JPH0692899A - フェノール類の選択的パラ位カルボキシル化方法 - Google Patents
フェノール類の選択的パラ位カルボキシル化方法Info
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- JPH0692899A JPH0692899A JP4247867A JP24786792A JPH0692899A JP H0692899 A JPH0692899 A JP H0692899A JP 4247867 A JP4247867 A JP 4247867A JP 24786792 A JP24786792 A JP 24786792A JP H0692899 A JPH0692899 A JP H0692899A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】フェノール類の第四級ホスホニウム塩と二酸化
炭素との反応により、選択的にパラヒドロキシ安息香酸
類を製造する。 【効果】サルチル酸類および4−ヒドロキシイソフタル
酸類は全く副生しないため、従来行われていた繁雑な分
離精製工程を簡略化できる。
炭素との反応により、選択的にパラヒドロキシ安息香酸
類を製造する。 【効果】サルチル酸類および4−ヒドロキシイソフタル
酸類は全く副生しないため、従来行われていた繁雑な分
離精製工程を簡略化できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール類の選択的
パラ位カルボキシル化方法に関するものである。本発明
の方法で得られるパラヒドロキシ安息香酸類は、ファイ
ンケミカル中間体、エンジニアリングプラスチック原料
として有用である。
パラ位カルボキシル化方法に関するものである。本発明
の方法で得られるパラヒドロキシ安息香酸類は、ファイ
ンケミカル中間体、エンジニアリングプラスチック原料
として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、フェノール類と二酸化炭素からパ
ラヒドロキシ安息香酸類を製造する方法としては以下の
方法が知られている。
ラヒドロキシ安息香酸類を製造する方法としては以下の
方法が知られている。
【0003】フェノール類のアルカリ金属塩と二酸化炭
素との反応は、古くは無溶媒法で高温加圧下で行うコル
ベ・シュミット(Kolbe Schmidt)反応として知られて
いる。この反応では、フェノールのナトリウム塩の無水
物に二酸化炭素を吸収させたものを120 〜140 ℃に昇温
する事によりサリチル酸のモノナトリウムおよびジナト
リウム塩が生成し、パラヒドロキシ安息香酸は生成しな
い。然し、フェノールのカリウム塩を用い、二酸化炭素
加圧下高温に加熱した場合にはパラヒドロキシ安息香酸
が主生成物となり、サリチル酸が副生成物となる。(有
機化学ハンドブックP.454(1968) (東京、技報堂))。
素との反応は、古くは無溶媒法で高温加圧下で行うコル
ベ・シュミット(Kolbe Schmidt)反応として知られて
いる。この反応では、フェノールのナトリウム塩の無水
物に二酸化炭素を吸収させたものを120 〜140 ℃に昇温
する事によりサリチル酸のモノナトリウムおよびジナト
リウム塩が生成し、パラヒドロキシ安息香酸は生成しな
い。然し、フェノールのカリウム塩を用い、二酸化炭素
加圧下高温に加熱した場合にはパラヒドロキシ安息香酸
が主生成物となり、サリチル酸が副生成物となる。(有
機化学ハンドブックP.454(1968) (東京、技報堂))。
【0004】一方、フェノール類のアルカリ金属塩と二
酸化炭素との反応を溶媒中で行った例としては、tert−
ブタノール等のプロトン性溶媒、トルエン、ジフェニル
エーテルおよびジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド等の非プロトン性溶媒、または、灯油、軽油等の
高沸点溶媒等、種々の溶媒中での反応が平尾らによって
検討されている(有機合成協会誌24巻P.1051(1966)、25
巻P.412 、417 、577、1031、1202(1967)、26巻P.439
、992(1968) 、27巻P.648(1969) 、28巻P.426(1970)
)。さらに、有機ホスフィンオキサイドを溶媒として
用いる方法は特開平2-22354 に開示されている。これら
の溶媒法では、フェノールのナトリウム塩を原料として
用いても、無溶媒法では生成しなかったパラヒドロキシ
安息香酸がサリチル酸と共に生成してくる。
酸化炭素との反応を溶媒中で行った例としては、tert−
ブタノール等のプロトン性溶媒、トルエン、ジフェニル
エーテルおよびジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド等の非プロトン性溶媒、または、灯油、軽油等の
