JPH07101997A - モノクローナル抗体 - Google Patents
モノクローナル抗体Info
- Publication number
- JPH07101997A JPH07101997A JP24952893A JP24952893A JPH07101997A JP H07101997 A JPH07101997 A JP H07101997A JP 24952893 A JP24952893 A JP 24952893A JP 24952893 A JP24952893 A JP 24952893A JP H07101997 A JPH07101997 A JP H07101997A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- monoclonal antibody
- mucin
- sialic acid
- sheep
- bsm
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 シアル酸の結合様式を認識するモノクローナ
ル抗体を提供する。 【構成】 NeuAcα2−6GalNAcβ1−1´
AGE(化合物4)及びヒツジ顎下腺ムチンで免疫した
マウスの免疫細胞と哺乳動物の骨髄腫細胞とを融合さ
せ、ヒツジ顎下腺ムチンでスクリーニングをしてヒツジ
顎下腺ムチンに陽性なウェルを得、末端にシアル酸が存
在する糖質、糖タンパク質若しくは糖脂質と特異的に結
合し、抗原決定基は当該末端のシアル酸のNeuAcα
2−6GalNAcであるクラスIgGに属するモノク
ローナル抗体を得る。
ル抗体を提供する。 【構成】 NeuAcα2−6GalNAcβ1−1´
AGE(化合物4)及びヒツジ顎下腺ムチンで免疫した
マウスの免疫細胞と哺乳動物の骨髄腫細胞とを融合さ
せ、ヒツジ顎下腺ムチンでスクリーニングをしてヒツジ
顎下腺ムチンに陽性なウェルを得、末端にシアル酸が存
在する糖質、糖タンパク質若しくは糖脂質と特異的に結
合し、抗原決定基は当該末端のシアル酸のNeuAcα
2−6GalNAcであるクラスIgGに属するモノク
ローナル抗体を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の疾患の検出に用
いられるシアル酸検出手段及びその手段において用いら
れるモノクローナル抗体に関する。
いられるシアル酸検出手段及びその手段において用いら
れるモノクローナル抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】ノイラミン酸にN−アセチルまたはN−
グリコリル基のついた酸性アミノ糖は一般にシアル酸と
呼ばれ、多くの糖タンパク質、糖脂質の糖鎖の末端に位
置し、最近ではその重要性が認識されるようになってき
ている。
グリコリル基のついた酸性アミノ糖は一般にシアル酸と
呼ばれ、多くの糖タンパク質、糖脂質の糖鎖の末端に位
置し、最近ではその重要性が認識されるようになってき
ている。
【0003】シアル酸は、各種炎症性疾患、ストレス、
悪性疾患などで、血中並びに尿中に増加してくる。これ
は、癌の場合も例外でなく、癌の多くにおいてシアル酸
が血中等に増加してくる。このため、シアル酸は、非特
異的腫瘍マーカとして適切であることが知られている。
悪性疾患などで、血中並びに尿中に増加してくる。これ
は、癌の場合も例外でなく、癌の多くにおいてシアル酸
が血中等に増加してくる。このため、シアル酸は、非特
異的腫瘍マーカとして適切であることが知られている。
【0004】糖タンパク質に存在するシアル酸の検出に
は、酵素法が従来から用いられている。酵素法では、シ
アル酸をNANA−アルドラーゼで分解し、分解生成物
であるピルビン酸を検出することにより前記シアル酸を
検出する。ところが、酵素法でシアル酸の検出を行った
場合には、シアル酸を分解する工程や分解生成物を精製
する工程等が必要となり、工程数が多く、手間がかかる
という問題や、比色法で検出を行うために感度が悪く、
見落しが生じる場合があるという問題がある。また、分
離精製物のピルビン酸はヒト血清中に通常存在する成分
であるため、信頼性に欠けるという問題もある。
は、酵素法が従来から用いられている。酵素法では、シ
アル酸をNANA−アルドラーゼで分解し、分解生成物
であるピルビン酸を検出することにより前記シアル酸を
検出する。ところが、酵素法でシアル酸の検出を行った
場合には、シアル酸を分解する工程や分解生成物を精製
する工程等が必要となり、工程数が多く、手間がかかる
という問題や、比色法で検出を行うために感度が悪く、
見落しが生じる場合があるという問題がある。また、分
離精製物のピルビン酸はヒト血清中に通常存在する成分
であるため、信頼性に欠けるという問題もある。
【0005】これを解決するものとしては、モノクロー
ナル抗体を用いて検出を行う方法がある。例えば、末端
にシアル酸が存在する糖鎖を抗原決定基として認識する
モノクローナル抗体(特公平1−52400号公報)を
用いれば、シアル酸が糖鎖に結合したまま検出を行うこ
とができ、簡易かつ迅速に所定の腫瘍の存在を検出する
ことができる。
ナル抗体を用いて検出を行う方法がある。例えば、末端
にシアル酸が存在する糖鎖を抗原決定基として認識する
モノクローナル抗体(特公平1−52400号公報)を
用いれば、シアル酸が糖鎖に結合したまま検出を行うこ
とができ、簡易かつ迅速に所定の腫瘍の存在を検出する
ことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記モ
ノクローナル抗体を用いた場合には、糖鎖の末端に存在
するシアル酸の結合様式まで検出することができず、例
えば糖鎖末端にシアル酸が存在する糖タンパク質どうし
を、それぞれそれ以上個性化することはできなかった。
即ち、上記モノクローナル抗体では、シアル酸の結合様
