JPH0693005A - 3次元重合体微粒子、その製造法、低収縮剤及び不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

3次元重合体微粒子、その製造法、低収縮剤及び不飽和ポリエステル樹脂組成物

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JPH0693005A
JPH0693005A JP11291693A JP11291693A JPH0693005A JP H0693005 A JPH0693005 A JP H0693005A JP 11291693 A JP11291693 A JP 11291693A JP 11291693 A JP11291693 A JP 11291693A JP H0693005 A JPH0693005 A JP H0693005A
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fine particles
agent
polymer fine
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dimensional polymer
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JP11291693A
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Takeo Kudo
武男 工藤
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スチレン系及び/又はアクリル系のビニル基
を1個有する単量体100重量部、発泡剤0.01〜2
0重量部、架橋剤0.02〜5重量部、重合開始剤0.
05〜10重量部、水性媒体80〜400重量部及び懸
濁剤0.1〜20重量部を含む混合物を反応釜に仕込
み、これを該反応釜の下部に接続される剪断撹拌機構を
備えた円筒状容器内に連続的に供給し、該容器内を0.
2kg/cm2G以上の加圧状態に維持しながら油滴粒子の平
均粒子径が1〜100μmになるように高速剪断撹拌を
行って、連続的に分散乳化液を製造し、これを連続的に
前記反応釜に戻しながら、連続的に重合することを特徴
とする3次元重合体微粒子の製造法。 【効果】 低収縮性付与の効果が高く、粒度分布が非常
にシャープで収率の高い3次元重合体微粒子(低収縮
剤)が得られ、その結果、成形品の着色及び光沢の均一
性、低収縮性及び透明性に優れた成形品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化性不飽和ポリエステ
ル樹脂の低収縮剤として有用な3次元重合体微粒子、そ
の製造法、低収縮剤及び不飽和ポリエステル樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】硬化性不飽和ポリエステル樹脂組成物は
成形品、例えばSMC、BMC、RIM法等に用いるコ
ンパウンドとして種々の成形品等に利用されている。こ
の硬化性不飽和ポリエステル樹脂組成物は不飽和ポリエ
ステル樹脂にスチレンなどの重合性単量体を添加したも
のであり、必要に応じて重合開始剤、低収縮剤、補強
剤、離型剤、充填剤、増粘剤、着色剤等の添加剤を含
み、それ自体成形材料に用いられている。
【0003】硬化性不飽和ポリエステル樹脂に添加され
る低収縮剤は、成形時の収縮防止または補強剤の成形品
表面への浮き上り防止を目的とするものであり、例えば
アクリル系及びスチレン系樹脂の重合性単量体溶液、熱
可塑性のナイロン、ポリエチレン等の樹脂粉末、ポリ塩
化ビニル樹脂粉末、3次元化したアクリル系及びスチレ
ン系樹脂粉末などがある。
【0004】ところが従来の低収縮剤は種々の問題点を
かかえている。例えばアクリル系、スチレン系、酢酸ビ
ニル系樹脂の重合性単量体溶液を用いた場合、またはこ
れらの樹脂粉末を用いた場合は、低収縮効果は充分得ら
れるものの、分散性およびその安定性が悪くて組成物が
不均一となる。さらに混合時に低収縮剤が重合性単量体
に溶解して増粘し作業性が落ちる等の問題が起きる。
【0005】また低収縮剤としてナイロン、ポリエチレ
ン系、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性の樹脂粉末を用い
た場合、組成物の均一着色性には優れるものの重合性単
量体との相溶性が低いことから低収縮効果は充分でない
等の問題点がある。更に、3次元化したアクリル系、ス
チレン系樹脂粉末を用いた場合(特公昭51−1276
号公報など)、架橋密度が0.5%未満では、樹脂粉末
が急速に重合性単量体を吸収し、膨潤、増粘、凝集し均
一なコンパウンドが得られず、他方架橋密度が0.5%
以上では均一なコンパウンドは得られるが、十分な低収
縮効果が得られない等の問題点がある。
【0006】これらの問題点を解決する手段として、特
開昭62−148558号公報には、重合性単量体に対
し、易溶性でない物質を表面に有する低収縮剤で、かつ
重合性単量体に対し膨潤度が2〜40の3次元化された
アクリル系、スチレン系、酢酸ビニル系などの樹脂粉末
を用いることにより、硬化性不飽和ポリエステル樹脂に
対し、十分な低収縮性を有し、成形品の均一着色性、分
散性、光沢性を発揮するものとして効果的である旨が開
示されている。しかしながら、その効果は充分なものと
は言い難く、特に、開示される低収縮剤の製法によって
は、シャープな粒度分布のものが得られないため、成形
品の均一分散性、均一着色性、光沢性等の特性が不充分
であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特にその低
収縮剤として用いる樹脂微粒子の粒度分布を非常にシャ
ープにすること及び該微粒子内に細孔をもたせることに
より優れた低収縮性を示すとともに成形品の均一分散
性、均一着色性、光沢性、透明性等の特性の向上を目的
とするものであり、更には高収率でこの重合体微粒子を
製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、スチレン
系及び/又はアクリル系のビニル基を1個有する単量体
100重量部、架橋剤0.02〜5重量部、重合開始剤
