JPH0697468A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH0697468A
JPH0697468A JP27102892A JP27102892A JPH0697468A JP H0697468 A JPH0697468 A JP H0697468A JP 27102892 A JP27102892 A JP 27102892A JP 27102892 A JP27102892 A JP 27102892A JP H0697468 A JPH0697468 A JP H0697468A
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一郎 大村
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、オン状態の期間とオフ状態の期間と
の割合が時々刻々と変化する入力信号が与えられても、
スイッチング損失とオン状態損失との和損失を小さくで
きるダイオード回路からなる半導体装置を提供するこ
と。 【構成】n型半導体基板1の一方の表面に形成されたn
型エミッタ層2と、n型半導体基板1の他方の表面に形
成されたp型半導体層3と、このp型半導体層3の表面
に選択的に形成された低濃度のn型半導体基板1,p型
エミッタ層4とで構成されたダイオード並びにp型半導
体層3の表面に選択的に形成されたp型半導体層,深い
n型半導体層5,浅いn型半導体層6及び深いn型半導
体層5上に形成された酸化膜8とゲート電極9とで構成
されたn型MOSトランジスタ並びにゲート電極9とカ
ソード電極との間に設けられた抵抗体13を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に係り、特
にインバータ回路やチョッパ回路等に用いられるダイオ
ードを含む半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】2つの端子をもつ半導体デバイスを一般
にダイオードと称し、pn接合ダイオード,MOS構造
ダイオード,ショットキー接触ダイオード等の種類のダ
イオードがある。
【0003】図20に、pn接合ダイオードの一種であ
る従来のpinダイオードの素子断面図を示す。
【0004】n型半導体層81上には、膜厚が比較的厚
く、不純物濃度が十分低いi型半導体層82が設けられ
ている。このi型半導体層82上には、p型半導体層8
3が設けられ、このp型半導体層83上には、アノード
電極84が設けられている。そして、カソード電極85
がn型半導体層81の裏面に設けられている。この種の
ダイオードは、逆バイアス状態では容量的にみえ、順方
向状態ではほとんど純抵抗体にみえる。
【0005】ところで、pinダイオードに限らず一般
にダイオードは、スイッチング損失が小さくなるように
設計するとオン状態損失が大きくなり、逆にオン状態損
失が小さくなるように設計するとスイッチング損失が大
きくなる。
【0006】従来のダイオードは、素子の動作中に、ス
イッチング損失及びオン状態損失を制御することができ
なかった。即ち、スイッチング損失とオン状態損失との
割合を動作中に変えられなかった。このため、従来のダ
イオードでは、スイッチング損失とオン状態損失との和
損失が最低になるように、トレードオフ曲線上の最適点
を見つけるという設計を行なっていた。
【0007】しかしながら、この最適設計は、ダイオー
ドのオン状態の期間とオフ状態の期間との割合が一定の
場合には有効であるが、オン状態の期間とオフ状態の期
間との割合が変わる場合には有効でなくなる。何故な
ら、オン状態の期間とオフ状態の期間との割合が変わる
と、トレードオフ曲線上の最適点も変わるからである。
【0008】このため、インバータ回路やチョッパ回路
などに用いられるダイオードのように、ダイオードのオ
ン状態の期間とオフ状態の期間との割合が時々刻々と変
化する場合には、ダイオードのスイッチング損失とオン
状態損失との和損失を小さくするが困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来のダ