式が異なるものであっても、それらを識別することがで
きなかった。
ノクローナル抗体を用いた場合には、糖鎖の末端に存在
するシアル酸の結合様式まで検出することができず、例
えば糖鎖末端にシアル酸が存在する糖タンパク質どうし
を、それぞれそれ以上個性化することはできなかった。
即ち、上記モノクローナル抗体では、シアル酸の結合様
式が異なるものであっても、それらを識別することがで
きなかった。
【0007】本発明は以上のような問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、シアル酸の結合様式までを
も検出するモノクローナル抗体を提供することにある。
たものであり、その目的は、シアル酸の結合様式までを
も検出するモノクローナル抗体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るモノクロー
ナル抗体は、所定のガングリオシドで免疫した哺乳動物
の免疫細胞と哺乳動物の骨髄腫細胞との融合細胞(ハイ
ブリドーマ)から産生される。このモノクローナル抗体
は、末端にシアル酸を有する糖質、糖タンパク質若しく
は糖脂質と特異的に結合し、当該末端のシアル酸の結合
様式を抗原決定基として認識する。
ナル抗体は、所定のガングリオシドで免疫した哺乳動物
の免疫細胞と哺乳動物の骨髄腫細胞との融合細胞(ハイ
ブリドーマ)から産生される。このモノクローナル抗体
は、末端にシアル酸を有する糖質、糖タンパク質若しく
は糖脂質と特異的に結合し、当該末端のシアル酸の結合
様式を抗原決定基として認識する。
【0009】ここで、ハイブリドーマの作成手法につい
て概説すると、その作成方法は、抗原の調製、免
疫、細胞融合、抗体産生ハイブリドーマの選択、
モノクローン化の5工程からなる。
て概説すると、その作成方法は、抗原の調製、免
疫、細胞融合、抗体産生ハイブリドーマの選択、
モノクローン化の5工程からなる。
【0010】本発明においては、免疫抗原としてNeu
Acα2−6GalNAcβ1−1´AGE及びヒツジ
顎下腺ムチンを使用する。そして、これらを抗原として
用い、ヒツジ顎下腺ムチンでスクリーニングをし、ヒツ
ジ顎下腺ムチンに陽性なウェルを得た場合には、末端の
シアル酸のNeuAcα2−6GalNAcなる結合様
式を認識するSGN−3モノクローン抗体(生命研受託
番号FERM P−13867)が得られる。
Acα2−6GalNAcβ1−1´AGE及びヒツジ
顎下腺ムチンを使用する。そして、これらを抗原として
用い、ヒツジ顎下腺ムチンでスクリーニングをし、ヒツ
ジ顎下腺ムチンに陽性なウェルを得た場合には、末端の
シアル酸のNeuAcα2−6GalNAcなる結合様
式を認識するSGN−3モノクローン抗体(生命研受託
番号FERM P−13867)が得られる。
【0011】免疫動物としては、一般的にマウスやラッ
トが多く用いられる。マウスの中でも免疫グロブリンを
産生しない腫瘍細胞株の確立されているBalb/cが
好適である。
トが多く用いられる。マウスの中でも免疫グロブリンを
産生しない腫瘍細胞株の確立されているBalb/cが
好適である。
【0012】抗原溶液は、生理食塩液或いは緩衝溶液な
どに溶解し若しくは該溶液のエマルジョンとして、マウ
スまたはラット1匹あたり1回に10〜20μg程度投
与するのが好ましい。免疫は数回に分けて行うが、初回
免疫はアジュバントと共に行うのが一般的である。抗原
溶液は、腹腔内或いは静脈内に投与するのが普通であ
る。そして、最終免疫後2〜4日後に、リンパ節あるい
は脾臓を摘出し、得られるリンパ球を細胞融合に供す
る。
どに溶解し若しくは該溶液のエマルジョンとして、マウ
スまたはラット1匹あたり1回に10〜20μg程度投
与するのが好ましい。免疫は数回に分けて行うが、初回
免疫はアジュバントと共に行うのが一般的である。抗原
溶液は、腹腔内或いは静脈内に投与するのが普通であ
る。そして、最終免疫後2〜4日後に、リンパ節あるい
は脾臓を摘出し、得られるリンパ球を細胞融合に供す
る。
【0013】細胞融合時には、リンパ球をミエローマ細
胞の5〜20倍量多く用いる。ミエローマ細胞には、P
3−X63−Ag8などが使用される。細胞融合には、
HVJ(センダイウイルス)やポリエチレングリコール
を用いて行うことができる。また、電気パルスを用いる
電気融合法を採用することも可能である。
胞の5〜20倍量多く用いる。ミエローマ細胞には、P
3−X63−Ag8などが使用される。細胞融合には、
HVJ(センダイウイルス)やポリエチレングリコール
を用いて行うことができる。また、電気パルスを用いる
電気融合法を採用することも可能である。
【0014】抗体産生ハイブリドーマの選択は、細胞融
合後数週間後に凝集阻止反応などにより培養液中の抗体
のスクリーニングを行い、これを選択する。スクリーニ
ング後に行われるクローニングは、一般によく用いられ
る限界希釈法などによりすることができる。クローニン
グは、この他にも、FACS(Fluorescent
Activated Cell Sorter)を用
いたりすることもできるが、いずれの方法を用いた場合
でもクローニングは2回以上繰り返し、完全に単一クロ
ーンとする。
合後数週間後に凝集阻止反応などにより培養液中の抗体
のスクリーニングを行い、これを選択する。スクリーニ
ング後に行われるクローニングは、一般によく用いられ
る限界希釈法などによりすることができる。クローニン
グは、この他にも、FACS(Fluorescent
Activated Cell Sorter)を用
いたりすることもできるが、いずれの方法を用いた場合
でもクローニングは2回以上繰り返し、完全に単一クロ
ーンとする。
【0015】このような工程を経て得られたハイブリド
ーマを用いて本発明に係るモノクローン抗体を作成する
方法としては、in vitro法、in vivo法
