JPH0693067B2 - 調光体 - Google Patents

調光体

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JPH0693067B2
JPH0693067B2 JP60282119A JP28211985A JPH0693067B2 JP H0693067 B2 JPH0693067 B2 JP H0693067B2 JP 60282119 A JP60282119 A JP 60282119A JP 28211985 A JP28211985 A JP 28211985A JP H0693067 B2 JPH0693067 B2 JP H0693067B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、低抵抗のリードを併用して応答速度を速くし
たたエレクトロクロミック(EC)物質を用いた調光体に
関するものである。
[従来の技術] EC現象を利用した調光体としては、調光窓、調光鏡等が
知られているが、通常表示素子であるECDに比して面積
が大きく、その駆動に大電流を要し、通常着消色に時間
がかかる傾向があった。
[発明が解決しようとする問題点] EC物質の着消色は電気化学反応であり、EC物質を形成し
た表示電極でのイオン(電子)の反応、電解質中のイオ
ン(電子)の移動、および対向電極でのイオン(電子)
の反応により生じているため、大面積になるほど電流値
が大きくなり、透明電極中での電圧低下による応答速度
の低下という問題点があり、調光体の大型化に大きな問
題となっていた。
この対策として、調光体の端子への供給電圧を上げると
すると、調光体の端子付近では高い電圧がかかりすぎる
ため、消色ができないような不可逆的な異常に濃い着色
や過消色を生じたり、ガスの発生や金属の溶出等の好ま
しくない副反応を生じたりし、実用状大きな問題であっ
た。
このため、調光体の少なくとも一方の透明電極に低抵抗
の金属等の導電性の線状物を積層して、透明電極による
電圧低下を防ぎ、着消色にようする応答時間を短縮する
ことが提案されている。
第2図は、このような例の調光体の断面図であり、いく
つかの種類の状態を説明するためにセル内部の構成が部
分的に変えられている。
第2図の上側の基板(11B)の左側のように透明電極(1
2B)上に低抵抗の金属等の導電性の線状物(13B)を形
成した場合に、導電性の線状物(13B)と電解質(17)
との接触により電圧を印加した際に金属等が電解質に溶
出する危険性があった。
この金属の溶出防止のため、第2図の上側の基板(11
B)の右側のようにまず導電性の線状物(13D)を基板上
に形成し、その上に透明電極(12D)を形成することも
提案されているが、透明電極には通常ピンホールを生じ
やすく、ピンホールがあればそこから電解質(17)が侵
入して前記欠点を生じやすく、これを防ぐために透明電
極を厚くすると光の透過率が低下するとともに黄色っぽ
く色着いて見えるため、厚みに限度があり、このピンホ
ール現象を皆無とすることは困難であった。
また、第2図の下側の基板(11A)の左側のように透明
電極(12A)上に低抵抗の導電性の線状物(13A)を形成
し、さらにその上にEC物質層(15)を形成した場合にお
いても、EC物質層は着消色しうるように電解質(17)と
接触しやすくされるために多孔質とされており、導電性
の線状物(13A)の上にEC物質層(15)があっても導電
性の線状物は電解質と接触することとなり、やはり前記
の欠点を生じやすいものであった。
このため、大型化されても低抵抗であり、着消色の応答
速度が速く、電極の溶出やガスの発生というような副反
応を生じなく、かつEC物質の劣化による寿命の低下を生
じないような調光体が望まれていた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、EC物質層を有する表示電極を形成した表示電極基板
と、対向電極を形成した対向電極基板とを有し、該表示
電極基板と該対向電極基板の少なくとも一方には透明電
極と該透明電極よりも低抵抗の導電性の線状物が積層さ
れており、該表示電極基板と該対向電極基板とを電極面
が対向するように電解質を介して配置してなる調光体に
おいて、該線状物の表面が電解質による酸化還元反応を
阻止しうるオーバーコート材で覆われていることを特徴
とする調光体である。
本発明では、このような構成をとることにより、大型化
されても低抵抗であり低電圧で駆動可能であり、着消色
