JP2015189906A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
このうち界面重合法は環境面に於いて多くの問題を抱えているのが実情である。
本発明が解決しようとする課題は、シャルピー衝撃強度及び耐湿熱性が改善されたポリカーボネート樹脂組成物を提供することである。
すなわち、本発明は、以下に示す芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
<3> 無機充填剤が、ガラス繊維、ガラスビーズ及びガラスフレークからなる群から選ばれる少なくとも1種である、<1>に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
<6> 一般式(I)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が35,000〜100,000の範囲内である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
<7> 前記一般式(II)で表される環状カーボネートが、下記一般式(IIa)で表される化合物である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
<8> 前記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂のN値(構造粘性指数)が、下記数式(1)で表される場合、1.25以下である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
N値=(log(Q160値)−log(Q10値))/(log160−log10) ・・・(1)
<9> 前記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が、下記一般式(III)で表される構造単位を含み、その含有率が、前記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂中に2000ppm未満である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
<10> 前記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂及び前記一般式(II)で表される環状カーボネートが、芳香族ポリカーボネートプレポリマーと下記一般式(IV)で表されるジオール化合物とをエステル交換触媒の存在下に反応させて、高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂を得る高分子量化工程と、前記高分子量化工程で副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去する環状カーボネート除去工程とを含む方法により得られる、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
<11> 前記一般式(IV)で表されるジオール化合物が、下記一般式(IVa)で表される化合物である、<10>に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
<12> 前記ジオール化合物が、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジイソブチルプロパン−1,3−ジオール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール及び2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオールからなる群から選択される、<10>又は<11>に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(以下、単に「芳香族ポリカーボネート樹脂」ともいう)と、無機充填剤と、下記一般式(II)で表される環状カーボネートとを含み、無機充填剤の含有量が、下記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して3〜200質量部であり、下記一般式(II)で表される環状カーボネート含有率が、下記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂に対して3000ppm以下である。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、下記一般式(I)で表される構造単位を主たる構造単位として有する芳香族ポリカーボネート樹脂を含む。ここで「主たる」とは、芳香族ポリカーボネート樹脂中の全構造単位中における一般式(I)で表される構造単位の含有率が60モル%以上であることを意味し、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂が一般式(III)で表される構造単位を含む場合、その含有率は芳香族ポリカーボネート樹脂中に、質量基準で例えば2000ppm未満であり、好ましくは1500ppm以下であり、より好ましくは1000ppm以下であり、更に好ましくは800ppm以下であり、特に好ましくは700ppm以下であり、最も好ましくは600ppm以下である。一般式(III)で表される構造単位の含有率が2000ppm未満であると、分岐度が減少し、熱安定性がより向上する傾向がある。また、これらの異種構造単位は自然発生する分岐構造である。したがってこれらの異種構造単位の含有率が所定量以上であると、分岐化剤の添加量により簡単に分岐度を制御するのが難しくなる、各種添加剤との配合・分散性が悪化する、得られる樹脂組成物の流動性が低下し成形性が悪化する等のデメリットが生じる場合がある。
ジオール化合物に由来する構造単位の含有率は、1H−NMR解析により測定して求めた値である。
一般に芳香族ポリカーボネート樹脂における末端部分は、フェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物で封止された構造となっているが、一部が水酸基となっている場合がある。したがって、芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度とは、芳香族ポリカーボネート樹脂における水酸基の含有割合である。末端水酸基濃度は、例えば、1H−NMR解析により測定することができる。
なお、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPCを用いてポリスチレン換算値として測定される。
N値=(log(Q160値)−log(Q10値))/(log160−log10) ・・・(1)