0.05〜10重量部、発泡剤0.01〜20重量部、
水性媒体80〜400重量部及び懸濁剤0.1〜20重
量部を含む混合物を反応釜に仕込み、これを該反応釜の
下部に接続される剪断撹拌機構を備えた円筒状容器内に
連続的に供給し、該容器内を0.2kg/cm2G以上の加圧
状態に維持しながら油滴粒子の平均粒子径が1〜100
μmになるように高速剪断撹拌を行って、連続的に分散
乳化液を製造し、これを連続的に前記反応釜へ戻しなが
ら、連続的に重合することを特徴とする3次元重合体微
粒子の製造法、該製造法により得られる3次元重合体微
粒子、これよりなる低収縮剤並びに不飽和ポリエステル
樹脂と該低収縮剤とを含有してなる不飽和ポリエステル
樹脂組成物に関する。
【0009】本発明で用いるスチレン系及び/又はアク
リル系のビニル基を1個有する単量体としては、次のも
のが挙げられる。スチレン系単量体としては、スチレン
の他、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−
ブチルスチレン等のスチレン誘導体がある。
【0010】アクリル系単量体としては、アクリル酸、
アクリル酸の誘導体、例えば、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリ
ル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸メト
キシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸
ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコ
ール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アク
リル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブトキ
シトリエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロ
ピレングリコール、アクリル酸フェノキシエチル、アク
リル酸フェノキシジエチレングリコール、アクリル酸フ
ェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒド
ロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテニル、アクリ
ル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸N−
ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロ
キシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニル
オキシプロピル、アクリル酸グリシジル、アクリロニト
リル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミドあるいはメタクリル酸の
誘導体、メタクリル酸、例えば、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキ
シル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、
メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル
酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸
プロポキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタ
クリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸
エトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシ
エチレングリコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレ
ングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリ
コール、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸
フェノキシジエチレングリコール、メタクリル酸フェノ
キシテトラエチレングリコール、メタクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラ
ヒドロフルフリル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、
メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、メタク
リル酸N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリロニトリ
ル、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、
メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロ
ピル、ビニルピリジン等の1分子中に1個のビニル基を
有するビニル系単量体が挙げられる。これらは1種又は
2種以上を組合せて使用することができる。本発明にお
いて、この単量体の使用量を他の添加剤の基本数量とす
るために100重量部とする。
【0011】本発明に使用される架橋剤としては1分子
中に2個以上のビニル基を有する単量体であればいずれ
でもよいが、1分子中に2個のビニル基を有するものが
好ましい。その好ましい単量体としては例えば、ジビニ
ルベンゼン、グリコールとメタクリル酸あるいはアクリ
ル酸との反応生成物、例えばエチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,
5−ペンタンジオールメタクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレン
グリコールジメタクリレート等があるが、これらに限定
