JPH0717977A - (1r,5s,6s)−2−[(4−置換−1,3−チアゾール−2−イル)アミノカルボニルメチルチオ]−6−[(r)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート - Google Patents

(1r,5s,6s)−2−[(4−置換−1,3−チアゾール−2−イル)アミノカルボニルメチルチオ]−6−[(r)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート

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JPH0717977A
JPH0717977A JP5209821A JP20982193A JPH0717977A JP H0717977 A JPH0717977 A JP H0717977A JP 5209821 A JP5209821 A JP 5209821A JP 20982193 A JP20982193 A JP 20982193A JP H0717977 A JPH0717977 A JP H0717977A
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Toshio Kumagai
年夫 熊谷
Sei Tamai
聖 玉井
Takao Abe
阿部  隆夫
Chisato Sato
千里 佐藤
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Lederle Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式(I)で示される化合物およびその薬理
学的に許容し得る塩、それらの製造方法ならびに当該化
合物またはその薬理学的に許容し得る塩を有効成分とし
て含有する抗菌剤。 〔式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を、R
基−OH、基−NH、低級アルコキシ基又はモノ
(ジ)低級アルキルアミノ基を、表す〕 【効果】式(I)の化合物は強力な抗菌活性を示し、し
かも、β−ラクタマーゼ阻害作用及び腎デヒドロペプチ
ダーゼに対する優れた耐性を有するため、抗菌剤として
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルバペネム系抗生物質
に関し、更に詳細には、カルバペネム骨格の1位にβ−
配位のメチル基を有し、かつ、2位に4−置換−1,3
−チアゾール−2−イルアミノカルボニルメチルチオ基
を有するカルバペネム化合物、該化合物を有効成分とす
る抗菌剤、並びに、該化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の抗菌活性を目的として
次式(A)
【0003】
【化6】
【0004】で示されるカルバ−2−ペネム−3−カル
ボン酸を基本骨格とするカルバペネム系抗生物質が多数
提案されている。
【0005】例えば初期のカルバペネム系抗生物質は、
ストレプトミセス・カトレヤ(Streptomyce
s cattleya)の発酵により得られる次式
(B)
【0006】
【化7】
【0007】で示されるチエナマイシンのような天然由
来のカルバペネム化合物である。このチエナマイシンは
広範囲にわたるグラム陽性菌、グラム陰性菌に対して優
れた抗菌スペクトラムを有し、有用性の高い化合物とし
てその開発が期待されたものの、化学的安定性が悪く、
実用化されるまでには至っていない。
【0008】そのため多くの研究者は、上記式で示され
るチエナマイシンの抗菌活性を保有しかつその化学的安
定性が確保されたカルバペネム化合物を開発するために
努力し、その結果、チエナマイシンの2位側鎖のアミノ
基をホルムイミドイル化した次式(C)
【0009】
【化8】
【0010】で示されるイミペネム(imipene
m;INN)が実用的抗菌剤として登場するに至った。
【0011】しかし、上記式(C)で示されるイミペネ
ムは、チエナマイシンより優れた抗菌活性を示し、化学
的安定性はある程度確保されているものの、生体内にお
いて腎デヒドロペプチダーゼ(DHP)により分解不活
性化が短時間のうちに生じてしまうという欠点を有して
いる。そのためイミペネムは単独で投与することができ
ず、DHP阻害剤と併用し、その分解不活性化を抑制し
てやらなければならない。したがって、この化合物の実
際的製剤はDHP阻害剤の一種であるシラスタチン(c
ilastatin;INN)と併用したイミペネム/
シラスタチンの配合処方となっている。
【0012】しかしながら、臨床的に使用される実用的
な抗菌剤としては抗菌剤本来の抗菌活性がそのまま発揮
されるのが好ましく、また、併用するDHP阻害剤が生
体内の他の組織において好ましからざる副作用を発揮す
るおそれがあることも考えられるので、配合処方は極力
回避したほうが良いことはいうまでもない。そのため、
抗菌活性と同時にDHPに対する耐性をも保有するカル
バペネム化合物の開発が強く要望されている。
【0003】最近に至り上述の目的を達成させるものと
して、カルバペネム骨格の1位にメチル基が導入されか
つ2位にヘテロアラルキル基が導入された1−メチルカ
ルバペネム化合物が提案されている。例えば特開昭55
−89285号公報には、下記一般式(D)
【0014】
【化9】
