JPH069902Y2 - 異種物運搬車 - Google Patents

異種物運搬車

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JPH069902Y2
JPH069902Y2 JP1988091988U JP9198888U JPH069902Y2 JP H069902 Y2 JPH069902 Y2 JP H069902Y2 JP 1988091988 U JP1988091988 U JP 1988091988U JP 9198888 U JP9198888 U JP 9198888U JP H069902 Y2 JPH069902 Y2 JP H069902Y2
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tilt
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雅宏 須山
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Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、一般貨物と粉粒体とが交互に荷台に積み込ま
れる、異種物運搬車に関する。
すなわち異種の荷物たる、一定の形状を備えた雑貨,箱
類,その他の一般貨物と、ばら状の米,小麦粉,小豆,
その他穀物,砂,セメント,カーボン等の粉粒体とを、
適宜経時的に選択し積み替えて運搬でき、もって往復輸
送が可能で効率的な異種物運搬車に関するものである。
「従来の技術」 このような異種物運搬車は、従来次のごとくなってい
た。第5図は、この種従来例の異種物運搬車の荷台の正
断面説明図である。
すなわち同図にも示すように、荷台Cの床板D中央に
は、長手方向のほぼ全長にわたって排出口Eが形成され
ているが、この排出口E付近と荷台Cの左右の側板F間
には、積み込まれる粉粒体の安息角以上に傾斜した滑り
板Gが、それぞれ組み付けられていた。つまり、従来の
異種物運搬車の荷台Cは、水平な床板Dと、床板Dの両
側に立設固定された左右の側板Fとからなり、このよう
に立設固定された側板Fと床板Dの排出口E間に、それ
ぞれ側板Fとは別体の別部材として、滑り板Gが所定角
度で組み付けられていた。
そして、このように下方に接近すべく傾斜した1対の滑
り板Gが、荷台Cの床板Dと左右の側板F上をそれぞれ
覆い、その上に積み込まれたばら状の粉粒体は、運搬
後、排出口Eから排出コンベアHにより荷卸しされてい
た。
「考案が解決しようとする課題」 ところで、このような従来の異種物運搬車にあっては、
次の問題点が指摘されていた。
第1に、滑り板Gとして鋼板,アルミ板等の金属材が主
に用いられ、このような滑り板Gが、側板F等とは別体
として付加的に組み付けられていたので、コスト高にな
るという問題があった。
第2に、同様に理由により、重量が重くなるという問題
があり、もって積み込まれる一般貨物,粉粒体等の荷物
の重量・積載量が減らされるという指摘があった。
第3に、このように側板Fとは別体をなし重量が重く傾
斜した滑り板Gについては、その傾斜を維持するための
補強構造が必要となり、他方、一般貨物を積み込む際に
はこのような滑り板Gが邪魔になるため、このように傾
斜して組み付けられた状態から、側板Fや床板Dに沿っ
た縦や横に状態に移動させるべく、滑り板Gには、油圧
等を用いた移動機構を付設する必要もあり、もって滑り
板Gの構成が複雑であるという問題もあった。
第4に、粉粒体更には一般貨物の運搬に際し、荷台Cの
側方・横から粉粒体や一般貨物を積み込み,荷卸しでき
たら、場所的条件等にマッチし便利であることが多々あ
るが、従来の荷台Cでは側板Fの高さが邪魔となり、こ
のような側方・横からの積み込み,荷卸しは不可能であ
り、不便であるという指摘もあった。
従来例ではこのような点が指摘されていた。
本考案は、このような実情に鑑み、上記従来例の問題点
を解決すべくなされたものであって、荷台の側板のサイ
ドピラーとあおり板とを、所定のごとく折曲可能として
