JPH0695172A - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

エレクトロクロミック素子

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JPH0695172A
JPH0695172A JP4241778A JP24177892A JPH0695172A JP H0695172 A JPH0695172 A JP H0695172A JP 4241778 A JP4241778 A JP 4241778A JP 24177892 A JP24177892 A JP 24177892A JP H0695172 A JPH0695172 A JP H0695172A
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JP
Japan
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film
solid electrolyte
coloring
coloring film
reduction
Prior art date
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Pending
Application number
JP4241778A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Aoyama
浩二 青山
Toshio Hashimoto
利夫 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH0695172A publication Critical patent/JPH0695172A/ja
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】固体電解質膜4と還元発色膜6との剥離を抑制
できるエレクトロクロミック素子を提供すること。 【構成】エレクトロクロミック素子は、透明ガラス製の
基板1の表面に第1電極膜2、2aと酸化発色膜3と固
体電解質膜4と混合膜5と還元発色膜6と第2電極膜7
とを、順に積層して構成したものである。酸化発色膜3
はIr0xで構成されている。還元発色膜6はW03
構成されている。固体電解質膜4はTa25 に水成分
を含ませて構成されている。混合膜5は、還元発色膜6
の成分であるW03 と固体電解質膜4の成分であるTa
2 5 とが傾斜組成をもつ様に混合したものである。着
色反応により還元発色膜6が膨張したとしても、還元発
色膜6と固体電解質膜4の境界域における応力集中は軽
減され、還元発色膜6と固体電解質膜4との間の剥離は
抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレクトロクロミック素
子に関する。本発明の素子は電気信号に応じて発色して
表示を行うデイスプレイに適用できる。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック素子は、電圧の印
加により電気化学的な酸化還元反応を誘起し、着色及び
消色を生じさせる素子であり、デイスプレイ等に利用さ
れている。エレクトロクロミック素子として、図5に示
す様に、透明ガラス基板100と、透明な第1電極膜1
01、給電膜101aと、透明あるいは光反射性をもつ
第2電極膜102と、電極膜101、102間に配置さ
れ一方の電極膜101に対面する酸化イリジウム(Ir
0x)からなる酸化発色膜103と、電極膜101、1
02間に配置され他方の電極膜102に対面する酸化タ
ングステン(W03)からなる還元発色膜104と、酸
化発色膜103と還元発色膜104との間に配置された
固体電解質膜105とで構成されたものが知られてい
る。
【0003】ここで、電極膜101、102間に直流電
圧が印加されると、固体電解質膜105からイオンが酸
化発色膜103及び還元発色膜104に供給され、酸化
発色膜103及び還元発色膜104に着色反応が誘起さ
れ、着色する。また、電極膜101、102間に逆電圧
が印加されると、消色する。また、特公昭58−525
66号公報には、電極間の任意の位置に、例えば、電極
