JPH0692604B2 - 金属粉末射出成形による鉄系金属焼結体の製造方法 - Google Patents
金属粉末射出成形による鉄系金属焼結体の製造方法Info
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- JPH0692604B2 JPH0692604B2 JP1312124A JP31212489A JPH0692604B2 JP H0692604 B2 JPH0692604 B2 JP H0692604B2 JP 1312124 A JP1312124 A JP 1312124A JP 31212489 A JP31212489 A JP 31212489A JP H0692604 B2 JPH0692604 B2 JP H0692604B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、金属粉末と結合剤を混合した混合物を成形
し、結合剤を除去したのち焼結することにより焼結体を
製造する方法に関する。
し、結合剤を除去したのち焼結することにより焼結体を
製造する方法に関する。
〈従来の技術〉 金属の粉末に結合剤を混合し、成形し、部品を加工する
製造方法の分野では、近年金属粉末射出成形焼結法が注
目を集めている。
製造方法の分野では、近年金属粉末射出成形焼結法が注
目を集めている。
特開昭57-16103号、特開昭57-40111号、特開昭57-12390
2号、特開昭58-153702号、特開昭61-210101号、特公昭6
1-48563号、特公昭62-33282号の各号が金属粉末射出成
形焼結法に関する代表的な技術として開示されている。
2号、特開昭58-153702号、特開昭61-210101号、特公昭6
1-48563号、特公昭62-33282号の各号が金属粉末射出成
形焼結法に関する代表的な技術として開示されている。
ところで、鉄系合金等鉄系材料の機械的性質、耐食性等
は、公知のように材料中の炭素量および酸素量により大
きく左右される。
は、公知のように材料中の炭素量および酸素量により大
きく左右される。
例えば、JISに規定されている構造用炭素鋼はその炭素
量によりS20CおよびS50Cと規格化されている。また、ス
テンレス鋼の一種のSUS316Lは炭素量を0.03%以下と規
定されている。
量によりS20CおよびS50Cと規格化されている。また、ス
テンレス鋼の一種のSUS316Lは炭素量を0.03%以下と規
定されている。
このように、炭素量一つをとって見ても、鉄系材料にお
いては所定の範囲内に制御することは非常に重要であ
る。
いては所定の範囲内に制御することは非常に重要であ
る。
従来技術においては、原料粉末の炭素量および酸素量の
制御、結合剤を除去する工程の制御および焼結工程の制
御が必要である。結合剤を除去する工程では、その結合
剤の種類、除去するための条件(温度、時間、昇温速度
等)等を厳しく管理せねばならない。特に結合剤につい
ては、成形加工時の成形のしやすさ、結合剤を除去する
時の形状のくずれ、割れ、ふくれ等も考慮する必要があ
り、炭素量の制御のみで選択することはできない。
制御、結合剤を除去する工程の制御および焼結工程の制
御が必要である。結合剤を除去する工程では、その結合
剤の種類、除去するための条件(温度、時間、昇温速度
等)等を厳しく管理せねばならない。特に結合剤につい
ては、成形加工時の成形のしやすさ、結合剤を除去する
時の形状のくずれ、割れ、ふくれ等も考慮する必要があ
り、炭素量の制御のみで選択することはできない。
〈発明が解決しようとする課題〉 このように従来技術においては、焼結体の製造における
炭素量の制御は非常に困難であった。
炭素量の制御は非常に困難であった。
本発明は、炭素量および酸素量を容易に制御できる焼結
体の製造方法を提供することを目的としている。
体の製造方法を提供することを目的としている。
〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するために本発明によれば、金属粉末を
結合剤と混合し、その混合物を成形し、その成形体中の
