JPH07101991A - ヒト単球走化活性化因子の製造方法 - Google Patents

ヒト単球走化活性化因子の製造方法

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JPH07101991A
JPH07101991A JP5245494A JP24549493A JPH07101991A JP H07101991 A JPH07101991 A JP H07101991A JP 5245494 A JP5245494 A JP 5245494A JP 24549493 A JP24549493 A JP 24549493A JP H07101991 A JPH07101991 A JP H07101991A
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JP
Japan
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mcaf
monocyte chemotactic
chromatography
human monocyte
carrier
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JP5245494A
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Nobutake Sakurai
信豪 桜井
Makoto Kihara
誠 木原
Jun Uchiumi
潤 内海
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 粗ヒト単球走化活性化因子溶液を、シリカ系
吸着担体を用いたクロマトグラフィー、陽イオン交換体
を用いたクロマトグラフィーおよび疎水性担体を用いた
クロマトグラフィーにより精製する。 【効果】 医薬として利用できるヒト単球走化活性化因
子を、高純度で製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粗ヒト単球走化活性化因
子原液から純度の高いヒト単球走化活性化因子(monocy
te chemotactic and activating factor,以後MCAF
と呼ぶ)を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】MCAFは、従来から知られる単球に対
して走化性および活性化作用を有する因子である。この
因子は1989年YosimuraらによりそのcDN
Aがクローニングされ、構造が明らかにされた単球特異
的な遊走因子である(Oppenheimら Annu.Re
v.Immunol.,9,617(1991) など)。MCP−1(Monocyt
e chemo- atractant protein-1)やGDCF(Glioma-de
rived monocyte chemotactic factor)とも称されるこ
の物質はアミノ酸76残基からなる蛋白質であり、4残
基のシステイン基を持つ。
【0003】このMCAFの精製についてはC.O.
C.ZachariaeらはrTNF−αで刺激した腫
瘍細胞上清から透析/ヘパリンカラム/ゲル濾過/カル
ボキシメチル−シリカゲルカラム(HPLC)/逆相H
PLCの方法で均一な標品を得ている(J.Exp.Med.,17
1.2177(1990) )。
【0004】また、GDCFとしてYosimuraら
はヒトグリオーマ細胞株U−105MGを培養した上清
から透析/オレンジA−セファロースカラム/カルボキ
シメチルHPLC/逆相HPLCの方法で精製している
(J.Exp.Med.,169.1449(1989) )。
【0005】さらにB.Decockらは腫瘍細胞をポ
リI:ポリCで刺激した上清をcontrolled pore glass
beads あるいはシリカ酸/ヘパリンカラム/S陽イオン
交換体/C8 逆相高速液体クロマトグラフィーの方法で
精製している(Biochem Biophys Res.Commun.,167,904
(1990) )。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような実験室レ
ベルの方法では構造解析用のMCAF標品を得ることが
できるが、動物への投与を目的とした薬理試験用の高品
位なMCAF標品を得ることは困難である。本発明の目
的は、工業的規模の生産が可能な精製方法を見出すこと
と、得られたMCAF標品が無菌で低発熱性の動物への
投与可能な高品質な標品を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題を解決する
ために、本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明
は、粗ヒトMCAF溶液をシリカ系吸着担体を用いたク