のいずれでもよいが、in vivo法の方が抗体価が
高いので望ましい。
ーマを用いて本発明に係るモノクローン抗体を作成する
方法としては、in vitro法、in vivo法
のいずれでもよいが、in vivo法の方が抗体価が
高いので望ましい。
【0016】
【作用】本発明に係るモノクローナル抗体は、末端にシ
アル酸が存在する糖、糖タンパク質若しくは糖脂質と特
異的に結合し、当該末端のシアル酸の結合様式を抗原決
定基として認識する。即ち、本発明に係るモノクローナ
ル抗体は、末端にシアル酸を有する化合物の結合様式を
特異的に認識して抗原抗体結合をする。従って、ELI
SA法等を併用することにより、容易に当該化合物の検
出をすることができる。
アル酸が存在する糖、糖タンパク質若しくは糖脂質と特
異的に結合し、当該末端のシアル酸の結合様式を抗原決
定基として認識する。即ち、本発明に係るモノクローナ
ル抗体は、末端にシアル酸を有する化合物の結合様式を
特異的に認識して抗原抗体結合をする。従って、ELI
SA法等を併用することにより、容易に当該化合物の検
出をすることができる。
【0017】人体のある箇所で炎症が生じると、末端に
シアル酸が存在する糖質、糖タンパク質若しくは糖脂質
等がヒト血清中で増加する。しかしながら、既に説明し
たようにシアル酸は非特異的腫瘍マーカであるため、そ
の存在のみを検出するだけでは癌のタイプや病巣の種類
を性格づけることはできない。
シアル酸が存在する糖質、糖タンパク質若しくは糖脂質
等がヒト血清中で増加する。しかしながら、既に説明し
たようにシアル酸は非特異的腫瘍マーカであるため、そ
の存在のみを検出するだけでは癌のタイプや病巣の種類
を性格づけることはできない。
【0018】ところが、本発明に係るモノクローナル抗
体は、シアル酸の結合様式まで検出するため、このシア
ル酸の結合様式により、癌のタイプや病巣の種類をある
程度性格づけることが可能となる。
体は、シアル酸の結合様式まで検出するため、このシア
ル酸の結合様式により、癌のタイプや病巣の種類をある
程度性格づけることが可能となる。
【0019】また、本発明のモノクローナル抗体を2種
以上組み合わせて腫瘍検出剤を構成し、この腫瘍検出剤
と検査対象との反応パターンを検出することにより、癌
のタイプや病巣の種類の検出を行うことが可能となる。
従って、このような複数の抗体を含む腫瘍検出剤によ
り、人体中に発生した腫瘍の種類、場所及び進行の程度
等を検出することが可能となる。
以上組み合わせて腫瘍検出剤を構成し、この腫瘍検出剤
と検査対象との反応パターンを検出することにより、癌
のタイプや病巣の種類の検出を行うことが可能となる。
従って、このような複数の抗体を含む腫瘍検出剤によ
り、人体中に発生した腫瘍の種類、場所及び進行の程度
等を検出することが可能となる。
【0020】
1.抗原の調製等 (1)NeuAcα2−6GalNAcβ1−1´AG
E NeuAcα2−6GalNAcβ1−1´AGEは、
以下の手法に従い人為的に合成した(図1)。
E NeuAcα2−6GalNAcβ1−1´AGEは、
以下の手法に従い人為的に合成した(図1)。
【0021】・化合物3の合成 化合物1(32.9mg,36μmol)[Carnohydr.
Res. ,172 ,183-193(1988)]、化合物2(36.5m
g,75μmol)[Agric.Biol.Chem. ,46,255-262(1
982)]及びテレキュラーシーブス4A(237mg)の
CHCl3 (2ml)混合物に、0℃でBF3 ・OEt
2 (9μl,73μmol)を加え、24時間撹拌し
た。この反応混合物をCHCl3 で希釈し、セライト濾
過をした後、濾液を飽和NaHCO3 aq及び飽和NaC
laqで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
Res. ,172 ,183-193(1988)]、化合物2(36.5m
g,75μmol)[Agric.Biol.Chem. ,46,255-262(1
982)]及びテレキュラーシーブス4A(237mg)の
CHCl3 (2ml)混合物に、0℃でBF3 ・OEt
2 (9μl,73μmol)を加え、24時間撹拌し
た。この反応混合物をCHCl3 で希釈し、セライト濾
過をした後、濾液を飽和NaHCO3 aq及び飽和NaC
laqで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0022】溶媒を減圧乾固し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(WakoGel C−300,
6.8G,3% MeOH−CHCl3 )で精製し、化
合物3(15.5mg;35%)を得た。
ムクロマトグラフィー(WakoGel C−300,
6.8G,3% MeOH−CHCl3 )で精製し、化
合物3(15.5mg;35%)を得た。
【0023】TLC:Rf0.44(7:3,CHCl
3 −THF)1 H−n.m.r(CDCl3 ):δH3.787
(S,3H,OCH3 ),2.518(dd,1H,J
=4.7,12.3Hz,H−3beq),2.18
3,2.138,2.112,2.031,2.02
2,2.010及び1.904(7S,21H,60A
c及びNAc),1.904(t,1H,J=12.6
Hz,H−3bax),0.879(t,6H,J=
6.9Hz,2CH2 CH3 ). ・NeuAcα2−6GalNAcβ1−1´AGE
(化合物4)の合成 化合物3(15.5mg,13μmol)をエタノール
(0.5ml)に溶解し、これに無水酢酸(0.1m
l)及び10%Pd−C(9.1mg)を加え、水素雰
囲気下、室温で12時間撹拌した。反応液をセライト濾
過し、濾液を減圧乾固した。残渣をTHF(40μl)
