JPH0692547A - ボビンホルダー - Google Patents
ボビンホルダーInfo
- Publication number
- JPH0692547A JPH0692547A JP24489292A JP24489292A JPH0692547A JP H0692547 A JPH0692547 A JP H0692547A JP 24489292 A JP24489292 A JP 24489292A JP 24489292 A JP24489292 A JP 24489292A JP H0692547 A JPH0692547 A JP H0692547A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- elastic modulus
- core body
- specific elastic
- metal sleeve
- bobbin holder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Winding Filamentary Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 回転時の共振点を高めることにより高速回転
可能な紡糸巻取機に適したボビンホルダーを提供する。 【構成】 ボビンホルダーは炭素繊維複合材料(CFRP)に
て形成される芯体1と、この芯体1の外周の金属製スリ
ーブ2とより構成される。芯体1の内周に紡糸巻取機の
スピンドルに連結するための金属製ボス部3が設けられ
ている。芯体1の円周方向比弾性率とスリーブ2の比弾
性率の相違に係わらず、設計回転数範囲において両者の
抜けが起こらないように芯体1とスリーブ2とは圧入構
造となっている。また、芯体1の円周方向比弾性率とス
リーブ2の比弾性率とはその値の相違を±25%以内に
収めることでヌケ及び破断の双方を防止することができ
る。芯体1をCFRPにて形成することにより共振周波数を
高め、高速回転を可能とすることができる。
可能な紡糸巻取機に適したボビンホルダーを提供する。 【構成】 ボビンホルダーは炭素繊維複合材料(CFRP)に
て形成される芯体1と、この芯体1の外周の金属製スリ
ーブ2とより構成される。芯体1の内周に紡糸巻取機の
スピンドルに連結するための金属製ボス部3が設けられ
ている。芯体1の円周方向比弾性率とスリーブ2の比弾
性率の相違に係わらず、設計回転数範囲において両者の
抜けが起こらないように芯体1とスリーブ2とは圧入構
造となっている。また、芯体1の円周方向比弾性率とス
リーブ2の比弾性率とはその値の相違を±25%以内に
収めることでヌケ及び破断の双方を防止することができ
る。芯体1をCFRPにて形成することにより共振周波数を
高め、高速回転を可能とすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主に繊維産業で使用され
る高速巻取機のボビンホルダーに関するものであり、特
にポリエステル繊維フィラメント紡糸工程における巻き
取りの際に使用されるボビンホルダーに適したものであ
る。
る高速巻取機のボビンホルダーに関するものであり、特
にポリエステル繊維フィラメント紡糸工程における巻き
取りの際に使用されるボビンホルダーに適したものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維の巻き取りに使用されている
巻取機のボビンホルダーは鋼にて製作されているものが
ほとんどであった。しかし近年、繊維の巻取り速度が著
しく高速化される傾向にあり、従来の巻取り機では種々
の点で対応出来なくなってきた。特にポリエステル繊維
の紡糸速度の高速化にはめざましいものがあり、巻取り
機での速度として最高10,000m/分程度の超高速
巻取りが可能なものが要望されるようになってきてい
る。
巻取機のボビンホルダーは鋼にて製作されているものが
ほとんどであった。しかし近年、繊維の巻取り速度が著
しく高速化される傾向にあり、従来の巻取り機では種々
の点で対応出来なくなってきた。特にポリエステル繊維
の紡糸速度の高速化にはめざましいものがあり、巻取り
機での速度として最高10,000m/分程度の超高速
巻取りが可能なものが要望されるようになってきてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高速での巻取りを達成
