JPH069393A - 抗菌剤 - Google Patents

抗菌剤

Info

Publication number
JPH069393A
JPH069393A JP5035990A JP3599093A JPH069393A JP H069393 A JPH069393 A JP H069393A JP 5035990 A JP5035990 A JP 5035990A JP 3599093 A JP3599093 A JP 3599093A JP H069393 A JPH069393 A JP H069393A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl group
lower alkyl
hydroxyethyl
ylthio
ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5035990A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2643754B2 (ja
Inventor
Tameo Iwasaki
為雄 岩▲崎▼
Kazuhiko Kondo
一彦 近藤
Kouji Horikawa
袷志 堀川
Tadahiro Matsushita
忠弘 松下
Totaro Yamaguchi
東太郎 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tanabe Seiyaku Co Ltd filed Critical Tanabe Seiyaku Co Ltd
Priority to JP5035990A priority Critical patent/JP2643754B2/ja
Publication of JPH069393A publication Critical patent/JPH069393A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2643754B2 publication Critical patent/JP2643754B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式〔I〕 (式中、R1は水素原子等、R2は水素原子又はエステル残
基、R3は水素原子、低級アルキル基等を表す。)で示さ
れる1−メチルカルバペネム誘導体又はその薬理的に許
容しうる塩を有効成分としてなる抗菌剤。 【効果】 この有効成分である1−メチルカルバペネム
誘導体は、優れた抗菌作用を示すため、抗菌剤として有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】カルバペネム誘導体の一種であるチエナ
マイシンは、グラム陽性、グラム陰性菌を含む広範囲の
病原菌に対して優れた抗菌作用を示し、特にセフェム耐
性菌に対しても強い抗菌力を示す抗菌剤として注目され
ている。しかしながら、チエナマイシンは、人体内に存
在するデヒドロペプチダーゼIにより分解されて活性を
失い、また経口吸収性が低い等という欠点があった。こ
のため、各種微生物に対してより優れた抗菌活性を有
し、デヒドロペプチダーゼIに対して安定であり、かつ
高い経口吸収性を示すカルバペネム誘導体を抗菌剤とし
て用いる研究が行われている。
【0003】例えば、特開平2−49783号公報に
は、2位が2−オキソピロリジン−4−イルチオ基で置
換された6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカ
ルバペン−2−エム−3−カルボン酸が開示されてい
る。
【0004】しかしながら、1−メチルカルバペネム骨
格の2位に2−チオキソピロリジン−4−イルチオ基を
有する化合物は、従来知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、1−メチル
カルバペネム骨格の2位に2−チオキソピロリジン−4
−イルチオ基を導入することにより、従来既知のカルバ
ペネム誘導体に較べて、より一層優れた抗菌作用を有
し、デヒドロペプチダーゼIに対しても優れた安定性を
示し、かつ経口吸収性も高い新規1−メチルカルバペネ
ム誘導体を有効成分としてなる抗菌剤を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式〔I〕
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 は水素原子または水酸基の保
護基を表し、R2 は水素原子またはエステル残基を表
し、R3 は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
低級アルキル基またはジ低級アルキルアミノ低級アルキ
ル基を表す。)で示される1−メチルカルバペネム誘導
体又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる
抗菌剤に関する。
【0009】本発明の有効成分である1−メチルカルバ
ペネム誘導体〔I〕において、R1で示される水酸基の
保護基の具体例としては、低級アルコキシカルボニル
基、ハロゲノ低級アルコキシカルボニル基、置換もしく
は非置換フェニル低級アルキル基(例えば、ニトロ基ま
たは低級アルコキシ基で置換されていてもよいベンジル
基)、トリ低級アルキルシリル基、置換もしくは非置換
フェニル低級アルコキシカルボニル基(例えば、ニトロ
基または低級アルコキシ基で置換されていてもよいベン
ジルオキシカルボニル基)があげられる。
【0010】また、R2 で示されるエステル残基の例と
しては、生体内で代謝を受け加水分解されるエステル残
基か、あるいはカルボキシル基の保護基となりうるエス
テル残基があげられる。
【0011】生体内で代謝を受け加水分解されるエステ
ル残基としては、式−A−OCOR4 、−A−OCO2
4 または−A−O−R4 (式中、Aは低級アルキレン
基、R4 は低級アルキル基、シクロアルキル基、低級ア
ルケノイル基、低級アルコキシ低級アルキル基、低級ア
ルカノイルオキシ低級アルキル基を表す。)で示される
基があげられる。
【0012】かかる基の具体例としては、例えば、低級
アルカノイルオキシ低級アルキル基、シクロアルキルカ
ルボニルオキシ低級アルキル基、低級アルケノイルオキ
シ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルカノイルオ
キシ低級アルキル基、低級アルカノイルオキシ低級アル
コキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル
基、低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、低
級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基、低級ア
ルコキシ低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル
基があげられる。
【0013】一方、カルボキシル基の保護基となりうる
エステル残基としては、例えば、低級アルキル基、低級
アルケニル基、ハロゲノ低級アルキル基、ニトロベンジ
ル基、低級アルコキシベンズヒドリル基があげられる。
【0014】これら1−メチルカルバペネム誘導体
〔I〕のうち、治療上好ましいものとしては、R1 が水
素原子であり、R2 が水素原子又は生体内で代謝を受け
加水分解されるエステル残基であり、R3 が水素原子又
は低級アルキル基である化合物があげられる。
【0015】また、本発明の有効成分である1−メチル
カルバペネム誘導体〔I〕には、その不斉炭素に基づく
