JPH0695187B2 - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

エレクトロクロミック素子

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JPH0695187B2
JPH0695187B2 JP61052985A JP5298586A JPH0695187B2 JP H0695187 B2 JPH0695187 B2 JP H0695187B2 JP 61052985 A JP61052985 A JP 61052985A JP 5298586 A JP5298586 A JP 5298586A JP H0695187 B2 JPH0695187 B2 JP H0695187B2
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祟彰 森
淳 箕浦
守 加藤
克明 岡林
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明はエレクトロクロミック素子に関するものであ
る。
(従来の技術) 外部からの電圧印加によってその素子中に電気化学的反
応が誘起され、その色や吸光率が可逆的に変化するエレ
クトロクロミック素子(以下、ECDと略称する)は、固
体発光素子(LED)や液晶素子(LCD)にない多くの特徴
を備えている。そのため、エレクトロニクス産業を始め
とする各種産業分野において、調光用素子や表示用素子
として実用化が進められている。
上記ECDを構成する材料には大別して無機材料と有機材
料とがあり、前者は各種遷移金属酸化物が、また後者は
ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導
電性高分子膜などがその代表例であって、近年これらの
材料を用いた各種のECDが開発されている。
(発明が解決しようとする問題点) 前記各種遷移金属酸化物からなる無機系ECDの基本構成
は、ITO(5重量%のSnO2を含有するIn2O3)などを薄膜
透明状に形成してなる一対の電極間に各種遷移金属酸化
物からなる発色層、誘電体層あるいは固体電解質を薄膜
状に積層したものである。
上記無機系ECDは素子を小型・薄膜化できる、耐久性に
富み長期間の安定動作が可能であるなどの利点を備えて
いるものの、反面電圧印加時の着色濃度や吸光度の変化
に乏しく、また応答性にも問題があるという点が指摘さ
れている。これはWO3などの還元発色層の対向電極とし
て適当な酸化発色層用の材料が無機系中に見出されてい
ないためである。
一方、有機系ECDの基本構成は前記ITOなどからなる一対
の薄膜透明電極間に前記導電性高分子膜やビオロゲン誘
導体などを積層したもの、あるいはこれらを電解液とと
もにセル中に封止したものである。
上記有機系ECDは無機系ECDに比較して応答性に優れてい
るものの、反面素子の耐久性に問題があり、長期間の安
定動作に不安がある点が指摘されている。これは優れた
還元発色層用の材料が有機系中に見出されていないため
である。
以上のように、両タイプの素子にはそれぞれ一長一短が
あり、いずれもECDの特性を充分に発揮するには至って
いないのが現状である。
本発明者らは上記問題点に鑑み、各種ECDの特性につき
研究を重ねた結果、応答性に優れるとともに、消色時の
光透過性に優れ、さらに高いコントラストでの駆動時の
耐久性に優れるという特徴を備えた新規なECDを見出
し、本発明を完成させるに至った。
発明の構成 (問題点を解決するための手段) 本発明は少なくとも一方が透明な一対の対向電極と、前
記対向電極間に相対向して形成されたポリアニリンより
なる有機系酸化発色層および遷移金属酸化物よりなる無
機系還元発色層と、前記両発色層間に封止された非水溶
液からなる電解液とからなるECDを採用することによ
り、前記問題点の解決を図った。
(作用) 有機系材料で酸化発色層を構成するとともに無機系材料
で還元発色層を構成し、さらにこれら両発色層を対向さ
せてその間に電解液を注入・封止することにより、電圧