結合剤を少なくとも一部除去したのち焼結してなる焼結
体の製造方法において、焼結処理に先立って成形体を湿
潤水素中または酸素を含む雰囲気中にて、熱処理したの
ち、減圧下で焼結することを特徴とする焼結体の製造方
法が提供される。
結合剤と混合し、その混合物を成形し、その成形体中の
結合剤を少なくとも一部除去したのち焼結してなる焼結
体の製造方法において、焼結処理に先立って成形体を湿
潤水素中または酸素を含む雰囲気中にて、熱処理したの
ち、減圧下で焼結することを特徴とする焼結体の製造方
法が提供される。
前記金属粉末は、鉄系粉末であるのが好ましい。
また、前記金属粉末は、Cr、Mo、V、Ni、Siの中の1種
または2種以上を含む鉄系合金粉末であるのが好まし
い。
または2種以上を含む鉄系合金粉末であるのが好まし
い。
また、前記金属粉末は、鉄系粉末とCr、Mo、V、Ni、の
中の1種または2種以上を含む鉄系合金粉末との混合物
であるのが好ましい。
中の1種または2種以上を含む鉄系合金粉末との混合物
であるのが好ましい。
また、前記結合剤除去は、非酸化雰囲気下または減圧下
または減圧下に引き続き非酸化性雰囲気下で加熱して除
去するのが好ましい。
または減圧下に引き続き非酸化性雰囲気下で加熱して除
去するのが好ましい。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いる原料の金属粉末の種類は限定しないが、
鉄系粉末は安価であるので好ましい。
鉄系粉末は安価であるので好ましい。
また、Cr、Mo、V、Ni、Siの中の1種または2種以上を
含む鉄系合金粉末は強度、耐食性、磁性特性等を向上さ
せるので好ましい。
含む鉄系合金粉末は強度、耐食性、磁性特性等を向上さ
せるので好ましい。
また、鉄系粉末とCr、Mo、V、Niの中の1種または2種
以上を含む鉄系合金粉末との混合物は容易に組成を変更
でき、目的の特性を得ることができるので好ましい。
以上を含む鉄系合金粉末との混合物は容易に組成を変更
でき、目的の特性を得ることができるので好ましい。
鉄系粉末としては、純鉄系の鉄粉、すなわち、主成分が
Feで、不可避的不純物および必要に応じて鉄粉製造上少
量添加するSi,Mn,Alなどを含有する鉄粉と、いわゆる低
合金鋼粉として知られる、室温から1400℃の範囲内に、
αγの変態がある粉末を対象とする。
Feで、不可避的不純物および必要に応じて鉄粉製造上少
量添加するSi,Mn,Alなどを含有する鉄粉と、いわゆる低
合金鋼粉として知られる、室温から1400℃の範囲内に、
αγの変態がある粉末を対象とする。
使用する粉末は、高圧水アトマイズ法、還元法、カルボ
ニル法、粉砕および分級によって製造される金属微粉末
およびそれらの混合粉末が使用できる。
ニル法、粉砕および分級によって製造される金属微粉末
およびそれらの混合粉末が使用できる。
本発明に用いる金属粉末の粒径は、射出成形法で成形加
工を行う場合には、平均粒径で1〜20μmが好ましい。
平均粒径が1μm未満では粉末の価格が高価であるた
め、部品がコスト高となる。また、40μm超では成形が
困難となる。平均粒径が1μm未満では粉末の価格が高
価であり、部品がコスト高となる。また、80μm超で
は、焼結後の部品の中に大きなボアーが存在する場合が
生じ、問題となる。
工を行う場合には、平均粒径で1〜20μmが好ましい。
平均粒径が1μm未満では粉末の価格が高価であるた
め、部品がコスト高となる。また、40μm超では成形が
困難となる。平均粒径が1μm未満では粉末の価格が高
価であり、部品がコスト高となる。また、80μm超で
は、焼結後の部品の中に大きなボアーが存在する場合が
生じ、問題となる。
粉末の成形は、公知のいかなる成形法を用いてもよく、
例えば粉末に有機物潤滑材を添加して行う公知の圧縮成
形法や、有機バインダと混練してコンパウンドとして成
形を行う公知の射出成形法が利用できる。複雑形状部品
の場合は、射出成形法が好ましい。
例えば粉末に有機物潤滑材を添加して行う公知の圧縮成
形法や、有機バインダと混練してコンパウンドとして成
形を行う公知の射出成形法が利用できる。複雑形状部品
