JPH0693237A - 化粧材接着用テープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、開孔部のある織布、不織布等
の化粧材を接着固定するに際し、開孔部を通して接着部
分の光沢が見える事なく、又粘着テープのように表面に
粘着剤が浸出しゴミが付着することがない両面テープを
提供することにある。 【構成】プラスチックフィルム基材の一面に、微小中空
球状充填剤を含有した、熱活性接着剤層を設け、基材の
他の一面に感圧接着剤層を設けてなる両面テープであ
る。使用に際しては、微小中空球状充填剤を含有する熱
活性接着剤面を化粧材に加熱プレスまたは加熱ラミネー
ト等により、熱接着して用いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築壁装材、間仕切
り、家具、自動車内装材、家電製品などの、織布、不織
布、組布、パンチングシートなどの開孔部を有する化粧
材を美粧性を損なわずに接着固定するための両面テープ
に関する。

【０００２】

【従来の技術、発明が解決しようとする課題】各種の開
孔部を有する部材の化粧用には、現在、ポリエステルや
ポリウレタンなどの繊維からなる織布、不織布、組布な
どが多く用いられ、これを成型物に貼り付けるにあたっ
ては、またポリ塩化ビニルシート、ポリアクリロニトリ
ル・ブタジエン・スチレン共重合体のシートの、パンチ
ングしたものなどを液状接着剤や両面粘着テープで貼り
あわせる方法が一般的である。しかし、液状接着剤は、
例えば溶剤系接着剤であれば有機溶剤を用いるため乾燥
に時間がかかり、また成型物の材質によってはその表面
を侵すため適用できない、人体への毒性の問題があるな
どの欠点があり、無溶剤型のエポキシ系やウレタン系２
液混合型あるいは湿気硬化型１液型接着剤などでは塗布
後圧締し、硬化するまで長い時間養生しなければならな
いという欠点を有している。また、両面粘着テープを用
いる方法では、接着が容易であるという利点はあるもの
の、粘着剤が使われているため、化粧材開孔部からテー
プ表面にゴミが侵入し付着して外観を著しく損なうほ
か、テープが本来平滑な表面を有すると同時に粘着剤が
フローしやすい性質を有するため、貼り付け後にこれら
の化粧材の開孔部から粘着剤表面、あるいは断面の光沢
が出てしまい美粧性に問題があり、これらの欠点の解決
が待たれていた。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するための異なった接着層を設けたプラスチック
フィルム基材の両面テープを与えるものである。即ち、
本発明は、プラスチック基材の一面に、微小中空球状充
填剤を含有した熱活性接着剤層を設け、基材の他の一面
に感圧接着剤層を設けてなることを特徴とする、化粧材
接着用両面テープにより、表面粘着性をなくし、ゴミの
付着の心配がなく、また表面又は断面の光沢をなくすこ
とを得たものである。一面に設けた微小中空球状充填剤
は、熱活性接着剤の表面にランダムに一部が突出しする
ため、これにより接着層の光沢を防止することができ
る。熱活性接着剤はそれ自体は加熱時以外にフローする
ことなく、微小中空球状充填剤はそのまま固着されるの
で経時的に光沢が生じてくるということもない。またこ
のように充填された熱活性接着剤は表面タックを有しな
いため、打ち抜きなどの加工性においてもすぐれるもの
である。本考案にもちいることのできるプラスチックフ
ィルムは、一般にテープ、ラベル等に用いられているよ
うな材料であれば何でもよく、例としてはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、
ポリイミド、などが挙げられるが、勿論これらに限定さ
れるものではない。本考案プラスチックフィルムの一面
に設けられる熱活性接着剤は、常温で粘着力がなく、加
熱プレスあるいは加熱ラミネート等によって接着剤層が
溶融あるいは軟化して化粧材に対し、ぬれ拡がり、接着
性を発揮しうるものであれば何でもよく、例えばホット
メルト接着剤としてのエチレン酢酸ビニル樹脂系、ポリ
エステル樹脂系、ポリアミド樹脂系、溶液型接着剤とし
てクロロプレンゴム系、ニトリルブタジエンゴム系、ス
チレンブタジエンゴム系、アクリル樹脂系、ポリエステ
ル樹脂系、ポリウレタン樹脂系なども挙げられる。これ
らに適宣接着付与剤や充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、顔料などを添加して粘着性のない熱活性接着剤を得
ることが可能であるが、これらの中でもポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂は特に好適である。ポリエステル
樹脂は、それ自体が非常に結晶性に富むので、一般に粘
着性が全くなく、ホットメルト接着剤としても溶液型接
着剤としても使用可能である。本考案のポリエステル樹
脂は、多価アルコールと多価カルボン酸またはその低級
アルキルエステルもしくは無水物と多価アルコールとの
エステル化反応またはエステル交換によって合成され
る。多価アルコールの例としてはエチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメ
チレングリコール、１，４ブタンジオール、１，６ヘキ
サンジオール、１，４シクロヘキサンジオール、グリセ
リン、トリメチロールプロパンなど、またはこれらのア
ルキレンオキサイド付加物などの１種または２種以上
と、多価カルボン酸の例としてマロン酸、マレイン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸ＴＰＡの芳香族ジカルボン
酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸
などの１種または２種以上とからの組合せによりなるポ
リエステルポリオール、またはε−カプロラクトン、プ
ロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなど
の環状エステルを開環重合したポリオール、さらに前記
ポリオール、多価カルボン酸、環状エステルの三種から
のポリエステルポリオールなどが好適に使用できる。