印加時に両発色層間に生ずる補助的酸化・還元反応の効
率が向上し、低電圧駆動時においても応答性に優れ、か
つ高濃度の着色性を発揮する素子が得られる。また、特
に有機系酸化発色層としてポリアニリンを、電解液に非
水溶液を採用したので、消色時の光透過性に優れ、かつ
高いコントラストでの駆動時の耐久性に優れた素子が得
られる。
(実施例) 以下、本発明に係るECDの構成について詳細に説明す
る。
第1図は本発明のECDの基本構成を示すものであり、相
対向する一対の下部電極10aおよび上部電極10bからなる
薄膜表面には無機系還元発色層11並びに有機系酸化発色
層12が形成され、これらの間には電解液13をスペーサ14
に封止してなる電解液層15が形成されている。
また、上記下部電極10aや上部電極10bはイオンプレーテ
ィング法やスパッタリング法などの薄膜形成法によっ
て、通常は透明ガラスからなる基板16表面に形成され
る。
上記無機系還元発色層11とは具体的には、WO3、MoO3、T
iO2などの遷移金属酸化物もしくはこれらの混合物であ
って、EB(エレクトロンビーム)蒸着法、イオンプレー
ティング法あるいはスパッタリング法などにより上記下
部電極10a表面に形成されたものである。
また、この無機系還元発色層11は電解液13との界面で電
解液13中のカチオンM+(M+はH+、Li+など)のドープ/
脱ドープ反応によって可逆的な着色反応が生起するよう
になっており、一例としてWO3を使用した場合には次の
ような反応が生起しているものと想定される。
WO3+χM++χe-=MXWO3 一方、前記有機系酸化発色層12とは具体的にはポリアニ
リンを電解重合法あるいは触媒重合法などによって上部
電極10b表面に薄膜形成したものであるが、成膜性や導
電性の観点からは電解重合法の採用が好ましい。
次に、上記電解液13とは溶媒中に電解質を溶解したもの
であるが、溶媒とは極性有機溶剤である。
上記極性有機溶剤としてはプロピレンカーボネート、ス
ルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロベ
ンゼン、ニトロメタンおよびジメトキシエタンを例示す
ることができる。
また、上記電解質とはClO4 -、BF4 -あるいはPF6 -の金属
塩(例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6)あるいは(C2H5
4NClO4、(CH34NBF4などの第四アンモニウム塩であ
る。なお、これらの電解液13はセルロース、イオン交換
膜などの電解液13はセルロース、イオン交換膜などの吸
水性樹脂中に含浸させて使用することもできる。
以下、本発明を具体化した実施例をその製法とともに説
明する。
〔第一実施例〕
(a) 無機系還元発色層 イオンプレーティング装置内をその真空度が1×10-5To
rrになるまで排気した後、酸素ガスを装置内の真空度が
2.5×10-4Torrになるまで導入し、引き続きアルゴンガ
スを導入して装置内の真空度を5×10-4Torrにした。
次いで、13.56MHzのRF(高周波)を用いて放電出力100W
で放電した後、ITOのタブレットをEBガンで蒸発させる
イオンプレーティング法により、200℃に加熱された1mm
厚のソーダ石灰ガラス基板上に膜厚2000ÅのITO薄膜層
を形成した。そして、引き続き同装置内を1×10-3Torr
の窒素ガス雰囲気にして、WO3のタブレットをEBガンで
蒸発させるEB蒸着法により、上記ITO薄膜上に膜厚6000
ÅのWO3薄膜層を形成した。
(b) 有機系酸化発色層 1.0規定HClO4水溶液と1.0モル濃度の塩酸アニリン液晶
粉末水溶液とを等量比で混合して電析液を調整した。次
いで、上記(a)の方法によりソーダ石灰ガラス基板上
に形成された薄膜2000ÅのITO薄膜層を陽極に、また炭
素棒を陰極にして両電極を上記電析液に浸漬して室温で
通電する電解重合法により、陽極のITO薄膜上に膜厚400
0Å、緑〜紺色のポリアニリン層を形成した。
上記電解重合反応を行う際の合成電流密度は10μA〜5m
