JPH0699457A - 両面転写射出成形品の製造方法及び成形金型並びに射出成形品 - Google Patents
両面転写射出成形品の製造方法及び成形金型並びに射出成形品Info
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- B29C2045/14532—Joining articles or parts of a single article injecting between two sheets
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は射出成形品をキャビティ内で成形する
際に、この射出成形品の表裏両面に転写フィルムの図柄
を転写させて加飾を施すことを目的とした製造方法及び
成形金型である。 【構成】下面にキャビティ１０を有し、内部にバキュー
ム用ホール１１を有しかつ側面にバキューム用スリット
１２を有する入子ブロック８を固定側型板１に埋設し、
キャビティ１０の底面に供給される一対の転写フィルム
１４，１５の内の一方を入子ブロック８の下面に吸着固
定し得るように構成した成形金型。
際に、この射出成形品の表裏両面に転写フィルムの図柄
を転写させて加飾を施すことを目的とした製造方法及び
成形金型である。 【構成】下面にキャビティ１０を有し、内部にバキュー
ム用ホール１１を有しかつ側面にバキューム用スリット
１２を有する入子ブロック８を固定側型板１に埋設し、
キャビティ１０の底面に供給される一対の転写フィルム
１４，１５の内の一方を入子ブロック８の下面に吸着固
定し得るように構成した成形金型。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、射出樹脂成形品の射出
成形の際にその表裏両面に同時に転写フィルムから所定
の図柄を転写させることが出来る両面転写射出成形品の
製造方法と、その両面転写射出成形品を製造するための
成形金型と、並びに射出成形品に関するものである。
成形の際にその表裏両面に同時に転写フィルムから所定
の図柄を転写させることが出来る両面転写射出成形品の
製造方法と、その両面転写射出成形品を製造するための
成形金型と、並びに射出成形品に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の射出成形品の表面に転写フィルム
から図柄を転写させて絵付成形品を製造する方法と、及
びその絵付成形品を製造するための成形金型の技術とし
ては、本件特許出願人が開発した特公昭６０−１１６０
７号公報（第１公知技術）が公知である。この技術はエ
ンドレス状の転写ホイルを成形金型のキャビティ内に送
り、かつ該転写ホイルを加熱軟化させると共にこれをキ
ャビティ内に吸着固定させた後で、キャビティ内に溶融
樹脂を射出して樹脂成形品を成形すると同時に、その表
面に転写ホイルの図柄を転写させる技術である。
から図柄を転写させて絵付成形品を製造する方法と、及
びその絵付成形品を製造するための成形金型の技術とし
ては、本件特許出願人が開発した特公昭６０−１１６０
７号公報（第１公知技術）が公知である。この技術はエ
ンドレス状の転写ホイルを成形金型のキャビティ内に送
り、かつ該転写ホイルを加熱軟化させると共にこれをキ
ャビティ内に吸着固定させた後で、キャビティ内に溶融
樹脂を射出して樹脂成形品を成形すると同時に、その表
面に転写ホイルの図柄を転写させる技術である。
【０００３】所で、この第１公知技術では、成形される
樹脂成形品の両面に同時に図柄を転写させることが出来
ないため、加飾領域が限定せれたり、或いは加飾されな
い他の片面には後工程で図柄を転写させなければなら
ず、作業が複雑でコスト高になる問題があった。
樹脂成形品の両面に同時に図柄を転写させることが出来
ないため、加飾領域が限定せれたり、或いは加飾されな
い他の片面には後工程で図柄を転写させなければなら
ず、作業が複雑でコスト高になる問題があった。
【０００４】最近になって、例えば特開昭６２−２２７
６１３号公報（第２公知技術）、特開平１−１１０９２
４号公報（第３公知技術）、特開平４−２０８４２３号
公報（第４公知技術）等に示す如く、射出成形品の両面
に同時に転写フィルムの図柄を転写させ、表裏両面を同
時に加飾させることが出来る技術も公知である。
