JPH07102161A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH07102161A
JPH07102161A JP27292193A JP27292193A JPH07102161A JP H07102161 A JPH07102161 A JP H07102161A JP 27292193 A JP27292193 A JP 27292193A JP 27292193 A JP27292193 A JP 27292193A JP H07102161 A JPH07102161 A JP H07102161A
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JP
Japan
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formula
resin composition
hydrocarbon group
thermoplastic resin
group
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Application number
JP27292193A
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English (en)
Inventor
Kenichi Isawa
健一 石和
Hideyuki Itoi
秀行 糸井
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
Original Assignee
GE Plastics Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】成形性に優れ、かつ機械的性質にも優れた熱可
塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)次式(化1)および(化2)で示され
る構造単位を有し、かつ(化2)の構造単位の量は(化
1)および(化2)の構造単位の合計量の2〜90モル
%を占めるところの共重合ポリカーボネート100 重量部
に対して、(B)リン酸エステル系化合物 0.1 〜20重
量部含む熱可塑性樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (上記式中、R4 およびR5 はそれぞれ独立して、ハロ
ゲン原子または一価の炭化水素基であり、Bは−(R1
−)C(−R2 )− [ここで、R1 およびR2はそれ
ぞれ独立して水素原子または1価の炭化水素基であ
る]、−C(=R3 )− [ここでR3 は2価の炭化水
素基である]、−O−、−S−、−SO−または−SO
2 −であり、R6 は炭素数1〜10の炭化水素基もしく
はそのハロゲン化物またはハロゲン原子であり、p、q
およびnはそれぞれ独立して0〜4の整数である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は共重合ポリカーボネート
を含む熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】OA
機器等のハウジング用途には、成形樹脂材料が多く使用
されている。最近では、ラップトップ型あるいはノート
ブック型のパソコンの市場が急速に伸びつつあり、その
ハウジング用途においては、薄肉、軽量化が可能な樹脂
素材が強く求められている。そのような要求に対応する
には、溶融樹脂材料の流動性の改良が強く望まれる。従
来、こうしたOA機器のハウジング用途にはポリカーボ
ネート樹脂が使用されてきたが、ポリカーボネート樹脂
は流動性が低いので、成形性が劣るという問題を有して
いた。
【0003】そこで本発明は、薄肉、軽量化が可能であ
る、すなわち成形性に優れると共に、機械的性質が優れ
た樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、レゾルシ
ンまたはレゾルシン誘導体残基を有する共重合ポリカー
ボネートに、少量のリン酸エステル系化合物を添加する
と、ポリカーボネートの優れた性質、すなわち靭性、寸
法精度、機械的特性等を損なうこと無く成形性を大幅に
改良できることを見出し、本発明に至った。
【0005】すなわち本発明は、(A)次式(化3):
【0006】
【化3】 および次式(化4):
【0007】
【化4】 (上記式中、R4 およびR5 はそれぞれ独立して、ハロ
ゲン原子または一価の炭化水素基であり、Bは−(R1
−)C(−R2 )− [ここで、R1 およびR2はそれ
ぞれ独立して水素原子または1価の炭化水素基であ
る]、−C(=R3 )− [ここでR3 は2価の炭化水
素基である]、−O−、−S−、−SO−または−SO
2 −であり、R6 は炭素数1〜10の炭化水素基もしく
はそのハロゲン化物またはハロゲン原子であり、p、q
およびnはそれぞれ独立して0〜4の整数である)で示
される構造単位を有し、かつ前記(化4)の構造単位の
量は(化3)および(化4)の構造単位の合計量の2〜
90モル%を占めるところの共重合ポリカーボネート
100 重量部に対して、(B)リン酸エステル系化合物
0.1 〜20重量部含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物を提供する。
【0008】本発明で使用する共重合ポリカーボネート
は、上記式(化3)および(化4)で示される構成単位
を有することが必要である。まず、(化3)で示される
構成単位はジフェノール成分およびカーボネート成分よ
りなる。ジフェノール成分を導入するために使用できる
ジフェノールを次式(化5)に示す。
【0009】