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、芳香族ポリカーボネート樹脂に対し、下記一般式(II)で表される環状カーボネートが3000ppm以下で存在している。下記一般式(II)で表される環状カーボネートは、公知の化合物であり、試薬供給業者より入手できるか、又は公知の方法により容易に合成することができ、そのような化合物を本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に添加してもよい。あるいは、下記一般式(II)で表される環状カーボネートは、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造工程で副生したものであってもよい。例えば、後述する製造方法で得られる芳香族ポリカーボネート樹脂は、製造工程で連結剤として使用するジオール化合物に対応する環状カーボネートが副生する場合があるが、これを反応系外へ除去したのちでも、少量の環状ポリカーボネートが残存し、最終的に得られる芳香族ポリカーボネート樹脂中にかかる環状ポリカーボネートが含まれることとなる。かかる環状カーボネートが3000ppm以下で存在することにより、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の流動性が向上する傾向がある。また、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を構成する各成分がより均一に混合され、成形性及び強度が向上する傾向がある。なお、環状カーボネートの含有量が3000ppmを超えると、樹脂組成物の機械的強度の低下等のデメリットがある場合がある。
R5〜R8は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
nは0〜30の整数、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数、特に好ましくは1を表す。
R5〜R8は、好ましくは、各々独立して、水素原子、フッ素原子又はメチル基を表す。nは、好ましくは、1〜6の整数を表す。
なお、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物における一般式(II)で表される環状カーボネートの含有率は、GC−MSを用いて測定される。
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、少なくとも1種の無機充填剤を含み、無機充填剤の含有量が芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して3〜200質量部である。無機充填剤は特に制限されず、通常用いられる無機充填剤から目的等に応じて適宜選択して用いることができる。無機充填剤は、ガラス充填剤、炭素繊維、ワラストナイト、マイカ、タルク及びウイスカー状フィラーからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、ガラス繊維、ガラスビーズ及びガラスフレークからなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
無機充填剤は1種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
ガラス充填剤はガラスを主成分(例えば、80重量%以上)とする無機充填剤であれば特に制限されず、通常用いられるガラス充填剤から目的等に応じて適宜選択して用いることができる。中でもガラス充填剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ及びガラスフレークからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。ガラス充填剤は1種単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
チョップドストランドの繊維径は例えば6〜20μmであり、好ましくは9〜14μmの範囲である。繊維径が6μm以上であると充分な嵩密度が得られ、成形加工性がより良好になり、ガラス繊維の分散性がより良好になる傾向がある。繊維径が20μm以下であると補強効果が充分に得られる傾向がある。
ミルドファイバーの繊維径は例えば6〜20μm、好ましくは9〜14μmの範囲である。ミルドファイバーであるガラス繊維のアスペクト比は20未満が好ましく、より好ましくは2〜15、更に好ましくは2〜10である。繊維径が6μm以上あるいはアスペクト比が20未満であると、得られる樹脂組成物の成形収縮率及び線膨張係数の異方性が小さくなる傾向があり、また成形品の外観がより良好になる傾向がある。一方、繊維径が20μm以下であると、補強効果が充分に得られる傾向がある。このようなガラス繊維としては、旭ファイバーグラス社より、「グラスロンミルドファイバー」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
本発明の(C)成分として使用される
ここで、平均粒子径とは、X線透過による液相沈降方式で測定されたD50をいう。このような測定ができる装置としては、Sedigraph粒子径分析器(Micromeritics Instruments社製「モデル5100」)を挙げることができる。
また、ワラストナイトの体積平均繊維長は、好ましくは3〜100μmであり、より好ましくは5〜70μm、特に好ましくは7〜50μmである。ここで、体積平均繊維長とは、走査型電子顕微鏡を用いて画像解析により求めることができる。
このようなワラストナイトとしては、市販されているものがあり、例えば、川鉄鉱業社のPH330、PH450(いずれも商品名)、ナイコミネラルズ社のナイグロス4、ナイグロス5(いずれも商品名)、キンセイマテック社のSH1250、SH1800(いずれも商品名)などが挙げられる。
難燃剤
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、無機充填剤に加えて難燃剤を含んでいてもよい。難燃剤の種類は特に限定されず、樹脂組成物に通常用いられる公知の難燃剤から適宜選択して用いることができる。難燃剤として具体的には、スルホン酸金属塩系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、燐含有化合物系難燃剤、珪素含有化合物系難燃剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のドリップ防止剤等が挙げられる。
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、一般的な難燃剤を含んでいても、これらの効果が低減することなく、所望の難燃性を容易に達成できる。
スルホン酸金属塩系難燃剤としては、脂肪族スルホン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩等が挙げられる。これら金属塩の金属としては、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられ、アルカリ金属及びアルカリ土類金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムがある。スルホン酸金属塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用することもできる。
