JPH0698163A - 像域識別装置 - Google Patents

像域識別装置

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JPH0698163A
JPH0698163A JP4245296A JP24529692A JPH0698163A JP H0698163 A JPH0698163 A JP H0698163A JP 4245296 A JP4245296 A JP 4245296A JP 24529692 A JP24529692 A JP 24529692A JP H0698163 A JPH0698163 A JP H0698163A
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直史 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精細文字や階調画の混在する文書画像の記
録において、解像度、階調性を両立した高画質な画像記
録を行うために画像の広い領域のパターン情報を有効に
利用して、文字などの解像度が重要な領域と階調領域と
を高い精度で識別する像域識別装置を提供する。 【構成】 入力画像の勾配ベクトルを計算する勾配フィ
ルタ11,12と、計算された勾配ベクトルの偏角を2
倍にするためのルックアップテーブル13と、偏角が2
倍化された勾配ベクトルを入力画像の微小領域毎に平均
化する平均化回路14,15と、平均化された勾配ベク
トルの絶対値を求めるルックアップテーブル16と、こ
の該絶対値を平均化回路14,15での平均化する微小
領域より大きな領域内で平均化して入力画像についての
像域識別信号を得る平均化回路17を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル画像を処理
して記録・表示などを行うディジタル画像処理装置に係
り、特に入力画像を文字・線画などのように解像度が重
要な領域と写真などのように階調性の重要な領域とに識
別する像域識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ファクシミリ、ドキュメントファ
イル、ディジタル複写機などのように文書画像をディジ
タル信号として扱うディジタル画像処理装置が増えてい
る。画像をディジタル信号として扱うと多様な編集・補
正処理や電子的な記録や伝送が容易であるなど、多くの
利点がある。このようなディジタル画像処理装置は、従
来は主に文字・線画などのモノクロ二値画像を対象とし
ていたが、最近では階調画が混在した画像をも扱いたい
という要求が高まっている。
【0003】文字と階調画が混在する画像を扱う上で
は、ハードコピーへの記録が1つの問題となる。ディジ
タル画像の記録方式として、溶融熱転写方式や電子写真
方式がよく用いられる。これらの方法は通常、1記録画
点につき2ないし数レベル程度の濃度を表現する能力し
かない。このため、階調画を表現するには面積変調法な
どの手法を用いる。面積変調法は、複数画点の組合せに
より階調を表現する手法であり、組織的ディザ法などが
有名である。
【0004】組織的ディザ法は原理的に階調性と解像度
の両立する記録方法であるが、原稿読取り系によりエッ
ジのだれた文字・線画がかすれて再現されたり、網点原
稿ではモアレノイズが生ずるなどの欠点がある。文書画
像において文字や線画の情報はきわめて重要であり、ま
た、文書画像においては階調画の表現に網点印刷が多く
用いられるので、これらの欠点は致命的である。
【0005】これらの欠点を除き、解像度と階調性の両
立した画像記録を行うために、像域識別方法が用いられ
る。像域識別とは、記録すべき入力画像を写真などのよ
うに階調性の重要な領域と、文字・線画などのように解
像度が重要な領域とに識別する方法であり、この識別結
果に従って記録処理を切換えることにより解像度、階調
性共に良好な画像記録が可能となる。
【0006】従来の像域識別方法として、階調領域と文
字領域の局所的な濃度の変化の違いを利用した方法と、
局所的なパターンの違いを利用する方法が知られる。前