【化5】 上記式中、R4 、R5 、B、pおよびqは、先に示した
のと同義である。
【0010】本発明において有効なジフェノールとして
は、例えば、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆるビスフェノー
ルA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒド
ロキシ-1- メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒ
ドロキシ-t- ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-
ヒドロキシ-3- ブロモフェニル)プロパンなどのビス
(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシ
アリール)シクロアルカン類;4,4'- ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフ
ェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル
類;4,4'- ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'-
ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルフィドなど
のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4'- ジヒド
ロキシジフェニルスルホキシド、4,4'- ジヒドロキシ-
3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロ
キシジアリールスルホキシド類;4,4'- ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジメチル
ジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリールスル
ホン類などが挙げられるが、これらに限定されない。こ
れらを1種または2種以上組合せて使用することができ
る。これらのうちでは、特に2,2-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパンが好ましい。
【0011】またカーボネート成分を導入するための前
駆物質としては、例えばジフェニルカーボネート、ジト
リールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネ
ート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネー
ト、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボ
ネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネー
ト、ジシクロヘキシルカーボネートなどの炭酸ジエステ
ル、およびホスゲンなどのハロゲン化カルボニル化合物
等が挙げられる。これらを1種または2種以上組合せて
使用することができる。特にジフェニルカーボネートが
好ましい。
【0012】次に、上記式(化4)で示される構造単位
は、ジフェノール成分、レゾルシンおよび/または置換
レゾルシン成分ならびにカーボネート成分から成る。ジ
フェノール成分の導入については、上記したのと同様の
ジフェノールを使用できる。またカーボネート成分とし
ては、上記した炭酸ジエステルまたはホスゲンを使用で
きる。レゾルシンおよび/または置換レゾルシン成分の
導入のためには、次式(化6):
【0013】
【化6】 (ここで、R6 およびnは上記と同義である)で示され
る化合物を1種または2種以上組合せて使用することが
できる。このような化合物としては、例えばレゾルシ
ン、および3-メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシン、
3-プロピルレゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t-ブチ
ルレゾルシン、3-フェニルレゾルシン、3-クミルレゾル
シン、2,3,4,6-テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6-テ
トラブロモレゾルシンなどの置換レゾルシンが挙げられ
る。これらのうち特にレゾルシンが好ましい。
【0014】成分(A)共重合ポリカーボネートは、
(化3)(化4)で示される上記した2種の構成単位を
次の割合で有している。すなわち、(化4)で示される
構成単位の量が、(化3)および(化4)の合計量の2
〜90モル%、好ましくは2〜40モル%である。(化
4)の量が2モル%より少ないとガラス転移温度(T
g)の低下が不十分であるので、流動性の改良効果がみ
られない。また、90モル%より多いと従来のポリカー
ボネートと同等の優れた物性、例えば機械的強度、耐熱
性等が得られない。
【0015】成分(A)共重合ポリカーボネートの重量
平均分子量は、通常10,000〜100,000 、好ましくは18,0
00〜40,000である。ここでいう重量平均分子量とは、ポ
リカーボネート用に補正されたポリスチレンを用いて、
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定さ
れたものである。(また、メチレンクロリド中、25℃で
測定した固有粘度が、0.35〜0.65 dl/g であるものが好
ましい。)成分(A)共重合ポリカーボネートは、公知
のポリカーボネートの製造方法、例えばホスゲンを用い