膜と酸化発色膜との間、あるいは、還元発色膜と酸化発
色膜との間に絶縁膜を配置し、これにより電極間の電圧
を切った後の放電に伴う消色を抑制し、電圧を切った後
においても発色をできるだけ長く維持させる効果を奏す
るエレクトロクロミック素子が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5に示す
エレクトロクロミック素子では、印加電圧が大きな場合
等において、発色膜に剥離が生じることがある。特に、
固定電解質膜105と還元発色膜104との密着性は良
好でなく、剥離が生じ易い。この場合、エレクトロクロ
ミック素子による表示に支障を来す。
【0005】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、印加電圧が大きな場合であって
も、エレクトロクロミック発色膜の剥離を抑制できるエ
レクトロクロミック素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した目的
のもとに鋭意研究を進め、発色膜の成分と固体電解質膜
との成分が混合した混合膜を発色膜と固体電解質膜との
境界域に配置すれば、発色膜の剥離を抑制できることを
知見し、試験で確認し、本発明を開発した。剥離を抑制
できる理由は以下の様に推察されている。即ち、固体電
解質膜からのイオンの供給に起因して発色膜が膨張し、
この膨張差に起因して応力集中が発色膜と固体電解質膜
との界面に生じ、剥離が誘起される。
【0007】しかし発色膜と固体電解質膜との間に上記
混合膜を設ければ、上記応力集中が軽減され、剥離が抑
制されるものと推察されている。即ち、本発明のエレク
トロクロミック素子は、基板と、互いに対向する一対の
電極膜と、電極膜間に位置して一方の電極膜に積層され
たエレクトロクロミック発色膜と、一対の電極膜間に配
置されエレクトロクロミック発色膜に着色反応を誘起す
るイオンを供給する固体電解質膜とで構成され、エレク
トロクロミック発色膜と固体電解質膜との境界域には、
エレクトロクロミック発色膜の構成成分と固体電解質膜
の構成成分とが混合した混合膜が積層されていることを
特徴とするものである。
【0008】電極膜は透明型の場合にはインジウム−チ
ン−オキサイド(ITO)、二酸化スズ(Sn02 )等
で構成でき、反射型の場合にはアルミニウム(Al)等
で構成できる。エレクトロクロミック発色膜は還元発色
膜と酸化発色膜とで構成できる。還元発色膜は酸化タン
グステン(W03 )、酸化モリブデン(Mo03 )、酸
化バナジウム等で構成できる。酸化発色膜は酸化イリジ
ウム(Ir0x)、NiO等で構成できる。なお、発色
とは透明化も含む意味である。固体電解質膜は水成分等
の電解成分をもつ固体状態の膜であり、例えば、五酸化
二タンタル(Ta2 5 )、酸化シリコン(Si
2 )、酸化クロム(Cr2 3 )等をマトリックスと
して構成できる。なお、上記した膜は電子ビーム蒸着
法、加熱蒸着法、スパッタリング法等公知の薄膜製造手
段で形成できる。
【0009】
【作用】混合膜はエレクトロクロミック発色膜の構成成
分と固体電解質膜との構成成分が混合して構成されてい
る。そのため、着色反応に伴い発色膜が膨張したとし
も、発色膜と固体電解質膜との境界域における応力集中
は、軽減される。
【0010】
【実施例】以下、本発明素子の実施例を図1〜図3を参
照して説明する。このエレクトロクロミック素子は、基
板1の表面に第1電極膜2、給電膜2aと酸化発色膜3
と固体電解質膜4と混合膜5と還元発色膜6と第2電極
膜7とを、順に積層して構成したものである。
【0011】基板1は透明ガラスで構成されている。第
1電極膜2はITOで厚みが150nmとなる様に構成
されている。本素子は、基板1側から入光する反射型の
ため、第2電極膜7はアルミニウム(Al)で厚みが1
50nmとなる様に構成されている。酸化発色膜3は酸
化イリジウム(Ir0x)で厚みが300nmとなる様
に構成されている。還元発色膜6は酸化タングステン
(W03 )で厚みが500nmとなる様に構成されてい
る。固体電解質膜4は酸化発色膜3と還元発色膜6との
間に位置しており、五酸化二タンタル(Ta2 5 )で
厚みが800nmとなる様に構成されており、イオンと
なる水成分が微量含まれている。
【0012】さて、本例を特色づける混合膜5は、還元