６１３号公報（第２公知技術）、特開平１−１１０９２
４号公報（第３公知技術）、特開平４−２０８４２３号
公報（第４公知技術）等に示す如く、射出成形品の両面
に同時に転写フィルムの図柄を転写させ、表裏両面を同
時に加飾させることが出来る技術も公知である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】然るに、上記公知技術
の中で、第２公知技術では中央部に貫通孔が穿設された
ガイドクランプを２枚の転写フィルム間に挟み込み、か
つこのガイドクランプの貫通孔に当接される一方の転写
フィルムに穴を穿設し、この穴及びガイドクランプの貫
通孔を介して溶融樹脂を２枚の転写フィルムの間に充填
していたが、一方の転写フィルムに特別な穴あけ機構を
用いてかん欠的に穴を穿設しなければならないので、構
造が極めて複雑になる問題があった。
の中で、第２公知技術では中央部に貫通孔が穿設された
ガイドクランプを２枚の転写フィルム間に挟み込み、か
つこのガイドクランプの貫通孔に当接される一方の転写
フィルムに穴を穿設し、この穴及びガイドクランプの貫
通孔を介して溶融樹脂を２枚の転写フィルムの間に充填
していたが、一方の転写フィルムに特別な穴あけ機構を
用いてかん欠的に穴を穿設しなければならないので、構
造が極めて複雑になる問題があった。
【０００６】また、第３公知技術では、左右の移動型の
間にキャビティを有する中枠を挿入し、かつこの中枠の
両側に夫々転写フィルムを配し、左右の移動型を移動さ
せることによって転写フィルムを中枠のキャビティの両
側に移動させ、この状態でキャビティ内に樹脂を射出す
ることによって成形と転写とを行う技術であるが、作業
工程が複雑で、かつ精度に問題があった。
間にキャビティを有する中枠を挿入し、かつこの中枠の
両側に夫々転写フィルムを配し、左右の移動型を移動さ
せることによって転写フィルムを中枠のキャビティの両
側に移動させ、この状態でキャビティ内に樹脂を射出す
ることによって成形と転写とを行う技術であるが、作業
工程が複雑で、かつ精度に問題があった。
【０００７】更に、第４公知技術は円筒状の可動金型の
両側に夫々円弧状のスライド金型を配し、可動金型とこ
れ等のスライド金型との間に転写フィルムを供給するこ
とによって、外周面全面に加飾が施された射出樹脂成形
品を製造する技術であるが、この技術は円筒或いは円柱
状の成形品を製造する場合にのみしか利用出来ない問題
があった。
両側に夫々円弧状のスライド金型を配し、可動金型とこ
れ等のスライド金型との間に転写フィルムを供給するこ
とによって、外周面全面に加飾が施された射出樹脂成形
品を製造する技術であるが、この技術は円筒或いは円柱
状の成形品を製造する場合にのみしか利用出来ない問題
があった。
【０００８】本発明に係る製造方法及び成形金型並びに
射出成形品は、前述の従来の問題点に鑑み開発された技
術であって、キャビティ内に並列して供給される転写フ
ィルム間に溶融樹脂をスムーズにかつ安定した状態で供
給し、キャビティ内で射出成形品を成形すると同時に、
その表裏両面に転写フィルムから図柄を転写して加飾す
ることが出来る全く新しい技術を提供するものである。
射出成形品は、前述の従来の問題点に鑑み開発された技
術であって、キャビティ内に並列して供給される転写フ
ィルム間に溶融樹脂をスムーズにかつ安定した状態で供
給し、キャビティ内で射出成形品を成形すると同時に、
その表裏両面に転写フィルムから図柄を転写して加飾す
ることが出来る全く新しい技術を提供するものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明に係る両者転写射
出成形品の製造方法は、前述の従来の問題点を根本的に
改善した技術であって、その要旨は、複数の金型により
構成されるキャビティ内で樹脂成形品を成形すると同時
に、該樹脂成形品の表裏両面に転写フィルムから所定の
図柄を転写させる射出成形品の製造方法に於いて、前記
キャビティに２枚一対の転写フィルムを並列して供給
し、かつ一方の転写フィルムを金型によって吸着固定さ
せ、更に一対の転写フィルム間に溶融樹脂を射出するこ
とによってキャビティ形状に合致した射出成形品を成形
すると同時に、該射出成形品の表裏両面に一対の転写フ
ィルムより図柄を転写することを特徴とした両面転写射
