JP2696347B2 - セラミックス成形体の製造方法 - Google Patents

セラミックス成形体の製造方法

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JP2696347B2 JP63183065A JP18306588A JP2696347B2 JP 2696347 B2 JP2696347 B2 JP 2696347B2 JP 63183065 A JP63183065 A JP 63183065A JP 18306588 A JP18306588 A JP 18306588A JP 2696347 B2 JP2696347 B2 JP 2696347B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「利用分野」 本発明は、緻密質及び多孔質セラミックス成形体の製
造方法に関する。
「従来技術及びその問題点」 従来、セラミックスの焼結成形体は、セラミックスの
原料粉体のスラリーを注型し、乾燥後、離型し、そのま
ま焼成するか、又は離型後に仮焼成し、次いで加工し、
焼成することによって製造されている。このような従来
法において、乾燥の過程でスラリーから溶媒が蒸発する
と、同時に収縮が起こるが、その収縮は一様ではない。
従来の固い型に注型されたスラリーは、まず、型とス
ラリーが接している面と上部で乾燥が進行するが、壁面
部では、内側のまだ流動性のあるスラリーに押されて乾
燥した部分が型に密着し、型の内面には、スラリーがな
かば乾燥した層が一層できて型に付着する。さらに乾燥
が進行すると、スラリーの中心部でも乾燥・収縮を始め
るので、スラリーの大半は、中心に向かって収縮しよう
とするが、最初に型に付着した層は、既に流動性を失っ
ており、一部のスラリーはこの型内壁に付着し、乾燥し
た層に向かって収縮しようとする。このため、型内壁付
近でスラリーが分離して崩れを生じたり、ひどいときに
は、より中心に近いところで割れを生じる。
また、発泡性のスラリーでは、乾燥及び発泡過程にお
ける膨張・収縮のため、型の壁面に接する部分が割れた
り、発泡ガスが型の上の部分からしか抜け出せないた
め、気孔の分布にむらが生じやすいなどの問題があっ
た。
「発明の目的」 本発明は、離型性を改善し、乾燥過程において割れや
崩れを生じない均質な緻密性セラミックス成形体並びに
乾燥・発泡過程における収縮・膨張による割れや崩れの
ない、均質で微細な気孔を有する多孔質セラミックス成
形体の製造方法を提供することを目的とする。
「発明の構成」 本発明によるセラミックス成形体の製造方法は、型に
セラミックス原料粉体のスラリーを注型し、乾燥後、離
型することによりセラミックス成形体を製造する方法に
おいて、通気性を有する型の内側に可撓性通気性耐水性
膜を張った後、スラリーを注型するか、又は気密性又は
通気性の型の内側に通気性材料を置き、さらにその内側
に可撓性通気性耐水性膜を張った後、スラリーを注型す
ることを特徴とする。
本発明の方法により型の内側に可撓性耐水性膜を固定
せずに張った後に、スラリーを注型し、乾燥することに
より、乾燥の過程で、この膜に接するスラリーが中心部
に先立って乾燥収縮しても、スラリーの大半が中心に向
かって収縮する際、膜が型から剥がれてスラリーと共に
収縮するので、従来法のような崩れや割れは生じない。
本発明の方法に使用しうる可撓性耐水性膜としては、
水を透過せず、乾燥処理に耐えうるものであれば任意の
ものであってよいが、スラリーからの水蒸気の蒸散を可
能にするため、透湿性を有する膜が好ましい。また、加
熱乾燥をするには、熱可塑性樹脂膜、熱可塑性樹脂で被
覆した紙などが好適である。熱可塑性樹脂としては、例
えばポリ塩化ビリニデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リビニルアルコール、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、アセチルセルロース等を挙げることが
できる。これらの材料から成る膜のうち、通気性を有す
るものは、発泡工程を含む場合に使用するのに好適であ
る。通気性を有する膜としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエ
チレン、その他の多孔質化した熱可塑性樹脂膜やこれら
の多孔質膜で被覆した紙や布などを使用することができ
る。通気性膜を使用する場合、その通気性は特に制限は
ないが、2000〜10000g/m2/24hr/atmであるのが好まし
い。
膜の厚さは、膜の材質、成形体の大きさ等によっても
異なるが、一般に、10μ〜400μとする。10μ未満では
薄すぎて、取り扱いが困難であり、400μ超えると、乾
燥・収縮に順応できない。
本発明の方法において、発泡工程を含む方法を実施す
る際には、前記のような通気性を有する多孔質膜と通気
性を有する型とを併用したり、型の内壁と多孔質膜との
間に外部と連通した通気性層を設けた型を併用すること
によって、発泡性スラリーの内部に発生したガスが型の
上方からだけでなく、あらゆる方向から蒸散することを
可能とし、より均質で微細な孔を有する、割れ及び崩れ
のない多孔質セラミックスを製造することができる。
しかも、上記の方法で製造されたセラミックス成形体
は、表面に300μm以下の気孔が散在するが、それより
大きな気孔が存在しないため、適切な形の型を使用する
ことにより、内側が多孔質で、外側にマクロポアを有し
ないセラミックス成形体を、後加工なしで作成すること
ができる。
通気性を有する型としては、ダンボール、金網、多孔
質プラスチック、プラスチック製の篭等の材料から成る
ものを使用することができる。また、型の内壁と膜との
間に外部と連通した通気性層を設けるには、型の内壁と
多孔質膜との間に紙又は布製のタオルのような吸水性の
ある材料を挟む方法と、金網、プラスチック篭のような
吸水性を持たない材料等を挟む方法がある。この通気性
層を設けることにより、発泡ガスがあらゆる方向に蒸散
する。吸水性材料から成る通気性層を設けた場合には、
加熱により生成した水蒸気が通気性層に吸収され、これ
が過飽和状態になると、再び液化するが、毛細管現象に
より吸水性通気性層全体に広がって再び気化し、膜との
間を通って外部へ抜けることができるので、微細な気孔
を有する成形体が得られる。
上記のようにして、膜を張った型中に注型し、乾燥し
た後、離型することによって得られたセラミックス成形
体は、常法で、そのまま焼成するか又は仮焼成した後、
加工し、焼成して、多孔質あるいは緻密質セラミックス
焼結体とすることができる。
本発明の方法は、リン酸カルシウム系、アルミナ系、
シリカ系、ジルコニア系など、各種のセラミックスに適
用することができ、人工生体材料、クロマトグラフィー
用充填剤、触媒担体、各種の電気・電子材料、原子炉材
料、セラミック発熱体など様々な製品の製造に適用する
ことができる。
「発明の実施例」 次に、実施例により本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 球状のハイドロキシアパタイト粉体40重量%、過酸化
水素3重量%及び水57重量%から成るスラリーを4kg調
製した。
18×12×6cmのポリプロピレン製の気密性ボックスの
内側にゴアテックス(ジャパンゴアテックス社製の多孔
質ポリテトラフルオロエチレン膜)を張った型(a)、
上記と同じボックスの内側にキムタオル(十條キンバリ
ー(株)製の紙タオル)を敷き、その上からゴアテック
スを張った型(b)、ダンボール箱の内側にゴアテック
スを張った型(c)、気密性の型の内側に金網を敷き、
その内側にゴアテックスを張った型(d)を用意し、上
記のスラリーをそれぞれ1kgずつ注型した。
スラリーを含む型をそれぞれ数十回タッピングして気
泡を取り除き、90℃の乾燥機で48時間発泡と乾燥を行
い、乾燥成形体を得た。この成形体を700℃で4時間仮
焼成し、室温まで徐々にさます。この仮焼成体を加工
し、直方体とし、1200℃で4時間焼成し、得られた焼結
体の気孔率を求め、気孔形態などを観察した。結果を下
記の第1表に示す。
型(b)を用いた場合には、ゴアテックス膜を通過し
た蒸気がキムタオルに吸収されて過飽和状態となると、
再び液化するものの、毛細管現象でキムタオル全体に広
がって再び気化し、ゴアテックスとの間を通って外部に
抜けることができるので、気孔は微細で、表面は滑らか
であった。
また、型(c)を用いた場合には、ゴアテックス膜を
通過した蒸気がダンボールを通過して抜けるため、型