スルホン酸金属塩としては、難燃性と熱安定性の点より、好ましくは、芳香族スルホンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルカン−スルホン酸金属塩等が選択される。芳香族スルホンスルホン酸金属塩としては、好ましくは、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられ、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩は重合体であってもよい。
芳香族スルホンスルホン酸金属塩の具体例としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのカリウム塩、4−クロロー4’−ニトロジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカルシウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジカリウム塩等が挙げられる。
ハロゲン系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、トリブロモフェノール、臭素化芳香族トリアジン、テトラブロモビスフェノールAエポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAエポキシポリマー、デカブロモジフェニルオキサイド、トリブロモアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルエタン、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモシクロドデカン等が挙げられる。これらのハロゲン系難燃剤は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用することもできる。
燐含有化合物系難燃剤としては、赤燐、被覆された赤燐、ポリ燐酸塩系化合物、燐酸エステル系化合物、フォスファゼン系化合物等が挙げられる。燐酸エステル系化合物としては、下記式(10)で示されるリン酸エステル化合物が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
R15が表す2価以上の有機基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基が挙げられ、アリーレン基としては、例えば、置換基を有していてもよいフェニレン基、ビスフェノール類、多核フェノール類から誘導される基等が挙げられ、2以上の遊離原子価の相対的位置は任意である。2価以上の有機基として特に好ましいものとしては、ヒドロキノン、レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒドキシフェニル)メタン(=ビスフェノールF)、2,2−ビス(4−ヒドキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、ジヒドロキシビフェニル、p,p’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシナフタレン等から誘導されるアリーレン基が挙げられる。bは、好ましくは1〜30の整数であり、cは、好ましくは1〜10の整数又はその平均値(前記混合物の場合)である。
珪素含有化合物系難燃剤としては、シリコーンワニス、ケイ素原子と結合する置換基が芳香族炭化水素基と炭素数2以上の脂肪族炭化水素基とからなるシリコーン樹脂、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基中に芳香族基を持つシリコーン化合物、シリカ粉末の表面に官能基を有していてもよいポリジオルガノシロキサン重合体を担持させたシリコーン粉末、オルガノポリシロキサン−ポリカーボネート共重合体等が挙げられる。これらの中で、シリコーンワニスが好ましく使用される。
より高い難燃性を達成するためにドリップ防止剤として、滴下防止用ポリテトラフルオロエチレンを併用することが好ましい。この滴下防止用ポリテトラフルオロエチレンとしては、樹脂組成物中に容易に分散し、かつ芳香族ポリカーボネート樹脂同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すものである。滴下防止用ポリテトラフルオロエチレンは、ASTM規格でタイプ3に分類される。滴下防止用としては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)より、テフロン6J又はテフロン30Jとして、あるいはダイキン化学工業(株)よりポリフロンF201Lとして市販されている。
酸化防止剤としては、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルプロピオネート)、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイト、トリクレジルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等を用いることができる。これらのうちで好ましいものは、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト及びn−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネートである。
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に含まれる芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は特に制限されるものではないが、以下に示す製造方法で得られることが好ましい。以下に示す製造方法を採ることにより、分岐化度が低く、異種構造の含有率が低く、末端水酸基濃度が低く、特定構造の環状カーボネートを所望の含有率で含む芳香族ポリカーボネート樹脂を効率的に製造することができる。
R5〜R8は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
nは0〜30、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3、特に好ましくは1の整数を表す。
R5〜R8は、好ましくは、各々独立して、水素原子、フッ素原子又はメチル基を表す。nは、好ましくは、1〜6の整数を表す。
芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法で用いられる芳香族ポリカーボネートプレポリマー(以下、単に「プレポリマー」、「PP」ともいう)は、芳香族ポリカーボネート樹脂を構成する前記一般式(I)で表される構造を主たる繰り返し単位とする重縮合ポリマーである。
