JPH0698809B2 - 画像記録方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、画像情報に応じて記録シートに記録を行う画
像記録方法に関する。

〔従来技術〕

プリンタやファクシミリなどの記録装置は、印字データ
信号に基づいて記録ヘッドを駆動することにより、記録
シート（用紙やプラスチック薄板などの記録媒体）に記
録する装置であり、その一型式として記録ヘッドで主走
査するシリアル式のものが広く使用されている。

また、記録方式としては、インクジェット式、ワイヤド
ット式あるいはサーマル式など種々の方式がある。

これらのうち、サーマル式のものは、記録ヘッド（サー
マルヘッド）前面に複数の電気熱変換体（発熱素子）か
ら成るドット形成手段を設け、該ドット形成手段をシー
トに圧接しかつ摺動させるとともに印字データ信号に基
づいて駆動することにより加熱記録するよう構成されて
いる。

また、この種のサーマル記録装置として、感熱シート
（加熱により発色するシート）を使用しインクリボンな
しで記録する感熱方式のものと、普通シートを使用しイ
ンクリボンを介して転写記録する熱転写方式のもの（熱
転写記録装置）がある。

この種の画像記録装置にあっては、記録ヘッドは、記録
シートに圧接するダウン位置と離反するアップ位置間で
揺動駆動されるよう装着されている。

すなわち、キャリジ走査型の熱転写記録装置では、記録
時には、サーマルヘッドはインクシートを介して記録シ
ートに対して圧接状態で摺動されるとともに印字データ
に基づいて駆動され、そのために該サーマルヘッドは記
録シートに圧接されるヘッドダウン位置に駆動される。

一方、記録を停止して記録シートを挿入したり取出した
りする時、あるいは記録途中においてサーマルヘッドを
リターンさせたりスキップさせる時には、サーマルヘッ
ドを記録シートから離反させる必要があり、そのためサ
ーマルヘッドは記録シートから所望間隔離れたヘッドア
ップ位置へ駆動される。

ところで、従来の熱転写記録装置にあっては、サーマル
ヘッドのヘッドアップ位置は１つのポジションに設定さ
れ、しかも、そのポジションは、記録シート挿入時に記
録シートの端部がインクリボンに引掛かることがなく、
かつリボンカセット脱着時にリボンカセットがサーマル
ヘッドに引掛かることがないよう、記録シートから充分
離れた位置に決められていた。

しかし、このような従来構造では、サーマルヘッドのリ
ターン動作やスキップ動作時のように記録シートとの間
に最小限の隙間を設ければ充分である場合にも、記録シ
ートの挿入やリボンカセットの脱着考慮して決められ、
前述のように大きく離反したヘッドアップ位置までサー
マルヘッドを移動させねばならず、ヘッドアップ時にサ
ーマルヘッドが不必要なストローク動をすることにな
り、ヘッドアップ動作時間が大きくしたがって記録に余
分の時間を要するという問題があった。

〔目的〕

本発明はこのような従来技術に鑑みてなされたものであ
り、本発明の目的は、ヘッドのアップダウン動作の移動
量を必要最小限に減少させてアップダウン動作に要する
時間を短縮することができ、それによって記録速度を向
上させることができる画像記録方法を提供することであ
る。

〔概要〕

本発明は、プラテンに配したシート部材とヘッドとが接
触する記録位置と、前記シート部材と前記ヘッドとが僅
かに離間した第１離間位置と、前記シート部材と前記ヘ
ッドとが前記第１離間位置よりも更に離間した第２離間
位置とに変位するとともに、前記プラテンの記録領域に
沿って往復移動する前記ヘッドを用いて前記シート部材
に画像記録を行う画像記録方法において、記録動作が起
動されると、前記ヘッドを前記記録位置へ変位させて１
行に記録する記録データの記録を行い、該記録の終了に
応じて前記ヘッドを前記第１離間位置へ変位させて前記
シート部材を次の行まで搬送して所定の記録が終了した
か否かの判別を行い、前記所定の記録が終了していない
場合には前記ヘッドを前記記録位置へ変位させて次の行
の記録を行い、前記所定の記録が終了している場合には
前記ヘッドを前記第２離間位置へ変位させる構成とする
ことにより、上記目的を達成するものである。

〔実施例〕

以下図面を参照して本発明を具体的に説明する。

第１図は本発明方法を実施するのに好適な熱転写記録装
置の要部を示し、第２図〜第４図は第１図の断面を示
す。

第１図および第２図において、プラテン１にバックアッ
プされた記録シート２に対し、キャリジ３に装着された
サーマルヘッド４で記録していくよう構成されている。
なお、図示のプラテン１はローラ状をしており、シート
搬送ローラを兼ねるものである。