出成形品の製造方法である。
出成形品の製造方法は、前述の従来の問題点を根本的に
改善した技術であって、その要旨は、複数の金型により
構成されるキャビティ内で樹脂成形品を成形すると同時
に、該樹脂成形品の表裏両面に転写フィルムから所定の
図柄を転写させる射出成形品の製造方法に於いて、前記
キャビティに２枚一対の転写フィルムを並列して供給
し、かつ一方の転写フィルムを金型によって吸着固定さ
せ、更に一対の転写フィルム間に溶融樹脂を射出するこ
とによってキャビティ形状に合致した射出成形品を成形
すると同時に、該射出成形品の表裏両面に一対の転写フ
ィルムより図柄を転写することを特徴とした両面転写射
出成形品の製造方法である。
【００１０】また、本発明に係る両面転写射出成形品の
成形金型の要旨は、固定側型板と可動側型板とでキャビ
ティを形成し、かつ該キャビティ内に２枚一対の転写フ
ィルムを供給し得る成形金型に於いて、一方の転写フィ
ルムを一時的に吸着固定し得る吸着装置を具備した入子
ブロックを前記固定側型板の一部に設けて構成したこと
を特徴とした成形金型である。更に本発明に係る射出成
形品は、射出成形品自体を透明、半透明或いは不透明に
し、かつこの射出成形品の表裏両面に転写フィルムより
転写された図柄が、透かし印刷，艶消し印刷等のグラデ
ーション印刷層，金属蒸着層或いはコーティング層等よ
り選択された図柄であることを特徴とした射出成形品で
ある。
成形金型の要旨は、固定側型板と可動側型板とでキャビ
ティを形成し、かつ該キャビティ内に２枚一対の転写フ
ィルムを供給し得る成形金型に於いて、一方の転写フィ
ルムを一時的に吸着固定し得る吸着装置を具備した入子
ブロックを前記固定側型板の一部に設けて構成したこと
を特徴とした成形金型である。更に本発明に係る射出成
形品は、射出成形品自体を透明、半透明或いは不透明に
し、かつこの射出成形品の表裏両面に転写フィルムより
転写された図柄が、透かし印刷，艶消し印刷等のグラデ
ーション印刷層，金属蒸着層或いはコーティング層等よ
り選択された図柄であることを特徴とした射出成形品で
ある。
【００１１】
【作用】本発明に係る両面転写射出成形品の製造方法
は、上述の如く、キャビティに供給される２枚一対の転
写フィルムの一方の転写フィルムを金型に吸着固定させ
た後で、一対の転写フィルム間に溶融樹脂を射出するの
で、溶融樹脂を一対の転写フィルム間に安定した状態で
スムーズに充填することが出来る。また、一対の転写フ
ィルム間に射出された溶融樹脂をキャビティで成形する
と同時に、一対の転写フィルムの図柄を射出成形品の表
裏両面に転写させることが出来る。
は、上述の如く、キャビティに供給される２枚一対の転
写フィルムの一方の転写フィルムを金型に吸着固定させ
た後で、一対の転写フィルム間に溶融樹脂を射出するの
で、溶融樹脂を一対の転写フィルム間に安定した状態で
スムーズに充填することが出来る。また、一対の転写フ
ィルム間に射出された溶融樹脂をキャビティで成形する
と同時に、一対の転写フィルムの図柄を射出成形品の表
裏両面に転写させることが出来る。
【００１２】本発明に係る成形金型は、上述の如く、転
写フィルムを一時的に吸着固定し得る吸着装置を具備し
た入子ブロックを固定側型板の一部に設けたので、該入
子ブロックに沿って供給された転写フィルムを一時的に
吸着固定することが出来る。また、吸着装置を具備した
入子ブロックを固定側型板の一部に埋設することによっ
て、転写フィルムを固定するための全体の装置を極めて
単純化することが出来る。
写フィルムを一時的に吸着固定し得る吸着装置を具備し
た入子ブロックを固定側型板の一部に設けたので、該入
子ブロックに沿って供給された転写フィルムを一時的に
吸着固定することが出来る。また、吸着装置を具備した
入子ブロックを固定側型板の一部に埋設することによっ
て、転写フィルムを固定するための全体の装置を極めて
単純化することが出来る。
【００１３】本発明に係る射出成形品は、上述の如く、
射出成形品自体を必要に応じて透明、半透明或いは不透
明にし、かつこの射出成形品の表裏両面に転写フィルム
より転写された図柄を、必要に応じて透かし印刷，艶消
し印刷等のグラデーション印刷層，金属蒸着層或いはコ
ーティング層としたので、これ等の射出成形品とその表
裏両面に転写された図柄とを夫々特定して組み合わせる