高沸点溶媒等、種々の溶媒中での反応が平尾らによって
検討されている(有機合成協会誌24巻P.1051(1966)、25
巻P.412 、417 、577、1031、1202(1967)、26巻P.439
、992(1968) 、27巻P.648(1969) 、28巻P.426(1970)
)。さらに、有機ホスフィンオキサイドを溶媒として
用いる方法は特開平2-22354 に開示されている。これら
の溶媒法では、フェノールのナトリウム塩を原料として
用いても、無溶媒法では生成しなかったパラヒドロキシ
安息香酸がサリチル酸と共に生成してくる。
【0005】また、フェノール類のアルカリ土類金属塩
と二酸化炭素との反応は、日本化学会誌1991(2)170に記
載されている。
と二酸化炭素との反応は、日本化学会誌1991(2)170に記
載されている。
【0006】さらに、フェノール類のアルカリ金属また
はアルカリ土類金属塩を使用しない例としては、1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−センの存
在下で、フェノールに二酸化炭素を反応させる方法が特
開昭64-9954 に開示されている。
はアルカリ土類金属塩を使用しない例としては、1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−センの存
在下で、フェノールに二酸化炭素を反応させる方法が特
開昭64-9954 に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
出発原料としてフェノールを用いて、上述した従来公知
のパラヒドロキシ安息香酸類の製造方法に基ずき反応を
行うと、生成物としてパラヒドロキシ安息香酸のほかに
サリチル酸および4−ドロキシイソフタル酸が同時に得
られる。従って、これらの生成物の中から高純度のパラ
ヒドロキシ安息香酸を得るために、複雑で多段階に渡る
分離精製工程が必要となり、工業的に満足できる製造方
法とはいえなかった。このため、工業的見地からみる
と、サリチル酸および4−ヒドロキシイソフタル酸を副
生しない選択的なパラヒドロキシ安息香酸の製造法の開
発が強く望まれていた。
出発原料としてフェノールを用いて、上述した従来公知
のパラヒドロキシ安息香酸類の製造方法に基ずき反応を
行うと、生成物としてパラヒドロキシ安息香酸のほかに
サリチル酸および4−ドロキシイソフタル酸が同時に得
られる。従って、これらの生成物の中から高純度のパラ
ヒドロキシ安息香酸を得るために、複雑で多段階に渡る
分離精製工程が必要となり、工業的に満足できる製造方
法とはいえなかった。このため、工業的見地からみる
と、サリチル酸および4−ヒドロキシイソフタル酸を副
生しない選択的なパラヒドロキシ安息香酸の製造法の開
発が強く望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を行った。その結果、従来全く
知られていなかったフェノール類の第4級ホスホニウム
塩と二酸化炭素との反応を行うと、驚くべきことにサリ
チル酸類および4−ヒドロキシイソフタル酸類は全く生
成せず、選択的にパラヒドロキシ安息香酸類が生成する
事を見いだし本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明のフェノール類の選択的パラ位カルボキシル化方法
は、フェノール類の第4級ホスホニウム塩に二酸化炭素
を作用させる事を特徴とするものである。
を解決するため鋭意検討を行った。その結果、従来全く
知られていなかったフェノール類の第4級ホスホニウム
塩と二酸化炭素との反応を行うと、驚くべきことにサリ
チル酸類および4−ヒドロキシイソフタル酸類は全く生
成せず、選択的にパラヒドロキシ安息香酸類が生成する
事を見いだし本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明のフェノール類の選択的パラ位カルボキシル化方法
は、フェノール類の第4級ホスホニウム塩に二酸化炭素
を作用させる事を特徴とするものである。
【0009】本発明の方法において、原料として用いら
れるフェノール類は、例えば、フェノールの他に、o−
クレゾール、m−クレゾール、2−エチルフェノール、
3−エチルフェノール、2、3−キシレノール、2、5
−キシレノール、2、6−キシレノール、3、5−キシ
レノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,
3,6−トリメチルフェノール、2−n−プロピルフェ
ノール、3−n−プロピルフェノール、2−イソプロピ
ルフェノール、3−イソプロピルフェノール、チモー
ル、カルバクロール、2−n−ブチルフェノール、o−
ビニルフェノール等の飽和または不飽和の脂肪族炭化水