者の例として例えば特開昭58−3374号公報には、
画像を小ブロックに分割し、各ブロック内の最大濃度と
最小濃度の差を求め、その差が閾値より大きければ当該
ブロックを文字画領域とし、小さければ当該ブロックを
階調画領域として識別する方法が開示されている。この
方法では写真のような連続調画像と文字だけの場合に
は、高い精度で識別を行うことができるが、網点のよう
に局所的に濃度変化の多い領域では識別精度が極めて悪
いという問題があった。
【0007】一方、後者の例として特開昭60−204
177号公報には、画像にラプラシアン・フィルタをか
けた後、適当な閾値で二値化し、その二値化パターンの
例えば4×4画素のパターンの形状により像域識別を行
う方法が開示されている。この方法によると、は網点画
も識別することができる。しかし、画像の二値化パター
ンを用いているので、二値化の際の閾値を適切に選ばな
いと効果が小さいという問題や、閾値を越えたノイズに
弱いという問題があった。また、テーブル参照方式の場
合、テーブルのサイズの制約から参照領域が4×4画素
程度に制限されるなどの問題があった。このため濃度の
低い文字や粗い網点画像の場合に十分な識別精度が得ら
れなかった。
【0008】さらに、上述した二つの像域識別方法を組
合わせたり、像域はある程度広い領域内で一定であると
いう特徴を利用して、周囲の画素の識別結果から補正を
行う方法を併用することにより、識別精度を改善する試
みもあるが、未だ十分ではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の像域識別方法のうち濃淡分布を用いる方法は、網点画
を識別することができず、またパターン形状を利用する
方法では、網点画も識別できるが、二値化を行うために
ノイズの影響を受けやすいという問題や、パターン識別
の計算量の制約のため広い領域を参照できず、識別の安
定性が低いという問題があり、十分な識別精度を得るこ
とができなかった。
【0010】本発明は、画像の広い領域のパターン情報
を有効に利用して、文字などの解像度が重要な領域と階
調領域とを高い精度で識別する像域識別装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る像域識別装置は入力画像の勾配ベクト
ルを計算する勾配ベクトル計算手段と、この勾配ベクト
ル計算手段により計算された勾配ベクトルの偏角を2倍
にする偏角2倍化手段と、この偏角2倍化手段により得
られた勾配ベクトルを入力画像の微小領域毎に平均化す
る平均化手段と、この平均化手段により平均化された勾
配ベクトルから入力画像についての像域識別信号を生成
する像域識別信号生成手段とを備えることを特徴とす
る。
【0012】ここで、像域識別信号生成手段は、例えば
平均化された勾配ベクトルの絶対値を計算し、さらに該
絶対値を前記微小領域より大きな領域内で平均化して像
域識別信号を生成する構成とする。また、本発明は上記
のような像域識別装置を誤差拡散方式を用いて画像を記
録または表示する画像処理装置に適用する。この場合、
像域識別信号生成手段においては、先の平均化された勾
配ベクトルの強度および方向を像域識別信号として生成
する。そして、この像域識別信号に従って、入力画像に
誤差拡散処理を施す際の誤差拡散係数を切り換える構成
とする。
【0013】
【作用】入力画像の勾配ベクトルを計算することによっ
て、入力画像のエッジ状の領域が検出される。この勾配
ベクトルの偏角を2倍化すると、入力画像中のエッジ状
の領域のうち線の両側の勾配ベクトルは同方向のベクト
ルとなる。この偏角2倍化後の勾配ベクトルを微小領域
内で平均化すると、平均化の効果でノイズが小さくなる
とともに、網点のように狭い領域の中でエッジの向きが
ばらばらであるために方向の揃っていない勾配ベクトル
は打ち消され、方向の揃っている直線状部分の勾配ベク
トルはノルム、すなわち絶対値の大きなベクトルとな
る。
【0014】従って、平均化後の勾配ベクトルの絶対値
を計算し、さらにそれを適当な閾値と比較することによ
り、文字などのように直線状のエッジにより多くが構成
