JPH07101260B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH07101260B2
JPH07101260B2 JP1091327A JP9132789A JPH07101260B2 JP H07101260 B2 JPH07101260 B2 JP H07101260B2 JP 1091327 A JP1091327 A JP 1091327A JP 9132789 A JP9132789 A JP 9132789A JP H07101260 B2 JPH07101260 B2 JP H07101260B2
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嘉浩 松尾
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はカラーディスプレイ、カラーテレビなどに用い
る液晶表示装置に関するものである。
従来の技術 現在、OA端末用カラーディスプレイ及びカラーテレビの
主流は、赤、緑、青のカラーフィルタ(あるいはダイク
ロイックミラー)を用いたドットマトリックスアレイ方
式によるTN(ツイステッドネマティック)液晶配列の電
界印加による実効的複屈折の変化を利用した光透過率の
制御方式である。ここで、液晶の電界駆動方式はアクテ
ィブマトリックス駆動方式(TFTなどのアクティブ素子
使用)及びマルチプレックス(単純マトリックス)駆動
方式が用いられている。
上記のカラー表示装置の構成は、直線偏光の入射光を得
るための偏光板、入射した直線偏光面を液晶の捻れ角θ
(θは90°〜45°)だけ回転させるためのTN液晶層、及
びその液晶層から出射した直線偏光を完全に遮断する
(出射光の偏光面と出射側偏光板の偏光方向とを垂直に
配置)、あるいは完全に透過させる(出射光の偏光面と
出射側偏光板の偏光方向とを平行に配置)ための偏光板
の3者の他に、カラー化のための赤、緑、青のそれぞれ
のカラーフィルタ(あるいはダイクロイックミラー)、
あるいは3色を配したマイクロカラーフィルタアレイか
ら成る基本構成をとる。ここで、直視型テレビでは、マ
イクロカラーフィルタアイレが用いられ通常液晶パネル
内部の出射側または入射側に配置される。また投写型テ
レビでは、通常ダイクロイックミラー(あるいはカラー
フィルタ板)が用いられる液晶パネル外部の入射側偏光
板の前に配置される。
ところで、上記構成(電界無印加時)において、液晶層
を通過した出射光が完全い直線偏光となるのは、グーチ
とタリー(Gooch and Tarry:J.Phys.D:Appl.Phys.,Vol.
8,1975,pp1575〜1584)によれば、特定の条件、Δn・
d=λ・(m2−θ2/π2)を満たす場合だけである。こ
こで、Δnは液晶層の複屈折率、dは液晶層の厚み、λ
は光の波長、mはθ/πの値より大きい整数、θは液晶
層の捻れ角である。一般には、赤、緑、青の各光は単色
光ではなく波長分布を持っているので、液晶層を透過し
た出射光は旋光性を帯びた楕円偏光となっている。この
様な旋光分散効果はΔn・dの値がλの値に比べて十分
大きい場合には無視できる程度に小さいが、Δn・dの
値が1μm(Δn=0.1、d=10μm)以下の場合には
極めて大きくなる。従って、楕円偏光となった各色の出
射光を偏光板の設置により完全遮断、あるいは完全透過
させた状態にすることはできない。このため表示コント
ラストが低下する。また旋光性の波長分散および複屈折
の波長分散があるため、表示色が着色するという問題が
生じる。
従来、これらの問題を解決する方法として、上記駆動用
液晶層と出射側偏光板の間に上記駆動用液晶層の分子配
列と鏡面対称の関係にあるもう一つ別の光学補償用液晶
層(捻れ角θは同じであるが、捻れのセンスが逆である
ツイストネマティック液晶層)を設けることが既に提案
されている(特開昭56-88112号公報、特開昭57-46227号
公報、特開昭57-125919号公報)。この従来技術によれ
ば、電界無印加時の駆動用液晶層を出射した楕円偏光
