JPH07101176A - 平版印刷用湿し水および印刷方法 - Google Patents

平版印刷用湿し水および印刷方法

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JPH07101176A
JPH07101176A JP24655093A JP24655093A JPH07101176A JP H07101176 A JPH07101176 A JP H07101176A JP 24655093 A JP24655093 A JP 24655093A JP 24655093 A JP24655093 A JP 24655093A JP H07101176 A JPH07101176 A JP H07101176A
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JP
Japan
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water
printing
lithographic printing
ink
dampening
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JP24655093A
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English (en)
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Kenichi Doi
健一 土井
Shintaro Yamaoka
新太郎 山岡
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来から用いられている表面張力低下剤や汚れ
防止剤が大幅に削減可能ないし添加不要となる、公害
面、安全衛生面、コスト面で問題のない、かつ印刷中に
汚れが発生することなく安定したインキとのバランスが
とれる平版印刷用湿し水およびこれを用いた平版印刷方
法を提供しようとするものである。 【構成】水を電気分解して得られる酸性イオン水を主成
分とすることを特徴とするアルミニウム印刷版使用平版
印刷用湿し水および該平版印刷用湿し水を用いることを
特徴とする平版印刷方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷に有用な湿し
水およびこれを用いた印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は、画線部に対応する部分を感
脂性面とし、非画線部に対応する部分を親水性面とした
印刷版(以下、版とも言う)を用いて印刷を行う印刷方
式である。即ちインキを感脂性面に付着させ、湿し水を
親水性面に付着させ、インキと湿し水との相互反発作用
を利用して印刷する。このときインキと湿し水とを適度
なバランスのもとに版面に供給することが大切であり、
湿し水を与え過ぎるとインキの乳化が激しくなり、転移
不良が発生する。一方湿し水が少なすぎると、非画線部
にインキが付着し汚れの原因となる。
【0003】そこで、なるべく少量の湿し水で、汚れを
発生させずに印刷して高品質な印刷物を得ることが、平
版印刷における重要な技術となる。
【0004】このインキと湿し水との適正なバランスを
とるために、従来から湿し水の表面張力を下げ、少量の
湿し水で版への均一な濡れを確保する目的で、イソプロ
ピルアルコール(以下、IPAとも言う)を湿し水中に
数%〜20%程度添加していた。しかしながら、近年の
消防法や有機溶剤中毒予防規制の規制強化と作業環境改
善への関心の高まりから、少量の添加で効果があり、安
全衛生性の高いグリコール類、グリコールエーテル類お
よびこれらの誘導体や界面活性剤を主体とした表面張力
低下剤が、IPAの代替添加剤として主用されるように
なっている。また、汚れを防止する目的では、従来か
ら、不感脂化剤として、版面の親水性を保持するために
親水性高分子である、アラビアガムやカルボキシメチル
セルロース等のセルロース誘導体が、また版表面の酸化
物を除去する整面剤としてリン酸、酒石酸、クエン酸等
の無機酸、有機酸、汚れにつながる版の腐食を防止する
ものとして、硝酸塩等が好ましく使用されている。
【0005】尚、湿し水中には一般的に、上記の他、p
H緩衝剤、防腐剤等も添加されている。これ等、湿し水
中に含まれる表面張力低下剤や汚れ防止剤は、湿し水コ
ストの上昇を招くだけでなく、使用後施設外に排出する