素基置換フェノール類、2−フェニルフェノール、3−
フェニルフェノール等の芳香族炭化水素基置換フェノー
ル類、グアヤコール、m−メトキシフェノール、2,6
−ジメトキシフェノール等のアルコキシ基置換フェノー
ル類、2−ヒドロキシフェネチルアルコール、3−ヒド
ロキシフェネチルアルコール、サリチルアルコール等の
ヒドロキシアルキル基置換フェノール類、サリチル酸等
のカルボキシル基置換フェノール類、2−ヒドロキシー
5−スルホ安息香酸等のスルホン基置換フェノール類、
o−アミノフェノール等のアミノ基置換フェノール類、
2,3−ジニトロフェノール等のニトロ基置換フェノー
ル類、2−クロロフェノール、2,3−ジクロロフェノ
ール、2−ブロモフェノール等のハロゲン置換フェノー
ル類等を例示できる。
れるフェノール類は、例えば、フェノールの他に、o−
クレゾール、m−クレゾール、2−エチルフェノール、
3−エチルフェノール、2、3−キシレノール、2、5
−キシレノール、2、6−キシレノール、3、5−キシ
レノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,
3,6−トリメチルフェノール、2−n−プロピルフェ
ノール、3−n−プロピルフェノール、2−イソプロピ
ルフェノール、3−イソプロピルフェノール、チモー
ル、カルバクロール、2−n−ブチルフェノール、o−
ビニルフェノール等の飽和または不飽和の脂肪族炭化水
素基置換フェノール類、2−フェニルフェノール、3−
フェニルフェノール等の芳香族炭化水素基置換フェノー
ル類、グアヤコール、m−メトキシフェノール、2,6
−ジメトキシフェノール等のアルコキシ基置換フェノー
ル類、2−ヒドロキシフェネチルアルコール、3−ヒド
ロキシフェネチルアルコール、サリチルアルコール等の
ヒドロキシアルキル基置換フェノール類、サリチル酸等
のカルボキシル基置換フェノール類、2−ヒドロキシー
5−スルホ安息香酸等のスルホン基置換フェノール類、
o−アミノフェノール等のアミノ基置換フェノール類、
2,3−ジニトロフェノール等のニトロ基置換フェノー
ル類、2−クロロフェノール、2,3−ジクロロフェノ
ール、2−ブロモフェノール等のハロゲン置換フェノー
ル類等を例示できる。
【0010】本発明の方法で使用されるフェノール類の
第4級ホスホニウム塩は、上記フェノール類と第4級ホ
スホニウムハイドロオキサイドとの反応により得られ
る。第4級ホスホニウムハイドロオキサイドの例として
は、一般式(1)
第4級ホスホニウム塩は、上記フェノール類と第4級ホ
スホニウムハイドロオキサイドとの反応により得られ
る。第4級ホスホニウムハイドロオキサイドの例として
は、一般式(1)
【0011】
【化1】{( R1)( R2)( R3)( R4)P}+ (OH)- ( 式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は炭素数1〜16の
直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロヘキシル基、ベン
ジル基またはフェニル基を示し、互いに同一であっても
異なっていてもよい)で表され、例示すれば、テトラメ
チルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラエチルホ
スホニウムハイドロオキサイド、テトラ−n−プロピル
ホスホニウムハイドロオキサイド、テトライソプロピル
ホスホニウムハイドロオキサイド、テトラ−n−ブチル
ホスホニウムハイドロオキサイド、テトラ−sec −ブチ
ルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラ−n−ヘキ
シルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラ−n−オ
クチルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラフェニ
ルホスホニウムハイドロオキサイド、トリエチルベンジ
ルホスホニウムハイドロオキサイド、トリ−n−ブチル
メチルホスホニウムハイドロオキサイド、トリ−n−ブ
チル−n−オクチルホスホニウムハイドロオキサイド、
トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウムハイドロオ
キサイド、トリ−n−ブチルシクロヘキシルホスホニウ
ムハイドロオキサイド、トリ−n−ブチルフェニルホス
ホニウムハイドロオキサイド、トリフェニルメチルホス
ホニウムハイドロオキサイド、トリフェニル−n−ブチ
ルホスホニウムハイドロオキサイド、トリフェニル−n
−オクチルホスホニウムハイドロオキサイド、トリフェ
ニルベンジルホスホニウムハイドロオキサイド、トリフ
ェニルシクロヘキシルホスホニウムハイドロオキサイ
ド、トリシクロヘキシルフェニルホスホニウムハイドロ