は、さらに光学補償用液晶層を通過させることにより直
線偏光に戻すことができる。従って表示コントラストが
向上し、着色の度合も軽減される。しかし、従来の光学
補償用液晶層は液晶層の厚みがパネル内のどこも均一に
等しく設定されたものであり、赤、緑、青の各光に対し
て位相差Δn・dがグーチとタリーの条件を満たすよう
に最適化されていない。従って、従来の光学補償用液晶
層では複屈折の波長分散の補償が不十分であった。
発明が解決しようとする課題 この様な従来技術は駆動用液晶層と光学補償用液晶層と
の2層を必要とするため、コスト高になる。液晶パネル
にガラスなどの透明基板を用いる場合、例えばガラス基
板を1枚共通で使用する構成にしたとしても、製造工程
数が増え、またガラス基板が少なくとも1枚増加するた
めパネル厚みが50%以上に厚くなる、また重くなるなど
の欠点をもつ。さらに、従来の光学補償用液晶パネルは
赤、緑、青の画素ごとに位相差(液晶層の複屈折と厚
み)を最適化することが極めて困難であり、またコスト
高になるという欠点をもつ。
本発明の技術は、上記欠点を除去した、即ち安価で、パ
ネル厚みがほとんど増加しない、高性能の光学補償機能
をもつ液晶表示装置を提供するものである。
課題を解決するための手段 本発明はカラーフィルタ(あるいはダイクロイックミラ
ー)を用いたドットマトリックスアレイ方式のTN液晶パ
ネルと偏光板の基本構成から成る直視型あるいは投写型
カラー動画表示装置において、上記液晶パネルと偏光板
との間に、各画素に対応した光学補償用有機フィルムチ
ップアレイあるいは各パネルに対応した光学補償用有機
フィルムを設けた液晶表示装置を提供するものである。
ここで、上記光学補償用有機フィルムチップアレイある
いは光学補償用有機フィルムはカイラルネマティック
(コレステリック)液晶構造をもつ固体ポリマーフィル
ムからなり、上記液晶構造の螺旋軸が上記フィルム面に
対して垂直であり、上記液晶構造の螺旋のセンスがTN液
晶の捻れのセンスと逆であり、かつ上記有機フィルムの
厚みが上記液晶構造の螺旋ピッチのθ/2π倍である。
作用 本発明の光学補償用有機フィルムチップアレイあるいは
光学補償用有機フィルムは、TN液晶層から出射した旋光
性を帯びた楕円偏光を直線偏光にもどす機能をもつ。な
ぜならば、上記光学補償用有機フィルムは、TN液晶層の
捻れセンスと逆の螺旋センスをもつカイラルネマティッ
ク(コレステリック)液晶構造をとり、かつTN液晶層の
捻れ角と同じ捻れ角をもつフィルム層であるからであ
る。この様にしてTN液晶層が本質的にもっている旋光性
の波長分散は本発明の有機フィルムによって補償され
る。さらに、本発明の光学補償用有機フィルムはフィル
ム自体のもつ複屈折の波長分散が最小になるように、
赤、緑、青のそれぞれの光波長に対して、フィルムの位
相差が最適化されている。この様に、本発明の有機フィ
ルムは、旋光分散と複屈折分散の両者を消去するという
高性能な光学補償機能をもつ。
さらに、本発明の光学補償用有機フィルムは液晶パネル
基板の外面上に、あるいは偏光板上に直接密着させて形
成することができるので、製造が容易であり、低コスト
である。また有機フィルムの厚みは通常数μm〜数100
μmであるので、表示装置全体の厚みはほとんど増加し
ないなどの特長を有する。
実施例 本発明の光学補償用有機フィルムは、カイラルネマティ
ック(コレスエリック)液晶構造をもつライオトロピッ
ク液晶から成るゲル体であってもよいがカイラルネマテ
ィック液晶構造をもつ液晶ポリマから成る固体であるこ
とが望ましい。この様な液晶ポリマを得るための素材と
しては、側鎖型サーモトロピック液晶ポリマ材料および
混合ライオトロピック液晶材料を用いることができる。
前者のサーモトロピック液晶ポリマの場合、すでに重合
させたポリマを用いてもよいが、モノマおよびオリゴマ
を用いることができる。モノマおよびオリゴマの場合、
例えば表示パネルの透明基板に予め配向処理をした後、
モノマおよびオリゴマを所定の厚みに塗布し、均一なカ
イラルネマティック液晶状態(螺旋軸は基板面に垂直)
を得た後、光重合させてカイラルネマティック液晶ポリ
