JPH0695386A - マイクロレンズ用ポジ型感光材料 - Google Patents

マイクロレンズ用ポジ型感光材料

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JPH0695386A
JPH0695386A JP26778792A JP26778792A JPH0695386A JP H0695386 A JPH0695386 A JP H0695386A JP 26778792 A JP26778792 A JP 26778792A JP 26778792 A JP26778792 A JP 26778792A JP H0695386 A JPH0695386 A JP H0695386A
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JP
Japan
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photosensitive material
group
alkali
resin
formula
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Application number
JP26778792A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Tsutsumi
義高 堤
Teruhisa Kamimura
輝久 上村
Masazumi Hasegawa
正積 長谷川
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体撮像素子、液晶表示素子の製造時に用い
られるマイクロ集光レンズ材料を提供する。 【構成】 アルカリ可溶性樹脂、感光剤として1,2
−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、熱硬化剤
としてエポキシ系硬化剤及び溶剤からなるマイクロレン
ズ用ポジ型感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー固体撮像素子、
カラー液晶表示素子等のカラーフィルター上に形成され
るマイクロ集光レンズ材料として使用可能なポジ型感光
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、撮像素子を使用したカラービデオ
カメラの普及に伴い高画質撮像素子の需要が高まりつつ
ある。そして、高画質化に対応するため、マイクロ集光
レンズの形成が行われている。すなわち、マイクロ集光
レンズは、通常、撮像素子上に形成されるカラーフィル
ター層、中間膜、保護膜等の最上部に作製されており、
このレンズは、特開平1−91103号、特開平1−2
46505号、特開平1−257901号、特開平1−
263601号等に示されているように、素子の感度が
向上する、素子の出力信号の折り返し歪が減少する等の
効果があり、マイクロ集光レンズの形成はカラー固体撮
像素子の必須条件になっている。
【0003】マイクロ集光レンズを形成する方法は種々
あるが、例えば、特開平1−246505号、特開平3
−223702号のように、透明な感光性樹脂を表面保
護膜上に塗布し、フォトダイオードに対応する部分に樹
脂層が残るように露光、現像した後、パターンを熱処理
することによって形成できる。
【0004】ところで、撮像素子の高性能化は日進月歩
で変化しており、マイクロ集光レンズに要求される特性
も日毎に厳しくなっている。レンズ形成用材料の基本的
必要特性は、屈折率が大きい、可視光域での透明性が高
い、パターン変形後の耐熱性、耐溶剤性、耐光性が優れ
ていることに加えて、レンズ形成能が優れ、かつ高感
度、高解像度なレジスト機能を有していることがあげら
れる。特に、レンズ形成能については、昨今のフォトダ
イオードの微細化に伴い、充分な集光能力を備えた曲率
を有する必要があり、例えば、上記のパターンを熱処理
する形成方法では、パターンの寸法が変化せずに丸みを
持つことが理想に近づく。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば、半導体集積回
路用ポジ型フォトレジストをマイクロレンズ材料として
使用すると、塗布、プリベーク、露光、現像、熱処理に
よりマイクロ集光レンズが形成できる。しかしながら、
このレンズの実用的な使用は不可能である。その理由は
種々あるが、例えば、レンズ形成後、再加熱するとパタ
ーンが流れる、透明性が極端に低下するといった問題点
が考えられる。
【0006】そこで、この問題を解決するために、アル
カリ可溶性樹脂、感光剤として1,2−ナフトキノンジ
アジドスルホン酸エステル、加熱処理によりレンズを形
成する際に耐熱性及び耐溶剤性を付与させる熱硬化剤、
特にメラミン系硬化剤及び溶剤からなるマイクロレンズ
用ポジ型感光材料を提供している(特開平3−2237
02号)。
【0007】しかし、このポジ型感光材料も耐薬品性等
の耐久性に若干不満を抱えており、未だ十分ではない。
【0008】本発明の目的は、上記した問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的は上記した必要な特性を
充分満足する材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な背景をもとに鋭意研究を重ねた結果、ベースポリマー
として芳香環成分とカルボン酸成分とを有したアルカリ
可溶性樹脂、またはビニルフェノール系重合体又はフェ
ノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック
樹脂の水素添加物及び/又は水酸基の一部を変性した樹
脂を用いると透明性に優れており、かつ、感光剤として
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、エ
ポキシ系熱硬化剤及び溶剤から構成されるポジ型感光材
料が上述の課題を解決できることを見出し本発明を完成
するに至ったものである。
【0010】すなわち、本発明は、アルカリ可溶性樹
脂、特に、所定の一般式で示される構造単位からなる樹
脂、ビニルフェノール系重合体又はフェノール類とアル
デヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂の水素添加
物及び/又は水酸基の一部を変性した樹脂で、感光剤と
して1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステ
ル、熱硬化剤としてエポキシ系硬化剤及び溶剤からなる
マイクロレンズ形成用ポジ型感光材料である。
【0011】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】本発明におけるアルカリ可溶性樹脂とは、
溶媒に可溶であり、皮膜形成可能であれば特に限定する
ものではない。これは、感光材料としてのバインダー及
びアルカリ現像液溶解性の付与のためである。
【0013】特に、本発明のアルカリ可溶性樹脂は、再
加熱時においても透明性を維持するために、下記一般式
(1)又は一般式(2)で示される構造単位からなる樹
脂であることが好ましい。
【0014】
【化3】 [式中、Rは水素又はメチル基を示し、AはOA
はNA(A,A,Aはそれぞれ水素、炭素
数1から6までのアルキル基、炭素数6から12までの
アリル基又は炭素数7から12までのアラルキル基を示
す。)を示し、k,mはそれぞれ1以上の整数を示し、
l,nはそれぞれ0を含む整数を示す。]
【0015】
【化4】 [式中、Rは水素又はメチル基を示し、R,R
それぞれ水素、メチル基、塩素又は臭素を示し、AはO
又はNA(A,A,Aはそれぞれ水
素、炭素数1から6までのアルキル基、炭素数6から1
2までのアリル基又は炭素数7から12までのアラルキ
ル基を示す。)を示し、x,yはそれぞれ0又は1以上
の整数を示し、zは1以上の整数を示す。]なお、上式
におけるA〜Aのアルキル基としては、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、イ
ソアミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等があ
げられ、アリル基としては、フェニル基、トリル基、キ
シリル基、エチルフェニル基、ナフチル基等があげら
れ、アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等
があげられ、ベンゼン環は塩素、臭素等のハロゲン、ニ
トロ基、シアノ基等で置換されていてもよい。
【0016】また、アルカリ可溶性樹脂は、再加熱時に
おいても透明性を維持するために、ビニルフェノール系
重合体又はフェノール類とアルデヒド類との重縮合物で
あるノボラック樹脂の水素添加物及び/又は水酸基の一
部を変性した樹脂であることが好ましい。
【0017】本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の合成
方法は、特に限定するものではないが、例えば以下の方
法で合成できる。
【0018】一般式(1)で示される構造単位からなる
アルカリ可溶性樹脂は、(α−メチル)スチレン/無水
マレイン酸共重合体を常法に従い、溶液又は塊状ラジカ
ル重合等により合成した後、アルコール等又はアミンと
のエステル化又はアミド化反応により合成できる。ま
た、(α−メチル)スチレン/マレイン酸エステル共重
合体を常法に従い、溶液又は塊状ラジカル重合等によっ
ても合成できる。
【0019】一般式(2)で示される構造単位からなる
アルカリ可溶性樹脂は、(α−メチル)スチレン/(メ
タ)アクリル酸、(α−メチル)スチレン/(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体を常法に従い、溶液ラジカル
重合等により合成した後、エステル化又はアミド化また
は加水分解することにより合成できる。また、エステル
化又はアミド化された単量体とを多元共重合する方法、
さらに、ポリ(メタ)アクリル酸をエステル化又はアミ
ド化する方法によっても合成できる。
【0020】ビニルフェノール重合体又はノボラック樹
脂に水素添加する方法は特に限定するものではないが、
例えば、特開平1−103604号、特開平2−425
4号、特開平2−29751号、特開平2−9752号
の方法で合成できる。ビニルフェノール重合体又はノボ
ラック樹脂の水酸基の変性に関しては、アルキル化、ア
シル化、スルホニル化、グリシジル化等の反応により合
成できる。例えば、アルキル化は樹脂とハロゲン化アル
キルとを塩基性触媒下にて反応することにより合成で
き、同様にグリシジル化もまたエピクロルヒドリン等と
の反応により合成できる。アシル化,スルホニル化は樹
脂とカルボン酸又はスルホン酸又はカルボニルハライド
又はスルホニルハライドとを酸触媒又は塩基性触媒下に
て反応することにより合成できる。さらに、ビニルフェ
ノール重合体はラジカル共重合可能な2重結合を有した
