JPH07102598A

JPH07102598A - 上水貯水槽

Info

Publication number: JPH07102598A
Application number: JP27295493A
Authority: JP
Inventors: Yoshihide Yamada; 義英山田
Original assignee: NIPPON YOKI KOGYO KK
Current assignee: NIPPON YOKI KOGYO KK
Priority date: 1993-10-06
Filing date: 1993-10-06
Publication date: 1995-04-18

Abstract

(57)【要約】【目的】地震が発生した場合の被害を小さくでき、貯
水タンク内の上水を漏水させること無く確保でき、か
つ、ポンプが運転可能であれば貯水タンク内の上水を供
給することもできる上水貯水設備を提供する。【構成】貯水タンク２１の上部にポンプ４２とモータ
４１とからなる送水ポンプユニット４０を搭載支持し、
貯水タンク２１に上水を導入する導入管３１とポンプ４
２の吸込口に接続する吸込管４３とを貯水タンク２１の
上部から貯水タンク２１内部に連絡するとともに、上記
導入管３１とポンプ４２の吐出口から延設される供給管
３２にそれぞれ可撓性のフレキシブルチューブ３４，４
７をそれぞれ設け、かつ、貯水タンク２１の下部に内部
の上水を取り出すことができるホーム水栓６１を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、上水を貯水タンク内
に一旦貯水した後に送水ポンプによって供給する上水貯
水槽、詳しくは、地震が発生した場合でも配管等の損傷
を最小限にくい止め、少なくとも貯水タンク内に貯水さ
れた上水を漏出することなく確保でき、さらに、送水ポ
ンプが運転可能であれば貯水タンク内の上水を送水ポン
プによって送給することができるようにした上水貯水槽
に関する。

【０００２】

【従来の技術】ビルディングや集合住宅においては、水
道から供給される上水を一旦受水槽等の貯水タンクに貯
留し、この貯水タンクに貯留された上水を送水ポンプで
個々の需要者に供給する上水貯水槽が設けられる。この
種の上水貯水槽では、一般に、貯水タンクと送水ポンプ
とをそれぞれ建物内の床上に別個に支持し、貯水タンク
を導入管により水道と接続して水道水を貯水タンクに導
入し、送水ポンプの吐出口に接続された給水管を各需要
者に接続し、これら貯水タンク下部と送水ポンプの吸入
口とを吸込配管（吸込管）で接続するようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の上水貯水槽にあっては、地震が発生した場合を
想定すると、貯水タンクと送水ポンプとが別個独立して
振動し、貯水タンクと送水ポンプとを連絡する吸込配管
や吸込配管の貯水タンクへの接続部等が破損等の被害を
受けると予想され、貯水タンク内に貯留された上水も破
損箇所から漏れ出てしまい、災害発生時に最も求められ
る飲料水の確保等が困難であるという問題点があった。

【０００４】この発明は、上述した各問題に鑑みてなさ
れたもので、地震が発生した場合にも貯水タンク内に貯
留された上水を漏水すること無く確保でき、さらに、貯
水タンクと送水ポンプとの間の配管の損傷を防止して送
水ポンプの運転が可能であるかぎり各需要者に飲料水を
供給することができる上水貯水槽を提供することを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の発明は、上水供給源に連絡した導入管を
貯水タンクに接続して導入管から供給される上水を貯水
タンクに貯留するとともに、該貯水タンクを吸込配管に
よって送水ポンプに接続し、該送水ポンプが吐出する上
水を該送水ポンプに接続した供給管から送給する上水貯
水槽において、前記貯水タンクの上部に搭載部を設け、
該搭載部に前記送水ポンプを搭載支持するとともに、前
記導入管および前記吸込配管を前記貯水タンクにその上
部位置で接続するようにした。また、請求項２の発明
は、貯水タンクの上部の一部を切り欠いて、この切欠部
に請求項１と同様の搭載部を設けるように構成した。