された解像度が重要な領域か、網点画などを含む階調領
域かの識別が精度よく行われることになる。さらに、平
均化された勾配ベクトルの強度および方向を像域識別信
号として生成し、この像域識別信号に従って誤差拡散処
理における誤差拡散係数を切り換えれば、画質劣化の少
ない階調表現が可能となる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明をディジタル画像複写装置に適用
した第1の実施例の構成を示すブロック図である。この
画像複写装置は画像入力部1、像域識別部2、適応処理
部3、二値化処理部4および画像記録部5により構成さ
れている。本発明による像域識別装置は、像域識別部2
に適用される。
【0016】画像入力部1は、原稿画像を各画素の明る
さに応じた電気信号として読取る。具体的には、画像入
力部1は例えばCCDアレイセンサによって原稿画像を
走査することにより、画像をラスタスキャンの時系列信
号として読取り、さらにこの時系列信号をA/D変換器
でディジタル信号に変換した後、シェーディング補正処
理を施す。この処理はCCDラインセンサの各素子の感
度むらや、原稿上の照度むらを補正する処理であり、こ
れにより原稿画像が黒および白の場合に画像信号がそれ
ぞれ0および1になるように規格化されて画像信号が出
力される。この部分の具体的な構成については例えば、
特開昭61−71764号に詳しく記述されている。
【0017】画像入力部1から得られた画像信号は、像
域識別部2および適応処理部3に入力される。像域識別
部2では入力された画像信号の特徴を検出して、局所的
な領域の属性、すなわち文字・線画のように解像度が重
要な領域であるか、階調画のように階調性が重要な領域
であるかを識別する。そして、適応処理部3で像域識別
部2の領域識別結果に応じた処理が施される。
【0018】次に、本発明に基づく像域識別部2の構成
について詳しく説明する。像域識別部2では画像上の各
部分について、連続的なエッジであるかどうかの識別を
行う。文字・線画や階調画のエッジ部分は、階調性より
解像度が画質に重要である。特に、文字、線の境界や階
調画の輪郭部分に現れる直線上に連続したエッジは視覚
的に印象度が高く、解像度の低下による画質劣化が大き
い。
【0019】一方、階調画の濃度変化のなだらかな部分
では、解像度より階調性の方が重要となる。但し、エッ
ジ部分でも階調画上の細かい輪郭や網点などによる細か
く入組んだエッジは視覚的に印象度が小さく、解像度の
低下による画質への影響は少ない。むしろ、網点のエッ
ジは消えた方が妨害感が小さい。このような観点から、
像域識別部2では入力画像中のエッジが連続的なエッジ
であるかどうかにより、解像度の重要な領域か階調性の
重要な領域かの識別を行う。
【0020】図3に、像域識別部2の具体的な構成例を
示す。この像域識別部は勾配ベクトルを計算するための
勾配フィルタ11,12、勾配ベクトルの偏角を2倍化
するためのルックアップテーブル13、勾配ベクトルを
微小領域内で平均化するための第1の平均化回路14,
15、絶対値計算のためのルックアップテーブル16お
よび像域識別信号を最終的に求める第2の平均化回路1
7からなる。
【0021】図1の画像入力部1からの画像信号は勾配
フィルタ11,12に入力され、次式(1)(2)(3) により
x方向の勾配ベクトルVxとy方向の勾配ベクトルVy
が計算される。
【0022】 Vx(x,y) =P(x+1,y+1) +P(x+1,y) −P(x,y+1) −P(x,y) (1) Vy(x,y) =P(x+1,y+1) +P(x,y+1) −P(x+1,y) −P(x,y) (2) |V|=(Vx2 +Vy2 ) (3)
【0023】図2に、勾配フィルタ11,12のカーネ
ルの例を図2(a)(b)に示す。ここでP(x,y) 、Vx(x,y)
およびVy(x,y)は、それぞれ点(x,y) の画像信号、勾配
ベクトルのx成分およびy成分を表す。
【0024】次に、第1のルックアップテーブル13に
よって、勾配ベクトルVx,Vyからその絶対値を保っ
