JPH069807B2 - セラミツクス成形物前駆体の製造方法 - Google Patents

セラミツクス成形物前駆体の製造方法

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JPH069807B2
JPH069807B2 JP62317795A JP31779587A JPH069807B2 JP H069807 B2 JPH069807 B2 JP H069807B2 JP 62317795 A JP62317795 A JP 62317795A JP 31779587 A JP31779587 A JP 31779587A JP H069807 B2 JPH069807 B2 JP H069807B2
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sheet
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molded product
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solidified
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賢治 二木
修 村山
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、セラミツクス成形物前駆体の製造方法に関
するものである。
〔従来の技術〕
一般に、セラミツクス成形物は、つぎのようにして製造
されている。すなわち、それ自身は粘着性を有しない酸
化アルミニウム,酸化ジルコニウム,酸化チタン等の無
機系微細粉末と、これらを粘着させるための少量の樹脂
または糊剤からなるバインダーと、水とを混合し、これ
を混練して粘結性を有するスラリーとし、このスラリー
を型枠に鋳込んだのち型枠ごと加熱乾燥することによつ
て予備固化させセラミツクス成形物の所定形状に成形す
る。ついで、この予備固化体を、上記型枠から取り出
し、必要に応じてさらに乾燥することにより乾燥固化の
完結した前駆体とし、この前駆体に脱脂,焼成等の処理
を行うことにより、上記バインダーを焼尽させると同時
に無機系微細粉末を焼結させることにより製造されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のような方法において、より高品質でより高強度の
セラミツクス成形物を得るためには、バインダーの添加
量を可能な限り少なくすることが好ましい。しかしなが
ら、上記バインダーの添加量を減少させると、その分だ
け、予備固化した状態での予備固化体の機械的強度が弱
く、かつ脆いものとなる。このため、予備固化体の型枠
からの取り出し時に、破損,変形等を生じやすくなり、
特に、大形や複雑な形状の予備固化体を得ることが困難
になるという問題を生じることになる。また、上記予備
固化の際に、スラリーが固化する段階で、その外周面が
型枠の壁面に固着し、かつその状態で全体が収縮する。
このため、ひび割れ,変形,一部剥離といつた現象を生
じたり、または離型時に、外力を加えることにより破損
したり変形したりするという問題点も有している。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、離
型時に優れていて製造効率がよく、かつ高品質で、さら
に前駆体のバインダー量を低減させても離型時に破損,
変形等を生じることがなく、大形や複雑な形状のセラミ
ツクス成形物を得ることのできるセラミツクス成形物前
駆体の製造方法の提供をその目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、この発明のセラミツクス
成形物前駆体の製造方法は、無機系微細粉末に、バイン
ダーおよび水を混合し、これを均一に混練した粘稠原液
を、内面に平均気孔径が30〜500μmのポリビニル
アセタール系多孔体からなるシートが展着された型枠内
に充填し、これを型枠ごと加熱することにより予備固化
させると同時に上記シートと一体化させ、このシートで
外周面が囲われた予備固化体を、上記シードごと上記型
枠から取り出すという構成をとる。
〔作用〕
すなわち、この発明の方法は、従来例のように、無機系
微細粉末に、バインダーおよび水を配合し、これを混練
して得た粘稠原液を直接型枠内に充填するのではなく、
型枠の内面にポリビニルアセタール系多孔体からなるシ
