JPH0698408B2 - トランスファープレスによる深絞り部品の成形方法 - Google Patents

トランスファープレスによる深絞り部品の成形方法

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JPH0698408B2 JP1292279A JP29227989A JPH0698408B2 JP H0698408 B2 JPH0698408 B2 JP H0698408B2 JP 1292279 A JP1292279 A JP 1292279A JP 29227989 A JP29227989 A JP 29227989A JP H0698408 B2 JPH0698408 B2 JP H0698408B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は自動車、家具、建材などに用いられる深絞り
部品を、トランスファープレスにより製造する場合の成
形方法に関するものである。
(従来の技術) 従来から自動車用のオイルパン、家具として用いられる
浴槽・流し台用タンク及び石油ストーブなどに用いられ
るカートリッジタンクなどの深絞り部品の成形におい
て、変形発熱が金型内に蓄積し金型温度が上昇すること
が知られていた。しかし、このような深絞り部品の成形
においては、従来は油圧プレスが主体で、メカニカルプ
レスを使用する場合でも比較的単位時間当たりの成形枚
数が少なく、金型温度の上昇に伴う成形上の問題も注目
されることが少なかった。
しかしながら、近年トランスファープレスが普及し、こ
のような深絞り部品の成形にも適用されるようになって
きたため、金型温度の上昇が極めて大きくなり成形性の
劣化が問題となり始めた。
このようなトランスファープレスでの成形による金型温
度の上昇に対して、様々な対策をとってきた。
第1に、金型上部から水溶性冷却油を金型全体にかかる
ように流す方法である。この方法では、水溶性冷却油が
プレス時に周辺に飛散して作業環境が悪化するだけでな
く、後述するように最も冷却の必要なポンチ肩部の冷却
に対して殆ど効果がないことが分かった。
第2に、プレス時に使用する潤滑油の変更である。例え
ば、極圧添加剤入りのプレス油などに潤滑油を変更し
て、温度上昇に伴う金型と被加工材間の潤滑性能の低下
を防止する方法であるが、温度上昇に伴う被加工材の引
張強さ(TS)や全伸び(T.El)の低下を防止できないこ
と、及び成形後の脱脂にかかる費用が増加することなど
から有効な対策ではないことが分かった。
第3に、絞りの工程を増加して変形発熱を少なくする方
法がある。例えば、従来1回で成形していたものを2回
にしたり、2回で成形していたものを3回にしたりする
方法であり、金型1個あたりの変形発熱は少なくなる
が、金型個数の増加により製造コストが上昇する。
第4に、材料のグレードアップが上げられる。例えば、
深絞り用のアルミキルド鋼冷延鋼板から超深絞り用の極
低炭素チタン添加鋼冷延鋼板への変更などである。
現在は、第3及び第4の対策が主に用いられているが、
製造コストの上昇だけでなく、例えば自動車用のオイル
パン等に、成形性が冷延鋼板よりも劣る表面処理鋼板を
充当することが困難であった。
(発明が解決しようとする課題) トランスファープレスによる変形発熱の蓄積により金型
温度の上昇を防止することが、絞り工程数の減少や材料
のグレードアップを防止して製造コストを減少させた
り、自動車用のオイルパン等に成形性が冷延鋼板よりも
劣る表面処理鋼板を充当するのに不可欠である。
本発明はトランスファープレスによる張出成形及び絞り
成形と張出成形が同時に行われる複合成形を可能にする
深絞り成形方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明はかかる問題点を解決したものであって、その要
旨は、次の通りである。
1.ポンチストローク速度700mm/分以上かつ成形個数5個
/分以上のトランスファープレスによる、ブランクのさ
し渡しの最小部分の大きさが200mm以上の深絞り部品の
成形方法において、冷延鋼板または表面処理鋼板を破断
危険部のポンチ肩部の表面近傍の温度を20℃以下に保持
