JPH0698677A - 乳酸菌強化型醗酵乳製品およびその製造方法 - Google Patents

乳酸菌強化型醗酵乳製品およびその製造方法

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JPH0698677A
JPH0698677A JP4251352A JP25135292A JPH0698677A JP H0698677 A JPH0698677 A JP H0698677A JP 4251352 A JP4251352 A JP 4251352A JP 25135292 A JP25135292 A JP 25135292A JP H0698677 A JPH0698677 A JP H0698677A
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JP
Japan
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lactic acid
acid bacteria
milk
fermented
fermented milk
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JP4251352A
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English (en)
Inventor
Takashi Arai
孝 荒井
Tetsuo Sudo
哲夫 須藤
Kazuo Niwa
一夫 丹羽
Takashi Kawamata
尚 川又
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOSEI YAKUHIN KOGYO KK
Original Assignee
KOSEI YAKUHIN KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】乳酸菌数を1億/ml以上にも強化することに
より、健康補助食品素材としての用途に好適な乳酸菌強
化型醗酵乳製品及びその製造方法を提供する。 【構成】乳原料に乳酸菌を添加して通常のヨーグルトの
場合に比し遙かに長時間培養することにより、乳酸菌数
が1億以上/mlと極めて多い醗酵乳とし、この醗酵乳
から分別した固形成分を乾燥して粉末状の乳酸菌強化型
醗酵乳製品を得る。食品添加物としての用途に好適で、
携帯,運搬に便利で且つ保存性があり使い易い粉末状健
康補助食品素材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳酸菌数がヨーグルト
等の10倍以上も多い乳酸菌強化型強化型の醗酵乳製品
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、醗酵乳製品として代表的なヨーグ
ルトは、殺菌処理した乳原料に乳酸菌を加え、40℃前
後の温度で6〜8時間程度培養して製造されており、そ
の製品はpH4.2 ,酸度0.8 %(乳酸換算),乳酸菌数
1,000 万/ml程度である。最近は、そのヨーグルトの製
品形状も、ハードタイプ,ソフトタイプ,ドリンクタイ
プ,フローズンタイプ,粉末タイプ等と多様になってい
る。そうした製品の多様さに応じて、醗酵乳製品の製造
技術の開発も盛んに行われており、例えば特開昭59−
205938号には、ヨーグルトに乳酸菌の活性を保護
するための脱脂粉乳を添加し溶解せしめ、そのヨーグル
トを凍結乾燥して水分を減少せしめた後、ペースト状と
し、このペースト状ヨーグルトを急速凍結しつつ又は急
速凍結した後に顆粒状に成形して凍結乾燥する顆粒状乾
燥ヨーグルトの製造方法が提案されている。
【0003】また、特公平2ー34580号には、pH
5.0 以下の醗酵乳に酸性プロテイナーゼを作用させるこ
とで醗酵乳の粘度を著しく低下させ、その醗酵乳のpH
を4.50に調整したときの可溶区分中の総窒素量が原醗酵
乳中の総窒素量の19〜45%の範囲にあるようにした後加
熱殺菌処理を行い、次いで濃縮操作を実施するようし
た、醗酵乳を主原料とした低粘性のペースト状濃縮乳製
品の製造方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近時、乳酸菌の効用に
ついての研究が進み、特に乳酸菌がもたらす健康効果と
して、高コレステロール,高血圧,糖尿病,ガンなどの
予防効果があることも認められ、健康意識の高まりと共
