JPH07100879B2 - 片面着色ステンレス鋼帯の製造方法及び装置 - Google Patents

片面着色ステンレス鋼帯の製造方法及び装置

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JPH07100879B2
JPH07100879B2 JP1004853A JP485389A JPH07100879B2 JP H07100879 B2 JPH07100879 B2 JP H07100879B2 JP 1004853 A JP1004853 A JP 1004853A JP 485389 A JP485389 A JP 485389A JP H07100879 B2 JPH07100879 B2 JP H07100879B2
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    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/38Chromatising

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、溶接性の優れた片面着色ステンレス鋼帯を得
ることができ、更にその製造工程におけるロール表面汚
れ等に起因する片面着色ステンレス鋼帯表面の疵等を無
くすこともできる化学発色法による片面着色ステンレス
鋼帯の製造方法及び該方法を実施する装置に関するもの
である。
〔従来の技術〕
近年、建材や厨房機器や装飾用として意匠効果の高い耐
食性の優れた着色ステンレス鋼板が広く使用されるよう
になつてきた。
着色ステンレス鋼板の製造方法としては従来から種々存
在するが、クロム・硫酸法,溶融塩法,テンパーカラー
法等の化学発色処理により着色する方法が工業的規模で
広く実施されている。中でもクロム・硫酸法が多種の色
調が安定して得易いことから、近年広く実施されるよう
になつてきた。このクロム・硫酸法による着色ステンレ
ス鋼板の製造方法は、高温の硫酸とクロム酸又はクロム
酸塩との混合水溶液から成る着色浴にステンレス鋼板を
浸漬させることによりステンレス鋼板の表層に化学反応
に基づく着色皮膜を形成させる方法であり、英国のイン
ターナシヨナルニツケル社において特開昭48−11243号
公報でその着色制御方法が開示されて以来、急速に実用
化が進んだ方法である。このクロム・硫酸法による着色
ステンレス鋼板の製造方法は、当初は鋼板を対象とした
所謂バツチ法であつたが、生産性の向上や製造コストの
低減を目的として近年鋼帯を使用した連続製造法に移行
しつつある。
この方法で形成されたままの状態の着色皮膜は主として
クロム酸化物から成る多孔性のため耐摩耗性が低くまた
耐汚染性も低い。このため、この欠点を解消する方法と
して特公昭53−31817号公報や特公昭56−24020号公報に
示されている如く、ステンレス鋼帯の表面に着色皮膜を
形成させた後にこれを硫酸又はリン酸とクロム酸との混
合水溶液から成る電解処理浴中で、着色ステンレス鋼帯
を陰極とし電解処理浴中に設置した例えば鉛電極を陽極
として陰極電解処理を行うことによる着色皮膜の硬化処
理法が実施されている。すなわちこの方法は、電解処理
による陰極である着色ステンレス鋼帯の表層部で電解処
理液中のクロム酸を電解還元して、着色皮膜の多孔質部
に着色皮膜と同質なクロム酸化物又はクロム水酸化物を
沈着させることにより封孔処理を行つて、耐食性,耐摩
耗性,耐汚染性の優れた安定した着色皮膜を形成させる
方法である。そしてこのような方法において、両面着色
ステンレス鋼帯製品を得る際にはステンレス鋼帯の通板
面の両面側に陽極を設置してステンレス鋼帯の両面を電
解処理して硬化処理し、片面着色ステンレス鋼帯製品を
得る際には使用する必要の無い着色面となる片面の着色
皮膜の耐食性は要求されずむしろ製品化された後の溶接