(b)を用いた場合と同様に微細な気孔を有し、表面が
滑らかな多孔質焼結体が得られた。
さらに、型(d)を用いた場合は、ゴアテックス膜を
通過した蒸気が針金の網目を通過して抜けるため、型
(b)を用いた場合と同様の結果が得られたが、表面に
は金網の模様が付いていた。
実施例2 球状のハイドロキシアパタイト粉体40重量%、過酸化
水素3重量%及び水57重量%から成るスラリーを1kg調
製した。
ダンボールの箱の内側にエクセポールE(三菱化成工
業(株)製のポリオレフィン多孔質膜の片面に紙を張り
合わせたもの)を張った型を用意し、上記のスラリーを
注型し、数十回タッピングして気泡を除去し、90℃の乾
燥機で48時間発泡と乾燥を行い、乾燥成形体を得た。
この成形体を700℃で4時間仮焼成し、室温まで徐々
にさます。この仮焼成体を加工し、直方体とし、1200℃
で4時間焼成した。得られた焼結体は、約43%の気孔率
を有し、微細な気孔形態を示し、表面は滑らかであり、
崩れは見られなかった。
実施例3 0.9%のメチルセルロース溶液100gに対して球状のハ
イドロキシアパタイト粉末80gを加えて混練し、減圧脱
泡を行った後、ゴアテックス膜に包み、アルミナ製の型
にキムワイプ(十条キンバリー(株)製紙タオル)を載
せたものの上に置いた。この上に、さらに、キムワイプ
を載せ、その上にアルミナ製のひとまわり小さな型を載
せ、50℃で3日間乾燥させ、乾燥成形体を得た。このと
きの離型性は、良好であった。
この成形体を700℃で4時間仮焼し、室温まで徐々に
冷ます。この仮焼体を加工し、1200℃で4時間焼成し
た。
得られた焼結体の表面は、平滑で、クラックがなかっ
た。
「発明の効果」 本発明の方法によれば、離型性が著しく向上する。ま
た、型の内側に張った可撓性膜が離型作用を発揮するた
め、セラミックスの原料粉体のスラリーを注型し、乾
燥、発泡させる過程における膨張・収縮に好適に対応す
ることができ、崩れや割れを生じることなく、セラミッ
クス成形体を製造することができる。
また、通気性の可撓性膜を用いることによって発泡工
程で発生したガスを上方からだけでなく、あらゆる方向
から蒸散させるとができ、より均質で微細な気孔を有す
る多孔質セラミックスを製造することができる。この効
果は、通気性の可撓性膜と通気性を有する型又は型内壁
と膜との間に外部と連通した通気性層あるいは吸水性通
気性層を有する型を併用することによって一層顕著に達
成される。
本発明の方法によれば、気孔が微細で、表面にマクロ
ポアを持たないセラミックスを後加工なしで作ることが
できる。
本発明の方法により得られた成形体を、必要に応じて
仮焼成及び加工した後、焼成することにより、均質な緻
密質及び多孔質のセラミックス焼結体を製造することが
できる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】型にセラミックス原料粉体のスラリーを注
    型し、乾燥後、離型することによりセラミックス成形体
    を製造する方法において、通気性を有する型の内側に水
    を透過しない多孔質の可撓性通気性耐水性膜を張った
    後、スラリーを注型することを特徴とするセラミックス
    成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】可撓性通気性耐水性膜として、透湿性熱可
    塑性樹脂膜を使用する請求項1記載のセラミックス成形
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】型にセラミックス原料粉体のスラリーを注
    型し、乾燥後、離型することによりセラミックス成形体
    を製造する方法において、気密性又は通気性の型の内側
    に通気性材料を置き、さらにその内側に可撓性通気性耐
    水性膜を張った後、スラリーを注型することを特徴とす
    るセラミックス成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】通気性材料が紙若しくは布製のタオル、金
    網、プラスチック籠である請求項3記載のセラミックス
    成形体の製造方法。
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