JPH0699401A - 木工機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋸刃等の無端ベルトの切刃部分に放電被覆処
理を行うとき、切刃部分の精密な位置出し制御ができ、
これにより超硬被覆処理が安定に良好にできるよう改良
するものである。 【構成】 無端ベルト状の鋸刃１を２つのプーリー２，
３に掛け渡してモータ４により回転駆動せしめ、加工送
りを与えて木材の切断加工を行う木工機械に於て、モー
タ８によって駆動されるキャプスタン６を設け、ピンチ
ローラ７との間に前記鋸刃１を狭んで微細位置出し送り
を与える。又、鋸刃の切刃部分１ａに対向して超硬材電
極１２を設けた放電被覆装置１１を設ける。そして前記
モータ４と８の切換制御によって加工送りと微細位置出
し送りを切換え、木材の加工前もしくは途中に切換えて
キャプスタン６による正確な位置出し制御をした切刃部
分１ａに放電被覆装置１１による超硬被覆処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は木材の切断、研削等の加
工を行う木工機械に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、無端ベルト状の鋸刃を利用した鋸
盤は、鋸刃ベルトを動力車と従動プーリー間に掛け渡
し、所要の張力を加えた状態でモータにより動力車を駆
動するように構成されている。又、鋸刃の切刃部分に超
硬材電極と鋸刃基材間にパルス放電を行うことにより超
硬被覆処理することにより、刃の切味を良くして耐摩耗
性を高めることが知られている。この放電被覆装置を作
動させて鋸刃に被覆処理をするとき、従来においては切
刃部分の位置出し制御に前記動力車による駆動制御とか
手動制御を利用するようにしていたので、精密な位置出
し制御ができないため超硬被覆処理によってかえって切
味を低下させる欠点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、この放電被
覆加工を行うとき切刃部分の精密な位置出し制御がで
き、これにより超硬被覆処理が安定に良好にできるよう
に改良するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】鋸刃等の無端ベルトに微
細位置出し送りを与えるキャプスタンを設け、該キャプ
スタンによって位置出し制御された切刃部分に超硬材電
極を対向してパルス放電を行うことにより超硬被覆処理
する放電被覆装置を設け、木材の加工前もしくは途中に
切り換えて超硬被覆を行うようにしたことを特徴とす
る。

【０００５】

【作用】本発明は前記のように、鋸刃等の無端ベルトの
送りにキャプスタンを設けたから、微細位置出し送り制
御ができ、木工加工時の動力車の送りとの切換制御によ
り、放電被覆処理時には切刃部分の位置出し送りが極め
て精密にでき、正確な位置において精密な安定した超硬
被覆処理ができ、切刃の切味を損なうことなく耐摩耗性
処理を与えることができる。したがって、この超硬被覆
処理した鋸刃による木工加工は切味を高めた状態で長寿
命に加工を行うことができる。

【０００６】

【実施例】以下、図面の一実施例により本発明を説明す
る。図１は鋸盤の実施例側面図、図２はその正面図で、
１は無端ベルト状の鋸刃で、２つのプーリー２，３に掛
け渡して回転駆動せしめ、加工送りを与えて木材の切断
加工をする。４は一方のプーリー２を動力車として駆動
力を与えるモータ、５はベルト１の張力を制御する油圧
シリンダで、ピストンロッドがプーリー２を移動制御し
て、他のプーリー３との間隔調整をする。６は鋸刃１に
微細位置出し送りを与えるキャプスタンで、駆動モータ
８によって制御される。７はピンチローラ、９は鋸刃１
の切刃１ａの位置検出をする光学検出器で、検出信号を
モータ８の駆動制御回路１０に加えて位置停止制御す
る。１１は位置出し制御された切刃１ａ部分に、超硬材
電極１２を対向してパルス放電により、超硬被覆処理を
する放電被覆装置である。

【０００７】加工送りを与えるプーリー２を駆動するモ
ータ４と微細位置出し送りを与えるキャプスタン６駆動
モータ８とは可逆的に切換制御され、プーリー２を駆動
して木材加工するときは、キャプスタン６は停止し、ピ
ンチローラ７が鋸刃ベルト１から離隔する。又、プーリ
ー２の駆動を停止して放電被覆処理を行うときは、モー
タ８によりキャプスタン６を駆動して微細位置出し送り
をする。送り位置の制御は、ピンチローラ７を加圧した
状態でキャプスタン６を回転駆動することにより微細制
御送りを与え、送り位置を光学検出器９により検出して
位置制御をする。光学検出は鋸刃の切刃部分１ａに光ビ
ームを照射し、刃先に当たった光の反射波を検知し、刃
先１ａが所定位置に来たとき、制御回路１０に送り停止
信号を加えて位置出し制御をする。この位置出し制御さ
れたとき、放電被覆装置１１の超硬材電極１２が丁度切
刃部分１ａに対向位置し、そこに超硬被覆処理をする。