る界面重合法、溶融重合法等によって製造できる。特に
溶融重合法は毒性物質であるホスゲンや塩化メチレン等
を用いないので、環境衛生上好ましい。
【0016】溶融重合反応の際の温度、圧力等の条件は
任意であり、公知の慣用の条件を用いることができる。
具体的には、好ましくは80〜250 ℃、より好ましくは 1
00〜230 ℃、特に好ましくは 120〜190 ℃の温度で、好
ましくは0〜5時間、より好ましくは0〜4時間、特に
好ましくは0〜3時間、常圧下で、ジフェノールおよび
上記式(化6)で示される化合物と炭酸ジエステルとを
反応させる。次いで、反応系を減圧にしながら反応温度
を高めて、ジフェノールおよび上記式(化6)で示され
る化合物と炭酸ジエステルとの反応を行い、最終的には
5mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下の減圧下で 240
〜320 ℃の温度で、ジフェノールおよび上記式(化6)
で示される化合物と、炭酸ジエステルとの反応を行うの
が好ましい。
【0017】上記のような重縮合反応は、連続式で行っ
ても良く、バッチ式で行っても良い。また、上記反応を
行う際に使用する反応装置は、槽型であっても、管型で
あっても、塔型であっても良い。
【0018】またこの溶融重合法によれば、得られる共
重合ポリカーボネートにおける構造単位(化4)が(化
3)および(化4)の合計の90モル%を超えるような
割合で、すなわちレゾルシンおよび/または置換レゾル
シンを、ジフェノール100モルに対して、90モルを
超えるような量で使用しても、他の方法、例えば界面重
合法等に比べて、色相、耐水性、耐熱性の優れた共重合
ポリカーボネートが得られる。
【0019】また、成分(A)共重合ポリカーボネート
は、その末端がフェノールであっても十分な耐衝撃強度
を有するが、p-t-ブチルフェノール、イソノニルフェノ
ール、イソオクチルフェノール、m-またはp-クミルフェ
ノール(好ましくはp-クミルフェノール)、クロマニル
化合物、例えばクロマンのような、よりかさ高い末端基
を導入すると、より低温衝撃性が優れた共重合ポリカー
ボネートを得ることができる。
【0020】本発明で使用する成分(B)リン酸エステ
ル系化合物としては、次式(化7):
【0021】
【化7】 (ここで、Ra 、Rb 、Rc およびRd は、それぞれ独
立して、水素原子または有機基を表すが、Ra =Rb
c =Rd =Hの場合を除く。Xは2価以上の有機基を
表し、xは0または1であり、yは1以上、例えば30以
下の整数、zは0以上の整数を表す。)で示されるリン
酸エステル系化合物が挙げられる。しかし、これ等に限
定されるものではない。
【0022】上記式において、有機基とはたとえば、置
換されていてもいなくてもよいアルキル基、シクロアル
キル基、アリール基等が挙げられる。また、置換されて
いる場合、置換基としては例えばアルキル基、アルコキ
シ基、アルキルチオ基、ハロゲン、アリール基、アリー
ルオキシ基、アリールチオ基、ハロゲン化アリール基等
が挙げられ、またこれ等の置換基を組合せた基(例えば
アリールアルコキシアルキル基等)またはこれ等の置換
基を酸素原子、イオウ原子、窒素原子等により結合して
組合せた基(例えば、アリールスルホニルアリール基
等)を置換基として用いてもよい。また、2価以上の有
機基とは上記した有機基から、炭素原子に結合している
水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の基を意味
する。例えばアルキレン基、および好ましくは(置換)
フェニレン基、多核フェノール類例えばビスフェノール
類から誘導されるものが挙げられ、2以上の遊離原子価
の相対的位置は任意である。特に好ましいものとして、
ヒドロキノン、レゾルシノール、ジフェニロールメタ
ン、ジフェニロールジメチルメタン、ジヒドロキシジフ
ェニル、 p,p′- ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジ
ヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
【0023】具体的なリン酸エステル系化合物の例とし
ては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェー
ト、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェ
ニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、
ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリス(クロロ
エチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホ
スフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、
ビス(2,3-ジブロモプロピル)-2,3- ジクロロプロピル
ホスフェート、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフ
ェートおよびビス(クロロプロピル)モノオクチルホス
フェート、Ra 〜Rd がアルコキシ例えばメトキシ、エ
トキシおよびプロポキシ、または好ましくは(置換)フ
ェノキシ例えばフェノキシ、メチル(置換)フェノキシ
であるところのビスフェノールAビスホスフェート、ヒ
ドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェ
ート、トリオキシベンゼントリホスフェート等が挙げら
れ、好ましくはトリフェニルホスフェートおよび各種ビ