種々の異性体が存在するが、本発明はこれら異性体のひ
とつ又は混合物のいずれをも含むものである。しかしな
がら、カルバペネム骨格の1、5及び6位がそれぞれ
R、S及びS配位であり、6位置換基の1位がR配位で
あり、ピロリジン環の置換位がS又はR配位である化合
物が治療上好ましい。
【0016】本発明において、低級アルキル基、低級ア
ルキレン基及び低級アルコキシ基の好ましい例として
は、炭素数1〜6、とりわけ炭素数1〜4のもの、低級
アルカノイル基及び低級アルケニル基としては、炭素数
2〜8、とりわけ炭素数2〜6のもの、さらに低級アル
ケノイル基及びシクロアルキル基としては、炭素数3〜
8、とりわけ炭素数3〜6のものがあげられる。
【0017】本発明の有効成分である1−メチルカルバ
ペネム誘導体〔I〕は、遊離の形でも、またその薬理的
に許容しうる塩の形でも医薬用途に用いることができ
る。薬理的に許容しうる塩としては、例えば、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ア
ルミニウム塩等の非毒性金属塩;トリアルキルアミン
(例えば、トリエチルアミン)、ピリジン、エタノール
アミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン等の非毒性アミンとの塩;リジン、アルギニン等の塩
基性アミノ酸との付加塩等があげられる。また当該化合
物の塩は、例えば、アミノ基又は四級アミノ基を含むポ
リスチレン樹脂などで形成される樹脂との塩の形であっ
てもよい。
【0018】1−メチルカルバペネム誘導体〔I〕又は
その薬理的に許容し得る塩の投与量は、投与方法・患者
の年令・体重・状態あるいは疾患の程度等により異なる
が、通常1日当たり約0.002〜0.04g/kg、
好ましくは約0.005〜0.01g/kgが適当であ
る。
【0019】また、1−メチルカルバペネム誘導体
〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩は、経口的にも非
経口的(例えば、静脈内、筋肉内、皮下)にも投与する
ことができる。
【0020】経口投与する場合の剤形は、錠剤、顆粒
剤、カプセル剤、散剤の如き固形剤であってもよく、溶
液、懸濁液の如き液剤であってもよく、経口投与に適し
た医薬担体と共に医薬製剤として使用することができ
る。かかる医薬担体としては、例えば、結合剤(シロッ
プ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガン
ト、ポリビニルピロリドン等)、賦形剤(乳糖、砂糖、
コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシ
ン等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、
ポリエチレングリコール、シリカ等)、崩壊剤(バレイ
ショデンプン等)又は湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム
等)等慣用のものをいずれも使用できる。
【0021】一方、非経口投与する場合の剤形は、例え
ば、注射用蒸留水、生理的食塩水、ブドウ糖水溶液等を
用いて、注射剤や点滴注射剤とするのが好ましい。
【0022】本発明の有効成分である1−メチルカルバ
ペネム誘導体〔I〕は、一般式〔II〕
【0023】
【化3】
【0024】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示されるケトン化合物の2位オキソ基における
反応性誘導体と式〔III 〕
【0025】
【化4】
【0026】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示されるメルカプタン化合物又はその塩とを反
応させることにより製造することができる。
【0027】ケトン化合物〔II〕の2位オキソ基におけ
る反応性誘導体としては、慣用のものをいずれも使用で
きる。そのような反応性誘導体としては、例えば、一般
式〔II−a〕
【0028】
【化5】
【0029】で示され、Xがジフェニルホスホリル基、
ジ低級アルキル基置換フェニルホスホリル基、ジ低級ア
ルキルホスホリル基、低級アルカンスルホニル基、フェ
ニルスルホニル基または低級アルキル基置換フェニルス
ルホニル基である反応性誘導体が挙げられ、ケトン化合
物〔II〕と対応するホスホリルハライド又はスルホン酸
化合物等とを塩基の存在又は非存在下に反応させて得る
ことができる。
【0030】一方、メルカプタン化合物〔III 〕の塩と
しては、例えば、アルカリ金属塩、トリ低級アルキルア
ンモニウム塩等を適宜用いることができる。
【0031】ケトン化合物〔II〕の反応性誘導体とメル
カプタン化合物〔III 〕又はその塩との反応は、塩基の
存在又は非存在下で実施することができる。
【0032】かくして得られた化合物〔I〕において、
1 が水酸基の保護基であるか、または/及びR2 がエ
ステル残基である場合、当該保護基または/及びエステ
ル残基を除去することにより、一般式〔I−a〕
【0033】
【化6】
【0034】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物又はその塩を得ることができ、
保護基又はエステル残基の除去は、常法に従って実施す
ることができる。
【0035】さらに、かくして得られた化合物〔I−
a〕は、常法により、エステル化することにより一般式
〔I−b〕
【0036】
【化7】
【0037】(式中、R21はエステル残基を表し、他の
記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物に
変換することができる。
【0038】実験例1 〔抗菌活性(最小発育阻止濃度)〕 (検体化合物)(1R,5S,6S)−2−〔(4R)
−ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−
〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカル
バペン−2−エム−3−カルボン酸・カリウム塩 (方法)上記検体化合物の最小発育阻止濃度(M.I.
C.,μg/ml)を感性ディスク用培地−N(Sen
sitivity Disc Agar−N)(SD
A;ニッスイ社製)培地を使用して寒天平板希釈法(日
本化学療法学会標準法)により測定して求めた。
【0039】(結果)結果を下記第1表に示す。
【0040】
【表1】
【0041】実験例2 〔マウス腹腔内感染に対する治療効果〕 (検体化合物)(1R,5S,6S)−2−〔(4R)
−ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−
〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカル
バペン−2−エム−3−カルボン酸・イソブチリルオキ
シメチルエステル (方法)スタフィロコッカス・アウレウス スミス(S
taphylococcus・aureus Smit
h)を、37℃で16時間培養後、6%ムチン液に懸濁
して、マウス腹腔内に接種〔2.8×105 cells
/mouse(136×LD50)〕した。上記検体化合
物を20%ジメチルスルホキシド溶液に溶解させ、接種
1時間後にマウスに経口投与し、5日間経過後の生存数
からプロビット法によりED50値を算出した。
【0042】(結果)上記検体化合物のED50値は、
0.46mg/kgであった。
【0043】製造例1 (1) (1R,5R,6S)−6−〔(1R)−1−ヒド
ロキシエチル〕−1−メチル−2−オキソ−カルバペナ
ム−3−カルボン酸・4−ニトロベンジルエステル7.