マを得る。特に光重合性材料および光重合プロセスは、
光学補償用液晶ポリマフィルムをパターニングし、赤、
緑、青の画素ごとにポリマフィルムの材質(複屈折率お
よびカイラル螺旋ピッチ)あるいは厚みを変える上に極
めて有用である。
次に、この様な光学補償用カイラルネマティック液晶ポ
リマフィルムの材料設計、即ちフィルムの厚みdf、平均
屈折率nf、複屈折率Δnf、およびカイラル(コレステリ
ック)螺旋ピッチPをどの様に設計するかについて述べ
る。カイラルネマティック液晶の螺旋軸に平行に光を入
射すると、nf・Pの値にに等しい光波長を中心にして、
選択散乱(円偏光2色性)が起こると同時に旋光性セン
スの逆転現象(旋光分散)が起こる。可視域でこの様な
現象が起こらないように設計しなければならない。nf
Pの値を可視域よりも長波長側にもっていく方が材料的
制約の観点からは容易である。従って、まずnf・P>1
μmの条件を満たすように設計する。ここでカイラルネ
マティック液晶ポリマの屈折率nfの値は通常1.5〜1.7で
あるので、カイラルピッチPの大きさが0.6μm以上に
あるような液晶ポリマの材質を選ばなければならない。
次に、ポリマフィルムの位相差がグーチとタリーの条件
を満たすように設計することが望ましい。即ち、赤、
緑、青のそれぞれの光主波長λR、λG、λBに対して、 を満足するように、ポリマの複屈折Δnfとフィルム厚み
dfを調節する。例えば、駆動用TN液晶層の捻れ角θをπ
/2(90°)、mを1、主波長λR、λG、λBをそれぞれ
0.610μm、0.545μm、0.450μmとすると、位相差Δn
f・dfの値は赤、緑、青のそれぞれの光に対して、0.528
μm、0.472μm、0.390μmが最適となる。ここで設計
思想として、赤、緑、青のそれぞれに対して、ポリマの
複屈折は変えるがポリマフィルムの厚みは同じにする設
計、またはポリマの複屈折は同じにするがポリマフィル
ムの厚みは変える設計の二通りの設計がある。赤、緑、
青の各画素に対応するポリマフィルムのマイクロチップ
アレイ(例えば直視型テレビ用)を作製するには前者の
設計が有利であり、赤、緑、青用の各液晶パネルに対応
するポリマフィルム板3枚(例えば投写型テレビ用)を
作製するには後者の設計が有利でる。ところで、ポリマ
フィルムの複屈折Δnfは材質によって異なるが、通常0.
03〜0.15の値である。従って、ポリマフィルムの厚みを
例えば5.0μmに固定すると、赤、緑、青の各光に対し
て選択すべきポリマ材の複屈折Δnfはそれぞれ0.106、
0.094、0.078と決定される。一方、ポリマ材の複屈折Δ
nfを例えば0.094に固定すると、赤、緑、青の各光に対
するポリマフィルムの厚みはそれぞれ5.6μm、5.0μ
m、4.2μmの値が最適値となる。
次に、ポリマのカイラル螺旋ピッチPとフィルム厚みdf
との関係はP=df・2π/θ(ここでθ=π/2)を満た
さねばならない。従って、上記の例でフィルム厚み5.6
μm、5.0μm、4.2μmのそれぞれに対して、螺旋ピッ
チPの値はそれぞれ22.4μm、20.0μm、16.8μmが最
適値となる。これらの値はいずれもnf・P>1μmの条
件をもちろん満たしている。
以上をまとめると、赤、緑、青の各画素を有する90°右
捻れTN液晶パネルに対する光学補償には、例えば、複屈
折率0.106、左巻き螺旋ピッチ20.0μmの液晶ポリマを
厚み5.0μmに制御した赤画素用フィルムチップ、複屈
折率0.094、左巻き螺旋ピッチ20.0μmの液晶ポリマを
厚み5.0μmに制御した緑画素用フィルムチップ、およ
び複屈折率0.078、左巻き螺旋ピッチ20.0μmの液晶ポ
リマを厚み5.0μmに制御した青画素用フィルムチップ
から成る光学補償用ポリマフィルムチップアレイを用い
ることが望ましい。また、赤用、緑用、青用の各TN液晶
パネル(いずれも90°右捻れ)に対する光学補償には、
例えば、複屈折率0.094、左巻き螺旋ピッチ22.4μmの
液晶ポリマを厚み5.6μmに制御した赤用光学補償用ポ
リマフィルムを、複屈折率0.094、左巻き螺旋ピッチ20.