スホスフェートである。
【0024】上記の成分(B)は、成分(A)100 重量
部に対して0.1 〜20重量部、好ましくは0.5 〜10重量部
添加する。成分(B)の量が上記の範囲より少ないと本
発明の効果が十分発揮されず、上記の範囲より多いと耐
熱性が損なわれる。
【0025】本発明の樹脂組成物には、上記した成分の
他に(C)無機充填剤を添加すると好ましい。無機充填
剤は特に限定されず、慣用の全ての無機充填剤を挙げる
ことができる。具体的には、グラスファイバー、グラス
フレーク、グラスビーズ、ミルドグラス、タルク、クレ
ー、マイカ、カーボンファイバー、ウォラストナイト、
チタン酸カリウムウィスカー、酸化チタン、酸化チタン
ウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、酸化アンチモン等が
挙げられる。好ましくはカーボンファイバーおよびグラ
スファイバーである。
【0026】上記の成分(C)は、成分(A)100 重量
部に対して好ましくは130 重量部以下、さらに好ましく
は110 重量部以下配合する。
【0027】本発明の樹脂組成物にはさらに、耐衝撃改
良剤を添加することができる。そのような耐衝撃改良剤
としては主としてゴム様物質が挙げられる。耐衝撃改良
剤としては、例えばMBS(メタクリレート‐ブタジエ
ン‐スチレン共重合体)、ABS(アクリロニトリル‐
ブタジエン‐スチレン共重合体)、SEBS(スチレン
‐エチレン‐ブタジエン‐スチレン共重合体)、SBS
(スチレン‐ブタジエン‐スチレン共重合体)、SEP
(スチレン‐エチレン‐プロピレン共重合体)、アクリ
ル系ゴム(例えば商標KM330 、ローム&ハース社製)、
ポリオレフィンまたはオレフィン系共重合体、例えばポ
リエチレン、エチレン‐αオレフィン共重合体、エチレ
ン‐エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。ま
た、耐衝撃改良剤として上記したものに、反応性の官能
基、例えば酸無水物基、カルボン酸基、エポキシ基、ア
ミノ基、オキサゾリニル基、水酸基などを付与した変性
品も、耐衝撃改良剤に包含される。
【0028】また、本発明の樹脂組成物はさらに、難燃
剤を添加することができる。そのような難燃剤として
は、例えばテトラブロモビスフェノールA‐ビスフェノ
ールAコポリマーのような臭素系難燃剤、有機スルホン
酸金属塩等が挙げられる。また、必要に応じて、防滴剤
としてポリテトラフルオロエチレンを添加することもで
きる。
【0029】本発明の樹脂組成物はまた、その物性を損
なわない限りにおいて、その目的に応じて樹脂の混合
時、成形時に、他の樹脂、例えばポリカーボネート、慣
用の他の添加剤、例えば顔料、染料、耐熱剤、酸化劣化
防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、可塑剤、流動性改良
剤、帯電防止剤等を添加することができる。
【0030】本発明の樹脂組成物を製造するための方法
に特に制限はなく、通常の方法が満足に使用できる。し
かしながら一般に溶融混合法が望ましい。少量の溶剤の
使用も可能であるが、一般に必要ない。装置としては特
に押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等
を例として挙げることができ、これらを回分的または連
続的に運転する。成分の混合順は特に限定されない。
【0031】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例においては各成分として以下のも
のを用いた。成分(A) RS−PC:以下のようにして製造した共重合ポリカー
ボネート; ビスフェノールA(日本ジーイープラスチックス株式会
社製)0.22キロモル、レゾルシン0.22キロモル
およびジフェニルカーボネート(エニィ社製)0.44
キロモルを、第1の槽型撹拌機(容量250リットル)
に仕込み、140℃で溶融した。この温度に保持しなが
ら、得られた混合物を、ビスフェノールA換算で毎時
0.16キロモルの速度で、第2の槽型撹拌機(容量5
0リットル)に送液した。第2の槽型撹拌機の温度は1
80℃に保持した。
【0032】ここに触媒として、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシドを毎時0.04モルおよび水酸化ナト
リウムを毎時0.00016モル(1×10-6モル/モル
‐ビスフェノールA)添加し、滞留時間が30分間とな
るように時間を調整し、撹拌した。
【0033】次に、この反応液を、ビスフェノールA換
算で毎時0.16キロモルの速度で、第3の槽型撹拌機
(容量50リットル)に送液した。第3の槽型撹拌機の
温度は210℃、圧力は200mmHgであった。滞留時間
が30分間となるように時間を調整し、フェノールを抽
出除去しながら撹拌した。
【0034】次に、この反応液を、ビスフェノールA換
算で毎時0.16キロモルの速度で、第4の槽型撹拌機
(容量50リットル)に送液した。第4の槽型撹拌機の
温度は240℃、圧力は15mmHgであった。滞留時間が
30分間となるように時間を調整し、フェノールを抽出
除去しながら撹拌した。反応が定常になって得られた反
応物の極限粘度[η]は0.15dl/gであった。
【0035】次に、この反応物をギアポンプで昇圧し、
ビスフェノールA換算で毎時0.16キロモルの速度
で、遠心式薄膜蒸発機に送入し、反応を進めた。薄膜蒸
発機の温度および圧力はそれぞれ、270℃および2mm
Hgに制御した。反応物を、蒸発機下部よりギアポンプに
て、290℃および0.2mmHgに制御された二軸横型撹
拌重合槽(L/D=3、撹拌翼回転直径 220mm、内容
積80リットル)に、ビスフェノールA換算で毎時0.