たまま偏角θを2倍化したベクトルUx,Uyが次式
(4)(5)(6) に従って求められる。
【0025】 Ux=|V|・cos2θ (4) Uy=|V|・sin2θ (5) θ =arctan(Vy/Vx) (6)
【0026】ルックアップテーブル13は、例えば式
(4)(5)(6) に従って予め計算された値を記憶したROM
によって実現される。
【0027】次に、ルックアップテーブル13で得られ
た偏角2倍化ベクトルは、第1の平均化回路14,15
によって注目画素の近傍の微小領域S1で平均化され、
次式(7)(8)に示すベクトルをU′x,U′yとなる。微
小領域S1としては、例えば参照する注目画素周辺の5
×5画素程度の矩形領域を用いる。
【0028】 U′x=ΣUx/Σ (7) U′y=ΣUy/Σ (8)
【0029】次に、平均化回路14,15で平均化され
たベクトルU′x,U′yは、第2のルックアップテー
ブル16に入力され、次式(9) に示すように絶対値Qが
求められる。このルックアップテーブル16も、ルック
アップテーブル13と同様、ROMにより実現される。
【0030】 Q =|U′| (9)
【0031】さらに、この絶対値Qは第2の平均化回路
17において注目画素の近傍の領域S2で平均化されて
Q′となる。この領域S2としては、勾配ベクトルを平
均化した微小領域S1より広い領域、例えば9×9画素
程度の矩形領域を用いる。
【0032】 Q′=ΣQ/Σ (10)
【0033】こうして平均化回路17で得られたQ′
(エッジ度という)が像域識別信号として出力される。
また、この像域識別信号は必要に応じてさらに適当な閾
値で閾値処理される。
【0034】次に、上記のような像域識別部2により入
力画像の文字やエッジ部分が識別されることを図4〜図
7を参照して説明する。図4(a) に示すような線部分
と、図4(b) に示すような網点部分を入力画像とした場
合を例にとる。この入力画像のグラジェントである勾配
ベクトルVは、画像のエッジの傾きに応じた大きさで、
方向がエッジの法線方向と平行となる。
【0035】図4(a)(b)の画像についての勾配ベクトル
を模式的に示したのが図5(a)(b)である。図5の矢印の
方向、長さが勾配ベクトルの方向、大きさをそれぞれ表
す。図5に示されるように、(a) の文字部のエッジでは
勾配ベクトルの方向が揃い、(b) の網点部では方向がま
ちまちになる。
【0036】図5(a)(b)の勾配ベクトルVに偏角のみ2
倍化したベクトルUを図6(a)(b)に示す。但し、ここで
は水平方向右側への線を偏角の基準としている。偏角の
2倍化により、図4(a)(b)では方向が180°ずれた、
つまり互いに方向が逆の勾配ベクトルが図5(a)(b)では
同方向のベクトルとなり、また図4(a)(b)では方向が9
0°ずれた勾配ベクトルが図5(a)(b)では互いに反対方
向のベクトルとなる。この結果、例えば図6(a) の線の
両側のエッジでの勾配ベクトルは、同方向のベクトルと
なる。
【0037】この偏角を2倍化した勾配ベクトルUを近
傍領域内で平均化した結果を図7に示す。この平均化に
より、図6(b)のような向きの揃っていない勾配ベクト
ルは互いに打消されて、図7(b) のように絶対値の小さ
いベクトルになる。これに対し、図6(a) のように向き
の揃った勾配ベクトルは互いに打消されず、絶対値の大
きなベクトルとなる。
【0038】すなわち、文字や線画のように勾配ベクト
ルの向きの揃ったエッジにより構成される領域ではエッ
ジ度Qは大きく、一方、網点や階調画の入り組んだ輪郭
などでは、勾配ベクトルの向きが不規則であるためQは
0または小さい値となる。また、本来勾配の小さな部分
でもエッジ度Qは小さい値となる。ここで、図6(a)(b)
のような偏角2倍化の処理を行っていないと、互いに勾
配方向が逆である細い線の両側のエッジでの勾配ベクト
ルが平均化により打消されるため、細い線の部分でのエ
ッジ度Qの値が小さくなり、エッジとして識別されにく
くなる。偏角2倍化を行ってから平均化を行うことによ
り、このような問題が除かれる。
【0039】このようにエッジ度Qは連続するエッジで