に健康志向食品として注目されるに至っている。醗酵乳
製品をこうした健康志向食品の見地からみると、その乳
酸菌数は多いほど、乳酸菌の有効な生成物質が多く生理
活性が高くなり、乳蛋白の消化吸収率も改善される。
【0005】しかしながら、一方、乳酸菌数が多くなる
につれて酸味が強くなる。上記従来の醗酵乳製品の製造
方法により得られる製品は、いずれもその製品の風味が
直接に賞味される食品に属するものであり、したがって
食品としての酸味には自ずから限度がある。そのため、
乳酸菌数を一般的なヨーグルト等に比べて格段に多くす
る(強化する)ことはできなかった。
【0006】そこで、本発明は、醗酵乳製品を直接に風
味を賞味する食品に限定することなく、特に乳酸菌の健
康効果に焦点をあてることに着目してなされたものであ
り、その乳酸菌数をヨーグルトの10倍以上にも強化す
ることにより、直接的な食用としてよりも健康補助食品
素材としての用途に好適な乳酸菌強化型醗酵乳製品及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の醗酵乳製品は、pHが4.0 以下、酸度が1 %(乳
酸換算)以上で、乳酸菌数が108 /ml以上であるこ
とを特徴とする。また、本発明の製造方法は、乳原料に
乳酸菌を添加し、35〜45℃の温度で36〜48時間
培養して酸度1%以上の醗酵乳とする工程と、その醗酵
乳を高速攪拌して均質化する工程と、均質化したものを
固形成分と液成分とに分別する工程と、当該固形成分を
高速攪拌して均質化する工程と、前記いずれかの均質化
工程において糖分を添加する工程と、均質化された前記
固形成分を乾燥する工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明にあっては、殺菌した乳原料に乳酸菌を
加えた後、所定の醗酵温度で通常のヨーグルト食品より
遙かに長時間培養する。これにより乳酸菌数が通常のヨ
ーグルト食品の10倍以上にもなり、直接賞味される食
品としては酸味が強く適さないが、各種の食品に添加す
ることで多量の乳酸菌を効率良く摂取することが可能に
なる。これにより、顕著な整腸作用を有する腸内のビヒ
ズス菌の活性が高められてその増殖が促進される。すな
わち、本発明の乳酸菌強化型醗酵乳製品は携帯,運搬に
便利で、且つ保存性があり使い易い粉末状健康補助食品
素材として極めて有用である。
【0009】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の醗酵乳とは、主に哺乳動物の乳を原料として乳酸菌
で醗酵させたものを意味する。哺乳動物の乳としては、
例えば牛乳,羊乳,馬乳等の他に脱脂粉乳のごとき乳製
品をも含み、それらを単独あるいは二種以上混合して用
いることができる。
【0010】それらの乳原料を加熱殺菌した後、乳酸菌
を10重量%(以下同じ)程度添加し、所定の醗酵温度
に所定時間維持して醗酵させる。乳酸菌としては、例え
ばラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulg
aricus)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Stre
ptococcus thermophilus) 、ストレプトコッカス・ラク
チス(Str. lactis)、ラクトバチルス・アシドフィルス
(L. acidophilus)等を単独または二種以上混合して用い
る。
【0011】醗酵温度は用いる菌種により異なり、一般
に35〜45℃の範囲であるが、好ましくは39.7〜40.3
℃である。35℃未満では醗酵が不十分となり、一方、
45℃を越えると乳酸菌の醗酵が阻害されて酸度が上昇
しない。醗酵の培養時間は、36〜48時間とする。3
6時間未満では製品中の乳酸菌濃度が108 /mlに達
しない。一方、48時間を越えると製品のpHが低くな
り過ぎて乳酸菌が死滅する。
【0012】上記の醗酵条件で得られる醗酵乳のpHは
4.0 以下、酸度は1 %以上であり、乳酸菌数は1億/m
l以上に達する。本発明にあっては、得られた乳酸菌の
極めて高い醗酵乳を、高速で激しく攪拌して凝固成分を
均一に分散(均質化)した後、濾過あるいは遠心分離等
の手段で固形成分と液成分とに分別し、以後は別々の工
程によりその分別物をそれぞれに別途に処理し、乾燥製
品と液状製品とを得る。その点、一般的な醗酵乳製品で
ある例えばフローズン・ヨーグルトや粉末ヨーグルトな
どのように、醗酵を終了したものを水分と固形分とが混
