JPH0695381B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0695381B2
JPH0695381B2 JP59221688A JP22168884A JPH0695381B2 JP H0695381 B2 JPH0695381 B2 JP H0695381B2 JP 59221688 A JP59221688 A JP 59221688A JP 22168884 A JP22168884 A JP 22168884A JP H0695381 B2 JPH0695381 B2 JP H0695381B2
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正昭 二本
幸雄 本多
誠一 朝田
孝司 西村
和悦 ▲吉▼田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、磁気記録媒体およびその製造方法に係り、特
に、耐ヘッド摺動性の向上に好適な保護膜を有する磁気
記録媒体に関する。
〔発明の背景〕
近年高密度記録の要求の高まりにこたえて、真空蒸着,
スパッタリング,あるいはイオンプレーティング法など
によって形成される強磁性金属薄膜を記録媒体とする、
いわゆるバインダーを使用しない非バインダー型の磁気
記録媒体が注目を浴び、実用化への努力が行なわれてい
る。この型の磁気記録媒体では磁気特性の改良もさるこ
とながら、酸化等による媒体の変質防止およびヘッドと
の接触に対する強度である耐摺動性の向上が実用化上解
決すべき重要課題となっている。
媒体の変質防止および耐摺動性の向上を目的としたもの
には、耐酸化性の金属、例えばRh,Au,Pt,Pd,Cr,Al,Pb−
B,Ge−Sn,Ag−Cuなどを強磁性金属薄膜上に保護膜とし
て形成する方法等がある。(特開昭53−40505号,特開
昭55−73932号)。
しかし、上記金属保護膜を形成する方法では耐摺動性の
点でまだ十分ではなかった。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、強磁性金属薄膜に対する保護膜の接着
強度を高めることにより、耐ヘッド摺動性の向上を図り
得る磁気記録媒体およびその製造方法を提供することに
ある。
〔発明の概要〕
すなわち本発明は蒸着法,スパッタ法あるいはイオンプ
レーティング法等のベーパーデポジション法で基板上に
強磁性金属薄膜を形成した後、この強磁性金属薄膜上に
直接保護層をベーパーデポジション法で形成することに
より、耐摺動性が優れた磁気記録媒体を製造するもので
ある。
ここで「直接」とは、強磁性金属薄膜と保護膜との界面
に強磁性金属薄膜を構成する元素の明らかな反応層や
(保膜膜を構成する元素との反応層は含まない)、異種
物質により汚れ等が存在しない状態をいい、例えば、強
磁性金属薄膜形成時の真空下において、当該強磁性金属
薄膜の上部に保護膜を形成するという方法によって得ら
れるものである。
また、強磁性金属薄膜上に保護膜を直接形成するのは、
以下に示す理由による。
強磁性金属薄膜を形成した後空気中に取り出したり、あ
るいは膜形成装置中に長時間放置すると、その表面に油
蒸気,水蒸気などが吸着し、強磁性金属薄膜表面が酸化
されたり汚れたりする。この上に保護膜を形成すると、
これら酸化層や吸着物の影響で保護膜と強磁性金属薄膜
の間の接合力が低下し、良好な耐摺動性が得られない。
(例えば、強磁性金属薄膜とSi,Si合金およびSi酸化物
のミクロ的な接合強度を比較すると、Si,Si合金との組
合せの方がはるかに大きい。これはFe,Co,Ni等との結び
