JPH0696324B2 - サーマルシリアルプリンタのインクリボン搬送構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ 〈産業上の利用分野〉 本発明はサーマルプリンタのインクリボン搬送構造に関
し、特にプラテンに支持された記録紙に当接させたサー
マルヘッドをプラテンの軸線方向に移動させ、記録紙に
対して一字づつ印字を行うサーマルシリアルプリンタの
インクリボン搬送構造に関する。

〈従来の技術〉 従来から、プラテンに支持された記録紙に対して感熱転
写インクリボンを介して当接させ、サーマルヘッドをプ
ラテンの軸線方向に移動させると共にインクリボンをス
クロールさせつつ該ヘッドの抵抗発熱部を選択的に発熱
させることにより、所望の印字を行うサーマルシリアル
プリンタが知られている。このようなプリンタに用いら
れるインクリボンは、その厚さが例えば3.5μｍ〜６μ
ｍと比較的薄いことから、特にサーマルヘッドの抵抗発
熱部近傍で摩擦や熱による影響を受け易く、インクリボ
ンに皺や弛みが発生しがちになり印字むら発生の要因と
なっていた。

〈発明が解決しようとする課題〉 このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の主な目的
は、サーマルシリアルプリンタに於て、サーマルヘッド
と記録紙との間に介在する感熱転写インクリボンの搬送
を円滑に行い得るインクリボン搬送構造を提供すること
にある。

［発明の構成］ 〈課題を解決するための手段〉 このような目的は本発明によれば、プラテンに支持され
た記録紙に対して感熱転写インクリボンを介して当接さ
せたサーマルヘッドを、前記プラテンの軸線方向に移動
させると共に前記インクリボンをスクロールさせつつ該
ヘッドに設けられた抵抗発熱部を選択的に発熱させるこ
とにより前記記録紙に所望の印字を行うサーマルシリア
ルプリンタのインクリボン搬送構造であって、前記サー
マルヘッドに前記インクリボン搬送方向前側にて隣接し
該リボンをガイドする手段と、前記サーマルヘッドの抵
抗発熱部との間隔が前記インクリボンの幅の２倍以下と
なっていることを特徴とするサーマルシリアルプリンタ
のインクリボン搬送構造を提供することにより達成され
る。

〈作用〉 このように、最も皺や弛みを発生し易いサーマルヘッド
の抵抗発熱部と可及的に近接する位置でインクリボンを
好適にガイドすることで、インクリボンの搬送が円滑に
行われるようになる。

〈実施例〉 以下、本発明の好適実施例を添付の図面について詳しく
説明する。

第１図は、本発明に基づく第１の実施例を示すサーマル
シリアルプリンタの印字部の構成図である。

プラテン１の外周面には記録紙２が支持されており、該
記録紙は図面に対して直交する方向に搬送されるように
なっている。また、記録紙２の印字面2aには、サーマル
ヘッド３の後記する抵抗発熱部19が感熱転写インクリボ
ン４を介して当接している。インクリボン４は、リボン
カセット５内にて供給リール６からガイドローラ７、
８、９と、インクリボン４と記録紙２との間に配置され
たガイドアーム10とを介してサーマルヘッド３に至り、
該ヘッドからガイドピン11、ガイドローラ12、13を介し
て巻取リール14に搬送され、該リールに巻取られるよう
になっている。尚、インクリボン４には図示されないテ
ンショナにより所定の張力が与えられている。リボンカ
セット５は、プラテン１の軸線方向即ち第１図に於ける
左右方向にサーマルヘッド３と一体的に移動するように
なっている。

サーマルヘッド３は、第２図に示すように、例えばアル
ミナからなるベース層17の表面にガラスグレーズ層18を
形成してなるグレーズドアルミナ基板16と、該基板の主
面16aと端面16bとの間の傾斜面16cに抵抗発熱部19を形
成するための抵抗発熱体20及び一対の電極膜21、22とを
有し、これら抵抗発熱体20、両電極膜21、22を保護する
べくその表面に保護膜23が形成されている。このサーマ
ルヘッド３は、第１図に示すように、抵抗発熱部19が印
字面2aに対向するように即ち印字面2aに対して斜めに配
置されている。

第３図に良く示すように、ガイドアーム10には、インク
リボン４の幅に略等しい幅の溝10aが形成されており、
該溝にてインクリボン４をガイドすることにより、イン
クリボン４の幅方向へのずれを防止している。また、ガ
イドアーム10は、溝10aにてインクリボン４に面接触し
ており、該リボンに皺が発生することを防止している。