の場合は、射出成形法が好ましい。
粉末の成形は、結合剤を添加混合した後に成形を行う。
射出成形の場合の結合剤は、熱可塑性樹脂および/また
はワックスを主体とするものを使用し、必要に応じて可
塑剤、潤滑剤および脱脂促進剤などを添加する。
射出成形の場合の結合剤は、熱可塑性樹脂および/また
はワックスを主体とするものを使用し、必要に応じて可
塑剤、潤滑剤および脱脂促進剤などを添加する。
熱可塑性樹脂としては、アクリル系、ポリエチレン系、
ポリプロピレン系およびポリスチレン系等があり、ワッ
クス類としては、密ろう、木ろう、モンタンワックス等
に代表されるような天然ろう、および低分子ポリエチレ
ン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワック
ス等に代表されるような合成ろうがあるが、これらから
選ばれる1種あるいは2種以上を用いる。
ポリプロピレン系およびポリスチレン系等があり、ワッ
クス類としては、密ろう、木ろう、モンタンワックス等
に代表されるような天然ろう、および低分子ポリエチレ
ン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワック
ス等に代表されるような合成ろうがあるが、これらから
選ばれる1種あるいは2種以上を用いる。
可塑剤は、主体と成る樹脂あるいはワックスとの組合せ
によって選択するが、具体的には、フタル酸ジ−2−エ
チルヘキシル(DOP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタ
ル酸ジ−n−ブチル(DHP)等があげられる。
によって選択するが、具体的には、フタル酸ジ−2−エ
チルヘキシル(DOP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタ
ル酸ジ−n−ブチル(DHP)等があげられる。
尚、射出成形に用いる結合剤の量は、金属粉末の粒度、
結合剤の種類にもよるが、例えば金属粉末の平均粒径が
10μm程度の場合には6〜12重量%が適当である。
結合剤の種類にもよるが、例えば金属粉末の平均粒径が
10μm程度の場合には6〜12重量%が適当である。
射出成形の場合の粉末とバインダとの混合・混練には、
バッチ式あるいは、連続式のニーダが使用でき、バッチ
式ニーダの中では加圧ニーダやバンバリーミキサー等
が、また、連続式ニーダの中では2軸押出し機等がそれ
ぞれ有利に適合する。そして、混練後、必要に応じてペ
レタイザーあるいは粉砕機等を使用して造粒を行い、成
形用コンパウドを得る。
バッチ式あるいは、連続式のニーダが使用でき、バッチ
式ニーダの中では加圧ニーダやバンバリーミキサー等
が、また、連続式ニーダの中では2軸押出し機等がそれ
ぞれ有利に適合する。そして、混練後、必要に応じてペ
レタイザーあるいは粉砕機等を使用して造粒を行い、成
形用コンパウドを得る。
射出成形は、プラスチック用射出成形機、金属粉末用射
出成形機等、通常の射出成形に用いられる射出成形機を
用いて行なえばよい。射出圧力は、通常500〜2000atm程
度である。
出成形機等、通常の射出成形に用いられる射出成形機を
用いて行なえばよい。射出圧力は、通常500〜2000atm程
度である。
成形後、結合剤を除去するために加熱を行う。このとき
の昇温速度は、5〜30℃/hとし、一般的には、600℃ま
で加熱する。加熱は、非酸化性雰囲気下または減圧下ま
たは減圧下に引き続き非酸化性雰囲気下が加熱するのが
好ましい。これは、結合剤を除去する過程で酸素量の多
大の増加を防ぐためである。例えば、大気中で処理する
と粉末は酸化され増大するとともに、結合剤の蒸発、分
解したガスと大気中の酸素の反応も起り、粉末の酸素量
の制御が困難となるためである。
の昇温速度は、5〜30℃/hとし、一般的には、600℃ま
で加熱する。加熱は、非酸化性雰囲気下または減圧下ま
たは減圧下に引き続き非酸化性雰囲気下が加熱するのが
好ましい。これは、結合剤を除去する過程で酸素量の多
大の増加を防ぐためである。例えば、大気中で処理する
と粉末は酸化され増大するとともに、結合剤の蒸発、分