つきが酸素,窒素などが介在することにより、大幅に低
下するためと考えられる。) 強磁性金属膜の形成に連続して保護膜を付着すると、強
磁性金属薄膜表面が清浄で活性な状態で保護膜材料が付
着されるので両者の結合強度は大きくなり、耐摺動性も
向上する。この場合強磁性金属薄膜と保護膜の界面の酸
化層は存在しない。強磁性金属薄膜の形成時に、基板を
加熱する場合は、保護膜の形成が終了するまで基板加熱
を続けるのが望ましい。これは加熱することにより、ベ
ーパーデポジション装置の薄膜形成室内に存在する残留
ガスの吸着を一層確実に防ぐことができ、表面を活性に
保つことができるためである。また、基板温度は接合強
度を大きく保つと同時に強磁性金属薄膜の磁気特性を劣
化させない範囲の50〜400℃であることが望ましい。ま
た、もし強磁性金属薄膜表面が汚れた場合には、イオン
スパッタ法等により清浄化した後、保護膜を形成すると
良い。
保護膜の厚さは、充分な保護作用が得られること、磁気
記録層面と磁気ヘッドの間隙によるスペーシングロスに
よって磁気記録再生出力の低下しないこと、等の条件に
よって0.003〜0.3μm、好ましくは0.01〜0.15μmの範
囲が良い。
保護膜の材料としては、以下に示す理由からSi,Si合金,
BおよびB化合物が望ましい。
すなわち、保護層に必要な条件は、耐蝕性があり、磁性
層を保護すること、磁気ヘッドに対して滑性があるこ
と、および電磁変換特性の低下を抑えるため膜厚はでき
るだけ小さいこと(1000Å以下)である。非磁性基板上
に形成された強磁性金属薄膜の表面には一般にミクロな
起伏がある。保護膜は前記条件を満すことに加えて、こ
のミクロな起伏の上に強固に付着していることが必要で
あり、望ましくは保護膜を形成することによりミクロな
起伏が平坦化されることである。ミクロな起伏の大きさ
は強磁性金属薄膜を構成する微結晶粒子が垂直配向した
柱状晶から成る垂直磁化膜の場合に最も大きくなり、例
えばCo基合金膜からなる垂直磁化膜でその表面には周期
200〜500Å,深さ50〜200Åの起伏が存在する。微結晶
粒子界面が表面に露出した部分には、原子規模(10Å以
下)の溝さえも存在する。この様な起伏を持つ強磁性金
属薄膜の上に形成される保護膜材料はミクロな起伏のす
みずみまで回り込んで強固に付着することが必要であ
る。
本発明者らの実験によると、保護膜材料としてSi,Siを
主成分とする合金,BおよびB化合物を用いると特に優れ
た効果を得られることが分かった。これは、Si,B原子の
大きさが強磁性金属薄膜を構成するFe,Ni,Coなどの強磁
性体原子の大きさに比べて十分小さく、ミクロな窪みの
中まで容易に浸入し易いこと、Si,Bは金属原子との親和
性が良く磁性体膜に強固に付着することによる。さらに
Si,B系材料は緻密で硬く、表面を滑らかにでき、ヘッド
に対する耐摩耗性と滑性が特に優れている。またSi,B系
材料を磁性体膜表面にスパッタ法等に形成すると非晶質
状の膜が得易く、200〜500Å程度の厚さの保護膜を形成
することにより磁性体膜の表面のミクロな起伏が平坦化
される傾向が認められる。さらに、Si,Bは耐触性にも優
れ、また有機材料系の潤滑剤を耐摺動性の一層の向上を
目的として使用する場合にもSi,Bは他の金属保護膜に比
べて有機材料との親和性が良い。
Si合金の合金元素としてはGe,Sn,Sb,Biなどを加える。
合金にすると、一つとしては、純Siに上記合金元素を少
量添加すると固溶体硬化現象によって、より硬くて耐摩
耗性の良い保護膜が得られる。また、蒸着による膜製造
の場合、純Siだと、特に5Å/S以上の高速の膜形成にお
いて安定な蒸発が得難いが、合金元素を加えることによ