ことによって、例えば宝石のように立体的深みのある成
形品、宝石のような立体的光輝のある成形品、外表面が
硬くて傷付きにくい成形品等を自在に成形することが出
来る。
射出成形品自体を必要に応じて透明、半透明或いは不透
明にし、かつこの射出成形品の表裏両面に転写フィルム
より転写された図柄を、必要に応じて透かし印刷，艶消
し印刷等のグラデーション印刷層，金属蒸着層或いはコ
ーティング層としたので、これ等の射出成形品とその表
裏両面に転写された図柄とを夫々特定して組み合わせる
ことによって、例えば宝石のように立体的深みのある成
形品、宝石のような立体的光輝のある成形品、外表面が
硬くて傷付きにくい成形品等を自在に成形することが出
来る。
【００１４】
【実施例】図により本発明に係る射出成形品の製造方法
とその成形金型並びに射出成形品について説明すると、
図１は本発明に係る成形金型の断面説明図、図２は一対
の転写フィルム間に溶融樹脂を射出開始した状態の断面
説明図、図３は前記射出が完了した状態の断面説明図、
図４は射出成形品の断面図、図５は本発明の成形金型を
使用せずに溶融樹脂を一対の転写フィルムに射出した場
合の状態を示す断面説明図である。
とその成形金型並びに射出成形品について説明すると、
図１は本発明に係る成形金型の断面説明図、図２は一対
の転写フィルム間に溶融樹脂を射出開始した状態の断面
説明図、図３は前記射出が完了した状態の断面説明図、
図４は射出成形品の断面図、図５は本発明の成形金型を
使用せずに溶融樹脂を一対の転写フィルムに射出した場
合の状態を示す断面説明図である。
【００１５】図１に於いて、１は固定側型板であり、２
は可動側型板である。該固定側型板１にはスプルー３及
びピンゲート４が縦方向に穿設されており、かつ可動側
型板２の対応する位置にはランナー５及びサイドゲート
６が設けられている。７は固定側型板１と可動側型板２
とが当接されるパーテング面である。８は入子ブロック
であって、前記固定側型板１の下面凹所に埋設され、結
合ボルト９によって固定側型板１に取付固定されてい
る。
は可動側型板である。該固定側型板１にはスプルー３及
びピンゲート４が縦方向に穿設されており、かつ可動側
型板２の対応する位置にはランナー５及びサイドゲート
６が設けられている。７は固定側型板１と可動側型板２
とが当接されるパーテング面である。８は入子ブロック
であって、前記固定側型板１の下面凹所に埋設され、結
合ボルト９によって固定側型板１に取付固定されてい
る。
【００１６】この入子ブロック８の下面中央にはキャビ
ティ１０が設けられ、かつその内部には水平方向にバキ
ューム用ホール１１が貫通されており、更にその片側面
には縦方向にバキューム用スリット１２が穿設され、こ
のバキューム用スリット１２は前記バキューム用ホール
１１と連通している。また、前記固定側型板１には前記
バキューム用ホール１１と連通した吸気孔１３が設けら
れている。
ティ１０が設けられ、かつその内部には水平方向にバキ
ューム用ホール１１が貫通されており、更にその片側面
には縦方向にバキューム用スリット１２が穿設され、こ
のバキューム用スリット１２は前記バキューム用ホール
１１と連通している。また、前記固定側型板１には前記
バキューム用ホール１１と連通した吸気孔１３が設けら
れている。
【００１７】前記キャビティ１０の底部に添っては、上
下に積層された２枚一対の転写フィルム１４，１５がエ
ンドレス状に供給されている。図に示すように、下方の
転写フィルム１５は上方の転写フィルム１４よりも巾広
であって（左右に長く）、サイドゲート６及びランナー
５を覆うことが出来るように構成されている。また、上
方の転写フィルム１４は入子ブロック８の下面を覆うこ
とが出来るように構成されている。
下に積層された２枚一対の転写フィルム１４，１５がエ
ンドレス状に供給されている。図に示すように、下方の
転写フィルム１５は上方の転写フィルム１４よりも巾広
であって（左右に長く）、サイドゲート６及びランナー
５を覆うことが出来るように構成されている。また、上
方の転写フィルム１４は入子ブロック８の下面を覆うこ
とが出来るように構成されている。
【００１８】上述の如き構造を有する成形金型を用い
て、本発明に係る製造方法を実施する状態について説明
すると次の通りである。先ず、図１に示す如く、一対の