なることにより、コスト面に優れ軽量化が図れ、これら
が簡単容易に実現され、しかも側方・横からも粉粒体の
みならず一般貨物の積み込み、荷卸し可能で便利であ
る、異種物運搬車を提案することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 この目的を達成する本考案の技術的手段は、次のとおり
である。
異種物運搬車では、一般貨物と特定種類の粉粒体が、床
板と左右の側板を備えた荷台に、交互に積み込まれる。
上記床板には、中央に長手方向のほぼ全長にわたって開
閉可能な排出口が形成され、上記排出口の下方には排出
コンベアが対向して設けられている。これと共に、上記
排出口の開閉が蓋体にて行われるようになっており、該
蓋体は、上記排出口を閉塞するに足る長板体よりなり、
まず、上記一般貨物の積み込み時には、上記排出口を閉
塞して上記床板と共に荷台の床面を形成し、又、上記粉
粒体の積み込み時には、上記排出口から撤去されて荷台
の適宜箇所に格納される。
左右の上記側板は、立設されるサイドピラーと該サイド
ピラーに組み付けられるあおり板とからなっている。該
サイドピラーと該あおり板とは、ともに途中の略同一箇
所でそれぞれ上部が下部に対し折曲可能で、上記一般貨
物積み込み用の直立状態と、上記粉粒体積み込み用の折
曲状態とに変位可能となっている。
上記折曲状態において、該サイドピラーと該あおり板の
上部は、ともに、それらの下部の頂端と上記排出口付近
間に傾斜して介装保持され、積み込まれる特定種類の上
記粉粒体の安息角以上の角度で、上記床板に対し傾斜す
る長さを備えている。
又上記折曲状態において、傾斜した該サイドピラーと該
あおり板の上部を覆う、シートが車載されている。そし
て該シートは、折りたたみ可能かつ着脱自在なシート体
よりなり、一端が上記排出口付近に係合可能とされると
共に、他端が上記側板の折曲箇所付近に係合可能とさ
れ、まず、上記一般貨物の積み込み時には、取り外され
折りたたまれて荷台の適宜箇所等に格納され、又上記粉
粒体の積み込み時には上述により係合され、上記側板の
該サイドピラーと該あおり板の傾斜した上部を覆うべく
取り付けられる。
「作用」 本考案に係る異種物運搬車は、このような手段よりなる
ので、次のごとく作用する。
まず、一般貨物の運搬は次のとおり行われる。
荷台の側板のサイドピラーとあおり板は、ともに直立状
態とされ、それらの上部は下部とともに直立している。
あおり板はサイドピラーに組み付けられ、床板の排出口
は蓋体にて閉塞され、シートは折りたたまれて格納され
ている。
そして一般貨物が、このような左右の側板に囲まれた荷
台の床板上に積み込まれて、運搬され、荷卸しされる。
次に、粉粒体の運搬は次とおり行われる。
荷台の側板のサイドピラーとあおり板は、ともに折曲状
態に変位され、それらの上部は下部に対し折曲されてい
る。あおり板はサイドピラーに組み付けられ、蓋体が撤
去,格納され、床板の排出口は開放されている。そし
て、折曲されたサイドピラーとあおり板の上部は、それ
らの直立した下部の頂端と排出口付近間に、立て掛けら
れて介装保持され、もって積み込まれる特定種類の粉粒
体の安息角以上の角度で床板に対し傾斜し、かつ上面が
シートにより覆われている。なおこの場合、シートは、
一端が排出口付近に係合されると共に他端が側板の折曲
箇所付近に係合されて、取り付けられる。
そして粉粒体が、このようにして下方ほど接近すべく途
中から折曲されて傾斜した、左右の側板のサイドピラー
とあおり板の上部に、シートを介し散積状態で積み込ま
れて、運搬される。そして荷卸しに際しては、粉粒体は
上述の安息角以上の傾斜により、残留することなく自重
で排出口から流下し、走行される排出コンベアにより外
部へと導かれる。
さて以上のごとく、この異種物運搬車にあっては、側板
のサイドピラーとあおり板を途中から下部と上部とに折
曲可能として活用し、この種従来例のごとく側板や床板
とは別部材として、別途追加的に組み付けられる滑り板
は用いられていない。従って、コスト面に優れ軽量化が
図れ、しかも側板自体が折曲されるので、別途滑り板を