6gを無水アセトニトリル53mlに溶解し、窒素気流
下、ジイソプロピルエチルアミン2.9g及びジフェニ
ルホスホリルクロリド6.1gを0℃以下で順次滴下す
る。同温度で30分間攪拌後、反応混合物〔(1R,5
R,6S)−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕
−1−メチル−2−ジフェニルホルホリルオキシ−カル
バペン−2−エム−3−カルボン酸・4−ニトロベンジ
ルエステルを含有〕に(4S)−4−メルカプトピロリ
ジン−2−チオン2.5g及びジイソプロピルエチルア
ミン2.9gの無水アセトニトリル53ml溶液を−15
℃以下で滴下する。同温度で1.5時間攪拌後、反応混
合液に水53mlを加えアセトニトリルを減圧留去し、残
留物を酢酸エチルで抽出後、洗浄、乾燥し、溶媒を減圧
留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶媒;クロロホルム:エタノール=20:1)で
精製することにより、(1R,5S,6S)−2−
〔(4S)−ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕
−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチ
ルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸・4−ニトロ
ベンジルエステル4.7gを無定形粉末として得る。
【0044】NMR(CDCl3 ) δppm : 1.29(3H,d),1.36(3
H,d),2.90(1H,dd),3.23-3.34(2H,m),3.61-3.71(2H,m),
4.00-4.32(5H,m),5.23,5.49(2H,d),7.65,8.23(4H,d),7.
83(1H,br,s) (2) 本品0.5g、炭酸水素カリウム0.105g、テ
トラヒドロフラン10ml及びエタノール10mlの混合物
に、窒素気流下10%パラジウム−炭素1gを加え、室
温常圧で1時間水素添加する。 触媒をろ去後、有機溶
媒を減圧留去し、水層を酢酸エチルで洗浄する。水層を
減圧留去後、残留物を非イオン性吸着樹脂(CHP−2
0P;三菱化成社製)充填カラム(溶出液;水)で精製
することにより、(1R,5S,6S)−2−〔(4
S)−ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−
〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカル
バペン−2−エム−3−カルボン酸・カリウム塩0.1
1gを無定形粉末として得る。
【0045】NMR(D2 O) δppm : 1.20(3H,d),1.28(3
H,d),2.84(1H,dd),3.24-3.47(3H,m),3.62-3.72(1H,m),
4.08-4.27(4H,m) 製造例2 (1) (4S)−4−メルカプトピロリジン−2−チオン
に代えて(4R)−4−メルカプトピロリジン−2−チ
オン1.1gを用いる以外は、製造例1−(1)と同様に
処理することにより、(1R,5S,6S)−2−
〔(4R)−ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕
−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチ
ルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸・4−ニトロ
ベンジルエステル1.8gを無色針状晶として得る。
【0046】m.p.168−170℃ NMR(DMSO) δppm : 1.15(6H,d),2.74(1H,dd),3.30-3.51
(4H,m),3.97-4.31(4H,m),5.08(1H,d),5.29,5.47(2H,d),
7.70,8.24(4H,d),10.39(1H,br,s) (2) 本品0.5gを製造例1−(2) と同様に処理するこ
とにより、(1R,5S,6S)−2−〔(4R)−ピ
ロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−〔(1
R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン
−2−エム−3−カルボン酸・カリウム塩0.12gを
無定形粉末として得る。
【0047】NMR(D2 O) δppm : 1.20(3H,d),1.29(3
H,d),2.94(1H,dd),3.28-3.67(4H,m),4.06-4.27(4H,m) 製造例3 (1R,5S,6S)−2−〔(4R)−ピロリジン−
2−チオン−4−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−
3−カルボン酸・カリウム塩0.34gのN,N−ジメ
チルホルムアミド3ml懸濁液に、炭酸カリウム0.12
gを加え、氷冷下イソブチリルオキシメチルヨージド
0.27gを滴下する。同温度で30分間攪拌後、反応
混合液に酢酸エチル10mlを加え、洗浄し、有機層を乾
燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルフラッシ
ュカラムクロマトグラフィー(溶媒/クロロホルム:エ
タノール=20:1)で精製後、イソプロピルエーテ
ル、酢酸エチルより結晶化することにより、(1R,5
S,6S)−2−〔(4R)−ピロリジン−2−チオン
−4−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエ
チル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボ
ン酸・イソブチリルオキシメチルエステル0.12gを
無色針状晶として得る。
【0048】m.p.158−159℃ 製造例4〜8 (1R,5S,6S)−2−〔(4R)−ピロリジン−
2−チオン−4−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−
3−カルボン酸・カリウム塩と各種アルカノイルオキシ
メチルヨージドとを用いて、製造例3と同様に処理する
ことによって、下記第2表記載のエステル化合物を得
る。
【0049】
【表2】
【0050】製造例9〜28 (1R,5S,6S)−2−〔(4S)−ピロリジン−
2−チオン−4−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−
3−カルボン酸・カリウム塩と各種置換メチルヨージド
又は1−置換エチルヨージドとを用いて、製造例3と同
様に処理することによって、下記第3表記載のエステル
化合物を得る。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】製造例29 (1) (1R,5R,6S)−6−〔(1R)−1−ヒド
ロキシエチル〕−1−メチル−2−オキソ−カルバペナ
ム−3−カルボン酸・4−ニトロベンジルエステル2
5.2gを無水アセトニトリル173mlに溶解し、窒素
気流下、ジイソプロピルエチルアミン13ml及びジフェ
ニルホスホリルクロリド15.5mlを0℃以下で順次加
える。同温度で30分間攪拌後、反応混合物に(4R)
−N−メチル−4−メルカプトピロリジン−2−チオン
13g及びジイソプロピルエチルアミン11.5gの無
水アセトニトリル173ml溶液を−5℃以下で滴下す
