JPH0695264A - 複数サイズの写真プリントの焼付け方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のプリントサイズを１工程で焼付・仕上
げる方法を提供する。 【構成】 例えば普通サイズとパノラマサイズが混じっ
ている35mmネガフィルムのロールを、ノッチャーパンチ
ャーによるネガ検定の際に、各コマのプリント情報とサ
イズ情報を二つの記録体に入力し、リザーバーを介して
直列にした普通サイズ用とパノラマサイズ用のプリンタ
ーに前記記録体をそれぞれ装着し、そのサイズ情報によ
って制御してプリントする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、複数のプリントサイ
ズを１工程で焼付ける方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】写真撮影した場合、多くの人は、その撮
影済みフィルムの現像とともに、サイズを指定して１枚
づつのプリントを注文する。このことを一般に「同時プ
リント」と呼んでいる。写真現像所では、同時プリント
注文の撮影済みフィルムを、指定されたプリントサイズ
ごとに仕分けして、同じプリントサイズが指定されてい
る撮影済みのネガフィルム同志を例えば５０本単位で順
次接合し、ロール状にして現像、ロール状のまま焼付け
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】35mmフィルムの通常の
画面サイズは図３のＡの通り24×36mmで、これを82.5×
117mmの大きさ（縁ありの場合と縁なしの場合がある）
に焼付・仕上げるケースが多い。これを以下、「普通サ
イズ」という。ところが最近、35mmフィルムによる「パ
ノラマサイズ」のカメラが普及している。パノラマサイ
ズの画面サイズは図３のＢの通り14×36mmで、これを通
常、89×254mm の大きさ（縁なし）に焼付・仕上げす
る。したがって、焼付・仕上げの工程は、普通サイズと
は全く別である。撮影済みのフィルムが、普通サイズに
よる撮影のものかパノラマサイズかは、フィルムのパト
ローネでは全く見分けられないので、同時プリントを注
文するときにはっきりと指示しないと、写真現像所では
現像が終わるまでは内容が分からず、また間違っている
ことが分かってからの処置も大変面倒で、お客様に仕上
げを届けるのが遅れることもある。また、１本のフィル
ムに普通サイズとパノラマサイズの両方が撮影される事
もある。普通サイズとパノラマサイズのプリント条件
は、次の通りである。 普通サイズ パノラマサイズ ロールペーパーの幅 82.5mm 89mm アパーチュアの幅 117mm 254mm 拡大倍率 約 3.7倍 約 7.2倍 この様に両者のプリント条件には大きな違いがあるの
で、１台のプリンターで両方を焼付けるには、複雑な機
構を要するので、そのようなプリンターは極めて高価に
なる。この発明は、同時プリントの注文時に、普通サイ
ズとパノラマサイズを間違えて注文したり、１本のフィ
ルムに普通サイズとパノラマサイズの両方が撮影されて
いる場合でも、一つの工程で焼付け出来る安価な焼付け
方法を課題とした。

【０００４】

【課題を解決するめの手段】ネガフィルム上のコマごと
のプリントサイズ情報を記録する手段と、プリントサイ
ズ情報を記録した複数の記録体のプリントサイズ情報に
よってそれぞれ作動するプリントサイズの異なる複数台
のプリンターと、前記複数台のプリンターの間に設置し
たネガフィルムリザーバーによることによって課題を解
決した。

【０００５】

【作用】ロール状にして現像したネガフィルムは、ノッ
チャーパンチャーによってネガ検定を行ない、個々のコ
マのプリント露光データを記録体に記録する。この時、
パノラマサイズのフィルム又はコマについては、その旨
を記録体に容易に記録できる。この記録体は、磁気テー
プやフロッピーディスク、メモリーカードなどから任意
に選べる。普通サイズ専用のプリンターとパノラマサイ
ズ専用のプリンターを直列に並べ、間にロール状ネガフ
ィルムのリザーバーを置いてネガフィルムについては連
結し、前記記録体のサイズ情報によってプリンターを制
御することにより、それぞれのサイズの焼付けができる
が、プリント露光データとプリントサイズ情報を記録し
た記録体を二つ作り、それぞれのプリンターに使用すれ
ば、既製のプリンターの改造は極めて簡単になる。