0μmの液晶ポリマを厚み5.0μmに制御した緑用光学補
償用ポリマフィルムを、および複屈折率0.094、左巻き
螺旋ピッチ16.8μmの液晶ポリマを厚み4.2μmに制御
した青用光学補償用ポリマフィルムを用いることができ
る。
次に、駆動用TN液晶層の設計は、Δn1・d1=Δnf・df
条件を満たすようにナマティック液晶材の複屈折Δn1
よびTN液晶層の厚みd1の値を選べばよい。上記の例で
は、赤、緑、青の各主波長に対して、位相差Δn1・d1
値はそれぞれ0.528μm、0.472μm、0.390μmが最適
となる。通常ネマティック液晶材のΔn1は0.06〜0.2で
あるが、0.1の液晶材料を用いるとすれば液晶層の厚みd
1は、赤、緑、青の主波長に対してそれぞれ5.3μm、4.
7μm、3.9μmに設計すればよい。ここで、駆動用TN液
晶層の設計は、必ずしもΔn1・d1=Δnf・dfの条件を満
たすようにΔn1およびd1の値を選ばなくてもよい。量産
性およびコストの点では、むしろ位相差Δn1・d1の値は
赤、緑、青の各光波長に対して同一の値、例えば0.472
μmに設計することも有り得る。
以上の設計により得られた光学補償用ポリマフィルムチ
ップアレイあるいは光学補償用ポリマフィルムを、TN液
晶パネルの光出射側に設置する。その場合、ポリマフィ
ルムの入射側表面におけるカイラルネマティック液晶分
子(あるいは液晶基)の長軸配向方向が、TN液晶層の出
射側表面におけるネマティック液晶分子の長軸配向方向
と直交あるいは平行(反平行)になる様に設置すること
が重要である。それら以外の場合は光学補償関係が不完
全になり、表示コントラストの低下、着色の問題を招く
ことになる。
さらに、2枚の偏光板を液晶パネルの光入射側とポリマ
フィルムの光出射側とのそれぞれに設置する。その場
合、TN液晶層の入射側表面におけるネマティック液晶分
子の長軸配向方向が入射側偏光板の偏光方向と平行ある
いは直交するように、またポリマフィルムの出射側表面
におけるカイラルネマティック液晶分子(あるいは液晶
基)の長軸配向方向が出射側偏光板の偏光方向と平行あ
るいは直交するように設置することが望ましい。これら
以外の条件では、波長分散が十分に打ち消されずに残
り、表示コントラストの低下、着色問題が生ずることに
なる。
この様にして、液晶パネル(駆動用液晶層)、光学補償
用有機フィルムチップアレイあるいは光学補償用有機フ
ィルム、及び2枚の偏光板からなる本発明の液晶表示装
置を得ることができる。
実施例1 まず比較例として、赤、緑、青のマイクロカラーフィル
タおよびアモルファスシリコンTFTマトリックスアレイ
を搭載したアクティブマトリックス駆動方式の90°右捻
れTN液晶パネルを作製した。用いたネマティック液晶材
料はメルク社製ZLI-2788-100である。そのΔn1の値は0.
