JPH07102139A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH07102139A JPH07102139A JP26797893A JP26797893A JPH07102139A JP H07102139 A JPH07102139 A JP H07102139A JP 26797893 A JP26797893 A JP 26797893A JP 26797893 A JP26797893 A JP 26797893A JP H07102139 A JPH07102139 A JP H07102139A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】(A)(イ)アクリロニトリル−スチレン系共
重合体樹脂70〜95重量%と(ロ)不飽和ニトリル−
共役ジエン系共重合体ゴムを少なくとも10重量%含有
するゴム成分30〜5重量%とから成るポリマー成分
に、(B)エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を前記
(ロ)成分100重量部当たり3〜40重量部配合する
とともに、(C)有機過酸化物を配合して成る熱可塑性
樹脂組成物。 【効果】射出成形により、艶消し性がよく、かつ外観及
び強度が共に優れる成形品が得られ、OA機器、家電機
器のハウジングや自動車内装部品などの素材として好適
に用いられる。
重合体樹脂70〜95重量%と(ロ)不飽和ニトリル−
共役ジエン系共重合体ゴムを少なくとも10重量%含有
するゴム成分30〜5重量%とから成るポリマー成分
に、(B)エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を前記
(ロ)成分100重量部当たり3〜40重量部配合する
とともに、(C)有機過酸化物を配合して成る熱可塑性
樹脂組成物。 【効果】射出成形により、艶消し性がよく、かつ外観及
び強度が共に優れる成形品が得られ、OA機器、家電機
器のハウジングや自動車内装部品などの素材として好適
に用いられる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な熱可塑性樹脂組成
物、さらに詳しくは、射出成形により、艶消し性がよ
く、かつ外観及び強度が共に優れる成形品を与えるアク
リロニトリル−スチレン系熱可塑性樹脂組成物に関する
ものである。
物、さらに詳しくは、射出成形により、艶消し性がよ
く、かつ外観及び強度が共に優れる成形品を与えるアク
リロニトリル−スチレン系熱可塑性樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、AS樹脂やABS樹脂などのアク
リロニトリル−スチレン系共重合体樹脂は、成形性及び
機械的性質などに優れることから、例えばOA機器、家
電機器などのハウジングや自動車の内装部品などの素材
として多量に用いられている。これらの成形品は、他の
機器と色調をマッチさせるために、あるいは柔和な視覚
をもたせるために、艶消し調の外観をもつことが要求さ
れる場合がある。このような要求に対しては、これま
で、無機フィラーを添加する方法、ゴムをブレンドする
方法、部分架橋ポリ塩化ビニルをブレンドする方法(特
開昭61−126173号公報)などが試みられてき
た。しかしながら、無機フィラーを添加する方法は、耐
衝撃性や加工性が低下するのを免れないし、ゴムをブレ
ンドする方法は艶消し効果が十分ではなく、また部分架
橋ポリ塩化ビニルをブレンドする方法においては、艶消
しムラが生じやすい、などの問題があった。一方、優れ
た艶消し効果と十分な強度特性及び成形加工性が得られ
る方法として、不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体
ゴムを配合し、架橋させる方法が提案されている(特開
昭63−221148号公報)。しかしながら、この方
法においては、射出成形において、往々にしてウエルド
・ラインが発生するという問題がある。ウエルド・ライ
ンは、成形材料が金型中でピンやコアなどの周囲を流れ
て合流した線に沿って現れる成形品上のマークであり、
外観を損ねるだけでなく、強度上の欠陥となる場合もあ
るので、このウエルド・ラインの発生を防止する方法の
開発が望まれていた。
リロニトリル−スチレン系共重合体樹脂は、成形性及び
機械的性質などに優れることから、例えばOA機器、家
電機器などのハウジングや自動車の内装部品などの素材
として多量に用いられている。これらの成形品は、他の
機器と色調をマッチさせるために、あるいは柔和な視覚
をもたせるために、艶消し調の外観をもつことが要求さ
れる場合がある。このような要求に対しては、これま
で、無機フィラーを添加する方法、ゴムをブレンドする
方法、部分架橋ポリ塩化ビニルをブレンドする方法(特
開昭61−126173号公報)などが試みられてき
た。しかしながら、無機フィラーを添加する方法は、耐
衝撃性や加工性が低下するのを免れないし、ゴムをブレ
ンドする方法は艶消し効果が十分ではなく、また部分架
橋ポリ塩化ビニルをブレンドする方法においては、艶消
しムラが生じやすい、などの問題があった。一方、優れ
た艶消し効果と十分な強度特性及び成形加工性が得られ
る方法として、不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体
ゴムを配合し、架橋させる方法が提案されている(特開
昭63−221148号公報)。しかしながら、この方
法においては、射出成形において、往々にしてウエルド