する上で従来の技術で最もネックとなっているものはボ
ビンホルダーの材質に由来する固有振動数の限界であ
る。即ち従来のボビンホルダーは鋼にて製作されている
ため固有振動数の値を決定する比弾性率はその上限に達
しており、このため高速回転の作動時に共振のため使用
不可能となっているのが現状であった。
する上で従来の技術で最もネックとなっているものはボ
ビンホルダーの材質に由来する固有振動数の限界であ
る。即ち従来のボビンホルダーは鋼にて製作されている
ため固有振動数の値を決定する比弾性率はその上限に達
しており、このため高速回転の作動時に共振のため使用
不可能となっているのが現状であった。
【0004】本発明はかかる従来の問題点を解消し、回
転時の共振点を上げ高速での運転を可能とすることを目
的としている。また更に低慣性モーメントのボビンホル
ダーを製作することにより、回転に要する動力を低減さ
せることを第2の目的とする。
転時の共振点を上げ高速での運転を可能とすることを目
的としている。また更に低慣性モーメントのボビンホル
ダーを製作することにより、回転に要する動力を低減さ
せることを第2の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】図1は本発明に
よるボビンホルダーの基本的構成を示したものであり、
炭素繊維複合材料(以下CFRP)製芯体1と、芯体1
の外周の金属製スリーブ2とより構成される。紡糸巻き
取り装置のスピンドルに連結するための鋼製のボス3が
芯体1の内周に設けられている。
よるボビンホルダーの基本的構成を示したものであり、
炭素繊維複合材料(以下CFRP)製芯体1と、芯体1
の外周の金属製スリーブ2とより構成される。紡糸巻き
取り装置のスピンドルに連結するための鋼製のボス3が
芯体1の内周に設けられている。
【0006】本発明においてはボビンホルダーの主要部
である芯体1をCFRPを使用して形成することによ
り、炭素繊維の配向方向において比弾性率を従来の金属
材料に比べ著しく高めることにより共振防止を達成す
る。すなわちここで問題となる横振動の固有振動数は、
下記(1)式の如く比弾性率の平方根に比例するので弾
性率高く、比重の小さい炭素繊維を使用することが最も
好都合となる。
である芯体1をCFRPを使用して形成することによ
り、炭素繊維の配向方向において比弾性率を従来の金属
材料に比べ著しく高めることにより共振防止を達成す
る。すなわちここで問題となる横振動の固有振動数は、
下記(1)式の如く比弾性率の平方根に比例するので弾
性率高く、比重の小さい炭素繊維を使用することが最も
好都合となる。
【0007】 f=α(ZIg/A)1/2 …(1) ここで f:固有振動数(Hz) α:支持条件で決まる係数(mm-2) Z:比弾性率(mm) I:パイプの断面2次係数(mm4) A:断面積(mm2) また下表は従来の金属材料とCFRPの比弾性率を揚げ
たものであるが、いかにCFRPが有利であるか理解で
きる。
たものであるが、いかにCFRPが有利であるか理解で
きる。
【0008】 材質 弾性率 比 重 比弾性率 (kg/mm2) (kg/mm3) (mm) SS 2.1×104 7.85×10-6 2.67×109 アルミ 7 ×103 2.7×10-6 2.59×109 CFRP (1.4〜4.5)×104 (1.55〜1.58)*10-6 29×109 *1 *1:CFRPの弾性率はその内部の炭素繊維フィラメン
トの配向方向で変化するがそれが最大となる配向方向に
て計測された値とする。
トの配向方向で変化するがそれが最大となる配向方向に
て計測された値とする。
【0009】したがって、一例としてSS(ステンレス
鋼)あるいはアルミとCFRPを比較するならば比弾性
率で約11倍CFRPが大きく固有振動数として3倍程
度高めることができる。しかし、ボビンホルダーは相手
の金属製ボビンが当たるため、ある程度の硬度をもたせ
摩耗あるいは傷が発生しないことが必要である。この様
な要求から、ボビンホルダー表面を金属にて製作するこ
とによって所要の性能を満足させることが可能となっ
た。
鋼)あるいはアルミとCFRPを比較するならば比弾性
率で約11倍CFRPが大きく固有振動数として3倍程
度高めることができる。しかし、ボビンホルダーは相手
の金属製ボビンが当たるため、ある程度の硬度をもたせ