キャリジ３はプラテン１に平行に設置されたガイドシャ
フト５に沿って移動可能に装着され、ステッピングモー
タ６、駆動プーリ７、従動プーリ８およびこれらのプー
リに巻回されかつキャリジ３に結合されたベルト９から
成る駆動系によって往復駆動される。

サーマルヘッド４は複数の発熱素子（例えば縦１列に配
列された24個の抵抗体）を有し、記録シートに圧接する
ダウン位置および離反するアップ位置間で揺動可能に装
着されている。

キャリジ３上には、サーマルヘッド４の前面にインクリ
ボン（インクシート）11を送給するためのリボンカセッ
ト10が着脱自在にセットされている。

リボンカセット10内のインクリボンは、記録時（または
ヘッドダウン時）キャリジ３に設けたリボン駆動軸（図
示せず）により所定方向にサーマルヘッド４の動きに同
期して巻取られる。

第２図において、前記サーマルヘッド４はキャリジ３に
対しピン12を中心に揺動可能に軸支され、該ピン12には
ばね13をかいしてサーマルヘッド４を揺動駆動するため
のアーム14が軸支されている。

一方、キャリジ３にはサーマルヘッド４をプラテン１に
対し離反圧接（アップダウン）駆動するためのヘッドア
ップダウン駆動モーター25が装着されており、該モータ
ー25は減速歯車15を介してホイールカム16を回転駆動す
るように配置されている。

然して、前記アーム14の先端は前記ホイールカム16のカ
ム面16Aに当接され、該アーム14はホイールカム16の回
転位置によってピン12まわりの回転位置を規制され、も
って、ばね13を介してサーマルヘッド４のアップダウン
位置を規制するようになっている。

然して、本発明によれば、サーマルヘッド４は、第２図
に示すようなヘッドダウン位置と、第３図に示すような
比較的大きな隙間をもって離反するヘッドアップの第１
ポジションと、第４図に示すような比較的小さな隙間を
もって離反するヘッドアップの第２のポジションとのそ
れぞれで位置制御可能に構成されている。

すなわち、記録時にはモーター25によって第２図に示す
ヘッドダウン位置に制御され、サーマルヘッド４はイン
クリボン11を介してシート２に圧接されている。この圧
接状態でキャリジ３を駆動して摺動させながら記録が行
われる。

記録を終了しシート２を取出したり、新しいシート２を
挿入する場合は、ヘッドアップダウン駆動モーター25の
制御により第３図に示すようにサーマルヘッド４は前記
第１のポジションへヘッドアップされる。この第１のポ
ジションは、シート２を挿入するときシートの端部がイ
ンクリボン11に引掛かることがなく、さらに、リボンカ
セット10を脱着するときインクリボン11がサーマルヘッ
ド４に引掛かることがないような離反位置に設定されて
いる。

シート２を挿入して記録動作中に記録しないでキャリジ
３（サーマルヘッド４）を移動させる場合、例えばサー
マルヘッド４のスキップ動作やキャリジ３のリターン動
作などに際しては、サーマルヘッド４はヘッドアップダ
ウン駆動モーター25の制御により第４図に示すような第
２のポジションへヘッドアップされる。

この第２のポジションは、サーマルヘッド４が記録しな
いでシート２にそって移動できる程度すなわち前述のサ
ーマルヘッド４のスキップ動作やリターン動作ができる
程度の小さな隙間を形成する離反位置に設定されてい
る。

ヘッドアップダウン作動は、記録装置が待機状態にある
ときあるいは次の動作が記録でなくシート２を全部排出
する動作などであるときのヘッドアップ位置は前述の第
１のポジション（第３図）へヘッドアップし、シート２
を挿入し記録動作中のヘッドアップ位置は前述の第２の
ポジション（第４図）へヘッドアップするよう制御され
る。

第５図は以上のヘッドアップ動作を実施する制御系のブ
ロック図である。

第５図において、記録装置のCPU（マイクロプロセッ
サ）20は、コンピュータやワードプロセッサなどのホス
ト21に接続され、印字データ信号や必要な指令信号（コ
マンド）を受信する。

CPU20は、ドライバー（駆動回路）22を介して、キャリ
ジ駆動モーター23、シート搬送モーター24、ヘッドアッ
プダウン駆動モーター25並びにリボン駆動モーター（キ
ャリジ３の動きを利用するときはリボン巻取り機構切替
え手段）26等の各種駆動系を制御するとともに、ホスト
21からの印字データ信号に基づいてサーマルヘッド４の
ドット形成手段（発熱素子）を駆動する。