解したガスと大気中の酸素の反応も起り、粉末の酸素量
の制御が困難となるためである。
つぎに、結合剤除去後の工程について説明する。結合剤
除去後、焼結処理に先立って成形体を湿潤水素中または
大気中等酸素を含む雰囲気中にて熱処理を行なう。これ
は、成形体中の炭素と酸素のモル比を調整するためであ
る。
除去後、焼結処理に先立って成形体を湿潤水素中または
大気中等酸素を含む雰囲気中にて熱処理を行なう。これ
は、成形体中の炭素と酸素のモル比を調整するためであ
る。
このモル比の調整は、つぎの焼結工程のために必要であ
る。一般に焼結工程では水素雰囲気が用いられることが
多いが、水素中での還元、脱炭反応は各々、次式のよう
に、 MO+H2→M+H2O(M:金属) ……還元 C+H2O→CO+H2 ……脱炭 表わされる。PH2O/PH2が低いほど還元は進行し、高い
ほど脱炭は進行する。そのため、両者の反応を同時に効
率よく進行させるには、困難が伴う。特に、Cr、V、Si
等の難還元性の元素を含む場合には、より困難である。
る。一般に焼結工程では水素雰囲気が用いられることが
多いが、水素中での還元、脱炭反応は各々、次式のよう
に、 MO+H2→M+H2O(M:金属) ……還元 C+H2O→CO+H2 ……脱炭 表わされる。PH2O/PH2が低いほど還元は進行し、高い
ほど脱炭は進行する。そのため、両者の反応を同時に効
率よく進行させるには、困難が伴う。特に、Cr、V、Si
等の難還元性の元素を含む場合には、より困難である。
一方、減圧雰囲気下での還元、脱炭は、次式のように MO+C→M+CO 還元、脱炭が同時に進行し、排気によるCOガスの除去に
より反応を効率よく進行させることができる。そこで本
発明の製造方法においては、焼結を減圧下または減圧下
の後、非酸化性雰囲気下で行う。したがって、焼結体で
目的の炭素量、酸素量を得るために、焼結の工程に先立
ち、炭素と酸素のモル比を調整するのである。
より反応を効率よく進行させることができる。そこで本
発明の製造方法においては、焼結を減圧下または減圧下
の後、非酸化性雰囲気下で行う。したがって、焼結体で
目的の炭素量、酸素量を得るために、焼結の工程に先立
ち、炭素と酸素のモル比を調整するのである。
湿潤水素中および大気中での250〜650℃の熱処理による
炭素と酸素のモル比の調整を、ステンレス鋼を原料とす
る場合の1例について説明する。結合剤を脱脂した後、
露点10℃の湿潤水素中で、450、550、650℃の各温度で
熱処理し、さらに1300℃、10-4Torrの減圧下で焼結した
時の焼結体の焼結前(○印)・後(×印)の炭素量、酸
素量の変化を第1図に示す。第1図の結果が示すよう
に、第1図の各線の勾配はほぼ一定であるから、本発明
の製造方法の焼結工程では焼結体中の炭素と酸素のモル
比はほぼ一定のまま焼結される。したがって本発明の酸
素を含んだ雰囲気下での熱処理により、焼結前の成形体
の炭素と酸素のモル比を所望の値に調整しておけば、焼
結後の焼結体中の炭素と酸素の量をそれぞれ所望の値と
することができる。
炭素と酸素のモル比の調整を、ステンレス鋼を原料とす
る場合の1例について説明する。結合剤を脱脂した後、
露点10℃の湿潤水素中で、450、550、650℃の各温度で
熱処理し、さらに1300℃、10-4Torrの減圧下で焼結した
時の焼結体の焼結前(○印)・後(×印)の炭素量、酸
素量の変化を第1図に示す。第1図の結果が示すよう
に、第1図の各線の勾配はほぼ一定であるから、本発明
の製造方法の焼結工程では焼結体中の炭素と酸素のモル
比はほぼ一定のまま焼結される。したがって本発明の酸
素を含んだ雰囲気下での熱処理により、焼結前の成形体
の炭素と酸素のモル比を所望の値に調整しておけば、焼
結後の焼結体中の炭素と酸素の量をそれぞれ所望の値と
することができる。
また、第2図は湿潤水素にかえて、大気中で250、320、
450℃の各温度で熱処理し、さらに1300℃、10-4Torrの
減圧下で焼結した時の焼結前(○印)・後(×印)の炭
素量、酸素量の変化を示す。なお図中の温度は熱処理温
度を示す。
450℃の各温度で熱処理し、さらに1300℃、10-4Torrの