【０００６】

【作用】この発明にかかる上水貯水槽によれば、導入管
等が貯水タンクにその上部から連絡するため、地震が発
生して導入管自体の破損、また、導入管のタンクとの接
続部分の破損が生じても、この破損箇所から貯水タンク
内の水が漏出することを防止できる。そして、貯水タン
クの搭載部に送水ポンプが搭載支持され、地震が発生し
ても貯水タンクと送水ポンプとは一体的に振動するた
め、貯水タンクと送水ポンプとを連絡する吸込配管の損
傷が防止でき、送水ポンプが運転可能であれば貯水タン
ク内の上水を各需要者に給水できる。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図１から図５はこの発明の一実施例にかかる上
水貯水槽を示し、図１が正面図、図２が平面図、図３が
要部の平面図、図４が同要部の正面図、図５が同要部の
側面図である。

【０００８】図中、１１は建物内床等の上に設けられた
載置用の基礎、２１はこの基礎１１上にアンカーボルト
等によって設置された受水用の貯水タンクである。貯水
タンク２１は、角筒形状に成形された側板２２の上下に
天井板（搭載部）２３と底板２４とを溶接等で水密的に
固着して略直方体形状に構成され、内部に上水（上水）
を貯留する。この貯水タンク２１の側板２２および天井
板２３は剛性を改善するため断面波状に成形された鋼
板、いわゆる波形鋼板が用いられる。なお、詳細な説明
は割愛するが、貯水タンク２１の内面には防錆処理とし
てエポキシ等の樹脂がコーティング処理される。

【０００９】貯水タンク２１には、図外の水道管に接続
した導入管３１が天井板２３を貫通して上部に連絡し、
天井板２３上に揚水ポンプユニット（送水ポンプユニッ
ト）４０が配置され、この送水ポンプユニット４０の吐
出口から延出する送出管３２が図外の高架水槽等と接続
される。なお、述べるまでもないが、本発明は高架水槽
にも適用でき、高架水槽に適用した場合は導入管３１は
各需要者に分岐接続される。

【００１０】導入管３１は、貯水タンク２１の側板２２
の一側の外壁面および天井板２３の上面に沿って延設さ
れ、側板２２と天井板２３とにそれぞれ複数カ所でステ
ー３３によって固定される。この導入管３１は、側板２
２の最下端のステー３３で固定された部分よりも水道管
側に可撓性のフレキシブルチューブ３４を有し、側板２
２に沿って延在する部分にステー３３間の位置でバルブ
３５が、天井板２３に沿った部分に定水位弁３６が設け
られ、貯水タンク２１内部にボールタップ（図示せず）
が設けられる。

【００１１】送水ポンプユニット４０は、２つの多段渦
巻きポンプ４２を駆動用の電動モータ４１に択一的に駆
動可能に、すなわち各ポンプ４２を単独交互運転可能に
組み付けて構成され、貯水タンク２１の天井板２３上に
防振架台５０を介して設けられる。図３，４，５に示す
ように、防振架台５０は、天井板２３の略全幅にわたっ
て平行に延設された断面略Ｃチャネル状の一対のメンバ
ー５１上に弾性体を有する防振部材５２を固着して構成
され、この防振部材５２上に電動モータ４１とポンプ４
２とが取り付けられる。メンバー５１は、ブラケット５
３を用いて長手方向複数カ所で天井板２３に溶接で固定
される。

【００１２】送水ポンプユニット４０は、各ポンプ４２
の吸込口からそれぞれ吸込管４３が天井板２３を貫通し
て貯水タンク２１内底部近傍まで延設され、また、各ポ
ンプ４２の吐出口が互いに連通した共通の吐出口を有
し、この共通の吐出口に前述した送出管３２が接続して
いる。吸込管４３は、下端にフート弁４４が設けられ、
側板２２の内面に複数カ所でステー４５により固定され
る。