A/cm2の範囲内が好ましく、より好ましくは5μA〜1mA
/cm2である。この合成電流密度が10μA/cm2以下では膜
形成速度が遅く、5mA/cm2以上では形成された薄膜が微
粉化してその性能が劣化する虞れがある。また、ポリア
ニリン層の膜厚は上記合成電流密度を変化させることに
より500Å〜2μmの範囲で制御可能であるが、通常は2
000〜4000Åの範囲であり、ガス発生などによる素子の
劣化防止の観点から前記無機系還元発色層との相補的酸
化・還元反応が円滑に進行するように膜厚の制御を行う
必要がある。
なお、上記電析液中の電解質はHClO4に代えてHCl、H2SO
4、HNO3などの無機酸を0.1〜5規定の範囲で使用しても
よく、また塩酸アニリン水溶液に代えて0.1〜2モル濃
度の硫酸アニリン水溶液を使用してポリアニリンを析出
させてもよい。あるいは、これらの無機酸水溶液に0.1
〜2モル濃度のアニリンを溶解して電解液を使用してポ
リアニリンを析出させてもよい。
(c) 電解液層 上記(a)、(b)で得られた両発色層を対向させてそ
の間にエポキシ樹脂からなるスペーサを設け、1規定Li
ClO4−プロピレンカーボネイト溶液からなる電解液を注
入・封止した。
以上のようにした得られたECDに直流電圧を印加し、電
荷を注入して行った時の注入電荷量(Q)に対する光学
密度変化(Δ0.D)を測定して第10図に示す結果を得
た。他方比較例として、WO3またはポリアニリンが単独
で発色層を形成しているECDについてもそれらのΔ0.Dを
測定した。第10図のように、本第1実施例のECDはその
Δ0.Dが極めて大きく、コントラストに富む素子である
ことが判明した。
(比較例1) また、電解層として水溶液を用いた比較例を示す。比較
例のセルは電解質層に0.1規定濃度の過塩素酸(HClO4
水溶液を用いた以外は本第一実施例と同じ構成である。
また、この電解質および濃度の条件はこの系で高性能が
得られる条件を設定し、駆動電源に定電圧電源を用い
た。
予め、初期の着色時と消色時の光学密度変化(Δ0.D)
が、本第一実施例のセルでは1.0または1.5となるよう
に、比較例のセルでは、0.75または1.0となるように着
色及び消色の電圧を設定し、その電圧で着色・消色を繰
り返した時のサイクル数とΔ0.Dの関係を第11図に示し
た。
Δ0.Dが比較的小さい場合、本試験の範囲ではどちらの
セルも着消色の繰り返しによるΔ0.Dの低下は認められ
ないが、Δ0.Dが1.5と大きくなると、比較例のセルで着
消色の繰り返しによるΔ0.Dの急激な低下が認められ
た。この様に、非水溶液の電解液を用いると、高いコン
トラストでの駆動時の耐久性に優れていることが分か
る。
(比較例2) また、酸化発色層として遷移金属の原子価錯体であるプ
ルシアンブルーを用いた比較例を示す。
比較例のセルは本第一実施例のポリアニリンの代わりに
プルシアンブルーを用い、それ以外は本第一実施例と同
様なものである。
このセルのΔ0.Dの変化を第11図に示す。同図より比較
例のセルではΔ0.Dが急激に低下していることが分か
る。
(比較例3及び比較例4) また、酸化発色層としてポリピロールを用いた以外は第
一実施例と同じ構成のエレクトロクロミック素子を比較
例3、同じく酸化発色層としてポリチオフェンを用いた
以外は第一実施例と同じ構成のエレクトロクロミック素
子を比較例4として、初期状態でΔ0.D=1.0となるよう
な電圧条件で着消色駆動した時の着消色回数とΔ0.Dと
の関係を第11図に示す。
同図より酸化発色層としてポリピロール、ポリチオフェ
ンを用いた比較例3,4では、ポリアニリンを用いたもの
に較べ、Δ0.Dが急激に低下しており、ポリピロール,
ポリチオフェンを用いた素子では繰り返し寿命が短いこ
とが分かる。
〔第二実施例〕
次に、上記第一実施例と同一のエレクトロクロミック材
料を使用し、同様の方法により得られたECD1を自動車の
調光機能付サンルーフに具体化した第二実施例を説明す
る。
第2図に示すように、自動車のルーフ部には車内に解放
感を与えたり、車内の明るさを調節したりする目的でサ
ンルーフが取着されるが、本実施例の調光機能付サンル