116である。この液晶は捻れ方向を規定するための右旋
性カイラル物質CB-15(メルク社製)を0.1重量%添加し
た。マイクロカラーフィルタ基板およびTFTアレイ基板
の上にポリイミド系配向膜を付与し、ラビング処理した
後、互いのラビング方向が直交するように配置し、赤画
素ギャップ4.6μm、緑画素ギャップ4.1μm、および青
画素ギャップ3.4μmのパネルを組み立て、上記液晶を
注入した。この液晶パネルの入射側および出射側にそれ
ぞれ偏光板を取り付け、比較用液晶表示装置とした。そ
の際、入射側偏光板の偏光方向が入射側パネル表面の液
晶分子長軸方向(ラビング方向)に平行となるように、
また出射側偏光板の偏光方向が出射側パネル表面の液晶
分子長軸(ラビング方向)と直交するように、それぞれ
の偏光板を配置した。この表示装置はしきい値電圧以上
の電圧印加で光を透過する。可視域400nm〜750nmの波長
にわたって、正面から見た平均コントラスを求めた結果
50:1であった。また画面の色調は赤味を帯びていた。
次に、本発明の液晶表示装置を作成した。液晶パネルは
上記比較用TN液晶パネルと同一の構成とした。パネル組
立工程において、液晶注入前に光出射側のパネル基板の
外表面(ガラス表面)に本発明の光学補償用カイラルネ
マティック液晶ポリマフィルムを作製した。まずガラス
基板外面にポリイミド配向膜を付与し、パネル内部の出
射側配向膜のラビング方向と直交する方向に上記配向膜
をラビングした。その上に、次の化学式に示すネマティ
ック液晶モノマ97モル%と、 次の化学式に示す左旋性カイラルモノマ3モル% とを混合したカイラルネマティック(コレステリック)
液晶を塗布し、200℃の温度に保持しながら、赤画素に
対応する部分にのみ露光し(マスク使用)、光重合させ
た後、常温に急冷し、未露光部を溶剤で除去して、赤画
素部に膜厚(df)6.7μm、複屈折率(Δnf)0.079、お
よびカイラル左巻き螺旋ピッチ(P)27μm(螺旋軸は
基板面に垂直)からなるカイラルネマティック液晶ポリ
マ(共重合体)フイルムのマイクロチップアレイを得
た。
次に緑画素部にフイルムチップアレイを作製する。その
上全面に、次の化学式に示すネマティック液晶モノマ97
モル%と、 次の化学式に示す左旋性カイラルモノマ3モル% とを混合したカイラルネマティック液晶を塗布し、200
℃の温度に保持しながら、マスクを使用して緑画素に対
応する部分にのみ露光し、光重合させた後、常温に急冷
し、未露光部を溶剤で除去して、緑画素部に膜厚(df
6.7μm、複屈折率(Δnf)0.070、およびカイラル左巻
き螺旋ピッチ(P)27μm(螺旋軸は基板面に垂直)か
らなるカイラルネマティック液晶ポリマフイルムのマイ
クロチップアレイを得た。
次に青画素部にフイルムチップアレイを作製する。その
上全面に、次の化学式に示すネマティック液晶モノマ97
モル%と、 次の化学式に示す左旋性カイラルモノマ3モル% とを混合したカイラルネマティック(コレステリック)
液晶を塗布し、200℃の温度に保持しながら、青画素に
対応する部分にのみマスク露光し、光重合させた後、常
温に急冷し、未露光部を溶剤で除去して、緑画素部に膜
厚(df)6.7μm、複屈折率(Δnf)0.058、およびカイ
ラル左巻き螺旋ピッチ(P)27μm(螺旋軸は基板面に
垂直)からなるカイラルネマティック液晶ポリマフイル
ムのマイクロチップアレイを得た。この様にして、パネ
ル全体の光学補償用ポリマフィルムのチップアレイを得
た。
その後、上記実施例1の比較例と同一の液晶材料を注入
した。さらに、液晶パネルの入射側には偏光板の偏光方
向がパネル表面の液晶分子長軸方向(ラビング方向)に
平行となるように、また上記液晶ポリマフイルムの出射
側には偏光板の偏光方向がポリマフイルム表面に液晶基
長軸方向に平行となるように(即ち入射側偏光板の偏光
方向と直交するように)それぞれの偏光板を配置した。
この表示装置はしきい値電圧以上の電圧印加により光を
透過するようになる。可視域400nm〜750nmの波長にわた
って、正面平均コントラストを求めた結果100:1以上で
あった。また画面の色調から赤味は消えていた。
実施例2 まず比較用として、投写型カラー動画表示装置に用いる
赤、緑、青の各色表示用の3枚のTN液晶パネルを作製し
た。これら3枚のパネルはいずれも、実施例1の比較用
パネルにおいて用いたのと同様に、アモルファスシリコ
