFをセットした後に、ステップS30
1で両O2 センサの出力電圧VOX1,VOX2を読込
む。次いで、ステップS302で図10に示すマップに
従ってそれぞれの出力電圧VOX1,VOX2から空気
過剰率λF,λR(=上流側空燃比λF 及び下流側空燃比
λR )を算出する。つまり、O2 センサの出力電圧VO
X1,VOX2が理論空燃比λ=1を境界として反転する
際に発生する僅かな過渡領域を利用して、空気過剰率λ
F,λR を算出しているのである。その後、ステップS2
05で積分項ZI(i)を演算し、以降は図8のルーチンと
同様の処理を実行する。
例と同じく現代制御の状態フィードバックを実施するこ
とが可能である。なお、当然のことながら、上流側空燃
比λF 及び下流側空燃比λR の一方をA/Fセンサにて
検出し、他方をO2 センサにて検出してもよい。
関の空燃比制御装置によれば、燃料噴射手段M2から空
燃比検出手段M4までの制御対象全体のモデルから燃料
噴射手段M2の噴射量が直接演算されることから、触媒
M3の下流側の空燃比が乱れたときには、その乱れに応
じた噴射量を速やかに演算して、直ちに目標空燃比に収
束させることができ、空燃比制御の応答性を飛躍的に向
上させることができる。
制御装置によれば、請求項1の発明の効果に加えて、現
代制御の状態量の一つとして用いられる触媒M3の上流
側の空燃比が、上流側空燃比検出手段M6にて検出され
たセンサ情報であるため、高精度の状態フィードバック
を実現して、空燃比制御の精度を向上させることができ
る。
を概念的に示したクレーム対応図である。
を概念的に示したクレーム対応図である。
比制御装置が設けられた内燃機関とその周辺機器の概略
構成図である。
比制御装置における燃料噴射弁から上流側A/Fセンサ
までをモデル化する際の伝達関数を示す説明図である。
比制御装置における触媒から下流側A/Fセンサまでを
モデル化する際の伝達関数を示す説明図である。
比制御装置における現代制御の状態フィードバックを示
すブロック線図である。
比制御装置のCPUが実行する燃料噴射量算出ルーチン
を示すフローチャートである。
比制御装置のCPUが実行する空燃比補正係数の設定ル
ーチンを示すフローチャートである。
比制御装置のO2 センサを用いた場合のCPUが実行す
る空燃比補正係数の設定ルーチンを示すフローチャート
である。
空燃比制御装置のO2 センサの出力電圧をリニアライズ
処理するためのマップを示す説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 内燃機関に所定量の燃料を噴射する燃料
噴射手段と、 内燃機関の排気通路に配設されて、排気ガスを浄化する
触媒と、 前記触媒の下流側における排気ガスの空燃比を検出する
空燃比検出手段と、 前記燃料噴射手段から空燃比検出手段までの制御対象に
近似して設定されたモデルに対する状態量で、触媒の下
流側の空燃比を目標空燃比に制御すべく状態フィードバ
ックを実行して、前記燃料噴射手段の噴射量を演算する
噴射量演算手段とを具備することを特徴とする内燃機関
の空燃比制御装置。 - 【請求項2】 内燃機関に所定量の燃料を噴射する燃料
噴射手段と、 内燃機関の排気通路に配設されて、排気ガスを浄化する
触媒と、 前記触媒の上流側における排気ガスの空燃比を検出する
上流側空燃比検出手段と、 前記触媒の下流側における排気ガスの空燃比を検出する
下流側空燃比検出手段と、 前記燃料噴射手段から下流側空燃比検出手段までの制御
対象に近似して設定されたモデルに対する、前記上流側
空燃比検出手段にて検出された、上流側の空燃比を状態
量とし、触媒の下流側の空燃比を目標空燃比に制御すべ
く状態フィードバックを実行して、前記燃料噴射手段の
噴射量を演算する噴射量演算手段とを具備することを特
徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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-
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