して成形することを特徴とするトランスファープレスに
よる深絞り部品の成形方法。
2.深絞り成形部品が自動車用オイルパンであることを特
徴とする前記第1項記載のトランスファープレスによる
深絞り部品の成形方法。
(作用) 具体例として、トランスファープレスによる自動車用の
オイルパンの深絞り成形について考える。トランスファ
ープレスによってオイルパンの成形を行う場合、ブラン
キング、絞り、トリミング、打抜き、曲げなど多くの金
型をプレス内に設置して連続的に成形を行っている。こ
の中で、絞りの工程は変形量も多く変形発熱により金型
温度の上昇が大きく破断の危険性が高い。
第2図に示すような形状のオイルパンをメカニカルプレ
スで成形する場合、破断が生じやすくしかも成形速度の
遅くなる下死点より、10mmから1mm上の位置でのポンチ
ストローク速度は6500mm/分から2100mm/分であり、成形
個数は16〜18個/分、ブランクのさし渡しの最小部分の
長さは420mmである。
第2図の部品は成形が難しいために、被加工材としては
r値の高い極低炭素チタン添加鋼冷延鋼板を用いている
が、被加工材のr値の効果を確認するためアルミキルド
鋼冷延鋼板の実験も行った。被加工材として第2表に示
すアルミ鋼冷延鋼板を用いた場合、成形開始後1個目の
第2図に示すポンチ肩部9の板厚ひずみは−0.3とな
り、ポンチ肩部は最も破断しやすい部位である。
第2図のA−A′断面の金型形状の略図を第1図に示
す。
第1図においては、1はポンチ、2はダイ、3はブラン
クホルダー、4は被加工材、5はポンチ頭部の最も破断
しやすい部位を冷却する冷却配管、6は冷媒の温度制御
装置と冷媒を循環させるポンプが一体となったもの、7
はポンチ肩部の被加工材が最も破断しやすい部位の表面
近傍の温度を検出する熱電対、8はダイ表面近傍の温度
を検出する熱電対である。
第1図は本発明法を示すものであるが、冷却配管5及び
冷媒の温度制御装置とポンプ6を使用しなければ、通常
のトランスファープレスによる成形と同じとなり、熱電
対7及び8により成形時のポンチ肩部の被加工材が最も
破断しやすい部位の温度及びダイ表面近傍の温度を検出
できる。
実験時にはブランクホルダー表面近傍の温度も熱電対で
測定したが、熱電対8で検出したダイ表面近傍の温度と
殆ど差がなかったため、材料が流入するフランジ部の温
度としてダイ表面近傍の温度で代表することとした。
通常のトランスファープレスによる成形で金型上部から
水溶性冷却油を流さない場合の成形においては、第1図
の熱電対7及び8で検出されるポンチ肩部の表面近傍の
温度ならびにダイ表面近傍の温度は、成形開始前は共に
25℃であったものが、40個成形後にはポンチ肩部の表面
近傍の温度が52℃に、ダイ表面近傍の温度は60℃にそれ
ぞれなっていた。
被加工材としては第2表に示す深絞り用のアルミキルド
鋼冷延鋼板を使用した場合、ポンチ肩部の表面近傍の温
度が50℃以上となる35個成形付近からポンチ肩部で割れ
が発生した。
このようにトランスファープレスで成形を行った場合、
金型の温度上昇が著しいこと及びポンチ肩部の表面近傍
の温度が、ある温度以上になるとポンチ肩部で割れが発
生し始めることが分かった。ポンチ肩部の表面近傍の温
度が上昇すると成形限界が低下するのは、本発明者らが
すでに「塑性と加工、28-314(1987),225〜231頁」や
「塑性と加工、28-318(1987),706〜711頁」で報告し
ているように、温度上昇に伴う被加工材の引張強さ(T
S)の低下の寄与が大きいと考えられる。
本発明により、トランスファープレスによる変形発熱の
蓄積によるポンチ肩部の温度の上昇を防止し、絞り工程
数の減少や材料のグレードアップを防止して製造コスト
を減少すること、及び自動車用のオイルパン等に成形性
が冷延鋼板より劣る表面処理鋼板を充当することができ
る理由は以下のように考えられる。
第1図はトランスファープレスによるオイルパンの深絞
り工程(この場合1回で絞る)の金型断面図を示したも
のであり、冷却配管5及び冷媒の温度制御装置と冷媒循
環用のポンプ6を作動させることにより、ポンチ肩部の
被加工材が最も破断しやすい部位の温度を低下させるこ
とができる。この場合、熱電対7及び8により検出した