【０００８】放電被覆装置１１は、被覆材のパイプ状電
極１２をスピンドルの先端に固定し、回転を行いながら
切刃部分１ａと対向する間隙に図示しないパルス電源か
ら通電してパルス放電を繰り返して加工する。パイプ電
極１２と切刃部分１ａとの対向間隙の制御は、鋸刃ベル
ト１の背面をテーブルの基準面に接触ガイドさせること
によって、常に一定間隙を維持することができるが、パ
イプ電極１２の消耗に対しては装置１１にサーボ送り機
構を設けておくことによって追従制御することができ
る。この軽接触する程度の一定間隙において、パイプ電
極１２が回転し切刃部分１ａとの間に接触開離し、そこ
にパルス放電を繰り返すことによって放電点の電極材が
熱容量の大きい切刃部分１ａ側に微小量づつ転移溶着す
る。この放電溶着が繰り返されることによって切刃部分
１ａに電極１２材の例えばＷＣ超硬合金の被覆層を形成
することができる。一つの切刃部分１ａに被覆処理を施
したら、キャプスタン６を駆動して次の切刃を位置出し
制御し対向するパイプ電極１２により超硬被覆処理を行
う如くし、これを順次に切刃１ａから切刃１ａへと次々
に被覆処理をして、ベルト１全体の切刃部分に超硬材の
被覆層を形成する。

【０００９】図３は超硬材電極に円板状の回転電極１３
を用いた放電被覆装置１４の実施例である。電極の回転
円板１３の円周側面が鋸刃の切刃部分１ａに回転対向す
るように設け、パルス放電を繰り返すようにして被覆加
工する。この場合円板周側面が前記パイプ状電極より広
いので超硬被覆速度が高く、鋸刃１の移動を低速で連続
的に移動制御しながら加工することができる。この円板
電極１３を用いた場合の被覆処理速度は、前記パイプ電
極１２によって休止時間を置きながら１刃毎に被覆加工
する場合に比べて１０倍程度の速度で加工処理すること
ができ、鋸刃ベルト全体の被覆処理が２３０Ｓｅｃ〜４
５０Ｓｅｃ程度で完了する。

【００１０】図４は鋸ベルト１と超硬材電極１２との対
向間隙を常に一定に制御するため、鋸刃ベルト１の浮き
上がりを防止するようにしたものである。即ち、鋸刃ベ
ルト１の微細位置出し送り制御をするキャプスタン６を
送り方向に傾斜して設け、鋸刃ベルト１を常に下方に押
圧して鋸刃背面をテーブル基準面１５に接触させた状態
で移動させ浮き上がりを防止するようにしたものであ
る。これにより、超硬材電極１２と鋸刃の切刃部分１ａ
との対向間隙が常に一定に制御されるから、放電被覆加
工が安定して精密高精度に行えることになる。

【００１１】なお、以上は鋸刃ベルトについて説明した
が、鋸刃以外の研削ベルト、その他の木工機械のベルト
状工具にも超硬材を被覆処理して利用することができ、
放電被覆処理時の位置出し制御にキャプスタンを設ける
ことにより、極めて精密な位置出し制御ができる。

【００１２】

【発明の効果】以上のように本発明は、鋸刃等の無端ベ
ルトの送りにキャプスタンを設けたから、微細な位置出
し送り制御ができ、木工加工時の重力車の送りとの切換
制御により超硬被覆処理時には切刃部分の位置出し送り
が極めて精密にでき、正確な位置において精密な超硬被
覆処理ができ、切刃の切味を損なうこともなく耐摩耗性
処理を与えることができる。したがってこの超硬被覆処
理した鋸刃による木工加工は切味を高めた状態で長寿命
に加工を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例側面図。

【図２】図１の正面図。

【図３】本発明の他の実施例図。

【図４】本発明の他の実施例図。

【符号の説明】

１ 鋸刃ベルト １ａ 切刃部分 ２，３ プーリー ４ 駆動モータ ６ キャプスタン ７ ピンチローラ ８ 駆動モータ ９ 光学位置検出器 １０ 制御回路 １１ 放電被覆装置 １２ パイプ電極

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋸刃等の無端ベルトをプーリー間に移動
   しながら木材の切断、研削等の加工を行う木工機械に於
   て、前記無端ベルトに微細位置出し送りを与えるキャプ
   スタンを設けると共に、該キャプスタンによって位置出
   し制御された切刃部分に超硬材電極を対向してパルス放
   電を行うことにより超硬被覆処理する放電被覆装置を設
   け、前記木材の加工前もしくは途中に切り換えて超硬被
   覆処理を行うようにしたことを特徴とする木工機械。