記録装置の動作は、CPU20に併設されたROMに格納された
プログラムに基づいて制御される。

第６図は第５図の制御系におけるヘッドアップダウン動
作の手順を例示するフローチャートである。

第６図において、シート２の挿入などの準備が完了しス
テップ100で記録が起動されると、ステップ101へ進みサ
ーマルヘッド４がヘッドダウン（第２図）され、ステッ
プ102で印字データ信号を取出し１行分の記録が行われ
る。

１行分記録すると、第２のポジション（第４図）までヘ
ッドアップし、ステップ104でシート搬送モーター24を
駆動してシート２を１行分搬送し改行する。

次いでステップ105で記録が終了したか否かを判別し、
終了していなければステップ101へ戻り以上の動作を繰
返す。

次いでステップ105へ進んで記録が終了したか否かを判
別する。

記録が終了しておれば、ステップ106へ進み、サーマル
ヘッドを第１のポジション（第３図）へヘッドアップす
る。

以上説明した実施例によれば、ヘッドアップ位置として
移動量が小さな第２のポジションを設け、記録動作中に
おけるサーマルヘッドのスキップやリターン動作などに
際してはこの第２のポジションまでヘッドアップするよ
う制御するので、ヘッドアップ動作を小さくし動作時間
を小さく設定できるので、その分記録速度の向上を図る
ことが可能になった。

また、第６図で説明したように、１行分の記録ごとに記
録が終了したか否かを判別し、記録が終了した場合にの
み記録ヘッド４を記録シート（シート部材）２から充分
に離間した第１のポジションまでヘッドアップし、改行
動作等、それ以外のには僅かに離間した第２のポジショ
ンまでしかヘッドアップしないように制御するので、ヘ
ッドのアップダウン時の移動量および動作時間を必要最
小限まで短縮することが可能となり、さらに記録速度を
向上させることが可能になる。

なお、本発明は記録ヘッドが固定されたフルライン型式
（ラインプリンタ等）の画像記録装置に対しても同様に
適用することができる。

また、インクシートを介在させて記録するワイヤドット
式記録装置に対しても同様に適用できる。

〔効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、プラ
テンに配したシート部材とヘッドとが接触する記録位置
と、前記シート部材と前記ヘッドとが僅かに離間した第
１離間位置と、前記シート部材と前記ヘッドとが前記第
１離間位置よりも更に離間した第２離間位置とに変位す
るとととに、前記プラテンの記録領域に沿って往復移動
する前記ヘッドを用いて前記シート部材に画像記録を行
う画像記録方法において、記録動作が起動されると、前
記ヘッドを前記記録位置へ変位させて１行に記録する記
録データの記録を行い、該記録の終了に応じて前記ヘッ
ドを前記第１離間位置へ変位させて前記シート部材を次
の行まで搬送して所定の記録が終了したか否かの判別を
行い、前記所定の記録が終了していない場合には前記ヘ
ッドを前記記録位置へ変位させて次の行の記録を行い、
前記所定の記録が終了している場合には前記ヘッドを前
記第２離間位置へ変位させる構成としたので、ヘッドア
ップダウン動作の移動量を必要最小限に減少させてアッ
プダウン動作に要する時間を短縮することができ、それ
によって記録速度を向上させることができる画像記録方
法が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施するのに好適な画像記録装置の要
部斜視図、第２図〜第４図はそれぞれ第１図の記録装置
のヘッドダウン状態、第１のポジションへのヘッドアッ
プ状態、第２のポジションへのヘッドアップ状態を示す
断面図、第５図は本発明による画像記録装置の制御系を
例示するブロック図、第６図は第５図の制御系の動作手
順を例示するフローチャートである。 ２……記録シート、３……キャリジ、４……記録ヘッ
ド、10……リボンカセット、20……CPU、25……ヘッド
アップダウン駆動モーター。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プラテンに配したシート部材とヘッドとが
   接触する記録位置と、前記シート部材と前記ヘッドとが
   僅かに離間した第１離間位置と、前記シート部材と前記
   ヘッドとが前記第１離間位置よりも更に離間した第２離
   間位置とに変位するとともに、前記プラテンの記録領域
   に沿って往復移動する前記ヘッドを用いて前記シート部
   材に画像記録を行う画像記録方法において、 記録動作が起動されると、前記ヘッドを前記記録位置へ
   変位させて１行に記録する記録データの記録を行い、該
   記録の終了に応じて前記ヘッドを前記第１離間位置へ変
   位させて前記シート部材を次の行まで搬送して所定の記
   録が終了したか否かの判別を行い、前記所定の記録が終
   了していない場合には前記ヘッドを前記記録位置へ変位
   させて次の行の記録を行い、前記所定の記録が終了して
   いる場合には前記ヘッドを前記第２離間位置へ変位させ
   ることを特徴とする画像記録方法。