ロマトグラフィー、陽イオン交換体を用いたクロマトグ
ラフィーおよび疎水性担体を用いたクロマトグラフィー
により精製することを特徴とするヒトMCAFの製造方
法である。さらに本発明は、得られたMCAF溶液に揮
発性無機塩を添加し、凍結乾燥および脱塩を行うことに
よりMCAF標品を製造する方法も提供する。
【0008】粗ヒトMCAF溶液としては、ヒト細胞を
刺激する方法、あるいは遺伝子工学的生産法、さらには
化学合成法など、いかなる方法で産生されたMCAFで
も適用可能であるが、ヒト細胞を合成核酸などの誘導刺
激剤を用いて産生せしめたものが望ましい。特に好まし
くは、ヒト細胞の中でも線維芽細胞を用いたものがよ
い。
【0009】本発明で用いるシリカ系吸着担体として
は、二酸化ケイ素(シリカ)、ケイ酸塩ガラスなどが用
いられるが、好ましくは、担体自身を微小球状に製した
マイクロビーズ状のシリカ系ゲルを用いるのが良い。さ
らに粒子径としては100〜200メッシュのものが好
ましく用いられる。例えば、”マイクロビーズシリカゲ
ル”やCPG(Controlled pore glass)等が用いられ
る。通常これらの担体にはポアが存在するが、ポアサイ
ズとしては100〜500オングストロームのものが好
ましい。回収液としては、エチレングリコール等の有機
溶媒や、酸性水溶液が用いられる。好ましくは、塩酸な
どの鉱酸を希釈した酸性水溶液が用いられる。
【0010】本発明では、MCAFの純度を向上させる
ために、さらに陽イオン交換体を用いたクロマトグラフ
ィーを組み合わせることが有利である。陽イオン交換体
としてはカルボキシル基やスルホン酸基、リン酸基を持
つ担体をさすが、特にスルホプロピル基、ヘパリンを有
する担体が望ましい。また、担体の骨格としては、セル
ロース、アガロース、デキストランなどを材料とする多
糖類およびポリビニルアルコール系などの合成高分子系
などいずれでも良い。陽イオン交換体を使用する順序
は、シリカ系吸着担体の後段に使用することが好まし
い。回収液としては、中性条件で無機塩を添加する方法
が良い。特に好ましいのは、リン酸ナトリウム緩衝液に
塩化ナトリウムを添加したものである。
【0011】そしてさらに純度を向上させるために疎水
性担体を利用したクロマトグラフィーを用いることが望
ましい。ここに用いる疎水性担体は、アルキル基(C1
〜C18)、フェニル基、オクチル基などが担体骨格に化
学的に結合されたものならいずれでもよいが、アルキル
基を有するものが好ましい。骨格担体としては、セルロ
ース、アガロースなどを材料とする多糖類系および合成
高分子系などの不溶性担体を用いることができる。ま
た、特に逆相の高速液体クロマトグラフィーを用いる場
合、極めて高い純度のMCAFが得られる。回収液とし
てはこの場合、トリフロロ酢酸を含むアセトニトリル−
水系を用いることが好ましい。
【0012】さらに本発明では上記の結果得られた高純
度MCAF溶液の後処理として、疎水性クロマトグラフ
ィー時に使用可能な有機溶媒の除去や固形化の方法を含
む。すなわち、得られた高純度MCAF溶液に揮発性無
機塩を添加し、その後、凍結乾燥および脱塩するもので
ある。揮発性無機塩としては炭酸アンモニウム、酢酸ア
ンモニウム、アンモニウム水などが用いられる。また、
揮発性無機塩を添加後のMCAF溶液のpHは中性付近
(pH6〜8)に調整することが好ましい。その後、凍
結乾燥機により乾燥することで固形化ができる。脱塩す
る場合の凍結乾燥は、完全に乾燥する前に、すなわち、
有機溶媒が除去された段階で停止し、次いで、解凍した
溶液をゲル濾過クロマトグラフィーなどにより脱塩し、
液組成置換を行なうのが好ましい。このようにして、蛋
白質としての活性を保持したまま、揮発性有機溶媒の除
去が可能であり、高純度で安全性の高い標品の提供がで
きる。
【0013】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0014】実施例1 線維芽細胞をポリI:ポリCで刺激し、得られた上清を
粗MCAF原液とした。この上清20リットルに対し、
シリカ系無機吸着剤としてマイクロビーズシリカゲル
(富士デビソン製、ポアサイズ:100オングストロー
ム)を100ミリリットル用いた。この担体はあらかじ
め、リン酸ナトリウム緩衝液中で高圧蒸気滅菌(121
℃、30分)した後、内径26ミリメートルのガラスカ
ラムに充填した。これに細胞片を除去する目的でフィル
ターで濾過しながら、粗MCAF原液を流速250ミリ
リットル/時で流し、吸着させた。全量流した後、1M
NaClを含むリン酸ナトリウム緩衝液400ミリリ
ットルおよび0.135MNaClを含む10mMリン
酸ナトリウム緩衝液500ミリリットルで順次洗浄を行
ってから、20mMの塩酸(pH2)を通じることでM
CAFを含む画分を回収した。この画分を0.3Mリン
酸水素三ナトリウム水溶液を添加してpH7.0に調節
した。この時の液量は270ミリリットルであった。