用いたこの種従来例のように、傾斜維持のための補強構
造や移動のための移動機構等も不要であり、もってこれ
らが簡単容易に実現される。そして、一般貨物と粉粒体
とが、適宜積み替えて運搬されることになる。なお、粉
粒体のみならず一般貨物の運搬に際しても、適宜側板を
途中から折曲,傾斜させることにより、側板の高さが邪
魔とならなくなり、もって容易に荷台の側方つまり横か
らも、一般貨物や粉粒体を積み込み,荷卸しできるよう
になり、便利でもある。
「実施例」 以下本考案を、図面に示すその実施例に基づいて、詳細
に説明する。
まずその構成等について、異種物運搬車の概略、側板の
詳細、側板の要旨等、側板の他の例の順に説明する。
第1図は、本考案に係る異種物運搬車の実施例を示し、
その荷台の正断面説明図である。第2図および第3図
は、同荷台の斜視図であり、第2図は一般貨物積み込み
の状態を、第3図は粉粒体積み込み用に準備中の状態
を、それぞれ示している。第4図は、同異種物運搬車の
側面図である。なお第1図において、図中右側には一般
貨物Aが積み込まれた場合は、図中左側には粉粒体Bが
積み込まれた場合が、それぞれ示されている。
異種物運搬車の概略は次のとおり。
異種物運搬車では、一般貨物Aと粉粒体Bが、床板1と
左右の側板2を備えた荷台3に、交互に積み込まれる。
床板1は、車台4(第4図参照)上に設けられ、粉粒体
Bの荷卸し用として、中央に長手方向のほぼ全長にわた
って開閉可能な排出口5が形成され、排出口5の下方に
は排出コンベア6が対向して設けられている。排出口5
の開閉は蓋体7により行われ、この蓋体7は、排出口5
を閉塞するに足る長板体よりなり(第2図参照)、ま
ず、一般貨物Aの積み込み時には、排出口5を閉塞いて
床板1と共に荷台3の床面を形成し、ばら状の粉粒体B
の積み込み時には、撤去されて荷台3の適宜箇所に格納
される(第1図中想像線表示参照)。
荷卸し時において粉粒体Bは、排出口5からベルトコン
ベアたる排出コンベア6上に流下され、走行する排出コ
ンベア6により後部の吐出口8へと導かれる(第4図参
照)。なお吐出口8には、開閉弁(図示せず)が適宜付
設される。
さて荷台3は、このような床板1と、後述の左右の側板
2と、床板1の前端縁に固定された前板9と、床板1の
後端縁に取り付けられ開閉可能な後板10とが、それぞ
れ立設されている(第2,3,4図参照)。なお、第
1,4図中11は車輪であり、第4図中12は運転室で
ある。
異種物運搬車は、概略このようになっている。
次に、側板2の詳細について述べる。
左右の側板2は、立設されるサイドピラー13と、この
サイドピラー13に取り外し可能に組みつけられるあお
り板14と、からなっている。
まずサイドピラー13は、適宜間隔で複数本が用いら
れ、図示例では左右それぞれ、前中後に3本ずつ設けら
れている。このサイドピラー13は2段式よりなり、床
板1の左右の側端縁から立設固定された下部13と、
この下部13の頂端にピン15にてヒンジ結合された
上部13と、からなっている。そして上部13は、
ロック部材(図示せず)により下部13とともに直立
状態で固定されるとともに、ロック部材の解放によりピ
ン15を中心に内側に回動し、直立固定した下部13
に対し折曲状態にも変位可能である。
あおり板14は平板状をなし、複数本が用いられ図示例
では左右に各2枚ずつ配され、それらの各あおり板14
は、それぞれ左右端にてロック手段(図示せず)により
サイドピラー13に、取り外し可能に組み付け保持され
る。このあおり板14は3段式よりなり、床板1の左右
の側端縁にピン16にてヒンジ結合された下部たる下段
あおり14と、この下段あおり14の頂端にピン1
7にてヒンジ結合された上部たる中段あおり14と、
更にこの中段あおり14の頂端にピン18にてヒンジ
結合された上部たる上段あおり14と、からなってい
る。
あおり板14の全体高さは、サイドピラー13の全体高
さと、そろえられている。すなわち、あおり板14の下
段あおり14は、サイドピラー13の下部13に対
しほぼ同一の高さレベルとされ、あおり板14の中段あ