る。0℃で1.5時間攪拌後、反応混合液をリン酸緩衝
液(pH7.0)1リットルに加える。析出晶をろ取
し、クロロホルム2リットル、テトラヒドロフラン1リ
ットルの混合液に溶解させ、洗浄、乾燥後、減圧濃縮
し、エーテルを加えて析出晶をろ取することにより、
(1R,5S,6S)−2−〔(4R)−N−メチルピ
ロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−〔(1
R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン
−2−エム−3−カルボン酸・4−ニトロベンジルエス
テル23.5gを無色針状晶として得る。
【0056】m.p.157−158℃ (2) 本品6g、テトラヒドロフラン250ml及びエタノ
ール250mlの混合物に、炭酸水素ナトリウム1.03
gの250ml水溶液を加え、さらに窒素気流下10%パ
ラジウム−炭素(含水量52%)22.8gを加えて、
室温常圧で1.5時間水素添加する。触媒をろ去後、有
機溶媒を減圧留去し、水層を酢酸エチルで洗浄する。水
層を活性炭処理し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、エタノ
ールを加えた後、結晶をろ取することにより、(1R,
5S,6S)−2−〔(4R)−N−メチルピロリジン
−2−チオン−4−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−
ヒドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム
−3−カルボン酸・ナトリウム塩3.2gを無色針状晶
として得る。
【0057】m.p.170−180℃(分解) 製造例30 (1R,5S,6S)−2−〔(4R)−N−メチルピ
ロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−〔(1
R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン
−2−エム−3−カルボン酸・ナトリウム塩400mgを
N,N−ジメチルホルムアミド5mlに懸濁させ、炭酸
カリウム146mgを加える。該混合物にアセトキシメ
チルヨージド275mgを5〜7℃で加え、同温度で1
時間攪拌する。該反応液をリン酸緩衝液(pH7.0)
に加え、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄、
乾燥後、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶媒/クロロホルム−クロロホルム:エ
タノール=98:2)で精製し、テトラヒドロフラン及
びエーテルで結晶化することにより、(1R,5S,6
S)−2−〔(4R)−N−メチルピロリジン−2−チ
オン−4−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキ
シエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カ
ルボン酸・アセトキシメチルエステル250mgを無色
針状晶として得る。
【0058】m.p.124−126℃ 製造例31〜37 (1R,5S,6S)−2−〔(4R)−N−メチルピ
ロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−〔(1
R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン
−2−エム−3−カルボン酸・ナトリウム塩と各種置換
メチルヨージドを用いて、製造例30と同様に処理する
ことによって、下記第4表記載のエステル化合物を得
る。
【0059】
【表7】
【0060】製造例38 (1) (1R,5R,6S)−6−〔(1R)−1−ヒド
ロキシエチル〕−1−メチル−2−オキソ−カルバペナ
ム−3−カルボン酸・4−ニトロベンジルエステルと
(4S)−N−メチル−4−メルカプトピロリジン−2
−チオンを、製造例29−(1) と同様に処理することに
より、(1R,5S,6S)−2−〔(4S)−N−メ
チルピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−
〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカル
バペン−2−エム−3−カルボン酸・4−ニトロベンジ
ルエステルを無定形粉末として得る。
【0061】NMR(CDCl3 ) δppm : 1.29(3H,d),1.36(3
H,d),3.00-3.15(1H,m),3.25(3H,s),3.15-3.35(2H,m),3.
40-3.60(1H,m),3.65-3.80(1H,m),3.85-4.00(1H,m),4.05
-4.20(1H,m),4.20-4.35(2H,m),5.22,5.50(2H,ABq),7.6
4,8.23(4H,A2B2q) (2) 本品を、製造例29−(2) と同様に処理することに
より、(1R,5S,6S)−2−〔(4S)−N−メ
チルピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−
〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカル
バペン−2−エム−3−カルボン酸・ナトリウム塩を針
状晶として得る。
【0062】m.p.185−190℃(分解) 製造例39〜46 (1R,5S,6S)−2−〔(4S)−N−メチルピ
ロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−〔(1
R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン
−2−エム−3−カルボン酸・ナトリウム塩と各種メチ
ルヨージドとを用いて、製造例30と同様に処理するこ
とにより、下記第5表記載の化合物を得る。
【0063】
【表8】
【0064】製造例47 (1) (1R,5R,6S)−6−〔(1R)−1−ヒド
ロキシエチル〕−1−メチル−2−オキソ−1−カルバ
ペナム−3−カルボン酸・4−ニトロベンジルエステル
8.3gを無水アセトニトリル50mlに溶解し、窒素気
流下、ジイソプロピルエチルアミン4ml及びジフェニル
ホスホリルクロリド4.8mlを0℃以下で順次滴下す
る。同温度で30分間攪拌後、反応混合物に(3R)−
3−メルカプトピロリジン−2−チオン4g及びジイソ
プロピルエチルアミン4mlの無水アセトニトリル50ml
溶液を−15℃以下で滴下する。同温度で1.5時間攪
拌後、反応混合液に水50mlを加え、アセトニトリルを
減圧留去する。残渣を酢酸エチルで抽出し、洗浄、乾燥
後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶媒;クロロホルム:メタノール=9
9:1)で精製することにより、(1R,5S,6S)
−2−〔(3R)−ピロリジン−2−チオン−3−イル
チオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1
−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸・4−
ニトロベンジルエステル4.3gを無定形粉末として得
る。
【0065】NMR(CDCl3 ) δppm : 1.20-1.40(6H,m),1.
