JPH0710022Y2 - パティキュレートトラップフィルタの再生装置 - Google Patents

パティキュレートトラップフィルタの再生装置

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JPH0710022Y2
JPH0710022Y2 JP1989118193U JP11819389U JPH0710022Y2 JP H0710022 Y2 JPH0710022 Y2 JP H0710022Y2 JP 1989118193 U JP1989118193 U JP 1989118193U JP 11819389 U JP11819389 U JP 11819389U JP H0710022 Y2 JPH0710022 Y2 JP H0710022Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はディーゼル機関における燃焼排出ガス中のパテ
ィキュレートを捕集し燃焼して除去するためのパティキ
ュレートトラップフィルタの再生装置に関するものであ
る。
［従来の技術］ 従来よりディーゼル機関においては、燃焼時に発生する
カーボン粒子等のパティキュレートが黒煙となって大気
中に排出されることを防止するため、排気管路中に前記
パティキュレートを捕集するパティキュレートトラップ
フィルタを備えた排気浄化装置が設けられているが、長
期間の使用等により排気浄化装置の円筒状容器に収納さ
れたパティキュレートトラップフィルタが目詰りを起こ
すと、背圧が高くなりディーゼル機関の出力が低下す
る。そこで、前記排気浄化装置には定期的にあるいは背
圧が一定以上になった時に、前記パティキュレートトラ
ップフィルタの濾過面に堆積したカーボン粒子等のパテ
ィキュレートを燃焼させることにより目詰りを解消させ
るバーナー装置が備えられている。
しかし乍ら、前記バーナー装置のバーナーからの火炎を
そのままパティキュレートトラップフィルタに流すと、
該火炎の流れはパティキュレートトラップフィルタの外
周部より中央部に多く流れるため中央部は温度が高くな
る傾向にあり、カーボン粒子等のパティキュレートが均
一に燃焼されず、その上、前記パティキュレートトラッ
プフィルタが局部的に加熱されパティキュレートトラッ
プフィルタの外周部と中央部に発生する熱応力から外周
部と中央部との間で亀裂等の破損を生じたり、限界温度
に達すると溶損したりする恐れが大であった。
そこで上記課題を解決するために、バーナー装置のバー
ナーからの火炎を排気管路の周縁側に偏らせる流量調整
部材をパティキュレートトラップフィルタとバーナー装
置の間に取付けたパティキュレートトラップフィルタの
再生装置が実開平１−15713号公報等に提案されてい
る。
［考案が解決しようとする課題］ しかし乍ら、前記パティキュレートトラップフィルタの
再生装置は、バーナーからの火炎の流れを排気管路の周
縁側に偏らせる流量調整部材をパティキュレートトラッ
プフィルタの端部と対向する位置に取付けたことから、
バーナーからの火炎の流速が遅くなると該火炎の流れは
自然対流となり、前記流量調整部材による排気管路の周
縁側に偏らせる効果が相乗的に作用し、火炎の流れは排
気管路の上部に流れ易くなり、パティキュレートトラッ
プフィルタの外周部上部の温度が中央部より約400℃以
上高くなる。また、バーナーからの火炎が排気管路に対
し斜めに噴射された場合には、前記火炎は排気管路の下
部に当たり、次いで該火炎の流れは前記流量調整部材の
下部に沿ってながれるため、パティキュレートトラップ
フィルタの外周部下部の温度が前記と同様に中央部より
約400℃以上高くなる。
即ち、火炎の流速の変動や火炎の噴射角度により、例え
ば燃焼排出ガスの流量が小となるアイドリング時には火
炎の分布が変化して一部に偏ることから、前記流量調整
部材を設けたパティキュレートトラップフィルタの再生
装置であってもなお、捕集された前記パティキュレート
を均一に燃焼させることができず、背圧が次第に上昇
し、ディーゼル機関の出力が低下したり、局所的な加熱
によりパティキュレートトラップフィルタの亀裂等の破
損や溶損の可能性があるという問題があった。
［考案の目的］ 本考案は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は
火炎の流速の変動や火炎の噴射方向が燃焼排出ガスの流
れ方向と交差していた場合でも、パティキュレートトラ
ップフィルタに亀裂等の破損や溶損を発生したりするこ
となく、捕集されたパティキュレートを均一に燃焼し
て、パティキュレートトラップフィルタの目詰りを解消
させることができるパティキュレートトラップフィルタ
の再生装置を提供することにある。
［課題を解決するための手段］ 本考案のパティキュレートトラップフィルタの再生装置
は、排気管路に設けたパティキュレートトラップフィル