高い値をとる。しかし、図8(a)(b)に示すような線の端
点や交差点などでは、エッジが方向の種々異なる線で構
成されるので、文字や線画の一部であるにもかかわらず
エッジ度Qは低い値となる。このような部分も文字と識
別し、高い解像度で表現する必要がある。第2の平均化
回路17による平均化を行うことにより、このような部
分でも文字と識別することができる。一つの文字はエッ
ジ度Qの高い線素部分とエッジ度Qの低い交差点や端点
よりなっているが、交差点や端点はそれぞれ孤立してお
り、常にその周辺にはエッジ度の高い線素が存在する。
従って、平均化回路17によって文字を構成する線素よ
り大きい領域でエッジ度Qを平均化することにより、交
差点や端点なども周囲のエッジ度Qの高い領域の影響で
大きい値を持つ。
【0040】なお、この実施例では平均化として単純平
均を用いたが、画素により重み係数を変える重み付け平
均化を用いてもよい。また、第1の平均化回路14,1
5のみで必要な像域識別精度が得られる場合は、第2の
平均化回路17を省略し、エッジ度Qをそのまま像域識
別結果としてもよい。図1に説明を戻すと、適応処理部
3では像域識別部2から出力された像域識別信号Q′に
従って、領域毎に適した処理を施す。適応処理部3の具
体的な構成を図9に示す。まず、図1の画像入力部1か
らの画像信号は高域抽出フィルタ21に入力される。こ
の高域抽出フィルタ21は、例えば図10に示すような
カーネルを持つ。この高域抽出フィルタ21の出力は、
画像濃度の凸部分で正の大きな値を、凹部分で負の大き
な値をそれぞれとり、濃度変化の小さい部分や勾配の一
様な部分では0に近い値をとる。
【0041】高域抽出フィルタ21の出力信号は、変調
回路22に入力され、像域識別部2からの像域識別結果
であるでエッジ度Q′に応じた係数が乗じられた後、加
算器23で元の画像信号に加算される。この係数はエッ
ジ度Q′が高い場合には例えば4程度の大きな値をと
り、エッジ度Q′が低い場合には例えば0〜−1程度の
小さい値をとる。これにより、文字線画や階調画のエッ
ジ部分などのようにエッジ度Q′の高い部分ではよりエ
ッジが強調され、網点画像や階調画像上の濃度変化のな
だらかな領域などのようにエッジ度Q′の低い部分では
平滑され、エッジが抑制される。
【0042】こうして適応処理部3で適応処理された画
像信号は、二値化処理部4で二値の画像信号に変換され
た後、画像記録部5で紙面上に画像記録される。本実施
例では、この画像記録に例えば電子写真方式を用いる。
電子写真方式は感光体へ照射するレーザ光を画像信号に
応じて変調することにより、感光体上に画像信号に応じ
た静電潜像を形成し、さらに静電潜像をトナーで現像し
て画像形成を行う。
【0043】本実施例では、感光体へのレーザ光の制御
を0,1の二値のいずれかを切換えることにより、画素
当たり二値レベルの記録を行っている。そのため、画素
単位では多値の濃度を表現できないので、二値化処理部
4で組織ディザ法を用いて階調表現を行う。組織ディザ
法は理想的な文字画像や階調画像については解像度、階
調性とも両立する記録信号変調方式である。
【0044】しかし、組織ディザ法は原画像に網点構造
があるとモアレノイズが生じ、画質が著しく劣化すると
いう欠点がある。シャープなエッジは高い解像度で表現
できるが、画像入力系のボケなどによりエッジがなまる
と、解像度が低下する。このような画質劣化を防ぐに
は、網点画像についてはローパスフィルタなどにより網
点構造を除いておく必要がある。また、文字やエッジ部
分については高域強調処理などによりエッジの「だれ」
を補正しておく必要がある。
【0045】そこで、本実施例では図1に示すように二
値化処理部4で二値化処理を行う前に適応処理部3で前
述した適応処理を施すことにより、網点画像では網点構
造が除去され、またエッジはシャープに補正される。従
って、文字やエッジはシャープに、また階調部分はモア
レなどが生せず滑らかに再現され、高画質の画像記録が
できる。
【0046】なお、本実施例では適応処理部3で線形フ
ィルタ処理を行い、像域識別部2からの像域識別結果に
