JPH0695165B2 - イメージガイドの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はイメージガイドの製造方法に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

従来、分岐管を有する細管にイメージガイドを挿入する
場合、直線状では挿入しにくいので、先端に弯曲部を有
するものが使用されるが、この弯曲部は、例えば薄肉の
金属管をイメージガイドの先端に外嵌し、該金属管を曲
げて形成していた。従って、このようなものでは、弯曲
部は、外径が大きくなると共に小さな曲率半径に形成困
難となる問題がある。しかも、定寸のイメージガイドと
した後に、上述の如く弯曲部を形成する必要があり、製
造に手間が掛かる問題もある。また、イメージガイドを
なす直線状の光ファイバを製造した後、該光ファイバの
被覆層を剥離して光ファイバ素線を露出し、その露出し
た部位を加熱軟化して所定形状に弯曲した後、再度その
弯曲した部位に被覆層を被覆するという方法が考えられ
るが、この方法では、一旦、被覆層を剥離して光ファイ
バ素線を露出するので、この露出した光ファイバ素線に
傷やホコリが付いたりして強度的に劣ったイメージガイ
ドが製造される問題がある。

そこで、本発明はこのような従来の問題点を解決するイ
メージガイドの製造方法を提供する。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明のイメージガイドの製造方法は、紡糸炉にて加熱
軟化されたガラス母材を、線引きして、該紡糸炉から光
ファイバ素線として挿出し、さらに、挿出された直後の
光ファイバ素線を再び上記紡糸炉とは別の加熱手段にて
加熱軟化すると共に横方向の外力を付与して長手方向所
定間隔で所定形状に弯曲した後に、該光ファイバ素線に
被覆層を被覆して長手方向に沿って所定間隔に弯曲凸部
が形成された長尺状の光ファイバを形成し、その後、該
長尺状の光ファイバの弯曲凸部及び直線部にて切断し
て、先点に弯曲部を形成すると共に基端乃至中間部を直
線状とする。

〔作用〕

上述の如くイメージガイドを製造すれば、線引き中に、
イメージガイドの先端の弯曲部を形成するための弯曲凸
部が形成されるので、定寸のイメージガイドとした後に
弯曲部を形成する必要がなくなる。しかも、この弯曲部
は、基端乃至中間部と同様光ファイバ素線に被覆層が被
覆されるものであるので、可撓性を有するものとなる。

〔実施例〕

以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を詳説する。

第４図において、１は本発明に係るイメージガイドを示
し、基端２乃至中間部３は直線状とされると共に、先端
４に、所定形状に弯曲した弯曲部５を備えている。即
ち、このイメージガイド１は第５図に示す様に、コア６
とクラッド７とからなる光ファイバ素線８と、該光ファ
イバ素線８を被覆するシリコーン、ポリウレタン、等か
らなる被覆層９と、からなり、そして、この弯曲部５は
円弧状に弯曲されている。従って、このイメージガイド
１の弯曲部５は、自由状態で図例の様に弯曲したままで
あり、しかも可撓性を有するので−つまり、被覆層９が
可撓性を有するので−矢印A,Bの如く揺動可能となる。
なお、光ファイバ素線としては、石英系ファイバ、多成
分系ファイバ等が好ましい。

次に、このイメージガイド１の製造方法を第１図と第２
図と第３図において説明する。

第１図と第２図において、10は電気炉等からなる紡糸炉
11に内装されたガラス母材であって、該紡糸炉11にて加
熱軟化させる。そして、このガラス母材10の先端12を矢
印Ｃ方向に線引きして、該紡糸炉11から光ファイバ素線
８として挿出する。さらに挿出された直後の光ファイバ
素線８を再び上記紡糸炉11とは別の加熱手段13にて加熱
軟化すると共に横方向（つまり、図例では矢印Ｄ方向）
の外力を付与して長手方向所定間隔で第２図に示す様な
所定形状に弯曲する。即ち、加熱手段13とは、水素・酸
素バーナ、炭化水素・酸素バーナ、アルコール・酸素バ
ーナ等のバーナからなり、紡糸炉11の挿出口14近傍に設
けられている。また、横方向の外力を付与するには図例
ではロールが使用される。つまり、光ファイバ素線８を
挾持状とする自由回転の１対のロールからなる外力付与
部材15を矢印D,Eの如く揺動可能として、光ファイバ素
線８に横方向の外力を付与する。28は外力付与部材15の
下方に付設された保持部材であって、該外力付与部材15
と同様光ファイバ素線８を挾持状とする揺動しない自由
回転の１対のロールからなる。

従って、紡糸炉11から挿出された光ファイバ素線８を加
熱手段13にて加熱軟化させると共に、外力付与部材15を
矢印Ｄの如く揺動させれば第２図に示す様に、光ファイ
バ素線８は弯曲し、そして、弯曲させた後、該外力付与
部材15を矢印Ｅの如く揺動させ元の状態に戻せば、第１
図の仮想線で示す様に、弯曲させた部位以外は直線状と
なって線引きされる。なお、外力付与部材15と保持部材
28のロール表面には、光ファイバ素線８の表面を傷つけ
ないように、被覆層と同一の材料が塗布されている。