ートを展着しその状態で、上記粘稠原液を型枠内に充填
するようになつている。上記ポリビニルアセタール系多
孔体からなるシートは、極めて親水性,吸水性に富んだ
物質であり、かつ弾力性,可撓性を有しているため、予
備固化の際に、予備固化体の外周面がシートに固着し、
かつその状態で予備固化体全体が収縮してもその収縮に
追随して伸び、予備固化体に割れ、変形等が生じること
を回避する。また、このシートは、粘稠原液中の水分を
浸透させるが、無機系微細粉末は浸透通過させない。こ
れにより、無機系微細粉末は直接型枠に接触せず、シー
トを境界として隔離された状態になつて分布するため型
枠に固着することがない。したがつて、予備固化後の離
型時に、予備固化体は、その型枠に対応する周囲をシー
トで被覆された状態でそのシートと一体的になつてお
り、予備固化体に無理な外力を加えることなく容易に離
型を行うことができる。その結果、セラミツクス製品の
高品質化,高強度化を目的として前駆体のバインダー量
を低減させても離型時に破損,変形等を生じなくなる。
このようにして得られた予備固化体を、必要に応じてさ
らに乾燥することにより固化を完結させて前駆体とし、
その周囲を被覆しているシートを剥離除去するか、また
は、シートで被覆された状態のまま焼成炉に入れ昇温す
ることにより、上記前駆体の脱脂,焼成を行い、内部に
含有するバインダーとともにこのシートを焼尽する。そ
の結果、セラミツクス成形物が得られる。
上記無機系微細粉末としては、酸化アルミニウム,炭化
珪素,シリケート,コージライト,酸化チタン,酸化ジ
ルコニウム,窒化珪素,炭化硼素,窒化硼素等のニユー
セラミツクス原料の分級された粉体を、単体でまたは二
種以上を混合して用いることができ、その外いわゆる粘
土系のものも使用することができる。
バインダーとして用いられる樹脂または糊剤としては、
水溶性の樹脂液、例えば酢酸ビニル,酢酸セルロース,
アルギン酸ソーダ,ポリビニルアルコール等の希薄水溶
液等を用いることができるが、特に好ましいのは、澱粉
類を煮蒸しα化したものまたは澱粉類を官能基で置換し
変性したものの水溶液である。この澱粉類を用いた糊材
は、低濃度でも無機系微粉末材料の微粒子に対する結合
力に優れ、効果的に予備固化体を形成する。
型内に展着するポリビニルアセタール系多孔体のシート
は、例えば下記の製法により得られるものである。すな
わち、例えば平均重合度300〜3000の完全ケン化
または部分ケン化したポリビニルアルコールの、一種ま
たはそれ以上を水に溶解して水溶液とし、これにアルデ
ヒド類等の架橋剤,酸類等の触媒および気孔生成剤とし
て澱粉類等を適量加えて均一分散液とする。この分散液
を型枠に充填したのち、50〜100゜Cの温度に保持す
ることにより10〜24時間反応させて固化し、これか
ら余剰のアルデヒド類,酸類,澱粉類を除去し、シート
状の形状に裁断する。さらに、このシート状に形成され
たものを、アルデヒドと酸の混合液中に浸漬し50〜1
00゜C程度に加温するという二次反応を行うことにより
得られる。
このようにして得られたポリビニルアセタール系多孔体
のシートは、上記の二次反応を行う前の状態では、原料
であるポリビニルアルコールの持つかなりの部分の水酸
基は、アルデヒドによつて架橋封鎖されるが、その分子
鎖中に多数残存している水酸基が親水性,吸水性といつ
たポリビニルアルコール特有の性質を踏襲している。こ
のような状態のポリビニルアセタール系多孔体のシート
は、上記アルデヒドによつて封鎖される水酸基の比率、
すなわちアセタール化度(ホルマール化度)が略60モ
ル%程度であり、親水性に優れているが湿潤状態では極
めて柔軟性に富み、軟質スポンジ状の性状を有してい
る。ただし、この発明の方法にこのような状態のシート
を用いて、大形のセラミツクス成形物を製造する場合、
場合によつてはシートの強度不足(寸法安定性欠如)の
ため、破れたり、変形を起こし製造されるセラミツクス
成形物の欠陥を生じるおそれがある。このため、強度
(寸法安定性),耐水性を向上させることが重要であ
り、そのためには、アセタール化度を70モル%以上に
することが好適である。これは上記のようにして二次反
応をさせることにより達成できる。また、上記シートに
形成される気孔径は、使用する澱粉類の種類によつて変
化させることが可能である。この平均気孔径が30μm
以下になるとシートと予備固化体の接着性がやや悪くな
り一部に剥離を生じることがある。逆に500μm以上