・ラインが発生するという問題がある。ウエルド・ライ
ンは、成形材料が金型中でピンやコアなどの周囲を流れ
て合流した線に沿って現れる成形品上のマークであり、
外観を損ねるだけでなく、強度上の欠陥となる場合もあ
るので、このウエルド・ラインの発生を防止する方法の
開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、射出成形により、艶消性がよく、柔和な
視覚が得られ、かつ外観と強度が共に優れる成形品を与
えるアクリロニトリル−スチレン系熱可塑性樹脂組成物
を提供することを目的としてなされたものである。
事情のもとで、射出成形により、艶消性がよく、柔和な
視覚が得られ、かつ外観と強度が共に優れる成形品を与
えるアクリロニトリル−スチレン系熱可塑性樹脂組成物
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する熱可塑性樹脂組成物を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、特定の割合のアクリロニトリル−
スチレン系共重合体樹脂と不飽和ニトリル−共役ジエン
系共重合体ゴムを含むゴム成分とから成るポリマー成分
に、エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を所定の割合
で配合し、さらに有機過酸物を配合して該ゴム成分を架
橋して成る熱可塑性樹脂組成物は、射出成形した場合、
従来ゴム粒子が流れ方向に約5μm長の棒状の形で配列
することによって観察されるウエルド・ラインがほとん
どみられない上、艶消し性がよく、外観及び強度が共に
優れる成形品が得られることを見い出した。本発明はか
かる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本
発明は、(A)(イ)アクリロニトリル−スチレン系共
重合体樹脂70〜95重量%と(ロ)不飽和ニトリル−
共役ジエン系共重合体ゴムを少なくとも10重量%含有
するゴム成分30〜5重量%とから成るポリマー成分
に、(B)エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を前記
(ロ)成分100重量部当たり3〜40重量部配合する
とともに、(C)有機過酸化物を配合して成る熱可塑性
樹脂組成物を提供するものである。
ましい性質を有する熱可塑性樹脂組成物を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、特定の割合のアクリロニトリル−
スチレン系共重合体樹脂と不飽和ニトリル−共役ジエン
系共重合体ゴムを含むゴム成分とから成るポリマー成分
に、エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を所定の割合
で配合し、さらに有機過酸物を配合して該ゴム成分を架
橋して成る熱可塑性樹脂組成物は、射出成形した場合、
従来ゴム粒子が流れ方向に約5μm長の棒状の形で配列
することによって観察されるウエルド・ラインがほとん
どみられない上、艶消し性がよく、外観及び強度が共に
優れる成形品が得られることを見い出した。本発明はか
かる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本
発明は、(A)(イ)アクリロニトリル−スチレン系共
重合体樹脂70〜95重量%と(ロ)不飽和ニトリル−
共役ジエン系共重合体ゴムを少なくとも10重量%含有
するゴム成分30〜5重量%とから成るポリマー成分
に、(B)エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を前記
(ロ)成分100重量部当たり3〜40重量部配合する
とともに、(C)有機過酸化物を配合して成る熱可塑性
樹脂組成物を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明組
成物においては、(A)成分として、(イ)アクリロニ
トリル−スチレン系共重合体樹脂と(ロ)不飽和ニトリ
ル−共役ジエン系共重合体ゴム又はこれと他のゴムとの
混合物であるゴム成分とから成るポリマー成分が用いら
れる。該(イ)成分のアクリロニトリル−スチレン系共
重合体樹脂としては、例えばAS樹脂と称されるアクリ
ロニトリルとスチレン及び/又はα−メチルスチレンと
の共重合体樹脂、ABS樹脂と称される分散ポリブタジ
エンゴム粒子にAS樹脂がグラフトされた耐衝撃性樹脂
[例えば、高分子学会編、高分子データ・ハンドブック
応用編、第39〜44ページ(昭和61年1月30日培
風館発行]、AAS又はASA樹脂と称されるアクリル
ゴムにアクリロニトリル−スチレン共重合体が一部グラ
フトした耐候性・耐衝撃性樹脂、AES樹脂と称される
EPDMゴムにアクリロニトリル−スチレン共重合体が
一部グラフトした耐候性・耐衝撃性樹脂などが挙げら
れ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
成物においては、(A)成分として、(イ)アクリロニ
トリル−スチレン系共重合体樹脂と(ロ)不飽和ニトリ
ル−共役ジエン系共重合体ゴム又はこれと他のゴムとの
混合物であるゴム成分とから成るポリマー成分が用いら
れる。該(イ)成分のアクリロニトリル−スチレン系共
重合体樹脂としては、例えばAS樹脂と称されるアクリ
ロニトリルとスチレン及び/又はα−メチルスチレンと
の共重合体樹脂、ABS樹脂と称される分散ポリブタジ
エンゴム粒子にAS樹脂がグラフトされた耐衝撃性樹脂