イオードでは、素子の動作中に、スイッチング損失及び
オン状態損失の制御ができなかったので、インバータ回
路やチョッパ回路などに用いると、スイッチング損失と
オン状態損失との和損失を小さくするのが困難になると
いう問題があった。
【0010】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、オン状態の期間とオフ
状態の期間との割合が時々刻々と変化しても、スイッチ
ング損失とオン状態損失との和損失を小さくできるダイ
オード装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、ダイオ
ード内の蓄積電荷を制御することにより、スイッチング
損失とオン状態損失との割合を制御することにある。
【0012】即ち、上記の目的を達成するために、本発
明のダイオード装置は、順バイアスとなる期間と逆バイ
アスとなる期間との割合が変わる電気信号が入力される
ダイオードと、このダイオードに入力される前記電気信
号の電流に対する前記ダイオード内の蓄積電荷の比を制
御する手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明のダイオード装置は、ダイオードに入力
される電気信号の電流に対する前記ダイオード内の蓄積
電荷の比を制御する手段を備えている。
【0014】ダイオードに与えられる電流に対する前記
ダイオード内の蓄積電荷の比(蓄積電荷/電流比)が変
わると、スイッチング損失に対するオン状態損失の比も
変化する。
【0015】このため、前記ダイオードに与えられる前
記電流が変動し、ダイオードのオン状態の期間とオフ状
態の期間との割合が時々刻々と変化しても、前記手段に
より、蓄積電荷/電流比を制御すれば、スイッチング損
失とオン状態損失との和損失を従来に比べて小さくこと
ができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【0017】図1は、本発明の第1の実施例に係る半導
体装置のダイオード部の構成を示す図である。
【0018】図中、1は低濃度のn型半導体基板を示し
ており、このn型半導体基板1の一方の表面にはn型エ
ミッタ層2が拡散形成され、このn型エミッタ層2の表
面にはカソード電極11が設けられている。
【0019】また、n型半導体基板1の他方の表面には
p型半導体層3が拡散形成されている。このp型半導体
層3の表面にはp型エミッタ層4が選択的に拡散形成さ
れている。
【0020】即ち、n型エミッタ層2,低濃度のn型半
導体基板1及びp型エミッタ層4とでpin構造のダイ
オードが構成されている。
【0021】p型エミッタ層4の表面からp型半導体層
3の表面にかけては高濃度の浅いn型半導体層6が選択
的に拡散形成されている。更に、p型半導体層3の表面
にはp型エミッタ層4及びn型半導体層6に接しない高
濃度の深いn型半導体層5が選択的に形成されている。
【0022】高濃度の深いn型半導体層5から高濃度の
浅いn型半導体層6にかけてのp型半導体層3上には、
酸化膜8を介してゲート電極9が設けられている。
【0023】即ち、p型半導体層3,深いn型半導体層
5,浅いn型半導体層6,ゲート酸化膜8及びゲート電
極9とで、深いn型半導体層5と浅いn型半導体層6と
の間のp型半導体層3の表面をnチャネル7とするn型
MOSトランジスタが構成されている。
【0024】p型エミッタ層4及び高濃度の浅いn型半
導体層6上には、酸化膜8でゲート電極9と電気的に分
離されたアノード電極10が設けられている。このアノ
ード電極10は、素子の内部或いは外部に設けられたツ
ェナーダイオード12を介してゲート電極9に接続され
ている。このツェナーダイオード12は、ゲート電極9
とアノード電極10との間に所定値以上の電圧が印加さ
れないように選ばれている。また、ゲート電極9は素子
の内部或いは外部に設けられた抵抗体13を介してアノ
ード電極11に接続されている。
【0025】次にこのように構成されたダイオード装置
の動作を説明する。
【0026】まず、オン状態で素子内に蓄積される電荷
量と素子内での電圧降下がアノード・ゲート間電圧(ゲ