【０００６】

【実施例】この発明の方法を、同時プリントにおける普
通サイズとパノラマサイズのプリント工程について説明
する。図１は、この発明を適用したシステム例のブロッ
ク図で、図２は２台のプリンターとその間に設置したリ
ザーバーの正面説明図である。ロール状に接合して現像
されたネガロール１は、ノッチャーパンチャー２でプリ
ントすべきコマにノッチを打ち、そのコマの露光データ
情報を入力してメモリーカード３、４に記憶させるが、
このときプリントサイズ情報も併せて記録体に記録す
る。すなわち、そのコマが図３のＡのフルサイズかＢの
パノラマサイズかを目視で判定して手動入力するか又は
光学的に自動判定して自動入力するが、両方のサイズに
それぞれ記録するのでなく、どちらかの片方のみでもよ
い。なお、記録体に記録する情報は、前記の露光データ
情報とプリントサイズ情報のほかに、そのコマのコマ番
号情報、プリント枚数情報、ネガフィルム種情報、受付
番号情報など、写真現像所のプリント作業に必要な各種
の情報を記録することができる。また、同時に二つのメ
モリーカードに記録するだけでなく、一つのみに記録
し、これをコピーしてもよい。ノッチの打たれたネガロ
ール１は長いリーダーを付け、普通サイズ用プリンター
Ａ20の左側の送り出しリール22に装填し、リーダー部を
所定の経路を経てリザーバー23を介してパノラマサイズ
用プリンターＢ21の所定の経路を経て右側の巻取リール
24に巻き付ける。プリンターを作動させると、プリンタ
ーＡ20はメモリーカード３に記録された各コマのプリン
トサイズ情報と露光データ情報を読み取り、普通サイズ
の場合（又はパノラマサイズではない場合）はそのコマ
の露光データ情報によって焼付け、パノラマサイズの場
合はパスする。プリンターＢ21も同様にメモリーカード
４に記録された各コマのプリントサイズ情報と露光デー
タ情報を読み取り、パノラマサイズの場合はそのコマの
露光データ情報によって焼付け、パノラマサイズではな
い場合はパスする。なお、普通サイズ又はパノラマサイ
ズのどちらかが連続しているため、２台のプリンターの
作動が偏り、リザーバーのテンションローラー25の作動
幅をオーバーすることがあるので、テンションローラー
25がある位置まで上がったらプリンターＢ21の作動を止
め、ある位置まで下がったらプリンターＡ20の作動を止
めて調節する。この２台のプリンター20、21は、セット
としての使用だけではなく、随時、単体のプリンターと
してもそのまま使用できる。以上の説明は、同時プリン
トの場合だが、焼増プリントの場合でも、ネガピースを
ロール状に接ぎ、プリントするコマの指定やプリント枚
数の情報を記録体に記録しているので、サイズ情報も記
録体に記録することによって、同時プリントの場合と同
様の方法で普通サイズとパノラマサイズのプリントが１
工程で出来る。また、普通サイズとパノラマサイズの二
つの組み合わせに限らず、これにＬサイズを加えて３サ
イズとすることや、パノラマサイズ以外の複数のサイズ
を組み合わせて１工程にすることもできる。なお、最
近、プリントの裏面にネガのコマナンバーを印字する事
が行われているが、このシステムを併用する事も勿論可
能である。

【０００７】

【発明の効果】この発明の方法は、ネガフィルム上のコ
マごとのプリントサイズ情報を記録する手段と、プリン
トサイズ情報を記録した複数の記録体のプリントサイズ
情報によってそれぞれ作動するプリントサイズの異なる
複数台のプリンターと、前記複数台のプリンターの間に
設置したネガフィルムリザーバーによることによって、
従来は複数の工程が必要だった複数のサイズの焼付けが
１工程で出来るので、手間と時間を大幅に減らすことが
できるという大きな効果がある。しかも、既存の設備の
わずかな改造によるため極めて安価で、それぞれ単体で
も使用できるので、プリンター台数を増やさずに済む。
すなわち、プリンターの改造は、片方はサイズ情報があ
るもののみを、他方はサイズ情報のないものを焼き付け
ること、及びリザーバーのテンションローラーの位置に
よって作動を停止するの二つのソフト変更のみでよい。

【０００８】

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明を適用したシステム例のブロック図で
ある。

【図２】この発明の方法による２台のプリンターと、そ
の間に設置したリザーバーの正面説明図である。

【図３】35mmフィルムにおける普通サイズとパノラマサ
イズの図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ネガフィルム上のコマごとのプリントサ
   イズ情報を記録する手段と、プリントサイズ情報を記録
   した複数の記録体のプリントサイズ情報によってそれぞ
   れ作動するプリントサイズの異なる複数台のプリンター
   と、前記複数台のプリンターの間に設置したネガフィル
   ムリザーバーによることを特徴とする複数サイズの写真
   プリントの焼付け方法。