際に、下水道や河川等の汚濁防止を目的とした諸法規制
の対象となり、排出前の浄化処理が必要な場合が生じる
という欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記の従来から用いられている表面張力低下剤や汚
れ防止剤が大幅に削減可能ないし添加不要となる、公害
面、安全衛生面、コスト面で問題のない、かつ印刷中に
汚れが発生することなく安定したインキとのバランスが
とれる平版印刷用湿し水およびこれを用いた平版印刷方
法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、以下の湿し水を
用いることにより上記目的が達成できることを見出し、
本発明に到達したものである。即ち、本発明は、水を電
気分解して得られる酸性イオン水を主成分とすることを
特徴とするアルミニウム印刷版使用平版印刷用湿し水に
関する。更に、本発明は、上記平版印刷用湿し水を用い
ることを特徴とする平版印刷法に関する。
【0008】本発明で用いられる酸性イオン水の製造方
法は公知技術であって、近年電気分解イオン水製造装置
は工業用だけでなく、健康飲料水とされるアルカリイオ
ン水(陽イオン水)を得る目的で家庭用にも広く普及し
て来ており、水道配管を装置に連結し通電すれば、酸性
イオン水はアルカリイオン水と同時に製造され容易に得
ることができる。これ等、家庭用装置の酸性イオン水製
造能力は1〜2リットル/分もあり、これは湿し水消費
量の多い、オフセット輪転印刷機、例えばBタテ半裁サ
イズ、4/4 800rpm 機にも充分に供給できる量で
あり、これ等、家庭用装置を利用することもコスト的、
能力的に好ましい。
【0009】また、イオン水のpH値は製造量にも依存
するが、約3〜11のものが多く、アルカリイオン水
は、電解槽の陰極側から、水素、マグネシウム、カルシ
ウム等の陽イオンを含んだ陽イオン水として、酸性イオ
ン水は、陽極側から塩素、水酸等のイオンを含んだ陰イ
オン水として各々取り出される。本発明で使用する酸性
イオン水のpH値は7未満の酸性領域であれば効果が得
られるが、好ましくは、6以下である。pH値が6を超
えると次第に汚れ防止効果が低下し、正常な印刷が困難
になる。
【0010】酸性イオン水が、版の汚れ防止効果を持つ
のは、表面張力は原水に比べ低下していないものの、電
気分解によって水がイオン化した際、水の分子集団(ク
ラスター)が破壊され小さくなることにより、浸透力が
高まる為と考えられるが、アルカリイオン水はクラスタ
ーが小さくなっているにも拘わらず、汚れ防止効果を発
現しないので、酸性イオン水の効果は、浸透力だけでな
く陰イオンを多く含み、酸性であることが、版材のアル
ミニウム及びオフセットインキとの相互作用に於いて、
汚れ防止効果を発揮するものと考えられる。また、酸性
イオン水は、pH値が低い為、微生物に対する殺菌力も
有しており、湿し水の腐敗防止が図られ、腐敗による湿
し水のpH値の上昇による印刷適性への悪影響を防止す
るのにも効果がある。本発明の湿し水を用いて印刷を行
う場合、湿し水として酸性イオン水のみで印刷すること
が可能となるが、版面の温度上昇による汚れ発生を防ぐ
ために、従来から行われているように、湿し水を8〜1
5℃程度に冷却することが好ましい。冷却方法は、従来
から使用されている冷却器付きの湿し水タンクに酸性イ
オン水を注入し、印刷機への循環を行えば容易に達成で
きる。また、印刷機の種類、印刷絵柄、インキ及び印刷
用紙等により汚れの発生し易い場合には、本発明による
酸性イオン水に、一般に使用されているIPAあるいは
表面張力低下能や汚れ防止能を有する湿し水原液を通常
の添加量の1/3〜1/5加えることにより、正常な印
刷が安定して行える。
【0011】本発明で使用するアルミニウム印刷版とし
ては、従来使用されているアルミニウム製PS版を露
光、現像して得られた印刷版が使用できる。以下、実施
例に基づいてより詳細に説明する。
【0012】
【実施例】表1に示した内容で、本発明による湿し水を
実施例1〜10として作成した(表中%は重量%を表
す、以下同じ)。実施例1〜4は水道水を電気分解して
pH値の異なる酸性イオン水としたものである。また、
実施例5〜7は同様に井戸水を酸性イオン水としたもの
で、実施例8〜9は、水道水を原水に電気分解によりp
H値6.0の酸性イオン水を得て、これに各々IPAと
表面張力低下能及び汚れ防止能を有する湿し水原液であ
るアクワマジックNS(商品名 東洋インキ製造(株)
製)を加えた。実施例10は井戸水を原水にpH値6.
