JPH069247Y2

JPH069247Y2 - 階段の内壁型枠支持具

Info

Publication number: JPH069247Y2
Application number: JP14018288U
Authority: JP
Inventors: 一夫菅野; 晋男山田; 敏和染谷
Original assignee: 岡部株式会社; 一夫菅野
Priority date: 1988-10-27
Filing date: 1988-10-27
Publication date: 1994-03-09
Anticipated expiration: 2003-10-27
Also published as: JPH0260159U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］この考案は階段の内壁型枠支持具に係り、詳しくは、建
物の階段部の構築において外壁型枠に対向する内壁型枠
を支持する階段の内壁型枠支持具に関する。

［従来の技術］建物の壁は外壁型枠と内壁型枠で構築されるが、階段部
の構築では、この内壁型枠を階段裏型枠に対して浮かせ
た状態で支持し、この内壁型枠の垂直部に跳上型枠を設
け、これらの型枠にコンクリートを打設して施工され
る。

このように内壁型枠は、階段裏型枠に対して浮かせた状
態で支持されるが、特に専用の支持具が用いられていな
い。このため、例えば、スラブ引き金物を利用してお
り、この場合階段裏型枠の側部にスラブ引き金物を取付
け、一方内壁型枠の側部にも同様にスラブ引き金物を取
付ける。そして、内壁型枠の側部のスラブ引き金物に連
結部材の一端部を螺着し、他端部を階段裏型枠の側部の
スラブ引き金物に螺着して、内壁型枠を浮かせた状態で
支持している。

［考案が解決しようとする課題］ところが、このような取付方法では、階段裏型枠及び内
壁型枠の側部に取付けたスラブ引き金物で内壁型枠の荷
重を受けるため、内壁型枠が下がるおそれがある。

また、階段裏型枠及び内壁型枠の側部の対応する位置
に、それぞれスラブ引き金物を取付けるための位置決め
が面倒であると共に、これらのスラブ引き金物に連結部
材を螺着して連結するため組立に手数を要する。

さらに、階段裏型枠の傾斜角度が異なる場合があり、こ
の場合その都度スラブ引き金物の取付角度を変更するこ
とは、作業能率の低下を来すこととなる。

この考案はこのような実情に鑑みてなされたもので、簡
単な構造で、確実に階段部の内壁型枠を浮き状態で支持
することができ、しかも階段裏型枠の傾斜に容易に対応
することができ、専用でしかも汎用性がある階段の内壁
型枠支持具を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］前記課題を解決するために、この考案の階段の内壁型枠
支持具は、階段裏型枠の上面部に取付けられるベース部
と、外壁型枠に対向する内壁型枠を受けるようにして支
持する型枠受部と、このベース部と型枠受部とを連結す
る連結軸部とからなり、前記型枠受部は連結軸部に階段
の傾斜に応じて首振り可能であることを特徴としてい
る。

また、この考案の階段の内壁型枠支持具は、ベース部
と、型枠受部との間隔を変化させ、内壁型枠の高さを調
節するレベル調整機構を備えることができる。

［作用］この考案では、内壁型枠の下部に、内壁型枠支持具の型
枠受部を取付け、この内壁型枠支持具のベース部を階段
裏型枠の上面部に取付ける。これにより、内壁型枠が内
壁型枠支持具によって、階段裏型枠に対して、浮き上げ
た状態で確実に支持され、しかも内壁型枠支持具と内壁
型枠及び階段裏型枠との取付けで、例えば釘を打ち付け
ることによって固定でき取付作業が容易である。

また、この型枠受部は連結軸部に対して首を振るため、
階段の傾斜の変化に容易に対応することができ、作業性
が向上し、汎用性がある。

さらに、この考案の内壁型枠支持具では、ベース部と、
型枠受部との間隔を調節すると、内壁型枠の高さを自由
に調節することができる。

［実施例］次に、添付図面と共にこの考案の実施例を詳細に説明す
る。

第１図は階段の内壁型枠支持具の正面図、第２図は第１
図の左側面図、第３図は内壁型枠支持具の型枠受部の平
面図、第４図は第３図のIV-IV断面図、第５図は第３図
のＶ−Ｖ断面図、第６図は内壁型枠支持具のベース部の
平面図、第７図は第６図の左側面図、第８図は第６図の
VIII-VIII断面図である。

符号１は内壁型枠支持具で、この内壁型枠支持具１は型
枠受部２と、ベース部３と、このベース部３と型枠受部
２とを連結する連結軸部４とからなっている。

ベース部３は第３図乃至第５図に示すように、例えば樹
脂で一体に形成され、このベース部３は階段裏型枠の上
面部に取付けられる。

型枠受部２は第３図乃至第５図に示すように、例えば樹
脂で一体に形成され、この型枠受部２は外壁型枠に対向
する内壁型枠を受けるように形成されている。

即ち、型枠受部２は内壁壁型枠の下部が挿着される溝部
２ａと、連結軸部４のネジ部４ａが圧入される嵌合穴２
ｂとを有している。この溝部２ａには一対の釘孔５が形
成されており、溝部２ａに挿着した内壁型枠に下方から
釘を打込んで固定するようになっている。また、型枠受
部２の嵌合穴２ｂは溝部２ａ方向に広がるペーパ面２ｃ
を有し、さらに嵌合穴２ｂの底部２ｄが球面に形成され
ており、型枠受部２が階段の傾斜に応じて首振り可能と
なっている。