ここで、インクリボン４の幅は6.35mmとなっている。ま
た、第３図に示すように、サーマルヘッド３の抵抗発熱
部19とガイドピン11との間隔L1は5mmとなっており、抵
抗発熱部19とガイドアーム10の遊端部との間隔L2も5mm
となっている。即ち、抵抗発熱部19とガイドアーム10と
の間隔及び抵抗発熱部19とガイドピン11との間隔がイン
クリボン４の幅よりも短くなっている。また、ガイドア
ーム10と印字面2aとの間隔を一定とすれば、抵抗発熱部
19とガイドアーム10との間隔が短くなる程、インクリボ
ン４と、印字面2aとのなす角度θが大きくなるが、本実
施例では、角度θを５゜以上好ましくは15゜以上とする
ことで、インクリボン４が印字面2aに対してサーマルヘ
ッド３の抵抗発熱部19以外で不必要に近接せず、インク
リボン４に悪影響が及ぼされることを回避している。

次に本実施例の作動要領を説明する。

記録紙２に印字するには、まずプラテン１の第１図に於
ける左端側にサーマルヘッド３及びリボンカセット５が
配置された状態から、印字面2aにインクリボン４を介し
てサーマルヘッド３の抵抗発熱部19を当接させ、第１図
に於ける右側に移動させる。同時にインクリボン４を供
給リール６から巻取リール14側に搬送し、スクロールさ
せつつ抵抗発熱部19の多数の抵抗発熱体20を選択的に発
熱させることにより、インクリボン４のインク層が溶融
し印字面2aに転写されることとなる。

次に、サーマルヘッド３及びリボンカセット５を再びプ
ラテン１の第１図に於ける左端に移動させるには、サー
マルヘッド３を印字面2aから離反させ、その状態で、イ
ンクリボン４をスクロールさせずに即ち巻取リール14を
回転させずにサーマルヘッド３及びリボンカセット５を
移動させる。

ここで、上記したように抵抗発熱部19とガイドアーム10
との間隔及び抵抗発熱部19とガイドピン11との間隔がイ
ンクリボン４の幅よりも短くなっていることから、特に
サーマルヘッド３の抵抗発熱部19近傍でインクリボン４
に皺や弛みが発生することがない。

本発明者の実験によれば、厚さ3.5μｍのポリエステル
樹脂をリボンベースとし、厚さ５μｍのインク層を設け
た幅6.35mmのインクリボンと、記録紙の印字面と主面と
のなす角度が32゜となるように配置した本実施例と同様
の端部型サーマルヘッドと、ゴム硬度Hs60゜のプラテン
とを用い、印字圧500g/ドット、印字速度100cps（24ド
ットマトリクス）として、サーマルヘッド３の抵抗発熱
部19とガイドピン11との間隔即ち第４図のL1を5mmに固
定して、抵抗発熱部19とガイドアーム10の遊端部との間
隔即ち第４図のL2を変化させたところ、L2が15mmを越え
るとインクリボンに皺が発生するが、L2が10mm以下であ
れば、インクリボンに皺等が発生せず、良好に印字を行
うことができることが判明した。

第５図は、本発明に基づく第２の実施例を示す。本実施
例によれば、サーマルヘッド33の端面と裏面との間即ち
サーマルヘッド33の端面を挟んで抵抗発熱部34と相反す
る側に面取部35が形成されている。また、第１の実施例
に於けるガイドアーム10の代わりに、サーマルヘッド33
の主面と対向する部分が一部切除された半月状断面を有
するガイドピン36が設けられている。更に第１の実施例
に於けるガイドピン11の代わりに、サーマルヘッド33の
面取部35に対向する部分が一部切除された半月状断面を
有するガイドピン37が設けられている。従って、本実施
例によれば、第１の実施例に比較して両ガイドピン36、
37を互いに近接させることが可能となり、インクリボン
４を好適にガイドでき、該リボンを一層円滑に搬送する
ことができる。それ以外の構成は第１の実施例と同様で
ある。

尚、本発明は上記実施例に限定されず様々な応用が可能
であることは云うまでもなく、例えば本実施例では基板
の主面と端面との間の傾斜面に抵抗発熱部を形成したサ
ーマルヘッドを用いたが、基板の主面或いは端面に抵抗
発熱部を形成したサーマルヘッドを用いても良い。