【００１３】送出管３２は、各ポンプ４２の共通の吐出
口から略く字状に側板２２の外面に沿って下方に延設さ
れ、側板２２および天井板２３に複数カ所でステー４６
で固定される。この送出管３２は、前述した導入管３１
と同様に、側板２２の最下方のステー４６よりも下側の
部分に可撓性のフレキシブルチューブ４７を有し、ま
た、このチューブ４７の上方部分にバルブ４８が設けら
れる。

【００１４】また、貯水タンク２１には、側板２２の送
出管３２側の下部外面にホーム水栓（カラン）６１が設
けられる。ホーム水栓６１は開くことで貯水タンク２１
内部の水を取り出すことが可能である。このホーム水栓
６１は保護ボックス６２内に収容される。なお、６３は
天井板２３に設けられた内部点検用のマンホール、６４
は作業者の昇降用のはしご、６５は溢水を排出する溢水
口である。

【００１５】この実施例にあっては、周知のように、水
道からの上水を導入管３１により貯水タンク２１内に導
いて一旦貯留し、この貯水タンク２１内部の貯留水をポ
ンプユニット４０が電動モータ４１によりポンプ４２を
駆動することで高架水槽等に送り出す。ここで、ポンプ
ユニット４０は貯水タンク２１の天井板２３上に防振架
台５０を介して設けられるため騒音の原因となる振動の
伝達を有効に抑制できる。そして、防振架台５０は、メ
ンバー５１を貯水タンク２１の天井板２３上に延設し、
このメンバー５１の上に防振部材５２を設けて構成され
るため、貯水タンク２１の剛性を改善することもでき
る。

【００１６】一方、地震が発生した場合を想定すると、
ポンプユニット４０は貯水タンク２１上に搭載され、貯
水タンク２１、ポンプユニット４０および吸込管４３が
一体的に振動する。このため、吸込管４３の損傷、例え
ば、吸込管４３の貯水タンク２１との接続部分の破断等
が生じることもない。このため、ポンユニット４０の損
傷が少なければ、すなわち駆動モータ４１等が運転でき
る状態であれば、貯水タンク２１内の水を送り出すこと
ができ、災害時の飲料水確保に大きく貢献できる。

【００１７】また、地震の規模が大きく、ポンプユニッ
ト４０も完全に破壊されたような状況を想定しても、貯
水タンク２１に接続する配管３１，３２が全て天井板２
３を貫通して上部から接続するため、タンク２１に漏水
の原因となる損傷が生じることを防止でき、貯水タンク
２１内に上水を確保できる。したがって、ポンプユニッ
ト４０による給水は不可能であるが、被災者はホーム水
栓６１から飲料水を得ることができる。

【００１８】また特に、この実施例は、導入管３１と送
出管３２とにそれぞれフレキシブルチューブ３４，４７
が設けられ、地震発生時において、各管３１，３２が各
チューブ３４，４７を変形させて変位でき、各管３１，
３２と貯水タンク２１との相対的な変位（振動）が小さ
くなる。したがって、各管３１，３２と貯水タンク２１
との接続部等が破損するおそれも少なく、後の復旧作業
が容易である。

【００１９】図６から図９にはこの発明の他の実施例に
係る上水貯留槽を示し、図６が一部を破断断面した正面
図、図７が同一部を破断断面した平面図、図８が側面
図、図９が要部の拡大斜視図である。なお、以下、上述
した実施例と対応する部分には同一の番号を付して説明
を省略する。

【００２０】この実施例は、貯水タンク２１の上側の一
部分を切り欠いて鉛直仕切板２８と水平仕切板２９とに
より空間（搭載部）Ｓを画成し、この空間Ｓ内にポンプ
ユニット４０を配設したものである。この空間Ｓは、貯
水タンク２１の水貯留空間と鉛直仕切板２８で隔成さ
れ、上方が天井板２３で、側方が側板２２で、下方が水
平仕切板２９により区画される。そして、水平仕切板２
９上には前述した防振架台５０を介してポンプユニット
４０が搭載される。

【００２１】ポンプユニット４０は、各ポンプ４２の吸
込口から吸込管４３が鉛直仕切板２８を貫通してタンク
２１内部に延設され、また、共通の吐出口からは側板２
２を貫通して送出管３２が空間Ｓ外へ延設される。な
お、この天井板２３には空間Ｓに開口するマンホール９
７が点検用に設けられる。