の応答速度が速く、電極の排出やガスの発生というよう
な副反応も生じにくく、かつ部分的な過着色や過消色と
いった現象を生じにくいため、EC物質の劣化による寿命
の低下を生じにくいという利点を有するものである。
本発明に用いる調光体は、調光窓のような透過型のもの
でも、調光鏡のような反射型のものでもよい。
第1図は、本発明の代表的構造を有する調光体の断面図
である。
この第1図において、(1A)、(1B)は表面電極基板及
び対向電極基板を形成する基板、(2A)、(2B)はその
両方の基板上に形成された透明電極、(3A)、(3B)は
その透明電極上に形成された低抵抗の導電性の線状物、
(4A)、(4B)はその導電性の線状物の上を覆うように
形成されたオーバーコート材、(5)は表面電極基板の
透明電極上に形成されたEC物質層、(6)は両方の基板
の周辺をシールしたシール材、(7)は2枚の基板とシ
ール材とにより形成されたセル空間に封入された電解質
を示している。
本発明の表示電極基板はガラス、プラスチック等の基板
上にITO(In2O3-SnO2)、In2O3等の透明電極と酸化タン
グステン、酸化モリブデン、酸化イリジウム等の遷移金
属化合物や有機のEC物質を層状に形成したものである。
また、対向電極基板は、ガラス、プラスチック等の基板
上にITO(In2O3-SnO2)、In2O3等の透明電極を形成し、
必要に応じて表示電極基板と逆極性の電圧の印加で着消
色するEC物質や電圧の印加により可視光域では着消色し
ないEC物質の層を形成したり、部分的的に表示電極基板
のEC物質と同じEC物質やカーボン等の不透明の対向電極
材料を形成してもよい。
なお、鏡のような反射型の用途の場合には、一方の透明
電極は、窒化チタン、アルミ等の反射性の電極でもよ
く、その場合には裏側の基板は不透明な材料、例えば金
属、セラミック、不透明ガラス、不透明プラスチックを
使用してもよい。
本発明においては、これらの表示電極基板と対向電極基
板の少なくとも一方の基板の透明電極に低抵抗の金属の
ような導電性の線状物を積層する。
この導電性の線状物としては、Cu、Ag、Ni、Pt、Cr、Ti
等の金属材料、それらの金属やカーボンのような導電性
材料と接着材とからなる導電性組成物等がある。これら
の内、金属材料の場合には蒸着、スパッタリング、メッ
キ等により所望のパターンに形成されればよく、導電性
組成物の場合にはそれらの材料を印刷、ディスペンサー
による供給等の方法により形成されればよい。また、こ
のパターニングは、最初から所望のパターンに形成して
もよいし、全面に形成した後にパターニングしてもよ
い。
これらの導電性の線状物の中でも、金属材料の使用が好
ましく、低抵抗の導電性の線状物を細い巾で、かつ厚み
も薄く形成できる。
この導電性の線状物は、前記した透明電極の上に形成さ
れてもよいし、下に形成されてもよく、直線状、格子状
等に線または線を組み合せたパターンに形成されればよ
い。この線の巾は10μm乃至10mm程度に形成されればよ
く、目に見えにくくする場合には10〜200μm程度と
し、大型の調光体のような場合であって線入りガラスや
網入りガラスのように線が目立って見えてもよい場合に
は、0.5〜10mm程度にされればよい。またこの線の厚み
は、金属材料等の薄膜の場合には0.01〜2μm程度に、
導電性組成物の厚膜の場合には1〜10μm程度とされれ
ばよく、線間については1〜20cm程度とされればよい。
これらの線幅、厚み、線間の値については、調光体の大
きさ、その所望応答時間等によって適宜定められればよ
く、上記の範囲からはずれたものとしたり、2種類以上
の材料、線巾を組み合せて使用したりしてもよい。
この導電性の線状物は、特に両方の基板が透明電極であ
る場合には両方の基板に形成されることが好ましく、応
答性が向上する。これに対して、例えば対向電極が低抵
抗の反射性電極である場合には、その低抵抗の側には導
電性の線状物を形成しなくてもよい。
なお、この導電性の線状物は透明電極の上に形成するこ
とが好ましく、透明電極が平坦な基板上に直接形成でき
るため、導電性の線状物の上に透明電極を形成した場合
に比して透明電極が安定で剥離しにくく、段差部分で導
電接続が切れたり、細かい透明電極の破片の生じたりす
る危険性が少なく好ましい。
本発明においては、この導電性の線状物の上に電解質に
よる酸化還元反応を阻止しうるオーバーコート材が設け
られるものであり、エポキシ、ポリシリコン、ポリイミ
ド、ポリアミド、フッ素樹脂等の有機材料、SiO2、Ce