されるものではない。その添加量は、ビニル基を1個有
する単量体100重量部に対して0.02〜5重量部で
ある。添加量が0.02重量部より少ない場合は、得ら
れる重合体微粒子の重合性単量体に対する膨潤度が40
を越えるものとなり低収縮効果が少なくなる。一方、5
0重量部を越えると、得られる重合体微粒子の重合性単
量体に対する膨潤度が2未満となり、低収縮効果がなく
なる。なお、架橋剤は、その種類により添加量と架橋密
度に差が生じるため、その目安として、得られる重合体
微粒子の重合性単量体に対する膨潤度を2〜40、特に
5〜20になる様に架橋剤の添加量を調整することが好
ましい。
【0012】本発明に用いられる重合開始剤としては、
過酸化物系ラジカル開始剤が好ましく、例えば、過酸化
ベンゾイル、過安息香酸2−エチルヘキシル、過酸化ア
セチル、過酸化イソブチリル、過酸化オクタノイル、過
酸化ラウロイル、過酸化ジ−tert−ブチル、クメンヒド
ロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、
4,4,6−トリメチルシクロヘキサノンジ−tert−ブ
チルペルオキシケタール、シクロヘキサノンペルオキシ
ド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、アセチルア
セトンペルオキシド、シクロヘキサノンジ−tert−ブチ
ルペルオキシケタール、アセトンジ−tert−ブチルペル
オキシケタール、ジイソプロピルヒドロペルオキシド等
の過酸化物系ラジカル重合開始剤が挙げられる。ラジカ
ル重合開始剤は、ビニル基を1個有する単量体総量に対
して0.05〜10重量部使用される。使用量が0.0
5重量部未満では重合時間が長くなり、重合体微粒子の
粒度分布が広くなる欠点がある。一方、使用量が10重
量部を越える場合は重合開始剤が無駄であるばかりでな
く、架橋密度が上がりにくい等の問題が発生する。
【0013】本発明に使用される発泡剤は、3次元重合
体微粒子内に細孔を発生させるものであり、例えば炭酸
ガスやメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、
ヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、クロロホル
ム、四塩化炭素、メチレンクロライド、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエチレン、1,1,1トリクロロエ
タン等のハロゲン化アルキル、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−ア
ゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1′−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾビス系の発泡
剤などが挙げられる。この中で特に好ましいものはアゾ
ビス系の発泡剤である。アゾビス系発泡剤は単量体に溶
解し、該単量体の重合反応とともに窒素ガスを発生させ
るため、微粒子内部に容易に細孔を作ることができるた
め好ましい。アゾビス系発泡剤はそれ自体、単量体の重
合開始剤として作用するため、前記の過酸化物系ラジカ
ル開始剤の使用量を減すことが好ましい。これらの発泡
剤の使用量はビニル基を1個有する単量体100重量部
に対して0.01〜20重量部であるが、好ましい範囲
は0.05〜10重量部である。0.01重量部より少
ない場合は微粒子内部に細孔を作ることが難しく、20
重量部より多い場合は微粒子内部が空洞化してしまう。
【0014】重合に際し、連鎖移動剤を適宜添加するこ
とができる。連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカ
プタン等のアルキルメルカプタン、ジイソプロピルキサ
ントゲン等の低級アルキルキサントゲン類、四塩化炭
素、四臭化炭素等があり、これらを用いる場合、ビニル
基を1個有する単量体100重量部に対し、0.1重量
部以下で添加するのが好ましい。これらの添加量は膨潤
度とのかね合いで調整することが好ましい。
【0015】本発明に用いられる水性媒体の量は、基本
的には油滴を所望の大きさに乳化分散するために、ビニ
ル基を1個有する単量体100重量部に対して、80〜
400重量部である。80重量部未満では乳化分散液の
粘度が上がり、所望の油滴を調整しにくく、また400
重量部を越えると、生産性が劣る等の問題がある。
【0016】本発明に用いられる懸濁剤としては、重合
性単量体に対して易溶性でない物質であることが好まし
く、その例として、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カ
ルシウム、酸化チタン、水酸化カルシウム、炭酸カルシ
ウム及びシリカが好ましく、その他、ベンガラ、カーボ
ングラック、ガラス、金属粉、デンプン粉、セルロース
粉、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸の金属塩、
ポリメタクリル酸の金属塩、ポリアクリルアミド等も使
用することができる。この中で特に好ましい懸濁剤はヒ
ドロキシアパタイト、リン酸三カルシウムであり、油滴
の安定性、微粒子粉末の粒度分布がシャープである等の
点で優れている。
【0017】懸濁剤の使用量は、具体的には目的とする
3次元重合体微粒子の平均粒子径に応じて決定されるも
のであり、ビニル基を1個有する単量体100重量部に
対して0.1〜20重量部である。0.1重量部未満で
は目的とする重合体微粒子は得られにくく、一方20重
量部を越えると懸濁剤が無駄になる。
【0018】上記懸濁剤の中には単独で懸濁剤の機能を
表わすものと表わさないものとがあり、表わさないもの
には懸濁助剤が必要である。その懸濁助剤としては一般
に知られている界面活性剤、陽イオン系、陰イオン系、
ノニオン系界面活性剤が使用されるが、その中で特に陰
イオン界面活性剤が好ましい。陰イオン界面活性剤とし
ては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホ
ン酸ナトリウム、あるいはこれらの金属塩等がある。陰
イオン界面活性剤は水性媒体に対し、1×10-4〜0.