ーフ17の要部は第3図に示す透明ガラス18とこのガラス
18を基板としてその表面に形成されたECD1である。
そして、このECD1の両電極は各々リード線19a、19bを介
してバッテリ電源(図示しない)に接続されている。
また、第4図に示すように上記ECD1はサンルーフ用透明
ガラス18を基板としてその表面に順次積層されたITO下
部電極10a、無機系還元発色層11、スペーサ14とその内
部に封止された電解液13とからなる電解液層15、有機系
酸化発色層12、ITO上部電極10bおよび透明ガラスからな
る保護層20により構成されている。
上記構成からなる調光機能付サンルーフ17に太陽光など
が照射されたとき上記両電極10a、10b間に直流電圧を印
加すると、ECD1中の無機系還元発色層11がスペーサ14内
に注入・封止された電解液13との界面でプロトンを受容
し、かつ上記電解液13と有機系酸化発色膜層12との界面
でプロトンが離脱することにより、両者の可逆的な着色
反応が同時に生起して外部から自動車室内へ入射する光
の透過率が可逆的に変化する。そこで、例えばインスト
ルメントパネルなどに変圧機構を備えたスイッチを取付
け、このスイッチ操作によってECD1への印加電圧を適宜
調整すれば自動車室内への入射光量を任意に設定するこ
とが可能となる。しかも、本実施例のECD1はその光学密
度変化(Δ0.D)が極めて大きく、かつ応答性も高いこ
とから、自動車室内の明るさを速やかに、かつ大幅に変
化させることが可能となる。さらに、ポリアニリンから
なる有機系酸化発色層12と非水溶液の電解液13の組合せ
により、消色時の光透過性に優れ、高いコントラストで
の駆動時の耐久性に優れたものとなる。
また、回路中に光センサを組み込んで自動的に印加電圧
を調整できる機構を設けることにより、運転者は上記ス
イッチ操作を行う煩わしさからも解放される。
また、本実施例の調光機能付サンルーフ17には以下の効
果もある。
ECDの着色によって、自動車の意匠性を向上させる
ことが可能となる。
自動車内装品の紫外線による劣化、褪色を防止する
ことが可能となる。
車高の高い大型車両からのプライバシーが保てる。
〔第三実施例〕
次に、上記第一実施例と同一のエレクトロクロミック材
料を使用し、同様の方法により得られたECD1を自動車の
防眩ミラーに具体化した一実施例を説明する。
第5図に示す透明ガラス18とこのガラス18を基板として
その表面に形成されたECD1とが防眩ミラー21の要部であ
る。そして、このECD1の両電極には各々リード線19a、1
9bが取着され、バッテリ電源(図示しない)に接続され
ている。
また、第6図に示すように、上記ECD1は防眩ミラー用透
明ガラス18を基板としてその表面に順次積層されたITO
下部電極10a、無機系還元発色層11、スペーサ14とその
内部に封止された電解液13とからなる電解液層15、有機
系酸化発色層12、ITO上部電極10bおよび透明ガラスから
なる保護層20により構成されている。そして、上記透明
ガラスからなる保護層20のa面またはb面のいずれか一
方には真空蒸着方法やスパッタリング法によりアルミな
どの金属薄膜が形成され、前面からの入射光を反射する
鏡面になっている。
上記構成からなる防眩ミラー21に夜間、後方車両のヘッ
ドライトが照射された際、上記両電極10a、10b間に直流
電圧を印加すると、ECD1中の無機系還元発色層11がスペ
ーサ14内に注入・封止された電解液13との界面でプロト
ンを受容し、かつ有機系酸化発色層12において上記電解
液13中のアニオンのドープ/脱ドープ反応によって可逆
的な着色反応が生起してECD1の光透過率が可逆的に変化
する。従って、前記保護層20の表面に真空蒸着されたア
ルミ薄膜からなる鏡面で反射されるヘッドライトの光量
も可逆的に変化する。
そこで、例えばインストルメントパネルなどに変圧機構
を備えたスイッチを取付け、このスイッチ操作によって
ECD1への印加電圧を適宜調整すれば、前記鏡面でのヘッ
ドライトの反射光量を任意に設定することが可能とな
る。しかも、本実施例のECD1はその光学密度変化(Δ0.