O2、Ta2O3、Al2O3等の無機材料を蒸着、スパッタ、印刷
等の方法により形成すればよく、また、導電性の線状物
が金属材料である場合には、その表面を酸化して金属酸
化物の膜を形成してもよい。
このオーバーコート材は、電極に電圧を印加した時にお
いても電解質によって導電性の線状物が酸化還元反応を
ひき起さなければよく、通常0.01〜10μm程度の厚みと
すればよく、必要に応じて2種類の材料を使用したり、
積層したり、部分的に膜厚を変えたりしてもよい。
本発明においては、その一部を除いてこのオーバーコー
ト材が厚く形成されて2枚の基板の間隙を一定に保つス
ペーサーの役目を果すようにされないことが好ましい。
即ち、調光体内部の線の全長にわたってスペーサーが形
成されることとなると電解質の注入が難しくなり、電解
質が均一に配置されにくくなるという問題点を生じ、特
に、線と線の間隙がせまくなった場合には極めて注入が
困難となり、線が格子状のように配置された場合には注
入がほとんど不可能となってしまう。このため、このよ
うな調光体内部の基板間隙を規制するスペーサーの役目
をなす部分は形成されるとしても、その一部とされるこ
とが好ましい。
また、本発明では、電解質の注入とシールの圧着とを同
時に行うことにより注入しにくいが両方の基板が風等の
外圧によって接触しにくく安全性の高いゲル状電解質を
使用できる。この場合には、上記のようなスペーサーを
調光体の内部に配置すると、電解質が均一に配置されに
くいことのみならず、注入後のスペーサーの加熱硬化工
程が調光体の特性に悪影響を与える、例えば電解質とシ
ール材の材料とが反応して又はシール材中から電解質に
影響を及ぼす材料が流出して応答性を低下させたり、寿
命を低下させたりする可能性がある。このため、この場
合においても調光体内部に線の全長にわたってスペーサ
ーを設けることは好ましくなく、たとえ形成されるにし
ても両方の基板間隙に相当する厚みの部分は一部とされ
ることが好ましい。
EC物質は、電圧の印加によって可逆的に着消色するもの
であれば使用できWO3、MoO2等の遷移金属化合物、シア
ノ鉄錯体等の無機EC材料、金属フタロシアニン等の有機
EC材料等があり、表面電極基板上に層状に形成されれば
よい。また対向電極基板上にも表面電極基板側のEC物質
層とは逆極性の電圧の印加により過逆的に着消色するEC
物質の層を形成してもよいし、可視光域で着消色しない
EC物質の層を形成してもよい。
表示電極基板においては、第1図に示すように導電性線
状物とその上のオーバーコートが存在する部分以外の部
分にのみEC物質層が形成されることが好ましい。
第2図の下側の基板(11A)の右側のように、基板上に
透明電極(12A)を形成し、その上に導電性の線状物(1
3C)を形成し、その上にEC物質層(15)を形成し、さら
にその上にオーバーコート材(14)を形成した場合に
は、EC物質層が多孔質であるため、オーバーコート材の
巾を導電性の線状物の巾よりもかなり大きくしなくては
ならなく、調光可能な面積が低下することとなるため、
オーバーコート材は導電性の線状物の上に直接形成する
ことが好ましく、従ってEC物質層はその部分には形成さ
れないか、たとえ形成されるとしてもオーバーコート材
の上に形成されることが好ましい。特に、第1図の例の
ようにオーバーコート部分には、EC物質層が形成されな
いようにすることが好ましく、このオーバーコート部分
にEC物質層が形成されていてもこの部分は着消色しない
ので意味がなく、かつ場合によってはこの部分でEC物質
が剥離して電解質中に飛散することを生じたりする危険
性があるため、オーバーコート部分にはEC物質層を形成
しないことが好ましい。
電解質としては、表示電極のEC物質を着消色させうるも
のであればよく、プロトン若しくはリチウムイオン等の
陽イオンを含む溶液型、ゲル型、固体型の電解質が使用
しうる。
特に前述の如く対向電極に前述の如く単なる透明電極若
しくは反射電極を用いる場合には、電解質中にLiIのよ
うなレドックス反応を生じる透明な物質を混入しておく
ことが好ましく、これにより反応の遅くかつ容量の小さ
い前述のような電極を用いても充分速い応答速度を得る
ことができ、電極の低抵抗化をした本発明の効果を十分
に発揮することができる。
又、調光体は一般に大面積となり、かつ大面積が透過若
しくは反射で見えるものであるため、表示電極基板の電
極と対向電極基板の電極とが接触により短絡したり、た
てて用いた時に下側がふくれたり、破損時に電解質が飛