ート電圧−アノード電圧)によってどのように変化する
かを説明する。
【0027】このオン状態で、アノード・ゲート間電圧
がMOSトランジスタのしきい値電圧以上の場合は、素
子内の電子がn型半導体層5,nチャネル7,n型半導
体層6を通ってアノード電極10に排出されるため、素
子内の蓄積電荷は少なくなる。このため、素子内での電
圧降下が大きくなるのでオン状態損失が大きくなる。し
かし、スイッチング時に素子内の電荷を排出するときに
流れる逆回復電流が少ないのでスイッチング損失は小さ
くなる。
【0028】また、ゲート・アノード間電圧がMOSト
ランジスタのしきい値電圧未満の場合は、MOSトラン
ジスタがオフ状態になるため、素子内の電子は排出され
ず、素子内に電荷が蓄積される。このため、素子内での
電圧降下が小さくなるのでオン状態損失が小さくなる。
しかし、スイッチング時に素子内の電荷を排出するとき
に流れる回復電流が多くなるのでスイッチング損失は大
きくなる。
【0029】図2,図3は以上のことを説明している。
即ち、ゲート・アノード間電圧がMOSトランジスタの
しきい値電圧を越えると、オン状態損失が増加し、スイ
ッチング損失が減少する。
【0030】次に上記の如きに構成されたダイオード部
の動作を説明する。
【0031】このダイオード部のゲート・アノード間電
圧は次のように決まる。まず、ダイオードがオフ状態で
あるとする。つまり、カソード電圧がアノード電圧より
高いときは、ゲート電極9は抵抗体13を介してカソー
ド電極11と接続されているため、ゲート電圧はMOS
トランジスタのしきい値電圧より高くなっている。ここ
で、ダイオードがオン状態に変わったとすると、カソー
ド電圧がアノード電圧より低くなり、図4に示すよう
に、ゲート・アノード間電圧が抵抗体13とゲート電極
10の容量とで決まるCR時定数で徐々に低くなる。
【0032】オン状態の期間にゲート・アノード間電圧
が低くなるにつれて、第4図に示すように、ダイオード
の特性は、オン状態損失が少なく、スイッチング損失が
大きいものとなる。換言すれば、オン状態の期間の割合
が小さくなると、平均的にスイッチング損失が少なくな
り、逆にオン状態の期間の割合が大きくなると、平均的
にオン状態損失が少なくなる。
【0033】したがって、順バイアスとなる期間と逆バ
イアスとなる期間との割合が時々刻々と変わる入力信号
が与えられても、MOSトランジスタ及び抵抗体13に
より、蓄積電荷/電流比の値が、スイッチング損失とオ
ン状態損失との和損失が小さくなるように、上記入力信
号の電流の順バイアスとなる期間と逆バイアスとなる期
間との割合に対応して制御されることになる。
【0034】かくして本実施例によれば、順バイアスと
なる期間と逆バイアスとなる期間との割合が時々刻々と
変わる入力信号に対応して、蓄積電荷/電流比をMOS
トランジスタ及び抵抗体13により所望値の方向に制御
できるので、従来の特性が固定されたダイオード装置に
比べて、スイッチング損失とオン状態損失との和損失を
小さくできる。
【0035】図5は、本発明の第2の実施例に係る半導
体装置のダイオード部の構成を示す図である。なお、以
下の実施例において、前出の図のダイオード部と対応す
る部分には前出の図と同一符号を付し、詳細な説明は省
略する。
【0036】本実施例のダイオード部は、インバータ回
路などの場合のように、ダイオードとスイッチング素子
とが並列に接続されている場合のものである。
【0037】本実施例のダイオード部が先の実施例のそ
れと異なる点は、ダイオード部へのゲートバイアス電圧
の印加方法にある。
【0038】即ち、ダイオードと並列に接続されたスイ
ッチング素子のゲート信号からダイオード部のゲートバ
イアス電圧を生成する。
【0039】具体的には、図5に示すように、スイッチ
ング素子のゲート信号の極性を反転した後、この反転ゲ
ート信号48を、平滑回路50を介してダイオード部に
印加する。このとき、平滑回路50によりダイオードの
オン状態の期間が短いほど、別言すれば、ダイオードの
入力信号の順バイアスとなる期間が短くなるほど、レベ
ルの高いゲートバイアス電圧49が得られる。