オキサイド、トリシクロヘキシルメチルホスホニウムハ
イドロオキサイド等を示す事が出来る。
直鎖もしくは分岐アルキル基、シクロヘキシル基、ベン
ジル基またはフェニル基を示し、互いに同一であっても
異なっていてもよい)で表され、例示すれば、テトラメ
チルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラエチルホ
スホニウムハイドロオキサイド、テトラ−n−プロピル
ホスホニウムハイドロオキサイド、テトライソプロピル
ホスホニウムハイドロオキサイド、テトラ−n−ブチル
ホスホニウムハイドロオキサイド、テトラ−sec −ブチ
ルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラ−n−ヘキ
シルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラ−n−オ
クチルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラフェニ
ルホスホニウムハイドロオキサイド、トリエチルベンジ
ルホスホニウムハイドロオキサイド、トリ−n−ブチル
メチルホスホニウムハイドロオキサイド、トリ−n−ブ
チル−n−オクチルホスホニウムハイドロオキサイド、
トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウムハイドロオ
キサイド、トリ−n−ブチルシクロヘキシルホスホニウ
ムハイドロオキサイド、トリ−n−ブチルフェニルホス
ホニウムハイドロオキサイド、トリフェニルメチルホス
ホニウムハイドロオキサイド、トリフェニル−n−ブチ
ルホスホニウムハイドロオキサイド、トリフェニル−n
−オクチルホスホニウムハイドロオキサイド、トリフェ
ニルベンジルホスホニウムハイドロオキサイド、トリフ
ェニルシクロヘキシルホスホニウムハイドロオキサイ
ド、トリシクロヘキシルフェニルホスホニウムハイドロ
オキサイド、トリシクロヘキシルメチルホスホニウムハ
イドロオキサイド等を示す事が出来る。
【0012】さらに、3次元の架橋高分子基体にホスホ
ニウム基を導入した陰イオン交換樹脂も使用できる。こ
の場合にも、陰イオン交換樹脂のホスホニウムハイドロ
オキサイド部分とフェノール類が反応しフェノール類の
第4級ホスホニウム塩を生成できる。フェノール類の第
4級ホスホニウム塩は二酸化炭素との反応に際し出来る
だけ水分を含まない事が好ましい。
ニウム基を導入した陰イオン交換樹脂も使用できる。こ
の場合にも、陰イオン交換樹脂のホスホニウムハイドロ
オキサイド部分とフェノール類が反応しフェノール類の
第4級ホスホニウム塩を生成できる。フェノール類の第
4級ホスホニウム塩は二酸化炭素との反応に際し出来る
だけ水分を含まない事が好ましい。
【0013】本反応で使用される二酸化炭素は、固体、
液体及び気体のいずれの状態でも使用できる。また、必
要に応じて窒素、アルゴン、メタン等本反応に対して不
活性な気体で希釈して使用する事もできる。 本発明の
方法で使用される溶媒は、反応に悪影響を及ぼさないも
のであればいずれも使用する事ができる。
液体及び気体のいずれの状態でも使用できる。また、必
要に応じて窒素、アルゴン、メタン等本反応に対して不
活性な気体で希釈して使用する事もできる。 本発明の
方法で使用される溶媒は、反応に悪影響を及ぼさないも
のであればいずれも使用する事ができる。
【0014】例えば、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、i-プロパノール、n−ブタノール、i−ブ
タノール、t−ブタノール等のアルコール類、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1、4−あるいは
2、3−ブタンジオール等の多価アルコール類、ジエチ
ルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン、4−メチル−2−ペンタ
ノン、アセトフェノン等のケトン類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、
ジクロロベンゼン類、クロロトルエン、クロロキシレン
等のハロゲン化芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、ジ
クロロメタン、1、2−ジクロロエタン、1、1、2、
2−テトラクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素
類、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリドン等のN−置換アミド類、ジメ
チルスルホキシド等のスルホキシド類、スルホラン等の