摩耗あるいは傷が発生しないことが必要である。この様
な要求から、ボビンホルダー表面を金属にて製作するこ
とによって所要の性能を満足させることが可能となっ
た。
【0010】超高速にて回転する場合、遠心力のため金
属スリーブ2の内径および芯体1の外径が増加するが、
両者の円周方向における比弾性率の差が大きいと、装着
時の圧入代に係わらず回転数の影響により抜けのおそれ
がある。即ち、金属スリーブについては円周方向とそれ
以外の方向とで比弾性率の差はないが、芯体については
炭素繊維の配向方向如何で比弾性率は大きく変ってく
る。たとえば、炭素繊維の配向方向を円周方向とすると
この方向での比弾性率が最大となり、外周側の金属スリ
ーブとの比弾性率との差が過大となる。この場合、遠心
力を受けたときの外周側の金属スリーブ2の伸びが内周
側の芯体1の伸びより大きく、高速回転時にはこれが助
長され圧入代に係わらず金属スリーブ2が芯体1の外径
より外れてしまうことになる。そこで、本発明では理論
解析によって金属スリーブ2の比弾性率と金属スリーブ
の比弾性率とに対して下記(2)式で表わされるシメ代
として芯体1と金属スリーブ2とを圧入することによ
り、遠心力に係わらずその回転数での抜けの点は問題に
ならないことがわかった。
属スリーブ2の内径および芯体1の外径が増加するが、
両者の円周方向における比弾性率の差が大きいと、装着
時の圧入代に係わらず回転数の影響により抜けのおそれ
がある。即ち、金属スリーブについては円周方向とそれ
以外の方向とで比弾性率の差はないが、芯体については
炭素繊維の配向方向如何で比弾性率は大きく変ってく
る。たとえば、炭素繊維の配向方向を円周方向とすると
この方向での比弾性率が最大となり、外周側の金属スリ
ーブとの比弾性率との差が過大となる。この場合、遠心
力を受けたときの外周側の金属スリーブ2の伸びが内周
側の芯体1の伸びより大きく、高速回転時にはこれが助
長され圧入代に係わらず金属スリーブ2が芯体1の外径
より外れてしまうことになる。そこで、本発明では理論
解析によって金属スリーブ2の比弾性率と金属スリーブ
の比弾性率とに対して下記(2)式で表わされるシメ代
として芯体1と金属スリーブ2とを圧入することによ
り、遠心力に係わらずその回転数での抜けの点は問題に
ならないことがわかった。
【0011】 ΔD≧(2r2 3ω2 /g)(1/Zmet −1/Zcf×0.429(2× (r1 /r2 )2 +0.333)) …(2) ここで ΔD:シメ代(mm) r1 :炭素繊維複合材料芯体内径(mm) r2 :炭素繊維複合材料芯体外径(mm) ω :回転角速度(rad/sec) g :重力加速度(mm/sec) Zmet : 金属製スリーブの比弾性率(mm) Zcf :炭素繊維複合材料芯体の円周方向比弾性率(m
m) ここで上記(2)式が負の値をとる時はΔDは零をとる
ものとする。
m) ここで上記(2)式が負の値をとる時はΔDは零をとる
ものとする。
【0012】更に金属スリーブ2とCFRP製芯体1の
周方向の比弾性率の関係について検討をさらに行ったと
ころ、両者の円周方向比弾性率をほぼ同一にしておく事
が、重要であることが明らかとなった。すなわちCFR
Pの円周方向比弾性率が金属スリーブの比弾性率に比べ
てあまりに大きすぎるならば、回転時に金属スリーブの
み膨張し、金属スリーブ2がCFRP芯体1から外れる
傾向にあるため、圧入代を非常に大きくしなければなら
ず、問題である。逆にCFRP芯体1の円周方向の比弾
性率が金属スリーブの比弾性率に比べてあまりに小さす
ぎる場合、回転時にCFRPの膨張が金属スリーブ2を
引き延ばすので金属スリーブに大きな応力が発生し問題
となる。そこで本発明者がこの点に関し検討した結果、
CFRP芯体1の周方向比弾性率と金属スリーブ2の比
弾性率の相違は±25%以内であることが好ましく、特
にCFRPの周方向比弾性率は金属スリーブに対して+
10%以内、−15%以内であることが好ましいことが
判った。芯体1の比弾性率は内部での炭素繊維フィラメ
ントの配向方向で最大となり、この方向での比弾性率の
値は外周の金属スリーブの比弾性率の値より相当に大き
くなる(前記表を参照)。芯体の比弾性率は内部の炭素
繊維配向方向から外れるに従って小さくなり、直交方向
で最小となる。従って、芯体1として形成したときのそ
の内部の炭素繊維の方向を芯体の円周方向に対して適当
にバイアスさせることにより、金属スリーブに対し比弾