【0040】したがって、ダイオードの入力信号の順バ
イアス期間が短くなる方向にダイオードの入力信号が変
化して、スイッチング損失が大きくなろうとしても、素
子内から電荷の排出量が増えるので、従来に比べて、ス
イッチング損失和とオン状態損失と和損失がより小さく
なる。逆にダイオードの入力信号の順バイアス期間が長
くなる方向にダイオードの入力信号が変化して、オン状
態損失が大きくなろうとしても、素子内からの電荷の排
出量が減るので、従来に比べて、スイッチング損失和と
オン状態損失と和損失がより小さくなる。
【0041】図6は、本発明の第3の実施例に係る半導
体装置のダイオード部の構成を示す図である。
【0042】本実施例のダイオード部が第2の実施例の
それと異なる点は、スイッチング素子のゲート信号を用
いる代わりに、このスイッチング素子のゲート信号を発
生する制御回路の内部信号からダイオード部のゲートバ
イアス信号を生成することにある。
【0043】スイッチング素子のゲート信号Sg は制御
回路の基準信号Sref と搬送波Scとから生成され、搬
送波Sc が基準信号Sref より大きければオン信号のゲ
ート信号Sg が生成され、搬送波Sc が基準信号Sref
より小さければオフ信号のゲート信号Sg が生成され
る。
【0044】本実施例では、制御回路の内部信号のう
ち、基準信号Sref からゲートバイアス信号を生成す
る。即ち、所定ビット数のデジタル信号である基準信号
ref を電圧変換器51によりアナログの電圧信号に変
換する。このようにして得られた電圧信号の振幅は、ス
イッチング素子のゲート信号のオン状態の期間に比例し
て大きくなるので、ゲートバイアス信号として使用でき
る。
【0045】図8は、本発明の第4の実施例に係る半導
体装置のダイオード部の構成を示す図である。なお、以
下の実施例においては、主としてダイオード部の素子構
造のみを説明し、ゲートバイアス信号の与えかたは先の
実施例と同様に行なうものとする。
【0046】本実施例のダイオード部が第1の実施例の
それと異なる点は、p型エミッタ層4の深さが高濃度の
n型半導体層5のそれより浅いことにある。このような
構成でも先の実施例と同様な効果が得られるのは勿論の
こと、先の実施例に比べて、電子の排出量が多くなるの
で、スイッチング損失がより小さくなる。
【0047】図9は、本発明の第5の実施例に係る半導
体装置のダイオード部の構成を示す図である。
【0048】本実施例のダイオード装置は、第1の実施
例のそれの抵抗体13を具体化した例である。第1の実
施例では、抵抗体13は素子の内部或いは外部に設けら
れたとしか説明しなかったが、図9には抵抗体13が素
子の内部に設けられた場合の具体的な一構成例が示され
ている。
【0049】即ち、抵抗体13としてSIPOS膜14
を用い、このSIPOS膜14をゲート電極9と接続す
ると共に、ゲート電極9と同様にSIPOS膜14を酸
化膜8により基板表面と電気的に分離する。
【0050】なお、第2,第3の実施例の抵抗体13も
本実施例のように素子の内部に設けることができる。
【0051】図10は、本発明の第6の実施例に係る半
導体装置のダイオード部の構成を示す図である。
【0052】本実施例のダイオード装置が第1の実施例
と異なる点は、アノード側に加えてカソード側にも素子
構造を設けたことにある。
【0053】即ち、n型半導体基板1のカソード側にn
型半導体層17を設けてp型MOSトランジスタを形成
し、このp型MOSトランジスタにより蓄積電荷の制御
を行なう。
【0054】n型半導体層17の表面にはn型エミッタ
層2が選択的に拡散形成され、このn型エミッタ層2の
表面からn型半導体層17の表面にかけては高濃度の浅
いp型半導体層16が拡散選択的に形成されている。ま
た、n型半導体層17の表面には高濃度の深いp型半導
体層14が形成され、この高濃度の深いp型半導体層1
4から高濃度の浅いp型半導体層16にかけてのn型半
導体層17上には酸化膜8を介してゲート電極9が設け
られている。
【0055】これらn型エミッタ層2,酸化膜8,ゲー
ト電極9,高濃度の深いp型半導体層14,高濃度の浅