スルホン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニト
リル類、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、エ
チレン尿素等の環状尿素類、ヘキサメチルホスホルアミ
ド等のリン酸アミド類、トリブチルホスフィンオキサイ
ド等のホスフィンオキサイド類等が例示できる。これら
の中では、非プロトン性極性溶媒であるN−置換アミド
類、環状尿素類、リン酸アミド類、ホスフィンオキサイ
ド類、スルホキシド類、スルホン類等が好ましい。
ロパノール、i-プロパノール、n−ブタノール、i−ブ
タノール、t−ブタノール等のアルコール類、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1、4−あるいは
2、3−ブタンジオール等の多価アルコール類、ジエチ
ルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン、4−メチル−2−ペンタ
ノン、アセトフェノン等のケトン類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、
ジクロロベンゼン類、クロロトルエン、クロロキシレン
等のハロゲン化芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、ジ
クロロメタン、1、2−ジクロロエタン、1、1、2、
2−テトラクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素
類、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリドン等のN−置換アミド類、ジメ
チルスルホキシド等のスルホキシド類、スルホラン等の
スルホン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニト
リル類、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、エ
チレン尿素等の環状尿素類、ヘキサメチルホスホルアミ
ド等のリン酸アミド類、トリブチルホスフィンオキサイ
ド等のホスフィンオキサイド類等が例示できる。これら
の中では、非プロトン性極性溶媒であるN−置換アミド
類、環状尿素類、リン酸アミド類、ホスフィンオキサイ
ド類、スルホキシド類、スルホン類等が好ましい。
【0015】これらの溶媒は、反応に際し単独あるいは
二種以上の混合物として使用する事ができる。反応は上
記の溶媒種からなる単独あるいは混合溶媒1リットルに
対し、フェノール類の第4級ホスホニウム塩を0.1 〜10
モル、好ましくは0.5 〜5モル使用する。二酸化酸素の
量は本反応が起こるのに必要な化学量論量以上供給すれ
ば良い。
二種以上の混合物として使用する事ができる。反応は上
記の溶媒種からなる単独あるいは混合溶媒1リットルに
対し、フェノール類の第4級ホスホニウム塩を0.1 〜10
モル、好ましくは0.5 〜5モル使用する。二酸化酸素の
量は本反応が起こるのに必要な化学量論量以上供給すれ
ば良い。
【0016】反応は減圧下、常圧下、加圧下いずれでも
実施できるが、好ましくは、常圧下または加圧下で行
う。加圧下で反応を行う場合の二酸化炭素圧力は1〜50
kg/cm2ゲージ程度で十分である。反応温度は、50〜220
℃、好ましくは、60〜200 ℃の範囲である。反応温度が
これより低いとフェノール類の転化率が低下し、反応の
進行が遅くなり好ましくない。一方、反応温度がこれよ
り高いと、生成物の安定性に問題が生じる。
実施できるが、好ましくは、常圧下または加圧下で行
う。加圧下で反応を行う場合の二酸化炭素圧力は1〜50
kg/cm2ゲージ程度で十分である。反応温度は、50〜220
℃、好ましくは、60〜200 ℃の範囲である。反応温度が
これより低いとフェノール類の転化率が低下し、反応の
進行が遅くなり好ましくない。一方、反応温度がこれよ
り高いと、生成物の安定性に問題が生じる。
【0017】反応時間は特に限定されないが、一般に反
応時間を延ばす事によって転化率を高める事ができる。
反応時間は、原料、反応温度、溶媒および二酸化炭素圧
力によって変わるが、例えば、反応温度140 ℃では0.5
〜72時間である。
応時間を延ばす事によって転化率を高める事ができる。
反応時間は、原料、反応温度、溶媒および二酸化炭素圧
力によって変わるが、例えば、反応温度140 ℃では0.5
〜72時間である。
【0018】本発明の方法は、回分式、半回分式または
連続式のいずれの反応方式でも実施する事ができる。反
応生成物は、反応終了後、塩酸、硫酸等の酸を加え酸性
とした後、抽出あるいは晶析等通常の方法で分離精製で
きる。
連続式のいずれの反応方式でも実施する事ができる。反
応生成物は、反応終了後、塩酸、硫酸等の酸を加え酸性