転写フィルム１４，１５をキャビティ１０に図柄１４
ａ，１５ａが位置するように供給した後、図示さざるバ
キューム装置を用いて吸気孔１３、バキューム用ホール
１１及びバキューム用スリット１２を介して吸引するこ
とによって、転写フィルム１４の一端部を入子ブロック
８の下面に吸着固定する。
て、本発明に係る製造方法を実施する状態について説明
すると次の通りである。先ず、図１に示す如く、一対の
転写フィルム１４，１５をキャビティ１０に図柄１４
ａ，１５ａが位置するように供給した後、図示さざるバ
キューム装置を用いて吸気孔１３、バキューム用ホール
１１及びバキューム用スリット１２を介して吸引するこ
とによって、転写フィルム１４の一端部を入子ブロック
８の下面に吸着固定する。
【００１９】この状態のまま図２に示す如く、スプルー
３及びピンゲート４より溶融樹脂１６をランナー５に向
かって射出すると、溶融樹脂１６はランナー５とサイド
ゲート６の上方に設けられた一対の転写フィルム１４，
１５間に浸入し始め、図３に示す如く、溶融樹脂１６は
キャビティ１０に充填され、キャビティ１０によって射
出成形品１６ａが成形される。かつこの成形と同時に、
図４に示す如く、射出成形品１６ａの表裏両面に転写フ
ィルム１４，１５の図柄１４ａ，１５ａが転写される。
従って、キャビティ１０に於いて、射出成形品１６ａを
成形する際に、同時にその射出成形品１６ａの表裏両面
に、図柄１４ａ，１５ａで加飾することが出来る。
３及びピンゲート４より溶融樹脂１６をランナー５に向
かって射出すると、溶融樹脂１６はランナー５とサイド
ゲート６の上方に設けられた一対の転写フィルム１４，
１５間に浸入し始め、図３に示す如く、溶融樹脂１６は
キャビティ１０に充填され、キャビティ１０によって射
出成形品１６ａが成形される。かつこの成形と同時に、
図４に示す如く、射出成形品１６ａの表裏両面に転写フ
ィルム１４，１５の図柄１４ａ，１５ａが転写される。
従って、キャビティ１０に於いて、射出成形品１６ａを
成形する際に、同時にその射出成形品１６ａの表裏両面
に、図柄１４ａ，１５ａで加飾することが出来る。
【００２０】本発明の成形金型では上述のように、入子
ブロック８のバキューム用ホール１１とバキューム用ス
リット１２とを用いることによって、一対の転写フィル
ム１４，１５の内の上方の転写フィルム１４の一端部を
入子ブロック８の下面に吸着固定させることが出来るの
で、図２に示す如く、一対の転写フィルム１４，１５間
にスムーズにかつ確実に溶融樹脂１６を流入せしめるこ
とが出来る。このように、転写フィルム１４の一端部を
入子ブロック９の下面に固定しない場合には、図５に示
す如く、ランナー５に射出された溶融樹脂１６が転写フ
ィルム１４と入子ブロック８との間に流入され、表裏両
面に加飾の施された射出成形品１６ａを製造することが
不可能となる。
ブロック８のバキューム用ホール１１とバキューム用ス
リット１２とを用いることによって、一対の転写フィル
ム１４，１５の内の上方の転写フィルム１４の一端部を
入子ブロック８の下面に吸着固定させることが出来るの
で、図２に示す如く、一対の転写フィルム１４，１５間
にスムーズにかつ確実に溶融樹脂１６を流入せしめるこ
とが出来る。このように、転写フィルム１４の一端部を
入子ブロック９の下面に固定しない場合には、図５に示
す如く、ランナー５に射出された溶融樹脂１６が転写フ
ィルム１４と入子ブロック８との間に流入され、表裏両
面に加飾の施された射出成形品１６ａを製造することが
不可能となる。
【００２１】上述の本発明の製造方法及び成形金型を用
いた場合には、図３及び図４に示す如く、射出成形品１
６ａの外周側面にも転写フィルム１５より図柄１５ａを
他の射出成形品１６ａの表裏両面と同様に、同時に転写
させることが出来る。また、射出成形品１６ａ自体は、
使用する樹脂によって透明，半透明或いは不透明のいず
れでも成形が可能である。かつ、射出成形品１６ａの表
裏両面（外周側面も含む）に転写される図柄１４ａ，１
５ａも、予め転写フィルム１４，１５に塗着される図柄
１４ａ，１５ａの種類を、次に例示するように必要に応
じて選択して構成することが出来る。
いた場合には、図３及び図４に示す如く、射出成形品１
６ａの外周側面にも転写フィルム１５より図柄１５ａを
他の射出成形品１６ａの表裏両面と同様に、同時に転写