単量体との共重合も可能であり、例えば、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸
エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド等の酸ア
ミド類、アクリロニトリル、スチレン等を例示できる。
【0021】本発明における感光剤としては、1,2−
ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルであり、これ
はアルカリ現像液に対して、未露光部では溶解阻止、露
光部では溶解促進効果を付与するためである。
【0022】1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸
エステルのエステル成分としては特性を維持できるもの
であれば特に限定するものではないが、例えば、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒド
ロキシベンゾフェノン、2,3,4,4´−テトラヒド
ロキシベンゾフェノン、2,2´,3,4,4´−ペン
タヒドロキシベンゾフェノン、フェノール、1,3−ジ
ヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベン
ゼン、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸フェ
ニル等をあげることができる。
【0023】本発明における熱硬化剤であるエポキシ系
硬化剤としては、分子中に平均して1個以上のエポキシ
基をもつ化合物の1種ないし数種の組み合わせからなる
エポキシ系硬化剤であれば特に限定するものではなく、
例えば、グリシジルエーテルタイプとして、n−ブチル
グリシジルエーテル、2−エトキシヘキシルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシ
ジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロー
ルポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジ
ルエーテル等があげられ、グリシジルエステルタイプと
して、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸
ジグリシジルエステル等があげられ、脂環式エポキシタ
イプとして、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレー
ト、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カ
ルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル
シクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジ
エンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチ
ル)エーテル等があげられる。本発明における熱硬化剤
として、エポキシ系硬化剤を選んだのは、硬化物の耐薬
品性向上のためである。
【0024】さらに、熱硬化剤として、特性を低下させ
ない範囲で、他の熱硬化剤、例えば、メラミン系、イソ
シアネート系、多官能不飽和化合物等を添加してもよ
い。
【0025】本発明におけるポジ型感光材料に、さら
に、熱硬化を促進するための硬化助剤を添加すること
は、比較的低温でかつ短時間で硬化を終了させることが
でき、また、耐薬品性をさらに向上することができるの
で好ましい。
【0026】ここに、硬化助剤としては、保存安定性が
良好で充分な熱硬化性を有するものであれば特に限定す
るものではく、例えば、潜在性熱酸発生剤、潜在性光酸
発生剤、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸、アミ
ン化合物、ポリアミン化合物等が使用できる。特に、保
存安定性が良好で、硬化特性に優れており、取扱いやす
いため、潜在性熱酸発生剤、多価カルボン酸無水物、多
価カルボン酸が好ましい。具体的には、熱酸発生剤とし
ては、有機ハロゲン化合物、オニウム塩等があげられ、
これらのうち、有機ハロゲン化合物としてはトリハロメ
チル基含有トリアジン化合物やオキサジアゾール化合物
等があげられ、オニウム塩としてアリルジアゾニウム
塩、(ジ)アリルヨードニウム塩、(ジ、トリ)アリル
スルホニウム塩等があげられる。また、カルボン酸無水
物は、芳香族としては無水フタル酸、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸等があげられ、脂肪族としては無水コハク酸、
無水マレイン酸等があげられ、脂環族としては無水メチ
ルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メ
チルテトラヒドロ無水フタル酸等があげられる。カルボ
ン酸は上記酸無水物の開環体が例示できる。
【0027】本発明のポジ型感光材料は、上記したよう
にアルカリ可溶性樹脂、感光剤として1,2−ナフトキ
ノンジアジドスルホン酸エステル、熱硬化剤としてエポ
キシ系硬化剤及び溶剤から構成されるものであり、その
組み合わせに特徴がある。すなわち、樹脂はポリスチレ
ン骨格とカルボン酸とを同時に持つポリマー又はビニル
フェノール重合体又はノボラック樹脂の水素添加物及び
/又は水酸基の一部を変性した樹脂を用いることによっ
て、アルカリ可溶性で、屈折率が大きく、透明性が良好