すなわち、前記芳香族ポリカーボネートプレポリマーは、その少なくとも一部が芳香族モノヒドロキシ化合物由来の末端基あるいは末端フェニル基(以下、合わせて「封止末端基」ともいう)で封止されていることが好ましい。
芳香族ポリカーボネートの製造方法においては、末端封止された芳香族ポリカーボネートプレポリマーに特定構造のジオール化合物をエステル交換触媒存在下、減圧条件にて作用させることにより、芳香族ポリカーボネートプレポリマーから高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂が生成する。この反応は温和な条件で高速に進み、高品質の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる。
副生する環状カーボネートは使用するジオール化合物に対応する構造を有しており、ジオール化合物由来の環状体であると考えられるが、このような高分子量化とともに環状カーボネートが副生される反応機構は、必ずしも明らかではない。
一般式(III)中におけるXは、一般式(I)におけるXと同義である。
(i)ジオール化合物の添加
芳香族ポリカーボネートプレポリマーに前記一般式(IV)で表されるジオール化合物を添加混合し、高分子量化反応器内で高分子量化反応(エステル交換反応)を行う。
芳香族ポリカーボネートプレポリマーとジオール化合物とのエステル交換反応(高分子量化反応、重合反応)に使用する温度としては、240℃〜320℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは260℃〜310℃、より好ましくは280℃〜310℃である。
高分子量化反応によって芳香族ポリカーボネートプレポリマーが高分子量化されて所望の分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が得られると同時に、該反応で副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去する。副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去することによって芳香族ポリカーボネートプレポリマーの高分子量化反応が更に進行する。
なお、環状カーボネートの含有割合は、GC−MSで測定した値である。
芳香族ポリカーボネートプレポリマーとジオール化合物とのエステル交換反応により、反応後の芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量(Mw)が芳香族ポリカーボネートプレポリマーの重量平均分子量(Mw)よりも5,000以上高めることが好ましく、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは15,000以上高めるのが好ましい。
さらに好ましくは、ポリマーシールを有し、脱揮構造をもつ2軸押出機あるいは横型反応機である。
触媒失活剤の添加は、前記高分子量化反応終了後に従来公知の方法でポリカーボネート樹脂に混合することができる。例えば、ターンブルミキサーやヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーで代表される高速ミキサーで分散混合した後、押出機、バンバリーミキサー、ロール等で溶融混練する方法が適宜選択される。
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法は、無機充填剤が混合された樹脂組成物が得られる限り特に限定されない。例えば、一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する重合反応中若しくは該重合反応終了時、又は該重合反応に使用した触媒を触媒失活剤で失活後であってペレット化する前のいずれかの時期に無機充填剤を添加して、芳香族ポリカーボネート樹脂に混合することで、樹脂組成物を製造することができる。好ましくは例えば、前記芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法で得られた環状カーボネートを含む芳香族ポリカーボネート樹脂に、無機充填剤を混合することで樹脂組成物を製造することができる。この場合、無機充填剤の混合は、例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法における触媒失活剤の混合と同時に行ってもよく、別途行ってもよい。
GPCを用い、クロロホルムを展開溶媒として、分子量既知(分子量分布=1)の標準ポリスチレン(東ソー株式会社製、“PStQuickMP-M”)を用いて検量線を作成した。測定した標準ポリスチレンから各ピークの溶出時間と分子量値をプロットし、3次式による近似を行い、較正曲線とした。重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、以下の計算式により、ポリスチレン換算値として求めた。
Mw=Σ(Wi×Mi)÷Σ(Wi)
Mn=Σ(Ni×Mi)÷Σ(Ni)
ここで、iは分子量Mを分割した際のi番目の分割点、Wiはi番目の重量、Niはi番目の分子数、Miはi番目の分子量を表す。また分子量Mとは、較正曲線の同溶出時間でのポリスチレン分子量値を表す。
ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)及びポリスチレン換算数平均分子量(Mn)より以下の計算式より求めた。
分子量分布=Mw/Mn
装置;東ソー株式会社製、HLC−8320GPC
カラム;ガードカラム:TSKguardcolumnSuperMPHZ-M×1本
分析カラム:TSKgelSuperMultiporeHZ-M×3本
溶媒;HPLCグレードクロロホルム
注入量;10μL
試料濃度;0.2w/v%HPLCグレードクロロホルム溶液
溶媒流速;0.35ml/min
測定温度;40℃
検出器;RI
1H−NMRの解析結果から末端水酸基を観測することによって測定した。
1H−NMRによるプレポリマー(PP)中の末端水酸基濃度は、樹脂サンプル0.05gを1mlの重水素置換クロロホルム(0.05w/v%TMS含有)に溶解し、23℃で1H−NMRを測定することで求めた。具体的には、4.7ppmの水酸基ピークと7.0〜7.5ppm付近のフェニル及びフェニレン基(末端フェニル基及びBPA骨格由来のフェニレン基)の積分比より、PP中の末端水酸基濃度(OH濃度)を算出した。なお、芳香族ポリカーボネート樹脂中の末端水酸基濃度も、同様に測定し、算出することができる。
装置:日本電子社製LA-500(500MHz)
測定核:1H
relaxationdelay:1s
x_angle:45deg
x_90_width:20μs
x_plus:10μs
scan:500times
1H−NMRの解析結果から、下記数式により求めた。