いp型半導体層16,n型半導体層17によりp型MO
Sトランジスタが構成されている。
【0056】このように構成されたカソード側のダイオ
ードとp型MOSトランジスタとも、アノード側のそれ
らと同様に、ダイオードの入力信号の順バイアス期間が
短くなる方向にダイオードの入力信号が変化すると、p
型MOSトランジスタのpチャネル15が形成され、蓄
積電荷が減少し、従来に比べて、スイッチング損失和と
オン状態損失と和損失がより小さくなる。逆にダイオー
ドの入力信号の順バイアス期間が長くなると、蓄積電荷
が増加するので、この場合も、従来に比べて、スイッチ
ング損失和とオン状態損失と和損失がより小さくなる。
【0057】なお、このような構造は第2の実施例のダ
イオード部にも適用できる。
【0058】図11は、本発明の第7の実施例に係る半
導体装置のダイオード部の構成を示す図である。
【0059】本実施例のダイオード装置がこれまでの実
施例のそれらと主として異なる点は、本発明がSOI構
造の横型ダイオードに適用されていることにある。
【0060】即ち、素子本体はSiO2 膜22を介して
半導体基板21上に設けられたn型半導体基板1上に形
成されている。
【0061】SiO2 膜22と反対側のn型半導体基板
1の表面にはp型エミッタ層4とn型エミッタ層2とが
選択的に拡散形成されている。
【0062】p型エミッタ層4の表面には互いに接した
高濃度のp型半導体層25と高濃度のn型半導体層26
とが選択的に拡散形成されている。また、p型エミッタ
層4の表面には高濃度のp型半導体層25及び高濃度の
n型半導体層26に接しないn型半導体層27が設けら
れている。このn型半導体層27と高濃度のn型半導体
層26との間のp型エミッタ層4上に酸化膜24を介し
てゲート電極9aが設けられている。また、高濃度のp
型半導体層25及び高濃度のn型半導体層26上にはア
ノード電極10が設けられている。即ち、p型エミッタ
層4,ゲート電極9a,アノード電極10,酸化膜2
4,高濃度のn型半導体層26及びn型半導体層27で
n型MOSトランジスタが形成されている。また、アノ
ード電極10とゲート電極9aとの間には、ゲート・ア
ノード間電圧が所定値を越えないようにツェナーダイオ
ード12aが設けられている。
【0063】一方、n型エミッタ層2側には、n型エミ
ッタ層2,ゲート電極9b,カソード電極11,高濃度
のp型半導体層29,p型半導体層30及び酸化膜24
でp型MOSトランジスタが形成されている。また、カ
ソード電極11とゲート電極9bとの間には、ツェナー
ダイオード12bが設けられている。
【0064】このように構成すれば、第5の本実施例と
同様にアノード側,カソード側の両側に素子構造を有す
るダイオード装置が得られる。この場合、アノード側の
MOSトランジスタ及びカソード側のMOSトランジス
タに両方或いは一方のMOSトランジスタを外部により
制御する方式にも用いることができる。
【0065】図12は、本発明の第8の実施例に係る半
導体装置のダイオード部の構成を示す素子断面図であ
る。
【0066】本実施例のダイオード部が先の実施例のそ
れと異なる点は、n型MOSトランジスタの代わりに、
p型MOSトランジスタによって蓄積電荷を制御するこ
とにある。
【0067】即ち、アノード側のn型半導体基板1の表
面のn型半導体層33の表面に、図12に示すように、
n型半導体層6の代わりにp型拡散層31を選択的に拡
散形成する。これにより、p型エミッタ層4,酸化膜
8,ゲート電極9,p型拡散層31及びn型半導体層3
3とでp型MOSトランジスタが構成される。
【0068】この場合、ダイオードの入力信号の順バイ
アス期間が長くなる方向に変化したときに、アノード・
ゲート間電圧がしきい値より高くなような、ゲートバイ
アス電圧をp型MOSトランジスタに印加されるように
する。
【0069】図13は、本発明の第9の実施例に係る半
導体装置のダイオード部の構成を示す図である。
【0070】本実施例のダイオード部がこれまでの実施
例のそれらと異なる点は、電荷の排出量を制御する代わ
りに、電荷の注入量を制御することにより、蓄積電荷を
制御することにある。