な系が実現できる。しかも、耐熱性、耐光性に優れ透明
性に変化のないことが特徴になる。
【0028】感光剤は1,2−ナフトキノンジアジドス
ルホン酸エステルを用い、上記のアルカリ可溶性樹脂と
混合することによって、アルカリ現像液に膨潤しない高
解像度のレジストが実現できる。また、エポキシ系硬化
剤は耐熱性、耐溶剤性を付与するために必要である。特
に、レンズ形成と同時に熱硬化を行うことができるた
め、工程上非常に有利になる。
【0029】本発明のポジ型感光材料において樹脂と感
光剤及び熱硬化剤との組成比は特性を維持できる範囲内
で種々変化させることが可能であるが、例えば、以下の
範囲が好ましい。感光剤は樹脂に対して10〜30重量
%、熱硬化剤は固形分に対して5〜30重量%が良好で
ある。この範囲内では、密着性、透明性、感度、解像
度、レンズ形成能が良好な安定した特性を発揮できる。
【0030】本発明のポジ型感光材料は、樹脂、感光剤
及び熱硬化剤を固形分が10〜40重量部になるように
適当な溶剤に溶解して得られる。溶剤としては、例え
ば、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びその
アセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエー
テル及びそのアセテート類、ジエチレングリコールモノ
又はジアルキルエーテル類、プロピオン酸アルキル及び
そのアルコキシ類、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類、乳酸エチル、ジアセトンアル
コール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等があげられる。これらの溶
剤は単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0031】また、必要に応じて、塗布性を改良するた
めに、ノニオン系、フッ素系、シリコン系等の界面活性
剤を添加してもよい。さらに、必要があれば他の相溶性
のある添加物を配合してもよい。
【0032】本発明のポジ型感光材料は、紫外線、遠紫
外線、電子線、X線等によるレジストパターン形成のた
めに用いることができ、感度、解像度に優れている。特
に、パターン形成後にベーク処理を行うことによって、
集光レンズが形成できる。形成されたレンズは屈折率が
大きく、透明性、耐熱性、耐溶剤性に優れている。
【0033】本発明のポジ型感光材料を用いて放射線照
射によるレジストパターンを形成する際の使用法は特に
限定するものではなく、慣用の方法に従って行うことが
できる。また、レンズパターンはレジストパターン形成
後加熱処理を行うことによって得られる。
【0034】例えば、まず、感光性樹脂溶液は本発明の
アルカリ可溶性樹脂、感光剤及び熱硬化剤を溶剤に溶解
し、濾過(例えば、0.2μm孔径程度のフィルターに
て)によって不溶分を除去することにより調製される。
感光性樹脂溶液をシリコンウエハー等の基板上又はシリ
コンウエハー上にハードベークした樹脂上にスピンコー
トし、プレベークすることによって感光性樹脂膜が得ら
れる。その後、縮小投影露光装置、プロキシミティーア
ライナー、ミラープロジェクション、電子線露光装置等
にて露光を行い、現像、リンスすることによってレジス
トパターンを形成できる。現像液としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナト
リウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機
アルカリ、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1
アミン、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第
2アミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等
の第3アミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等のアルコールアミン、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド、コリン等の水溶液を使用することができる。さ
らに、上記アルカリ水溶液中にアルコール類、界面活性
剤を適量添加して使用することもできる。塗布、ベー
ク、露光、現像、リンス等その他の手法は集積回路等を
製造するためのレジストパターン形成における常法に従
うことができる。
【0035】以上のようにしてレジストパターンは形成
可能である。次に、レンズパターンは、形成したレジス
トパターンをまず、UV光にて全面露光を行い透明性を
付与した後、ホットプレート上又はコンベクションオー
ブン中にて100〜180℃、好ましくは130〜17
0℃の所定温度、1〜30分程度の所定時間加熱処理す
ることによって形成できる。レンズの形状、曲率等は設
定条件により任意に選択することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】実施例1 スチレン/無水マレイン酸共重合部分エステル体(共重
合比2/1、重量平均分子量5000(GPC測定値、
ポリスチレン換算)、アトケムインコーポレーテッド
製、SMA(商標)−2625)を25g、2,3,4
−トリヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノ
ンジアジドスルホン酸エステル(トリエステル体)6.