D)が極めて大きく、かつ応答性も高いことから、防眩
効果と後方視認性とのバランスのとれた任意の反射率を
速やかに設定することが可能となる。さらに、ポリアニ
リンからなる有機系酸化発色層12と非水溶液の電解液13
の組合せにより、消色時の光透過性に優れ、高いコント
ラストでの駆動時の耐久性に優れたものとなる。
また、回路中にセンサを組み込んで自動的に印加電圧の
調整できる機構を設けることにより、運転者は上記スイ
ッチ操作を行う煩わしさからも解放される。
なお、第二、第三実施例では、基板材料としてソーダ石
灰ガラス以外の他の無機ガラスや耐熱プラスチック材料
を使用してもよい。
さらに、エレクトロクロミック調光装置は、第二、第三
実施例以外にも、自動車、航空機、鉄道車両あるいは建
築物の窓など、調光を必要とする箇所に広く適用するこ
とができる。
〔第四実施例〕
次に、上記第一実施例と同一のエレクトロクロミック材
料を使用し、同様の方法により得られたECD1を自動車の
表示装置に具体化した実施例を説明する。
本実施例の表示装置は自動車のフロントガラスに設置さ
れた透明薄膜層からなる表示部23が必要時に着色または
発光することにより、車速、エンジン回転数などの各種
情報を表示するものである。
第7図に本表示装置の基本構成を示す。すなわち、本表
示装置の表示部23は透明ガラス18からなる基板の表面に
形成されたECD1と、このECD1の表面に形成されたエレク
トロルミネッセンス素子2(以下、ELDと略称する)と
を積層してなる透明薄膜層である。そして、上記基板は
第8図に示すように自動車のフロントガラス22の一部に
取着される。また、この表示部23は図示しないリード線
と制御回路とを介してバッテリ電源に接続されており、
直流電圧を印加すればECD1が作動し、高周波交流電圧を
印加すればELD2が作動するようになっている。
次に、本表示装置の特にELD2の構成の詳細をその製造方
法とともに説明する。
すなわち、基板となる透明ガラス18は1mm厚のソーダ石
灰ガラスであり、その表面に形成された下部電極10aは
イオンプレーティング法により得られた膜厚2000ÅのIT
O薄膜である。そして、この下部電極10aには数字、文字
あるいは図形などのパターンが形成される。また、この
ITO薄膜表面に形成された無機系還元発色層11はEB蒸着
法により得られた膜厚6000ÅのWO3薄膜であり、その表
面に形成された電解液層15はエポキシ樹脂製スペーサ14
と、その内部に注入され、エポキシ樹脂で封止された1
規定のLiClO4溶液からなる電解液13である。
さらに、その表面には有機系酸化発色層12および上部電
極10bが順次積層されるが、この上部電極10bは前記下部
電極10a同様、膜厚2000ÅのITO薄膜である。また、有機
系酸化発色層12は1.0規定HClO4水溶液と1.0モル濃度の
塩酸アニリン結晶粉末水溶液とを等量比で混合してなる
電析液を使用して、上記上部電極10b表面に形成された
膜厚4000Å、緑〜紺色のポリアニリン層である。
一方、前記ELD2は上記ECD1の上部電極10b表面に積層さ
れたエレクトロルミネッセンス材料からなる。すなわ
ち、上記上部電極10bおよび対向電極24の表面にはTa2O5
からなる絶縁層25がそれぞれ形成され、この二重絶縁層
25間には微量のMnを含有するZnSの発光層26が形成され
る。また、対向電極24の他の表面には透明ガラスの保護
層20が取着される。
このELD2は上部電極10bおよび対向電極24間に高周波交
流電圧を印加すると発光層26が黄橙色(発光ピーク波長
=5850Å)の発光を示す様子であり、高周波スパッタリ
ング装置内において高周波スパッタリング法とEBガン蒸
着法とを併用することにより製造される。
以上の構成からなる表示部23は基板の裏面に塗布された
接着剤を介してフロントガラス22の一部に取着される。
また、この表示部23の各電極10a、10b、24間には制御回
路に接続されたリード線が取り付けられる。
そこで、昼間の走行時にはこの表示部23に直流電圧を印
加すればECD1が作動して可逆的な着色反応が生起し、第
9図に示すようにフロントガラス22の表示部23に車速、
エンジン回転数などの各種情報が表示される。また、こ
のECD1は前述したようにその光学密度変化(Δ0.D)が
極めて大きく、かつ応答性も高いことから、例えばイン
ストルメントパネルなどに変圧機構を備えたスイッチを
取付け、このスイッチ操作によってECD1への印加電圧を
適宜調整すれば、外部の明るさに応じて表示部23の明る
さを速やかに、かつ任意に設定することが可能となる。
さらに、ポリアニリンからなる有機系酸化発色層12と非
水溶液の電解液13の組合せにより、消色時の光透過性に
優れ、高いコントラストでの駆動時の耐久性に優れたも
のとある。