【0015】で示される1−メチルカルバペネム類が記
載されている。該公報には、置換基Rの定義から1−
メチル−2−ヘテロアラルキルチオ−カルバペネム化合
物が開示されているものと考えられるが、これらの化合
物は広範囲の病原菌に対して活性であると報告されてい
る。
【0016】しかしながら、上記公報には、これら1−
メチルカルバペネム化合物について上位概念による広い
記載はあるもののその具体例は少なく、特に2位にヘテ
ロアラルキルチオ基が置換する化台物は例示すらなされ
ていない。さらに、抗菌活性が優れているとの一般的記
述はなされているが具体的抗菌活性データについての記
載は皆無である。したがって、該公報には、本明細書に
おいてクレームする、特定の2位置換基を有し、かつ薬
理学的に優れた特性を持つ本発明の化合物について、な
んら示唆を与えるものではない。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、今回、1
位がβ−配置でメチル置換され、そして、2位側鎖とし
て4−置換−1,3−チアゾール−2−イルアミノカル
ボニルメチルチオ基が導入されたカルバペネム化合物
が、強力な抗菌活性を示し、しかも、β−ラクタマーゼ
阻害作用並びに腎デヒドロペプチダーゼに対する優れた
耐性を有することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。かくして、本発明は式(I)
【0018】
【化10】
【0019】式中、Rは水素原子又は低級アルキル基
を表し、Rはヒドロキシ基、低級アルコキシ基、アミ
ノ基、またはモノ−若しくはジ−低級アルキル置換アミ
ノ基を表す、で示される(1R,5S,6S)−2−
[(4−置換−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ
カルボニルメチルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキ
シエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−
カルボキシレートおよびその薬理学的に許容し得る塩を
提供するものである。
【0020】本発明はまた、式(II)
【0021】
【化11】
【0022】式中、Rはカルボキシル保護基を表し、
はアシル基を表す、で示される化合物を式(II
I)
【0023】
【化12】
【0024】式中、R及びRは前記定義のとおりで
ある、で示される(4−置換−1,3−チアゾール−2
−イル)アミノカルボニルメチルチオールと反応させ、
次いで得られる式(IV)
【0025】
【化13】
【0026】式中、R、R及びRは前記定義のと
おりである、で示される化合物から保護基Rを脱離せ
しめることを特徴とする前記式(I)で示されるカルバ
ペネム化合物またはその塩の製造方法をも提供するもの
である。
【0027】本発明のカルバペネム化合物は、先行文献
にはその具体的な製造方法や化学的・薬理学的データが
何ら記載されていない新規な化合物であり、その抗菌力
が特異的に優れている点に特徴を有するものである。
【0028】なお、本明細書中において、「低級」なる
語はこの語が付された基または化合物の炭素原子数が1
〜7個、好ましくは1〜4個であることを意味する。ま
た、「低級アルキル基」は直鎖状または分岐鎖状のいず
れでもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、
n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプ
チル等が挙げられる。
【0029】「低級アルコキシ基」は、抵級アルキル基
が上記の意昧を有する低級アルキル置換オキシ基を意味
し、例えばメチトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イ
ソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−
ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、
イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシ
ルオキシ、n−ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ等
が挙げられる。
【0030】「カルボキシル保護基」としては、例え
ば、エステル残基を例示することができ、かかるエステ
ル残基としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−、iso−、tert−ブチル、n−ヘキ
シルエステル等の低級アルキルエステル残基;ベンジ
ル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジル、m−ニ
トロベンジル、2,4−ジニトロベンジル、p−クロロ
ベンジル、p−ブロモベンジル、p−メトキシベンジル
等のアラルキルエステル残基;アセトキシメチル、アセ
トキシエチル、プロピオニルオキシメチル、n−、is
o−ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル等
の低級脂肪族アシルオキシメチル残基等が挙げられる。
【0031】「アシル基」は、単に有機カルボン酸のカ