発色膜6と固体電解質膜4との境界域に配置されてい
る。混合膜5は、還元発色膜6の成分である酸化タング
ステンと固体電解質膜4の成分である五酸化二タンタル
とが混合したものである。混合膜5は傾斜組成をもつ。
即ち、図2の特性線A1に模式的に示す様に、固体電解
質膜4の構成成分(五酸化二タンタル)の割合は、その
厚み方向において、還元発色膜6に向かうにつれて次第
に低下している。また図2の特性線A2に模式的に示す
様に、還元発色膜6の構成成分(酸化タングステン)の
割合は、固体電解質膜4に向かうにつれて次第に低下し
ている。なお、本素子全体は樹脂等でシールされてい
る。
【0013】本実施例では、混合膜5を成膜するにあた
り、2元電子ビーム蒸着装置8を用いた。図3に示す様
に、この蒸着装置8は、真空室80をもつ真空槽81
と、真空室80に配置された第1ホルダー部81及び第
2ホルダー部82と、真空室80に配置された第1フィ
ラメント83及び第2フィラメント84と、第1ホルダ
ー部81及び第2ホルダー部82に対面する基板ホルダ
ー85と、基板ホルダー85を回転させる回転軸86
と、第1フィラメント83及び第2フィラメント84に
給電する図略の給電系と、真空室80内を排気する排気
系とを備えている。
【0014】そして第1電極膜2、酸化発色膜3、固体
電解質膜4を積層した基板1を基板ホルダー85に保持
する。同様に、図3に示すごとく、五酸化二タンタルか
らなる第1蒸発源87を第1ホルダー部81に保持する
と共に、酸化タングステンからなる第2蒸発源88を第
2ホルダー部82に保持する。この状態で、真空室80
を4×10-4Torr程度にする。
【0015】そして、回転軸86により基板ホルダー8
5を回転速度20〜40rpmで回転させつつ、給電系
を制御して、固体電解質膜4の成分である五酸化二タン
タルからなる第1蒸発源87に第1フィラメント83か
らの電子ビームP1をあてると共に、還元発色膜6の成
分である酸化タングステンからなる第2蒸発源88に第
2フィラメント84からの電子ビームP2をあてる。
【0016】このとき、五酸化二タンタルの成膜速度を
成膜当初から成膜終期に向けて次第に減少すると共に、
酸化タングステンの成膜速度を成膜当初から成膜終期に
向けて次第に増加する。具体的には、五酸化二タンタル
の成膜速度は、成膜当初は10Å/sであり、成膜終期
は1Å/sとなる。また、酸化タングステンの成膜速度
は、成膜当初は1Å/sであり、成膜終期は10Å/s
となる。これにより図2に模式的に示す様な傾斜組成を
もつ混合膜5が成膜される。
【0017】なお本実施例では、酸化発色膜3はスパッ
タリング法、固体電解質膜4はイオンプレーティング
法、還元発色膜6はイオンプレーティング法、第1電極
膜2はスパッタリング法、第2電極膜7は蒸着法で成膜
した。ところで、上記したエレクトロクロミック素子の
使用の際には、第1電極膜2を正極に、第2電極膜7を
負極にした状態で、電極膜2、7間に直流電圧(例えば
0.2〜1.3ボルト程度)を印加する。すると、固体
電解質膜4から陰イオン(OH- )が正極側の酸化発色
膜3に移行して酸化発色膜3で着色反応が生じ、酸化発
色膜3が灰色になる。また、固体電解質膜4から陽イオ
ン(H+ )が負極側の還元発色膜6に移行して還元発色
膜6で着色反応が生じ、還元発色膜6が青色になり、こ
れにより表示が行われる。なお、電圧印加方向を逆にす
ると、酸化発色膜3は無色になり、還元発色膜6は透明
になる。
【0018】以上説明した様に本実施例では、混合膜5
は還元発色膜6の構成成分と固体電解質膜4との構成成
分が混合して構成されているので、着色反応に起因して
還元発色膜6が膨張したとしても、混合膜5により、還
元発色膜6と固体電解質膜4の境界域における応力集中
は軽減される。従って、還元発色膜6と固体電解質膜4
との間の剥離は抑制され、長期間にわたり良好な表示を
行うことができる。
【0019】なお本実施例では、酸化発色膜3と固体電
解質膜4との境界の密着強度は、確保され、通常の使用
段階では酸化発色膜3の剥離は生じない。そのため、酸
化発色膜3の成分と固体電解質膜4との成分が混合した
混合膜を、酸化発色膜3と固体電解質膜4との間に形成
せずとも足りる。しかし、場合によっては混合膜を形成
しても良い。
【0020】ところで、図4は一般的なエレクトロクロ