性率が+10%、−15%以内の芯体とすることができ
る。この場合のCFRPの軸方向比弾性率は鋼あるいは
アルミニウムの比弾性率よりも高い値となろうが、その
値についても特に制限するものではない。また使用する
炭素繊維の種類、マトリクス樹脂の種類についても限定
するものではなく更にCFRP製芯体の製法についても
特に制限するものではなくフィラメントワインディン
グ、シートラッピイングその他にて製作できる。
周方向の比弾性率の関係について検討をさらに行ったと
ころ、両者の円周方向比弾性率をほぼ同一にしておく事
が、重要であることが明らかとなった。すなわちCFR
Pの円周方向比弾性率が金属スリーブの比弾性率に比べ
てあまりに大きすぎるならば、回転時に金属スリーブの
み膨張し、金属スリーブ2がCFRP芯体1から外れる
傾向にあるため、圧入代を非常に大きくしなければなら
ず、問題である。逆にCFRP芯体1の円周方向の比弾
性率が金属スリーブの比弾性率に比べてあまりに小さす
ぎる場合、回転時にCFRPの膨張が金属スリーブ2を
引き延ばすので金属スリーブに大きな応力が発生し問題
となる。そこで本発明者がこの点に関し検討した結果、
CFRP芯体1の周方向比弾性率と金属スリーブ2の比
弾性率の相違は±25%以内であることが好ましく、特
にCFRPの周方向比弾性率は金属スリーブに対して+
10%以内、−15%以内であることが好ましいことが
判った。芯体1の比弾性率は内部での炭素繊維フィラメ
ントの配向方向で最大となり、この方向での比弾性率の
値は外周の金属スリーブの比弾性率の値より相当に大き
くなる(前記表を参照)。芯体の比弾性率は内部の炭素
繊維配向方向から外れるに従って小さくなり、直交方向
で最小となる。従って、芯体1として形成したときのそ
の内部の炭素繊維の方向を芯体の円周方向に対して適当
にバイアスさせることにより、金属スリーブに対し比弾
性率が+10%、−15%以内の芯体とすることができ
る。この場合のCFRPの軸方向比弾性率は鋼あるいは
アルミニウムの比弾性率よりも高い値となろうが、その
値についても特に制限するものではない。また使用する
炭素繊維の種類、マトリクス樹脂の種類についても限定
するものではなく更にCFRP製芯体の製法についても
特に制限するものではなくフィラメントワインディン
グ、シートラッピイングその他にて製作できる。
【0013】CFRPに対する金属スリーブ2の装着に
当たっては、いままで述べてきた如く圧入代の設定、比
弾性率の取り合い等高精度が要求されるところであり、
当然CFRPの外径、金属スリーブの内径に対しても寸
法精度が高く要求されるところである。ここでCFRP
の外径は円筒研磨機等により、容易に高精度が得られる
ものであるが、金属スリーブの内径に対しては、機械加
工により高精度を得るのは極めて困難であるので、高精
度な内径のスリーブを準備することが必要である。この
様な性能を持ち合わせた、金属スリーブとしては電鋳に
て製作されたものが、最も要求を満足するものであり、
その中でも、比弾性率、硬度等を考え合わせると、電鋳
製Niパイプが最も良好な性能を発揮する。しかし鋼ま
たはステンレス上にクロームメッキを施したもの等も製
作可能であり特に制限するものではない。
当たっては、いままで述べてきた如く圧入代の設定、比
弾性率の取り合い等高精度が要求されるところであり、
当然CFRPの外径、金属スリーブの内径に対しても寸
法精度が高く要求されるところである。ここでCFRP
の外径は円筒研磨機等により、容易に高精度が得られる
ものであるが、金属スリーブの内径に対しては、機械加
工により高精度を得るのは極めて困難であるので、高精
度な内径のスリーブを準備することが必要である。この
様な性能を持ち合わせた、金属スリーブとしては電鋳に
て製作されたものが、最も要求を満足するものであり、
その中でも、比弾性率、硬度等を考え合わせると、電鋳
製Niパイプが最も良好な性能を発揮する。しかし鋼ま
たはステンレス上にクロームメッキを施したもの等も製
作可能であり特に制限するものではない。
【0014】
【実施例】以下本発明を代表的な実施例にもとずき具体
的に説明する。 実施例1 本実施例では、長さ940mm、内径69mm、外径80mm
のポリエステル繊維巻き取り用最高回転数25,000
rpm の超高速巻取機用ボビンホルダーを製作した。
的に説明する。 実施例1 本実施例では、長さ940mm、内径69mm、外径80mm