68(1H,br,s),2.20-2.40(1H,m),2.60-2.80(1H,m),3.30-
3.50(1H,m),3.30-3.40(1H,m),3.60-3.90(2H,m),4.20-4.
40(2H,m),4.40-4.50(1H,m),5.22(1H,d),5.50(1H,d),7.6
2(2H,d),8.12(1H,br,s),8.22(2H,d) (2) 本品2g、水78ml、テトラヒドロフラン39ml、
エタノール39ml及び炭酸水素カリウム0.42gの混
合物に、10%パラジウム−炭素4gを加え、室温常圧
で2時間水素添加する。触媒をろ去後、ろ液の有機溶媒
を減圧留去し、水層を洗浄し、減圧濃縮する。残渣を、
非イオン性吸着樹脂(CHP−20P;三菱化成社製)
充填カラム(溶出液;水)で精製することにより、(1
R,5S,6S)−2−〔(3R)−ピロリジン−2−
チオン−3−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロ
キシエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−3−
カルボン酸・カリウム塩0.9gを無定形粉末として得
る。
【0066】NMR(D2 O) δppm : 1.20-1.40(6H,m),2.
20-2.40(1H,m),2.60-2.80(1H,m),3.30-3.50(2H,m),3.70
-3.90(2H,m),4.20-4.40(2H,m),4.50-4.60(1H,m) 製造例48 (1R,5S,6S)−2−〔(3R)−ピロリジン−
2−チオン−3−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−
3−カルボン酸・カリウム塩0.5gをN,N−ジメチ
ルホルムアミド5mlに懸濁させる。該懸濁液に、氷冷
下、イソブチリルオキシメチルヨージド338mgを加
え、同温度で30分間攪拌する。反応混合液に酢酸エチ
ルを加え、洗浄、乾燥後、溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒/クロ
ロホルム:メタノール=20:1)で精製することによ
り、(1R,5S,6S)−2−〔(3R)−ピロリジ
ン−2−チオン−3−イルチオ〕−6−〔(1R)−1
−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エ
ム−3−カルボン酸・イソブチリルオキシメチルエステ
ル0.14gを無定形粉末として得る。
【0067】NMR(CDCl3 ) δppm : 1.20-1.40(12H,m),
2.20-2.40(2H,m),2.60-2.90(2H,m),3.30-3.40(2H,m),3.
60-3.90(2H,m),4.20-4.30(2H,m),4.40-4.50(1H,dd),5.8
7(1H,d),5.98(1H,d),8.15(1H,br,s) 製造例49 (1R,5R,6S)−6−〔(1R)−1−ヒドロキ
シエチル〕−1−メチル−2−オキソ−1−カルバペナ
ム−3−カルボン酸・4−ニトロベンジルエステルと
(3S)−3−メルカプトピロリジン−2−チオンを製
造例47と同様に処理することにより、(1R,5S,
6S)−2−〔(3S)−ピロリジン−2−チオン−3
−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン
酸・カリウム塩を得る。
【0068】NMR(D2 O) δppm : 1.20-1.40(6H,m),2.
20-2.40(1H,m),2.70-2.90(1H,m),3.40-3.50(1H,m),3.60
-3.90(3H,m),4.20-4.40(3H,m) 製造例50 (1R,5S,6S)−2−〔(3S)−ピロリジン−
2−チオン−3−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−
3−カルボン酸・カリウム塩とイソブチリルオキシメチ
ルヨージドとを製造例48と同様に処理することにより
(1R,5S,6S)−2−〔(3S)−ピロリジン−
2−チオン−3−イルチオ)−6−〔(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−
3−カルボン酸・イソブチリルオキシメチルエステルを
得る。
【0069】NMR(CDCl3 ) δppm : 1.10-1.40(12H,m),
2.10-2.40(2H,m),2.50-2.80(2H,m),3.20-3.30(1H,m),3.