性低下等の問題があるので着色面として使用すべき片面
側のみに陽極を設置してその片面側のみを電解処理して
硬化処理するという方法が実施されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、以上のような着色ステンレス鋼帯の製造
方法の中で、片面着色ステンレス鋼帯を製造する方法に
おいては、次のような問題点があつた。
すなわち、着色ステンレス鋼帯の製造工程においては、
着色工程の次なる精整工程(スキンパス,スリツター工
程等)で加工を行う必要があるが、片面着色ステンレス
鋼帯は使用する必要の無い面に当る着色面の着色皮膜の
硬化処理が施されていないために、精整工程の各設備の
ロールとの摩擦等によりこの着色皮膜が剥離してロール
表面に付着してロールを汚すと共に使用する必要の無い
面に当る着色面に着色ムラやその付着物による疵等を生
じせしめるという問題点があつた。
また、得られた着色ステンレス鋼帯は次の工程又はユー
ザーに渡つて溶接等の種々の加工により製品化される
が、片面着色ステンレス鋼帯であつても使用に供されな
い片面にも硬化処理を施されていない着色皮膜が形成さ
れていることから、着色ステンレス鋼帯共通の欠点であ
る加工時の溶接性の低下の問題点があつた。例えば、TI
G溶接の如き溶融溶接にあつては通常の無色のステンレ
ス鋼とほぼ同様な条件(溶接電流,溶接密度)で溶接可
能であるが、スポツト溶接,シーム溶接の如き抵抗溶接
にあつては電気絶縁物である着色皮膜を介しての通電は
その接触抵抗が高いためにスパークを発生し、被溶接部
が溶損したり不完全な溶接となつたりする(但し、スポ
ツト溶接,シーム溶接あつてもその基本溶接条件である
溶接電流,溶接時間,加圧力を選択すれば、通常の無着
色ステンレス鋼よりはかなり狭い条件ではあるが溶接が
可能な場合もある)。また着色皮膜の厚みによつて色調
が異なることが化学発色法の特徴であるが、その着色皮
膜の厚みが厚くなる程接触抵抗は高くなることから、抵
抗溶接の場合にあつてはこの皮膜が厚くなるに従つて加
圧力を増したり,溶接電流を下げたりすることが必要に
なるという欠点があつた。
そこで本発明は、ステンレス鋼帯を硫酸とクロム酸又は
クロム酸塩との混合水溶液から成る着色浴に浸漬し、次
いで硫酸又はリン酸とクロム酸との混合水溶液から成る
電解処理浴で電解処理して片面着色ステンレス鋼帯を製
造する際に、着色工程の次なる精整工程等におけるロー
ル表面の汚れやステンレス鋼帯の疵の発生等を防止する
と共に優れた溶接性を有する片面着色ステンレス鋼帯が
得られる片面着色ステンレス鋼帯の製造方法とその方法
を工業的に実施することのできる装置を提供することを
課題とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等はかかる課題を達成するために種々検討した
結果、硫酸又はリン酸とクロム酸との混合水溶液から成
る電解処理浴で着色ステンレス鋼帯を電解処理して着色
皮膜を硬化処理する原理と逆の作用を使用し、ステンレ
ス鋼帯を硫酸とクロム酸又はクロム酸塩との混合水溶液
から成る着色浴に浸漬してその両面に着色皮膜を形成せ
しめた後に、その両面着色ステンレス鋼帯の着色皮膜の
硬化処理を行わない方の片面側に陰極電極板を配置し、
その硬化処理を行わない着色ステンレス鋼帯面自体を陽
極電極板として陽極電解処理を行えばその面では着色皮
膜が溶解してしまうことを究明して本発明を完成したの
である。
以下、図面に基づいて本発明に係る片面着色ステンレス
鋼帯の製造方法を詳細に説明する。
第1図は本発明に係る片面着色ステンレス鋼帯の製造方
法の1実施例を示す工程概略図である。
図面中、Sは無着色ステンレス鋼帯、S′は両面着色ス
テンレス鋼帯、S″は片面着色ステンレス鋼帯である。
1は無着色ステンレス鋼帯Sの両面に着色皮膜を形成さ
せるために着色槽2内に建浴されている硫酸とクロム酸
又はクロム酸塩との混合水溶液から成る着色浴、3は着