[例えば、高分子学会編、高分子データ・ハンドブック
応用編、第39〜44ページ(昭和61年1月30日培
風館発行]、AAS又はASA樹脂と称されるアクリル
ゴムにアクリロニトリル−スチレン共重合体が一部グラ
フトした耐候性・耐衝撃性樹脂、AES樹脂と称される
EPDMゴムにアクリロニトリル−スチレン共重合体が
一部グラフトした耐候性・耐衝撃性樹脂などが挙げら
れ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0006】一方、(ロ)のゴム成分に必須成分として
用いられる不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体ゴム
としては、例えば不飽和ニトリル単量体単位10〜50
重量%と共役ジエン単量体単位90〜50重量%とから
成る共重合体ゴムが好適である。該不飽和ニトリル単量
体としては、例えばアクリロニトリルやメタクリロニト
リルなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組
み合わせて用いられる。また共役ジエン単量体として
は、例えば1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げら
れ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いら
れる。また、本発明の主旨が損なわれない範囲で、前記
の共役ジエン単量体の一部を、共重合可能な他の単量体
で置換しても差しつかえない。このような単量体として
は、例えばスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族
ビニル単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキ
ル(メタ)アクリレート、メトキシメチル(メタ)アク
リレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エト
キシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メ
タ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)ア
クリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレ
ート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸などの不飽和カルボン酸又はそのアルカリ金属塩や
アンモニウム塩などの塩、シアノメチル(メタ)アクリ
レート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、3−
シアノプロピル(メタ)アクリレート、4−シアノブチ
ル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸シア
ノ置換アルキルエステルなどが挙げられるが、もちろん
これらに限定されるものではない。これらの共重合可能
な他の単量体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
用いられる不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体ゴム
としては、例えば不飽和ニトリル単量体単位10〜50
重量%と共役ジエン単量体単位90〜50重量%とから
成る共重合体ゴムが好適である。該不飽和ニトリル単量
体としては、例えばアクリロニトリルやメタクリロニト
リルなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組
み合わせて用いられる。また共役ジエン単量体として
は、例えば1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げら
れ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いら
れる。また、本発明の主旨が損なわれない範囲で、前記
の共役ジエン単量体の一部を、共重合可能な他の単量体
で置換しても差しつかえない。このような単量体として
は、例えばスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族
ビニル単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキ
ル(メタ)アクリレート、メトキシメチル(メタ)アク
リレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エト
キシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メ
タ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)ア
クリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレ
ート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸などの不飽和カルボン酸又はそのアルカリ金属塩や
アンモニウム塩などの塩、シアノメチル(メタ)アクリ
レート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、3−
シアノプロピル(メタ)アクリレート、4−シアノブチ