温度により、冷媒の温度制御装置と冷媒循環用のポンプ
6に連動させて冷媒の温度及び流量を制御すれば、ポン
チ肩部の被加工材が最も破断しやすい表面近傍の温度、
またはポンチ肩部の表面近傍の温度とダイ・ブランクホ
ルダーの表面近傍の温度の差を目標温度に設定できる。
第3図はこの金型を用いて、実際のトランスファープレ
スに組み込んで成形した場合の成形個数と第1図の熱電
対7及び8で検出したポンチ肩部の表面近傍の温度及び
ダイの表面近傍の温度の関係を示したものである。
第3図において、△印は金型上部から水溶性冷却油を金
型全体にかかるように使用したが、ポンチ肩部を冷却配
管に冷媒を循環させて冷却すること(以下ポンチ冷却と
記す)を行わなかった場合(比較例1)、×印はこの水
溶性冷却油を使用せずポンチ冷却も行わなかった場合
(比較例2)、○印は本発明法によりポンチ冷却を行
い、水溶性冷却油を使用しなかった場合のポンチ肩部の
温度である。
冷媒の温度は第1図のポンチ6の出側で0℃とした。成
形開始前の(成形個数0)の場合は、ポンチ冷却なしの
場合は×印,△印共25℃であるが、ポンチ冷却をした○
印は3℃である。成形個数の増加と共にいずれの場合
も、ポンチ肩部の表面近傍の温度は上昇するが、ポンチ
冷却しない×印,△印の温度上昇は極めて大きく、×印
の場合35個で50℃以上となり、△印では60個で50℃以上
となる。しかし、○印のポンチ冷却した場合は60個まで
成形しても18℃で、この後1000個まで成形しても温度は
18℃と殆ど上昇しなかった。
また、第3図から金型上部から水溶性冷却油を金型全体
にかかるように流しても、ポンチ肩部の表面近傍の温度
の低下は60個成形後約3℃しかないことが分かった。
また第1図の熱電対8で検出したダイ表面近傍の温度に
ついて、ポンチ冷却を行い、水溶性冷却油を使用しなか
った場合の測定した温度を□印で示す。この場合、ダイ
表面近傍の温度は60個成形時点で60℃であった。本発明
者らの調査では、ダイ表面近傍の温度は、ポンチ冷却を
行わず水溶性冷却油を使用しなかった場合も殆ど変わら
なかった。
第4図(a),(b)は−15℃から100℃までの温度範
囲で、第2表に示すアルミキルド鋼冷延鋼板及び合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の引張強さ(TS)及び全伸び(T.E
l)の変化を示したものである。
第4図(a),(b)から、ポンチ冷却を行いポンチ肩
部の温度を低下させることにより、ポンチ肩部の被加工
材の引張強さ及び全伸びが高くなって破断しにくくなる
ことが分かる。ダイ及びブランクホルダーは冷却されて
いないため、ポンチ肩部と比較して相対的に被加工材の
引張強さが低下し、流入抵抗が減少すると考えられる。
また、第5図は第1表に示すトランスファープレスによ
るオイルパン成形の結果のうち、アルミキルド鋼冷延鋼
板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の2種類を成形する場
合について、ポンチ肩部の表面近傍の温度とポンチ肩部
の板厚ひずみの関係を示したものである。いずれの材料
においても、ポンチ肩部の被加工材が最も破断しやすい
部位の板厚ひずみは、ポンチ肩部の表面近傍の温度と強
い相関があり、アルミキルド鋼冷延鋼板は50℃、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板は25℃以上になると板厚ひずみが−
0.33以下となり、破断が起こることが分かる。
このように、ポンチ肩部の表面近傍の温度がある温度以
上になると、板厚ひずみが限界値を超えて破断が起こる
のである。この温度は、被加工材の種類、成形品の形
状、成形条件などによって異なるが、いずれの場合もポ
ンチ肩部の表面近傍の温度を低下させることにより、破
断を防止することができる。
また、ポンチ肩部の表面近傍の温度を制御すること、及
びポンチ肩部の表面近傍の温度とダイ及びブランクホル
ダーの温度差を管理することの必要性について、以下の
ようにポンチストローク速度800mm/分の油圧プレスによ