応じて、そのフィルタの特性を切り換えているが、本発
明はこれに限るものではない。例えば、メディアンフィ
ルタのような論理フィルタを用い、そのフィルタのサイ
ズを識別結果に応じて切り換えてもよい。さらに、コン
トラスト強調関数をかけ、その強調の度合を像域識別結
果に応じて切り換えてもよい。
【0047】次に、本発明をディジタル複写機に適用し
た第2の実施例について説明する。本実施例におけるデ
ィジタル複写機の構成を図11に示す。本実施例では第
1の実施例と同様に、画像入力部31で画像をディジタ
ル信号として読込んだ後、このディジタル画像信号につ
いて像域識別部32によりエッジ度を検出し、それを像
域識別結果として出力する。
【0048】すなわち、像域識別部32では第1の実施
例と異なり、図13に示すように平均化回路14,15
からの平均化した勾配ベクトルの強度と方向をルックア
ップテーブル18によって求め、エッジ強度信号U′a
およびエッジ方向信号U′θとして出力する。これを次
式に示す。但し、U′x,U′yはそれぞれ式(7)(8)に
示したように、偏角2倍化勾配ベクトルを平均したもの
である。
【0049】 U′a=(U′x2 +U′y2 ) (11) U′θ=arctan(U′y/U′x) (12)
【0050】画像入力部31で読取られた画像信号は、
二値化処理部33にも入力されて誤差拡散方式で二値化
信号に変換された後、画像記録部34に送られて紙面上
に記録される。
【0051】本実施例では、第1の実施例と同様に二値
の電子写真方式を用いているが、二値化処理部33では
誤差拡散方式を用いて階調表現を行っている。誤差拡散
方式は、二値化したときの量子化誤差を近傍の二値化処
理前の画素に拡散マトリクス係数に応じて分配して加算
していく方式で、ディザ法と同様に解像度および階調性
を両立する階調記録方式として知られている。
【0052】拡散マトリクスの典型的な例を図12に示
す。この方式では局所的な領域での平均濃度が保存され
るため、モアレノイズは生じにくいが、一方、だれたエ
ッジは「ぎざぎざ」に再現されたり、濃度変化のなだら
かな領域で独特の不規則なテクスチャが発生するなどの
問題がある。
【0053】本実施例では、二値化処理部33において
拡散マトリクス(誤差拡散係数)を像域識別部32から
出力されるエッジ方向信号およびエッジ強度信号によっ
て切換えることにより、これらの画質劣化、特に前者の
エッジ部分での劣化を防いでいる。エッジ強度信号とエ
ッジ方向信号および選択する拡散マトリクスの関係を図
14に示す。エッジ強度がある閾値より小さい場合は、
図14(a) に示すように標準の拡散マトリクスを用い
る。エッジ強度が閾値より大きい場合はエッジの法線方
向により、図14(a)(b)(c)(d)(e) の4通りの拡散マト
リクスから一つを選択する。
【0054】このような拡散マトリクスの選択を行うこ
とにより、エッジの法線方向には誤差が拡散されず、エ
ッジをシャープに再現することができる。すなわち、本
実施例のように像域識別部32で連続的なエッジの方向
および強度を検出して、それに応じて二値化処理部33
での誤差拡散処理を切り換えることにより、特にエッジ
のシャープな高画質の記録を実現することができる。
【0055】なお、本実施例では拡散マトリクスとして
図12に示す例を用いたが、これに限るものでなく、こ
れよりサイズの大きいマトリクスを用いてもよい。ま
た、本実施例では画像記録部34に二値の電子写真方式
を用いているが、熱転写方式など他の記録方式でもよ
い。さらに、1画素当たり例えば4値の濃度をとるよう
な記録方式を用いてもよい。この場合、二値化処理部3
3に代えて多値化処理を行うように拡張する必要がある
が、この場合の多値化方法としては誤差拡散方式の拡張
である多値誤差拡散方式を用いればよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば文
字・線画などの二値画像と階調画像の混在した画像につ
いて、文字領域や階調画のエッジ部分などのように高い
解像度が要求される部分と、滑らかな階調性が要求され