1重量%添加されるのが好ましい。1×10-4重量%未
満では、懸濁助剤としての機能が出にくく、0.1重量
%を越えるとこれ自体懸濁剤または乳化剤として機能し
てしまい、良好な懸濁重合が行えなくなる傾向にある。
【0019】上記の材料を含む混合物を反応釜にまず仕
込む。該反応釜の下部には剪断撹拌機構を備えた円筒状
容器を接続するとともに、該円筒状容器の排出口から排
出される液を前記反応釜へ戻すように環状に接続する。
反応釜に仕込まれた混合物は、連続的に円筒状容器に供
給する。本発明に用いられる該円筒状容器としては、高
速剪断撹拌機構を備えた円筒状容器、一般にはパイプラ
インホモミキサーまたはラインミキサーと言われるもの
が好ましく用いられる。パイプラインホモミキサーは、
一般に液体中にこれと混和しない他の物質を均一に分散
させて安定した懸濁液を調整する装置であり、被処理混
合液を剛体で精密に製作された狭い間隙を通じて強制的
に圧送し、次いで圧力を解放し、その際の激しい乱流に
よる液体摩擦、圧力の急激な減少、剪断、衝撃等により
微粒化して均一に分散させるものである。
【0020】本発明の製造法において、該円筒状容器は
0.2kg/cm2G以上の比較的低い圧力に加圧する必要が
ある。好ましい圧力は0.3〜5kg/cm2Gである。0.
2kg/cm2G未満ではミキサー内で発泡現象が起き、最終
的に目標とする微粒子が得られない。一方、5kg/cm2
を超えると目標とする微粒子は十分得られるが、該ミキ
サーを耐圧構造とする必要があり高価となってしまう傾
向にある。該ミキサーの高速剪断撹拌機構については限
定はなく、該微粒子の平均粒子径が1〜100μmにで
きるものであれば全ての機構が採用できる。
【0021】高速剪断撹拌により得られる油滴粒子の平
均粒子径が1〜100μmの分散乳化液は連続的に前記
反応釜に戻される。そして、前記反応釜を、通常の懸濁
重合に従って70〜95℃の温度に昇温して重合反応を
連続的に行う。この重合において、低収縮剤としての特
性から、平均粒子径が1〜100μmの粒度の3次元重
合体微粒子を得るのが好ましい。このような、いわゆる
ループ重合を行うことにより、非常にシャープな粒度分
布の3次元重合体微粒子が得られる。
【0022】得られる3次元重合体微粒子は低収縮剤と
して、本発明における不飽和ポリエステル樹脂組成物に
含有される。不飽和ポリエステル樹脂としては、公知の
方法により製造される公知のものが使用できる。不飽和
ポリエステル樹脂の原料となる酸成分としては、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸等の不飽和二
塩基酸またはその無水物のほか、イソフタル酸、テレフ
タル酸、無水フタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸等の多塩基酸も用いることができる。アルコール成
分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジピロピレングリコール、
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオー
ル、トリメチロールプロパン等のトリオールなどが用い
られる。酸成分とアルコール成分の反応条件は常法に従
い、適宜選択される。
【0023】また不飽和ポリエステル樹脂組成物の成分
として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体、アクリル
酸又はメタクリル酸の低級アルキルエステル、ジアリル
フタレート、ジアリルイソフタレートなどの重合性単量
体を通常用いられる量で用いることができる。その他、
必要に応じて、炭酸カルシウム、アルミナ等の充填剤、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム等の増粘剤、各種有機過酸化物等の硬化触媒、各種染
料、顔料等の着色剤などの各種添加剤を用いることがで
きる。得られるポリエステル樹脂組成物は、SMC,B
MC,RIM法等により各種成形品に利用される。
【0024】
【実施例】
実施例1 撹拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器を装備した5
0リットル反応釜を用意し、該50リットル反応釜の下
部に定量ポンプ及びパイプラインホモミキサー(特殊機
科工業(株)製、パイプラインホモミキサー、SL型)
を接続し、更にパイプラインホモミキサーの取り出し口
を、前記50リットル反応釜に接続する。50リットル