及びMeOH(40μl)に溶解し、これに3N−Na
OHaq(20μl)を加え、室温で9時間撹拌した。反
応液を直接ゲル濾過(Sephadex LH−20,
17ml,9:9:2 CHCl3−MeOH−H
2 O)精製し、化合物4(5.6mg;44%)を得
た。
3 −THF)1 H−n.m.r(CDCl3 ):δH3.787
(S,3H,OCH3 ),2.518(dd,1H,J
=4.7,12.3Hz,H−3beq),2.18
3,2.138,2.112,2.031,2.02
2,2.010及び1.904(7S,21H,60A
c及びNAc),1.904(t,1H,J=12.6
Hz,H−3bax),0.879(t,6H,J=
6.9Hz,2CH2 CH3 ). ・NeuAcα2−6GalNAcβ1−1´AGE
(化合物4)の合成 化合物3(15.5mg,13μmol)をエタノール
(0.5ml)に溶解し、これに無水酢酸(0.1m
l)及び10%Pd−C(9.1mg)を加え、水素雰
囲気下、室温で12時間撹拌した。反応液をセライト濾
過し、濾液を減圧乾固した。残渣をTHF(40μl)
及びMeOH(40μl)に溶解し、これに3N−Na
OHaq(20μl)を加え、室温で9時間撹拌した。反
応液を直接ゲル濾過(Sephadex LH−20,
17ml,9:9:2 CHCl3−MeOH−H
2 O)精製し、化合物4(5.6mg;44%)を得
た。
【0024】TLC:RF0.55(9:9:2,CH
Cl3 −MeOH−H2 O)1 H−n.m.r.(1;1,CDCl3 −CD3 O
D):δH2.800(dd,1H,J=3.6,1
1.6Hz,H−3beq),2.039及び2.00
3(2S,6H,2NAc),1.645(t,1H,
J=11.6Hz,H−3bax),0.893(t,
6H,J=7.1Hz,2CH2 CH3 ). (2)ヒツジ顎下腺ムチン 本実施例においてヒツジ顎下腺ムチンは、Biocarb 社の
製品を用いた。
Cl3 −MeOH−H2 O)1 H−n.m.r.(1;1,CDCl3 −CD3 O
D):δH2.800(dd,1H,J=3.6,1
1.6Hz,H−3beq),2.039及び2.00
3(2S,6H,2NAc),1.645(t,1H,
J=11.6Hz,H−3bax),0.893(t,
6H,J=7.1Hz,2CH2 CH3 ). (2)ヒツジ顎下腺ムチン 本実施例においてヒツジ顎下腺ムチンは、Biocarb 社の
製品を用いた。
【0025】(3)抗原溶液1の調製 抗原溶液は、前記(1)のようにして合成された合成糖
脂質(NeuAcα2−6GalNAcβ1−1´AG
E)200μg及びRibiアジェバントシステム(Rib
i ImmunoChem Research)1バイアルに対して生理食塩液
2mlを添加混合し、エマルジョンとして調製した。
脂質(NeuAcα2−6GalNAcβ1−1´AG
E)200μg及びRibiアジェバントシステム(Rib
i ImmunoChem Research)1バイアルに対して生理食塩液
2mlを添加混合し、エマルジョンとして調製した。
【0026】(4)抗原溶液2の調製 前記ヒツジ顎下腺ムチン100μgとアジュバントとし
てサルモネ・ミネソタ(Salmonella Minnesota)400μ
gとを生理食塩水0.5mlにて混合して調製した。
てサルモネ・ミネソタ(Salmonella Minnesota)400μ
gとを生理食塩水0.5mlにて混合して調製した。
【0027】(5)実験動物 実験動物としては、Balb/cマウス(メス、5週
齢;日本チャールズリバー)を用いた。
齢;日本チャールズリバー)を用いた。
【0028】(6)培地 [IMDM培地]IMDM培地は、ライフテックオリエ
ンタル社製粉末より処方に従い調製した。そして、使用
時には、ハイクローン社(Hyclone 社)製ウシ胎児血清
を20%となるように混合して用いた。
ンタル社製粉末より処方に従い調製した。そして、使用
時には、ハイクローン社(Hyclone 社)製ウシ胎児血清
を20%となるように混合して用いた。
【0029】[HAT培地]チミジン0.0775gと
ヒポキサンチン0.2722gとを蒸溜水100mlに
加熱溶解して100倍濃度の保存溶液とし、−20℃で
保存した。同様に、少量の1N水酸化ナトリウム水溶液
を加えることにより、0.176gのアミノプテリンを
蒸溜水100mlに溶解して1000倍濃度の保存溶液
とし、−20℃で遮光して保存した。
ヒポキサンチン0.2722gとを蒸溜水100mlに
加熱溶解して100倍濃度の保存溶液とし、−20℃で
保存した。同様に、少量の1N水酸化ナトリウム水溶液
を加えることにより、0.176gのアミノプテリンを
蒸溜水100mlに溶解して1000倍濃度の保存溶液
とし、−20℃で遮光して保存した。
【0030】使用時には、IMDM培地にこれを1/1
00量及び1/1000量加え、HAT培地とした。
00量及び1/1000量加え、HAT培地とした。
【0031】なお、HT培地としては、チミジン及びヒ
ポキサンチン保存液のみを1/100量加えて使用し
た。
ポキサンチン保存液のみを1/100量加えて使用し
た。
【0032】2.ハイブリドーマSGN−3の製造 (1)免疫 前記Balb/cマウスの腹腔内に、前記抗原溶液1を
合成糖脂質量で10μg,10μg,20μg及び20
μgをこの順で1週間間隔で注射、免疫し、その80日
後に前記抗原溶液2を糖タンパク質量で20μg注射、
免疫し、その4日後に脾臓をマウスから取り出した。
合成糖脂質量で10μg,10μg,20μg及び20
μgをこの順で1週間間隔で注射、免疫し、その80日
後に前記抗原溶液2を糖タンパク質量で20μg注射、
免疫し、その4日後に脾臓をマウスから取り出した。
【0033】(2)細胞融合 前記脾臓を細胞に分け、この脾細胞とマウスミエローマ