しかして、弯曲した部位を有する光ファイバ素線８は、
さらに線引きされて、被覆装置16にて、被覆材が被覆さ
れると共に硬化装置17にて該被覆材が硬化される。従っ
て、光ファイバ素線８には被覆層９が被覆されると共
に、長手方向に沿って所定間隔に、例えば、第３図
（Ｉ）（II）に示す様な形状の弯曲凸部18…が形成され
た長尺状の光ファイバ19が形成される。そして、第３図
（Ｉ）（II）の様に、被覆層９（第５図参照）が被覆さ
れた長尺状の光ファイバ19を仮想線で示す様に、弯曲凸
部18及び直線部20にて切断して、基端２乃至中間部３が
直線状とされると共に、先端４に、所定形状に弯曲した
（つまり、円弧状に弯曲した）弯曲部５を備えたイメー
ジガイド１を形成する。即ち、第３図（Ｉ）においては
弯曲凸部18は山形状の対称形とされているので光ファイ
バ19の直線部20の略中間部位を切断すると共に、湾曲凸
部18を２箇所で切断する。また、第３図（II）において
は弯曲凸部18は非対称形とされているので、光ファイバ
19はイメージガイド１の基端２となる部位を切断すると
共に、該イメージガイド１の先端４となる部位を切断す
る。

なお、以上はイメージガイド１の製造方法を説明した
が，同様な製造方法にて、被観察部に照明用ライトを照
明するためのライトガイドも製造することができる。

次に、第６図は、本発明に係るイメージガイド１を使用
した内視鏡21を示し、該イメージガイド１と該イメージ
ガイド１と同様な製造方法にて製造されたライトガイド
22とが内装された光ファイバ本体23と、該光ファイバ本
体23の先端−つまり、イメージガイド１とライトガイド
22の先端に対応して円弧状に弯曲している−に付設され
た対物レンズを有する対物部（図示省略）と、該光ファ
イバ本体23の基端に付設された接眼レンズを有する接眼
部24と、を備えている。また、光ファイバ本体23はプラ
スチック等からなる可撓性を有する外層材にて被覆され
ている。そして、ライトガイド22を介して、被観察部に
光を照射し、該被観察部から反射された光を、先端25の
対物レンズを介して、イメージガイド１に伝送し、接眼
部24の接眼レンズを介して、肉眼又はカメラ等にて該被
観察部を観察する。

しかして、上述の如く構成された内視鏡21の光ファイバ
本体23の先端25は、自由状態で円弧状に弯曲していると
共に可撓性を有することになる。従って、第７図に示す
様に、分岐管26,26を有する血管、卵管、尿管等の細管2
7にこの光ファイバ本体23を容易に挿入することができ
る。つまり、図例の様に、分岐管26,26が上下（図面に
おける）に分岐している場合、実線に示す様に、光ファ
イバ本体23は先端25を、細管27の下方に沿わせば、下方
の分岐管26に挿入され、仮想線に示す様に上方に沿わせ
ば、上方の分岐管26に挿入される。

また、本発明のイメージガイドの製造方法によれば、線
引き中に、イメージガイド１の弯曲部５となる弯曲凸部
18が形成されるので、光ファイバ素線８に傷がついたり
ホコリが付いたりする心配がなくなり、強度的に優れた
ものとなる。

本発明は図示の実施例に限定されず、本発明の要旨を逸
脱しない範囲で設計変更自由であり、例えば、横方向の
外力を付与するには、第１図と第２図に示す様なロール
を使用した外力付与部材15及び保持部材28を使用せず
に、横方向にエアを吹き付けるも好ましい。また、被覆
装置として、ダイス塗布、噴霧塗布どちらを使用するも
自由である。さらに、本発明のイメージガイド１は第６
図と第７図に示す内視鏡に限らず、工業用の光ファイバ
に使用するも勿論好ましい。

〔発明の効果〕

本発明の如くイメージガイドを製造すれば、線引き中
に、イメージガイドの先端の弯曲部を形成するための弯
曲凸部18が形成されるので、定寸のイメージガイドとし
た後に弯曲部を形成する必要がなくなり製造は簡単かつ
連続的に行なえ、しかも全体を同一の径とすることがで
き、弯曲部のみが大径となることがなく、外径を可能な
限り小さくすることができ、かつ、強度的にも優れると
共に、小さな曲率半径までも先端部を曲げることが可能
な製品が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は本発明に係る製造工程の一実施例を示
す簡略図、第３図は製造途中におけるイメージガイドの
正面図、第４図はイメージガイドの一実施例を示す拡大
正面図、第５図はその拡大横断面図、第６図は本発明に
係るイメージガイドを使用した内視鏡の簡略正面図、第
７図はその使用状態を示す簡略正面図である。 ２……基端、３……中間部、４……先端、５……弯曲
部、８……光ファイバ素線、９……被覆層、10……ガラ
ス母材、11……紡糸炉、13……加熱手段、18……弯曲凸
部、20……直線部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紡糸炉にて加熱軟化されたガラス母材を、
   線引きして、該紡糸炉から光ファイバ素線として挿出
   し、さらに、挿出された直後の光ファイバ素線を再び上
   記紡糸炉とは別の加熱手段にて加熱軟化すると共に横方
   向の外力を付与して長手方向所定間隔で所定形状に弯曲
   した後に、該光ファイバ素線に被覆層を被覆して長手方
   向に沿って所定間隔に弯曲凸部が形成された長尺状の光
   ファイバを形成し、その後、該長尺状の光ファイバの該
   弯曲凸部及び直線部にて切断して、先端に弯曲部を形成
   すると共に基端乃至中間部を直線状とすることを特徴と
   するイメージガイドの製造方法。