させることが出来る。また、射出成形品１６ａ自体は、
使用する樹脂によって透明，半透明或いは不透明のいず
れでも成形が可能である。かつ、射出成形品１６ａの表
裏両面（外周側面も含む）に転写される図柄１４ａ，１
５ａも、予め転写フィルム１４，１５に塗着される図柄
１４ａ，１５ａの種類を、次に例示するように必要に応
じて選択して構成することが出来る。
【００２２】即ち、必要に応じて、図柄１４ａ，１５ａ
は透かし印刷，艶消し印刷等のグラデーション印刷層，
金属蒸着層或いはコーティング層等で、構成することが
出来る。従って、前述のような射出成形品１６ａ自体の
各種の構成と、図柄１４ａ，１５ａの各種の構成とを夫
々必要に応じて組み合わせることによって、多種多様の
射出成形品を製造することが出来る。
は透かし印刷，艶消し印刷等のグラデーション印刷層，
金属蒸着層或いはコーティング層等で、構成することが
出来る。従って、前述のような射出成形品１６ａ自体の
各種の構成と、図柄１４ａ，１５ａの各種の構成とを夫
々必要に応じて組み合わせることによって、多種多様の
射出成形品を製造することが出来る。
【００２３】即ち、例えば透明もしくは半透明な射出成
形品１６ａと、透かし印刷或いは艶消し印刷等のグラデ
ーション印刷層よりなる図柄１４ａ，１５ａとを組み合
わせた場合には、宝石状の立体的深み観を顯出した射出
成形品を製造することが出来る。透明もしくは半透明な
射出成形品１６ａと、表面側には透かし印刷或いは艶消
し印刷等のグラデーション印刷層よりなる図柄１４ａ
を、また裏面側には金属蒸着層よりなる図柄１５ａを夫
々組み合わせた場合には、宝石のような立体的光輝観の
ある射出成形品を製造することが出来る。更に、前述の
印刷層，蒸着層等の表面にＵＶ等のハードコーティング
層を更に積層した場合には、射出成形品１６ａの表面を
傷付かないように保護したり、或いはその表面に光沢を
与えることが出来る。
形品１６ａと、透かし印刷或いは艶消し印刷等のグラデ
ーション印刷層よりなる図柄１４ａ，１５ａとを組み合
わせた場合には、宝石状の立体的深み観を顯出した射出
成形品を製造することが出来る。透明もしくは半透明な
射出成形品１６ａと、表面側には透かし印刷或いは艶消
し印刷等のグラデーション印刷層よりなる図柄１４ａ
を、また裏面側には金属蒸着層よりなる図柄１５ａを夫
々組み合わせた場合には、宝石のような立体的光輝観の
ある射出成形品を製造することが出来る。更に、前述の
印刷層，蒸着層等の表面にＵＶ等のハードコーティング
層を更に積層した場合には、射出成形品１６ａの表面を
傷付かないように保護したり、或いはその表面に光沢を
与えることが出来る。
【００２４】
【発明の効果】本発明に係る製造方法及び成形金型は上
述の如き構成と、作用とを有するので、キャビティに供
給された２枚一対の転写フィルムの内の上方の転写フィ
ルムを入子ブロックの下面に吸着固定することが出来、
これによって、スプルー及びピンゲートよりランナーに
向かって射出される溶融樹脂を一対の転写フィルム間に
スムーズにかつ確実に流入せしめることが出来る。
述の如き構成と、作用とを有するので、キャビティに供
給された２枚一対の転写フィルムの内の上方の転写フィ
ルムを入子ブロックの下面に吸着固定することが出来、
これによって、スプルー及びピンゲートよりランナーに
向かって射出される溶融樹脂を一対の転写フィルム間に
スムーズにかつ確実に流入せしめることが出来る。
【００２５】かつ、一対の転写フィルム間に充填された
溶融樹脂をキャビティ内で成形すると同時に、一対の転
写フィルムの図柄を成形された射出成形品の表面に転写
せしめ、射出成形品の表裏両面に一工程で加飾を施すこ
とが出来る。更に、本発明に係る射出成形品は、上述の
如き構造と作用とを有するので、射出成形品自体の構成
とこの表裏両面に転写される図柄の構成とを自在に選択
して組み合わせることによって、宝石のように極めて立
体的深み観を持った射出成形品、宝石のように立体的光
輝観を顯出した射出成形品、外表面が光沢があり傷付か
ない射出成形品等を自在にかつ安価に大量生産すること
が出来る等の特徴を有するものである。
溶融樹脂をキャビティ内で成形すると同時に、一対の転
写フィルムの図柄を成形された射出成形品の表面に転写
せしめ、射出成形品の表裏両面に一工程で加飾を施すこ