【0071】カソード側の低濃度のn型半導体基板1の
表面にはp型半導体ウェル1が選択的に拡散形成され、
このp型半導体ウェル41の表面には高濃度のn型半導
体層43が選択的に拡散形成されている。この高濃度の
n型半導体層43からp型半導体ウェル41が形成され
ていない低濃度のn型半導体層1の表面にかけては酸化
膜8を介してゲート電極9が設けられている。
【0072】即ち、n型半導体基板1,酸化膜8,ゲー
ト電極9,p型半導体ウェル41及びn型半導体層43
とでn型MOSトランジスタが構成されている。
【0073】また、カソード電極11は、p型半導体ウ
ェル41及び高濃度のn型半導体層43に接するように
設けられている。そして、カソード電極11とゲート電
極9との間にゲート電圧制御器42が設けられている。
【0074】このように構成されたダイオード装置によ
れば、n型MOSトランジスタをオン状態にし、n型半
導体基板1とn型半導体層43との間のp型半導体ウェ
ル1の表面のnチャネル44を介してp型エミッタ層4
に電子e- を注入することによりダイオードをオン状態
にできる。このため、ゲート電圧制御器42によって直
接電子の注入を制御でき、先の実施例に比べて、オン状
態をより広い範囲にわたって制御できる。
【0075】図14は、本発明の第10の実施例に係る
半導体装置のダイオード部の構成を示す図である。
【0076】本実施例のダイオード部が先の実施例のそ
れと異なる点は、n型半導体基板1の表面にn型エミッ
タ層2を付加したことにある。このため、先の実施例に
比べて、電子の注入効率をより高くできる。なお、n型
エミッタ層2とp形半導体ウェル41とは接していなく
ても良い。
【0077】図15は、本発明の第11の実施例に係る
半導体装置のダイオード部の構成を示す素子断面図であ
る。
【0078】本実施例のダイオード部が先の実施例のそ
れと異なる点は、n型エミッタ層2への電子の供給方法
にある。
【0079】カソード側のn型半導体基板1の表面に
は、ゲート電極9を介してp型半導体ウェル41と対向
する高濃度のp型半導体層45が選択的に形成されてい
る。即ち、この高濃度のp型半導体層45,p型半導体
ウェル41,n型半導体層1,酸化膜8及びゲート電極
9とp型MOSトランジスタが構成されている。
【0080】また、この高濃度のp型半導体層45はn
型エミッタ層2と接しており、そして、電位の浮いた電
極47が高濃度のp型半導体層45及びn型エミッタ層
2に接するように設けられている。
【0081】このように構成されたダイオード装置によ
れば、p型MOSトランジスタがオン状態になり、pチ
ャネル46が形成されると、電位の浮いた電極57を介
してn型エミッタ層2に電子e- が注入される。このよ
うな電子e- の注入方法でも先の実施例と同様な効果が
得られる。
【0082】図16は、本発明の第12の実施例に係る
半導体装置のダイオード部の構成を示す素子断面図であ
る。
【0083】本実施例のダイオード部が第1の実施例の
それと異なる点は、トレンチ構造のゲート電極9を用い
たことにある。
【0084】即ち、p型エミッタ層4の表面にはトレン
チ溝が形成されており、その中に酸化膜8で被覆された
ゲート電極9が設けられている。この場合、トレンチ溝
の壁部に沿って2つのn型半導体層6間にチャネルが形
成される。なお、p型エミッタ層4はトレンチ溝より浅
く形成しても良い。
【0085】図17は、本発明の第13の実施例に係る
ダイオード装置の構成を示す素子断面図である。
【0086】本実施例のダイオード部は、図16のトレ
ンチ構造のゲート電極9がn型半導体基板1の表面まで
突き抜けた構造になっている。このような構成でも従来
よりオン状態損失とスイッチング損失との和損失が小さ
くなる。
【0087】図18は、本発明の第14の実施例に係る
ダイオード装置の構成を示す素子断面図である。
【0088】本実施例のダイオード部が図1の第1の実
施例のそれと異なる点は、図1のダイオード部から高濃
度の深いn型半導体層5が取り除かれた簡略された構成
になっていることにある。このような構成のダイオード
部でも第1の実施例と同様な効果が得られる。