散することを防止するために電解質をゲル状にしておく
ことが好ましい。
このゲル状電解質溶液の材質としては、γ−ブチロラク
トン(γ−BL)、プロピレンカーボネイト、ブチルアル
コール等の有機溶媒に、該有機溶媒に溶解してゲル化す
る樹脂、例えば、ウレタン樹脂、アクリル酸樹脂、ポリ
ビニルブチラールその他の樹脂又はそれらの共重合体等
が加えられたゲル状電解質溶液であり、さらにこれにレ
ドックス剤、特にLiIを加えたもの等を用いることが望
ましいが、これらに限定されないことは言うまでもな
い。
又、固体電解質もゲル状電解質と同様な効果を有する
が、大面積化する場合には生産性が悪く、かつ風や加圧
にろい曲げの力が加わった時に破損しやすいため、調光
体としてはゲル状電解質又は電解液を含浸させた可撓性
フィルム状の電解質が好ましい。
シール材については、固体電解質の場合には必ずしも必
要とはしないが、信頼性からみて設けることが好まし
く、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等の接着
剤若しくは接着性のフィルム等が使用できる。
本発明では、シールの圧着と電解質の注入とを同時に行
うことが好ましく、シールを少なくとも2重にし、電解
質と接触する内側のシールは注入前にほぼ所望の間隙で
硬化させておきその外側に未硬化のシール材を配置し
て、電解質を内側のシール内に載置して2枚の基板を圧
着することにより未硬化のシール材と電解質とが接触し
なく好ましい。この場合、特にゲル状の電解質を使用す
ることにより、両方の基板が人間や風等の外圧によって
加圧され接触するという事態を生じにくく、安全性の高
い調光体を得ることができ、電解質の粘性が高いためシ
ール圧着前にシール部からこぼれにくいため、電解質の
注入が容易となる。
このため、もし調光体内部の一部に基板間を一定に保つ
スペーサーを形成したい場合には、上記の内側のシール
材の硬化時に同時に硬化させればよい。もっとも、前述
したようにこのスペーサーが長い長さにわたって配置さ
れると注入が困難となるため、このようなスペーサーは
配置されるとしてもできるだけ小さい面積で短い長さと
することが好ましい。
電極の端子は、外部との導電接続し、表示素子に比して
かなり大きな電流を流すことができるようにする必要が
あるため、端子の設けられる辺に帯状に低抵抗の部材を
設けて取り出すようにすることが好ましい。この例とし
ては透明電極上に無電解Niメッキ、金属蒸着、導電ペー
スト焼付け、金属箔の接着、ガラスハンダ等を単独又は
併用し、さらに必要に応じてリードピンを付着したりす
ればよい。
[実施例] 実施例1 20cm×20cm×1.1mmのガラス板上にITOを2000Åの厚みで
形成し、さらにその上に巾1mmの直線状に厚さ6000Åで
開口率97%になるようにCuの細線を形成し、さらにシリ
コンゴムを印刷してオーバーコートして、電極基板を形
成した。この金属の細線を形成したことにより電極の抵
抗は約1/10となった。
この電極基板上にさらにW03を6000Å蒸着して表示電極
基板とした。
前記電極基板を対向電極基板として用いて、前記表示電
極基板との電極面が相対向するようにして内部に0.75M
LiIのγ−ブチロラクトン溶液50mlに脱水したポリビニ
ルブチラール25gを溶解したゲル状電解質をエポキシ系
シール材で2重にシールして封入した。
この調光体は、導電性の線状物として金属細線を使用し
ない透明電極のみの電極基板を使用した場合に比して、
応答速度が約8倍も速くなり、周辺部分のみが早く着色
するというという色ムラ現象も生じなかった。さらに、
金属細線と電解質との酸化還元反応による劣化を全く生
じなく、105回の着消色テストにおいても異常を全く生
じなかった。
実施例2 実施例1のCuの細線に変え、巾3mmの線状に厚さ1μm
で開口率80%になるようにCrの細線を形成し、200℃空
気中で12時間保存することにより、細線表面に厚さ数百
Åの酸化膜を生成させ、この電極基板を使用して実施例
1と同様にして調光体を形成した。
この調光体は、導電性の線状物として金属細線を使用し
ない透明電極のみの電極基板を使用した場合に比して、
応答速度が約2倍も速くなり、周辺部分のみが早く着色
するという色ムラ現象もかなり低下した。さらに、金属
細線と電解質との酸化還元反応による劣化を全く生じな
く、105回の着消色テストにおいても異常を全く生じな
かった。
実施例3 実施例1のCuの細線を、直線状から、一部を絵画的なパ