ンTFTマトリックスアレイを搭載したアクティブマトリ
ックス駆動方式の90°右捻れTN液晶パネルである。但
し、赤、緑、青のマイクロカラーフィルタはいずれも搭
載していない。用いたネマティック液晶材料はメルク社
製ZLI-2788-100である。そのΔn1の値は0.116である。
この液晶に捻れ方向を規定するための右旋性カイラル物
質CB-15(メルク社製)を0.1重量%添加した。ITO電極
付きガラス基板およびTFTアレイ基板の上にポリイミド
系配向膜を付与し、ラビング処理した後、互いのラビン
グ方向が直交するように配置し、パネルギャップが赤色
表示用パネルでは4.6μm、緑色表示用パネルでは4.1μ
m、青色表示用パネルでは3.4μmのそれぞれになるよ
うに3枚のパネルを組み立て、上記液晶を注入した。こ
れらの液晶パネルの入射側および出射側にそれぞれ偏光
板を取り付け、比較用液晶パネルとした。その際、入射
側偏光板の偏光方向が入射側パネル表面の液晶分子長軸
方向(ラビング方向)に平行となるように、また出射側
偏光板の偏光方向が出射側パネル表面の液晶分子長軸
(ラビング方向)と直交するように、それぞれの偏光板
を配置した。これらの表示パネルはしきい値電圧以上の
電圧印加でそれぞれの光を透過する。上記表示パネルの
他に、メタルハライドランプ、ダイクロイックミラー、
レンズ、反射鏡、スクリーンなどを用いて、リアタイプ
投写型TVセット(比較用)を組み立てた。正面から見た
平均コントラスを求めた結果50:1であった。また画面は
赤味を帯びていた。
次に、本発明の投写型カラー動画表示装置を作成した。
赤、緑、青の各色表示用の3枚のTN液晶パネルはそれぞ
上記比較用TN液晶パネルと同一の構成とした。但し、各
パネルとも組立工程において、液晶注入前に光出射側の
パネル基板の外表面(ガラス表面)に本発明の光学補償
用カイラルネマティック液晶ポリマフィルムを作製し
た。まず各パネルともガラス基板外面にポリイミド配向
膜を付与し、パネル内部の出射側配向膜のラビング方向
と直交する方向に上記配向膜をラビングした。次に、赤
色表示用パネルについては、上記配向膜の上に、次の化
学式に示すネマティック液晶モノマ97.3モル%と、 次の化学式に示す左旋性カイラルモノマ2.7モル%と を混合したカイラルネマティック(コレステリック)液
晶を塗布し、200℃の温度に保持しながら光重合させた
後、常温に急冷して、膜厚(df)7.5μm、複屈折率
(Δnf)0.070、およびカイラル左巻き螺旋ピッチ
(P)30μm(螺旋軸は基板面に垂直)からなるカイラ
ルネマティック液晶ポリマ(共重合体)フイルムを得
た。
次に、緑色表示用パネルについては、上記配向膜の上
に、次の化学式に示すネマティック液晶モノマ97.0モル
%と、 次の化学式に示す左旋性カイラルモノマ3.0モル%と を混合したカイラルネマティック液晶を塗布し、200℃
の温度に保持しながら光重合させた後、常温に急冷し
て、膜厚(df)6.7μm、複屈折率(Δnf)0.070、およ
びカイラル左巻き螺旋ピッチ(P)27μm(螺旋軸は基
板面に垂直)からなるカイラルネマティック液晶ポリマ
フイルムを得た。
また、青色表示用パネルについては、上記配向膜の上
に、次の化学式に示すネマティック液晶モノマ96.5モル
%と、 次の化学式に示す左旋性カイラルモノマ3.5モル%と を混合したカイラルネマティック液晶を塗布し、200℃
の温度に保持しながら光重合させた後、常温に急冷し
て、膜厚(df)5.6μm、複屈折率(Δnf)0.070、およ
びカラル左巻き螺旋ピッチ(P)22μm(螺旋軸は基板
面に垂直)からなるカイラルネマティック液晶ポリマフ
イルムを得た。
その後、各パネルとも上記実施例2の比較例と同一の液
晶材料を注入した。さらに、各パネルとも入射側には偏
光板の偏光方向がパネル表面の液晶分子長軸方向(ラビ
ング方向)に平行となるように、また上記液晶ポリマフ
イルムの出射側には偏光板の偏光方向がポリマフイルム
表面の液晶基長軸方向に平行となるように(即ち入射側
偏光板の偏光方向と直交するように)それぞれの偏光板
を配置した。これらの各表示パネルはしきい値電圧以上
の電圧印加によりそれぞれの光を透過するようになる。
上記各表示パネルの他に、比較例と同様のメタルハライ
ドランプ、ダイクロイックミラー、レンズ、反射鏡、ス
クリーンなどを用いて、本発明のリアタイプ投写型TV表
示装置を組み立てた。正面から見た平均コントラストを