ルボキシル基からOH基を除いた残りの原子団のみなら
ず、広義に、有機スルホン酸や有機リン酸から誘導され
るアシル基をも包含し、例えばアセチル、プロピオニ
ル、ブチリル等の低級アルカノイル基;メタンスルホニ
ル、トリフルオロメタンスルホニル基等の(ハロ)低級
アルキルスルホニル基;ベンゼンスルホニル、p−ニト
ロベンゼンスルホニル、p−ブロモベンゼンスルホニ
ル、トルエンスルホニル、2,4,6−トリイソプロピ
ルベンゼンスルホニル等の置換もしくは未置換のアリー
ルスルホニル基;ジフェニルホスホリル基等が挙げられ
る。
【0032】本発明により提供される式(I)の化合物
の代表例は、下記第1表に示す通りである。
【0033】
【表1】
【0034】本発明の式(I)の化台物の製造方法を模
式的に示せば、下記反応式Aのとおりである。
【0035】
【化14】
【0036】式中、R、R、R及びRは前記定
義のとおりである。
【0037】式(II)の化合物と式(III)で示さ
れる4−置換−1,3−チアゾール−2−イルアミノカ
ルボニルメチルチオールとの反応は、例えば、式(I
I)の化合物を、テトラヒドロフラン、ジクロルメタ
ン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、アセトニトリル、ヘキサメチルホスホラミド
等の適当な溶媒中で、約0.5〜約5倍モル量、好まし
くは約0.8〜約3倍モル量の式(III)のチオール
化合物と、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウ
ム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンな
どの塩基の存在下に、約−40〜約25℃の範囲内の温
度で約30分〜約24時間反応させることにより行うこ
とができる。
【0038】反応は、不活性ガス、例えば窒素ガスまた
はアルゴンガス気流中で行うことが好ましい。
【0039】この反応により式(IV)の化合物が得ら
れ、反応液はそのまま次の工程で用いることができる
が、場合によっては、反応液を通常の精製手段に付すこ
とにより、式(IV)の化合物を単離精製することもで
きる。
【0040】上記の反応により得られる式(IV)の化
合物は、次いで、カルボキシル保護基Rを脱離せしめ
ることにより式(I)の化合物を生成せしめることがで
きる。
【0041】カルボキシル保護基Rの脱離は、ソルボ
リシス又は水素添加分解のようなそれ自体既知の脱保護
基反応により行うことができる。
【0042】具体的には、式(IV)の化合物を、例え
ば、pH5.5の酢酸緩衝液、pH5.5のモルホリノ
プロパンスルホン酸−水酸化ナトリウム緩衝液、pH
5.5のリン酸塩緩衝液、リン酸二カリウム、重炭酸ナ
トリウム等を含むテトラヒドロフラン−水、テトラヒド
ロフラン−エタノール−水、ジオキサン−水、ジオキサ
ン−エタノール−水、n−ブタノール−水等の混合溶媒
中で、約1〜4気圧の水素を用い、酸化白金、パラジウ
ム−活性炭、水酸化パラジウム−活性炭などの水添触媒
の存在下に、約0〜約50℃の範囲内の温度で約0.2
5〜約5時間処理することにより行うことができる。
【0043】また、保護基Rの脱離は緩衝液中にて亜
鉛で処理することにより実施することもできる。例え
ば、式(IV)の化合物をpH5〜7の緩衝液、例えば
リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、モルホリ
ノプロパンスルホン酸緩衝液、N−メチルモルホリン酸
緩衝液中にて亜鉛で処理することにより行うことができ
る。使用し得る亜鉛としては、例えば亜鉛粉末、華状亜
鉛、顆粒亜鉛が挙げられ、その使用量は特に限定されな
いが、一般には式(IV)の化合物1重量部に対し1〜
10重量部、好ましくは1〜5重量部の範囲内とするこ
とができる。また、本脱離反応においては、必要に応
じ、有機溶媒を併用してもよく、そのような溶媒として
は、エタノール、プロパノール、n−ブタノールなどの
アルコール系溶媒;ジエチルエタノール、テトラヒドロ
フランなどのエーテル系溶媒;アセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられ
る。反応は、通常、約−20〜約50℃、好ましくは室
温〜約30℃の温度で、0.1ないし5時間程度処理す
ることにより完了させることができる。
【0044】かくして、本発明の目的化合物である式
(I)の(1R,5S,6S)−2−[(4−置換−
1,3−チアゾール−2−イル)アミノカルボニルメチ
ルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1
−メチル−カルバペン−2−エム3−カルボキシレート
を高収率で得ることができるが、該化合物は、必要に応
じて有機酸又は無機酸で処理すれば、式(I)の化合物
の任意の酸付加塩として単離することもできる。ここで
用いられる有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン
酸、酪酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等の低級
脂肪酸;安息香酸、P−ニトロ安息香酸等の置換又は未
置換の安息香酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸等の(ハロ)低級アルキルスルホン酸;ベ
ンゼンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、p
−ブロモベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸等の
置換又は未置換のアリールスルホン酸;ジフェニルリン
酸等の有機リン酸を挙げることができ、無機酸として
は、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ホ
ウフッ化水素酸、過塩素酸、亜硝酸等が挙げられる。
【0045】以上に述べた製造方法において出発原料と
して使用される前記式(II)の化合物はそれ自体既知
のものであり、例えば特開昭56−123985号公報
に記載の方法によって製造することができ、あるいは好
適には、特開昭63−284176号公報に記載の方法
により高立体選択的に製造することができる。
【0046】また、上記式(III)の4−置換−1,
3−チアゾール−2−イルアミノカルボニルメチルチオ
ールは、例えば、下記反応式Bに示す方法によって製造
することができる。
【0047】
【化15】
【0048】式中、R及びRは前記定義のとおりで
ある。
【0049】上記反応式Bにおいて、まず、式(V)で
示される化合物にチオ酢酸カリウムを反応させて式(V
I)で示される化合物となし、これを加水分解すること
により式(III)で示される化合物を得ることができ
る。
【0050】本発明によって提供される式(I)のカル
バペネム化合物は、前記のとおり、従来の文献に具体的
には開示されていない新規な化合物であって、抗菌力が
特異的に優れている。本発明の化合物の優れた抗菌力
は、以下の抗菌試験の結果により証明することができ
る。
【0051】[抗菌試験] 1.試験方法 日本化学療法学会標準法[Chemothrapy,v
ol29,76〜79(1981)]に準じた寒天平板
希釈法による。すなわち、被検菌のMueller−H
inton(MH)寒天液体培地上での37℃、一夜培
養液を約10cells/mlになるようにBuff
ered saline gelatin(BSG)溶
液で希釈し、ミクロプランターを用い試験化合物含有M
H寒天培地に約5μl接種し、37℃で18時間培養
後、被検菌の発育が認められない最小濃度をもってMi
nimum inhibitory concentr
ation(MIC)とした。
【0052】ここで、使用菌株は標準菌株を用いた。
【0053】なお、試験化合物としては後記実施例2に
記載の化合物(6)を用いた。
【0054】2.結果 結果を下記第2表に示す。
【0055】
【表2】
【0056】上記の結果から、本発明のカルバペネム化
合物は優れた抗菌力を有することが明らかである。
【0057】さらに、本発明の化合物は、1位がβ−配
置でメチル置換されていること、および、2位に側鎖と
してユニークな4−置換−1,3−チアゾール−2−イ
ルアミノカルボニルメチルチオ基を有していること等の
構造上の特徴のために、腎デヒドロペプチダーゼ(DH
P)による攻撃に対して極めて安定であり、かつ化学的
および物理的安定性も高いことが予測される。
【0058】[毒性試験]体重20〜23gのCrjC
D(SD)系雄性マウスを10匹使用し、後記実施例2
に記載の本発明のカルバペネム化合物(6)を含む溶液
を皮下投与し、1週間にわたる観察を行った。その結
果、本発明のカルバペネム化合物(6)は500mg/
kgの投与でもすべて異常なく生存したことが観察され
た。
【0059】したがって、式(I)で示される化合物
は、腎DHP阻害剤との併用が必要でなく単独で使用す
ることができ、しかも、種々の病原菌による細菌感染症
の治療や予防に極めて有用な抗菌剤となることが期待さ
れる。
【0060】式(I)の化合物またはその薬理学的に許
容し得る塩は、これを抗菌剤として使用するに際して、
その抗菌的有効量を含有する薬剤学的組成物の形で人間
をはじめとする哺乳動物に投与することができる。その
投与量は処置すべき患者の年齢、体重、症状、薬剤の投
与形態、医師の診断等に応じて広い範囲にわたり変える
ことができるが、一般に、成人に対しては1日当たり約
200〜約3,000mgの範囲内の用量が標準的であ
り、通常これを1日1回または数回に分けて経口的、非
経口的または局所的に投与することができる。
【0061】しかして、上記の薬剤学的組成物は、医
薬、特に抗生物質の製剤において慣用されている無機も
しくは有機の固体または液体の製剤用担体または希釈
剤、例えば、でんぷん、乳糖、白糖、結晶セルロース、
リン酸水素カルシウム等の賦形剤;アカシア、ヒドロキ
シプロピルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビ
ニルピロリドン等の結合剤;ステアリン酸、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、水
添植物油等の滑沢剤;加工でんぷん、カルシウムカルボ
キシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセル
ロース等の崩壊剤;非イオン性界面活性剤、アニオン性
界面活性剤等の溶解補助剤等と共に、経口的、非経口的
または局所的投与に適した剤形に製剤化することができ
る。
【0062】経口投与に適した剤形には、錠剤、コーテ
ィング剤、カプセル剤、トローチ剤、散剤、細粒剤、顆