になると粘稠原液中の無機系微細粉末を型枠から遮断さ
せる能力がなくなり粘稠原液中の無機系微細粉末が型枠
に固着するという事態が生じやすくなる。このためシー
トの平均気孔径を30〜500μmにしておくことが好
ましい。このようにして得られたポリビニルアセタール
系多孔体のシートは、接着剤等を用いて型枠の内面に緊
張状態で展着されるものであつて、多孔体であるため、
軽量で、取り扱いが容易で、かつ水分の透過性も良好で
ある。また、見掛けの割りに実質重量が少ないため焼成
工程においても、環境等への弊害が少なく、製造される
セラミツクス成形物への悪影響も殆どない。
つぎに、実施例について説明する。
〔実施例〕
まず、ポリビニルアセタール系多孔体のシートとして、
気孔率90%,平均気孔径130μm,アセタール化度
80モル%,厚み1mmのものを用意した。ついで、内径
70mm,深さ320mmのステンレス製の円筒形型枠を1
0個用意し、その全部の型枠の内面全体を覆うように上
記シートを展張した。つぎに、無機系微細粉末として、
純度99.7%の高純度酸化アルミニウムで平均粒径10
μmのものを用意し、これに同重量の割合で水を混合
し、さらにバインダーとして、平均重合度500で完全
ケン化のポリビニルアルコールの5%水溶液を、上記の
混合体に対して10重量%加えて原液とした。この原液
は極めて粘稠な半ペースト状をしている。この原液を上
記シートの展張された型枠内に充填し、75゜Cの温度で
24時間乾燥固化を行つたのち型枠から取り出し、さら
に70゜Cに設定された乾燥機内に5日間保持して前駆体
を得た。この段階では、割れ,変形,ひび入り等を生じ
た不良品は皆無であつた。
〔比較例〕
上記実施例と同様の型枠を10個用意し、この型枠に、
シートを使用せず直接上記と同様の原液を充填し、同様
の処理を行つた。その結果、10個のうち、4個が離型
時に破損し、乾燥が完結し前駆体となつた6個のうち、
2個に部分的な亀裂が入り、他の2個の層状のひびが入
つていた。このため、良品として得たセラミツクス成形
物は、わずか2個だけであつた。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明の方法は、無機系微細粉末に、
バインダーおよび水を配合し、これを混練して得た粘稠
原液を、内面にポリビニルアセタール系多孔体からなる
シートを展着した型枠内に充填し、これを型枠ごと乾燥
して予備固化したのちシートとともに上記型枠から取り
出すようになつている。上記ポリビニルアセタール系多
孔体からなるシートは、弾力性,可撓性を有しているた
め予備固化の際に、予備固化体の外周面が、シートに固
着しかつその予備固化体全体が収縮してもその収縮に追
随して伸び、予備固化体に割れ、変形等が生じることを
回避する。また、このシートは、極めて親水性,吸水性
に富んだ物質であり、粘稠原液中の水分を浸透させる
が、無機系微細粉末は浸透させない。このため、無機系
微細粉末は直接型枠に接触せず、型枠に固着することが
ない。したがつて、予備固化後の離型時に、予備固化体
に無理な外力を加えることなく容易に離型を行うことが
でき、このため、不良品発生率の少ない効率のよい製造
ができ、かつ高品質で、さらに大形や複雑な形状のセラ
ミツクス成形物の前駆体を得ることができるようにな
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機系微細粉末に、バインダーおよび水を
    混合し、これを均一に混練した粘稠原液を、内面に平均
    気孔径が30〜500μmのポリビニルアセタール系多
    孔体からなるシートが展着された型枠内に充填し、これ
    を型枠ごと加熱することにより予備固化させると同時に
    上記シートと一体化させ、このシートで外周面が囲われ
    た予備固化体を、上記シードごと上記型枠から取り出す
    ことを特徴とするセラミツクス成形物前駆体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】ポリビニルアセタール系多孔体からなるシ
    ートが、ポリビニルアルコールをホルムアルデヒドで架
    橋反応させて得られたものであり、かつそのホルマール
    化度が70モル%以上である特許請求の範囲第1項記載
    のセラミツクス成形物前駆体の製造方法。
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