タとバーナー装置の間に、複数の貫通孔を有する火炎用
整流板あるいは該火炎用整流板とセラミック製ハニカム
円板状体をバーナー装置側より順次設けるとともに、バ
ーナー装置の火炎噴射角度をパティキュレートトラップ
フィルタの軸芯の延長線に対して35乃至55度で交差する
様にバーナー装置を当該フィルタの上流に配設し、火炎
用整流板はパティキュレートトラップフィルタの軸芯の
延長線に対して前記バーナー装置の火炎噴射角度よりさ
らに10乃至20度角度を増して交差する様に設け、かつ火
炎用整流板はバーナー装置からの火炎が直接当たる面上
に平行な複数のフィンを有することを特徴とするもので
ある。
前記パティキュレートトラップフィルタの再生装置にお
いて、当該フィルタの上流に配設した前記バーナー装置
からの火炎噴射角度が35度未満になるとパティキュレー
トトラップフィルタの中央部より下方の温度を高くする
ことができず、前記角度が55度を越えると逆にパティキ
ュレートトラップフィルタの外周部下方が集中的に高温
となり、その上、バーナーの良好な燃焼状態が得られな
い。
また、火炎用整流板の配置角度は前記火炎噴射角度との
相関により火炎の流れが左右されるため、前記配置角度
は設定された火炎噴射角度よりさらに10乃至20度の範囲
内で大きく設定しなければ火炎の流れに偏りを生じる。
以上の結果、前記火炎噴射角度及び火炎用整流板の配置
角度は前記請求範囲内に特定され、それによりパティキ
ュレートトラップフィルタ入口での火炎温度のバラツキ
は最大100℃程度となる。
一方、前記火炎用整流板に穿設した複数の貫通孔は、そ
の直径が３乃至10mm、好ましくは直径5.5mm程度が均一
な火炎の温度分布となる。その上、前記貫通孔が占める
開口部の面積の合計は、貫通孔の開口部を包含する火炎
用整流板の平面の面積の25乃至35％の範囲内であれば適
度の乱流を生じて均一な火炎の温度分布が得られる。
更に、前記火炎用整流板のバーナーから噴射された火炎
が直接当たる表面に、該火炎を拡散するため火炎の流れ
を排気管路内に分岐させるフィンを設けることにより、
前記貫通孔の効果と相俟ってパティキュレートトラップ
フィルタ入口での火炎の温度差は100℃以内となる。
尚、前記フィンの高さは２乃至8mm、望ましくは4.5乃至
5.5mmでかつ該火炎用整流板上のフィンの高さはバーナ
ー装置に近い程、低くかつバーナー装置より遠い程、高
く平行に設けることよりも最も均一に火炎の流れを分岐
することができる。
また、前記火炎用整流板には窒化珪素（Si3N4）、炭化
珪素（SiC）、コージライト（2MgO・２Al2O3・5Si
O2）、ムライト（３Al2O3・2SiO2）等のセラミック焼結
体またはステンレス鋼等の耐熱合金が適用できる。
更に、バーナー装置から噴射される火炎は定常ではな
く、いわゆる脈動があり、該脈動は約80℃程度の温度差
を生じるため、前記火炎用整流板の下流側直後、該火炎
用整流板とパティキュレートトラップフィルタの間にセ
ラミック製ハニカム円板状体をパティキュレートトラッ
プフィルタの軸芯の延長線上に垂直に設けることによ
り、前記温度差を10℃以内に制御することができる。
尚、前記セラミック製ハニカム円板状体はコージライト
（2MgO・２Al2O3・5SiO2）、窒化珪素（Si3N4）等から
成るセラミック焼結体が適用でき、そのセル数は焼結排
出ガスの圧力損失と火炎の整流の点から１平方インチ当
り50乃至100個が望ましい。
［実施例］ 以下、本考案を詳細に説明する。
第１図は本考案に係る一実施例としてのパティキュレー
トトラップフィルタの再生装置の断面図であり、第２図
は第１図に示すパティキュレートトラップフィルタの再
生装置に用いる火炎用整流板の斜視図である。
第１図及び第２図において、１は排気管路、２は円筒状
容器３に収納したパティキュレートトラップフィルタ、
４はパティキュレートトラップフィルタ２の上流に設け
たバーナー装置で、パティキュレートトラップフィルタ
２とバーナー装置４の間には上流側より火炎用整流板５
とセラミック製ハニカム円板状体６が設けられてパティ
キュレートトラップフィルタの再生装置が構成されてい
る。
前記再生装置の稼動に際しては、先ずパティキュレート
トラップフィルタ２の上流に設けたバーナー装置４に着
火して火炎を噴射し、噴射された火炎が該火炎の噴射口
７よりはるかに大きい直径を有する円筒状容器３にパテ
ィキュレートトラップフィルタ２の軸芯８の延長線に対
してバーナー装置４の火炎噴射角度９より更に10乃至20
度角度を増して交差する様に設けた火炎用整流板５に当
たり、火炎用整流板５に穿設された複数の貫通孔10によ
り火炎の流れに乱流を発生させるとともに、火炎用整流
板５表面に平行に設けた複数のフィン11により火炎の流
れが分岐される。次いで火炎用整流板５の下流側でかつ
パティキュレートトラップフィルタ２直前にパティキュ
レートトラップフィルタ２の軸芯８の延長線に対し垂直