在したまま真空凍結乾燥させて商品化するのとは異な
る。このように本発明の場合は、醗酵後に固形成分から
予め余分の水分を分別除去しておくので、その後の乾燥
の効率が高く、乾燥工程を短縮できる。
【0013】固形成分は、分別後ただちにミキサまたは
ホモジナイザを用いて高速攪拌し均質化する。固形成分
には、この攪拌均質化処理が可能な程度の水分が残存し
ていることが必要である。そのために、上記の分別で、
固形成分が緩いペースト状になるように含水量を調整す
る。そのペースト状固形分に、処理後の性状が滑らかで
好ましい食感が得られるようにオリゴ糖を8〜10%添
加して均質化する。もっとも、オリゴ糖を添加する代わ
りにブドー糖や蜂蜜糖を添加することも可能であるが、
本発明品の健康補助食品素材としての用途に鑑み、ビヒ
ズス菌が好むオリゴ糖のほうが望ましい。
【0014】なお、オリゴ糖の添加は、醗酵乳を固形成
分と液成分とに分別する前、すなわち醗酵処理直後の均
質化工程で添加してもよい。その場合には、混合した均
質品を引き続き濾過して固形成分を分別する作業がより
容易になる利点がある。次いで、オリゴ糖を添加し均質
化されたものを凍結乾燥、あるいは噴霧乾燥で急速乾燥
して、粉末状ないし粒状の固形醗酵乳製品とする。特
に、凍結乾燥法によれば、乳酸菌の生菌数を高レベルに
維持することができ、本発明の意図する高乳酸菌数の製
品が容易に製造可能である。必要に応じて粉末状のもの
を顆粒状や錠剤状等に賦型してもよい。
【0015】上記固形成分と分別された液成分は、メン
ブレンフィルタ等により精密濾過して液内に残存する蛋
白質等の微細固形物を除去した後、醗酵乳酸,オリゴ
糖,香料等を添加し、酸味,甘味,香り等を適宜に調整
する。次に、85℃で5分間加熱処理し、殺菌タイプの
液状醗酵乳製品とする。この製品中には、乳原料中に含
まれた水溶性のミネラルであるカルシウム,カリウム,
ナトリウム,マグネシウム等が豊富に存在しており、健
康志向の液状食品添加物として有用である。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は、
製造工程の一実施例である。乳原料としてダイエットに
好適な脱脂粉乳を用い、その粉乳10%(重量比)に精
製水90%を加えて混合したものを、85±1℃の温度
で5分間加熱処理して殺菌した。この殺菌した乳液に対
して10%の乳酸菌を添加し、40±0.3 ℃で48時間
醗酵させた。これにより生成された醗酵乳は、pHが3.
8 、酸度が1.3 %(乳酸換算)、乳酸菌数は1億以上/
mlであった。
【0017】次いで、この醗酵乳をミキサで高速攪拌し
て均質化し、その後に濾布を用いて濾過することにより
濾液35%と残渣(固形成分)65%とに分別した。濾
布上の残渣は回収してミキサ内に投入し、オリゴ糖を9
±1%添加して高速攪拌することにより均質化した。次
に、その均質化したものを凍結乾燥して粉末化した。凍
結乾燥の条件は、真空圧50Torr、乾燥温度30±1
℃、乾燥時間48時間とした。
【0018】その粉末を粒状に賦型し、包装して、携
帯,運搬に便で、且つ保存性が良く使い易い粉末状健康
補助食品素材として極めて有用な乳酸菌強化型乾燥醗酵
乳製品を得た。一方、濾液の方は、メンブレンフィルタ
により精密濾過し、次いでその濾液に醗酵乳酸,オリゴ
糖,香料を添加して酸味,甘味,香りを調整した後、8
5±1℃で5分間加熱処理して殺菌し、ミネラル成分に
富む液状醗酵乳製品を得た。
【0019】これらの製品は、例えばパン,ケーキ類,
サラダドレッシング,各種飲料類,菓子類,パイ,その
他の調理食品等、広範囲に及ぶ食品添加物として利用す
ることができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
乳原料に乳酸菌を添加して通常のヨーグルトの場合に比
し遙かに長時間培養することにより、乳酸菌数が1億以
上/mlと極めて多い醗酵乳とし、この醗酵乳から分別
した固形成分を乾燥して粉末状等の極めて乳酸菌に富む
醗酵乳製品を得るものであり、そのため直接に賞味され
る嗜好食品としてよりも、食品添加物としての用途に好
適な、携帯,運搬に便利で且つ保存性があり使い易い粉
末状健康補助食品素材を提供できるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造工程図である。
【符号の説明】 なし
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 乳酸菌強化型醗酵乳製品およびそ
の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳酸菌数がヨーグルト
等の10倍以上も多い乳酸菌強化型強化型の醗酵乳製品
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、醗酵乳製品として代表的なヨーグ
ルトは、殺菌処理した乳原料に乳酸菌を加え、40℃前
後の温度で6〜8時間程度培養して製造されており、そ
の製品はpH4.2 ,酸度0.8 %(乳酸換算),乳酸菌数
1,000 万/ml程度である。最近は、そのヨーグルトの製
品形状も、ハードタイプ,ソフトタイプ,ドリンクタイ
プ,フローズンタイプ,粉末タイプ等と多様になってい
る。そうした製品の多様さに応じて、醗酵乳製品の製造
技術の開発も盛んに行われており、例えば特開昭59−
205938号には、ヨーグルトに乳酸菌の活性を保護
するための脱脂粉乳を添加し溶解せしめ、そのヨーグル
トを凍結乾燥して水分を減少せしめた後、ペースト状と
し、このペースト状ヨーグルトを急速凍結しつつ又は急
速凍結した後に顆粒状に成形して凍結乾燥する顆粒状乾
燥ヨーグルトの製造方法が提案されている。
【0003】また、特公平2ー34580号には、pH
5.0 以下の醗酵乳に酸性プロテイナーゼを作用させるこ
とで醗酵乳の粘度を著しく低下させ、その醗酵乳のpH
を4.50に調整したときの可溶区分中の総窒素量が原醗酵
乳中の総窒素量の19〜45%の範囲にあるようにした後加
熱殺菌処理を行い、次いで濃縮操作を実施するようし
た、醗酵乳を主原料とした低粘性のペースト状濃縮乳製
品の製造方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近時、乳酸菌の効用に
ついての研究が進み、特に乳酸菌がもたらす健康効果と
して、高コレステロール,高血圧,糖尿病,ガンなどの
予防効果があることも認められ、健康意識の高まりと共
に健康志向食品として注目されるに至っている。醗酵乳
製品をこうした健康志向食品の見地からみると、その乳
酸菌数は多いほど、乳酸菌の有効な生成物質が多く生理
活性が高くなり、乳蛋白の消化吸収率も改善される。
【0005】しかしながら、一方、乳酸菌数が多くなる
につれて酸味が強くなる。上記従来の醗酵乳製品の製造
方法により得られる製品は、いずれもその製品の風味が
直接に賞味される食品に属するものであり、したがって
食品としての酸味には自ずから限度がある。そのため、
乳酸菌数を一般的なヨーグルト等に比べて格段に多くす
る(強化する)ことはできなかった。
【0006】そこで、本発明は、醗酵乳製品を直接に風
味を賞味する食品に限定することなく、特に乳酸菌の健
康効果に焦点をあてることに着目してなされたものであ
り、その乳酸菌数をヨーグルトの10倍以上にも強化す
ることにより、直接的な食用としてよりも健康補助食品
素材としての用途に好適な乳酸菌強化型醗酵乳製品及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の醗酵乳製品は、pHが4.0 以下、酸度が1 %(乳
酸換算)以上で、乳酸菌数が108 /ml以上であるこ
とを特徴とする。また、本発明の製造方法は、乳原料に
乳酸菌を添加し、35〜45℃の温度で36〜48時間
培養して酸度1%以上の醗酵乳とする工程と、その醗酵
乳を高速攪拌して均質化する工程と、均質化したものを
固形成分と液成分とに分別する工程と、当該固形成分を
高速攪拌して均質化する工程と、前記いずれかの均質化
工程において糖分を添加する工程と、均質化された前記
固形成分を乾燥する工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明にあっては、殺菌した乳原料に乳酸菌を
加えた後、所定の醗酵温度で通常のヨーグルト食品より
遙かに長時間培養する。これにより乳酸菌数が通常のヨ
ーグルト食品の10倍以上にもなり、直接賞味される食
品としては酸味が強く適さないが、各種の食品に添加す
ることで多量の乳酸菌を効率良く摂取することが可能に
なる。これにより、顕著な整腸作用を有する腸内のビヒ
ズス菌の活性が高められてその増殖が促進される。すな
わち、本発明の乳酸菌強化型醗酵乳製品は携帯,運搬に
便利で、且つ保存性があり使い易い粉末状健康補助食品
素材として極めて有用である。
【0009】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の醗酵乳とは、主に哺乳動物の乳を原料として乳酸菌
で醗酵させたものを意味する。哺乳動物の乳としては、
例えば牛乳,羊乳,馬乳等の他に脱脂粉乳のごとき乳製
品をも含み、それらを単独あるいは二種以上混合して用
いることができる。
【0010】それらの乳原料を加熱殺菌した後、乳酸菌
を10重量%(以下同じ)程度添加し、所定の醗酵温度
に所定時間維持して醗酵させる。乳酸菌としては、例え
ばラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulg
aricus)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Stre
ptococcus thermophilus) 、ストレプトコッカス・ラク
チス(Str. lactis)、ラクトバチルス・アシドフィルス
(L. acidophilus)等を単独または二種以上混合して用い
る。
【0011】醗酵温度は用いる菌種により異なり、一般
に35〜45℃の範囲であるが、好ましくは39.7〜40.3
℃である。35℃未満では醗酵が不十分となり、一方、
45℃を越えると乳酸菌の醗酵が阻害されて酸度が上昇
しない。醗酵の培養時間は、36〜48時間とする。3
6時間未満では製品中の乳酸菌濃度が108 /mlに達
しない。一方、48時間を越えると製品のpHが低くな
り過ぎて乳酸菌が死滅する。
【0012】上記の醗酵条件で得られる醗酵乳のpHは
4.0 以下、酸度は1 %以上であり、乳酸菌数は1億/m
l以上に達する。本発明にあっては、得られた乳酸菌の
極めて高い醗酵乳を、高速で激しく攪拌して凝固成分を
均一に分散(均質化)した後、濾過あるいは遠心分離等
の手段で固形成分と液成分とに分別し、以後は別々の工
程によりその分別物をそれぞれに別途に処理し、乾燥製
品と液状製品とを得る。その点、一般的な醗酵乳製品で
ある例えばフローズン・ヨーグルトや粉末ヨーグルトな
どのように、醗酵を終了したものを水分と固形分とが混
在したまま真空凍結乾燥させて商品化するのとは異な
る。このように本発明の場合は、醗酵後に固形成分から
予め余分の水分を分別除去しておくので、その後の乾燥
の効率が高く、乾燥工程を短縮できる。
【0013】固形成分は、分別後ただちにミキサまたは
ホモジナイザを用いて高速攪拌し均質化する。固形成分
には、この攪拌均質化処理が可能な程度の水分が残存し
ていることが必要である。そのために、上記の分別で、
固形成分が緩いペースト状になるように含水量を調整す
る。そのペースト状固形分に、処理後の性状が滑らかで
好ましい食感が得られるようにオリゴ糖を8〜10%添
加して均質化する。もっとも、オリゴ糖を添加する代わ
りにブドー糖や蜂蜜糖を添加することも可能であるが、
本発明品の健康補助食品素材としての用途に鑑み、ビヒ
ズス菌が好むオリゴ糖のほうが望ましい。
【0014】なお、オリゴ糖の添加は、醗酵乳を固形成
分と液成分とに分別する前、すなわち醗酵処理直後の均
質化工程で添加してもよい。その場合には、混合した均
質品を引き続き濾過して固形成分を分別する作業がより
容易になる利点がある。次いで、オリゴ糖を添加し均質
化されたものを凍結乾燥、あるいは噴霧乾燥で急速乾燥
して、粉末状ないし粒状の固形醗酵乳製品とする。特
に、凍結乾燥法によれば、乳酸菌の生菌数を高レベルに
維持することができ、本発明の意図する高乳酸菌数の製
品が容易に製造可能である。必要に応じて粉末状のもの
を顆粒状や錠剤状等に賦型してもよい。
【0015】上記固形成分と分別された液成分は、メン
ブレンフィルタ等により精密濾過して液内に残存する蛋
白質等の微細固形物を除去した後、醗酵乳酸,オリゴ
糖,香料等を添加し、酸味,甘味,香り等を適宜に調整
する。次に、85℃で5分間加熱処理し、殺菌タイプの
液状醗酵乳製品とする。この製品中には、乳原料中に含
まれた水溶性のミネラルであるカルシウム,カリウム,
ナトリウム,マグネシウム等が豊富に存在しており、健
康志向の液状食品添加物として有用である。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は、
製造工程の一実施例である。乳原料としてダイエットに
好適な脱脂粉乳を用い、その粉乳10%(重量比)に精
製水90%を加えて混合したものを、85±1℃の温度
で5分間加熱処理して殺菌した。この殺菌した乳液に対
して10%の乳酸菌を添加し、40±0.3 ℃で48時間
醗酵させた。これにより生成された醗酵乳は、pHが3.
8 、酸度が1.3 %(乳酸換算)、乳酸菌数は1億以上/
mlであった。
【0017】次いで、この醗酵乳をミキサで高速攪拌し
て均質化し、その後に濾布を用いて濾過することにより
濾液35%と残渣(固形成分)65%とに分別した。濾
布上の残渣は回収してミキサ内に投入し、オリゴ糖を9
±1%添加して高速攪拌することにより均質化した。次
に、その均質化したものを凍結乾燥して粉末化した。凍
結乾燥の条件は、真空圧50Torr、乾燥温度30±1
℃、乾燥時間48時間とした。
【0018】その粉末を粒状に賦型し、包装して、携
帯,運搬に便で、且つ保存性が良く使い易い粉末状健康
補助食品素材として極めて有用な乳酸菌強化型乾燥醗酵
乳製品を得た。一方、濾液の方は、メンブレンフィルタ
により精密濾過し、次いでその濾液に醗酵乳酸,オリゴ
糖,香料を添加して酸味,甘味,香りを調整した後、8
5±1℃で5分間加熱処理して殺菌し、ミネラル成分に
富む液状醗酵乳製品を得た。
【0019】これらの製品は、例えばパン,ケーキ類,
サラダドレッシング,各種飲料類,菓子類,パイ,その
他の調理食品等、広範囲に及ぶ食品添加物として利用す
ることができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
乳原料に乳酸菌を添加して通常のヨーグルトの場合に比
し遙かに長時間培養することにより、乳酸菌数が1億以
上/mlと極めて多い醗酵乳とし、この醗酵乳から分別
した固形成分を乾燥して粉末状等の極めて乳酸菌に富む
醗酵乳製品を得るものであり、そのため直接に賞味され
る嗜好食品としてよりも、食品添加物としての用途に好
適な、携帯,運搬に便利で且つ保存性があり使い易い粉
末状健康補助食品素材を提供できるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造工程図である。
【符号の説明】 なし
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:225) (C12N 1/20 C12R 1:23) (C12N 1/20 C12R 1:46) (72)発明者 川又 尚 群馬県高崎市貝沢町969番地1 光生薬品 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸度が1 %(乳酸換算)以上で108
    ml以上の乳酸菌を含有することを特徴とする乳酸菌強
    化型乾燥醗酵乳製品。
  2. 【請求項2】 乳原料に乳酸菌を添加し、35〜45℃
    の温度で36〜48時間培養して酸度1%以上の醗酵乳
    とする工程と、その醗酵乳を高速攪拌して均質化する工
    程と、均質化したものを固形成分と液成分とに分別する
    工程と、当該固形成分を高速攪拌して均質化する工程
    と、前記いずれかの均質化工程において糖分を添加する
    工程と、均質化された前記固形成分を乾燥する工程とを
    含むことを特徴とする乳酸菌強化型醗酵乳製品の製造方
    法。
JP4251352A 1992-09-21 1992-09-21 乳酸菌強化型醗酵乳製品およびその製造方法 Pending JPH0698677A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4251352A JPH0698677A (ja) 1992-09-21 1992-09-21 乳酸菌強化型醗酵乳製品およびその製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0923848A (ja) * 1995-07-14 1997-01-28 Calpis Food Ind Co Ltd:The 脳機能改善、学習能力増強および記憶力増強作用を有する機能性食品
JP2014143987A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Ito En Ltd 乳酸菌含有飲食品のまろやかさ向上方法
JP2017051173A (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 徳永 貞喜 シール接着包装の生菌粉末ヨーグルトとその組合せ食品

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