ミック素子の電圧特性を示す。図4の縦軸は反射率を示
し、横軸は時間を示す。ここで、反射率が小さいこと
は、還元発色膜6の着色が進んでいるため、光の透過が
少ないことを意味する。また、反射率が大きいことは、
還元発色膜6の着色反応が進んでいないため、光の透過
が多いことを意味する。ここで一般的なエレクトロクロ
ミック素子では、図4の特性線から理解できる様に、印
加電圧が高い場合には、反射率が低下するものである。
即ち、印加電圧が高い場合には、還元発色膜6の着色反
応の進行が大きくなり、還元発色膜6の膨張が大きくな
るものであり、そのため還元発色膜6の剥離のおそれが
増す。この関係で、一般的なエレクトロクロミック素子
では駆動電圧の上限は約1.35Vである。それ以上の
電圧印加は、短時間印加の場合を除いて通常は行わな
い。
【0021】しかし本実施例では前述した様に混合膜5
の作用により還元発色膜6の耐剥離性を向上させている
ので、高い電圧印加が可能となり、駆動電圧を例えば
1.6V程度にすることも可能となり、着色応答性の向
上、着色量可変範囲の拡大を図ることができる。 (他の例)上記した例のエレクトロクロミック素子は反
射型のため、第2電極膜7はAl膜で形成されている
が、エレクトロクロミック素子が透過型の場合には、第
2電極膜7を透明性をもつITO膜で形成することもで
きる。
【0022】また上記した例では、図2の特性線A1、
A2に示す様に、混合膜5の構成成分の割合は直線的に
変化しているが、これに限らず、混合膜5の構成成分の
割合が非直線的に変化している形態であっても良い。
【0023】
【発明の効果】本発明のエレクトロクロミック素子で
は、混合膜はエレクトロクロミック発色膜の成分と固体
電解質膜との成分が混合して構成されているので、着色
反応に起因して発色膜が膨張したとしも、発色膜と固体
電解質膜の境界域における応力集中は軽減される。従っ
て、発色膜と固体電解質膜との間の剥離は抑制され、長
期間にわたり良好な表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エレクトロクロミック素子を模式的に示す断面
図である。
【図2】混合膜の組成割合を模式的に示すグラフであ
る。
【図3】蒸着装置を模式的に示す断面図である。
【図4】エレクトロクロミック素子の電圧特性を示すグ
ラフである。
【図5】従来例に係るエレクトロクロミック素子を模式
的に示す断面図である。
【符号説明】
図中、1は基板、2は第1電極膜、3は酸化発色膜、4
は固体電解質膜、5は混合膜、6は還元発色膜、7は第
2電極膜を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、互いに対向する一対の電極膜と、
    該電極膜間に位置して一方の電極膜に積層されたエレク
    トロクロミック発色膜と、該一対の電極膜間に配置され
    該エレクトロクロミック発色膜に着色反応を誘起するイ
    オンを供給する固体電解質膜とで構成され、 該エレクトロクロミック発色膜と該固体電解質膜との境
    界域には、該エレクトロクロミック発色膜の構成成分と
    該固体電解質膜の構成成分とが混合した混合膜が積層さ
    れていることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
JP4241778A 1992-09-10 1992-09-10 エレクトロクロミック素子 Pending JPH0695172A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0743753A (ja) * 1993-07-28 1995-02-14 Asahi Glass Co Ltd エレクトロクロミック調光窓
EP0730189A1 (en) * 1995-03-03 1996-09-04 Canon Kabushiki Kaisha Electrochromic device and method for manufacturing the same
JP2018132650A (ja) * 2017-02-15 2018-08-23 株式会社リコー エレクトロクロミック素子

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