JPH0699541A - 複合型制振金属板 - Google Patents

複合型制振金属板

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JPH0699541A
JPH0699541A JP4252769A JP25276992A JPH0699541A JP H0699541 A JPH0699541 A JP H0699541A JP 4252769 A JP4252769 A JP 4252769A JP 25276992 A JP25276992 A JP 25276992A JP H0699541 A JPH0699541 A JP H0699541A
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JP
Japan
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vibration
damping
metal plate
resin
damping metal
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Pending
Application number
JP4252769A
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English (en)
Inventor
Yasunobu Uchida
康信 内田
Kunihiko Eguchi
邦彦 江口
Seiji Sakamoto
誠司 坂本
Hidetaka Sugibe
英孝 杉辺
Fuminori Mukohara
文典 向原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トルクダウンが少くかつスポット溶接性にす
ぐれた制振鋼板を得る。 【構成】 2板の鋼板の間に、中間層として導電性フィ
ラーを含有する粘弾性樹脂層を介在する複合型制振鋼板
であって、樹脂の制振性能が最大となる温度における溶
融粘度が10,000ポアズ以上、かつ 200℃における溶融粘
度が5,000 ポアズ以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2枚の鋼板の間に樹脂
層を形成してなる複合型制振鋼板等の制振金属板に関
し、特にスポット溶接性にすぐれ、かつ、ボルトなどで
締め付け後の締結緩みが小さく、自動車、建築、電機材
料等、スポット溶接およびボルト等の締め付けの要求さ
れる部位においても、振動・騒音抑制用材料として幅広
く利用できる複合型制振金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業機械や家庭電器製品の普及に
より、各種機器より発生する騒音、振動が保健衛生ある
いは環境保全の面から問題視されるようになってきた。
特に自動車等の輸送機器の普及は著しく、これらの発生
する騒音は重大な社会問題となっている。
【0003】この対策の1つとして、制振鋼板などの制
振金属板の使用がある。制振金属板には防振合金を使用
するもの、金属板の片面に制振材料を貼りあわせた2層
型(非拘束型)、2枚の金属板の中間に芯材樹脂を挟ん
だ3層型(拘束型)などがあり、それぞれ広い範囲の分
野で採用されつつある。特に複合拘束型制振金属板(以
下、単に制振金属板という)は、中間層の粘弾性物質の
剪断変形による内部摩擦を利用して振動を減衰させるも
のであり、上記各種のうちで最も制振性能に優れている
上、そのままでプレス加工等の2次加工が可能で、通常
の鋼板と同様に取り扱うことができるという利点があ
る。
【0004】従来の制振金属板では、制振性能や接着性
能等の基本性能に関する性能向上手段の報告は数多く出
されていたが、制振金属板をボルト等で締結した後、経
時とともに締結部が徐々に緩む、いわゆるトルクダウン
現象の改良手段に関してはほとんど報告されていなかっ
た。また、スポット溶接性について、中間樹脂中に配合
する導電性フィラーに関しては、あらゆる観点から追求
されており、非常に効果のある報告も数多いが、スポッ
ト溶接性は基本的には、中間樹脂とフィラーの相関関係
により決まるものであり、一方だけからのアプローチで
は本質改善とはならない。そこで本発明者らは、このよ
うな制振金属板の中間樹脂として、制振性と接着性、耐
久性、耐熱性等のバランスにすぐれた重量平均分子量
5,000以上で軟化点が50℃ないし 150℃の飽和共重合ポ
リエステルと多価イソシアナート化合物の架橋材からな
る複合型制振鋼板用樹脂を開発し、これが特開昭64-488
13号公報により公開されている。
【0005】しかしながら、このような従来提案されて