【０００４】ポリウレタン樹脂系接着剤も、ポリエステ
ル樹脂同様粘着性がなく、種々の材料を得ることが容易
である。高い接着性能が広範囲の被着体において得られ
るので、好ましい点が多い。ポリウレタン系接着剤は、
上記多価アルコールと多価カルボン酸からなるポリエス
テルポリオール、またはポリカプロラクトンポリエステ
ルポリオール、もしくは前記両者を主鎖中に有するポリ
エステルポリオールまたは、ポリエチレングリコール、
エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体などの
ポリエーテルポリオール、あるいはポリカーボネートジ
オール、ヒマシ油等といった各種のポリオールと、イソ
シアネート化合物の反応によって得られるもので、イソ
シアネート化合物としては例えばジフェニルメタンジイ
ソシアネート、２，４トリレンジイソシアネート、フェ
ニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート
等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネートの脂肪族、ま
たは脂環族ジイソシアネートが挙げられる。ポリウレタ
ン樹脂の合成工程においては鎖延長剤として活性水素を
分子内に有する低分子化合物が一般的に用いられるが、
本発明においてもこれらエチレングリコール、ブタンジ
オール、１，６ヘキサンジオール、などのジオール、
水、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、フェニレ
ンジアミン、トリレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジ
ンなどが１種または２種以上で混合されて用いることが
できる。イソシアネートと反応させる各種ポリオールは
平均分子量が３００〜５，０００程度のものが好まし
く、イソシアネート１モルに対しポリオールと鎖延長剤
を合計して１〜２モルになるように設計するのが好まし
い。ポリウレタン樹脂の合成はトルエン、メチルエチル
ケトン、アセトン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ジオ
キサン、メチルセロソルブアセテートなどの溶液中で反
応生成物の濃度が３５％以上になるように仕込み、窒素
気流中で加熱付加反応させ反応終了後に希釈を行う。こ
のようにして得られたポリウレタン樹脂の熱活性接着剤
としての好ましい平均分子量は６，０００〜２００，０
００、より好ましくは８，０００〜１００，０００であ
り、ガラス転移点は−６０℃〜７０℃、より好ましくは
−４０℃〜５０℃の範囲である。

【０００５】熱活性接着剤としては、これらのポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂を単独あるいは混合して、
または接着付与剤、顔料、充填剤、老化防止剤などを適
宜配合して用いることもでき、又これらの樹脂の末端に
ある水酸基、カルボン酸などの活性水素と、三官能以上
のイソシアネート架橋剤などをごくわずかに反応させ、
部分硬化させて熱活性接着後の耐熱性、耐久性などを向
上させることも可能である。熱活性接着剤に配合材とし
て用いる微小中球状充填剤は、シリカバルーン、ガラス
マイクロバルーン、アルミナバブル、フライアッシェバ
ルーン、シラスバルーン、フェノールマイクロバルー
ン、ポリ塩化ビニリデン中空体、ピッチ中空球体などが
挙げられ各種のものが使用可能であるが、表面の光沢を
消す作用としては粒径が１〜２００μｍ、より好ましく
は５〜１００μｍの範囲のものが望ましいので、この範
囲の微小中空球状充填剤としてはガラスマイクロバルー
ン、シリカバルーン、シラスバルーンが最も適当である
が、勿論これに限定されるものではない。熱活性接着剤
に添加されたこれらの微小中空球状充填剤は、プラスチ
ックフィルム面上に接着剤が塗付されると表面にその一
部を突出させるが、この微小中空球状充填剤の表面には
熱活性接着剤が薄く被覆されているので、微小中空球状
充填剤に向かって入射する光は屈折し、中空球体内部で
散乱光となるため、反射光として光沢を発現することが
なくなる。また、プラスチックフィルムの他の一面に設
けられる感圧接着剤は一般に用いられるものであって、
アクリル系粘着剤を代表として、天然ゴム系、スチレン
ブロック共重合体系、ブチルゴム系、ポリイソブチレン
系、シリコン系などの粘着剤が挙げられるが、化粧材に
あらかじめ熱接着された該両面テープを、地方のパネル
や成型物に対して容易に接着しうる粘着性能と、それぞ
れの使用される環境に応じた耐熱性、耐寒性、耐久性を
発揮しうる配合物を適宣選択して用いればよく、何ら限
定される必要はない。