ターンに形成した。この調光体は実施例1と同等の調光
機能を有するとともに、光の透過時には絵画的パターン
が見えるという美しいものであった。
実施例4 実施例1の導電性の線状物のオーバーコートのシリコン
ゴムの厚みを両方の基板のオーバーコートが対向する部
分で部分的に基板間隙の約50μmと一致させるようにし
て調光体を製造した。
この調光体は実施例1と同等の調光機能を有するととも
に、基板の間隙ムラが減少した。
[発明の効果] 本発明は、調光体の電極に透明電極と導電性の線状物を
積層することにより、調光体の応答速度を著しく改善
し、調光体の中央部と周辺部の印加電圧の差による色ム
ラを生じにくくすることができ、かつ部分的な過着色や
過消色といった現象を生じにくく、調光体の大型化が容
易にできる。
また、本発明の調光体は導電性の線状物の上をオーバー
コートして電解質と接触しないようにされているため、
導電性の線状物の溶出やガスの発生というような副反応
も生じにくい。
このため、EC物質に過大の電圧が印加されたり、電解質
に悪影響を及ぼす物質が溶出しないため、劣化による寿
命の低下を生じにくく、長寿命の調光体を容易に得るこ
とができる。
本発明では、調光体であるため、通常全面に電極がベタ
で形成されているため、透明電極と導電性の線状物の配
置が容易であり、導電性の線状物の直線状に配置して線
入りガラス風に見せたり、網目状に配置して網入りガラ
ス風に見せたり、所望のパターンに配置して絵画的に見
せたりすることができる。もちろん、線入りガラス、網
入りガラスと組み合せ、その線や網と本発明の調光体の
導電性の線状物のパターンを一致させ目立たなくするこ
ともできる。
また、この導電性の線状物自体に特定の色をつけたり、
その部分にのみ基板の表面に特定の色を印刷したりして
もよく、基板表面にフレネルレンズ様の模様を形成して
導電性の線状物を目立たなくしたり、調光体の一部に表
示素子を組み込んだり、2種類以上のEC物質を用いて2
色の調光をしたり、表示電極基板の透明電極を複数に分
割して、部分的に調光度を切り換えるようにしてもよ
い。
本発明はこの外、基板を強化ガラス、合せガラスに代え
たり、表面にノングレア層、熱線吸収層、熱線反射層、
紫外線カットフィルター層を形成したりしてもよく、今
後種々の応用が可能なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の調光体の代表的例の断面図。 第2図は、調光体の従来例または比較例を示す断面図。 基板:1A,1B,11A,11B 透明電極:2A,2B,12A,12B,12D 導電性の線状物:3A,3B,13A,13B,13C,13D オーバーコート材:4A,4B,14 EC物質層:5 シール材:6 電解質:7,17
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−75323(JP,A) 特開 昭61−51131(JP,A) 特開 昭60−211431(JP,A) 特開 昭60−211432(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エレクトロクロミック物質層を有する表示
    電極を形成した表示電極基板と、対向電極を形成した対
    向電極基板とを有し、該表示電極基板と該対向電極基板
    の少なくとも一方には透明電極と該透明電極よりも低抵
    抗の導電性の線状物が積層されており、該表示電極基板
    と該対向電極基板とを電極面が対向するように電解質を
    介して配置してなる調光体において、該線状物の表面が
    電解質による酸化還元反応を阻止しうるオーバーコート
    材で覆われていることを特徴とする調光体。
  2. 【請求項2】線状物が透明電極の上に形成されている特
    許請求の範囲第1項記載の調光体。
  3. 【請求項3】線状物が金属である特許請求の範囲第1項
    または第2項記載の調光体。
  4. 【請求項4】表示電極基板に線状物が形成されており、
    基板上に透明電極、線状物、エレクトロクロミック物質
    の順に層が形成されている特許請求の範囲第2項記載の
    調光体。
  5. 【請求項5】線状物の表面のオーバーコート材が形成さ
    れた部分にはエレクトロクロミック物質の層が形成され
    ていない特許請求の範囲第4項記載の調光体。
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