粒剤、ドライシロップ剤等の固体製剤、あるいはシロッ
プ剤等の液体製剤が挙げられ、非経口投与に適した剤形
としては、例えば注射剤、点滴剤、坐剤等が包含され
る。また、局所投与に適した剤形には軟膏、チンキ、ク
リーム、ゲル等が挙げられる。これらの製剤は製剤学の
分野でそれ自体周知の方法で調製することができる。
【0063】本発明のカルバペネム化合物は特に注射剤
の形態で非経口的に投与するのが好適である
【0064】次に、製造例および実施例により、本発明
のカルバペネム化合物の製造についてさらに詳細に説明
するが、本発明が以下の記載によって何ら限定されるも
のでないことはいうまでもない。
【0065】なお、以下の記載中の各記号は、下記の意
昧を有する。
【0066】Me :メチル Et :エチル Ph :フェニル Ac :アセチル PNB:p−ニトロベンジル製造例
【0067】
【化16】
【0068】エチル 2−(2−クロロアセトアミド−
1,3−チアゾール−4−イル)−(z)−2−メトキ
シイミノアセテート(1)457.5mgのジクロルメ
タン20ml溶液にトリエチルアミン0.21ml及び
チオ酢酸0.11mlを加え、室温にて30分間撹拌す
る。反応液を5%重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し硫酸
マグネシウムで乾燥した後,溶媒を減圧化留去して、エ
チル 2−(2−アセチルチオアセトアミド−1,3−
チアゾール−4−イル)−(z)−2−メトキシイミノ
アセテート(2)を淡黄褐色の固体として516mg
(収率:定量的)得た。 H−NMR(CDCl)δ:1.39(t,3H,
J=7.10Hz)、2.47(s,3H)、3.78
(s,2H)、4.04(s,3H)、4.43(q,
2H,J=7.10Hz)、7.18(s,1H)実施例1
【0069】
【化17】
【0070】(a)上記製造例2で得られた化合物
(2)の無水エタノール5ml溶液を、窒素気流中氷冷
下にて、55%水素化ナトリウム43.6mgのエタノ
ール10ml溶液に加える。同温度にて2時間撹拌した
後、酢酸エチル及び1規定塩酸を加えて抽出し、得られ
る有機層を飽和食塩水で洗浄する。この有機層を硫酸マ
グネシウムで乾燥した後溶媒を減圧下留去して、エチル
2−(2−メルカプトアセトアミド−1,3−チアゾ
ール−4−イル)−(z)−2−メトキシイミノアセテ
ート(3)を淡黄色油状物として得た。 (b)上記(a)で得られた化合物(3)を無水アセト
ニトリル15mlに溶解し、p−ニトロベンジル−(1
R,5R,6S)−2−(ジフェニルフォスフォリルオ
キシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−
メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(4)594mgを加える。この溶液に、窒素気流中氷
冷下にて、ジイソプロピルエチルアミン0.17mlを
加えて、同温度にて2時間撹拌し、さらに室温にて1時
間撹拌する。反応液の溶媒を減圧下留去して、得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホ
ルム:アセトン=3:1)に付して、p−ニトロベンジ
ル−(1R,5S,6S)−2−[4−(エトキシカル
ボニル−(z)−メトキシイミノメチル)−1,3−チ
アゾール−2−イル]アミノカルボニルメチルチオ−6
−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カ
ルバペン−2−エム−3−カルボキシレート(5)を淡
黄色固体として220mg(化合物(2)からの収率:
34%)得た。 H−NMR(CDCl)δ:1.24(d,3H,
J=7.3Hz)、1.38(t,3H,J=7.3H
z)、3.28(dd,1H,J=2.6,6.6H
z)、3.42〜3.48(m,1H)、3.61(d
(AB),1H,J=16.2Hz)、3.82(d
(AB),1H,J=16.2Hz)、4.00(s,
3Hz)、4.20〜4.27(m,2H)、4.42
(q,2H,J=7.3Hz)、5.26(d(A
B),1H,J=13.9Hz)5.51(d(A
B),1H,J=13.9Hz)、7.21(s,1
H)、7.66(d,2H,J=8.9Hz)、8.2
2(d,2H,J=8.9Hz)実施例2
【0071】
【化18】
【0072】上記実施例1で得られた化合物(5)20
0mgのテトラヒドロフラン4ml溶液にn−ブタノー
ル5ml、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)5m
l、及び10%パラジウム炭素100mgを加えて、水
素雰囲気下(4kg/cm)に2時間激しく撹拌す
る。反応液をセライトで濾過して不溶物を除去し、得ら
れた溶液を減圧下濃縮する。濃縮液をDiaion S
P−207▲R▼(三菱化成工業株式会社製)によるカ
ラムクロマトグラフィー(30%イソプロピルアルコー
ル水)に付して、本発明の(1R,5S,6S)−2−
[4−(エトキシカルボニル−(z)−メトキシイミノ
メチル)−1,3−チアゾール−2−イル]アミノカル
ボニルメチルチオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボ
ン酸(6)を淡黄色固体として50mg(収率:31.