とした後、抽出あるいは晶析等通常の方法で分離精製で
きる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれ等の実施例に限定されるもの
ではない。なお、分析及び定量は、高速液体クロマトグ
ラフィーで行った。
説明するが、本発明はこれ等の実施例に限定されるもの
ではない。なお、分析及び定量は、高速液体クロマトグ
ラフィーで行った。
【0020】実施例1 撹拌機、ガス吹き込み管、還流冷却器および水分離器を
備えた200ml ガラス製四つ口フラスコに、テトラ−n−
ブチルホスホニウムハイドロオキサイド(以下TBPHと略
記する)の40%水溶液68.07g(TBPHとして99.99mmol
)、フェノール 9.40g( 99.88mmol)およびトルエン1
32.9gを入れ、窒素ガスを吹き込みながら1時間撹拌し
た。次にフラスコを加熱し88〜112 ℃で脱水反応を行い
水40.89g(理論回収量に対し96.8%)を得た。さらに加
熱しトルエンを回収しフェノールのテトラ−n−ブチル
ホスホニウム塩(以下TBPPと略記する)を得た。フラス
コを室温まで冷却後、予めモレキュラーシーブで脱水し
たジメチルホルムアミド(以下DMFと略記する)27.87g
を溶媒として加え、常圧で窒素雰囲気下140 ℃まで昇温
し、直ちに窒素を二酸化炭素に替え二酸化炭素を190 ml
/minの流量でフラスコ内に導入しながら反応を行った。
反応開始後1、3、5、8の各時間後に分析を行ったと
ころパラヒドロキシ安息香酸(以下POB と略記する)が
それぞれ0.33、0.71、 0.90 、1.05 mmol 生成してお
り、サリチル酸(以下SAと略記する)および4−ヒドロ
キシイソフタル酸(以下OIP と略記する)は検出されな
かった。 実施例2 実施例1においてDMF に代えてトリ−n−ブチルホスフ
ィンオキシサイド90.5g を溶媒として用いた以外は実施
例1と同様に反応を行った。その結果、反応開始後3時
間後に分析を行ったところPOB が0.09mmol生成してお
り、SAおよびOIPは検出されなかった。
備えた200ml ガラス製四つ口フラスコに、テトラ−n−
ブチルホスホニウムハイドロオキサイド(以下TBPHと略
記する)の40%水溶液68.07g(TBPHとして99.99mmol
)、フェノール 9.40g( 99.88mmol)およびトルエン1
32.9gを入れ、窒素ガスを吹き込みながら1時間撹拌し
た。次にフラスコを加熱し88〜112 ℃で脱水反応を行い
水40.89g(理論回収量に対し96.8%)を得た。さらに加
熱しトルエンを回収しフェノールのテトラ−n−ブチル
ホスホニウム塩(以下TBPPと略記する)を得た。フラス
コを室温まで冷却後、予めモレキュラーシーブで脱水し
たジメチルホルムアミド(以下DMFと略記する)27.87g
を溶媒として加え、常圧で窒素雰囲気下140 ℃まで昇温
し、直ちに窒素を二酸化炭素に替え二酸化炭素を190 ml
/minの流量でフラスコ内に導入しながら反応を行った。
反応開始後1、3、5、8の各時間後に分析を行ったと
ころパラヒドロキシ安息香酸(以下POB と略記する)が
それぞれ0.33、0.71、 0.90 、1.05 mmol 生成してお
り、サリチル酸(以下SAと略記する)および4−ヒドロ
キシイソフタル酸(以下OIP と略記する)は検出されな
かった。 実施例2 実施例1においてDMF に代えてトリ−n−ブチルホスフ
ィンオキシサイド90.5g を溶媒として用いた以外は実施
例1と同様に反応を行った。その結果、反応開始後3時
間後に分析を行ったところPOB が0.09mmol生成してお
り、SAおよびOIPは検出されなかった。
【0021】実施例3 実施例1においてDMF に代えてジメチルスルホキシド3
1.89gを溶媒として用いた以外は実施例1と同様に反応
を行った。その結果、反応開始後1、3、5の各時間後
に分析を行ったところPOB がそれぞれ0.54、1.17、1.60
mmol生成しており、SAおよびOIP は検出されなかった。
1.89gを溶媒として用いた以外は実施例1と同様に反応
を行った。その結果、反応開始後1、3、5の各時間後
に分析を行ったところPOB がそれぞれ0.54、1.17、1.60
mmol生成しており、SAおよびOIP は検出されなかった。
【0022】実施例4 実施例1においてDMF に代えて1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン46.11gを溶媒として用いた以外は実施
例1と同様に反応を行った。その結果、反応開始後1、
3の各時間後に分析を行ったところPOB がそれぞれ0.3
0、0.57mmol生成しており、SAおよびOIP は検出されな
かった。
イミダゾリジノン46.11gを溶媒として用いた以外は実施