り、第2表に示すアルミキルド鋼冷延鋼板及び合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を被加工材として、直径100mmの平底
円筒ポンチ(ポンチ肩半径8mm)及び直径104mmのダイ
(ダイ肩半径12mm)を用いて成形実験を行った。
ブランクは直径200mm以上の円形ブランクのものを使用
した。しわ及び破断の生じない成形可能な最大ブランク
の直径をポンチの直径で割った値を限界絞り比とした。
金型の構造としては、ポンチの内部に冷媒もしくは温水
を循環することができる配管を施し、ダイ及びブランク
ホルダーにはインサートヒーターを内蔵し、ポンチ肩部
の表面近傍の温度、ダイ及びブランクホルダーの表面近
傍の温度を熱電対で検出して、それぞれを目標とする温
度に制御した。
ポンチ肩部の表面近傍の温度、ダイ及びブランクホルダ
ーの温度を変えた場合の限界絞り比を第3表に示す。
この結果、被加工材の全てにおいて、ポンチ肩部の表面
近傍の温度が50℃でかつダイ及びブランクホルダーの表
面近傍の温度が60℃の場合よりも、ポンチ肩部、ダイ及
びブランクホルダーの表面近傍の温度が全て25℃の温度
の方が、限界絞り比が高いことが分かった。
これは実際のトランスファープレスによるオイルパンの
ピンチ冷却なしの連続成形試験を行った場合、アルミキ
ルド鋼冷延鋼板で成形開始当初は成形可能であったもの
が、成形個数の増加に伴いポンチ肩部の表面近傍の温度
が上昇して、ポンチ肩部の表面近傍の温度が50℃となる
付近からポンチ肩部の破断が発生したことと良く対応し
ている。
このポンチ肩部の表面近傍の温度が50℃、ダイの表面近
傍の温度が60℃の条件でのアルミキルド鋼冷延鋼板の限
界絞り比2.17が、第1表に示す実際のトランスファープ
レスによるオイルパンの破断限界と考えることとする
と、ポンチ肩部の被加工材が最も破断しやすい部位の温
度を20℃以下とした場合には、全ての被加工材でこの限
界絞り比を超えており、本発明の正当性を実証してい
る。
更に、ポンチ肩部の被加工材が最も破断しやすい部位の
温度とダイ及びブランクホルダーの表面近傍の温度差の
条件として、20℃以上あれば、全ての被加工材で実際の
トランスファープレスによるオイルパンの破断限界に対
応する限界絞り比2.17を超えており、本発明例の正当性
を実証している。
以上本発明の作用について説明してきたが、以下に本発
明の技術条件について説明する。
ポンチストローク速度を700mm/分以上とするのは、トラ
ンスファープレスに用いられるプレスにメカニカルプレ
スが多いためであり、メカニカルプレスはポンチストロ
ーク位置による被加工材の成形速度の変化が大きいが、
前述のように破断開始点のポンチストローク速度は高速
であり、成形速度700mm/分以上である。油圧プレスを用
いる場合には成形速度はほぼ一定であり、成形速度700m
m/分以上の高速油圧プレスを対象とした。
成形個数5個/分以上とするのは、トランスファープレ
スは高生産性を目的としたものであり、単位時間当たり
の成形個数が少ない場合は変形発熱の蓄積が少なく、本
発明法の効果が少なくなるからである。
ブランクのさし渡しの最小部分の大きさを200mm以上と
するのは、成形の難しい大型部品の成形において本発明
法が大きな効果を発揮するためである。
本発明法により、被加工材のr値が1.2以上1.7以下の低
いアルミキルド冷延鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板な
どの表面処理鋼板においても、成形性の著しい改善が得
られる。
ポンチ肩部の表面近傍の温度を20℃以下とするのは、第
5図に示すようにポンチ肩部の被加工材が最も破断しや
すい部位の板厚ひずみを減少させることにより破断を防
止できるからであり、これは第3表からも裏付けられ
る。ポンチ肩部の表面近傍の温度をダイ及びブランクホ
ルダーより20℃以上低くすると、第3表に示すように成
形限界が向上し、更に効果的である。
(実施例) 被加工材の種類、含有成分、めっき付着量及びその機械
的性質などについて第2表に示す。
機械的性質は圧延方向に対して0°,45°,90°の3方向
の平均値を示している。ポンチ冷却有無、被加工材の種
類、ポンチストローク速度、1分当たりの成形個数、ブ
ランクの大きさ、第1図の熱電対7及び8で検出したポ
ンチ肩部の表面近傍の温度ならびにダイの表面近傍の温
度、板厚ひずみ、破断の大きさから計算した破断開始の
ポンチストロークの位置などを第1表に記す。
第1表から、下死点から10mmから1mmの位置でのポンチ
ストローク速度6500mm/分から2100mm/分、成形個数16個
/分、ブランクのさし渡しの最小部分の大きさ420mmの
大型高速のトランスファープレスによる成形において、
r値が1.58の低炭素アルミキルド鋼冷延鋼板及びr値が
1.65の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用いた場合でも、ポ
ンチ肩部の被加工材が最も破断しやすい部位の板厚ひず
みが減少して破断しなくなっていることが分かる。更
に、破断が発生した場合のポンチストロークの位置は、
下死点から1〜10mm上と推定されるため、破断開始点の
ポンチストローク速度は2100mm/分以上の高速であるこ
とが分かる。
このように、本発明法によりポンチストローク速度700m
m/分以上かつ成形個数5個/分以上かつブランクのさし
渡しの最小部分の大きさが200mm以上のトランスファー
プレスによる成形において、低炭素アルミキルド鋼冷延
鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板のようなr値の低い鋼
板の成形性向上効果が極めて大きいことが分かった。
(発明の効果) この発明は、トランスファープレスによる深絞り部品の
成形において、金型温度の上昇に伴う成形性の劣化の問
題を、作業環境の悪化を伴うことなく、しかも、特殊な
潤滑材の使用や工程追加、材料グレードアップなどの製
造コストの上昇を伴うことなく解決できる。また、この
効果は、金型形状、材料の板厚、表面処理鋼板のめっき
層の種類などが変化しても有効である。さらに、破断危
険部位の温度上昇を防止して、材料の破断強度の低下及
び伸びの低下を防止するという面で、張出成形及び絞り
成形と張出成形が同時に行われる複合成形に対しても有
効である。
【図面の簡単な説明】
第1図はポンチ肩部の被加工材が最も破断しやすい部位
の冷却方法の説明図、第2図はオイルパンの形状の模式
的説明図、第3図はポンチ冷却及び金型全体にかかる水
溶性潤滑油を使用した場合と使用しなかった場合の、成
形個数とポンチ肩部の表面近傍の温度及びダイ表面近傍
の温度の関係を示した図表、第4図(a),(b)は温
度−15℃から100℃までの被加工材の引張強さ(TS)と
全伸び(T.El)の関係を示した図表、第5図はポンチ肩
部の表面近傍の温度と被加工材のポンチ肩部の板厚ひず
みの関係を示した図表である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−32475(JP,A) 特開 昭62−176617(JP,A) プレス加工編集委員会編「プレス加工ノ ウハウ100題」(昭50年1月30日)日刊工 業,P.136−138 日本塑性加工学会編「プレス加工便覧」 (昭和50年10月25日),丸善,P.318− 336

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポンチストローク速度700mm/分以上かつ成
    形個数5個/分以上のトランスファープレスによる、ブ
    ランクのさし渡しの最小部分の大きさが200mm以上の深
    絞り部品の成形方法において、冷延鋼板または表面処理
    鋼板を破断危険部のポンチ肩部の表面近傍の温度を20℃
    以下に保持して成形することを特徴とするトランスファ
    ープレスによる深絞り部品の成形方法。
  2. 【請求項2】深絞り成形部品が自動車用オイルパンであ
    ることを特徴とする請求項1記載のトランスファープレ
    スによる深絞り部品の成形方法。
JP1292279A 1989-11-13 1989-11-13 トランスファープレスによる深絞り部品の成形方法 Expired - Lifetime JPH0698408B2 (ja)

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