60-3.90(3H,m),4.20-4.40(3H,m),5.84(1H,d),5.94(1H,
d),7.82(1H,br,s) 参考例1 (1) (4R)−4−ヒドロキシ−2−ピロリドン4.5
gをテトラヒドロフラン300mlに懸濁し、トリフェニ
ルホスフィン23.4gを加え10分間攪拌後、アゾジカ
ルボン酸ジエチル14mlを−10℃以下で滴下し、同温
度で10分間攪拌する。反応混合物に、チオ酢酸6.3
mlを−10℃以下で滴下し、同温度で2時間攪拌後、溶
媒を減圧留去する。残留物をジイソプロピルエーテルで
結晶化し、結晶をろ去後、ろ液を減圧濃縮し、残査をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;クロロホル
ム:エタノール=98:2)で精製することにより、
(4S)−4−アセチルチオ−2−ピロリドン3.8g
を油状物として得る。
【0070】NMR(CDCl3 ) δppm : 2.29(1H,dd),2.35(3
H,s),2.81(1H,dd),3.31(1H,dd),3.88(1H,dd),4.10-4.23
(1H,m),7.02-7.17(1H,b) (2) 本品4.8g、トルエン100ml及びローソン試薬
〔2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジ
チア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィ
ド〕6.1gの混合物を15分間加熱還流後、溶媒を減
圧留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶媒;クロロホルム:酢酸エチル=95:5)で精
製することにより、(4S)−4−アセチルチオピロリ
ジン−2−チオン3.6gを無色針状晶として得る。
【0071】m.p.91−92℃ 〔α〕D 23 −57.5°(c=1、メタノール) (3) 本品3.6g及び16%アンモニア−メタノール溶
液36mlの混合物を、氷冷下、30分間撹拌する。溶媒
を減圧留去後、残渣にトルエン36mlを加え濃縮するこ
とにより、(4S)−4−メルカプトピロリジン−2−
チオン2.7gを粗生成物として得る。本品は精製する
ことなく、次工程に用いた。
【0072】参考例2 (1) (4S)−4−ヒドロキシ−2−ピロリドン1.7
gを参考例1−(1) と同様に処理することにより、(4
R)−4−アセチルチオ−2−ピロリドン2gを油状物
として得る。
【0073】NMR(CDCl3 ) δppm : 2.29(1H,dd),2.35(3
H,s),2.80(1H,dd),3.31(1H,dd),3.89(1H,dd),4.10-4.23
(1H,m) (2) 本品1.9gを参考例1−(2) と同様に処理するこ
とにより、(4R)−4−アセチルチオピロリジン−2
−チオン1.8gを無色針状晶として得る。
【0074】m.p.91−93℃ 〔α〕D 25 +57.7°(c=1、メタノール) (3) 本品1.7gを参考例1−(3) と同様に処理するこ
とにより、(4R)−4−メルカプトピロリジン−2−
チオン1.3gを粗生成物として得る。本品は精製する
ことなく、次工程に用いた。
【0075】参考例3 (1) (4S)−N−ベンジルオキシカルボニル−4−ハ
イドロキシ−2−ピロリドン116g、t−ブチルジメ
チルシリルクロリド81.4g、イミダゾール67.4
g及びジメチルホルムアミド350mlの混合物を室温
で17時間かくはん後、溶媒を減圧留去する。残渣に酢
酸エチルを加え、洗浄、乾燥後、減圧濃縮する。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;n−ヘキ
サン:酢酸エチル=4:1から2:1)で精製すること
により、(4S)−N−ベンジルオキシカルボニル−4
−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ピロリドン1
60gを無色針状晶として得る。
【0076】m.p.59−60℃ (2) 本品160gをメタノール1リットルに溶解させ、
パラジウムブラック5gを加えて接触還元する(水素圧
3.5kg/cm2 、室温、1時間)。触媒をろ別し、
ろ液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=2:
1から1:2)で精製することにより、(4S)−4−
t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ピロリドン51
gを無色針状晶として得る。
【0077】m.p.90−93℃ (3) 本品51gを、水素化ナトリウム(62%)10.
1gのジメチルホルムアミド510ml懸濁液に−40
℃にて加え、10分後、ヨウ化メチル37gを加える。
撹拌しながら、1.5時間かけて40℃まで加熱したの
ち、酢酸を加える。反応混合液を、氷水1.5リットル
中に注入し、生成物を酢酸エチルで抽出した後、有機層
を洗浄、乾燥し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製することにより(4S)−
N−メチル−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2
−ピロリドン41gを無色油状物として得る。
【0078】NMR(CDCl3 ) δppm : 0.00(6H,s),0.81(9
H,s),2.20-2.32(1H,m),2.45-2.60(1H,m),2.78(3H,s),3.
12-3.20(1H,m),3.45-3.50(1H,m),4.30-4.42(1H,m) (4) 本品41gをメタノール250mlに溶解させ、氷
冷下、6N−塩酸40mlを加えて、室温で10分間撹
拌する。反応終了後、反応混合液に炭酸水素ナトリウム
30gを加えて中和した後、メタノールを減圧留去す
る。残留物を、洗浄後、減圧乾固する。残渣にアセトン
を加えて、不溶物をろ別する。ろ液を減圧濃縮後、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;クロロ
ホルム:エタノール=10:1)で精製することにより
(4S)−N−メチル−4−ヒドロキシ−2−ピロリド
ン21gを無色油状物として得る。
【0079】NMR(CDCl3 ) δppm : 2.30-2.40(1H,m),2.
60-2.75(1H,m),2.65(3H,s),3.25-3.35(1H,m),3.60-3.70
(1H,m),4.40-4.50(1H,m),4.64(1H,d) (5) 本品21.3gを参考例1−(1) 及び(2) と同様に
処理することにより、(4R)−N−メチル−4−アセ
チルチオピロリジン−2−チオン26gを黄色油状物と
して得る。
【0080】NMR(CDCl3 ) δppm : 2.35(3H,s),2.90-3.