とが出来る。更に、本発明に係る射出成形品は、上述の
如き構造と作用とを有するので、射出成形品自体の構成
とこの表裏両面に転写される図柄の構成とを自在に選択
して組み合わせることによって、宝石のように極めて立
体的深み観を持った射出成形品、宝石のように立体的光
輝観を顯出した射出成形品、外表面が光沢があり傷付か
ない射出成形品等を自在にかつ安価に大量生産すること
が出来る等の特徴を有するものである。
【図１】本発明に係る成形金型の断面説明図である。
【図２】一対の転写フィルム間に溶融樹脂を射出開始し
た状態の断面説明図である。
た状態の断面説明図である。
【図３】前記射出が完了した状態の断面説明図である。
【図４】射出成形品の断面図である。
【図５】本発明の成形金型を使用せずに溶融樹脂を一対
の転写フィルムに射出した場合の状態を示す断面説明図
である。
の転写フィルムに射出した場合の状態を示す断面説明図
である。
１ 固定側型板 ２ 可動側型板 ３ スプルー ４ ピンゲート ５ ランナー ６ サイドゲート ７ パーテング面 ８ 入子ブロック ９ 結合ボルト １０ キャビティ １１ バキューム用ホール １２ バキューム用スリット １３ 吸気孔 １４，１５ 転写フィルム １４ａ，１５ａ 図柄 １６ 溶融樹脂 １６ａ 射出成形品
Claims (5)
- 【請求項１】複数の金型により構成されるキャビティ内
で樹脂成形品を成形すると同時に、該樹脂成形品の表裏
両面に転写フィルムから所定の図柄を転写させる射出成
形品の製造方法に於いて、前記キャビティに２枚一対の
転写フィルムを並列して供給し、かつ一方の転写フィル
ムを金型によって吸着固定させ、更に一対の転写フィル
ム間に溶融樹脂を射出することによってキャビティ形状
に合致した射出成形品を成形すると同時に、該射出成形
品の表裏両面に一対の転写フィルムより図柄を転写する
ことを特徴とした両面転写射出成形品の製造方法。 - 【請求項２】固定側型板と可動側型板とでキャビティを
形成し、かつ該キャビティ内に２枚一対の転写フィルム
を供給し得る成形金型に於いて、一方の転写フィルムを
一時的に吸着固定し得る吸着装置を具備した入子ブロッ
クを前記固定側型板の一部に設けて構成したことを特徴
とした成形金型。 - 【請求項３】転写フィルムより図柄がその表裏両面に転
写された射出成形品であって、該射出成形品が透明もし
くは半透明で、かつその表裏両面に転写された図柄が透
かし印刷或いは艶消し印刷等のグラデーション印刷層で
あり、外観が宝石状の立体的深み観を顯出したことを特
徴とした射出成形品。 - 【請求項４】転写フィルムより図柄がその表裏両面に転
写された射出成形品であって、該射出成形品が透明もし
くは半透明で、かつその表面側に転写された図柄が透か
し印刷或いは艶消し印刷等のグラデーション印刷層であ
り、更にその裏面側に転写された図柄が金属蒸着層より
なり、外観が宝石のような立体的光輝観を顯出したこと
を特徴とした射出成形品。 - 【請求項５】転写フィルムより図柄がその表裏両面に転
写された射出成形品であって、該射出成形品が不透明
で、かつその表裏両面に転写された図柄がコーティング
層，印刷層，金属蒸着層等であることを特徴とした射出
成形品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27248792A JPH0699457A (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | 両面転写射出成形品の製造方法及び成形金型並びに射出成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27248792A JPH0699457A (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | 両面転写射出成形品の製造方法及び成形金型並びに射出成形品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0699457A true JPH0699457A (ja) | 1994-04-12 |
Family
ID=17514612