ル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸シア
ノ置換アルキルエステルなどが挙げられるが、もちろん
これらに限定されるものではない。これらの共重合可能
な他の単量体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0007】該不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体
ゴムの具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体ゴム、アクリロニトリル−イソプレン共重合体
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重
合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸
共重合体ゴムなど、及びこれらのゴム中の共役ジエン単
量体単位を水素化したゴムなどが挙げられ、これらは単
独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。該(ロ)
成分のゴム成分としては、前記の不飽和ニトリル−共役
ジエン系共重合体ゴムに他のゴムを組み合わせたものを
用いてもよい。この他のゴムとしては、例えばポリブタ
ジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(ラン
ダム、ブロック)、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポ
リクロロプレンゴムなどの共役ジエン系重合体ゴム及び
その水素化物、さらにはEPDMなどが挙げられ、これ
らは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。該
(ロ)成分として、不飽和ニトリル−共役ジエン系共重
合体ゴムに前記の他のゴムを組み合わせたものを用いる
場合は、(ロ)成分中の不飽和ニトリル−共役ジエン系
共重合体ゴムの含有量は少なくとも10重量%、好まし
くは20重量%以上であることが必要である。この量が
10重量%未満では艶消し性の改善効果が十分に発揮さ
れない。本発明組成物においては、(A)成分であるポ
リマー成分中の該(イ)成分と(ロ)成分の含有量は、
それぞれ70〜95重量%及び30〜5重量%、好まし
くは75〜93重量%及び25〜7重量%の範囲にある
ことが必要である。該(ロ)成分の含有量が5重量%未
満では艶消し性が不十分であるし、30重量%を超える
と得られる成形品の硬度が低下する傾向がみられる。
ゴムの具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体ゴム、アクリロニトリル−イソプレン共重合体
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重
合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸
共重合体ゴムなど、及びこれらのゴム中の共役ジエン単
量体単位を水素化したゴムなどが挙げられ、これらは単
独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。該(ロ)
成分のゴム成分としては、前記の不飽和ニトリル−共役
ジエン系共重合体ゴムに他のゴムを組み合わせたものを
用いてもよい。この他のゴムとしては、例えばポリブタ
ジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(ラン
ダム、ブロック)、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポ
リクロロプレンゴムなどの共役ジエン系重合体ゴム及び
その水素化物、さらにはEPDMなどが挙げられ、これ
らは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。該
(ロ)成分として、不飽和ニトリル−共役ジエン系共重
合体ゴムに前記の他のゴムを組み合わせたものを用いる
場合は、(ロ)成分中の不飽和ニトリル−共役ジエン系
共重合体ゴムの含有量は少なくとも10重量%、好まし
くは20重量%以上であることが必要である。この量が
10重量%未満では艶消し性の改善効果が十分に発揮さ
れない。本発明組成物においては、(A)成分であるポ
リマー成分中の該(イ)成分と(ロ)成分の含有量は、
それぞれ70〜95重量%及び30〜5重量%、好まし
くは75〜93重量%及び25〜7重量%の範囲にある
ことが必要である。該(ロ)成分の含有量が5重量%未
満では艶消し性が不十分であるし、30重量%を超える
と得られる成形品の硬度が低下する傾向がみられる。
【0008】本発明組成物において、(B)成分として
用いられるエチレン性不飽和カルボン酸の金属塩として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、3
−ブテン酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;マレ
イン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸
モノエチルなどの不飽和ジカルボン酸のモノエステル;
前記以外の不飽和多価カルボン酸及び少なくとも一価の
遊離カルボキシル基を残した不飽和多価カルボン酸のエ
ステルなどの少なくとも1種の金属塩が挙げられる。金
属としては上記のカルボン酸と塩を形成するものであれ