って蒸発が安定し、高品質な保護膜が高歩留りで得られ
る。B化合物としては、B4C,B4Si,B6Si等であり、ま
た、これらの混晶も含む。
また、保護膜材料は非晶質である方が均質な膜を得易い
という点で望ましいが、結晶質が含まれていても良い。
本発明に係る強磁性金属薄膜としては、Co−Cr,Co−V,C
o−Mo,Co−W,Co−Re Co−O,Co−Cr−Rh,Co−Cr−Ru,Co
−Ni−O,Co−Ni,Co−P,Co−B,Co−Si,Co−Y,Co−La,Co
−Pr,Co−Ce,Co−Sm,Co−Mn,Co−Ni−P,Co−Ni−B,Co−
Ni−Ag,Co−Ni−Nd,Co−Ni−Ce,Co−Ni−Zn,Co−Ni−C
u,Co−Ni−Hg,Co−Ni−W,Co−Ni−Re,Co−Mn−P,Co−Zn
−PなどのCo基合金膜、Fe−Co,Fe−Ni,Fe−Si,Fe−Rh,
Fe−V等のFe合金膜を蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法等のベーパーデポジション法で形成
したものが相当する。強磁性金属薄膜の厚さは0.03〜5
μmであり、高密度の磁気記録を実現するためには0.05
〜1μmの膜がより望ましい。
強磁性金属薄膜を形成する基板材料としては、ポリイミ
ド,ポリカーポネイト,ポリ塩化ビニリデン,ポリエチ
レンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,酢酸
セルロース,ポリアミドのような高分子材料、アルミニ
ウム,ステンレス,黄銅のような金属材料、あるいはガ
ラス,セラミックを用いることができる。またこれらの
材料から成る基板と強磁性金属薄膜の間に他の材料から
なる薄膜の層が設けられても良い。例えば、基板と強磁
性金属薄膜の接合強度を上げるためにCrなどの薄膜を中
間に設けたり、強磁性金属薄膜の磁気特性を向上させる
ために中間に軟磁性材料薄膜を設ける方法がある。基板
の形状としては、ディスク,テープ,ドラムのいずれで
も良い。
〔発明の実施例〕
以下に本発明を実施例で説明する。
実施例1. 基板としてポリイミドフィルムを用いて、第1図に示す
構成の蒸着装置を用いて磁気記録媒体を作製した。1×
10-6Torrの真空中でポリイミドフィルム基板1を赤外線
加熱ヒータ2で200℃に加熱しながら蒸着源3からGeを
蒸発させ、基板上に300ÅのGe層を形成した。つづいて
基板温度150℃で蒸着源4からCo−Cr合金を蒸発させ、
膜厚3500ÅのCo−21wt%Crの強磁性金属薄膜を形成し
た。さらに同じ基板温度で蒸着源5よりSiを蒸発させ膜
厚200ÅのSiから成る保護層を形成し、第2図に示す構
造の磁気記録媒体を作製した。ここでポリイミドフィル
ム上に3000ÅのGeを付着したのはCo−Cr膜の磁気特性の
改善と付着強度の増大を図るためである。
同様の条件でSiの代りにSi−3wt%C,Si−10wt%Ge,Si−
30wt%Sn,Si−25wt%Sb,Si−10wt%Bを用いて同様な構
造を持つ磁気記録媒体を作製した。この製造条件で作製
した試料をAグループとする。
比較試料として、Co−Cr合金膜を形成した後基板温度を
室温まで下げ10時間保った後150℃に基板を加熱し保護
膜を形成した以外は前記と同様な条件で薄膜形成を行な
った磁気記録媒体を一組作製した。この製造条件で作製
した試料をBグループとする。さらに別の比較試料とし
て、Co−Cr合金膜の形成後基板温度を室温まで下げ、蒸
着装置を開けて空気に10時間露出した後再び1×10-6To
rrの真空に排気して基板温度150℃で保護膜を形成した