16キロモルの速度(約40kg/ 時間)で送り込み、滞
留時間30分間にて重合させた。このときの生成物の極
限粘度[η]は0.49dl/gであった。生成物は、
次式(化8)および(化9)をモル比50:50で有す
る共重合ポリカーボネートであった。以下ではこれをR
S−PCと略記する。
【0036】
【化8】
【0037】
【化9】 また、比較のために、以下のポリカーボネートを使用し
た。
【0038】PC:ビスフェノールAのポリカーボネー
ト(商標;レキサン、日本ジーイープラスチックス株式
会社製)、塩化メチレン中、25℃で測定した固有粘度
0.46dl/g成分(B) リン酸エステル系化合物:トリフェニルホスフェート、
以下ではこれをTPPと略記する。
【0039】CR733S(商標、フェニルレゾルシンポリホ
スフェート、大八化学株式会社製) 成分(C) カーボンファイバー:ハイカーボロン A-9000(商
標)、旭化成株式会社製、以下ではこれをCFと略記す
る。
【0040】グラスファイバー:T505(商標)日本
電気硝子株式会社製、以下ではこれをGFと略記する。実施例1〜6および比較例1〜2 各成分を表1および2に示す割合(重量比)で混合し、
270 ℃、100 rpm 、80Kg/ 時間(押出速度)に設定した
1軸押出機(65mm)で押出し、ペレットを作成した。得
られたペレットからメルトインデックス(MI)を測定
した。次に、設定温度280 ℃、金型温度70℃、射出圧力
1000Kg/cm2 の条件で、スパイラルフロー成形を行い、
肉厚2mmの成形品を得た。このスパイラルフロー成形の
際の流動長を測定した。また得られた成形品について、
曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ破断点エネルギー、引張り
強度および引張り伸びを測定した。その結果を表1およ
び2に示す。
【0041】なお、メルトインデックスはASTM D
1238に従って、300 ℃、1.2Kg荷重の条件にて測定
し、曲げ強度および曲げ弾性率はASTM D790に
従って測定し、曲げ破断点エネルギーはASTM D6
38に従って測定したときのストレス‐ストレイン曲線
を積分した面積値を示す。このとき、用いた試験片は1
/16インチ厚であった。引張り強度および引張り伸び
はASTM D638に従って測定した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】 実施例7〜11および比較例3〜9 各成分を表3に示す割合(重量比)で混合し、実施例1
〜6と同様の条件で押出し、ペレットを作成し、MIを
測定した。次いで、このペレットを実施例1〜6と同様
にして成形し、1/8インチ厚のアイゾット衝撃強度試
験片を作成した。これについて、アイゾット衝撃強度
(ノッチ付)を測定し、10回の平均値で評価した。ま
た、アイゾット衝撃試験10回の破壊状態を観察し、そ
の結果を、延性破壊の数/脆性破壊の数で表した。さら
に、50×50×3 mmの試験片を用い、ヘイズメーターを使
用してヘイズを測定した。結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】本発明により、成形性に優れ、かつ機械
的性質にも優れた樹脂組成物を提供することができる。
よって本発明の樹脂組成物は、広い分野で使用でき、工
業的に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)次式(化1): 【化1】 および次式(化2): 【化2】 (上記式中、R4 およびR5 はそれぞれ独立して、ハロ
    ゲン原子または一価の炭化水素基であり、Bは−(R1
    −)C(−R2 )− [ここで、R1 およびR2はそれ
    ぞれ独立して水素原子または1価の炭化水素基であ
    る]、−C(=R3 )− [ここでR3 は2価の炭化水
    素基である]、−O−、−S−、−SO−または−SO
    2 −であり、R6 は炭素数1〜10の炭化水素基もしく
    はそのハロゲン化物またはハロゲン原子であり、p、q
    およびnはそれぞれ独立して0〜4の整数である)で示
    される構造単位を有し、かつ前記(化2)の構造単位の
    量は(化1)および(化2)の構造単位の合計量の2〜
    90モル%を占めるところの共重合ポリカーボネート
    100 重量部に対して、(B)リン酸エステル系化合物
    0.1 〜20重量部含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 さらに(C)無機充填剤を含む請求項1
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記(C)無機充填剤がカーボンファイ
    バーである請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記(C)無機充填剤がグラスファイバ
    ーである請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
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