【００２２】この実施例にあっても、地震発生時におい
て、吸込管４３等の配管の損傷が防止でき、ポンプユニ
ット４０が運転できるかぎり給水でき、また、ポンプユ
ニット４０も破壊されて給水不能となってもホーム水栓
６１により給水タンク２１内部の水を用いることがで
き、上水の確保に大きく貢献できる。そして、この実施
例では、特に、ポンプユニット４０を空間Ｓ内に配置す
るため、騒音の放散を防止でき、高い静粛性が得られ
る。また、フート弁４４が壊れたときでも、ポンプユニ
ット４０の汲み上げが可能である。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
上水貯水槽によれば、貯水タンクに上水を導入する導入
管をその上部から接続するとともに、貯水タンクの上部
に送水ポンプを搭載支持し、送水ポンプの吸込管を貯水
タンクの上部から内部に接続するように構成したため、
地震の発生により配管と貯水タンクとの接続部が破損し
たような場合でもタンクからの漏水を防止してタンク内
に上水を確保でき、また、ポンプユニットが運転可能で
あるかぎり給水を行え、災害時にあっても飲料水の供給
を高い信頼性で行え、また、設置場所も少なくて済むも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例にかかる上水貯水槽の正面
図である。

【図２】同上水貯水槽の平面図である。

【図３】同上水貯水槽の要部の正面図である。

【図４】同要部の平面図である。

【図５】同要部の側面図である。

【図６】この発明の他の実施例に係る上水貯水槽の一部
破断断面した正面図である。

【図７】同上水貯水槽の一部破断断面した平面図であ
る。

【図８】同上水貯水槽の側面図である。

【図９】同上水貯水槽の要部の斜視図である。

【符号の説明】

１１基礎２１貯水タンク２２側板２３天井板２４底板２８鉛直仕切板２９水平仕切板３１導入管３２送出管３４フレキシブルチューブ４０送水ポンプユニット４１駆動モータ４２送水ポンプ４３吸込管（吸込配管）４７フレキシブルチューブ５０防振架台５１メンバー５２防振部材６１ホーム水栓Ｓ空間

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上水供給源と連絡した導入管を貯水タン
クに接続して導入管から供給される上水を貯水タンクに
貯留するとともに、該貯水タンクを吸込配管によって送
水ポンプに接続し、該送水ポンプが吐出する上水を該送
水ポンプに接続した供給管から送給する上水貯水槽にお
いて、前記貯水タンクの上部に搭載部を設けて該搭載部に前記
送水ポンプを搭載支持するとともに、前記導入管および
前記吸込配管を前記貯水タンクにその上部位置で接続す
るようにしたことを特徴とする上水貯水槽。
【請求項２】上水供給源と連絡した導入管を貯水タン
クに接続して導入管から供給される上水を貯水タンクに
貯留するとともに、該貯水タンクを吸込配管によって送
水ポンプに接続し、該送水ポンプが吐出する上水を該送
水ポンプに接続した供給管から送給する上水貯水槽にお
いて、前記貯水タンクの上部の一部を段差状に切り欠いて該切
り欠いた部分に搭載部を設け、該搭載部に前記送水ポン
プを搭載支持するとともに、前記導入管および前記吸込
配管を前記貯水タンクにその上部位置で接続するように
したことを特徴とする上水貯水槽。
【請求項３】前記搭載部を少なくとも側方が前記貯水
タンクと一体の部材により覆われるようにした請求項２
記載の上水貯水槽。
【請求項４】前記搭載部が、前記貯水タンク上面に延
設された補強メンバー上に防振部材を介して前記送水ポ
ンプを搭載するように構成された請求項１または請求項
２記載の上水貯水槽。
【請求項５】前記貯水タンクの下部に手動操作可能な
カランを設けた請求項１または請求項２記載の上水貯水
槽。