おり14と上段あおり14の合計高さは、サイドピ
ラー13の上段13と、ほぼ見合ったものとなってい
る。
あおり板14の下部たる下段あおり14は、サイドピ
ラー13の直立した下部13に組み付けられ、直立状
態で固定されるとともに、そのロック手段の解放により
ピン16を中心に外側に回動し、外側には倒された折曲
状態にも変位可能となっている。これは、一般貨物Aの
側方からの積み込みおよび荷卸しの便に供するためであ
る。
あおり板14の上部たる中段あおり14と上段あおり
14とは、直立したサイドピラー13の上部13
組み付けられ、そのロック手段により直立状態で固定さ
れるとともに、サイドピラー13の上部13の前記回
動折曲に伴い、これとともにピン17を中心に内側に回
動し、直立した下段あおり14に対し内側への折曲状
態にも変位可能である。
更に上段あおり14は、前記直立状態からそのロック
手段の解放によりピン18を中心に外側に180度回動
し、中段あおり14の外側に添装された折曲状態にも
変位可能となっている。そして、例えば一般貨物Aの側
方からの積み込みおよび荷卸し時において、その高さが
不要で邪魔な際は、この上段あおり14を折曲状態に
変位させる。
側板2の詳細は、このようになっている。
次に、側板2の要旨等について述べる。
さてこのようにして、サイドピラー13とあおり板14
とは、ともに途中の同一箇所で、それぞれ上部13
下部13に対し、又上部たる中段あおり14と上段
あおり14が下部たる下段あおり14に対し、それ
ぞれ折曲可能となっている。そして、一般貨物A積み込
み用の直立状態(第1図中実線表示および第2図参照)
と、粉粒体B積み込み用の折曲状態(第1図中想像線表
示および第3図参照)とに、変位可能となっている。
この折曲状態において、サイドピラー13の上部13
およびあおり板14の中段あおり14と上段あおり1
は、それぞれ対応する下部13および下段あおり
14の頂端と、排出口5付近間に、立て掛けられ直線
状に介装保持される。そしてそれぞれ、積み込まれる特
定種類の粉粒体Bの安息角α以上の角度で、つまり、ば
ら状の米,小麦粉,小豆,その他の穀物,砂,セメン
ト,カーボン等のうちから選択された、積み込まれる特
定種類の粉粒体Bについて、その安息角α以上の角度
で、床板1に対し傾斜するに足る長さを備えている(第
1図中想像線表示参照)。
Sはシートであり、このシートSは、このような側板2
の折曲状態において、傾斜したサイドピラー13の上部
13とあおり板14の上段あおり14と中段あおり
14を覆うべく、車載されている。
このシートSとしては、布等の繊維にコーティングを施
したシート体が用いられ、例えば塩化ビニールでコーテ
ィングすると、その強度が向上するとともに粉粒体Bの
滑り・流下性に優れるという利点がある。そしてシート
Sは、このように折りたたみ可能であると共に着脱可能
とされ、一端が排出口5付近に係合可能とされると共
に、他端がピン17付近つまり側板2の折曲箇所付近に
係合可能とされることにより、粉粒体Bの積み込み時に
おいて着脱自在に取り付け使用される。又、一般貨物A
の積み込み時等の不使用時には、図示のごとく排出口5
付近に格納されるか、又は取り外されて荷台3の適宜箇
所等に格納される。
側板2の要旨等は、このようになっている。
次に、側板2の他の例について述べる。
側板2は、以上説明した図示例によらず、次のごとく構
成することも可能である。
第1に、サイドピラー13は図示例によらず、その下部
13と上部13とを取り外し可能とし、かつ手作業
により、前述に準じ直立状態と折曲状態とに変位させる
ようにしてもよい。
第2に、サイドピラー13は2段式でなく3段式として
もよい。すなわち、サイドピラー13の上部13は、
図示例のごとく一体形成せず更に上下2部材により構成
し、両者をピンによりヒンジ結合するとともに、そのロ
ック部材を付設しておくようにしてもよい。なお、この
ピンの高さレベルは、前記あおり板14のピン18とそ
ろえておく。
そして一般貨物Aの積み込み時等において、その高さが
不用で邪魔な際は、この上部13の上部材を直立状態