ばよく、特に制限はないが、例えば亜鉛、マグネシウ
ム、カルシウム及びアルミニウムが特に好適である。こ
れらのエチレン性不飽和カルボン酸の金属塩は、該金属
塩として使用してもよいし、本発明の組成物調製時に、
ゴム成分中で前記のエチレン性不飽和カルボン酸と前記
金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩などとを反応させてエ
チレン性不飽和カルボン酸の金属塩を生成させる方法を
用いてもよい。該(B)成分のエチレン性不飽和カルボ
ン酸の金属塩は1種用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記(ロ)
のゴム成分100重量部当たり、3〜40重量部の範囲
にあることが必要である。この量が上記範囲を逸脱する
と得られる組成物の溶融流動性が低下し、加工性が悪く
なる。
用いられるエチレン性不飽和カルボン酸の金属塩として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、3
−ブテン酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;マレ
イン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸
モノエチルなどの不飽和ジカルボン酸のモノエステル;
前記以外の不飽和多価カルボン酸及び少なくとも一価の
遊離カルボキシル基を残した不飽和多価カルボン酸のエ
ステルなどの少なくとも1種の金属塩が挙げられる。金
属としては上記のカルボン酸と塩を形成するものであれ
ばよく、特に制限はないが、例えば亜鉛、マグネシウ
ム、カルシウム及びアルミニウムが特に好適である。こ
れらのエチレン性不飽和カルボン酸の金属塩は、該金属
塩として使用してもよいし、本発明の組成物調製時に、
ゴム成分中で前記のエチレン性不飽和カルボン酸と前記
金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩などとを反応させてエ
チレン性不飽和カルボン酸の金属塩を生成させる方法を
用いてもよい。該(B)成分のエチレン性不飽和カルボ
ン酸の金属塩は1種用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記(ロ)
のゴム成分100重量部当たり、3〜40重量部の範囲
にあることが必要である。この量が上記範囲を逸脱する
と得られる組成物の溶融流動性が低下し、加工性が悪く
なる。
【0009】本発明組成物において、(C)成分として
用いられ有機過酸化物としては、通常ゴムの過酸化物加
硫に用いられるものであればよく、特に制限はない。例
えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが
挙げられる。これらの有機過酸化物は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、またその配
合量は、通常前記(ロ)のゴム成分100重量部当た
り、0.2〜10重量部の範囲で選ばれるが、所望の物
性に応じて適宜最適量を決定することができる。本発明
の熱可塑性組成物は、前記(A)成分[(イ)成分、
(ロ)成分]、(B)成分及び(C)成分を、それぞれ
所定の割合で混合することによって調製することができ
る。この際、(ロ)のゴム成分として混合ゴムを用いる
場合には、予め2種又は2種以上のゴムを混合してか
ら、(イ)成分の樹脂と混合してもよいし、また同時に
あるいは別々に添加してもよい。本発明組成物において
は、該ゴム成分は架橋剤である有機過酸化物により架橋
されていることが必要である。該ゴム成分を架橋させる
方法については特に制限はないが、樹脂とゴム成分を混
合する過程で、有機過酸化物存在下に混合と同時にゴム
成分を架橋する、いわゆる動的加硫法を用いるのが有利
である。
用いられ有機過酸化物としては、通常ゴムの過酸化物加
硫に用いられるものであればよく、特に制限はない。例
えばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが
挙げられる。これらの有機過酸化物は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、またその配
合量は、通常前記(ロ)のゴム成分100重量部当た
り、0.2〜10重量部の範囲で選ばれるが、所望の物
性に応じて適宜最適量を決定することができる。本発明
の熱可塑性組成物は、前記(A)成分[(イ)成分、
(ロ)成分]、(B)成分及び(C)成分を、それぞれ
所定の割合で混合することによって調製することができ
る。この際、(ロ)のゴム成分として混合ゴムを用いる
場合には、予め2種又は2種以上のゴムを混合してか
ら、(イ)成分の樹脂と混合してもよいし、また同時に
あるいは別々に添加してもよい。本発明組成物において
は、該ゴム成分は架橋剤である有機過酸化物により架橋
されていることが必要である。該ゴム成分を架橋させる
方法については特に制限はないが、樹脂とゴム成分を混
合する過程で、有機過酸化物存在下に混合と同時にゴム
成分を架橋する、いわゆる動的加硫法を用いるのが有利
である。
【0010】動的加硫法を用いる場合には、予め(イ)
成分、(ロ)成分及び(B)成分を十分に溶融混合した
のち、(C)成分の有機過酸化物を添加し、(イ)成分
の樹脂が溶融し、(ロ)成分のゴム成分が架橋するに必
要な温度及び時間混合を継続する。該ゴム成分が架橋す
るための混合の温度及び時間は、ゴム成分の種類や有機