細胞P3−X63−Ag8とを、ケーラー及びミルシュ
タインの方法に従って細胞融合させた。すなわち、10
8 個の上記脾細胞を、IMDM培地中で50%のポリエ
チレングリコール4000の存在下、107 個のミエロ
ーマ細胞と融合させた。
細胞P3−X63−Ag8とを、ケーラー及びミルシュ
タインの方法に従って細胞融合させた。すなわち、10
8 個の上記脾細胞を、IMDM培地中で50%のポリエ
チレングリコール4000の存在下、107 個のミエロ
ーマ細胞と融合させた。
【0034】3.ハイブリドーマの選択及び成長 まず、細胞の融合後、得られた融合細胞をHAT培地中
で37℃において5%のCO2 を使用して培養した。次
に、細胞融合後15日目に糖タンパク質(ヒツジ顎下腺
ムチン)を用いたELISAを行い、ヒツジ顎下腺ムチ
ンに陽性のウェル1個を得た。
で37℃において5%のCO2 を使用して培養した。次
に、細胞融合後15日目に糖タンパク質(ヒツジ顎下腺
ムチン)を用いたELISAを行い、ヒツジ顎下腺ムチ
ンに陽性のウェル1個を得た。
【0035】そして、陽性ウェル中の細胞について限界
希釈法によるクローニングを2回行い、ハイブリドーマ
SGN−3を樹立した(生命研受託番号FERM P−
13867)。
希釈法によるクローニングを2回行い、ハイブリドーマ
SGN−3を樹立した(生命研受託番号FERM P−
13867)。
【0036】4.シアル酸検出剤としての評価 次に、ハイブリドーマSGN−3を含有する試薬がシア
ル酸検出剤として機能するかどうか評価した。この評価
は、シアル酸を有する化合物と有しない化合物とに対す
る結合能(反応性)を比較することにより行った。本実
施例においては、シアル酸を有する化合物としてヒツジ
顎下腺ムチンとウシ顎下腺ムチンを、シアル酸を有しな
い化合物としてアシアロヒツジ顎下腺ムチンとアシアロ
ウシ顎下腺ムチンを用いて実験を行った。
ル酸検出剤として機能するかどうか評価した。この評価
は、シアル酸を有する化合物と有しない化合物とに対す
る結合能(反応性)を比較することにより行った。本実
施例においては、シアル酸を有する化合物としてヒツジ
顎下腺ムチンとウシ顎下腺ムチンを、シアル酸を有しな
い化合物としてアシアロヒツジ顎下腺ムチンとアシアロ
ウシ顎下腺ムチンを用いて実験を行った。
【0037】[ヒツジ顎下腺ムチンとアシアロヒツジ顎
下腺ムチン] 操作(ELISAによる検出) ファルコン社製96穴マイクロプレートに、リン酸緩衝
生理食塩水(PBS(-))にて1μg/mlとなるように溶
解したヒツジ顎下腺ムチン50μl/wellを添加
後、37℃で2時間放置し、抗原をプレートに吸着させ
た。次に、5%ウシ血清アルブミン(BSA、コージン
バイオ)200μlにより4℃で一夜ブロッキングし
た。次いで細胞の培養上清を50μl/wellずつ添
加し、37℃で1時間反応させた。1%BSAにて洗浄
後、2次抗体として、5%BSAにて1500倍に希釈
したパーオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG−IgA
−IgM抗体(ザイメット)を50μl/wellずつ
添加し、37℃で1時間反応させた。1%BSAにて洗
浄後、10mlあたりo−フェニレンジアミン4mg及
び過酸化水素水(和光純薬)3.3μlを含むpH=
5.0のクエン酸−リン酸緩衝液を100μl/wel
lずつ加えて室温で15分間反応させた。そして、8N
硫酸を30μl/wellずつ加えて反応を停止した
後、490nmにおける吸光度を、対照に655nmを
おいて測定した。
下腺ムチン] 操作(ELISAによる検出) ファルコン社製96穴マイクロプレートに、リン酸緩衝
生理食塩水(PBS(-))にて1μg/mlとなるように溶
解したヒツジ顎下腺ムチン50μl/wellを添加
後、37℃で2時間放置し、抗原をプレートに吸着させ
た。次に、5%ウシ血清アルブミン(BSA、コージン
バイオ)200μlにより4℃で一夜ブロッキングし
た。次いで細胞の培養上清を50μl/wellずつ添
加し、37℃で1時間反応させた。1%BSAにて洗浄
後、2次抗体として、5%BSAにて1500倍に希釈
したパーオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG−IgA
−IgM抗体(ザイメット)を50μl/wellずつ
添加し、37℃で1時間反応させた。1%BSAにて洗
浄後、10mlあたりo−フェニレンジアミン4mg及
び過酸化水素水(和光純薬)3.3μlを含むpH=
5.0のクエン酸−リン酸緩衝液を100μl/wel
lずつ加えて室温で15分間反応させた。そして、8N
硫酸を30μl/wellずつ加えて反応を停止した
後、490nmにおける吸光度を、対照に655nmを
おいて測定した。
【0038】一方、アシアロヒツジ顎下腺ムチンとの反
応性を検討する場合には、上記ブロッキング後、Arthro
bacter ureafaciens 由来シアリターゼ(ナカライテス
ク、10mU/ml,50μl/well)と37℃で
1時間反応させた後、洗浄し、その後37℃で1時間の
再ブロッキングを行った。培養上清添加以後の操作は上
記と同様に行った。
応性を検討する場合には、上記ブロッキング後、Arthro
bacter ureafaciens 由来シアリターゼ(ナカライテス
ク、10mU/ml,50μl/well)と37℃で
1時間反応させた後、洗浄し、その後37℃で1時間の
再ブロッキングを行った。培養上清添加以後の操作は上
記と同様に行った。
【0039】結果 図2は、ハイブリドリーマSGN−3が産生する抗体と
タンパク質との反応性を、糖タンパク質を用いたELI
SAにより検討した結果を示した図である。図中con
trolは、抗原をプレートに吸着させずに反応を行っ
たものを示している。