サンプルとなる芳香族ポリカーボネート樹脂10gをジクロロメタン100mlに溶解し、1000mlのメタノール中へ攪拌しながら滴下した。沈殿物を濾別し、濾液中の溶媒を除去した。得られた固体をGC−MSにより以下の測定条件で分析した。なお、この測定条件での検出限界値は0.0005ppmである。
測定装置:AgilentHP6890/5973MSD
カラム:キャピラリーカラムDB−5MS,30m×0.25mmI.D.,膜厚0.5μm
昇温条件:50℃(5minhold)−300℃(15minhold),10℃/min
注入口温度:300℃、打ち込み量:1.0μl(スプリット比25)
イオン化法:EI法
キャリアーガス:He,1.0ml/min
Aux温度:300℃
質量スキャン範囲:33−700
溶媒:HPLC用クロロホルム
内部標準物質:2,4,6−トリメチロールフェノール
樹脂サンプル0.05gを1mlの重水素置換クロロホルム(0.05w/v%TMS含有)に溶解し、23℃で核磁気共鳴分析装置1H−NMRを用いて高分子量化されたポリカーボネート(PC)中の異種構造の含有量を測定した。文献Polymer42(2001)7653-7661中のP.7659に記載されたHa及びHbの1H−NMRの帰属により、以下に示す異種構造(PSA)の含有(ppm)量を測定した。なお、1H−NMRの測定条件は前記と同様である。
高化式フローテスターCFT−500D(島津製作所(株)製)を用いて、120℃で5時間乾燥した芳香族ポリカーボネート(試料)について、穴径1.0mmφ、長さ10mmのダイを用い、280℃、荷重160kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積をQ160値とし、同様に280℃、荷重10kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積をQ10値として、これらを用いて下式(1)により求めた。なお、Q値は溶融樹脂の流出量(ml/sec)である。
N値=(log(Q160値)−log(Q10値))/(log160−log10)・・・(1)
JIS K7210付属書Cに記載の方法にて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットの流れ値(Q値)を評価した。測定は島津製作所社製フローテスターCFD500Dを用いて、穴径1.0mmφ、長さ10mmのダイを用い、試験温度280℃、試験力160kg/cm2、余熱時間420secの条件で排出された溶融樹脂量(×0.01cm3/sec)を測定した。
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを120℃、5時間乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業社製「SG75Mk−II」)にて、シリンダ温度300℃、金型温度110℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(3mm厚)を作製し、スチームプレッシャー試験機((株)平山製作所製「HASTEST PC−SIII型」)を使用し、100℃の水蒸気中で24時間保持して湿熱処理を行った。湿熱処理後の試験片ハサミでカットし、流れ値(Q値)を測定した。湿熱処理後のQ値と湿熱処理前のQ値の差を求めてΔQとした。
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを120℃、5時間乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業社製「SG75Mk−II」)にて、シリンダ温度300℃、金型温度110℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(4mm厚)を作製し、23℃の条件下で、ISO−179規格に基づき、シャルピー衝撃試験(ノッチ有及びノッチ無、単位:kJ/m2)を実施した。
(プレポリマー製造工程)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン64.662kg(283.245モル)、ジフェニルカーボネート68.260kg(318.651モル)及び触媒として炭酸セシウム0.17μモル/モル(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対してのモル数)を攪拌機及び留出装置付の300Lの反応に入れ、系内を窒素雰囲気下に置換した。減圧度を0.046MPa(345torr)に調整し、160℃にて原料を加熱溶融し、1間攪拌した。
OH濃度は、1H−NMRより算出した値であり、全ポリマー中に含まれるOH基濃度を示す。また、末端フェニル基濃度は、1H−NMRより算出した値であり、全フェニレン基及びフェニル末端中の末端フェニル基(水酸基で置換されたフェニル基を含む)濃度を示す。
芳香族ポリカーボネートプレポリマー(PP−1)をメルター(二軸押出機)により樹脂温度を280℃に溶融し、13300g/hrの速さで予め310℃へ加熱した回転数140rpmのニーダへ連続供給した。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン64.662kg(283.245モル)、ジフェニルカーボネート63.710kg(297.41モル)及び触媒として炭酸セシウム0.5μモル/モル(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対してのモル数)を攪拌機及び留出装置付の300Lの反応に入れ、系内を窒素雰囲気下に置換した。減圧度を0.046MPa(345torr)に調整し、160℃にて原料を加熱溶融し、1間攪拌した。
得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の評価結果を下表に示す。
製造例1で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂PC−1と無機充填剤等の各種添加剤とを下表に示す重量比で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出した溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化して、実施例1の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットについて、流れ値(Q値)、耐湿熱性及び耐衝撃性を評価した。評価結果を下表に示す。
実施例1において、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及び各種添加剤の種類及び添加量を下表に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして芳香族ポリカーボネート樹脂組成物をそれぞれ調製し、同様にして評価した。