過酸化物の種類によって異なるので、前もって予備実験
により、条件を決定しておくのが望ましい。通常は15
0〜230℃の範囲の温度で、5〜10分程度である。 (イ)成分のアクリロニトリル−スチレン系共重合体樹
脂として、分散ゴム粒子を含有するABS樹脂などを用
いる場合には、ゴム成分の動的加硫の温度下で分散ゴム
粒子が熱劣化を生じるおそれがある場合、分散ゴム粒子
を含まないAS樹脂などとゴム成分とを混合し、動的加
硫法によりゴム成分を架橋させた樹脂とゴム成分との混
合物を調製し、このものとABS樹脂などと混合して所
望の熱可塑性樹脂組成物とする方法を用いるのが望まし
い。本発明の目的が十分達せられるにはゴム成分が架橋
していることが不可欠であるが、特にゲル分(架橋ゴム
成分をメチルエチルケトンに温度25℃で48時間浸漬
したときの不溶解分)が80重量%以上になるように架
橋するのが望ましい。また、本発明組成物においては、
該ゴム成分は平均粒子径が10μm以下、好ましくは1
〜5μmの粒子として分散していることが、艶消し性及
び耐衝撃性の面から望ましい。本発明の熱可塑性樹脂組
成物においては、該組成物を射出成形する際、溶融状態
での強剪断力下において、(B)成分のエチレン性不飽
和カルボン酸の金属塩は、上記ゴム成分を平均粒子径が
0.5〜3μm程度の一層小さな、しかも球形の粒子に
分散させる作用を有する。これにより、従来ゴム粒子が
流れ方向に約5μm長の棒状の形で流れ方向に配列する
ことによって観察されたウエルド・ラインがほとんど発
生しなくなる。本発明組成物には、本発明の目的が損な
われない範囲で、所望により各種添加成分、例えば充て
ん剤、着色剤、可塑剤、滑剤、安定剤などを適宜配合す
ることができる。これらの添加成分の配合時期について
は特に制限はなく、例えば樹脂とゴム成分などとの混合
時に、あるいはゴム成分の架橋後に配合してもよい。
成分、(ロ)成分及び(B)成分を十分に溶融混合した
のち、(C)成分の有機過酸化物を添加し、(イ)成分
の樹脂が溶融し、(ロ)成分のゴム成分が架橋するに必
要な温度及び時間混合を継続する。該ゴム成分が架橋す
るための混合の温度及び時間は、ゴム成分の種類や有機
過酸化物の種類によって異なるので、前もって予備実験
により、条件を決定しておくのが望ましい。通常は15
0〜230℃の範囲の温度で、5〜10分程度である。 (イ)成分のアクリロニトリル−スチレン系共重合体樹
脂として、分散ゴム粒子を含有するABS樹脂などを用
いる場合には、ゴム成分の動的加硫の温度下で分散ゴム
粒子が熱劣化を生じるおそれがある場合、分散ゴム粒子
を含まないAS樹脂などとゴム成分とを混合し、動的加
硫法によりゴム成分を架橋させた樹脂とゴム成分との混
合物を調製し、このものとABS樹脂などと混合して所
望の熱可塑性樹脂組成物とする方法を用いるのが望まし
い。本発明の目的が十分達せられるにはゴム成分が架橋
していることが不可欠であるが、特にゲル分(架橋ゴム
成分をメチルエチルケトンに温度25℃で48時間浸漬
したときの不溶解分)が80重量%以上になるように架
橋するのが望ましい。また、本発明組成物においては、
該ゴム成分は平均粒子径が10μm以下、好ましくは1
〜5μmの粒子として分散していることが、艶消し性及
び耐衝撃性の面から望ましい。本発明の熱可塑性樹脂組
成物においては、該組成物を射出成形する際、溶融状態
での強剪断力下において、(B)成分のエチレン性不飽
和カルボン酸の金属塩は、上記ゴム成分を平均粒子径が
0.5〜3μm程度の一層小さな、しかも球形の粒子に
分散させる作用を有する。これにより、従来ゴム粒子が
流れ方向に約5μm長の棒状の形で流れ方向に配列する
ことによって観察されたウエルド・ラインがほとんど発
生しなくなる。本発明組成物には、本発明の目的が損な
われない範囲で、所望により各種添加成分、例えば充て
ん剤、着色剤、可塑剤、滑剤、安定剤などを適宜配合す
ることができる。これらの添加成分の配合時期について
は特に制限はなく、例えば樹脂とゴム成分などとの混合
時に、あるいはゴム成分の架橋後に配合してもよい。
【0011】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、各特性は次の要領で評価した。 (1)耐衝撃性 射出成形板について、DIN 53453に準拠して求
め、次の判定基準に従って評価した。架橋ゴム成分を含
まないAS樹脂の耐衝撃強度と比較して、 ◎:10%以上向上している ○:5%以上10%未満向上している △:5%未満向上している ×:劣っている (2)光沢度(グロス値) 射出成形板について、JIS Z-8741に準拠して求
め、1枚の試験板につき位置を変えて5箇所で測定した
結果の平均値を算出し、次の判定基準に従って評価し
た。 架橋ゴム成分を含まないABS樹脂との対比で、 ◎:グロス値が50%未満 ○:グロス値が50%以上65%未満 △:グロス値が65%以上80%未満 ×:グロス値が80%以上 (3)ゲル分 ペレット一定量をメチルエチルケトンに25℃で48時
間浸漬し、不溶解分を組成物中のゴム成分の重量に対す
る100分率として求めた。 (4)ウエルド・ラインの観察 金型に20mmφ×20mmのアルミニウム製の入れ子をセ
ットして射出成形を行い、9cm×5cm×2mmの板の中央
部に20mm径の穴のある射出成形板を作成して目視観察
した。溶融した組成物が金型内で入れ子の円柱の両側に
分かれて流れ、反対側で合流した点から下流に向けてウ
エルド・ラインが出やすいからである。ウエルド・ライ
ンは次の判定基準に従って評価した。架橋ゴム成分を含