6%)得た。 H−NMR(DO)δ:1.05(d,3H,J=
6.3Hz)、1.16(d,3H,J=6.3H
z)、1.26(t,3H,J=6.3Hz)、3.3
0〜3.40(m,1H)、3.40〜3.45(m,
1H)、3.50〜3.70(m,1H)、3.70〜
3.80(m,1H)、3.92(s,3H)、3.9
5〜4.20(m,2H)、4.38(q,2H,J=
6.3Hz)、8.37(s,1H) 次に、本発明のカルバペネム化合物を用いた製剤例を示
すと以下のとおりである。
【0073】 上記成分を混合し、総容積100mlの懸濁注射剤とす
る。
【0074】(2)凍結乾燥する場合 化合物(6)20gに蒸留水を適量加えて、容積100
mlとする。1バイアル中に上記水溶液2.5mlまた
は5ml(それぞれ、化合物500mgまたは1000
mgを含有する)を充填し、凍結乾燥する。用時、蒸留
水約3〜4mlを添加して注射剤とする。
【0075】(3)粉末充填する場合 1バイアル中に化合物(6)250mgを粉末のまま充
填する。用時、蒸留水約3〜4mlを添加して注射剤と
する。
【0076】 上記の成分を混合し、常法により打錠して錠剤とした
後、必要に応じて常法により糖衣もしくはフィルムコー
ティングして糖衣錠もしくはフィルムコーティング錠と
する。
【0077】 上記の成分を混合し、常法により打錠してトローチ剤と
する。
【0078】 上記の成分を混合し、これを通常の硬ゼラチンカプセル
に充填してカプセル剤とする。
【0079】 上記の成分を混合してドライシロップ剤とする。
【0080】 上記の成分を混合して散剤とする。
【0081】 上記の成分を混合し、これを常法により坐剤とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (54)【発明の名称】 (1R,5S,6S)−2−[(4−置換−1,3−チアゾール−2−イル)アミノカルボニル メチルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム− 3−カルボキシレート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を表し、R
    はヒドロキシ基、低級アルコキシ基、アミノ基、または
    モノ−若しくはジ−低級アルキル置換アミノ基を表す、
    で示される(1R,5S,6S)−2−[(4−置換−
    1,3−チアゾール−2−イル)アミノカルボニルメチ
    ルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1
    −メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレー
    トおよびその薬理学的に許容し得る塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の式(I)で示されるカル
    バペネム化合物またはその薬理学的に許容し得る塩を有
    効成分として含有することを特徴とする抗菌剤。
  3. 【請求項3】 式(II) 【化2】 式中、Rはカルボキシル保護基を表し、Rはアシル
    基を表す、で示される化合物を式(III) 【化3】 式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を表し、R
    はヒドロキシ基、低級アルコキシ基、アミノ基、または
    モノ−若しくはジ−低級アルキル置換アミノ基を表す、
    で示される4−置換−1,3−チアゾール−2−イルア
    ミノカルボニルメチルチオールと反応させ、次いで得ら
    れる式(IV) 【化4】 式中、R、R及びRは前記定義のとおりである、
    で示される化合物から保護基Rを脱離せしめることを
    特徴とする式(I) 【化5】 式中、R及びRは前記定義のとおりである、で示さ
    れる(1R,5S,6S)−2−[(4−置換−1,3
    −チアゾール−2−イル)アミノカルボニルメチルチ
    オ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メ
    チル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレートお
    よびその塩の製造方法。
JP5209821A 1993-06-30 1993-06-30 (1r,5s,6s)−2−[(4−置換−1,3−チアゾール−2−イル)アミノカルボニルメチルチオ]−6−[(r)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート Pending JPH0717977A (ja)

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