求めた結果100:1以上であった。また画面の色調から赤
味は消えていた。
発明の効果 本発明に従い、光学補償用有機フィルムチップアレイお
よび光学補償用有機フィルムを設けた液晶表示装置は、
高い表示コントラスト、着色の無い色調が得られ、しか
も表示装置全体(パネル)としての厚み増加は0.1mm以
下のきわめて少ないものであり、従って光散乱も少な
い。しかも軽量である。また、本発明の有機フィルムは
パネル基板上あるいは偏光板上に直接形成することがで
きるなど製造工程が簡略で、容易であり、低コストな液
晶表示装置を提供することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤、緑、青の各画素からなるカラーフィル
    タを登載したドットマトリックスアレイ方式のTN液晶パ
    ネルと2枚の偏光板の基本構成から成るカラー動画表示
    装置において、上記液晶パネルと偏光板との間に、上記
    カラーフィルタの各色の画素に対応させて、カイラルネ
    マティック(即ちコレステリック)液晶構造をもつ固体
    ポリマフィルムからなる光学補償用有機フィルムのマイ
    クロチップアレイを設け、上記液晶構造の螺旋軸が上記
    フイルムチップの表面に対して垂直であり、上記液晶構
    造の螺旋のセンスがTN液晶の捻れのセンスと逆であり、
    かつ、上記フイルムチップの厚みdf(μm)が上記液晶
    構造の螺旋ピッチP(μm)のθ/2π倍(ここでθはTN
    液晶の捻れ角、ラジアンである)であることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  2. 【請求項2】赤、緑、青の各画素に対応する各光学補償
    用有機フィルムチップの位相差Δnf・dfが、λ あるいは に等しい(ここで、Δnfはフイルムチップの複屈折率、
    λは各光の中心波長)ことを特徴とする請求項1記載の
    液晶表示装置。
  3. 【請求項3】赤、緑、青の各画素に対応する各光学補償
    用有機フィルムチップの厚みdfが互いに等しいことを特
    徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】赤、緑、青の各画素に対応する各光学補償
    用有機フィルムチップの複屈折率Δnfが互いに等しいこ
    とを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】赤、緑、青の各カラーフィルタあるいはダ
    イクロイックミラー、赤、緑、青の各光をそれぞれに変
    調するための3枚のドットマトリックスアレイ方式TN液
    晶パネル、および各液晶パネルに対して2枚の偏光板の
    基本構成から成る投写型カラー動画表示装置において、
    上記各液晶パネルと偏光板との間に、カイラルネマティ
    ック(即ちコレステリック)液晶構造をもつ固体ポリマ
    フィルムからなる光学補償用有機フィルムを設け、上記
    液晶構造の螺旋軸が上記有機フイルムの表面に対して垂
    直であり、上記液晶構造の螺旋のセンスがTN液晶の捻れ
    のセンスと逆であり、かつ上記フイルムの厚みdf(μ
    m)が上記液晶構造の螺旋ピッチP(μm)のθ/2π倍
    (ここでθはTN液晶の捻れ角、ラジアンである)である
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  6. 【請求項6】赤、緑、青用の各液晶パネルに対応する各
    光学補償用有機フィルムの位相差Δnf・dfがλ あるいは に等しい(ここで、Δnfは有機フイルムの複屈折率、λ
    は各光の中心波長)ことを特徴とする請求項5記載の液
    晶表示装置。
  7. 【請求項7】赤、緑、青用の各液晶パネルに対応する各
    光学補償用有機フィルムの厚みdfが互いに等しいことを
    特徴とする請求項6記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】赤、緑、青用の各液晶パネルに対応する各
    光学補償用有機フィルムの複屈折率Δnfが互いに等しい
    ことを特徴とする請求項6記載の液晶表示装置。
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