反応釜にスチレン18kg(100部)、ジビニルベン
ゼン0.09kg(0.5部)、過酸化ベンゾイル0.0
9kg(0.5部)、2,2−アゾビスイソブチロニトリ
ル0.09kg(0.5部)、水9kg(50部)、ヒドロ
キシアパタイト(スーパータイト10、日本化学工業
(株)製)18kg(固形分10部、水分90部)及びド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1%水溶液を90
g仕込み撹拌した。定量ポンプの吐出量を約10kg/分
に設定し、パイプラインホモミキサーに連続的に混合液
を送った。該ホモミキサーの内部圧力を1.0kg/cm
2G、回転数を9000rpmに設定し、混合液を分散乳化
液としつつ、連続的に前記50リットル反応釜に戻し
た。この乳化液をサンプリングし、コールターカウンタ
ーで油滴粒子の平均粒子径を測定したところ、10μm
であった。この状態で50リットル反応釜の温度を80
℃に昇温し、80℃で8時間反応させた。冷却後、遠心
脱水機で脱水し、80℃の乾燥器で乾燥して、3次元ポ
リスチレン微粒子を得た。該微粒子の収率は98%であ
り、高収率であった。また、該微粒子の粒度分布を測定
したところ、平均粒子径は15μmであり、シャープ化
度は0.45で、かなりシャープであることがわかっ
た。また該微粒子の膨潤度を測定したところ13であっ
た。該微粒子をSMCの低収縮剤として使用したとこ
ろ、低収縮効果は十分であり、着色光沢むらも良好であ
った。更に該微粒子を添加したBMC成形品は、特に透
明性が優れるものであった。以下表1及び表2に示す条
件に変更した以外は、同様な方法で行った各実施例及び
比較例の結果を表3及び表4に示した。但し配合比につ
いては特別指定がないものについては重量部を表わすも
のとする。
【0025】重合体微粒子の評価方法 (1) 重合体微粒子及び油滴微粒子の粒度分布の測定
法 測定機器はコールターカウンターを用いた。コールター
カウンターは日科機社製ZM型を使用した。電解液は日
科機社製、アイソトンIIを用いた。粒度分布の測定法
はマニュアルに従い測定した。 (2) 粒度分布におけるシャープ化度(Cv値)の求
め方 コールターカウンターで測定した粒度分布のデータをも
とに次の方法で求めた。
【数1】 (3) 膨潤度の測定法 内径14mm、高さ135mm、目盛り刻み0.2ml、無色
ガラス製の20mlメスシリンダーに試料0.5gを精秤
し、数回タッピングする。その後、スチレンモノマを静
かに壁面を伝わらせて20mlの目盛まで入れる。室温で
16〜24時間静置し、膨潤したゲルの高さをml表示で
読み取り、
【数2】 により膨潤度を算出する。
【0026】ポリエステル樹脂組成物の製造並びにSM
C成形品及びBMC成形品の製造 (1)不飽和ポリエステル樹脂組成物の製造 撹拌機を備えた容器に表5に示した配合の不飽和ポリエ
ステル樹脂(ポリセットPS−9195,マレイン酸、
テレフタル酸、プロピレングリコールを原料とする不飽
和ポリエステル樹脂とスチレンモノマーの混合物、日立
化成工業(株)製)、顔料(東京インキ(株)製、アイ
ボリー)、硬化剤(パーブチルZ、日本油脂(株)製)
を配合し、均一に溶解した。その後、ステアリン酸亜
鉛、水酸化アルミニウム、本発明の実施例及び比較例の
重合体微粒子を加え、均一に分散した後、酸化マグネシ
ウムを添加した。酸化マグネシウムの粒々がなくなるま
で十分に分散し、不飽和ポリエステル樹脂組成物(A)
及び(B)を得た。 (2)SMC成形品の製造 不飽和ポリエステル樹脂組成物(A)をSMCマシンに
かけてガラス繊維含有量が25重量%になるように設定
してSMCシートを作成した。スチレンの飛散を防止す
るためにポリエステルフィルムで梱包し、40℃で2日
間、SMCを熟成させた。次に、寸法250×500×
3(mm)の金型に熟成したSMCを800gとり、成形
温度140℃、成形圧力130kgf/cm2、成形時間3分
の条件でSMC成形品を製造した。
【0027】(3)BMC成形品の製造 1.5mmガラス繊維の含有量が3重量%になるように不
飽和ポリエステル樹脂組成物(B)を配合し、ニーダで
10分間よく混練して、コンパウンドを作製した。つぎ
にスチレンの飛散を防止するためにポリエステルフィル
ムで梱包し、40℃で20時間、コンパウンドを熟成さ
せた。これを700g取り、寸法220×220(mm)
の金型内に入れ、成形温度140℃、成形圧力100kg
f/cm2、成形時間9分の条件で厚さ6mmのBMC成形品
を製造した。 (4)成形品の評価 ・着色、光沢むら 得られたSMC成形品を目視判定した。 ・収縮性の評価 得られたSMCの成形品を、ノギスで型の寸法と成形品