タンパク質との反応性を、糖タンパク質を用いたELI
SAにより検討した結果を示した図である。図中con
trolは、抗原をプレートに吸着させずに反応を行っ
たものを示している。
【0040】ハイブリドーマSGN−3が産生する抗体
(抗体のアイソタイプ:IgG3)は、上述の用いたE
LISAにより、図2に示したように、ヒツジ顎下腺ム
チンと反応し、アシアロヒツジ顎下腺ムチンとは反応し
ないことが明らかとなった。従って、本抗体の認識する
エピトープには、糖タンパク質上のシアル酸が含まれる
ことは明らかである。ヒツジ顎下腺ムチンの糖鎖上にあ
るシアル酸の殆どはNeuAcα2−6GalNAcの
形で存在するので、これと反応しているものと推定され
る。
(抗体のアイソタイプ:IgG3)は、上述の用いたE
LISAにより、図2に示したように、ヒツジ顎下腺ム
チンと反応し、アシアロヒツジ顎下腺ムチンとは反応し
ないことが明らかとなった。従って、本抗体の認識する
エピトープには、糖タンパク質上のシアル酸が含まれる
ことは明らかである。ヒツジ顎下腺ムチンの糖鎖上にあ
るシアル酸の殆どはNeuAcα2−6GalNAcの
形で存在するので、これと反応しているものと推定され
る。
【0041】[ウシ顎下腺ムチンとアシアロウシ顎下腺
ムチン] (1)アシアロBSMの調製 ウシ顎下腺ムチン(BSM、シグマ)5.0mgを0.
1N硫酸1mlに溶解し、80℃、1時間の部分加水分
解を行なった。反応終了後、当量の水酸化ナトリウム水
溶液を加えて反応液を中和したのち、リン酸緩衝生理食
塩水(PBS(-))に対しての4℃で一夜透析した。得られ
た透析内液を、アシアロBSMとして以下の実験に用い
た。
ムチン] (1)アシアロBSMの調製 ウシ顎下腺ムチン(BSM、シグマ)5.0mgを0.
1N硫酸1mlに溶解し、80℃、1時間の部分加水分
解を行なった。反応終了後、当量の水酸化ナトリウム水
溶液を加えて反応液を中和したのち、リン酸緩衝生理食
塩水(PBS(-))に対しての4℃で一夜透析した。得られ
た透析内液を、アシアロBSMとして以下の実験に用い
た。
【0042】(2)ヒト血清に添加されたBSMおよび
アシアロBSMのアミドブラック10Bによるタンパク
質染色 操作 PBS(-)にて、2800倍に希釈したヒト血清0.2ml
中に0、1、2、4、8、16および32μgのBSM
あるいはアシアロBSMを添加した試料を調製した。つ
いで、試料をミロブロット-Dシステム(ミリポア)を用
いて、ポリビニリデンジフルオロド膜(イモビロンP 、
ミリポア)にスポット状に吸着させた。次いで、膜をシ
ステムより外し、90%メタノール、10%酢酸からな
る0.1%アミドブラック10B溶液に5分間浸漬し、
スポットの染色を行なった。余剰の染色液を10%メタ
ノール、7%酢酸水溶液により洗浄除去し、膜を風乾し
た後、スポットの吸光度を、画像解析装置(TIAS-100 、
ACI ジャパン)を用いて測定した。
アシアロBSMのアミドブラック10Bによるタンパク
質染色 操作 PBS(-)にて、2800倍に希釈したヒト血清0.2ml
中に0、1、2、4、8、16および32μgのBSM
あるいはアシアロBSMを添加した試料を調製した。つ
いで、試料をミロブロット-Dシステム(ミリポア)を用
いて、ポリビニリデンジフルオロド膜(イモビロンP 、
ミリポア)にスポット状に吸着させた。次いで、膜をシ
ステムより外し、90%メタノール、10%酢酸からな
る0.1%アミドブラック10B溶液に5分間浸漬し、
スポットの染色を行なった。余剰の染色液を10%メタ
ノール、7%酢酸水溶液により洗浄除去し、膜を風乾し
た後、スポットの吸光度を、画像解析装置(TIAS-100 、
ACI ジャパン)を用いて測定した。
【0043】結果 本実施例では、図3に示すように、ヒト血清へのBSM
あるいはアシアロBSMの添加量を増すにつれて、アミ
ドブラック10Bによるタンパク質染色の吸光度は漸減
した。
あるいはアシアロBSMの添加量を増すにつれて、アミ
ドブラック10Bによるタンパク質染色の吸光度は漸減
した。
【0044】(3)ヒト血清に添加されたBSMおよび
アシアロBSMのSGN−3モノクローナル抗体による
免疫染色 操作 PBS(-)にて、2800倍に希釈したヒト血清0.2ml
中に0、1、2、4、8、16および32μgのBSM
あるいはアシアロBSMを添加した試料を調製した。次
いで、試料をミリブロット-Dシステム(ミリポア)を用
いて、ポリビニデンジフルオリド膜(イモビロンP 、ミ
リポア)にスポット状に吸着させた。次いで、膜をシス
テムより外し、PBS(-)に5%となるように溶解したBS
A溶液に4℃で一夜浸漬した。BSA溶液を捨てた後、
1次抗体としてハイブリドーマSGN−3の培養上清を
加え、室温で1時間振とうした。余剰の1次抗体をPBS
(-)で洗浄除去した後、2次抗体として、5%BSAに
て125 倍に希釈したパーオキシダーゼ標識ヤギ抗マウス
IgG 抗体(ヒト血清吸収済み、ザイメット)を加え、室
温1時間振とうした。余剰の2次抗体をPBS(-)で洗浄除
去した後、4-クロロ-1- ナフトール(メルク)0.07
3%及び過酸化水素(和光純薬、大阪)0.01%を含
むメタノールと、0.02Mトリス・0.14M塩化ナ
トリウム緩衝液(pH7.6)の1:5の混液と、を室
温で5分間反応させた。反応終了後、蒸留水で膜を洗浄
し、風乾した後、スポットの吸光度を、画像解析装置(T
IAS-100、ACI ジャパン)を用いて測定した。
アシアロBSMのSGN−3モノクローナル抗体による
免疫染色 操作 PBS(-)にて、2800倍に希釈したヒト血清0.2ml
中に0、1、2、4、8、16および32μgのBSM
あるいはアシアロBSMを添加した試料を調製した。次
いで、試料をミリブロット-Dシステム(ミリポア)を用