・GF: Eガラスチョップドストランド(T−571、屈折率 1.56、平均繊維径13μm、平均繊維長 3mm、アミノシラン処理、耐熱ウレタン収束、日本電気硝子(株)製)
・難燃剤: レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)(FP500、旭電化工業(株)製)
・離型剤: ペンタエリスリトールテトラステアレート(ロキシオールVPG861、コグニスジャパン(株)製)
・PTFE: 滴下防止用ポリテトラフルオロエチレン(テフロン 6J、三井・デュポンフロロケミカル(株)製)
Claims (13)
- 下記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂と、無機充填剤と、下記一般式(II)で表される環状カーボネートとを含み、
無機充填剤の含有量が、下記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して3〜200質量部であり、下記一般式(II)で表される環状カーボネート含有率が、下記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂に対して3000ppm以下である、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
(式中、R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、又は炭素数6〜20のアリールオキシ基を表し、p及びqは、0〜4の整数を表し、Xは、単結合又は下記(Ia)の群から選択される基を表す)
(ここで、R3及びR4は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表すか、あるいはR3とR4は、相互に結合して脂肪族環を形成していてもよい)
(式中、Ra及びRbは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖もしくは分岐のアルキル基、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは、相互に結合して環を形成していてもよく、R5〜R8は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、nは0〜30の整数を表す) - 無機充填剤が、ガラス充填剤、炭素繊維、ワラストナイト、マイカ、タルク及びウイスカー状フィラーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 無機充填剤が、ガラス繊維、ガラスビーズ及びガラスフレークからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 無機充填剤が、前記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する重合反応中若しくは該重合反応終了時、又は該重合に使用した触媒を触媒失活剤で失活後であってペレット化する前のいずれかの時期に添加される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 一般式(I)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度が1000ppm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 一般式(I)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が35,000〜100,000の範囲内である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記一般式(II)で表される環状カーボネートが、下記一般式(IIa)で表される化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
(式中、Ra及びRbは、一般式(II)におけるRa及びRbとそれぞれ同義である) - 前記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂のN値(構造粘性指数)が、下記数式(1)で表される場合、1.25以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
N値=(log(Q160値)−log(Q10値))/(log160−log10)・・・(1) - 前記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が、下記一般式(III)で表される構造単位を含み、その含有率が、前記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂中に2000ppm未満である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
(式中、Xは、一般式(I)におけるXと同義である) - 前記一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂及び前記一般式(II)で表される環状カーボネートが、芳香族ポリカーボネートプレポリマーと下記一般式(IV)で表されるジオール化合物とをエステル交換触媒の存在下に反応させて、高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂を得る高分子量化工程と、前記高分子量化工程で副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去する環状カーボネート除去工程とを含む方法により得られる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
(式中、Ra、Rb及びR5〜R8は、一般式(II)におけるRa、Rb及びR5〜R8とそれぞれ同義である) - 前記一般式(IV)で表されるジオール化合物が、下記一般式(IVa)で表される化合物である、請求項10に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
(式中、Ra及びRbは、一般式(IV)におけるRa及びRbとそれぞれ同義である) - 前記ジオール化合物が、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジイソブチルプロパン−1,3−ジオール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール及び2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオールからなる群から選択される、請求項10又は11に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
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