色槽2内の着色浴1中を通板された後の両面着色ステン
レス鋼帯S′に付着している着色浴1を水洗除去するた
めの洗浄装置、4は洗浄装置3の入側と出側に設置され
ている送板ロール、5は電解処理槽6内に建浴されてい
る硫酸又はリン酸とクロム酸との混合水溶液から成る電
解処理浴、7は電解処理槽6内の電解処理浴5中に少な
くともその下部が浸漬されている浸漬ロール、8は電解
用直流電源、9は電解処理浴5内に設置されている二酸
化鉛,白金等から成り電解用直流電源8の正極に接続さ
れて陽極として作用する陽極電極板、10は電解処理浴5
内に設置されているチタン,ステンレス鋼等から成り陽
極電極板9と両面着色ステンレス鋼帯S′を挟んだ反対
側に配置され且つ電解用直流電源8の負極に接続されて
陰極として作用する陰極電極板、11は電解処理槽6内の
電解処理浴5中を通板された後の片面着色ステンレス鋼
帯S″の非着色面に接触回転する砥粒入りブラシロール
である。
以上の如き構成よりなる片面着色ステンレス鋼帯の製造
工程において、先ず無着色ステンレス鋼帯Sは着色浴1
が建浴されている着色槽2内に前後の浸漬ロールを介し
て浸漬されつつ通板され、その両面に着色皮膜が形成さ
れた両面着色ステンレス鋼帯S′となる。次にその両面
着色ステンレス鋼帯S′はその表面に付着している着色
浴1が洗浄装置3で水洗除去されて送板ロール4によつ
て電解処理槽6に送板され、前後の浸漬ロール7にて電
解処理浴5に浸漬された状態で電解処理される。ここで
電解用直流電源8の正極に接続されている陽極電極板9
側に面する両面着色ステンレス鋼帯S′の表層部は分局
作用により陰極として作用し、その結果両面着色ステン
レス鋼帯S′の陽極電極板9側の表層部の着色皮膜は電
解処理浴5中で陰極電解処理を受けて硬化処理される。
他方、陽極電極板9と両面着色ステンレス鋼帯S′を挟
んだ反対側に配置され且つ電解用直流電源8の負極に接
続されている陰極電極板10側に面する両面着色ステンレ
ス鋼帯S′の表層部は同様に分局作用により陽極として
作用し、その結果両面着色ステンレス鋼帯S′の陰極電
極板10側の表層部の着色皮膜は電解処理浴5中で陽極電
解処理を受けて溶解除去され片面着色ステンレス鋼帯
S″となるのである。
なお、この陰極及び陽極処理の際に両面着色ステンレス
鋼帯S′の表面の着色皮膜の溶解及び着色皮膜の硬化処
理を充分に行うためには電流密度を0.5〜30A/dm2の範囲
とすることが望ましい。これは電流密度が30A/dm2より
も高くなると硬化処理面にクロム金属が析出してくるよ
うになるので好ましくないからであり、最も好ましい範
囲としては1〜10A/dm2である。電解処理時間は少なく
とも2分以上とすることが望ましく、更に電解処理に供
する電極の材質は電解処理液に対して耐食性を有するも
のであれば特に限定されないが、陽極としては二酸化
鉛,白金等が好適であり、陰極としてはチタン,ステン
レスが好適である。
しかる後に、このようにして得られた片面着色ステンレ
ス鋼帯S″の陽極電解処理を受けた面は、この面に接触
回転する砥粒入りブラシロール11によつて必要に応じて
更に表面が研磨されて次の精整工程に送板される。
次に、このような本発明方法を種々の板幅のステンレス
鋼帯に実施するのに好適な電解処理槽の電極板と両面着
色ステンレス鋼帯との配置状態を示す1実施例について
第2図に示す斜視図により説明する。
陽極電極板9及び陰極電極板10は両面着色ステンレス鋼
帯S′の幅よりも長い長方形を有しており、両面着色ス
テンレス鋼帯S′の通板面に面した片側に陽極電極板9
がまたこの陽極電極板9と両面着色ステンレス鋼帯S′
を挟んだ反対側に陰極電極板10がそれぞれ配置されてい
ると共にその両端がそれぞれ電解処理槽6の電解浴5外
で絶縁物12を介して絶縁材より成るピン13で絶縁状態に
互にピンジヨイントされて組をなしている。更に、この