いて、ポリビニデンジフルオリド膜(イモビロンP 、ミ
リポア)にスポット状に吸着させた。次いで、膜をシス
テムより外し、PBS(-)に5%となるように溶解したBS
A溶液に4℃で一夜浸漬した。BSA溶液を捨てた後、
1次抗体としてハイブリドーマSGN−3の培養上清を
加え、室温で1時間振とうした。余剰の1次抗体をPBS
(-)で洗浄除去した後、2次抗体として、5%BSAに
て125 倍に希釈したパーオキシダーゼ標識ヤギ抗マウス
IgG 抗体(ヒト血清吸収済み、ザイメット)を加え、室
温1時間振とうした。余剰の2次抗体をPBS(-)で洗浄除
去した後、4-クロロ-1- ナフトール(メルク)0.07
3%及び過酸化水素(和光純薬、大阪)0.01%を含
むメタノールと、0.02Mトリス・0.14M塩化ナ
トリウム緩衝液(pH7.6)の1:5の混液と、を室
温で5分間反応させた。反応終了後、蒸留水で膜を洗浄
し、風乾した後、スポットの吸光度を、画像解析装置(T
IAS-100、ACI ジャパン)を用いて測定した。
【0045】結果 図4に示すように、ヒト血清へのBSMの添加量を増す
につれて、SGN−3モノクローナル抗体による免疫染
色の吸光度はBSM添加量2〜32μgの範囲で一様に
増加した。一方、ヒト血清へのアシアロBSMの添加量
を増しても、SGN−3モノクローナル抗体による免疫
染色の吸光度は殆ど増加しなかった。
につれて、SGN−3モノクローナル抗体による免疫染
色の吸光度はBSM添加量2〜32μgの範囲で一様に
増加した。一方、ヒト血清へのアシアロBSMの添加量
を増しても、SGN−3モノクローナル抗体による免疫
染色の吸光度は殆ど増加しなかった。
【0046】(4)結論 このように、本実施例においては、BSMあるいはアシ
アロBSMの添加量を増すにつれてタンパク質染色の吸
光度は漸減した(図3)。また、BSMの添加量を増す
につれてSGN−3モノクローナル抗体による免疫染色
の吸光度はBSM添加量2〜32μgの範囲で一様に増
加する一方で、アシアロBSMの添加量を増してもそれ
は殆ど増加しなかった(図4)。
アロBSMの添加量を増すにつれてタンパク質染色の吸
光度は漸減した(図3)。また、BSMの添加量を増す
につれてSGN−3モノクローナル抗体による免疫染色
の吸光度はBSM添加量2〜32μgの範囲で一様に増
加する一方で、アシアロBSMの添加量を増してもそれ
は殆ど増加しなかった(図4)。
【0047】そして、これらの結果を考え合わせると、
SGN−3モノクローナル抗体は、ヒト血清中で増大す
るシアル酸を含有する糖タンパク質の定量に有用である
ことが分かる。
SGN−3モノクローナル抗体は、ヒト血清中で増大す
るシアル酸を含有する糖タンパク質の定量に有用である
ことが分かる。
【0048】
【発明の効果】以上のようにして、本発明に係るモノク
ローナル抗体はシアル酸の結合様式を特異的に認識する
ことができ、これを含む炎症検出剤は、炎症をある程度
特異的に検出することが可能である。
ローナル抗体はシアル酸の結合様式を特異的に認識する
ことができ、これを含む炎症検出剤は、炎症をある程度
特異的に検出することが可能である。
【図1】NeuAcα2−6GalNAcβ1−1´A
GEの合成経路を示す図である。
GEの合成経路を示す図である。
【図2】ハイブリドリーマSGN−3が産生する抗体と
タンパク質との反応性を、糖タンパク質を用いたELI
SAにより検討した結果を示した図である。
タンパク質との反応性を、糖タンパク質を用いたELI
SAにより検討した結果を示した図である。
【図3】ヒト血清にBSMあるいはアシアロBSMを添
加した試料が膜に吸着した量をアミドブラック10Bに
よるタンパク質染色で検出した結果を示した図である。
加した試料が膜に吸着した量をアミドブラック10Bに
よるタンパク質染色で検出した結果を示した図である。
【図4】ヒト血清にBSMあるいはアシアロBSMを添
加した試料が膜に吸着した量をSGN−3モノクローナ
ル抗体による免疫染色で検出した結果を示した図であ
る。
加した試料が膜に吸着した量をSGN−3モノクローナ
ル抗体による免疫染色で検出した結果を示した図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 S 33/574 B 33/577 B // C12N 15/02 (C12P 21/08 C12R 1:91)
Claims (3)
- 【請求項1】 NeuAcα2−6GalNAcβ1−
1´1,2−di−O−tetradecyl−Sn−
glycerol及びヒツジ顎下腺ムチンで免疫した哺
乳動物の免疫細胞と哺乳動物の骨髄腫細胞との融合細胞
によって産生され、末端にシアル酸が存在する糖質、糖
タンパク質若しくは糖脂質と特異的に結合し、抗原決定
基は当該末端のシアル酸のNeuAcα2−6GalN
AcであるクラスIgGに属するモノクローナル抗体。 - 【請求項2】 少なくとも請求項1記載のモノクローナ
ル抗体を含み、検査対象との反応パターンにより所定の
炎症の検出を行う炎症検出剤。 - 【請求項3】 NeuAcα2−6GalNAcβ1−
1´AGEでマウスを免疫した後、ヒツジ顎下線ムチン
でマウスを免疫する工程と、 得られたマウス脾臓細胞とミエローマを融合させる工程
と、 ヒツジ顎下腺ムチンでスクリーニングをし、ヒツジ顎下