【0089】図19は、本発明の第15の実施例に係る
ダイオード装置の構成を示す素子断面図である。
【0090】本実施例のダイオード部が図18の第14
の実施例のそれと異なる点は、第14の実施例と同様に
高濃度の深いn型半導体層5を取り除くと共に、高濃度
の浅いn型半導体層6をp型エミッタ層4に接しないよ
うにp型半導体層3の表面に選択的に形成したことにあ
る。本実施例によれば、先の実施例と同様に、第1の実
施例のダイオード部より構成が簡略化され、しかも、第
1の実施例のダイオード部と同様な効果が得られる。
【0091】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。例えば、上記実施例では、pn接合の
ダイオードの場合について説明したが、本発明は、他の
タイプのダイオード、例えば、MOS構造やショットキ
ー接触等のダイオードにも適用できる。また、上記実施
例を適宜組み合わせても良い。
【0092】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施できる。
【0093】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ダ
イオード内の蓄積電荷を制御することにより、ダイオー
ドのオン状態の期間とオフ状態の期間との割合が時々刻
々と変化しても、スイッチング損失とオン状態損失との
和損失を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る半導体装置のダイ
オード部の構成を示す図。
【図2】ゲート・アノード間電圧とオン状態損失との関
係を示す特性図。
【図3】ゲート・アノード間電圧とスイッチング損失と
の関係を示す特性図。
【図4】ターンオン後のオン状態損失とスイッチング損
失との関係を示す特性図。
【図5】本発明の第2の実施例に係る半導体装置のダイ
オード部の構成を示す図。
【図6】本発明の第3の実施例に係る半導体装置のダイ
オード部の構成を示す図。
【図7】図6のダイオード部に印加するゲートバイアス
電圧を説明するための図。
【図8】本発明の第4の実施例に係る半導体装置のダイ
オード部の構成を示す図。
【図9】本発明の第5の実施例に係る半導体装置のダイ
オード部の構成を示す図。
【図10】本発明の第6の実施例に係る半導体装置のダ
イオード部の構成を示す図。
【図11】本発明の第7の実施例に係る半導体装置のダ
イオード部の構成を示す図。
【図12】本発明の第8の実施例に係る半導体装置のダ
イオード部の構成を示す図。
【図13】本発明の第9の実施例に係る半導体装置のダ
イオード部の構成を示す図。
【図14】本発明の第10の実施例に係る半導体装置の
ダイオード部の構成を示す図。
【図15】本発明の第11の実施例に係る半導体装置の
ダイオード部の構成を示す図。
【図16】本発明の第12の実施例に係る半導体装置の
ダイオード部の構成を示す図。
【図17】本発明の第13の実施例に係る半導体装置の
ダイオード部の構成を示す図。
【図18】本発明の第14の実施例に係る半導体装置の
ダイオード部の構成を示す図。
【図19】本発明の第15の実施例に係る半導体装置の
ダイオード部の構成を示す図。
【図20】従来のpinダイオードの素子断面図。
【符号の説明】
1…n型半導体基板、2…n型エミッタ層、3…p型半
導体層、4…p型エミッタ層、5…深いn型半導体層、
6…浅いn型半導体層、7…nチャネル、8…酸化膜、
9…ゲート電極、10…アノード電極、11…カソード
電極、12…ツェナーダイオード、13…抵抗体、14
…SIPOS膜。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】順バイアスとなる期間と逆バイアスとなる
    期間との割合が変わる電気信号が入力されるダイオード
    と、 このダイオードに入力される前記電気信号の電流に対す
    る前記ダイオード内の蓄積電荷の比を制御する手段とを
    具備してなることを特徴とする半導体装置。
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