のポリエステル繊維巻き取り用最高回転数25,000
rpm の超高速巻取機用ボビンホルダーを製作した。
【0015】まず鋼製のマンドレル上にフィラメントワ
インダーを用いてエポキシ樹脂を含浸させつつ炭素繊維
を巻き付ける。この巻きつけは、最初は、ワインダーの
糸ガイドのトラバース速度を極度に小さくして、(イ)
軸線に対して90°で行い、次は(ロ)ワインダーの糸
ガイドのトラバース速度を高くして軸線に対して±10
°で巻き付け、(イ)、(ロ)の工程を繰り返すことに
より4層構造とし、炭素繊維が軸線に対して90°をな
す(イ)の層と±10°をなす(ロ)の層との厚みの比
率を1:4とした。この巻き付けを行ってから硬化後、
マンドレルより脱型し所定の寸法に切断後ボスを接着し
その後、CFRP外径の研磨を行い、更に厚さ0.1mm
の電鋳製のNiスリーブ2を圧入し、Niスリーブ外径
の研磨、ボス内径の仕上げ、動バランス調整を行い最終
的にボビンホルダーの製作を行った。
インダーを用いてエポキシ樹脂を含浸させつつ炭素繊維
を巻き付ける。この巻きつけは、最初は、ワインダーの
糸ガイドのトラバース速度を極度に小さくして、(イ)
軸線に対して90°で行い、次は(ロ)ワインダーの糸
ガイドのトラバース速度を高くして軸線に対して±10
°で巻き付け、(イ)、(ロ)の工程を繰り返すことに
より4層構造とし、炭素繊維が軸線に対して90°をな
す(イ)の層と±10°をなす(ロ)の層との厚みの比
率を1:4とした。この巻き付けを行ってから硬化後、
マンドレルより脱型し所定の寸法に切断後ボスを接着し
その後、CFRP外径の研磨を行い、更に厚さ0.1mm
の電鋳製のNiスリーブ2を圧入し、Niスリーブ外径
の研磨、ボス内径の仕上げ、動バランス調整を行い最終
的にボビンホルダーの製作を行った。
【0016】使用した炭素繊維は弾性率 E=46,0
00kg/mm2 の三菱レイヨン(株)製高弾性炭素繊維パイ
ロフィル(登録商標)HS40を用いた。出来上がった
CFRP芯体の寸法及び物性は以下の通りであった。 内径69mm、外径79.83mm、長さ940mm 軸方向弾性率 20,900kg/mm2 円周方向弾性率 4,000kg/mm2 軸方向比弾性率 13.2×109 mm 円周方向比弾性率 2.53×109 mm これに対して金属製スリーブとして電鋳製Niスリーブ
を使用した。
00kg/mm2 の三菱レイヨン(株)製高弾性炭素繊維パイ
ロフィル(登録商標)HS40を用いた。出来上がった
CFRP芯体の寸法及び物性は以下の通りであった。 内径69mm、外径79.83mm、長さ940mm 軸方向弾性率 20,900kg/mm2 円周方向弾性率 4,000kg/mm2 軸方向比弾性率 13.2×109 mm 円周方向比弾性率 2.53×109 mm これに対して金属製スリーブとして電鋳製Niスリーブ
を使用した。
【0017】Niスリーブの寸法及び物性は以下の通り
であった。 内径79.8mm 外径80mm、長さ940mm 弾性率 21000kg/mm2 比弾性率 2.37×109 CFRP外径とNiチューブ内径の圧入代は(2)式に
より圧入代を計算すると0.0182mm以上となった。
であった。 内径79.8mm 外径80mm、長さ940mm 弾性率 21000kg/mm2 比弾性率 2.37×109 CFRP外径とNiチューブ内径の圧入代は(2)式に
より圧入代を計算すると0.0182mm以上となった。
【0018】また前記4層構造において芯体1の軸線方
向に近い方向(±10°)に配向した繊維の量が芯体1
の軸線方向と直交した方向(円周方向)に配向した繊維
の量より多く、平均的に見ると、芯体中の繊維は軸線方
向に近い方向に配向しており、CFRP芯体1は円周方
向において比弾性率が小さくなり、Niスリーブ2の比
弾性率との差は6.8%と小さくなり、回転時のスリー
ブの無理な応力の発生や抜けの問題を抑制することがで
きた。
向に近い方向(±10°)に配向した繊維の量が芯体1
の軸線方向と直交した方向(円周方向)に配向した繊維
の量より多く、平均的に見ると、芯体中の繊維は軸線方
向に近い方向に配向しており、CFRP芯体1は円周方
向において比弾性率が小さくなり、Niスリーブ2の比
弾性率との差は6.8%と小さくなり、回転時のスリー
ブの無理な応力の発生や抜けの問題を抑制することがで
きた。
【0019】また軸方向の比弾性率が高く耐共振性を上