いる制振金属板用樹脂は、いずれも制振性能のピーク温
度近傍における凝集力(弾性率)は極めて小さく、弾性
領域ではなく粘性領域に属する状態である。制振金属板
はその目的から、制振性能のピーク温度付近の温度で使
用するのが最も望ましいが、実際の使用環境においては
中間樹脂層は粘性領域に近くなっている。このような状
態で、制振金属板をボルト等で組立て加工を施した場
合、長期使用中に締め付け部が徐々に緩んでくる、前記
のトルクダウン現象が発生する。一般にトルクダウンは
樹脂系素材においては不可避である。樹脂材料のトルク
ダウンが樹脂そのもののガラス状態での緩和現象に起因
するものであるのに対して、制振金属板用樹脂のように
ゴム領域に曝されるものはトルクダウンの度合い(トル
クダウン値)が大きい。
【0006】一方、制振金属板にスポット溶接性を付与
するための中間樹脂層中に混入させる導電性フィラーに
ついて、導電性フィラーの量やサイズを限定したとして
も、溶接時に中間樹脂層が流動しない場合、即ち高温下
での樹脂の溶融粘度が大きい場合は、スポット溶接性は
改善されない。以上のことから、複合制振金属板におい
ては、良好な溶接性の付与とトルクダウンの抑制は二律
背反することであり、両性能をバランス良く有する複合
制振金属板が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決し、長期使用しても締結したボルトの緩みが小さ
く、(トルクダウンが少く)スポット溶接性も良好な複
合型制振金属板を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者等は鋭意検討し、樹脂の溶融粘度を特定の
範囲とすることで、長期使用時のトルクダウンが少く、
かつ良好なスポット溶接性を得ることを見出し、本発明
に到った。すなわち、本発明は、2枚の金属板の間に、
中間層として導電性フィラーを含有する粘弾性樹脂層を
介在させた複合型制振金属板であって、前記粘弾性樹脂
の制振性能が最大となる温度における溶融粘度が10,000
ポアズ以上であり、かつ 200℃における溶融粘度が5,00
0 ポアズ以下であることを特徴とする複合型制振金属板
である。
【0009】
【作用】制振金属板のトルクダウンは室温においても発
生するが、中間樹脂層の厚みが薄いために、一般のプラ
スチック材料(板)に比較して、トルクダウン値は低
い。制振金属板で問題となるのは、制振金属板の使用環
境温度、即ち制振性能のピーク温度におけるトルクダウ
ンである。
【0010】中間樹脂が常温用樹脂以外の場合、制振性
能のピーク温度近傍においては、中間樹脂はゴム状態も
しくは粘性状態となっており、高加圧下では樹脂は流動
(移動)しやすい状態である。ボルトの締め付けは通常
は室温で行うため、常温用樹脂以外はガラス状態にあ
り、樹脂は弾性変形を起すのみで、ボルト締め付け時の
樹脂流動はおこらない。このように室温でボルト締めさ
れた制振金属板を制振ピーク温度に曝すと、樹脂層に保
存された内部応力のために樹脂は流動し、ボルトとナッ
ト間のギャップの緩み、即ちトルクダウンが発生する。
常温用樹脂の場合には、ボルトの締め付けが制振性能の
ピーク温度近傍で行われるので、ボルト締め付け時にボ
ルト(ナット)直下の樹脂がある程度流動する。そのた
め、製品に組み込まれてからのトルクダウンは比較的小
さいが、やはり徐々にボルト(締結部)は緩む。
【0011】以上のような現象は、樹脂の流動特性に支
配される。本発明者らは、このような事実に鑑み、樹脂
の流動抑制を目的に制振金属板の使用温度における樹脂
の溶融粘度を特定値以上、具体的には10,000ポアズ以上
とすることでトルクダウン防止に顕著な効果があること
を見出した。トルクダウンを防止するためには、樹脂の
溶融粘度は高ければ高いほど効果があるが、後で述べる
スポット溶接性との両立を考慮すると、10,000ポアズ以
上、より好適には30,000ポアズ以上が望ましい。
【0012】一方、制振金属板のスポット溶接性は、中
間樹脂層中に導電性フィラーを混入させることで一応は
達成できるが、通電初期の樹脂の流動性が低い場合はス
ポット溶接条件が極めて狭いものとなり、現実には生産
現場における溶接欠陥の多発につながっていた。本発明
者らは、スポット溶接における通電初期の樹脂流動性向
上を目的に、樹脂の溶融粘度の検討を行った結果、 200
℃における樹脂の溶融粘度を 5,000ポアズ以下とするこ
とで、良好なスポット溶接を得ることを見出した。スポ
ット溶接性をより向上させるためには、 200℃における
樹脂の溶融粘度は低ければ低いほど良いが、実用上は
5,000ポアズ以下で充分効果がある。より好ましくは3,0
00 ポアズ以下である。
【0013】なお、本発明によれば、中間樹脂層に混入