減圧下で焼結した時の焼結前(○印)・後(×印)の炭
素量、酸素量の変化を示す。なお図中の温度は熱処理温
度を示す。
第1図、第2図から、本発明の方法により、焼結前の酸
素を含んだ雰囲気下での250〜650℃の熱処理により、焼
結後の炭素量、酸素量の値が容易に制御できることがわ
かる。この加熱法は、連続して一工程で行ってもよい
し、途中で中断して、例えば炭素、酸素のモル比が所望
の値であるかを測定し、その後再加熱して行ってもよ
い。
素を含んだ雰囲気下での250〜650℃の熱処理により、焼
結後の炭素量、酸素量の値が容易に制御できることがわ
かる。この加熱法は、連続して一工程で行ってもよい
し、途中で中断して、例えば炭素、酸素のモル比が所望
の値であるかを測定し、その後再加熱して行ってもよ
い。
〈実施例〉 以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例1) 水アトマイズ法により、表1に示す成分組成よりなる鋼
粉を作成し、これらの鋼粉と、鋼粉に対し10.5wt%の結
合剤とを混練して得られた混合物(以下、コンパウンド
という)を射出成形機を用い射出成形して長さ40mm×幅
20mm×厚さ2mmの試験片を得た。その後、窒素雰囲気中
で常温より10℃/hの速度で600℃まで昇温し、引き続き
表2に示す温度で露点10℃の湿潤水素雰囲気中で熱処理
を行った。
粉を作成し、これらの鋼粉と、鋼粉に対し10.5wt%の結
合剤とを混練して得られた混合物(以下、コンパウンド
という)を射出成形機を用い射出成形して長さ40mm×幅
20mm×厚さ2mmの試験片を得た。その後、窒素雰囲気中
で常温より10℃/hの速度で600℃まで昇温し、引き続き
表2に示す温度で露点10℃の湿潤水素雰囲気中で熱処理
を行った。
また、同じ試験片を用い10℃/hの速度で600℃まで昇温
し、引き続き表2に示す温度の大気中で熱処理を行っ
た。また比較のため、湿潤水素中または大気中での熱処
理を省いた時の試料も作成した。
し、引き続き表2に示す温度の大気中で熱処理を行っ
た。また比較のため、湿潤水素中または大気中での熱処
理を省いた時の試料も作成した。
これらの試料を表2に示す温度および減圧下で焼結し
た。ステレンス鋼においては、減圧下で焼結すると表面
近傍のCrが蒸発するため、脱Cr層の回復のため、減圧下
の後さらにAr(1Torr)の雰囲気下で焼結した。各種化
学成分を分析し、目標値を満たしているか否かで判定し
た。その結果をまとめて、表2に示す。炭素と酸素のモ
ル比を調整することにより、本発明例はいずれも目標の
炭素量を容易に得ることができることがわかる。
た。ステレンス鋼においては、減圧下で焼結すると表面
近傍のCrが蒸発するため、脱Cr層の回復のため、減圧下
の後さらにAr(1Torr)の雰囲気下で焼結した。各種化
学成分を分析し、目標値を満たしているか否かで判定し
た。その結果をまとめて、表2に示す。炭素と酸素のモ
ル比を調整することにより、本発明例はいずれも目標の
炭素量を容易に得ることができることがわかる。
なお、上記焼結体の目標炭素量(%)は下記の通りであ
る。
る。
〈発明の効果〉 本発明は、以上説明したように構成されているので、結
合剤を除去後、湿潤水素中または酸素を含む雰囲気で処
理し、炭素と酸素のモル比を調整したのち、減圧下で焼
結することにより、容易に焼結体中の炭素量および酸素
量を制御することができる。
合剤を除去後、湿潤水素中または酸素を含む雰囲気で処
理し、炭素と酸素のモル比を調整したのち、減圧下で焼
結することにより、容易に焼結体中の炭素量および酸素
量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、湿潤水素中で熱処理したのち、焼結したとき
の焼結体の炭素量、酸素量と熱処理温度との関係を示す
図である。 第2図は、大気中で熱処理したのち、焼結したときの焼
結体の炭素量、酸素量と熱処理温度との関係を示す図で
ある。
の焼結体の炭素量、酸素量と熱処理温度との関係を示す
図である。 第2図は、大気中で熱処理したのち、焼結したときの焼
結体の炭素量、酸素量と熱処理温度との関係を示す図で