05(1H,m),3.26(3H,s),3.40-3.55(1H,m),3.60-3.70(1H,
m),4.05-4.15(1H,m),4.15-4.30(1H,m) (6) 本品16.9g及び16%アンモニア−メタノール
溶液100mlの混合物を、室温で20分間撹拌する。
溶媒を減圧留去後、残渣にアセトニトリル50mlを加
え濃縮することにより、(4R)−N−メチル−4−メ
ルカプトピロリジン−2−チオン13gを粗生成物とし
て得る。本品は精製することなく、次工程に用いた。
【0081】参考例4 (1) (3R)−3−アセチルチオピロリジン−2−オン
9gを参考例1−(2)と同様に処理することにより、
(3R)−3−アセチルチオピロリジン−2−チオン
6.4gを得る。
【0082】m.p.98−100℃ 〔α〕D 23 −123.1°(c=0.72、メタノー
ル) (2) 本品4g及び16%アンモニア−メタノール溶液1
00mlの混合物を、室温で40分間放置する。溶媒を
減圧留去し、残渣を洗浄することにより、(3R)−3
−メルカプトピロリジン−2−チオン4gを粗生成物と
して得る。本品は精製することなく、次工程に用いた。
【0083】参考例5 (3S)−3−アセチルチオピロリジン−2−オンを参
考例1−(2) と同様に処理することにより、(3S)−
3−アセチルチオピロリジン−2−チオンを得る。
【0084】m.p.97−100℃ 〔α〕D 23 −126.6°(c=0.56、メタノー
ル) 参考例6 イソプロポキシカルボニルオキシエチルクロリド(2−
クロロエチルイソプロピルカルボネート)1.67g、
四塩化炭素10ml、ヨウ化ナトリウム2.10及び無
水塩化亜鉛0.08gの混合物を、室温で2時間撹拌し
た後、氷水を加え、有機層を分取する。水層を四塩化炭
素で2回抽出し、有機層と合わせた後、洗浄、乾燥し、
溶媒を減圧留去することにより、イソプロポキシカルボ
ニルオキシエチルヨージド(2−ヨードエチル−イソプ
ロピルカルボネート)1.48gを油状物として得る。
【0085】NMR(CDCl3 ) δppm : 1.31(6H,d,J=6Hz),
2.20(3H,d,J=6Hz),5.00(1H,m),6.82(1H,q,J=6Hz)
【0086】
【発明の効果】1−メチルカルバペネム骨格の2位に、
2−チオキソピロリジン−4−イルチオ基を有する本発
明の有効成分である1−メチルカルバペネム誘導体
〔I〕もしくはその薬理的に許容しうる塩は、エシェリ
キア(Escherichia) 属、サルモネラ(Salmonella)属、シ
ゲラ(Shigella)属、クレブシエラ (Klebsiella) 属、プ
ロテウス(Proteus) 属、モルガネラ(Morganella)属、プ
ロビデンシア(Providencia)属、シトロバクター(Citrob
acter) 属、バクテロイデス(Bacteroides) 属、ストレ
プトコッカス(Streptococcus) 属、スタフィロコッカス
(Staphylococcus)属、エンテロバクター(Enterobacter)
属、セラチア(Serratia)属、シュードモナス(Pseudomon
as) 属等のグラム陽性菌及びグラム陰性菌を含む広範囲
の各種微生物に対し優れた抗菌活性を有し、かつ病原性
の臨床分離株に対しても高い抗菌活性を有するため、感
染症に対して優れた治療効果を示す。
【0087】例えば、本発明の有効成分である1−メチ
ルカルバペネム誘導体〔I〕は、特開平2−49783
号に記載された2位の置換基が2−オキソピロリジン−
4−イルチオ基である化合物と比較して、スタフィロコ
ッカス・アウレウス(S.aureus)、スタフィロコッカス・
エピデルミディス(S.epidermidis) 、エシェリキア・コ
リ(E.coli)、プロテウス・ブルガリス(P.vulgaris)、シ
ュードモナス・アエルギノーザ(P.aeruginosa)に対し2
倍から4倍以上強い抗菌活性を有する。
【0088】さらに、本発明の有効成分である1−メチ
ルカルバペネム誘導体〔I〕もしくはその薬理的に許容
しうる塩は、1−メチルカルバペネム骨格の2位を2−
チオキソピロリジン−4−イルチオ基とすることによ
り、デヒドロペプチターゼIに対してもより一層高い安
定性を示すという優れた特性を有する。
【0089】例えば、上記特開平2−49783号記載
化合物と比較して、本発明の有効成分である1−メチル
カルバペネム誘導体〔I〕は、デヒドロペプチターゼI
に対して約2倍以上優れた安定性を示す。
【0090】また、1−メチルカルバペネム誘導体
〔I〕もしくはその薬理的に許容しうる塩は、高い経口
吸収性を示す。このため、本発明の有効成分は経口投与
した場合でも、血中への移行性や尿中排泄率が高く、優
れた治療効果を発揮するという特長をも有する。例え
ば、マウスに1−メチルカルバペネム誘導体〔I〕を経
口投与した場合、その尿中排泄率は特開平2−4978
3号記載化合物の約2倍以上高い。更に、スタフィロコ
ッカス・アウレウス(S.aureus)感染マウスに1−メチル
カルバペネム誘導体〔I〕を経口投与した場合、上記特
開平2−49783号記載化合物を経口投与したときに
較べて、2から8倍高い治療効果を示す。
【0091】また、1−メチルカルバペネム誘導体
〔I〕もしくはその薬理的に許容しうる塩は、胆道感染
症の原因菌として注目されている嫌気性菌に対しても優
れた抗菌活性を有し、かつ胆汁への移行性が高いため、
胆道感染症に対して特に有効であると考えられる。
【0092】加えて、1−メチルカルバペネム誘導体
〔I〕もしくはその薬理的に許容しうる塩は、低毒性で
あり、医薬として高い安全性を示す。
【0093】例えば、(1R,5S,6S)−2−
〔(4R)−ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕
−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチ
ルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸・イソブチリ
ルオキシメチルエステルをマウスに4000mg/kg経口
投与し、7日間観察しても死亡例は認められなかった。
【0094】また、(1R,5S,6S)−2−〔(4
R)−ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−
〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカル
バペン−2−エム−3−カルボン酸・カリウム塩をマウ
スに2000mg/kg静脈内投与し、5日間観察して
も死亡例は認められなかった。
【0095】従って、本発明の抗菌剤は、例えば、各種
微生物によって惹起される感染症治療・予防剤として、
人間を含む哺乳動物の化学療法剤として、あるいは動物
飼料の添加剤として用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 東太郎 埼玉県浦和市領家7丁目4番7号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1 は水素原子または水酸基の保護基を表し、
    2 は水素原子またはエステル残基を表し、R3 は水素
    原子、低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基
    またはジ低級アルキルアミノ低級アルキル基を表す。)
    で示される1−メチルカルバペネム誘導体又はその薬理
    的に許容し得る塩を有効成分とする抗菌剤。
  2. 【請求項2】 R1 が水素原子であり、R2 が水素原子
    であるか又は低級アルカノイルオキシ低級アルキル基、
    シクロアルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、低級
    アルケノイルオキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低
    級アルカノイルオキシ低級アルキル基、低級アルカノイ
    ルオキシ低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルコキ
    シ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ低級
    アルキル基、低級アルコキシカルボニルオキシ低級アル
    キル基及び低級アルコキシ低級アルコキシカルボニルオ
    キシ低級アルキル基から選ばれるエステル残基であり、
    3 が水素原子又は低級アルキル基である請求項1記載