【0015】次にこの時の生成する沈殿物を濾過しなが
らスルホン酸基を有する”S−セファロースFF”(フ
ァルマシア製)2ミリリットルのカラムに流速30ミリ
リットル/時の速さで流した。次に10mMリン酸ナト
リウム緩衝液(pH7.0)10ミリリットルで洗浄
後、2MNaClを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝
液(pH7.2)23ミリリットルを通液し、MCAF
画分を得た。
【0016】さらにこのMCAF画分の一部をC18逆相
高速液体クロマトグラフィーにかけた。条件としては
0.1%トリフロロ酢酸を含むアセトニトリルの直線グ
ラジエント方式を用いた。これにより出現するMCAF
ピークを分取することで99.1%の純度のMCAFを
得た。
【0017】実施例2 実施例1で得た高純度MCAF溶液1ミリリットルに対
し、0.1M炭酸アンモニウムを0.1ミリリットルの
割合で添加し、混合した(pH7.1)。これを凍結乾
燥機に入れ、アセトニトリル臭がなくなるまで凍結乾燥
させた(約30分)。その後、凍結乾燥機から取り出
し、室温で融解させた。
【0018】こうして脱有機溶媒したMCAF溶液2.
1ミリリットルをリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
0、等張液)を展開溶液とするG25カラム(ファルマ
シア製、ゲル体積25ミリリットル)にかけ、蛋白質溶
出画分4.3ミリリットルを得た。G25カラムは使用
前処理として、あらかじめ0.1M NaOH溶液を流
して滅菌したのち、1%ヒト血清アルブミン水溶液(リ
ン酸ナトリウム緩衝液pH7.0)を流して担体表面を
蛋白質でコーティングし、さらにリン酸ナトリウム緩衝
液を流して、未吸着のヒト血清アルブミンを洗浄してお
いた。
【0019】こうして得られたMCAF溶液(等張)を
さらに無菌濾過(0.2マイクロメートル,ゲルマン
製)した。この標品のエンドトキシン含量は”エンドス
ペーシー”(生化学工業製)による測定で0.05エン
ドトキシンユニット/ミリリットルであった。また、C
18逆相高速液体クロマトグラフィーによる分析では9
8.9%であった。このようにして高純度で安全性が高
いMCAF標品を得た。
【0020】精製したMCAFを、特願平4−3329
43に記載した分析法によって分析したところ、210
マイクログラム/ミリリットルであった。この分析法に
おいて、Pepro Tech社から入手したヒトMC
AFを標準品として分析したところ、MCAF濃度は1
97マイクログラム/ミリリットルであった。
【0021】
【発明の効果】本発明によればヒト細胞や動物細胞、大
腸菌由来のMCAFを高純度で製造することができる。
本発明に係るMCAFは単球遊走作用や、単球自身の活
性化作用があるため、免疫活性化作用や抗腫瘍作用への
用途や創傷治癒剤などの医薬として利用しうる有用な物
質である。また、診断薬として血中などのMCAF濃度
を測定するための標準品としても利用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 1/18 8318−4H 1/20 8318−4H 1/36 8318−4H // A61K 38/00 ABD ADS ADU A61K 37/02 ADU

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗ヒト単球走化活性化因子溶液を、シリ
    カ系吸着担体を用いたクロマトグラフィー、陽イオン交
    換体を用いたクロマトグラフィーおよび疎水性担体を用
    いたクロマトグラフィーにより精製することを特徴とす
    るヒト単球走化活性化因子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1で得られたヒト単球走化活性化
    因子溶液に、さらに揮発性無機塩を添加し、凍結乾燥お
    よび脱塩を行うことを特徴とするヒト単球走化活性化因
    子の製造方法。
JP5245494A 1993-09-30 1993-09-30 ヒト単球走化活性化因子の製造方法 Pending JPH07101991A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6559290B1 (en) 1996-03-18 2003-05-06 Kaneka Corporation Method for removing a chemokine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6559290B1 (en) 1996-03-18 2003-05-06 Kaneka Corporation Method for removing a chemokine

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