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27248792A Pending JPH0699457A (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | 両面転写射出成形品の製造方法及び成形金型並びに射出成形品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0699457A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997027987A1 (fr) * | 1996-01-31 | 1997-08-07 | Nissha Printing Co., Ltd. | Appareil de moulage de produit a motif et procede de moulage de produit a motif |
| JP2002225069A (ja) * | 2001-01-29 | 2002-08-14 | Yoshida Industry Co Ltd | 電子機器表示窓の保護パネルの製造方法 |
| WO2003013823A1 (en) | 2001-08-02 | 2003-02-20 | Yoshida Kogyo Co., Ltd. | Double-face in-mold forming method |
| WO2005077638A1 (ja) * | 2004-02-18 | 2005-08-25 | Nissha Printing Co., Ltd. | 成形同時両面加飾用金型および成形同時両面加飾成形品の製造方法 |
| KR100556065B1 (ko) * | 1998-03-02 | 2006-03-03 | 야마모토 고가쿠 가부시키가이샤 | 렌즈의 제조방법, 렌즈의 제조장치 및 렌즈 |
| US7820197B2 (en) | 2002-02-14 | 2010-10-26 | Astellas Pharma Inc. | Percutaneous preparations |
| CN111749178A (zh) * | 2020-07-07 | 2020-10-09 | 扬州大学 | 一种组合式洗扫车降噪吸口和加工模具及加工模具的使用方法 |
-
1992
- 1992-09-17 JP JP27248792A patent/JPH0699457A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997027987A1 (fr) * | 1996-01-31 | 1997-08-07 | Nissha Printing Co., Ltd. | Appareil de moulage de produit a motif et procede de moulage de produit a motif |
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| EP1413417A4 (en) * | 2001-08-02 | 2006-08-02 | Yoshida Kogyo Kk | DOUBLE-SIDED MOLD FORMING PROCESS |
| US7820197B2 (en) | 2002-02-14 | 2010-10-26 | Astellas Pharma Inc. | Percutaneous preparations |
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| US7601289B2 (en) | 2004-02-18 | 2009-10-13 | Nissha Printing Co., Ltd. | Two-sides in-mold decoration molding die and method of manufacturing a molded product with such molding die |
| CN111749178A (zh) * | 2020-07-07 | 2020-10-09 | 扬州大学 | 一种组合式洗扫车降噪吸口和加工模具及加工模具的使用方法 |
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