また、型枠受部２の嵌合穴２ｂには連結軸部４のネジ部
４ａが容易に挿着されるが、運搬時等に脱落することが
ないように形成されている。

ベース部３は第６図乃至第８図に示すように、例えば樹
脂で一体に形成され、階段裏型枠の上面部に当接して取
付けられる鍔部３ａと、連結軸部４の下部４ｂが圧入さ
れるボス部３ｂと、この鍔部３ａとボス部３ｂとの連結
を補強する補強部３ｃとを有している。このボス部３ｂ
に形成された孔部３ｄに連結軸部４が圧入され、運搬時
等に分離することがないようになっている。また、補強
部３ｃにはこの孔部３ｄの軸方向と平行に伸る釘孔６
と、鍔部３ａの傾斜面に対して直角の釘孔７が形成さ
れ、この釘孔６，７にそれぞれ釘が打込まれ、この直角
に打込まれる釘で位置の移動を規制するようになってい
る。この釘は例えば樹脂で形成したものを用いると、階
段裏の錆の発生を防止することができる。

連結軸部４は、例えば金属部材で形成され、このネジ部
４ａは型枠受部２の嵌合穴２ｂに挿着して連結され、下
部４ｂがベース部３の孔部３ｄに圧入して連結されてい
る。この連結軸部４のネジ部４ａにはナット８が螺着さ
れており、このナット８を回動することにより、型枠受
部２を移動でき、これらでベース部３と型枠受部２との
間隔を調節するレベル調整機構が構成されている。

次に、階段の内壁型枠支持具の使用を第９図乃至第１１
図に基づいて詳細に説明する。

第９図は建物階段部の型枠の組立て状態を示す図、第１
０図は内壁型枠の支持状態を示す正面図、第１１図は第
１０図のXI-XI断面図である。

まず、内壁型枠１０の下部に、内壁型枠支持具１の型枠
受部２を所定の間隔で嵌合して取付け、型枠受部２を釘
１１で内壁型枠１０に固定する。

そして、内壁型枠１０を階段裏型枠１２の所定の位置に
位置決めすると、内壁型枠支持具１のベース部３がその
鍔部３ａを階段裏型枠１２に当てがわれ、このベース部
３の鍔部３を樹脂で形成された釘１３，１４を打込んで
固定する。

これにより、階段裏型枠１２に対して、内壁型枠支持具
１で内壁型枠１０が浮かした状態で支持される。このと
き、階段裏型枠１２の傾斜が建物によって異なることが
あっても、内壁型枠支持具１の型枠受部２が、連結軸部
４に対して自動的に首振りを行ない、内壁型枠１０を所
定の状態に支持する。

この後に、内壁型枠１０の高さを調整する場合には、内
壁型枠支持具１の連結軸部４に螺着したナット８を回動
すると、ナット８を介して支持されている型枠受部２が
上下動するため、内壁型枠１０の高さを調節することが
できる。

このようにして組立てられた内壁型枠１０には、第９図
に示すように、その下部の垂直部に跳上型枠１５が設け
られ、これらの型枠によって構築される階段部にコンク
リートを打設して施工される。そして、内壁型枠１０を
取外すと、内壁型枠支持具１の型枠受部２を固定する釘
１１が上方へ突出するが、この釘の部分は例えばモルタ
ル等をコンクリートの上部に設けることによって埋めら
れる。また、階段裏型枠１２を外すと内壁型枠支持具１
のベース部３を固定する釘１３，１４が突出するが、例
えばハンマ等によって容易に取除くことができる。

また、前記実施例では、レベル調節機構が連結軸部４と
型枠受部２との嵌合位置を変化させるようになっている
が、連結軸部４とベース部３との嵌合位置を変化させて
もよく、さらに連結軸部を分割して連結軸部の長さを変
化させるようにしてもよい。

さらに、前記内壁型枠は手摺型枠であってもよい。

［考案の効果］以上説明したように、この考案の内壁型枠支持具は、そ
の型枠受部を内壁型枠の下部に取付け、ベース部を階段
裏型枠の上面部に取付けることにより、内壁型枠が内壁
型枠支持具によって階段裏型枠に対して、浮き上げた状
態で確実に支持され、内壁型枠の荷重を階段裏型枠によ
って確実に受けることができる。しかも、内壁型枠支持
具と内壁型枠及び階段裏型枠との取付けは、例えば釘を
打ち付けることによって固定でき、取付作業が容易であ
る。

さらに、この考案の内壁型枠支持具では、ベース部と、
型枠受部との間隔を調節すると、組立て後においても、
内壁型枠の高さを自由に調節することができ、汎用性が
ある専用の内壁型枠支持具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は階段の内壁型枠支持具１の正面図、第２図は第
１図の左側面図、第３図は内壁型枠支持具のベース部の
平面図、第４図は第３図のIV-IV断面図、第５図は第３
図のＶ−Ｖ断面図、第６図は内壁型枠支持具の型枠受部
の平面図、第７図は第６図の左側面図、第８図は第６図
のVIII-VIII断面図、第９図は建物の階段部の型枠の組
立て状態を示す図、第１０図は内壁型枠の支持状態を示
す正面図、第１１図は第１０図のXI-XI断面図である。図中符号１は内壁型枠支持具、２は型枠受部、３はベー
ス部、４は連結軸部である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】階段裏型枠の上面部に取付けられるベース
部と、外壁型枠に対向する内壁型枠を受けるようにして
支持する型枠受部と、このベース部と型枠受部とを連結
する連結軸部とからなり、前記型枠受部は連結軸部に階
段の傾斜に応じて首振り可能であることを特徴とする階
段の内壁型枠支持具。
【請求項２】前記ベース部と、型枠受部との間隔を変化
させ、前記内壁型枠の高さを調節するレベル調整機構を
備えることを特徴とする請求項１記載の階段の内壁型枠
支持具。