複数組の両電極板9,10は両面着色ステンレス鋼帯S′の
通板方向と平行で電解処理槽6の両側に配置されている
電極板連結材14にそれぞれ前記ピン13によつてピンジヨ
イントされている。又この電極板連結材14の両端部同士
は、両面着色ステンレス鋼帯S′の通板面中央位置にあ
つて電解処理槽6の入側及び出側に設けられている軸17
を回転中心として回転せしめられる横架材15の両端にそ
れぞれピン16でピンジヨイントされており、この横架材
15と電極板連結材14とがピン16で平行四辺形状に連結さ
れているリンク機構を構成している。かかる構成によ
り、軸17を回転中心として横架材15が回転せしめられる
と、両面着色ステンレス鋼帯S′の通板方向と平行に電
解処理槽6の両側に位置している電極板連結材14が両面
着色ステンレス鋼帯S′の通板方向と互いに逆方向に移
動するため、この電極板連結材14にピン13でピンジヨイ
ントされている陽極電極板9及び陰極電極板10は両面着
色ステンレス鋼帯S′に対して平行に両面着色ステンレ
ス鋼帯S′の通板面中央位置を中心として回転すること
になる。なお、両電極板9及び10は両面着色ステンレス
鋼帯S′に投影される面以外は絶縁物18でマスキングさ
れていると、電流密度変化や電流の回り込み等の問題点
も解消できると共に陽極電極板9及び陰極電極板10の電
解面長を両面着色ステンレス鋼帯S′の板幅が変化して
もそれに対応することが可能となつて均一な電解処理が
可能となるのである。
〔作用〕
上述のように本発明に係る片面着色ステンレス鋼帯の製
造方法においては、硫酸とクロム酸又はクロム酸塩との
混合水溶液から成る着色浴1に浸漬されて着色皮膜が形
成された両面着色ステンレス鋼帯S′の一方の表層部の
着色皮膜は、電解用直流電源8の正極に接続された陽極
電極板9と両面着色ステンレス鋼帯S′の一方の表層部
との間に流れる電流によつて陰極電解処理されて硬化処
理される。すなわち電解処理により陰極となる両面着色
ステンレス鋼帯S′の表層部で電解処理液中のクロム酸
が電解還元され、着色皮膜の多孔質部に着色皮膜と同質
なクロム酸化物やクロム水酸化物が沈着されることによ
り封孔処理(硬化処理)が行われ、以つて耐食性,耐摩
耗性,耐汚染性のある安定した着色皮膜が形成されるの
である。
一方両面着色ステンレス鋼帯S′の他の表層部の着色皮
膜は、電解用直流電源8の負極に接続された陰極電極板
10と両面着色ステンレス鋼帯S′の他方の表層部との間
に流れる電流によつて上記の陰極電解処理と逆の作用の
陽極電解処理を受けて、主としてクロム酸やクロム水酸
化物から成る着色皮膜が電解処理浴5を構成している酸
性のCrO3水溶液中で溶解除去されるのである。
また、以上のようにして両面着色ステンレス鋼帯S′の
着色皮膜が溶解除去された片面は、そのままの状態でも
良いが、その後に砥粒入りブラシロール11によつて物理
的に研磨除去することにより着色皮膜が全く存在しない
通電性の良い面を構成することができるのである。な
お、このように化学的な溶解除去処理が行われた後に物
理的な研磨除去を行うことは、ステンレス鋼帯の片面を
着色皮膜の全く存在しない面として保証するために好ま
しいが、単に物理的に研磨除去する場合に比べて着色皮
膜の粉末の発生量が著しく少なくなるため、それらの管
理,作業性,環境悪化防止等の面でより好ましいのであ
る。
更に本発明装置によれば上記本発明方法を実施すること
ができるが、特に第2図に示した如き構造の電解槽6を
使用すると、陽極電極板9と陰極電極板10とが電極板連
結材14にピン13でピンジヨイントされており且つその電
極板連結材14の端部同士にピン16でピンジヨイントされ
て電極板連結材14とで平行四辺形状のリンク機構を構成
する横架材15を軸17を中心として回転せしめることによ
つて、陽極電極板9と陰極電極板10とを両面着色ステン
レス鋼帯S′の走行方向に対して回転移動できるのでそ
の結果電解面長を両面着色ステンレス鋼帯S′の板幅方
