JPH069233U - 信号特性補正回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アナログ信号を高精度かつ安定に線形特性に
補正し、しかも、アナログ信号の変更に容易に対処でき
るようにする。 【構成】 アナログの入力信号をデジタル信号に変換す
るＡ／Ｄ変換器６と、入力信号の各値に対応する補正後
の値が予め書込まれ，デジタル信号をアドレス信号とし
て各補正後の値が選択的に読出されるメモリ７と、この
メモリ７の出力値をアナログ信号に変換して入力信号を
線形特性に補正したアナログの出力信号を形成するＤ／
Ａ変換器８とを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アナログ信号を線形特性（直線特性）に補正して出力する信号特性 補正回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、空調制御，給排水制御等の種々の監視制御においては、温度センサ，圧 力センサ等の種々のセンサのアナログ信号（計測信号）が非線形特性の信号で扱 いが困難であるため、これらの信号を線形特性に補正し、補正後の信号に基づく マイクロコンピュータの演算処理等から温度，圧力の過不足等を判別している。

【０００３】 そして、前記線形特性の補正には、従来、図２に示すアナログの信号特性補正 回路が用いられる。 この補正回路は、入力インターフェース１，アナログ非線形補正器２，出力イ ンターフェース３からなる。 そして、例えば温度センサのアナログ信号を入力信号Ｓｉとすると、この信号 Ｓｉは入力インターフェース１の増幅等により後段の入力条件との整合がとられ た後、補正器２に供給される。

【０００４】 この補正器２はアナログのフィルタ，リミッタ等を組合せて形成され、入力信 号Ｓｉが図３に示す非線形特性の電圧信号であれば、この特性が図４の線形特性 になるように、入力信号Ｓｉに非線形のアナログ補正を施す。 そして、補正器２の出力信号Ｓｏは出力インターフェース３の増幅等により整 合をとって後段回路に供給される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

前記図２の従来回路の場合、アナログの非線形補正器２はアナログ回路構成で あるため、その補正特性を高精度に設定することが困難であり、しかも、補正特 性の温度，湿度及び経年変化等の影響を排除することも困難であり、精度が高く 安定な補正を施すことができない問題点がある。

【０００６】 また、入力信号Ｓｉが変わると、その都度、補正器２の設計からやり直す必要 があり、容易に対処できない問題点もある。 本考案は、高精度かつ安定な補正が施せ、しかも、入力されるアナログ信号の 変更に容易に対処できる信号特性補正回路を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するために、本考案の信号特性補正回路においては、従来の アナログの非線形補正器の代わりに、アナログの入力信号をデジタル信号に変換 するＡ／Ｄ変換器と、入力信号の各値に対応する補正後の値が予め書込まれ，デ ジタル信号をアドレス信号として各補正後の値が選択的に読出されるメモリと、 このメモリの出力値をアナログ信号に変換して入力信号を線形特性に補正したア ナログの出力信号を形成するＤ／Ａ変換器とを備える。

【０００８】

【作用】

前記のように構成された本考案の補正回路の場合、アナログの入力信号はＡ／ Ｄ変換器によりデジタル信号に変換され、このデジタル信号によりメモリの各ア ドレスの値が選択的に読出され、この読出しにより入力信号がデジタル的に線形 特性に補正される。

【０００９】 さらに、メモリの出力値がＤ／Ａ変換器によりアナログ信号に戻され、入力信 号を線形特性に補正した信号が形成される。 そして、デジタル的な補正であるため、補正精度は高く、しかも、温度，湿度 及び経年変化等の影響も極めて少ない。 さらに、入力信号が変わるときは、メモリの保持内容を変更すればよく、回路 設計の変更等が不要で容易に対処できる。

【００１０】

【実施例】

１実施例について、図１を参照して説明する。 図１において、４は図２のインターフェース１に相当する入力インターフェー ス、５はデジタル補正器であり、Ａ／Ｄ変換器６，ＲＯＭ構成のメモリ７，Ｄ／ Ａ変換器８からなる。９は出力インターフェースであり、図２のインターフェー ス３に相当する。

【００１１】 そして、例えば温度センサの図３の非線形特性のアナログ信号を入力信号Ｓｉ とすると、この入力信号Ｓｉは入力インターフェース回路４を介してＡ／Ｄ変換 器６に供給され、この変換器６によりデジタル信号Ｄｉに変換される。 さらに、このデジタル信号Ｄｉが読出しのアドレス信号としてメモリ７に供給 される。

【００１２】 このメモリ７は図３の非線形特性を図４の線形特性に補正する電圧変換テーブ ルに基づき、入力信号Ｓｉの各電圧値のアドレスに補正後の電圧値のデータが予 め書込まれる。 そして、デジタル信号Ｄｉにより指定されたアドレスの補正後の電圧値のデー タが出力値のデータＤｏとしてメモリからＤ／Ａ変換器８に読出され、入力信号 Ｓｉがデジタル的に線形特性に補正される。

【００１３】 さらに、Ｄ／Ａ変換器８のアナログ変換により入力信号Ｓｉを線形特性に補正 したアナログの出力信号Ｓｏが形成され、この信号Ｓｏが出力インターフェース ９を介して後段回路に供給される。

【００１４】 そして、変換器５によりデジタル的に補正が施されるため、従来のアナログ補 正の場合より補正精度を高めることができ、しかも、補正特性が温度，湿度及び 経年変化等の影響をほとんど受けず、極めて安定に動作する。 また、センサの変更等で入力信号Ｓｉの特性が変わったり、全く異なるセンサ のアナログ信号を入力信号Ｓｉとする場合は、メモリ７の記憶データを入力信号 Ｓｉに応じて変更すればよく、ＲＯＭ交換又はデータの書換えにより容易に対処 できる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているため、以下に記載する効果を奏 する。 Ａ／Ｄ変換器６のデジタル信号によりメモリ７の各アドレスの値が選択的に読 出されてアナログの入力信号がデジタル的に線形特性に補正され、さらに、メモ リ７の出力値がＤ／Ａ変換器８によりアナログ信号に戻されて入力信号を線形特 性に補正した信号が形成されるため、補正精度が高く、しかも、温度，湿度及び 経年変化等の影響が極めて少なくなり、さらに、入力信号が変わるときは、メモ リ７の保持内容を変更すればよく、回路設計の変更等が不要で容易に対処できる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の信号特性補正回路の１実施例のブロッ
ク図である。

【図２】従来例のブロック図である。

【図３】入力信号の１例の特性図である。

【図４】図３の入力信号の補正後の特性図である。

【符号の説明】

６ Ａ／Ｄ変換器 ７ メモリ ８ Ｄ／Ａ変換器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アナログ信号を線形特性に補正して出力
   する信号特性補正回路において、 アナログの入力信号をデジタル信号に変換するＡ／Ｄ変
   換器と、 前記入力信号の各値に対応する補正後の値が予め書込ま
   れ，前記デジタル信号をアドレス信号として前記各補正
   後の値が選択的に読出されるメモリと、 該メモリの出力値をアナログ信号に変換して前記入力信
   号を線形特性に補正したアナログの出力信号を形成する
   Ｄ／Ａ変換器とを備えた信号特性補正回路。