腺ムチンに陽性なウェルを得る工程と、 を含む請求項1記載のモノクローナル抗体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24952893A JPH07101997A (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | モノクローナル抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24952893A JPH07101997A (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | モノクローナル抗体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07101997A true JPH07101997A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17194327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24952893A Pending JPH07101997A (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | モノクローナル抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07101997A (ja) |
-
1993
- 1993-10-05 JP JP24952893A patent/JPH07101997A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2105447A1 (en) | Avian-derived antibody capable of binding specifically to human hmgb1, immunological determination method for human hmgb1, and immunological determination reagent for human hmgb1 | |
JP4646985B2 (ja) | マイコプラズマ・ニューモニエのグリセロ型糖脂質抗原 | |
EP0741144A1 (en) | Antiannexin-v monoclonal antibody, process for producing the same, and use therof | |
US5374533A (en) | Method for determining chondrocalcin | |
CA2015888A1 (en) | Monoclonal antibodies specific for an immunoglobulin isotype | |
EP0316818B1 (en) | Monoclonal antibodies capable of recognizing n-acetylneuraminic acid in beta-arrangement | |
KR960014441B1 (ko) | 알파 2-3 결합을 인지하는 단일클론성 항체 | |
EP0245520A1 (en) | Monoclonal antibody against glutathione s-transferase and its use in the diagnosis of cancer | |
JPH07101997A (ja) | モノクローナル抗体 | |
JPS6283898A (ja) | 抗ヒト肺腺癌特異的単クロ−ン性抗体 | |
JPH11151085A (ja) | 抗ヒトメダラシンモノクローナル抗体、その製造方法及びそれを用いる免疫学的測定方法 | |
WO1988004670A1 (en) | Bilirubin antigen, monoclonal antibody therefor, process for their preparation, and their use | |
US5869527A (en) | 6-(N-carboxymethylamino)caproate, salts thereof and methods of use therefor | |
EP0369425A1 (en) | Monoclonal antibody specifically recognizing N-glycolyl type GM2, hybridoma producing the antibody and method for preparing the hybridoma | |
US5173420A (en) | Monoclonal antibody recognizing un-natural ganglioside gd3 | |
JPH06205692A (ja) | 新規な抗ヒトトロンボモジュリンモノクロ−ナル抗体およびその抗体を用いたヒトトロンボモジュリンの高感度測定方法 | |
JPH07101996A (ja) | シアル酸を検出するモノクローナル抗体 | |
JP4254242B2 (ja) | 育毛活性評価方法及び育毛活性評価キット | |
JP4037933B2 (ja) | 抗ヒトカルシトニンモノクローナル抗体 | |
EP0520604A2 (en) | Monoclonal antibody against pentacyclic oleanan-type triterpene and use thereof | |
EP0425665B1 (en) | Method for assaying chondrocalcine | |
JP2743015B2 (ja) | O―アセチル化されたガングリオシドgm▲下3▼に特異的なモノクローナル抗体、該抗体を産生するハイブリドーマ及びその作製方法 | |
WO1986004092A1 (en) | Process for preparing human cancer-specific monoclonal antibody | |
KR0140365B1 (ko) | 콜레스테롤 에스터라제를 특이적으로 인지하는 단세포군 항체와 이를 분비하는 융합세포주 | |
JPH06335396A (ja) | 抗粘液糖タンパク質モノクローナル抗体 |