［発明の効果］ このように本発明によれば、サーマルシリアルプリンタ
に於て、サーマルヘッドのインクリボン搬送方向前側に
て該ヘッドと隣接するインクリボンガイド手段と、サー
マルヘッドとの間隔をインクリボンの幅の２倍以下とす
ることで、インクリボンに皺や弛み等の発生を好適に防
止でき、インクリボンを円滑に搬送可能となることか
ら、低平滑紙への高速印字も良好に行うことができる。
また、サーマルヘッドのインクリボン搬送方向後側にて
該ヘッドと隣接するインクリボンガイド手段と、サーマ
ルヘッドとの間隔をインクリボンの幅の２倍以下とする
ことで、インクリボンに皺や弛み等の発生を一層好適に
防止できる。以上のことから本発明の効果は極めて大で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に基づく第１の実施例を示すサーマル
シリアルプリンタの要部構成図である。 第２図は、第１図のサーマルヘッドのみを拡大して示す
断面図である。 第３図は、第１図のガイドアームのみを拡大して示す斜
視図である。 第４図は、第１図の要部拡大図である。 第５図は、本発明に基づく第２の実施例を示すサーマル
シリアルプリンタの要部構成図である。 １……プラテン、２……記録紙 2a……印字面、３……サーマルヘッド ４……感熱転写インクリボン ５……リボンカセット、６……供給リール ７〜９……ガイドローラ、10……ガイドアーム 10a……溝、11……ガイドピン 12、13……ガイドローラ 14……巻取リール、16……基板 16a……主面、16b……端面 16c……傾斜面、17……ベース層 18……ガラスグレーズ層 19……抵抗発熱部、20……抵抗発熱体 21、22……電極膜、23……保護膜 33……サーマルヘッド、34……抵抗発熱部 35……面取部、36、37……ガイドピン

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プラテンに支持された記録紙に対して感熱
   転写インクリボンを介して当接させたサーマルヘッド
   を、前記プラテンの軸線方向に移動させると共に前記イ
   ンクリボンをスクロールさせつつ該ヘッドに設けられた
   抵抗発熱部を選択的に発熱させることにより前記記録紙
   に所望の印字を行うサーマルシリアルプリンタのインク
   リボン搬送構造であって、 前記サーマルヘッドに前記インクリボン搬送方向前側に
   て隣接し該リボンをガイドする手段と、前記サーマルヘ
   ッドの抵抗発熱部との間隔が前記インクリボンの幅の２
   倍以下となっていることを特徴とするサーマルシリアル
   プリンタのインクリボン搬送構造。
2. 【請求項２】前記サーマルヘッドの前記インクリボン搬
   送方向後側に隣接し該リボンをガイドする手段と、前記
   サーマルヘッドの抵抗発熱部との間隔が前記インクリボ
   ンの幅の２倍以下となっていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項に記載のサーマルシリアルプリンタのイ
   ンクリボン搬送構造。
3. 【請求項３】前記サーマルヘッドが、基板の主面と端面
   との間に前記抵抗発熱部が設けられ、かつ前記記録紙の
   紙面に対して傾斜して配設される端部型サーマルヘッド
   からなることを特徴とする特許請求の範囲第１項若しく
   は第２項に記載のサーマルシリアルプリンタのインクリ
   ボン搬送構造。
4. 【請求項４】前記サーマルヘッドに隣接する前記両ガイ
   ド手段の少なくともいずれか一方が、前記インクリボン
   と前記記録紙との間に配設されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項乃至第３項のいずれかに記載のサ
   ーマルシリアルプリンタのインクリボン搬送構造。
5. 【請求項５】前記サーマルヘッドに隣接する前記両ガイ
   ド手段の少なくともいずれか一方が、前記インクリボン
   と面接触することを特徴とする特許請求の範囲第１項乃
   至第４項のいずれかに記載のサーマルシリアルプリンタ
   のインクリボン搬送構造。
6. 【請求項６】前記サーマルヘッドに隣接する前記両ガイ
   ド手段の少くともいずれか一方が、前記インクリボンの
   幅方向への移動を規制する手段を有することを特徴とす
   る特許請求の範囲代１項乃至第５項のいずれかに記載の
   サーマルシリアルプリンタのインクリボン搬送構造。