0の酸性イオン水を得て、これにアクワマジックNSを
添加したものである。尚、電気分解は、象印マホービン
(株)製イオン水生成器ピュアラスター(商品名)を用
いて行った。
【0013】表2に比較例を示した比較例1は水道水を
何等処理せずにそのまま湿し水としたもので、比較例2
では同様に井戸水そのものを湿し水とした。比較例3〜
5は各々水道水及び井戸水を電気分解してアルカリイオ
ン水としたものである。比較例6は、比較例1の湿し水
にIPAを一般的な添加量である5%添加した湿し水
で、比較例7〜8は各々比較例1及び2の湿し水にアク
ワマジックNSを通常の添加量である1.5%添加した
湿し水である。表3にこれ等実施例および比較例の湿し
水の汚れ防止効果試験と印刷テストの結果を示す。
【0014】汚れ防止効果試験の方法及び条件:版とし
て、アルミニウムPS版であるFPS−3(商品名 富
士写真フィルム(株)製)を用い、露光、現像して全面
非画線部としたものを21cm×25cmに裁断し、これに
RIテスター(商品名 明製作所製)を用いて、オフセ
ット紅インキであるTKハイプラスM(商品名 東洋イ
ンキ製造(株)製)を全面0.6ccのインキ量で展色し
た後、3cm×5cmに裁断した。展色5分後に上記展色版
小片を各実施例、及び各比較例の湿し水を入れたバット
に浸漬させ、湿し水が版とインキの間に浸透しインキを
剥離させる時間を測定し、汚れ防止効果の判定を行っ
た。
【0015】印刷テストの条件: 印刷機 三菱リソピアL−400(B−B型オフセ
ット輪転印刷機、三菱重工(株)製) 印刷速度 400rpm 印刷版 アルミニウムPS版FPD−3(商品名
富士写真フィルム(株)製) 用紙 三菱パールコートA(66.5k) 湿し水機構 ダールグレン方式 温湿度 20〜22℃、50〜60%RH インキ WDレオラ紅−M(東洋インキ製造(株)
製) 印刷部数 20000枚
【0016】 表1 実施例 原水 湿し水pH値 添加物 1 水道水 6.5 ─ 2 〃 6.0 ─ 3 〃 5.0 ─ 4 〃 3.0 ─ 5 井戸水 6.5 ─ 6 〃 6.0 ─ 7 〃 3.0 ─ 8 水道水 6.0 IPA 2% 9 〃 5.5 アクワマジックNS 0.3% 10 井戸水 5.5 〃
【0017】 表2 比較例 原水 湿し水pH値 添加物 1 水道水 7.0 ─ 2 井戸水 7.6 ─ 3 水道水 8.0 ─ 4 〃 10.5 ─ 5 井戸水 10.5 ─ 6 水道水 7.2 IPA 5% 7 〃 4.8 アクワマジックNS 1.5% 8 井戸水 5.3 〃
【0018】 表3 汚れ防止効果試験 印刷テスト 実施例 1 5 汚れ未発生 2 3 〃 3 3 〃 4 3 〃 5 5 〃 6 3 〃 7 3 〃 8 2 〃 9 2 〃 10 2 〃 比較例 1 9 100 2 9 100 3 120 50 4 120 50 5 120 50 6 2 汚れ未発生 7 2 〃 8 2 〃 注:汚れ防止効果試験は、インキの版からの剥離に要し
た時間(秒数)を示す。印刷テストは汚れ発生時の印刷
部数を示す。
【0019】表3から明らかなように、本発明の湿し水
は、版からのインキの剥離時間が短く、印刷中に汚れと
なる版の非画線部に付着するインキを除去する能力が高
く、汚れ防止効果に優れている。また、本発明の湿し水
は、印刷テストに於いても汚れが発生することなく、効
果的に印刷できた。本発明の湿し水は、IPAを5重量
%含む湿し水およびアクワマジックNSを1.5%含む
湿し水と汚れ防止効果も同等で印刷テストにおいても同
等の性能を有していた。
【0020】
【発明の効果】本発明の湿し水は、従来から通常使用さ
れている湿し水と少なくとも同等の性能を有し、かつ使
用後の施設外への排出時に問題となる成分を殆ど含まな
いので公害面は元よりコストの低減及び安全衛生面でも
従来から使用されている湿し水に比べ格段優れた効果が
得られるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を電気分解して得られる酸性イオン水
    を主成分とすることを特徴とするアルミニウム印刷版使
    用平版印刷用湿し水。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の平版印刷用湿し水を用い
    ることを特徴とする平版印刷方法。
JP24655093A 1993-10-01 1993-10-01 平版印刷用湿し水および印刷方法 Pending JPH07101176A (ja)

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