から180度回動し、その下部材に対し添装された折曲
状態に変位させるようにする。
第3に、あおり板14の下段あおり14と中段あおり
14、および中段あおり14と上段あおり14
は、それぞれ図示例によらず取り外し可能としてもよ
い。そして手作業により、前述の直立状態と折曲状態と
に変位させるようにしてもよい。
第4に、あおり板14は3段式ではなく2段式としても
よい。すなわち、あおり板14の中段あおり14と上
段あおり14とは、図示例によらず一体形成してもよ
い。
側板2は、このような他の例によってもよい。
以上が構成等の説明である。以下その動作等について説
明する。
まず一般貨物Aの運搬は、次のとおり行われる。
この場合この異種物運搬車は、従来の平荷台車等と同様
に使用される。
荷台3の側板2のサイドピラー13とあおり板14は、
ともに直立状態とされる。すなわち、サイドピラー13
の上部13は下部13とともに直立し、これらに組
み付けられたあおり板14の上部たる中段あおり14
と上段あおり14も、下部たる下段あおり14とと
もに、直立している。又、床板1の排出口5は蓋体7に
て閉塞され、シートSは折りたたまれて格納されてい
る。
しかる後、一般貨物Aが、このような左右の側板2に囲
まれた荷台3の床板1上に積み込まれて、運搬され、荷
卸しされる。一般貨物Aは、このように運搬される。
次に、粉粒体Bの運搬は、次のとおり行われる。
この場合この異種物運搬車は、以下の様に使用される。
荷台3の側板2のサイドピラー13とあおり板14は、
ともに折曲状態に変位される。すなわち、サイドピラー
13の上部13が内側に回動折曲され、これに組み付
けられたあおり板14の上部たる中段あおり14と上
段あおり14も、内側に回動折曲される。なお、サイ
ドピラー13の下部13およびあおり板14の下部た
る下段あおり14は、直立状態を維持している。又、
蓋体7が撤去,格納され、床板1の排出口5は開放され
る。
そこで、この折曲状態において、サイドピラー13の上
部13およびあおり板14の中段あおり14と上段
あおり14は、それぞれ下部13および下段あおり
14の頂端と、排出口5付近間に、立て掛けられて直
線状に介装保持される。そして、積み込まれる特定種類
の粉粒体Bの安息角α以上の角度で、床板1に対し傾斜
される。又、それらの上面では、シートSにより覆われ
る。なおこの場合、シートSは、一端が排出口5付近に
係合されると共に、他端がピン17付近つまり側板2の
折曲箇所付近に係合されることにより、取り付けられ
る。
しかる後、粉粒体Bが、このようにして下方ほど接近す
べく途中から折曲されて傾斜した、左右の側板2のサイ
ドピラー13とあおり板14の上に、シートSを介し積
み込まれて、運搬される。そして荷卸しに際しては、粉
粒体Bは上述の側板2の安息角以上の傾斜により、残留
することなく自重でシートSを滑り、排出口5から流下
する。そして、走行される排出コンベア6により、連続
的に外部へと導かれ荷卸しされる。
粉粒体Bは、このように運搬される。
さて以上のごとく、この異種物運搬車にあっては、側板
2のサイドピラー13とあおり板14を、途中から折曲
可能として活用し、この種従来例のごとく、側板2や床
板1とは別部材として、別途追加的に組み付けられる滑
り板G(第5図参照)は用いられていない。そこで、こ
の異種物運搬車は、コスト面に優れ軽量化が図れ、しか
も側板2自体が折曲されるので、別途滑り板Gを用いた
従来例のごとく、その傾斜維持のための補強構造やその
移動のための移動機構等も不要であり、もって、これら
は簡単容易に実現される。そして、一般貨物Aと粉粒体
Bとが、適宜積み替えて運搬されることになる。
なお、粉粒体Bのみならず一般貨物Aの運搬に際して
も、粉粒体Bの運搬時に準じ、一旦側板2を途中から折
曲,傾斜させることにより、側板2の高さが邪魔となら
なくなり、もって容易に荷台3の側方つまり横からも、
粉粒体B更に一般貨物Aを積み込み,荷卸しできるよう
になり、便利でもある。
以上が動作等の説明である。
「考案の効果」 本考案に係る異種物運搬車は、以上説明したごとく、荷