以外は最初に述べた場合と同様な条件で薄膜形成を行な
った磁気記録媒体を一組作製した。この製造条件で作製
した試料をCグループとする。この他、保護膜の付着し
ていない試料をA,B,Cの各グループで標準試料として準
備した。
このようにして得られた各試料からディスク試料を切り
出し、下記の方法で耐摺動性テストを行なった。ディス
ク回転装置に各試料ディスクをセットし、荷重10gのヘ
ッドを接触させてディスクを1.5m/sの速度で連続回転さ
せ、磁気記録媒体薄膜に傷が生じるまでの回転の数を測
定した。結果を表1に示す。
表1の結果より明らかなように、耐摺動性は保護層を設
けることによって大幅に改善される。とくに真空中で強
磁性金属薄膜と保護層の形成を連続して行なったA,Bグ
ループの耐摺動性の向上効果が著しく、基板温度を高温
に保ったまま連続して膜形成を行なったAグループの試
料の耐摺動性が特に優れている。
つまり耐摺動性を上げるには強磁性金属薄膜と保護層の
形成を途中空気にさらさずに連続して行なうことが第一
の条件として必要であり、さらに基板温度を高温に保っ
たまま膜の形成を連続して行なえば更に望ましい結果が
得られる。本実施例で述べたCo−Cr合金膜とSiもしくは
Si合金からなる保護層の組合せについて真空度の効果を
類似の実験によって調べたところ5×10-5Torrより悪い
真空になるとCo−Cr合金膜と保護層の 接合強度が低下し、耐摺動性が悪くなる傾向が認められ
た。この場合、Co−Cr合金膜と保護層界面に酸化層が存
在した。またCo−Cr合金膜を形成してから保護膜を形成
しはじめる間の基板温度の耐摺動性に及ぼす効果を調べ
たところ、基板の最低の温度が50℃を切ると表面に真空
中の残留ガスが吸着し易く、やはり耐摺動性が50℃以上
に基板を加熱して保護膜を形成した試料に比べて悪くな
った。
一方、基板温度が高過ぎるとポリイミド基板が変質する
ため400℃以下とすることが必要であった。
保護層を設けたA,BおよびCグループの試料の深さ方向
の組成分析をオージェ電子分光法によって行なったとこ
ろ、Cグループの試料では強磁性金属薄膜と保護膜との
界面に酸化層が明瞭に認められた。これに対し、A,Bグ
ループでは明瞭な酸化層は認められなかった。
ここでCo−Cr強磁性金属薄膜の代りに、Co−V,Co−Mo,C
o−W,Co−Re,Co−Ni,Co−Cr−Rh,Co−Cr−Ru,Co−Si,Co
−Y,Co−La,Co−Pr,Co−Ce,Co−Sm,Co−Mn,Fe−Co,Fe−
Ni,Fe−Si,Fe−Rh,Fe−Vの強磁性金属薄膜を用いた場
合にもいずれも同様の効果が認められ、強磁性金属膜を
形成後連続してSiもしくはSiを主成分とする合金から成
る保護層を形成することにより、耐摺動性が著しく向上
することがわかった。
尚、磁気記録媒体表面にさらに高分子系潤滑剤を追加塗
布することによって、一層優れた耐摺動性が得れた。
実施例2. 基板として表面をアルマイト化した直径100mm厚さ2mmの
Al円板を用いて、連続スパッタ装置を用いて以下の手順
で磁気記録媒体を作製した。連続スパッタ装置の試料室
を5×10-7Torrまで排気した後3×10-3TorrのArガスを
導入し、高周波出力4W/cm2、基板温度100℃の条件でCo
−80wt%Zr−9.5wt%Mo合金を5000Åの膜厚スパッタ蒸
着した。ついでスパッターターゲットをCo−20.2wt%Cr
合金に交換した。この間、試料室内は3×10-3TorrのAr
雰囲気、基板温度は100℃に保たれていた。Co−Cr合金
膜を2000Å同様な条件でスパッタ蒸着した。さらに同様
にスパッターターゲットをSiに交換し、同様なスパッタ