向に変化せしめることが可能となり、両面着色ステンレ
ス鋼帯S′の板幅が変化してもそれに対応させることが
可能となるのである。そしてそれによつて電流密度変化
や電流の回り込み等の問題点も解消でき、均一な電解処
理が可能となるのである。
〔実施例1〕 第1図及び第2図の装置において砥粒入りブラシロール
11を使用せずに、無着色ステンレス鋼帯SUS 304のBA仕
上材(板厚:0.4mm,板幅:1030mm)を硫酸とクロム酸との
混合水溶液から成る着色浴1に浸漬せしめて濃い金色の
両面着色ステンレス鋼帯S′を得た。次いでこの両面着
色ステンレス鋼帯S′をリン酸とクロム酸との混合水溶
液から成る電解処理浴5で電流密度5A/dm2の条件下で電
解処理した結果、両面着色ステンレス鋼帯S′の陽極電
極板9側の表層部は電解処理浴5中で陰極電解処理を受
けて硬化処理されて赤色に変化し、一方、陰極電極板10
側の表層部は電解処理浴5中で陽極電解処理を受けて着
色皮膜が溶解除去され、一部青色のムラが残存するもの
の大部分は銀白色の通常のステンレス鋼帯Sの肌であつ
た。このようにして得た片面着色ステンレス鋼帯S″を
精整工程(スキンパス,スリツター工程等)を経て片面
着色ステンレス鋼板を製造した。その際、各精整工程に
おけるロール表面への着色皮膜の付着はほとんどなく、
また片面着色ステンレス鋼板の溶接性は良好であつた。
〔実施例2〕 第1図及び第2図の装置に基づいて且つ砥粒入りブラシ
ロール11(圧下量1mm,回転数200rpm)を使用して実施例
1と同じ無着色ステンレス鋼帯Sを同じ処理条件で着色
処理,電解処理,精整,切断等を行つて片面着色ステン
レス鋼板S″を得た。この片面着色ステンレス鋼帯S″
は、その陽極電解処理を受けた表層部の着色皮膜は完全
に除去されており、各精整工程におけるロール表面への
着色皮膜の付着も見られなかつた。更に、その片面着色
ステンレス鋼板の溶接性は非常に良好であつた。
〔発明の効果〕
以上詳述した如く本発明に係る片面着色ステンレス鋼帯
の製造方法は、ステンレス鋼帯を硫酸とクロム酸又はク
ロム酸塩との混合水溶液から成る着色浴に浸漬して従来
と同様にしてその両面に着色皮膜を形成せしめた後に、
その片面を陰極電解処理すると同時に他面を陽極電解処
理することにより、陰極電解処理された片面の着色面が
硬化処理されて耐食性,耐摩耗性を有する面となり、他
の陽極電解処理された片面の着色皮膜が溶解除去されて
ほとんど通常のステンレス鋼帯の肌地となるのである。
その結果、陰極電解処理すなわち着色面の硬化処理後の
工程における各種のロール表面にステンレス鋼帯から剥
離した着色皮膜が付着したり、又それら剥離した着色皮
膜の存在に起因する弊害が防止されるばかりでなく、得
られた片面着色ステンレス鋼板は着色されていない面が
通常のステンレス鋼帯の肌地となるため溶接性も向上す
るのである。
尚、上記方法に引き続いて陽極電解処理を施した片面に
砥粒入りブラシロールを接触回転させて着色皮膜を更に
研磨し除去すれば、多量の着色皮膜の粉末を生じさせる
ことなく上記の本発明方法の効果をより優れたものとす
ることが可能である。
更に、本発明装置は上記利点を有している本発明方法を
有効に実施するための装置であり、特に第2図に示す如
き構造の電解処理槽は両電極板の電解面長を両面着色ス
テンレス鋼帯の板幅方向に変化できる構成となつている
ため、着色ステンレス鋼帯の板幅が変化してもそれに対
応することが可能となり、均一な電解処理が可能とな
る。
本発明は以上の如く、多大な効果を奏するものであり、
その工業的価値は非常に大きなものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る片面着色ステンレス鋼帯の製造方
法の1実施例を示す工程概略図、第2図は第1図の電解
処理槽における電極板と両面着色ステンレス鋼帯との配