台の側板のサイドピラーとあおり板とを、所定のごとく
折曲可能としてなることにより、次の効果を発揮する。
すなわち、側板のあおり板等を活用し、滑り板を用いな
いので、第1に、コスト面に優れることになると共に、
第2に、軽量化が図れ、その分、積み込まれる一般貨
物,粉粒体等の重量・積載量が増加する。第3に、補強
構造,移動機構等の不用であり、これらは簡単な構成に
より容易に実現される。
第4に、このようにして、一般貨物と粉粒体との往復輸
送が可能となる。そこで各々専用の平荷台車・バン型車
と粉粒体運搬車とを使用した場合のごとく、帰路が空荷
走行となるようなこともなく、効率的であり走行運賃も
著しく低減される。
第5に、粉粒体のみならず一般貨物の運搬時にあって
も、側板を折曲,傾斜させることにより、荷台の側方・
横からも、粉粒体や一般貨物を積み込み,荷卸しできる
ようになり、便利でもある。
このように、この種従来例に存した問題点が一掃される
等、本考案の発揮する効果は、顕著にして大なるものが
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案に係る異種物運搬車の実施例を示し、
その荷台の正断面説明図である。 第2図および第3図は、同荷台の斜視図であり、第2図
は一般貨物積み込み用の状態を、第3図は粉粒体積み込
み用に準備中の状態を、それぞれ示している。 第4図は、同異種物運搬車の側面図である。 第5図は、この種従来例の異種物運搬車の荷台の正断面
説明図である。 1……床板 2……側板 3……荷台 5……排出口 6……排出コンベア 7……蓋体 13……サイドピラー 13……下部 13……上部 14……あおり板 14……下段あおり(下部) 14……中段あおり(上部) 14……上段あおり(上部) A……一般貨物 B……粉粒体 S……シート α……安息角

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般貨物と特定種類の粉粒体が、床板と左
    右の側板を備えた荷台に、交互に積み込まれる異種物運
    搬車であって、 上記床板には、中央に長手方向のほぼ全長にわたって開
    閉可能な排出口が形成され、上記排出口の下方には排出
    コンベアが対向して設けられると共に、上記排出口の開
    閉が蓋体にて行われるようになっており、該蓋体は、上
    記排出口を閉塞するに足る長板体よりなり、まず、上記
    一般貨物の積み込み時には上記排出口を閉塞して上記床
    板と共に荷台の床面を形成し、又、上記粉粒体の積み込
    み時には上記排出口から撤去されて荷台の適宜箇所に格
    納され、 左右の上記側板は、立設されるサイドピラーと該サイド
    ピラーに組み付けられるあおり板とからなり、該サイド
    ピラーと該あおり板とは、ともに途中の略同一箇所でそ
    れぞれ上部が下部に対し折曲可能で、上記一般貨物積み
    込み用の直立状態と、上記粉粒体積み込み用の折曲状態
    とに変位可能とされ、 上記折曲状態において、該サイドピラーと該あおり板の
    上部は、ともに、それらの下部の頂端と上記排出口付近
    間に傾斜して介装保持され、積み込まれる特定種類の上
    記粉粒体の安息角以上の角度で、上記床板に対し傾斜す
    る長さを備えてなり、 又上記折曲状態において、傾斜した該サイドピラーと該
    あおり板の上部を覆う、シートが車載されており、該シ
    ートは、折りたたみ可能かつ着脱自在なシート体よりな
    り、一端が上記排出口付近に係合可能とされると共に、
    他端が上記側板の折曲箇所付近に係合可能とされ、ま
    ず、上記一般貨物の積み込み時には取り外され折りたた
    まれて荷台の適宜箇所等に格納され、又、上記粉粒体の
    積み込み時には上述により係合され、上記側板の該サイ
    ドピラーと該あおり板の傾斜した上部を覆うべく取り付
    けられること、 を特徴とする異種物運搬車。
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