条件でSiから成る300Åの保護層を形成した。
Siスパッターターゲットの代りにSi−2wt%C,Si−15wt
%B,Si−5wt%Ge,Si−10wt%Sn,Si−40wt%Sb,Si−5wt
%Mn,Si−3wt%Cr,の各スパッターターゲットを用いた
以外は前記と同様な条件で磁気記録媒体を作製した。こ
の試料群をDグループとする。
比較試料としてCo−Cr合金膜を形成した後基板温度を室
温まで下げ3×10-3TorrのAr雰囲気中で24時間保った
後、基板を150℃に加熱して保護膜を形成した以外は前
記と同様な条件で薄膜形成を行なった磁気記録媒体を一
組作製した。これらの試料をEグループとする。
別の比較試料として、Co−Cr合金膜の形成後基板温度を
室温まで下げ、装置から取りはずして別のスパッタ装置
に装着し、6×10-7Torrまで排気した後2×10-3Torrの
Arガスを導入し、5W/cm2の条件でSiおよび一連のSi合金
から成る300Åの保護層を形成した以外は本実施例の最
初に述べたのと同様の条件で薄膜形成を行なった磁気記
録媒体を一組作製した。これらの試料をFグループとす
る。
この他、保護層を付着していない試料をD,E,Fの各グル
ープの試料を作る際に1個ずつ作製した。
このようにして得られた試料を実施例1と同様な条件で
耐摺動テストを行なった。結果を表2に示す。
表2の結果より明らかなように、耐摺動性はSiもしくは
Si合金から成る保護層を設けることによって大幅に改善
されることがわかった。とくに強磁性金属薄膜と保護層
の形成を連続して行なったD,Eグループの試料の耐摺動
性の向上の効果が著しい。基板温度を高温に保ったまま
連続し て膜形成を行なったDグループの試料の耐摺動性が特に
優れていることがわかった。
保護層を設けたD,E,Fグループの試料の深さ方向の組成
分析をオージェ電子分光法によって行なった結果、D,E
グループではCo−Cr合金膜と保護膜界面に酸化層がはつ
きり認められなかったのに対し、Fグループの試料では
界面に多量の酸素が検出され酸化層が存在していること
がわかった。
基板温度を高温に保つことにより強磁性金属薄膜の表面
に試料室内の油蒸気などの不純物の吸着を防ぐことがで
き、このため保護層と強磁性金属薄膜の接合強度が大き
くなったためと解釈できる。しかし基板温度が400℃以
上になると強磁性金属薄膜の磁気特性が劣化したり、強
磁性金属薄膜と保護層材料が反応する等の問題が生じ
た。従って基板温度は400℃を越えないようにする必要
がある。
さらにAl基板の代りにポリイミド,ポリエチレンテレフ
タレート,ポリカーポネイト,ポリ塩化ビニリデン,ガ
ラス,黄銅を基板に用いた場合も類似の効果が得られ
た。
また、Al基板上にCo−Crの代りにCo−V,Co−Mo,Co−Re,
Co−Cr−Rh,Co−Cr−Ru,Co−Ni−O,Co−Ni,Co−P,Co−
B,Co−Si,Co−Ni−P,Co−Ni−B,Co−Ni−Ag,Co−Ni−N
d,Co−Ni−Ce,Co−Ni−Zn,Co−Ni−Cu,Co−Ni−Hg,Co−
Ni−W,Co−Ni−Re,Co−Mn−P,Co−Zn−P,Fe−Co,Fe−N
i,Fe−Si,Fe−Rh,Fe−V合金膜のいずれを用いてもSiも
しくはSi合金から成る保護層を強磁性金属薄膜の形成に
連続して付着することにより、同様に耐摺動性が大幅に
向上する効果が認められた。
なお、保護層はX線回折によりいずれも非晶質と認めら
れた。
実施例3. 基板としてポリイミドフィルムを用いて、スパッタ法に
よって第3図に示す構造の磁気記録媒体を作製した。ス
パッタ装置の試料室を5×10-5Paまで真空排気した後0.