置状態を示す1実施例の斜視図である。 図面中 1…着色浴 2…着色槽 3…洗浄装置 4…送板ロール 5…電解処理浴 6…電解処理槽 7…浸漬ロール 8…電解用直流電源 9…陽極電極板 10…陰極電極板 11…砥粒入りブラシロール 12…絶縁物 13…ピン 14…電極板連結材 15…横架材 16…ピン 17…軸 18…絶縁物 S…無着色ステンレス鋼帯 S′…両面着色ステンレス鋼帯 S″…片面着色ステンレス鋼帯

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼帯を硫酸とクロム酸又はクロ
    ム酸塩との混合水溶液から成る着色浴に浸漬して着色皮
    膜を形成せしめた両面着色ステンレス鋼帯を、硫酸又は
    リン酸とクロム酸との混合水溶液から成る電解処理浴中
    で片面を陰極電解処理し他面を同時に陽極電解処理する
    ことを特徴とする片面着色ステンレス鋼帯の製造方法。
  2. 【請求項2】陰極及び陽極電解処理を電流密度0.5〜30A
    /dm2の条件下で行う請求項1に記載の片面着色ステンレ
    ス鋼帯の製造方法。
  3. 【請求項3】陽極電解処理を施した片面を、更に砥粒入
    りブラシロールを接触回転させて研磨する請求項1又は
    2に記載の片面着色ステンレス鋼帯の製造方法。
  4. 【請求項4】ステンレス鋼帯(S)を浸漬してその表裏
    両面に着色皮膜を形成せしめる硫酸とクロム酸又はクロ
    ム酸塩との混合水溶液から成る着色浴(1)が建浴され
    ている着色槽(2)と、該着色槽(2)より引き出され
    た両面着色ステンレス鋼帯(S′)が浸漬される硫酸又
    はリン酸とクロム酸との混合水溶液から成る電解処理浴
    (5)が建浴されている電解処理槽(6)とを備えてお
    り、該電解処理槽(6)の電解処理浴(5)中の両面着
    色ステンレス鋼帯(S′)の通板面に面した片側に陽極
    電極板(9)がまた該陽極電極板(9)と両面着色ステ
    ンレス鋼帯(S′)を挟んだ反対側に陰極電極板(10)
    がそれぞれ配置されておりこの陽極電極板(9)と陰極
    電極板(10)とがそれぞれ電解用直流電源(8)の正極
    及び負極に接続されていることを特徴とする片面着色ス
    テンレス鋼帯の製造装置。
  5. 【請求項5】陽極電極板(9)と陰極電極板(10)とが
    電解処理槽(6)の電解処理浴(5)中に浸漬されて通
    板される両面着色ステンレス鋼帯(S′)の幅よりも長
    い長方形であつて、その両端がそれぞれ電解処理槽
    (6)の電解処理浴(5)外で絶縁物(12)を介して絶
    縁材より成るピン(13)で絶縁状態にピンジヨイントさ
    れて組をなしていると共に、この複数組の両電極板
    (9),(10)が両面着色ステンレス鋼帯(S′)の通
    板面中央位置であつて電解処理槽(6)の入側及び出側
    に設けられている軸(17)を回転中心として回転せしめ
    られる横架材(15)にそれぞれ両端がピン(16)でピン
    ジヨイントされて横架材(15)とで平行四辺形状に連結
    されている電極板連結材(14)に前記ピン(13)でピン
    ジヨイントされている請求項4に記載の片面着色ステン
    レス鋼帯の製造装置。
  6. 【請求項6】両電極板(9)及び(10)の両面着色ステ
    ンレス鋼帯(S′)に投影される面以外の面をなす両端
    が絶縁物(18)でマスキングされている請求項5に記載
    の片面着色ステンレス鋼帯の製造装置。
JP1004853A 1989-01-13 1989-01-13 片面着色ステンレス鋼帯の製造方法及び装置 Expired - Lifetime JPH07100879B2 (ja)

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