げることができた。即ち、ボビンホルダーの固有振動数
は先端より580mmのところをボスで受けて空運転を行
ったところ、30,000RPM であり非常に高いもの
で、超高速巻取においても十分実用に耐えるものであっ
た。またボビン芯体及び金属スリーブを合わせた重量は
2.08kgであり、従来の鋼にて製作した場合の9.5
kgに比べ実に1/4.5以下であり回転に要する動力も
小さくできた。
げることができた。即ち、ボビンホルダーの固有振動数
は先端より580mmのところをボスで受けて空運転を行
ったところ、30,000RPM であり非常に高いもの
で、超高速巻取においても十分実用に耐えるものであっ
た。またボビン芯体及び金属スリーブを合わせた重量は
2.08kgであり、従来の鋼にて製作した場合の9.5
kgに比べ実に1/4.5以下であり回転に要する動力も
小さくできた。
【図1】図1は本発明によるボビンホルダーの断面図で
ある。
ある。
1…CFRP芯体 2…金属製スリーブ 3…軸受け用ボス
Claims (3)
- 【請求項1】 炭素繊維複合材料にて形成される芯体
と、該芯体の外周の金属製スリーブとより構成されるこ
とを特徴とするボビンホルダー。 - 【請求項2】 炭素繊維複合材料製芯体と金属製スリー
ブとは、炭素繊維複合材料製芯体の周方向比弾性率と金
属製スリーブの比弾性率との相違に係わらず、設計回転
数にわたって抜け又は過大な応力の発生がないシメ代を
もって、圧入装着されていることを特徴とするボビンホ
ルダー。 - 【請求項3】 炭素繊維複合材料にて形成される前記芯
体の円周方向比弾性率と、前記金属製スリーブの比弾性
率との相違は±25%以内であることを特徴とする請求
項1に記載のボビンホルダー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24489292A JPH0692547A (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | ボビンホルダー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24489292A JPH0692547A (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | ボビンホルダー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0692547A true JPH0692547A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=17125536
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24489292A Pending JPH0692547A (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | ボビンホルダー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0692547A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013176823A (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-09 | Nsk Ltd | 工作機械用主軸装置 |
KR101454347B1 (ko) * | 2013-02-22 | 2014-10-23 | 삼성중공업 주식회사 | 파이프 보강 구조 |
-
1992
- 1992-09-14 JP JP24489292A patent/JPH0692547A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013176823A (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-09 | Nsk Ltd | 工作機械用主軸装置 |
KR101454347B1 (ko) * | 2013-02-22 | 2014-10-23 | 삼성중공업 주식회사 | 파이프 보강 구조 |
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