3PaのArガスを導入し、高周波出力4W/cm2,基板温度100
℃の条件で、Co−20wt%Cr合金を0.3μm厚スパッタ蒸
着した。ついで試料室の真空を破らずにスパッターター
ゲットをBに変換し、同様の条件で200Å厚の保護層を
形成した。以下Bターゲットの代りにB4C,B4Si,B6Siタ
ーゲットを用いて同様の条件で保護層がこれらの材料か
ら成る磁気記録媒体を作製した。
比較試料として、保護層を設けないもの、および保護層
がCrから成る類以の構造を持つ試料を作製した。
これらの試料について、実施例1と同様の耐摺動テスト
を行なった。
さらに、耐蝕性テストも行ったが耐蝕性テストは試料を
湿度90%,温度60℃の環境中に1ケ月放置した後、その
表面を光学顕微鏡で検査することによって行なった。結
果を表5にまとめて示す。なお耐蝕性テストにおいて〇
は強磁性金属薄膜に腐蝕が全く認められなかった場合、
△は光学顕微鏡で変色が認められた場合、×は肉眼で明
らかに変色が認められた場合を示す。
このようにB系材料の保護膜を設けた磁気記録媒体の耐
摺動性と耐蝕性はすぐれていることが判明した。耐蝕性
については、前に述べたSi,Si合金においても優れた効
果を有する。
B系材料の保護膜を200Å形成した試料と保護膜を形成
しない試料表面を走査型電子顕微鏡で観察し比較したと
ころ、保護膜を形成した試料表面の方が起伏が少なく平
滑であることが判った。また保護膜の膜厚が大きいほど
耐摺動性が向上する傾向が認められたが、磁気記録媒体
とヘッド間の距離が増大すると電磁変換特性が低下し
た。電磁変換特性を落さず、しかも耐摺動性の良い膜厚
の範囲は100〜800Å,さらに望ましくは150〜300Åであ
った。
また、本実施例では強磁性金属薄膜を形成した後同一装
置内で連続してB系材料の保護膜を設けたが、保護膜の
接着強度が大きくなることが実験の結果明らかになっ
た。
さらに磁性体薄膜としてCoCr合金以外のCo基合金,Fe基
合金,Ni基合金の場合にもB,B4C,B4Si,B6Siのいずれかの
材料から成る保護膜を設けることにより、耐摺動性と耐
蝕性が向上した。B4CとB4Siの混晶であるB4Si
1−x等でも同等の効果が認められた。
ここでは磁性体膜と保護膜の形成をスパッタ法で行なっ
た場合について述べたが、蒸着法で膜の形成を行なって
も同様の効果が認められた。また非磁性基板としてAl,
ガラス等を用いても同様に耐摺動性と耐蝕性が向上する
効果が認められた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、強磁性金属薄膜上に直接保護膜を形成
するようにしているので、強磁性金属薄膜と保護膜の接
着強度が向上し、その結果、磁気記録媒体の耐ヘッド摺
動性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による磁気記録媒体の製造方法を実施す
るための製造装置の構成の一例を示す側面図,第2図,
第3図は本発明によって作製した磁気記録媒体の断面構
造の一例を示す断面図である。 1,13……基板、2……赤外線加熱ヒータ、 3……Ge蒸発源、4……Co−Cr蒸発源、 5……Si蒸発源、6……基板供給ロール、 7……基板巻取ロール、8……ガイドロール、 9……しゃへい板、10……Ge層、 11,14……強磁性金属薄膜、 12,15……保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 幸雄 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 朝田 誠一 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 西村 孝司 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 ▲吉▼田 和悦 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭53−40505(JP,A) 特開 昭55−73932(JP,A) 特開 昭57−18025(JP,A) 特開 昭58−19739(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板上に形成されたCo基合金、
    Fe基合金またはNi基合金から成る強磁性金属薄膜と、上
    記強磁性金属薄膜と保護膜との界面に該強磁性金属薄膜
    を構成元する素の明らかな反応層(保護膜を構成する元
    素との反応層は含まない)が認められないように該強磁
    性金属薄膜上に直接形成された保護膜を有する磁気記録
    媒体において、上記保護膜はSiを主成分とし、Ge、Sn、
    SbおよびBiからなる群から選ばれた少なくとも1種を含
    んでいる合金から成り、あるいはB、B4Si、B6Si、B4C
    とB4Siとの混晶、B4CとB6Siとの混晶またはB4SiとB6Si
    との混晶から成ることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】上記Co基合金はCoCr合金であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】上記保護膜は非晶質であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】上記保護膜の厚さは0.003μm以上0.3μm
    以下であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】上記保護膜の厚さは0.01μm以上0.15μm
    以下であることを特徴とする特許請求の範囲第4項記載
    の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】上記保護膜上にさらに有機材料から成る潤
    滑膜が形成されていることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の磁気記録媒体。
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