の寸法を測定し次式
【数3】 により収縮率を測定した。表1の低収縮性の記号は次の
様に決めた。収縮率が0〜0.01%のものを◎で表示
した。収縮率が0.011〜0.015%のものを○で
表示した。収縮率が0.016〜0.020%のものを
△で表示した。収縮率が0.021%以上のものを×で
表示した。 ・透明性の評価 日本電色工業性濁度計の可視光を用いて、サンプルのな
い状態を透過率100%とし、サンプル部を遮閉した状
態を過透率0%とする。この補正をしたのちBMC成形
品をサンプル部に入れ、その成形品の透過率を測定す
る。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、粒度分布は非常にシャ
ープで収率の高い3次元重合体微粒子を得ることがで
き、また、該3次元重合体微粒子を低収縮剤として用い
た不飽和ポリエステル樹脂組成物は、SMC成形品の着
色および光沢に均一性を確保することができると共に、
非常に優れた低収縮性を発揮する。更にはBMC成形品
とした場合、優れた透明性を有する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系及び/又はアクリル系のビニ
    ル基を1個有する単量体100重量部、架橋剤0.02
    〜5重量部、重合開始剤0.05〜10重量部、発泡剤
    0.01〜20重量部、水性媒体80〜400重量部及
    び懸濁剤0.1〜20重量部を含む混合物を反応釜に仕
    込み、これを該反応釜の下部に接続される剪断撹拌機構
    を備えた円筒状容器内に連続的に供給し、該容器内を
    0.2kg/cm2G以上の加圧状態に維持しながら油滴粒子
    の平均粒子径が1〜100μmになるように高速剪断撹
    拌を行って、連続的に分散乳化液を製造し、これを連続
    的に前記反応釜に戻しながら、連続的に重合することを
    特徴とする3次元重合体微粒子の製造法。
  2. 【請求項2】 発泡剤がアゾビス系発泡剤である請求項
    1記載の3次元重合体微粒子の製造法。
  3. 【請求項3】 懸濁剤がヒドロキシアパタイト、リン酸
    三カルシウム、酸化チタン、水酸化カルシウム、炭酸カ
    ルシウム及びシリカから選択されるものである請求項1
    又は2記載の3次元重合体微粒子の製造法。
  4. 【請求項4】 剪断撹拌機構を備えた円筒状容器がパイ
    プラインホモミキサである請求項1、2又は3記載の3
    次元重合体微粒子の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の製造法に
    より得られる3次元重合体微粒子。
  6. 【請求項6】 膨潤度が2〜40である請求項5記載の
    3次元重合体微粒子。
  7. 【請求項7】 平均粒子径が1〜100μmである請求
    項5又は6記載の3次元重合体微粒子。
  8. 【請求項8】 請求項5、6又は7記載の3次元重合体
    微粒子からなる低収縮剤。
  9. 【請求項9】 不飽和ポリエステル樹脂と請求項8記載
    の低収縮剤とを含有してなる不飽和ポリエステル樹脂組
    成物。
JP11291693A 1992-05-18 1993-05-14 3次元重合体微粒子、その製造法、低収縮剤及び不飽和ポリエステル樹脂組成物 Pending JPH0693005A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100347827B1 (ko) * 2000-03-03 2002-08-07 주식회사 금화에스비알 열경화성 불포화 폴리에스터 복합재료를 위한 저수축제의제조방법
DE102005021335A1 (de) * 2005-05-04 2006-11-09 Röhm Gmbh Verfahren zur Herstellung von Perlpolymerisaten mit einer mittleren Teilchengröße im Bereich von 1 µm bis 40 µm sowie Perlpolymerisat aufweisende Formmassen und Formkörper
CN114560798A (zh) * 2022-03-16 2022-05-31 江门市加滢精细化工有限公司 一种过氧化甲乙酮的制备方法

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