例1と同様に反応を行った。その結果、反応開始後1、
3の各時間後に分析を行ったところPOB がそれぞれ0.3
0、0.57mmol生成しており、SAおよびOIP は検出されな
かった。
【0023】実施例5 実施例1においてDMF に代えてスルホラン47.02gを溶媒
として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。そ
の結果、反応開始後1、3、5の各時間後に分析を行っ
たところPOB がそれぞれ0.44、1.00、1.38mmol生成して
おり、SAおよびOIP は検出されなかった。
として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。そ
の結果、反応開始後1、3、5の各時間後に分析を行っ
たところPOB がそれぞれ0.44、1.00、1.38mmol生成して
おり、SAおよびOIP は検出されなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明により、フェノール類の第4級ホ
スホニウム塩に二酸化炭素を作用させると、サリチル酸
類および4−ヒドロキシイソフタル酸類は全く生成せ
ず、選択的にパラヒドロキシ安息香酸類が生成する事が
可能となり、従来行われていた煩雑な分離精製工程を簡
略化できるため、工業的価値は極めて大きい。
スホニウム塩に二酸化炭素を作用させると、サリチル酸
類および4−ヒドロキシイソフタル酸類は全く生成せ
ず、選択的にパラヒドロキシ安息香酸類が生成する事が
可能となり、従来行われていた煩雑な分離精製工程を簡
略化できるため、工業的価値は極めて大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】 フェノール類の第4級ホスホニウム塩に
二酸化炭素を作用させる事を特徴とするフェノール類の
選択的パラ位カルボキシル化方法。 - 【請求項2】 フェノール類がフェノールであり、カル
ボキシル化生成物がパラヒドロキシ安息香酸である請求
項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04247867A JP3117296B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | フェノール類の選択的パラ位カルボキシル化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04247867A JP3117296B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | フェノール類の選択的パラ位カルボキシル化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0692899A true JPH0692899A (ja) | 1994-04-05 |
JP3117296B2 JP3117296B2 (ja) | 2000-12-11 |
Family
ID=17169817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04247867A Expired - Fee Related JP3117296B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | フェノール類の選択的パラ位カルボキシル化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3117296B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003518046A (ja) * | 1999-12-20 | 2003-06-03 | バイエル アクチェンゲゼルシャフト | ホスホニウムフェノレートの製造方法 |
-
1992
- 1992-09-17 JP JP04247867A patent/JP3117296B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003518046A (ja) * | 1999-12-20 | 2003-06-03 | バイエル アクチェンゲゼルシャフト | ホスホニウムフェノレートの製造方法 |
JP4856340B2 (ja) * | 1999-12-20 | 2012-01-18 | バイエル アクチェンゲゼルシャフト | ホスホニウムフェノレートの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3117296B2 (ja) | 2000-12-11 |
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