に設けたセラミック製ハニカム円板状体６により火炎の
脈動による温度差を少なくして、パティキュレートトラ
ップフィルタ２の上流側前面に均一に火炎が流れること
になる。
次に本考案に係るパティキュレートトラップフィルタの
再生装置の実施例を詳述する。
排気管路１に設けた円筒状容器３内に、直径200mmのコ
ージライト製のハニカム構造体から成るパティキュレー
トトラップフィルタ２を収納し、該パティキュレートト
ラップフィルタ２の上流に火炎噴射角度９が前記パティ
キュレートトラップフィルタ２の軸芯８の延長線と45度
の角度で交差する様に、直径40mmの火炎噴射口を有する
バーナー装置４を設定し、更に窒化珪素質焼結体から成
る直径5.5mmの複数の貫通孔10を有し、該貫通孔10の開
口部12の面積の合計が、火炎用整流板５の面積の約30％
を占める短辺が200mm、長辺が約230mmの楕円形状の火炎
用整流板５をパティキュレートトラップフィルタ２の軸
芯８の延長線と60度の角度で交差する様に設置したパテ
ィキュレートトラップフィルタの再生装置に、前記バー
ナー装置４より種々の流速の火炎を噴射し、火炎用整流
板５の下流で円筒状容器３内部の垂直方向の温度分布を
測定したところ、火炎用整流板５を設けない場合には前
記温度分布は最大約400℃もの温度差を生じていたもの
が、約200℃の温度差に著しく小となった。
更に、前記火炎用整流板５の火炎が当たる表面上に、該
表面より突出した厚さ1mm、高さ4.5乃至5.5mmのフィン1
1をバーナー装置４より遠くなれば高くなる様に、かつ
バーナー装置４に近い火炎用整流板５の前記長辺の最上
端より45mm、75mm105mm、135mmの位置に４ヶ所設置し、
前記と同様に火炎を流し、円筒状容器３内部の垂直方向
の温度分布を測定したところ約100℃以下の温度差にま
で小さくなった。
更に、前記フィン付の火炎用整流板５の下流側にセル数
が１インチ平方当り82個のコージライト製のハニカム円
板状体６を設け、火炎を流して該火炎の脈動による前記
ハニカム円板状体６の下流の同一点での温度変化を測定
したところ約10℃以下と極めて小さく抑制することが可
能となった。
以上の結果、パティキュレートトラップフィルタの入口
での火炎の温度分布をほぼ均一に制御できることが確認
されている。
［考案の効果］ 本考案のパティキュレートトラップフィルタの再生装置
は、パティキュレートトラップフィルタの軸芯の延長線
に交差する火炎噴射角度を有するバーナー装置と、前記
火炎噴射角度より更に角度を増して複数の貫通孔を有す
るフィン付の火炎整流板もしくは該火炎整流板とその下
流側にハニカム円板状体の両方を設けたことから、火炎
の流速の変動にかかわらず、パティキュレートトラップ
フィルタの入口の火炎の温度分布をほぼ均一にすること
ができ、捕集したパティキュレートを一様に燃焼してパ
ティキュレートトラップフィルタの目詰りを一様に排除
することができることから、パティキュレートトラップ
フィルタの破損や溶損することがなく、耐久性に優れた
信頼性の高いパティキュレートトラップフィルタの再生
装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本考案に係るパティキュレートトラップフィル
タの再生装置の一実施例を示す断面図、第２図は第１図
の火炎用整流板の斜視図である。 １……排気管路 ２……パティキュレートトラップフィルタ ３……円筒状容器 ４……バーナー装置 ５……火炎用整流板 ６……セラミック製ハニカム円板状体 ８……軸芯 ９……火炎噴射角度 10……貫通孔 11……フィン

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項１】排気管路に設けた円筒状容器と、該容器内
    に収納した燃焼排出ガス中のパティキュレートを捕集す
    るパティキュレートトラップフィルタと、捕集したパテ
    ィキュレートを燃焼させるため当該フィルタの上流に設
    けたバーナー装置を備えたパティキュレートトラップフ
    ィルタの再生装置において、バーナー装置の火炎噴射角
    度をパティキュレートトラップフィルタの軸芯の延長線
    に対して35乃至55度で交差する様に配設するとともに、
    前記パティキュレートトラップフィルタとバーナー装置
    の間に、パティキュレートトラップフィルタの軸芯の延
    長線に対して前記バーナー装置の火炎噴射角度より更に
    10乃至20度角度を増して交差する様に複数の貫通孔を有
    する火炎用整流板を、あるいは該火炎用整流板とその下
    流に更にセラミック製ハニカム円板状体を設けたことを
    特徴とするパティキュレートトラップフィルタの再生装
    置。
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