また、回路中に光センサを組み込んで自動的に印加電圧
を調整できる機構を設けることにより、運転者は上記ス
イッチ操作を行う煩わしさからも解放される。
また、夜間の走行時には高周波交流電圧を印加すること
により、ELD2が発光してフロントガラス22の表示部23に
各種情報が表示される。
そして、上記表示部23はフロントガラス22の一部に取着
されていることから、運転者は前方の視線を殆ど移動さ
せることなく各種の情報を視認することができて極めて
便利である。また、表示された数字や文字以外の部分は
透明であるため運転者が前方の視界を妨げられることも
ない。
なお、第四実施例では、基板材料としてソーダ石灰ガラ
ス以外の他の無機ガラスや耐熱プラスチック材料を使用
してもよい。また、ELDとして他のエレクトロルミネッ
センス材料を使用することもできる。また、ECDとELDと
の配置を置き換えて表示部を構成してもよいし、表示部
はECDのみで構成してもよい。さらに、エレクトロクロ
ミック表示装置は航空機、鉄道車両あるいは各種産業機
器の表示装置として広く適用することができる。
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で例えば以下のように具
体化してもよい。
ECD1において、WO3に代えて例えばMoO3、TiO2
ど、他の遷移金属を使用して還元発色層を形成してもよ
い。また、還元発色層の形成には別種のイオンプレーテ
ィング法あるいはスパッタリング法や真空蒸着法などを
採用してもよい。
ECD1において、対応する電極の一方はTiO2、SnO2
どの透明材料、あるいはAu、Ag、Ptなどの不透明材料で
あってもよい。
発明の効果 以上詳述したように、本発明によれば、ポリアニリンと
非水溶液の電解液との組合せにより、消色時の光透過性
に優れるとともに、高いコントラストでの駆動時の耐久
性に優れるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第10,11図は本発明の第一実施例を示し、
第1図はECDの構成の模式的断面図、第10図は注入電荷
量(Q/cm2)に対する光学密度変化(Δ0.D)を示すグラ
フ図、第11図は電圧印加による着色・消色を繰り返しの
サイクル数に対するΔ0.Dに示すグラフ図である。ま
た、第2〜4図は第二実施例を示し、第2図は調光機能
付サンルーフの取付部斜視図、第3図はその要部平面
図、第4図はECDの構成の模式的断面図である。第5、
6図は第三実施例を示し、第5図は防眩ミラーの要部断
面図、第6図はECDの構成の模式的断面図である。さら
に、第7〜9図は第四実施例を示し、第7図は表示部の
構成の模式的断面図、第8図はフロントガラスに取着さ
れた表示部斜視図、第9図は同じく表示部正面図であ
る。 1……ECD、10a,10b……電極、11……無機系還元発色
層、12……有機系酸化発色層、13……電解液。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 祟彰 愛知県西春日井郡春日村大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 箕浦 淳 愛知県西春日井郡春日村大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 加藤 守 愛知県西春日井郡春日村大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 岡林 克明 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−155833(JP,A) 特開 昭61−11727(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透明な一対の電極(10
    a、10b)と、前記一対の電極(10a、10b)間に相対向し
    て形成されたポリアニリンよりなる有機系酸化発色層
    (12)および遷移金属酸化物よりなる無機系還元発色層
    (11)と、前記両発色層(12、11)間に封止された非水
    溶液からなる電解液(13)とからなるエレクトロクロミ
    ック素子。
  2. 【請求項2】前記無機系還元発色層(11)がWO3、MoO3
    およびTiO2からなる群より選択されたいずれか一種もし
    くはこれらの混合物である特許請求の範囲第1項記載の
    エレクトロクロミック素子。
JP61052985A 1985-05-01 1986-03-10 エレクトロクロミック素子 Expired - Lifetime JPH0695187B2 (ja)

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