【０００６】

【発明の効果】このようにして形成される両面テープの
厚さは、特に制限はないが通常５０μｍから５００μｍ
程度、好ましくは１００〜３００μのものである。この
ようにして得られた両面テープは、テープ表面が常温で
非粘着性であるが加熱プレス等によって各種織布や不織
布、組布、パンチングシート等に容易に接着ができ、か
つ接着後にこれらの開孔部を通してテープの光沢が見え
ず素材の外観を十分活かすことができると共に、両面テ
ープであることから接着作業を極めて容易に行うことが
できるものであって、その産業的価値は非常に高い。

【０００７】

【実施例】以下に実施例によって本考案を説明する。

【実施例１】ポリエステル系接着剤として、ハイボン７
６６３（日立化成ポリマー（株）製）を用い、これを下
記のように配合した。 ハイボン７６６３ １００重量部 バリファストブラウン（茶色染料：オリエント化学（株）） ０．０２重 量部 Ｑ−ＣＥＬ（シリカバルーン：旭化成（株）） ５重量部 この分散液を、予めコロナ処理したポリエステルフィル
ム２５μ上に直接塗付し、９０℃−２分乾燥して約８０
μの熱活性接着剤塗膜を得た。一方、シリコン離型剤層
が設けられたはく離紙上に、アクリル酸エステル系ポリ
マーを主成分とする粘着剤ＳＫダイン１７１７（綜研化
学（株）製）１００部にコロネートＬ（日本ポリウレタ
ン（株）製、イソシアネート系架橋剤）を０．５部添加
混合した溶液を、乾燥膜厚が７０μになるように塗付、
乾燥して粘着剤層を得た。この粘着剤層を上記ポリエス
テルフィルムの熱活性接着剤の塗付されていない面に転
写し、両面接着テープを得た。

【０００８】

【実施例２】ポリウレタン系接着剤として次のような配
合の熱活性接着剤を作成した。 デスモコールＤＭ４２０（ウレタン樹脂：住友バイエル（株） ４０重量部 ハイラック２２２（ケトン樹脂：日立化成工業（株）） １０重量部 カーボンブラック ０．０５重量部 Ｑ−ＣＥＬ ８重量部 メチルエチルケトン ３００重量部 この分散液を用いて以下実施例１と同様にして両面接着
テープを作成した。

【０００９】（化粧材への接着）化粧材として、縦横共
３００デニールの茶色に染色したポリエステル繊維を、
縦横４０本ずつ打ち込んだ織物と、厚さ２８０μｍのダ
ブリングポリ塩化ビニル黒色シートに２ｍｍφの径のパ
ンチングを施し、開口率４０％としたものを用意し、そ
れぞれに対して実施例の両面テープを９０℃で加熱ラミ
ネートして接着した。比較例の両面粘着テープも、同様
にして接着した。 （外観）上記のように接着された試験体を光に反射さ
せ、化粧材の下地の光沢の有無を比較した。また、試験
体にセルロース粉末を吹きつけて、開孔部からのテープ
へのゴミの付着を観察した。これらの試験の結果を

【表１】に示す。

【表−１】

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プラスチックフィルム基材の一面に、微小
   中空球状充填剤を含有した、熱活性接着剤層を設け、基
   材の他の一面に感圧接着剤層を設けてなることを特徴と
   する、化粧材接着用両面テープ。
2. 【請求項２】微小中空球状充填剤を含有した熱活性接着
   剤が、ポリエステル樹脂およびまたはポリウレタン樹脂
   を主成分としてなることを特徴とする特許請求項第１項
   記載の両面テープ。