る領域とを精度よく識別することができる。特に、従来
方式では識別精度の低かった網点画や薄い文字、極めて
細い線なども高い精度で識別することができる。さら
に、高解像度が要求される部分について誤差拡散方法で
エッジでのシャープさが改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る画像複写装置の構成を示す
ブロック図
【図2】図1における像域識別部で用いる勾配フィルタ
のカーネルを示す図
【図3】図2における像域識別部の構成を示すブロック
【図4】像域識別部への入力画像の例を示す図
【図5】図4の入力画像の勾配ベクトルを示す図
【図6】図4の入力画像の勾配ベクトルを偏角2倍化し
たベクトルを示す図
【図7】図6のベクトルを平均化した結果を示す図
【図8】画像の交差点および端点を示す図
【図9】図1における適応処理部の構成を示すブロック
【図10】図9の適応処理部における高域抽出フィルタ
のカーネルを示す図
【図11】第2の実施例に係るディジタル複写機の構成
を示すブロック図
【図12】典型的な誤差拡散マトリクスの例を示す図
【図13】図11における像域識別部の構成を示すブロ
ック図
【図14】エッジ強度信号と方向信号および拡散マトリ
クスの関係を示す図
【符号の説明】
1…画像入力部 2…像域識別部 3…適応処理部 4…二値化処理部 5…画像記録部 11,12…勾配フ
ィルタ 13…ルックアップテーブル 14,15…平均化
回路 16…ルックアップテーブル 17…平均化回路 18…ルックアップテーブル 21…高域抽出フィ
ルタ 22…変調回路 23…加算器 31…画像入力部 32…像域識別部 33…二値化処理部 34…画像記録部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力画像の勾配ベクトルを計算する勾配ベ
    クトル計算手段と、 この勾配ベクトル計算手段により計算された勾配ベクト
    ルの偏角を2倍にする偏角2倍化手段と、 この偏角2倍化手段により得られた勾配ベクトルを前記
    入力画像の微小領域毎に平均化する平均化手段と、 この平均化手段により平均化された勾配ベクトルから前
    記入力画像についての像域識別信号を生成する像域識別
    信号生成手段とを備えることを特徴とする像域識別装
    置。
  2. 【請求項2】前記像域識別信号生成手段は、前記平均化
    手段により平均化された勾配ベクトルの絶対値を計算
    し、さらに該絶対値を前記微小領域より大きな領域内で
    平均化して前記像域識別信号を生成するものであること
    を特徴とする請求項1記載の像域識別装置。
  3. 【請求項3】入力画像の勾配ベクトルを計算する勾配ベ
    クトル計算手段と、 この勾配ベクトル計算手段により計算された勾配ベクト
    ルの偏角を2倍にする偏角2倍化手段と、 この偏角2倍化手段により得られた勾配ベクトルを前記
    入力画像の微小領域毎に平均化する平均化手段と、 この平均化手段により平均化された勾配ベクトルの強度
    および方向を前記入力画像についての像域識別信号とし
    て生成する像域識別信号生成手段と、 前記入力画像に所定の誤差拡散係数に従って誤差拡散処
    理を施す誤差拡散処理手段と、 前記像域識別信号生成手段により生成された像域識別信
    号に従って前記誤差拡散係数を誤差拡散の係数を切り換
    える切り換え手段とを備えることを特徴とする画像処理
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011061473A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Murata Machinery Ltd 画像判別装置
JP2011109636A (ja) * 2009-10-21 2011-06-02 Kyocera Mita Corp 電子機器及び画像処理プログラム

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