まないAS樹脂の射出成形品(比較例4)と比較して ◎:同程度でウエルド・ラインがほとんどない ○:それよりややはっきりと出ている ×:著しく明瞭に出ている (5)架橋ゴム粒子(電子顕微鏡観察) 電子顕微鏡観察により、射出成形板中のゴム粒子の大き
さ及び形状を調べた。すなわち、上記(4)の穴あき射
出成形板のウエルド・ライン部の切片を、オスミウム染
色液に一昼夜浸漬したのち、透過型電子顕微鏡で500
0倍にて写真撮影し、ゴム粒子200±20個につき長
径及び短径を測定して、長径及びアスペクト比(短径/
長径)の平均値を求めた。アスペクト比の値が小さけれ
ば、ウエルド・ライン部でゴム粒子が流れに沿って棒状
に変形していることを意味し、逆に1又は1に近い大き
な値の場合には、ゴム粒子が変形せずに球状であること
意味する。
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、各特性は次の要領で評価した。 (1)耐衝撃性 射出成形板について、DIN 53453に準拠して求
め、次の判定基準に従って評価した。架橋ゴム成分を含
まないAS樹脂の耐衝撃強度と比較して、 ◎:10%以上向上している ○:5%以上10%未満向上している △:5%未満向上している ×:劣っている (2)光沢度(グロス値) 射出成形板について、JIS Z-8741に準拠して求
め、1枚の試験板につき位置を変えて5箇所で測定した
結果の平均値を算出し、次の判定基準に従って評価し
た。 架橋ゴム成分を含まないABS樹脂との対比で、 ◎:グロス値が50%未満 ○:グロス値が50%以上65%未満 △:グロス値が65%以上80%未満 ×:グロス値が80%以上 (3)ゲル分 ペレット一定量をメチルエチルケトンに25℃で48時
間浸漬し、不溶解分を組成物中のゴム成分の重量に対す
る100分率として求めた。 (4)ウエルド・ラインの観察 金型に20mmφ×20mmのアルミニウム製の入れ子をセ
ットして射出成形を行い、9cm×5cm×2mmの板の中央
部に20mm径の穴のある射出成形板を作成して目視観察
した。溶融した組成物が金型内で入れ子の円柱の両側に
分かれて流れ、反対側で合流した点から下流に向けてウ
エルド・ラインが出やすいからである。ウエルド・ライ
ンは次の判定基準に従って評価した。架橋ゴム成分を含
まないAS樹脂の射出成形品(比較例4)と比較して ◎:同程度でウエルド・ラインがほとんどない ○:それよりややはっきりと出ている ×:著しく明瞭に出ている (5)架橋ゴム粒子(電子顕微鏡観察) 電子顕微鏡観察により、射出成形板中のゴム粒子の大き
さ及び形状を調べた。すなわち、上記(4)の穴あき射
出成形板のウエルド・ライン部の切片を、オスミウム染
色液に一昼夜浸漬したのち、透過型電子顕微鏡で500
0倍にて写真撮影し、ゴム粒子200±20個につき長
径及び短径を測定して、長径及びアスペクト比(短径/
長径)の平均値を求めた。アスペクト比の値が小さけれ
ば、ウエルド・ライン部でゴム粒子が流れに沿って棒状
に変形していることを意味し、逆に1又は1に近い大き
な値の場合には、ゴム粒子が変形せずに球状であること
意味する。
【0012】実施例1〜3、比較例1〜4 まず、第1表に示す量のAS樹脂と第1表に示す種類と
量のゴム成分とを160℃のバンバリーミキサーを用い
て、安定なトルクが得られるまで混合し、次いで第1表
に示す量のジメタクリル酸亜鉛と有機過酸化物とを添加
し、再び良好な回転バンクが得られるまで混合して動的
加硫を行わせたのち、シート出しを行った(ジメタクリ
ル酸亜鉛及び有機過酸化物添加からシート出しまで7分
間)。得られた樹脂/ゴム成分混合物と第1表に示す量
のABS樹脂とを、170℃のバンバリーミキサーを用
いて安定なトルクが得られるまで混合し、シート出しし
たのち、ペレット成形機によりペレット化した熱可塑性
樹脂組成物を得た。次に、このようにして得られたペレ
ットを、40mm径の射出成形機を用い、ダイヘッド温度
220℃、スクリュー回転数60rpm、射出圧力50kg
/cm2、ゲージ射出速度50%の条件で成形し、長さ9c
m、巾5cm、厚さ2mmの射出成形板を作成した。特性の
評価を第1表に示す。
量のゴム成分とを160℃のバンバリーミキサーを用い
て、安定なトルクが得られるまで混合し、次いで第1表
に示す量のジメタクリル酸亜鉛と有機過酸化物とを添加
し、再び良好な回転バンクが得られるまで混合して動的
加硫を行わせたのち、シート出しを行った(ジメタクリ
ル酸亜鉛及び有機過酸化物添加からシート出しまで7分
間)。得られた樹脂/ゴム成分混合物と第1表に示す量
のABS樹脂とを、170℃のバンバリーミキサーを用
いて安定なトルクが得られるまで混合し、シート出しし
たのち、ペレット成形機によりペレット化した熱可塑性
樹脂組成物を得た。次に、このようにして得られたペレ
ットを、40mm径の射出成形機を用い、ダイヘッド温度
220℃、スクリュー回転数60rpm、射出圧力50kg
/cm2、ゲージ射出速度50%の条件で成形し、長さ9c
m、巾5cm、厚さ2mmの射出成形板を作成した。特性の
評価を第1表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】[注] 1)ダイセル(株)製、商品名セビアンNF012 (アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂) 2)三菱レーヨン(株)製、商品名ダイヤペット3001 (アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹
脂) 3)日本ゼオン(株)製、商品名Nipol 1042 (アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム) 4)日本ゼオン(株)製、商品名Nipol 1043 (アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム) 5)日本ゼオン(株)製、商品名Nipol 1502 (スチレン−ブタジエン共重合体ゴム) 6)1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン
脂) 3)日本ゼオン(株)製、商品名Nipol 1042 (アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム) 4)日本ゼオン(株)製、商品名Nipol 1043 (アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム) 5)日本ゼオン(株)製、商品名Nipol 1502 (スチレン−ブタジエン共重合体ゴム) 6)1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン
【0015】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成
形により、艶消し性がよく、柔和な視覚が得られる上、
ウエルド・ラインがほとんどみられないことによる優れ
た外観と大きな強度を有する成形品を与えることがで
き、例えばOA機器、家電機器などのハウジングや自動
車内装部品などの素材として好適に用いられる。
形により、艶消し性がよく、柔和な視覚が得られる上、
ウエルド・ラインがほとんどみられないことによる優れ
た外観と大きな強度を有する成形品を与えることがで
き、例えばOA機器、家電機器などのハウジングや自動
車内装部品などの素材として好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 9:02) (72)発明者 藤野 昭夫 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社研究開発センター内
Claims (1)
- 【請求項1】(A)(イ)アクリロニトリル−スチレン
系共重合体樹脂70〜95重量%と(ロ)不飽和ニトリ
ル−共役ジエン系共重合体ゴムを少なくとも10重量%
含有するゴム成分30〜5重量%とから成るポリマー成
分に、(B)エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩を前
記(ロ)成分100重量部当たり3〜40重量部配合す
るとともに、(C)有機過酸化物を配合して成る熱可塑
性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26797893A JPH07102139A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26797893A JPH07102139A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07102139A true JPH07102139A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17452220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26797893A Pending JPH07102139A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07102139A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9725587B2 (en) | 2010-09-30 | 2017-08-08 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Injection molded article |
WO2018221742A1 (ja) * | 2017-06-02 | 2018-12-06 | テクノUmg株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物及び成形体 |
-
1993
- 1993-09-30 JP JP26797893A patent/JPH07102139A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9725587B2 (en) | 2010-09-30 | 2017-08-08 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Injection molded article |
WO2018221742A1 (ja) * | 2017-06-02 | 2018-12-06 | テクノUmg株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物及び成形体 |
JPWO2018221742A1 (ja) * | 2017-06-02 | 2020-04-02 | テクノUmg株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物及び成形体 |
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