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】鉄系金属粉末を熱可塑性樹脂を含む結合剤
と混合し、混合物を射出成形し、非酸化性雰囲気下また
は減圧下または減圧下に引き続き非酸化性雰囲気下で加
熱して成形体中の結合剤を脱脂し、脱脂後の成形体を湿
潤水素中または酸素を含む雰囲気中にて、250〜650℃で
熱処理して脱脂後の成形体中の炭素と酸素のモル比を所
望の値に調整し、さらに減圧下または減圧下の後非酸化
性雰囲気下で焼結することを特徴とする金属粉末射出成
形による鉄系金属焼結体の製造方法。 - 【請求項2】前記鉄系金属粉末は、Cr,Mo,Ni,Siの中の
1種または2種以上を含む鉄系合金粉末である請求項1
記載の鉄系金属焼結体の製造方法。 - 【請求項3】前記鉄系金属粉末は、鉄系金属粉末とCr,M
o,Ni,Siの中の1種または2種以上を含む鉄系合金粉末
との混合物である請求項1記載の鉄系金属焼結体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1312124A JPH0692604B2 (ja) | 1989-11-30 | 1989-11-30 | 金属粉末射出成形による鉄系金属焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1312124A JPH0692604B2 (ja) | 1989-11-30 | 1989-11-30 | 金属粉末射出成形による鉄系金属焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03173702A JPH03173702A (ja) | 1991-07-29 |
JPH0692604B2 true JPH0692604B2 (ja) | 1994-11-16 |
Family
ID=18025540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1312124A Expired - Lifetime JPH0692604B2 (ja) | 1989-11-30 | 1989-11-30 | 金属粉末射出成形による鉄系金属焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0692604B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05331503A (ja) * | 1992-05-29 | 1993-12-14 | Fujitsu Ltd | 脱脂方法 |
JPH06172810A (ja) * | 1992-10-08 | 1994-06-21 | Kawasaki Steel Corp | タングステン合金焼結体の製造方法 |
JP4614908B2 (ja) * | 2005-05-11 | 2011-01-19 | 日立粉末冶金株式会社 | 冷陰極蛍光ランプ用電極 |
KR101867843B1 (ko) * | 2010-12-30 | 2018-06-18 | 회가내스 아베 (피유비엘) | 분말 사출 성형용 철계 분말 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5852526B2 (ja) * | 1979-06-05 | 1983-11-24 | 日立粉末冶金株式会社 | 青銅系焼結軸受材の製造法 |
JP2703939B2 (ja) * | 1988-08-20 | 1998-01-26 | 川崎製鉄株式会社 | Fe−Si系軟磁性焼結材料の製造方法 |
-
1989
- 1989-11-30 JP JP1312124A patent/JPH0692604B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03173702A (ja) | 1991-07-29 |
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