させる導電性フィラーは特に限定されないが、粒子直径
が中間樹脂層の厚み以上である鉄、ステンレス、ニッケ
ル、銅等の金属粉を、中間樹脂中に0.5vol%以上配合す
ることが望ましい。より望ましくは、粒子直径(d)と
樹脂厚(t)との比(d/t)が 1.0〜2.5 である金属
粉を 0.5〜3.0vol%配合することである。これらの範囲
を外れた場合は、スポット溶接性、制振性能、接着性能
等が劣化する場合がある。
【0014】本発明によれば、制振金属板の実用レベル
での問題である、トルクダウンおよびスポット溶接性の
改善を、樹脂の基本物性からの具体的指針として得るこ
とができるようになったため、上記問題の本質改善が可
能となった。また、トルクダウンの改善と良好なスポッ
ト溶接性付与の両立を達成することができ、自動車、建
材、電機等、制振金属板をスポット溶接とボルト締めの
両方で施工する部位に使用すると、極めて効果的であ
る。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。まず、本実施例の制振金属板をつぎのようにし
て作製した。0.5mm 厚みの冷間圧延鋼板(SPCC-SD) を脱
脂した後、直径65μmのニッケル粉を表1に示す各樹脂
の溶解液に混合し、攪拌しながら前記の鋼板(2枚)に
塗布した。含有溶剤を乾燥後、2枚の鋼板を合わせ、ホ
ットプレス圧着し制振鋼板を得た。なお、圧着後の中間
樹脂層の厚みは50μmとした。また、ニッケル粉の配合
量は制振鋼板の中間樹脂層に対して1.0vol%とした。
【0016】このようにして得られた表1に示す実施例
と、比較例の鋼板について、つぎの各項目の測定を行っ
た。 トルクダウンの測定 この制振鋼板を50×50mmに裁断し、その中央部に 8.5mm
φのボルト通し用の穴を開け、M8のボルトをトルクレ
ンチを用いて200kgf・cmのトルクで締め付けた。ボルト
締めした制振鋼板を、制振性のピーク温度に設定した恒
温層に入れ1週間保持した後23℃に冷却し、再びトルク
レンチで締め付けを開始し、その際、ボルトまたはナッ
トのいずれかが動きはじめた瞬間のトルク(残存トル
ク)を測定した。
【0017】 スポット溶接性 加圧力200kgf、電流8kA、通電8サイクル、電極チップ
8R球、の条件でダイレクトスポット溶接を行い、試験
回数n= 100における溶接成功率(%)で評価した。 制振性 20mm×300mm のサイズに加工し、1000Hzの損失係数
(η)を機械インピーダンス法により測定した。
【0018】上記結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】この表で明らかなように、本発明の要件に
適合する実施例1ないし3の樹脂においてはトルクダウ
ンの程度を示す残存トルク、ならびにスポット溶接性と
もに満足すべき値を示しているが、比較例1は制振性能
はなく、比較例2ではスポット溶接性が劣り、比較例3
では大幅なトルクダウンが認められる。なお、上記実施
例の金属板として鋼板の例を示しているが、本発明のス
キンプレートとしては普通鋼板の他、ステンレス鋼板、
アルミニウムその他、目的に応じ任意の金属板が使用で
きる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、通常鋼
板を使用した場合と同等のボルト締め付けトルクの保持
特性とスポット溶接性を兼ね備えた制振金属板を得るこ
とができ、振動・騒音防止材料として、自動車業界、土
木建築業界、電機業界等において、スポット溶接とボル
ト締めの両方の施工を行う部材向けに制振金属板が幅広
く使用できるという効果がある。
フロントページの続き (72)発明者 坂本 誠司 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 杉辺 英孝 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 向原 文典 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の金属板の間に、中間層として導電
    性フィラーを含有する粘弾性樹脂層を介在させた複合型
    制振金属板であって、前記粘弾性樹脂の制振性能が最大
    となる温度における溶融粘度が10,000ポアズ以上であ
    り、かつ前記粘弾性樹脂の 200℃における溶融粘度が5,
    000 ポアズ以下であることを特徴とする複合型制振金属
    板。
JP4252769A 1992-09-22 1992-09-22 複合型制振金属板 Pending JPH0699541A (ja)

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