    の抗菌剤。
  3. 【請求項3】 (1R,5S,6S)−2−〔(4S)
    −ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−
    〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカル
    バペン−2−エム−3−カルボン酸もしくはその薬理的
    に許容し得る塩又はそのエステルを有効成分とする抗菌
    剤。
  4. 【請求項4】 (1R,5S,6S)−2−〔(4R)
    −ピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕−6−
    〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカル
    バペン−2−エム−3−カルボン酸もしくはその薬理的
    に許容し得る塩又はそのエステルを有効成分とする抗菌
    剤。
  5. 【請求項5】 (1R,5S,6S)−2−〔(4S)
    −N−メチルピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕
    −6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチ
    ルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸もしくはその
    薬理的に許容し得る塩又はそのエステルを有効成分とす
    る抗菌剤。
  6. 【請求項6】 (1R,5S,6S)−2−〔(4R)
    −N−メチルピロリジン−2−チオン−4−イルチオ〕
    −6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチ
    ルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸もしくはその
    薬理的に許容し得る塩又はそのエステルを有効成分とす
    る抗菌剤。
  7. 【請求項7】 (1R,5S,6S)−2−〔(3S)
    −ピロリジン−2−チオン−3−イルチオ〕−6−
    〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカル
    バペン−2−エム−3−カルボン酸もしくはその薬理的
    に許容し得る塩又はそのエステルを有効成分とする抗菌
    剤。
  8. 【請求項8】 (1R,5S,6S)−2−〔(3R)
    −ピロリジン−2−チオン−3−イルチオ〕−6−
    〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチルカル
    バペン−2−エム−3−カルボン酸もしくはその薬理的
    に許容し得る塩又はそのエステルを有効成分とする抗菌
    剤。
JP5035990A 1992-02-27 1993-02-25 抗菌剤 Expired - Fee Related JP2643754B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5035990A JP2643754B2 (ja) 1992-02-27 1993-02-25 抗菌剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9247992 1992-02-27
JP4-92479 1992-02-27
JP5035990A JP2643754B2 (ja) 1992-02-27 1993-02-25 抗菌剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH069393A true JPH069393A (ja) 1994-01-18
JP2643754B2 JP2643754B2 (ja) 1997-08-20

Family

ID=26375007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5035990A Expired - Fee Related JP2643754B2 (ja) 1992-02-27 1993-02-25 抗菌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2643754B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0249783A (ja) * 1988-05-10 1990-02-20 Sankyo Co Ltd 1―メチルカルバペネム誘導体

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0249783A (ja) * 1988-05-10 1990-02-20 Sankyo Co Ltd 1―メチルカルバペネム誘導体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2643754B2 (ja) 1997-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI84826C (fi) Foerfarande foer framstaellning av 6 -(1-hydroxietyl-2-substituerad-2-karbapenem-3-karboxylsyror anvaendbara som laekemedel.
KR100200986B1 (ko) 카르복시 치환 페닐기를 포함하는 카르바페넴, 이것의 제조방법, 이것의 제조시의 중간 물질, 및 이것을 함유하는 약학 조성물
EP0474243B1 (en) 1-Methylcarbapenem derivatives and process for preparation thereof
KR100331293B1 (ko) 2-[1-(1,3-티아졸린-2-일)아제티딘-3-일]티오카르바페넴유도체
HU196800B (en) Process for producing carbepeneme derivatives and pharmaceutical compositions containing them as active component
EP0586663B1 (en) Carbapenem derivatives as antibiotics and intermediates thereof
KR880001069B1 (ko) 카르바페넴 유도체및 그의 제조방법
AU609488B2 (en) (5r, 6s, 1r)-6-(1-hydroxyethyl)-2-(methoxymethyl)penem-3- carboxylic acid derivatives
EP0581501B1 (en) Antibiotic carbapenem compounds
JP2643754B2 (ja) 抗菌剤
US5208348A (en) Mercaptan compound
US5321020A (en) Antibacterial 2-carbapenem derivatives
US5444057A (en) Carbapenem-antibiotic compounds
EP0581502B1 (en) Antibiotic carbapenem compounds
JP2934283B2 (ja) カルバペネム誘導体
WO1995014692A1 (en) Cabapenem derivatives and processes for preparing the same
JPH04103584A (ja) 1―メチルカルバペネム誘導体
JP2003183281A (ja) カルバペネム化合物
JPS6261980A (ja) カルバペネム抗生物質
JP2832742B2 (ja) カルバペネム誘導体
JPH04117382A (ja) 1―メチルカルバペネム誘導体及びその製法
JPH0475238B2 (ja)
JPH03275685A (ja) カルバペネム誘導体
JPS6248687A (ja) 7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプト−2−エン誘導体
JPH0717977A (ja) (1r,5s,6s)−2−[(4−置換−1,3−チアゾール−2−イル)アミノカルボニルメチルチオ]−6−[(r)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees