JPH07102275A - 冷凍機用潤滑剤及び冷凍装置用フラッシング油 - Google Patents

冷凍機用潤滑剤及び冷凍装置用フラッシング油

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JPH07102275A
JPH07102275A JP24800693A JP24800693A JPH07102275A JP H07102275 A JPH07102275 A JP H07102275A JP 24800693 A JP24800693 A JP 24800693A JP 24800693 A JP24800693 A JP 24800693A JP H07102275 A JPH07102275 A JP H07102275A
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carbon atoms
acid
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oil
acetal compound
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JP24800693A
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English (en)
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Tamiji Kamakura
民次 鎌倉
Noriyoshi Tanaka
典義 田中
Kimiyoshi Naniwa
公義 浪波
幸男 ▲巽▼
Yukio Tatsumi
Yoko Saito
陽子 斉藤
Hiroshi Yoshida
広志 吉田
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、R134a等のハイドロフ
ルオロカーボンからなる冷媒と相溶性の良く、しかも冷
凍装置中の水分、遊離酸を低下せしめた良好な冷凍機用
潤滑剤並びに冷凍装置中に存在する水分を効果的に除去
することのできるフラッシング油を提供することにあ
る。 【構成】 本発明の冷凍機用潤滑剤は、合成油、及びア
ミドアセタール化合物を含有することを特徴とし、冷凍
装置用フラッシング油は、該アミドアセタール化合物、
あるいは鉱油及び/または合成油を用いた該アミドアセ
タール化合物の希釈液であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍機用潤滑剤に関
し、更に詳しくは、ハイドロフルオロカーボンR134
a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、ハイドロフ
ルオロカーボンR32(ジフルオロメタン)、ハイドロフ
ルオロカーボンR125(ペンタフルオロエタン)等のよ
うなハイドロフルオロカーボンからなる冷媒を使用する
冷凍機用潤滑剤に関する。
【0002】また、本発明は、冷凍装置用フラッシング
油に関し、更に詳しくは、R134a、R32、R12
5等のようなハイドロフルオロカーボンからなる冷媒を
使用する冷凍装置用フラッシング油に関する。
【0003】
【従来の技術】従来から冷凍機には、化学的に安定でか
つ毒性の低い優れた冷媒としてハロゲン化炭化水素から
なる冷媒が使用されてきた。しかしながら、このハロゲ
ン化炭化水素からなる冷媒のうちクロロフルオロカーボ
ン、例えばクロロフルオロカーボンR12(ジクロロジ
フルオロメタン)は、成層圏に存在するオゾン層の破壊
や地球温暖化の原因になるとして、1996年全廃が先
のモントリオール議定書において決定している。
【0004】他方、R12の代替が期待されていたハイ
ドロクロロフルオロカーボンR22(クロロジフルオロ
メタン)もオゾン層の破壊の懸念があるため、21世紀
の初期には全廃の意向で各国が協議中である。
【0005】こうした中で、R12の代替としてはR1
34aが、R22の代替としてはR134aとR32の
混合物がそれぞれ注目を集めており、今後の冷媒には上
記に代表されるような分子中に塩素を含まないフロン系
冷媒が期待されている。
【0006】しかしながら、これらR134aやR32
等の分子中にハイドロフルオロカーボンからなる冷媒は
R12やR22に比べて極性が高いため、今まで冷凍機
用潤滑剤として用いられてきたナフテン鉱油やアルキル
ベンゼン等との相溶性が悪く、これを改善するため米国
特許第4,755,316号明細書、特開平3−28296号公報等に
示されるポリオキシアルキレングリコール系冷凍機用潤
滑剤や、特開平3−227397号公報、特開平3−88892号
公報、特開平3−128991号公報、特開平3−128992号公
報等に示されるエステル系冷凍機用潤滑剤が提案されて
いる。
【0007】しかし、冷凍機油自身中あるいは冷凍機の
コンプレッサー内には微量の水分が存在しており、冷凍
機油中にエステル結合を含む化合物が存在した場合、エ
ステル結合が加水分解して遊離酸を生成し、腐食やスラ
ッジの原因になる等の問題点があった。
【0008】これらを改善するために、特公昭60−1935
2号公報にグリシジルエーテル型エポキシ化合物及びエ
ポキシ化植物油を安定剤として使用する提案が、また、
特開平3−275799号公報、特開平4−55498号公報にR
134aと相溶性の良いグリシジルエーテル型のエポキ
シ化合物の使用が提案されており、更に、特開平5−10
5896号公報には脂環式エポキシ化合物の使用が提案され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
60−19352号公報に記載されたグリシジルエーテル型エ
ポキシ化合物及びエポキシ化植物油は、R12及びR2
2等のような塩素を含有するハイドロフルオロカーボン
からなる冷媒を対象としており、現にエポキシ化植物油
等はR134aと相溶性が悪く、コンプレッサー内で様
々な悪影響を及ぼす。
【0010】一方、特開平3−275799号公報、特開平4
−55498号公報に提案されているR134aと相溶性の
良いグリシジルエーテル型のエポキシ化合物は、製品中
に塩素が必ず残存しており、環境上好ましくない上に、
コンプレッサー内の摺動面中でポリメリゼイションを起
こしスラッジの原因になる、遊離酸等との反応が遅いた
め生成した遊離酸による腐食の抑制が不十分である等の
欠点があった。
【0011】更に、脂環式エポキシ化合物は塩素を残存
していない点で進歩性があったが、遊離酸等との反応が
遅いため充分な性能が得られておらず、かつ上記の添加
剤では電気絶縁性を向上せしめる効果に乏しいなど、い
まだ改善の余地があった。
【0012】このような冷凍装置中や、あるいは冷凍機
自身に存在する微量水分の問題を解決するために、水分
を完全に捕捉できる方法あるいは加水分解したあとの遊
離脂肪酸を完全に捕捉できる方法を見出さなければなら
ない。
【0013】また、従来の塩素を含有するハイドロフル
オロカーボンからなる冷媒を使用していた冷凍装置には
冷凍機油として鉱油やアルキルベンゼン等の加水分解に
対して非常に安定な化合物が使用されており、この時代
には冷凍装置にフラッシングは不要であった。
【0014】しかし、上述のように近年ハイドロフルオ
ロカーボンからなる冷媒が使用されるようになると、ハ
イドロフルオロカーボンからなる冷媒と相溶性の良い冷
凍機油が総じて加水分解に弱いため冷凍装置内の水分を
除去するためにフラッシングが必要になった。
【0015】このようなフラッシング油としては、冷凍
装置内にフラッシング油が残存することの影響を考慮し
て、従来その冷凍装置に使用されるハイドロフルオロカ
ーボンからなる冷媒と相溶性の良い冷凍機油をフラッシ
ング油として使用していた。
【0016】しかし、このような従来のフラッシング油
は、水の溶解性が低いため、微量の水分を除去できない
という問題があった。
【0017】従って、本発明の目的は、R134a等の
ハイドロフルオロカーボンからなる冷媒と相溶性の良
く、しかも冷凍装置中の水分、遊離酸を低下せしめ、こ
れらによる上記問題点を解決した良好な冷凍機用潤滑剤
を提供することにある。
【0018】また、本発明の他の目的は、冷凍装置中に
存在する水分を効果的に除去することのできるフラッシ
ング油を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、冷凍機用
潤滑剤及びフラッシング油について鋭意研究した結果、
本発明に到達した。即ち、本発明は、合成油、及び分子
中に式
【化5】 で示される官能基を1個以上含有するアミドアセタール
化合物を含有することを特徴とする、ハイドロフルオロ
カーボンからなる冷媒を使用する冷凍機用潤滑剤を提供
することにある。
【0020】更に、本発明は、合成油、及び一般式
【化6】 (式中、R1及びR2は炭素数1〜3までのアルキレン
基、もしくは炭素数1〜18の炭化水素基あるいは窒素
及び/または酸素を含有する炭素数1〜18までの炭化
水素基を分岐鎖にもつ炭素数1〜3までのアルキレン基
であり、R3、R4、R5及びR6は水素または炭素数1〜
18の炭素水素基あるいは窒素及び/または酸素を含有
する炭素数1〜18までの炭化水素基であり、それぞれ
同一でも、異なっていてもよく、また、nは1あるいは
2であり、n=1の時、R7は水素または炭素数1〜1
8の炭化水素基あるいは窒素及び/または酸素を含有す
る炭素数1〜18までの炭化水素基であり、n=2の
時、R7は炭素数1〜18のアルキレン基あるいは窒素
及び/または酸素を含有する炭素数1〜18までのアル
キレン基である)で示される二環式アミドアセタール化
合物を含有することを特徴とする、ハイドロフルオロカ
ーボンからなる冷媒を使用する冷凍機用潤滑剤を提供す
ることにある。
【0021】また、本発明は、式
【化7】 で示される官能基を1個以上含有するアミドアセタール
化合物、あるいは鉱油及び/または合成油を用いた該ア
ミドアセタール化合物の希釈液であることを特徴とす
る、ハイドロフルオロカーボンからなる冷媒を使用する
冷凍装置用フラッシング油を提供することにある。
【0022】更に、本発明は、一般式
【化8】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、n及びR7は上
述と同意義をもつ)で示される二環式アミドアセタール
化合物、あるいは鉱油及び/または合成油を用いた該ア
ミドアセタール化合物の希釈液であることを特徴とす
る、ハイドロフルオロカーボンからなる冷媒を使用する
冷凍装置用フラッシング油を提供することにある。
【0023】本発明に用いられるアミドアセタール化合
物としては、上記式(1)で示される官能基を1個含有す
る化合物であればいずれのものでも使用することができ
る。このような化合物としては、例えば水素または炭素
数1〜18の炭化水素基あるいは窒素及び/または酸素
を含有する炭素数1〜18の炭化水素基を有する脂肪族
系のアミドアセタール化合物、環式のアミドアセタール
化合物、二環式のアミドアセタール化合物等が挙げられ
る。
【0024】これらのうちでも、上記一般式(2)で示さ
れる二環式のアミドアセタール化合物が水、遊離酸等の
除去能力及び体積抵抗率の点で好ましい。
【0025】上記一般式(2)中の、R1及びR2は炭素数
1〜3までのアルキレン基もしくは炭素数1〜18の炭
化水素基あるいは窒素及び/または酸素を含有する炭素
数1〜18までの炭化水素基を分岐鎖にもつ炭素数1〜
3までのアルキレン基であるが、ハイドロフルオロカー
ボンからなる冷媒との相溶性の観点から好ましくは炭素
数1〜3までのアルキレン基もしくは炭素数1〜6の炭
化水素基を分岐鎖にもつ炭素数1〜3までのアルキレン
基であり、更に好ましくはメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、イソプロピレン基である。
【0026】上記一般式(2)中の、R3、R4、R5及び
6は水素または炭素数1〜18の炭化水素基あるいは
窒素及び/または酸素を含有する炭素数1〜18までの
炭化水素基であり、同一でも異なっていても良く、好ま
しくは水素または炭素数1〜12までの脂肪族系炭化水
素基、炭素数6〜18までの芳香族系及び芳香−脂肪族
系炭化水素基であり、具体的には水素、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペ
ンチル、2−メチルブチル、ヘキシル、ヘプチル、オク
チル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、ドデシル等のアルキル基、プロペニル、ブテニル、
イソブテニル、ペンテニル、2−エチルヘキセニル、オ
クテニル等のアルケニル基、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、メチルシクロペンチル、エチルシクロペンチル
等のシクロアルキル基、フェニル、ナフチル等のアリー
ル基、トルイル、イソプロピルフェニル、ジイソプロピ
ルフェニル、トリイソプロピルフェニル、ノニルフェニ
ル等のアルキル置換フェニル等のアリール基、ベンジ
ル、フェネチル等のアラルキル基等が挙げられるが、炭
素数が多くなるにつれて合成油並びにハイドロフルオロ
カーボンからなる冷媒に対する溶解性が悪くなる傾向あ
るため、更に好ましいのは水素あるいは脂肪族系炭化水
素基では炭素数1〜6までのアルキル基であり、芳香族
系及び芳香−脂肪族系炭化水素基では炭素数6〜10ま
でのアリール基及びアルキル置換フェニル等であり、具
体的には、水素、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、ペンチル、2−メチルブチル、ヘキシル、フ
ェニル、トルイル、イソプロピルフェニル等が挙げられ
る。
【0027】また、上記一般式(2)中のnは1あるいは
2であり、n=1の時、R7は水素または炭素数1〜1
8の炭化水素基あるいは窒素及び/または酸素を含有す
る炭素数1〜18までの炭化水素基であり、n=2の
時、R7は炭素数1〜18のアルキレン基あるいは窒素
及び/または酸素を含有する炭素数1〜18までのアル
キレン基である。
【0028】ここで、n=1の時、R7として好ましい
のは炭素数1〜12までの脂肪族系炭化水素基、炭素数
6〜18までの芳香族系及び芳香−脂肪族系炭化水素基
であり、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、2−メチルブ
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキ
シル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等のアル
キル基、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテ
ニル、2−エチルヘキセニル、オクテニル等のアルケニ
ル基、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロ
ペンチル、エチルシクロペンチル等のシクロアルキル
基、フェニル、ナフチル等のアリール基、トルイル、イ
ソプロピルフェニル、ジイソプロピルフェニル、トリイ
ソプロピルフェニル、ノニルフェニル等のアルキル置換
フェニル等のアリール基、ベンジル、フェネチル等のア
ラルキル基等が挙げられ、更に好ましくはハイドロフル
オロカーボンからなる冷媒との相溶性の観点から、脂肪
族系炭化水素基では炭素数1〜6までのアルキル基であ
り、芳香族系及び芳香−脂肪族系炭化水素基では炭素数
6〜10までのアリール基及びアルキル置換フェニル等
であり、具体的には、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、ペンチル、2−メチルブチル、ヘキシ
ル、フェニル、トルイル、イソプロピルフェニル等が挙
げられる。
【0029】また、n=2の時、R7として好ましいの
は炭素数1〜12の炭化水素系のアルキレン基であり、
ハイドロフルオロカーボンからなる冷媒との相溶性の観
点から更に好ましくは炭素数1〜4までのアルキレン基
であり、具体的には、メチレン、エチレン、プロピレ
ン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン等が挙げ
られる。
【0030】本発明の冷凍機用潤滑剤に使用する上記ア
ミドアセタール化合物の添加量は合成油100重量部に
対して0.05〜15重量部の範囲内であればよく、好
ましくは0.5〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5
重量部である。上記量重量部未満の添加量では充分な効
果が得られず、15重量部を越えても添加効果はさほど
向上せず、逆に潤滑性が不足するなどの不具合を生じる
こともある。
【0031】本発明に使用される合成油としては100
℃における動粘度が2〜50cStでR134a等のよ
うな塩素を含まないハイドロフルオロカーボンからなる
冷媒と相溶性の良いものであればよく、例えばポリオキ
シアルキレングリコール及びその変性物、ネオペンチル
ポリオールエステル、二塩基酸エステル、ポリエステ
ル、炭酸エステル、芳香族多塩基酸エステル、フッ素化
油等が適用でき、これらのうち1種または2種以上の混
合物として使用することができる。
【0032】また、冷凍機の種類や使用用途によって冷
凍サイクルの最適温度が異なるため塩素を含まない冷媒
と冷凍機用潤滑剤の好適な相溶性温度は一概には示すこ
とはできないが、例えば急速冷凍装置等は−60℃〜5
0℃、家庭用小型冷蔵庫では−40℃〜80℃、ルーム
エアコンでは−20℃〜50℃、カーエアコンでは−2
0℃〜80℃、熱帯地方のルームエアコンでは0℃以上
等であり、これらの温度範囲においてR134a等のよ
うなハイドロフルオロカーボンからなる冷媒と相溶性の
良い合成油が好ましい。
【0033】これらの合成油を具体的に説明すると、ポ
リオキシアルキレングリコール化合物としては、例えば
一般式
【化9】R8O(AO)m9 (3) で示される化合物を挙げることができる。
【0034】上記一般式(3)中の、Aは炭素数1〜4ま
でのアルキレン基及び/またはスチレン基であり、具体
的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプ
ロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、エチルエチ
レン基、ジメチルエチレン基、スチレン基などが挙げら
れ、これらは1種もしくは2種以上用いることができ、
ランダム結合でもブロック結合でも良い。
【0035】これらのうち、電気絶縁性の観点から好ま
しいのはイソプロピレン基、ブチレン基、スチレン基で
あり、潤滑性から好ましいのはメチレン基、エチレン基
であり、総合的には、イソプロピレン基を主成分としこ
れにブチレン基、スチレン基、エチレン基がそれぞれイ
ソプロピレン基に対し50モル%以下の配合量でブロッ
ク結合及び/またはランダム結合しているものが更に好
ましい。
【0036】上記一般式(3)中の、R8及びR9としては
水素または炭素数1〜18の炭化水素基または窒素及び
/または酸素を含有する炭素数1〜18の炭化水素基が
挙げられ、同一でも異なっていても良い。
【0037】上記一般式(3)中の、R8及びR9として好
ましいのは水素、炭素数1〜12までの脂肪族系炭化水
素基、炭素数6〜18までの芳香族系及び芳香−脂肪族
系炭化水素基である化合物であり、具体的には水素、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、ペンチル、2−メチルブチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシ
ル、ウンデシル、ドデシル等のアルキル基、プロペニ
ル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、2−エチル
ヘキセニル、オクテニル等のアルケニル基、シクロペン
チル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、エチル
シクロペンチル等のシクロアルキル基、フェニル、ナフ
チル等のアリール基、トルイル、イソプロピルフェニ
ル、ジイソプロピルフェニル、トリイソプロピルフェニ
ル、ノニルフェニル等のアルキル置換フェニル等のアリ
ール基、ベンジル、フェネチル等のアラルキル基等が挙
げられる。
【0038】上記一般式(3)中の、R8及びR9の置換基
は炭素数が多くなるにつれて合成油並びにハイドロフル
オロカーボンからなる冷媒に対する溶解性が悪くなる傾
向があるため、更に好ましいのは水素、脂肪族系炭化水
素基では炭素数1〜4までのアルキル基であり、芳香族
系及び芳香−脂肪族系炭化水素基では炭素数6〜12ま
でのアリール基及びアルキル置換フェニル等であり、具
体的には、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、フェニル、トルイル、イソ
プロピルフェニル、ジイソプロピルフェニル等が挙げら
れる。
【0039】上記一般式(3)中の、mは10以上80以
下でかつ全体の分子量が4000以下であれば良く、ハ
イドロフルオロカーボン溶解性の観点から好ましくは分
子量が200以上3500以下、更に好ましくは300
以上3000以下である。
【0040】このようなポリオキシアルキレングリコー
ル化合物の具体例としては、例えばポリオキシプロピレ
ングリコール、ポリオキシエチレンプロピレングリコー
ル(エチレン基:イソプロピレン基モル比=2:8)のラ
ンダム重合型あるいはブロック重合型、ポリオキシエチ
レンプロピレンブチレングリコール(エチレン基:イソ
プロピレン基:ブチレン基モル比=2:7:1)のラン
ダム重合型あるいはブロック重合型、ポリオキシエチレ
ンプロピレンスチレングリコール(エチレン基:イソプ
ロピレン基:スチレン基モル比=2:7:1)のランダ
ム重合型あるいはブロック重合型、ポリオキシプロピレ
ンスチレングリコール(イソプロピレン基:スチレン基
モル比=9:1)のランダム重合型あるいはブロック重
合型等のジオール系のポリオキシアルキレングリコール
化合物、ポリオキシプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ポリオキシプロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ポリオキシエチレンプロピレングリコールモノ
メチルエーテル(エチレン基:イソプロピレン基モル比
=2:8)のランダム重合型あるいはブロック重合型、
ポリオキシエチレンプロピレングリコールモノブチルエ
ーテル(エチレン基:イソプロピレン基モル比=3:7)
のランダム重合型あるいはブロック重合型、ポリオキシ
エチレンプロピレングリコールモノフェニルエーテル
(エチレン基:イソプロピレン基モル比=1:9)のラン
ダム重合型あるいはブロック重合型、ポリオキシエチレ
ンプロピレンブチレングリコールモノトルイルエーテル
(エチレン基:イソプロピレン基:ブチレン基モル比=
1:8:1)のランダム重合型あるいはブロック重合
型、ポリオキシエチレンプロピレンスチレングリコール
モノメチルエーテル(エチレン基:イソプロピレン基:
スチレン基モル比=2:7:1)のランダム重合型ある
いはブロック重合型等のモノエーテル系のポリオキシア
ルキレングリコール化合物、ポリオキシプロピレングリ
コールジメチルエーテル、ポリオキシプロピレングリコ
ールメチルエチルエーテル、ポリオキシエチレンプロピ
レングリコールメチルエチルエーテル(エチレン基:イ
ソプロピレン基モル比=2:8)のランダム重合型ある
いはブロック重合型、ポリオキシエチレンプロピレング
リコールジメチルエーテル(エチレン基:イソプロピレ
ン基モル比=2:8)のランダム重合型あるいはブロッ
ク重合型、ポリオキシエチレンプロピレングリコールブ
チルフェニルエーテル(エチレン基:イソプロピレン基
モル比=3:7)のランダム重合型あるいはブロック重
合型、ポリオキシエチレンプロピレングリコールジフェ
ニルエーテル(エチレン基:イソプロピレン基モル比=
1:9)のランダム重合型あるいはブロック重合型、ポ
リオキシエチレンプロピレンブチレングリコールメチル
トルイルエーテル(エチレン基:イソプロピレン基:ブ
チレン基モル比=1:8:1)のランダム重合型あるい
はブロック重合型、ポリオキシエチレンプロピレンスチ
レングリコールメチルエチルエーテル(エチレン基:イ
ソプロピレン基:スチレン基モル比=2:7:1)のラ
ンダム重合型あるいはブロック重合型等のジエーテル系
のポリオキシアルキレングリコール化合物等を挙げるこ
とができる。
【0041】ポリオキシアルキレングリコールの変性物
としてはランダム状もしくはブロック状の分子量200
〜3000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
グリコールのアシル化物及び分子量200〜3000の
ポリオキシプロピレングリコールのアシル化物等を挙げ
ることができる。
【0042】ネオペンチルポリオールエステルとして
は、炭素原子数2〜18、好ましくは2〜9の脂肪族カ
ルボン酸とネオペンチルグリコール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール等のネオペンチルポリオー
ルとのエステルを挙げることができる。
【0043】二塩基酸エステルとしては、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸及びフタル酸等のように炭素
原子数4〜12の二価カルボン酸と炭素原子数4〜18
の1級または2級アルコールとのエステルであり、具体
的にはブチルフタレート、ジヘキシルフタレート等を挙
げることができる。
【0044】ポリエステルとしては、炭素原子数4〜1
2の二価カルボン酸と炭素原子数4〜18の多価アルコ
−ルとの架橋エステルであり、末端の官能基を炭素原子
数4〜12の脂肪族カルボン酸あるいは炭素原子数4〜
12の1級または2級アルコールでエステル結合とした
化合物が挙げられる。
【0045】炭酸エステル化合物としては特開平3-2174
95号公報、特開平4-18940号公報、特開平4-63893号公報
等に記載のれているポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレングリコールのポリカーボネート化合物等を挙げる
ことができる。
【0046】芳香族多塩基酸エステルとしては、ピロメ
リット酸、トリメリット酸等の芳香族多価脂肪酸と炭素
数1〜8までの1級または2級アルコールとのエステル
を挙げることができる。
【0047】フッ素化油としては、例えば特開平3−779
8号公報に記載のパーフルオロエーテル等を挙げること
ができる。
【0048】これらの上記で示した合成油は1種または
2種以上の混合物で用いることができる。
【0049】なお、本発明に使用できる合成油のうち、
好ましいのはネオペンチル型ポリオールエステルであ
る。ネオペンチル型ポリオールエステルは電気絶縁性の
点でポリオキシアルキレングリコールの変性物に優り、
炭酸ガスを発生しない点で炭酸エステル系の化合物に優
り、耐熱性の点で二塩基酸エステルやポリエステルに優
り、潤滑性の点で芳香族多塩基酸エステルに優るため、
特に密閉型の冷凍装置を使用する場合にはネオペンチル
型ポリオールエステルが好ましい。
【0050】ネオペンチル型ポリオールエステルを構成
するネオペンチル型ポリオールは、特に限定されず、ネ
オペンチル構造を有し、水酸基を2個以上有するもので
あれば良く、例えばネオペンチルグリコール、トリメチ
ロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロ
ールプロパン、ジトリメチロールエタン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリス
リトールが挙げられ、このうちの1種もしくは2種以上
の混合物を使用することができる。
【0051】ネオペンチル型ポリオールエステルを構成
する脂肪酸は直鎖及び/または分枝鎖の飽和脂肪酸の1
種もしくは2種以上の混合物であれば良いが、好ましく
は直鎖及び/または分枝鎖の飽和脂肪酸の直鎖部分の炭
素原子数(2種以上の混合物である場合は平均炭素原子
数)が4〜10である脂肪酸が良く、例えば、n−ブタ
ン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸等のイ
ソペンタン酸、n−ペンタン酸、2−メチルペンタン
酸、3−メチルペンタン酸、2−エチルブタン酸等のイ
ソヘキサン酸、n−ヘキサン酸、2−メチルヘキサン
酸、3−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、5
−メチルヘキサン酸等のイソヘプタン酸、n−ヘプタン
酸、2−エチルヘキサン酸、3,5−ジメチルヘキサン
酸、4,5−ジメチルヘキサン酸、4−メチルヘプタン
酸等のイソオクチル酸、n−オクチル酸、3,5,5−ト
リメチルヘキサン酸等のイソノナン酸、n−ノナン酸、
イソデカン酸、n−デカン酸、イソドデカン酸、n−ド
デカン酸、イソウンデカン酸、n−ウンデカン酸、イソ
トリデカン酸、n−トリデカン酸、イソミリスチン酸、
イソパルミチン酸、イソステアリン酸、2,2−ジメチ
ルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−エチル
−2−メチルブタン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、
2,2,4,4−テトラメチルペンタン酸、ネオノナン
酸、ネオデカン酸等のネオ酸等を挙げることができる。
【0052】なお、ここで言う脂肪酸の「直鎖部分」の
炭素数とは、「最も長い炭素鎖」の炭素原子数を意味
し、例えば2−エチルヘキサン酸であれば「6」であ
る。
【0053】上記のネオペンチル型ポリオールエステル
のうち、ハイドロフルオロカーボンからなる冷媒として
R134aを単独で使用する場合や例えばR134aと
R32の混合物あるいはR134aとR32とR125
との混合物等のような混合冷媒を使用する場合には相溶
性の観点から下記のエステルが好ましい。
【0054】すなわち、次式
【数1】0≦(Y−4)×(X+3)/Y≦3 (式中、Xはネオペンチル型ポリオールの1分子当たり
の平均水酸基数であり、Yは直鎖及び/または分枝鎖脂
肪酸の直鎖部分の平均炭素原子数である)を満足するも
のである。上記式の値が小さすぎると潤滑性が不足する
傾向にあり、大きすぎるとR134a等のハイドロフル
オロカーボンからなる冷媒との相溶性が低下する傾向に
あるので好ましくない。
【0055】このようなネオペンチル型ポリオールエス
テルとして、例えばネオペンチルグリコールの3,5,5
−トリメチルヘキサン酸エステル、ネオペンチルグリコ
ールのn−ノナン酸エステル、トリメチロールプロパン
のn−ヘプタン酸エステル、トリメチロールプロパンの
2−エチルペンタン酸エステル、トリメチロールプロパ
ンの2−エチルヘキサン酸と2−メチルヘキサン酸の混
合物とのエステル、ぺンタエリスリトールの2−エチル
ペンタン酸エステル、ぺンタエリスリトールの2−エチ
ルヘキサン酸と2−メチルヘキサン酸と2−エチルペン
タン酸との混合物とのエステル、ぺンタエリスリトール
のn−ヘキサン酸エステル、ぺンタエリスリトールのn
−ペンタン酸と3−メチルブタン酸の混合物とのエステ
ル、ジトリメチロールプロパンの2−エチルヘキサン酸
エステル、ジペンタエリスリトールのn−ヘキサン酸と
2−エチルブタン酸の混合物とのエステル、ジペンタエ
リスリトールのn−ペンタン酸と3−メチルブタン酸の
混合物とのエステル、トリペンタエリスリトールの2−
エチルブタン酸と2−エチルペンタン酸の混合物とのエ
ステル等を挙げることができる。
【0056】本発明の冷凍機用潤滑剤は極圧剤や摩擦調
整剤として例えばトリクレジルホスフェート、トリアル
キルホスフェートなどのリン系の化合物やモリブデン化
合物、亜鉛化合物等を通常の添加量の範囲内で使用する
ことができる。
【0057】この場合、上記の化合物は加水分解促進作
用を有しているため合成油の安定性を損なう可能性があ
るが、本発明の冷凍機油組成物は加水分解等の安定性に
優れているため併用しても差し支えない。
【0058】また、本発明の冷凍機用潤滑剤は他の安定
剤、例えばグリシジルエーテル化合物や脂環式エポキシ
化合物等のエポキシ化合物あるいはカルボジイミド化合
物との併用を妨げるものではない。更に本発明の冷凍機
用潤滑剤は、本発明の目的の範囲内で所望により例えば
トリクレジルホスフェート、あるいはα−ナフチルベン
ジルアミン、フェノチアジン、BHTなどの酸化防止剤
を通常の添加量の範囲内で使用することもできる。
【0059】本発明のフラッシング油は、上記冷凍基用
潤滑剤に使用する式(1)で示される官能基を1個以上含
有するアミドアセタ−ル化合物と同様のアミドアセター
ル化合物が使用でき、好ましくは上記冷凍機用潤滑剤に
使用する一般式(2)で示される二環式アミドアセタール
化合物と同様の二環式アミドアセタール化合物を使用す
ることができる。
【0060】本発明のフラッシング油は、上記アミドア
セタール化合物をそのままフラッシング油としても良い
が、鉱油及び/または合成油を用いたアミドアセタール
化合物の希釈液として、ハイドロフルオロカーボンから
なる冷媒を使用する冷凍装置に使用することができる。
【0061】本発明のフラッシング油としてアミドアセ
タ−ル化合物をそのまま使用する場合はフラッシング中
の潤滑性能が乏しいため、長時間のフラッシングを行う
と摩耗粉等が生成し後の本運転時に不具合を生じること
があるので、極力短時間のフラッシングが好ましく、3
0分以内好ましくは15分以内のフラッシングが冷凍装
置中の水分除去には効果的である。
【0062】また、本発明のフラッシング油として鉱油
及び/または合成油を用いたアミドアセタール化合物の
希釈液を使用する場合、アミドアセタール化合物100
重量部に対する鉱油及び/または合成油の希釈溶剤の添
加量は5000重量部以下が好ましく、50重量部〜1
000重量部が更に好ましい。鉱油及び/または合成油
の添加量が多くなるにつれて、水分除去効率が悪くなる
ためフラッシング時間が長くなり、添加量が少なくなる
につれて潤滑性が悪くなり長時間のフラッシングを行う
と摩耗粉等が生成し後の本運転時に不具合を生じること
がある。
【0063】本発明のフラッシング油に使用することが
できるアミドアセタール化合物の希釈溶剤としては鉱油
及び/または合成油を使用することができるが、フラッ
シング後に本発明のフラッシング油が冷凍装置中に残存
することがあり、冷凍装置に使用する、ハイドロフルオ
ロカーボンからなる冷媒と相溶性の悪い希釈溶剤例えば
鉱油を用いると、配管部での詰まり等が生じる可能性が
ある。そのため、本発明のフラッシング油に使用するこ
とができるアミドアセタール化合物の希釈溶剤としては
合成油が好ましく、本発明の上記冷凍機用潤滑剤に使用
する合成油をフラッシング油の希釈油として用いること
が更に好ましく、その中でもエステル系の合成油、特に
ネオペンチル型ポリオールエステル及びポリオキシアル
キレングリコール化合物(特にポリオキシアルキレング
リコールジアルキルエーテル)がより好ましい。
【0064】なお、本発明のフラッシング油は、ハイド
ロフルオロカーボンからなる冷媒を使用する冷凍装置の
耐圧試験後から本運転開始前までの期間のフラッシグ操
作時に使用することが望ましい。
【0065】本発明のフラッシング油には必要に応じて
他の添加剤、例えばグリシジルエーテル化合物や脂環式
エポキシ化合物等のエポキシ化合物あるいはカルボジイ
ミド化合物との併用を妨げるものではない。更に、本発
明の冷凍機用潤滑剤は、本発明の目的の範囲内で所望に
より例えばトリクレジルホスフェート、あるいはα−ナ
フチルベンジルアミン、フェノチアジン、BHTなどの
酸化防止剤を通常の添加量の範囲内で使用することもで
きる。
【0066】本発明の、ハイドロフルオロカーボンから
なる冷媒を使用する冷凍機用潤滑剤は、エステル結合を
含む合成油にとって大敵である冷凍装置内の水分を効果
的に減少せしめるので、特にエステル結合を含む合成油
を基油として用いた場合、同基油を使用した従来の潤滑
剤と比較した効果が最も顕著である。
【0067】また、本発明のハイドロフルオロカーボン
からなる冷媒を使用する冷凍機用潤滑剤は、ポリオキシ
アルキレングリコール化合物の電気絶縁性を向上せしめ
るため、密閉型の冷凍装置には不向きであったポリオキ
シアルキレングリコール化合物の使用範囲を広げること
ができる。
【0068】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例には以下に示す試料1〜5の添加剤及
び試料6〜15の基油を用いた。
【0069】試料1:次式で示されるアミドアセタール
化合物。
【化10】
【0070】試料2:次式で示されるアミドアセタール
化合物。
【化11】
【0071】試料3:次式で示されるアミドアセタール
化合物。
【化12】
【0072】試料4:フェニルグリシジルエーテル。
【0073】試料5:次式で示される脂環式エポキシ化
合物。
【化13】
【0074】試料6:2−エチルヘキサン酸と2−メチ
ルヘキサン酸及び2−エチルペンタン酸(モル比=2:
6.5:1.5)の混合物とペンタリスリトールのフルエ
ステル(100℃における動粘度は5.4cSt、酸価
0.008mgKOH/g)。なお、上記酸組成を本明細書にお
いては以下便宜上イソヘプタン酸と略す。
【0075】試料7:2−エチルブタン酸及びn−ヘキ
サン酸(モル比=1:1)の混合物とジペンタエリスリト
ールのフルエステル(100℃における動粘度は10.8
cSt、酸価0.005mgKOH/g)。
【0076】試料8:n−ヘプタン酸とトリメチロール
プロパンのフルエステル(100℃における動粘度は3.
4cSt、酸価0.004mgKOH/g)
【0077】試料9:3,5,5−トリメチルヘキサン酸
とネオペンチルグリコールのフルエステル(100℃に
おける動粘度は3.1cSt、酸価0.010mgKOH/
g)。なお、3,5,5−トリメチルヘキサン酸を本明細
書では便宜上イソノナン酸と略す。
【0078】試料10:試料7と試料8の混合物(重量
比55:45)(100℃における動粘度は6.1cS
t、酸価0.005mgKOH/g)。
【0079】試料11:ポリオキシプロピレングリコー
ルジアセテート(100℃における動粘度は9.8cS
t、酸価0.009mgKOH/g、分子量は1000)。
【0080】試料12:ポリオキシプロピレングリコー
ルメチルエチルエーテル(100℃における動粘度は1
2.2cSt、酸価0.022mgKOH/g、分子量は15
00)。
【0081】試料13:ポリオキシエチレンプロピレン
グリコールジメチルエーテル(100℃における動粘度
は21.0cSt、酸価0.030mgKOH/g、エチレン
基:プロピレン基モル比=18:82、ランダム重合、
分子量は2000)。
【0082】試料14:ポリオキシエチレンプロピレン
グリコールモノメチルエーテル(100℃における動粘
度は25.6cSt、酸価0.025mgKOH/g、エチレ
ン基:プロピレン基モル比=23:77、ランダム重
合、OH基側をエチレン基のブロック重合、分子量は2
750)
【0083】試料15:ポリオキシエチレンプロピレン
スチレングリコールメチルフェニルエーテル(100℃
における動粘度は20.5cSt、酸価0.038mgKOH
/g、エチレン基:プロピレン基:スチレン基モル比=
22:69:9、プロピレン基、スチレン基はランダム
重合、エチレン基はブロック重合、分子量は160
0)。
【0084】実施例にさきだち、上記添加剤と基油を用
いて本発明品並びに比較品を調整した。これらについて
は以下の方法でハイドロフルオロカーボンからなる冷媒
との相溶性を調べた。結果を表−1及び表−2に示す。
【0085】ハイドロフルオロカーボンからなる冷媒と
の相溶性試験。1リットルガラス製オートクレーブに、
表−1及び表−2に示す各種冷凍機油試料を15重量部
及びR134aを85重量部仕込み−20〜50℃にお
ける相溶性を調べた。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】実施例及び比較例 表−1に示した本発明品及び表−2に示した比較品につ
いて、エステル結合を含む試料すなわち、本発明品1〜
6及び11〜14、比較品1〜6、11及び12につい
ては酸価抑制試験を、またエステル結合を含まないポリ
オキシアルキレングリコール化合物すなわち、本発明品
7〜10及び比較品7〜10、13及び14については
体積抵抗率を測定した。更に、本発明品及び比較品のす
べての試料について水分除去試験及び安定性試験を行っ
た。以下にその方法を示す。
【0089】酸価抑制試験 表−1に示した本発明品1〜6及び11〜14、表−2
に示した比較品1〜6、11及び12を表−3に示す有
機酸で表−3に示す酸価に調整した後、100gずつ2
50mlの耐熱ガラス瓶に取り、それぞれ90℃で加熱
放置し、経時的に採取し酸価を測定した。結果を表−3
に示す。
【0090】
【表3】 表−3から明らかなように本発明品は素早く酸価を低減
した。
【0091】体積抵抗率 電気絶縁性の一つの尺度として体積抵抗率がある。本発
明品7〜10及び比較品7〜10、13及び14の体積
抵抗率を以下の方法で測定した。すなわち、湿度70
%、測定温度30℃にて、JIS C−2101の直流
増幅器を用いる方法で測定した。微小電流計としてアド
バンテストTR−44(アドバンテスト社製)を用いた。
印加電圧は100Vであった。結果を表−4に示す。
【0092】
【表4】 表−4から明らかなように本発明品のうち、電気絶縁性
が欠点であるポリオキシアルキレングリコール化合物の
電気絶縁性を改善している。
【0093】水分除去試験 表−1に示した本発明品及び表−2に示した比較品を表
−5に示すようにに約2000ppmの水分含量にあら
かじめ調整したのち、100gずつそれぞれ250ml
の耐熱ガラス瓶にいれ24時間後の水分含量を測定し
た。結果を表−5に示す。
【0094】
【表5】 表−5から明らかなように本発明品は水分を減少させ
た。
【0095】安定性試験 表−1に示した本発明品及び比較品に水1000ppm
を加えたのち、その各混合物20重量部及びR134a
80重量部を100mlステンレス(SUS−316)製
オートクレーブに入れ、更に鋼、銅、アルミニウムの金
属片(50×25×1.5mm)を各1枚加え密封した
後、175℃で14日間(336時間)加熱した。加熱試
験終了後、真空脱気してR134a及び水分を除去し、
試験後の冷凍機油組成物の動粘度、酸価及び金属含有量
を測定した。また、本発明品のうち本発明品1及び7に
ついては、上記安定性試験のR134aの代わりにR1
34aとR32(1:1)の混合物を使用して同様の試験
を行った。これらの結果は表−6及び表−7に示す。
【0096】
【表6】 上記表−6において、NDは測定可能量未満であること
を示す。また、(1)はR134aとR32の混合物で安
定性試験を実施したことを示す。上記結果より本発明品
は安定であることが明らかである。
【0097】
【表7】 比較品12及び14には無色透明のスラッジが生成して
いた。
【0098】
【発明の効果】本発明の効果は、R134a等のハイド
ロフルオロカーボンからなる冷媒と相溶性の良くしかも
冷凍装置中の水分、遊離酸を低下せしめ、これらに起因
する問題点を解決した良好な冷凍機用潤滑剤を提供した
ことにある。また、本発明の他の効果は、冷凍装置中に
存在する水分を効果的に除去することのできるフラッシ
ング油を提供したことにある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 133:06 133:48 133:54 133:58) C10N 20:00 Z 30:00 A 30:10 30:12 40:00 E 40:30 (72)発明者 ▲巽▼ 幸男 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 斉藤 陽子 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 吉田 広志 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成油、及び分子中に式 【化1】 で示される官能基を1個以上含有するアミドアセタール
    化合物を含有することを特徴とする、ハイドロフルオロ
    カーボンからなる冷媒を使用する冷凍機用潤滑剤。
  2. 【請求項2】 合成油、及び一般式 【化2】 (式中、R1及びR2は炭素数1〜3までのアルキレン
    基、もしくは炭素数1〜18の炭化水素基あるいは窒素
    及び/または酸素を含有する炭素数1〜18までの炭化
    水素基を分岐鎖にもつ炭素数1〜3までのアルキレン基
    であり、R3、R4、R5及びR6は水素または炭素数1〜
    18の炭素水素基あるいは窒素及び/または酸素を含有
    する炭素数1〜18までの炭化水素基であり、それぞれ
    同一でも、異なっていてもよく、また、nは1あるいは
    2であり、n=1の時、R7は水素または炭素数1〜1
    8の炭化水素基あるいは窒素及び/または酸素を含有す
    る炭素数1〜18までの炭化水素基であり、n=2の
    時、R7は炭素数1〜18のアルキレン基あるいは窒素
    及び/または酸素を含有する炭素数1〜18までのアル
    キレン基である)で示される二環式アミドアセタール化
    合物を含有することを特徴とする、ハイドロフルオロカ
    ーボンからなる冷媒を使用する冷凍機用潤滑剤。
  3. 【請求項3】 式 【化3】 で示される官能基を1個以上含有するアミドアセタール
    化合物、あるいは鉱油及び/または合成油を用いた該ア
    ミドアセタール化合物の希釈液であることを特徴とす
    る、ハイドロフルオロカーボンからなる冷媒を使用する
    冷凍装置用フラッシング油。
  4. 【請求項4】 一般式 【化4】 (式中、R1及びR2は炭素数1〜3までのアルキレン
    基、もしくは炭素数1〜18の炭化水素基あるいは窒素
    及び/または酸素を含有する炭素数1〜18までの炭化
    水素基を分岐鎖にもつ炭素数1〜3までのアルキレン基
    であり、R3、R4、R5及びR6は水素または炭素数1〜
    18の炭素水素基あるいは窒素及び/または酸素を含有
    する炭素数1〜18までの炭化水素基であり、それぞれ
    同一でも、異なっていてもよく、また、nは1あるいは
    2であり、n=1の時、R7は水素または炭素数1〜1
    8の炭化水素基あるいは窒素及び/または酸素を含有す
    る炭素数1〜18までの炭化水素基であり、n=2の
    時、R7は炭素数1〜18のアルキレン基あるいは窒素
    及び/または酸素を含有する炭素数1〜18までのアル
    キレン基である)で示される二環式アミドアセタール化
    合物、あるいは鉱油及び/または合成油を用いた該アミ
    ドアセタール化合物の希釈液であることを特徴とする、
    ハイドロフルオロカーボンからなる冷媒を使用する冷凍
    装置用フラッシング油。
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