0g、多官能脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業
製、エポリード(商標)GT−300)4.0g及びジ
エチレングリコールジメチルエーテル65gを混合溶解
した後、0.2μmフィルターにて濾過を行い、レジス
ト溶液を調製した。
【0038】次に、シリコン基板上にレジスト溶液を回
転塗布により、2.0μm厚のレジスト膜を作成し、9
0℃、90秒間ホットプレート上にてプリベークを行っ
た。その後、g線縮小投影露光装置(DSW−6300
A、GCA)にて露光し、1.2%テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド水溶液で現像した。パターニングは
300mJ/cmで0.7μmL/Sを解像すること
ができた。
【0039】次に、得られた5μmL/SパターンをU
V光(PLA−501、キャノン)にて全面露光(LI
=30)を行った後、170℃、30分間ホットプレー
ト上にて加熱し、流動と硬化を同時に進行させレンズパ
ターンを形成した。レンズパターン形成後、200℃で
加熱処理を行ってもパターンの変形は認められなかっ
た。
【0040】レンズパターンの屈折率は1.59であ
り、レンズ材料として良好な値を示した。
【0041】また、レンズパターンの可視光域での透明
性は良好であり、例えば400nmでは97%であっ
た。200℃加熱後も透明性の変化は認められなかっ
た。
【0042】耐溶剤性は水、イソプロピルアルコール、
キシレン、メチルエチルケトン等の溶剤に浸漬したとこ
ろ表面荒れは観察されなかった。また、メチルエチルケ
トンに浸漬した際の膜減り量は0.1μm以下であっ
た。
【0043】実施例2 実施例1のレジスト溶液に、さらに、ベンジル−p−ヒ
ドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフロロアン
チモネート(硬化助剤、三新化学製、SI−100)を
0.2g添加してレジスト溶液とした。
【0044】次に、実施例1と同様の方法により、パタ
ーニング、レンズ形成を行った。1.2%テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液で現像したところ、3
50mJ/cmで0.8μmを解像することができ
た。硬化条件は150℃/3分間(ホットプレート)で
行うことができ、その際のレンズ形状も良好であった。
耐溶剤性も良好であり、メチルエチルケトンに浸漬した
際の膜減り量は0.1μm以下であった。
【0045】実施例3 ビニルフェノール/メチルメタクリレート共重合体(共
重合比1/1、重量平均分子量9000(GPC測定
値、ポリスチレン換算))25g、2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸エステル(トリエステル体)6.0g、ソ
ルビトールテトラグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
製、デナコール(商標)EX−611)4.0g、無水
トリメリット酸(硬化助剤)1.0g及びジエチレング
リコールジメチルエーテル90gを混合溶解した後、
0.2μmフィルターにて濾過を行い、レジスト溶液を
調製した。
【0046】次に、実施例1と同様の方法により、パタ
ーニング、レンズ形成を行った。1.2%テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液で現像したところ、5
00mJ/cmで0.7μmを解像することができ
た。硬化条件は140℃/5分間(ホットプレート)で
行うことができ、その際のレンズ形状も良好であった。
耐溶剤性も良好であり、メチルエチルケトンに浸漬した
際の膜減り量は0.1μm以下であった。
【0047】実施例4 ポリメタリル酸(重量平均分子量6000)の部分ベン
ジルエステル体(エステル化率;80%、電位差滴定よ
り算出)を25g、2,3,4−トリヒドロキシベンゾ
フェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステル(トリエステル体)6.0g、多官能脂環式エポ
キシ樹脂(ダイセル化学工業製、エポリード(商標)G
T−300)4.0g及びジエチレングリコールジメチ
ルエーテル65gを混合溶解した後、0.2μmフィル
ターにて濾過を行い、レジスト溶液を調製した。
【0048】次に、実施例1と同様の方法により、パタ
ーニング、レンズ形成を行った。0.3%テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液で現像したところ、5
00mJ/cmで0.8μmを解像することができ
た。硬化条件は180℃/30分間(ホットプレート)
で行うことができ、その際のレンズ形状も良好であっ
た。耐溶剤性も良好であり、メチルエチルケトンに浸漬
した際の膜減り量は0.1μm以下であった。
【0049】比較例1 熱硬化剤(多官能脂環式エポキシ樹脂)を添加しない以
外は実施例1と同様のレジスト溶液を用いて、実施例1
と同様の方法にて繰返した。
【0050】レンズ形成までは充分可能であったが、2
00℃で加熱した際にはパターンは流動し、レンズの形
状を維持できなかった。
【0051】また、耐溶剤性においては、例えば、メチ
ルエチルケトンに浸漬したときに溶解した。
【0052】比較例2 熱硬化剤(ソルビトールテトラグリシジルエーテル)及
び硬化助剤(無水トリメリット酸)を添加しない以外は
実施例3と同様のレジスト溶液を用いて、実施例3と同
様の方法にて繰返した。
【0053】レンズ形成までは充分可能であったが、2
00℃で加熱した際にはパターンは流動し、レンズの形
状を維持できなかった。
【0054】また、耐溶剤性においては、例えば、メチ
ルエチルケトンに浸漬したときに溶解した。
【0055】比較例3 熱硬化剤を多官能脂環式エポキシ樹脂からヘキサメトキ
シメチロールメラミン(三井サイアナミッド製、サイメ
ル(商標)303)に変更した以外は実施例1と同様の
レジスト溶液を用いて、実施例1と同様の方法にて繰返
した。
【0056】レンズ形成能も充分にあり、200℃で加
熱処理を行ってもパターンの変形は認められなかった。
【0057】耐溶剤性においては、メチルエチルケトン
に浸漬した際の膜減り量は0.3μmであった。
【0058】比較例4 熱硬化剤を多官能脂環式エポキシ樹脂からヘキサメトキ
シメチロールメラミン(三井サイアナミッド製、マイコ
ート(商標)506)に変更した以外は実施例4と同様
のレジスト溶液を用いて、実施例4と同様の方法にて繰
返した。
【0059】レンズ形成能も充分にあり、200℃で加
熱処理を行ってもパターンの変形は認められなかった。
【0060】耐溶剤性においては、メチルエチルケトン
に浸漬した際の膜減り量は0.3μmであった。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、アルカリ可溶性樹脂、1,2−ナフトキノ
ンジアジドスルホン酸エステルからなる感光剤、エポキ
シ系熱硬化剤及び溶剤から構成されるポジ型感光材料を
用いるので、高感度かつ高解像度なレジストパターンが
作成でき、パターニング後の加熱処理によりレンズを形
成することができる効果を有するものである。形成され
たレンズは屈折率が大きく、可視光域での透明性、耐熱
性、耐光性、耐溶剤性等に優れた特性を有しているた
め、カラー固体撮像素子、カラー液晶表示素子等のカラ
ーフィルター上に形成されるマイクロ集光レンズ材料と
して好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/033

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ可溶性樹脂、感光剤として1,
    2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、熱硬化
    剤としてエポキシ系硬化剤及び溶剤からなることを特徴
    とするマイクロレンズ用ポジ型感光材料。
  2. 【請求項2】 アルカリ可溶性樹脂が下記一般式(1)
    に示される構造単位からなることを特徴とする請求項1
    に記載のマイクロレンズ用ポジ型感光材料。 【化1】 [式中、Rは水素又はメチル基を示し、AはOA
    はNA(A,A,Aはそれぞれ水素、炭素
    数1から6までのアルキル基、炭素数6から12までの
    アリル基又は炭素数7から12までのアラルキル基を示
    す。)を示し、k,mはそれぞれ1以上の整数を示し、
    l,nはそれぞれ0を含む整数を示す。]
  3. 【請求項3】 アルカリ可溶性樹脂が下記一般式(2)
    に示される構造単位からなることを特徴とする請求項1
    に記載のマイクロレンズ用ポジ型感光材料。 【化2】 [式中、Rは水素又はメチル基を示し、R,R
    それぞれ水素、メチル基、塩素又は臭素を示し、AはO
    又はNA(A,A,Aはそれぞれ水
    素、炭素数1から6までのアルキル基、炭素数6から1
    2までのアリル基又は炭素数7から12までのアラルキ
    ル基を示す。)を示し、x,yはそれぞれ0又は1以上
    の整数を示し、zは1以上の整数を示す。]
  4. 【請求項4】 アルカリ可溶性樹脂がビニルフェノール
    系重合体又はフェノール類とアルデヒド類との重縮合物
    であるノボラック樹脂の水素添加物及び/又は水酸基の
    一部を変性した樹脂であることを特徴とする請求項1に
    記載のマイクロレンズ用ポジ型感光材料。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4に記載のマイク
    ロレンズ用ポジ型感光材料に、さらに、硬化助剤を含ん
    でなることを特徴とするマイクロレンズ用ポジ型感光材
    料。
  6. 【請求項6】 硬化助剤が潜在性熱酸発生剤、多価カル
    ボン酸無水物、多価カルボン酸から選ばれる少なくとも
    1種からなることを特徴とする請求項5に記載のマイク
    ロレンズ用ポジ型感光材料。
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